JP2007158027A - 導体層付セラミックス基板およびその製造方法 - Google Patents

導体層付セラミックス基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ハンダ付け性および接着強度に優れ、しかも比抵抗が小さい導体層が表面に形成されている導体層付セラミックス基板の提供。
【解決手段】焼成されてセラミックス積層体となるセラミックグリーンシート積層体の表面に、ガラス粉末および金属粉末を含有し焼成されて導体層となる導体ペーストが塗布されたものを焼成して得られたセラミックス基板であって、セラミックス積層体上の導体層がその表面側に存在する金属層とセラミックス積層体との界面側に存在するガラス層とに分離している導体層付セラミックス基板。
【選択図】図2

Description

ハンダ付け等のための表層導体が形成されている低温同時焼成セラミックス基板など導体層付セラミックス基板およびその製造方法に関する。
低温同時焼成セラミックス(LTCC)技術は高周波用受動部品内蔵技術として広く用いられている。最近では無線LANやブルートウース、あるいはウルトラワイドバンド(UWB)向けのアンテナや各種フィルタなどへの応用が期待されている。
図1は、導体層付セラミックス基板の一種であるUWB向けの代表的なアンテナの断面の概念図である。アンテナ(導体層付セラミックス基板)10はその本体であるセラミックス層11の積層体と、その内部に配線される内層導体2、多層化されているために必要となる縦方向のパターンを電気的に接合するためのビア導体3およびアンテナへの給電および接合する基板とのハンダ付け用に用いられる表層導体1とを有する。
セラミックス層11の形成は、ガラスセラミックス組成物をセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートということがある。)にしたものを焼成して行われる。そのようなガラスセラミックス組成物としては、たとえばSiO−B−Al−RO(アルカリ土類金属酸化物)−ZnO系ガラス粉末およびアルミナ粉末からなるものが知られている(特許文献1参照)。
グリーンシートは積層されてグリーンシート積層体とされるが、焼成されて表層導体1となる導体ペースト層がグリーンシート積層体表面に、焼成されて内層導体2となる導体ペースト層がグリーンシート層間に、焼成されてビア導体3となる導体ペースト充填孔がグリーンシート内にそれぞれ形成される。
このような導体層付セラミックス基板は一般的なプリント基板上にハンダリフロー炉を用いて表層導体部分でハンダ付け実装されることが通常であるが、この場合表層導体には十分なハンダ付け性および接着強度が求められる。
このようなハンダ付け性および接着強度に優れた表層導体の形成に好適な導体ペーストとして、金属粉末、微量の酸化マンガン粉末、微量のガラスフリットおよび有機ビヒクルからなるものが知られている(特許文献2参照)。
特開2005−126250号公報 特開平5−48225号公報
高周波用受動部品の表層導体にはその比抵抗が3.0μΩ・cm以下であることが求められる。比抵抗が3.0μΩ・cm超であるようなものであると、アンテナの場合には放射効率が低下し、フィルタの場合にはこれを組み込んだ伝送ラインの導体損失が増大して伝送損失が悪化するという問題が生じるからである。
しかし、表層導体をハンダ付け性および接着強度に優れ、しかも比抵抗が小さいものとすることは困難であった。
たとえば、特許文献2に記載されている導体ペーストでは接着強度を高くするべくガラス粉末(ガラスフリット)が添加されているが、導体の比抵抗を高くするべくガラス粉末を除去したペーストを作製してこれを焼成して得られた導体においてもその比抵抗は3.0μΩ・cm超であった。
すなわち、特許文献2の表1に記載されている実施例1(重量部で、銀粉末:95、パラジウム粉末:5、MnO粉末:1、ガラスフリット:1)、実施例4(重量部で、銀粉末:80、パラジウム粉末:20、MnO粉末:0.2、SnO粉末:1、ガラスフリット:1)のそれぞれにおいてガラスフリットを0としたものに対応する導体ペースト1’、4’を、銀粉末(平均粒径1μmの球状粉末)、パラジウム粉末(平均粒径0.5μmの球状粉末)、MnO粉末(平均粒径1μmの球状粉末)もしくはSnO粉末(平均粒径1μmの球状粉末)および有機質ワニス(重合度7のエチルセルロ−ス樹脂をα−テレピネオ−ルに濃度が20質量%となるように溶解したもの)を調合後、磁器乳鉢中で1時間混練を行い、さらに三本ロールにて3回分散を行って作製した。
導体ペースト1’、4’を用いてスクリーン印刷法によりアルミナ基板上に長さ50cm、厚み10μmの短冊状パターンを形成し、室温から550℃まで5時間、550℃から875℃まで0.5時間、875℃に1.5時間、その後室温まで自然冷却、という条件で焼成した。
このようにして得られた導体ペースト1’、4’の各焼成体(導体)について比抵抗を測定したところそれぞれ3.8μΩ・cm、4.9μΩ・cmであった。
このことから、特許文献2に記載されているガラスフリット含有導体ペーストを焼成して得られる導体の比抵抗は3.0μΩ・cm超であることがわかる。
本発明は、ハンダ付け性および接着強度に優れ、しかも比抵抗が小さい導体層が表面に形成されている導体層付セラミックス基板の提供を目的とする。
本発明は、焼成されてセラミックス積層体となるセラミックグリーンシート積層体の表面に、ガラス粉末および金属粉末を含有し焼成されて導体層となる導体ペーストが塗布されたものを焼成して得られたセラミックス配線基板であって、セラミックス積層体上の導体層がその表面側に存在する金属層と、セラミックス積層体との界面側に存在するガラス層とに分離している導体層付セラミックス基板を提供する。
また、ガラス粉末および金属粉末を質量比で3:97〜25:75の割合で含有する導体ペーストをセラミックグリーンシート積層体の表面に塗布し、焼成を行って導体層付セラミックス基板を製造する方法であって、ガラス粉末が前記焼成を行ったときに結晶を析出するものであり、その軟化点は焼成を行う温度よりも300〜400℃低い導体層付セラミックス基板製造方法を提供する。
また、ガラス粉末および金属粉末を質量比で3:97〜25:75含有する導体ペーストをセラミックグリーンシート積層体の表面に塗布し、焼成を行って導体層付セラミックス基板を製造する方法であって、ガラス粉末が前記焼成を行ったときに結晶を析出するものであり、その軟化点が500〜600℃である導体層付セラミックス基板製造方法を提供する。
本発明者は、ハンダ付け性および接着強度に優れしかも比抵抗が小さい表層導体を得るために、銀粉末の粒径を変更してみる、セラミックグリーンシートが含有するガラス粉末と同じガラスの粉末を使用する、強度向上のための添加剤として知られている酸化銅や酸化バナジウムの粉末を添加する、等の種々の試みを行ったが所望の結果を得ることはできなかった。
しかし、導体ペーストに含有させるガラス粉末を軟化点が低くかつ焼成時にセラミックグリーンシート積層体が焼結し始める前に結晶を析出するものとすることによりハンダ付け性および接着強度に優れしかも比抵抗が小さい表層導体を得られることがわかった。
このようにして得られた導体層付セラミックス基板について表層導体部分の断面のSEM−EPMA写真をとったところ、表層導体部分が表層導体表面側の金属層と基板側のガラス層とに分離していることを見出し、本発明に至った。
図2は後述する例1の導体層付セラミックス基板における表層導体部分の断面のSEM−EPMA写真を層構造に着目して概念的にスケッチしたものであり、たとえば層境界は実際にはこのような直線状ではなく凹凸のあるものであった。
SEM−EPMA写真は次のようにして撮影した。すなわち、導体層付セラミックス基板を切断し、アクリル樹脂に埋包した後、破断面を鏡面研磨して試料を作製した。試料にカーボン蒸着を施し、日本電子社製電子線マイクロアナライザ(JXA−8900M)を用いて、出力15KV−30nA、分析プローブ径10μmにて半定量モードで面分析して撮影した。
図2(a)は表層導体の金属成分である銀のマッピングである。表面側の厚みがほぼ10μmの領域でのみ銀の存在が確認され、その他の領域の約99%において銀の濃度は0.1質量%未満であった。
図2(b)は表層導体に存在するガラスの成分であるビスマスのマッピングである。表面側に存在する厚みがほぼ10μmの銀の層(図2(a))に接するようにビスマスの層は存在し、上記銀の層にあたる領域においてビスマスの存在は認められなかった。すなわち、銀の層とビスマスを含有するガラスの層とは分離した状態で接していた。ビスマスの層の厚みすなわちガラスの層の厚みはほぼ8μmであり、このビスマスの層以外の領域の約98%においてビスマスの濃度は0.1質量%未満であった。
図2(b)においてビスマスの層の下方の領域は基板本体そのものすなわちセラミックグリーンシート積層体が焼成されたもの(セラミックス積層体)そのものである。
前記ビスマスの層は、焼成されて表層導体となる導体ペーストが存在しなければ基板本体となっていた部分に導体ペースト由来のガラスがいわば滲みこんでいる部分であり、いわば基板本体の変質部分である。
本発明では導体層付セラミックス基板表面に存在する表層導体または導体層は上記基板本体の変質部分(SEM−EPMA写真で認められるもの)を含むものとし、導体層において金属層(図2の例でいえば銀の層)とガラス層が分離しているとはガラスの金属層への混入がSEM−EPMA写真で認められないことである。
本発明では、図2(a)に示すように導体層表面にガラスが存在しないのでハンダ付け性すなわちハンダ濡れ性に優れる。
また、図2(b)に示すように金属層と基板本体の間に導体ペースト由来のガラスを含有する変質部分が存在し、この変質部分によって導体層または金属層と基板本体との接着強度が高くなる。
また、図2(a)、(b)に示すように金属層にはガラスが存在しないので導体層の比抵抗が小さくなる。
UWB向けのアンテナなどの放射効率を高くしたり、高周波用フィルタを組み込んだ伝送ラインの伝送損失を小さくしたりすることが可能になる。
また、一般的なプリント基板への実装強度を高くできる、メッキ処理なしでボンディングやハンダ付けができる、鉛含有ハンダに比べて濡れ性に劣る無鉛ハンダを用いたハンダ付けができる、などの効果がある。
本発明の導体層付セラミックス基板(以下、単に導体層付基板という。)を図1を用いて説明する。なお、本発明は図1に限定されない。
本発明の導体層付基板の主要部は複数のセラミックス層11が積層されたセラミックス積層体であり、セラミックス積層体の内部には通常、配線の一部となる内層導体2およびビア導体3が存在する。
セラミックス積層体の表面には導体層(表面導体)1が形成されており、導体層1は通常、内層導体2またはビア導体3と接続するように形成される。
セラミックス積層体の表面に形成されている導体層について、それがセラミックス層11上に形成されている場合を例にとってその断面の概念図である図3を用いて説明する。
断面のSEM−EPMA写真で見たときにセラミックス層11との間に境界を有して存在する層が導体層である。
同じように見たときに導体層自体がその内部に境界を有し、その境界よりも導体層表面側に存在する層が金属層1aであり、セラミックス層11との間の前記境界側すなわちセラミックス層11との界面側に存在する層がガラス層1bである。
金属層1aには金属が存在し、ガラス層1bにはガラスが存在する。
金属層1aにはガラスは実質的に存在しないことが好ましい。すなわち、金属層断面中のガラスが存在する部分の面積割合が3%以下であることが好ましい。
ガラス層1bには金属層1aの構成成分である金属すなわち焼成されて導体層となる導体ペーストが含有する金属粉末の金属は実質的に存在しないことが好ましい。すなわち、ガラス層断面中の前記金属粉末の金属が存在する部分の面積割合が2%以下であることが好ましい。
金属層1a断面中のガラスが存在する部分の面積割合およびガラス層1b断面中の前記金属が存在する部分の面積割合は、100μmの長さにわたる導体層の断面のSEM−EPMA写真を検出限界が0.1質量%の条件で撮影して求められる。
前記金属粉末は、銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末である、または、銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末とパラジウム粉末との混合粉末であることが好ましい。
金属層の比抵抗は3μΩ・cm以下であることが好ましい。3μΩ・cm超では高周波用受動部品に使用することが困難になる。
導体層は鉛を含有しないものであることが好ましい。
次に、本発明の導体層付基板製造方法(本発明の製造方法)について説明する。
本発明の製造方法は本発明の導体層付基板を製造する方法として好適である。
導体ペーストは通常、第1のガラス粉末、金属粉末および有機質ワニスからなるが、必要に応じてその他の粉末などを含有してもよい。
第1のガラス粉末と金属粉末の質量比が3:97よりも小さいと前記接着強度が低下する。典型的には5:95以上である。25:75よりも大きいと導体ペーストを焼成して得られた導体層の表面にガラスが存在しやすくなり、導体層のハンダ付け性が低下するまたは比抵抗が大きくなる。典型的には23:77以下である。
第1のガラス粉末は焼成時に結晶を析出するものでなければならない。そのようなものでないと、焼成時のガラス流動が過大となり導体層表面にガラスが存在しやすくなる。
第1のガラス粉末が結晶を析出する温度(Tc)は前記焼成を行う温度(Tb)よりも150〜250℃低いことが好ましい。TcがTbよりも150℃未満の範囲で低いものであると、焼成時にガラスが流動できる時間が短くなってセラミックス層との界面にガラスが存在しにくくなり接着強度が低下するおそれがある。TcはTbよりも180℃以上低いものであることがより好ましい。TcがTbよりも250℃を超えて低いものであると、焼成時のガラス流動が過大となり導体層表面にガラスが存在しやすくなるおそれがある。TcはTbよりも220℃以下の範囲で低いものであることがより好ましい。
典型的には、Tcは620〜720℃、Tbは850〜900℃である。
第1のガラス粉末の軟化点(Ts)はTbよりも260〜370℃低いものでなければならない。TsがTbよりも260℃未満の範囲で低いものであると、焼成時にガラスが流動できる時間が短くなってセラミックス層との界面にガラスが存在しにくくなり接着強度が低下するおそれがある。TsはTbよりも300℃以上低いものであることがより好ましい。
Tsは典型的には500〜600℃である。
第1のガラス粉末として、下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 40〜50%、B 10〜16%、ZnO 15〜21%、LiO+NaO+KO 10〜16%、Bi 2〜8%、TiO 1〜6%、CeO 0〜3%、から本質的になるガラスの粉末が例示される。
この例示ガラスにおいてモル%表示で、Bが10〜15%、LiOが4〜8%、NaOが5〜9%、KOが0〜2%、Biが3〜7%、TiOが2〜5%、であることが典型的である。
この例示ガラスは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよく、その場合そのような成分の含有量の合計は10モル%以下であることが好ましく、より好ましくは5モル%以下である。なお、たとえばKOが0〜2%であるとは、KOは必須ではないが2%まで含有してもよい、の意である。
金属粉末は、銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末であることが好ましい。
導体ペーストにおける有機質ワニスの質量百分率表示含有割合は、好ましくは3〜20%である。3%未満では焼成前の塗膜強度が不十分になる、またはペースト粘度が高くなり印刷性が低下するおそれがある。20%超では導体層中に空隙が多くなり比抵抗が大きくなる、またはペースト粘度が小さくなりすぎ印刷性がかえって低下するおそれがある。
導体ペーストは鉛を含有しないものであることが好ましい。
セラミックグリーンシート積層体はグリーンシートを積層したものである。
グリーンシートはLTCC技術において周知の方法によって作製される。すなわち、前記第2のガラス粉末およびアルミナ粉末等のセラミックス粉末を必須成分とするガラスセラミックス組成物をポリビニルブチラールやアクリル樹脂等の樹脂とトルエン、キシレン、ブタノール等の溶剤と、さらに必要に応じてフタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の可塑剤や分散剤を添加して混合し、スラリーとする。次に、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のフィルム上にドクターブレード法等によって、前記スラリーをシート状に成形する。このシート状に成形されたものを乾燥して溶剤を除去し、グリーンシートとする。
第2のガラス粉末はSiO、Al、ZnOおよびアルカリ土類金属酸化物を合計で70モル%以上含有するガラスの粉末であるが、その他に含有してもよい成分としてはB、Bi等が例示される。なお、PbOは含有しないものであることが好ましい。
第2のガラス粉末として、下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 25〜50%、B 0〜25%、Al 3〜12%、ZnO 1〜22%、MgO +CaO+BaO 18〜55%、から本質的になるガラスの粉末が例示される。この例示ガラスは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよく、その場合そのような成分の含有量の合計は10モル%以下であることが好ましく、より好ましくは5モル%以下である。
グリーンシート積層体を次のようにして作製した。
まず、表1のSiOからSnOまでの欄にモル%表示で示す組成となるように原料を調合、混合し、この混合された原料を溶融し、得られた溶融ガラスを流し出し冷却した。冷却されたガラスを粉砕してガラスA〜Dの粉末を得た。この粉末はフレーク状で、平均粒径は1μmであった。
次に、表2のガラス、セラミックスの各粉末をガラス量、セラミックス量の各欄に質量百分率表示で示す割合で含有するガラスセラミックス組成物GC−A〜Dを作製した。
アルミナ粉末としては住友化学工業社製スミコランダムAA2を用いた。
チタン酸バリウム粉末は次のようにして作製した。すなわち、BaCO粉末(堺化学工業社製炭酸バリウムBW−KT)88gとTiO粉末(東邦チタニウム社製HT0210)130gとを水を溶媒としてボールミルで混合し、乾燥後1150℃に2時間保持した。その後ボールミルで60時間粉砕して平均粒経が1μmの粉末とした。
ガラスセラミックス組成物GC−A〜Dのそれぞれについて、ガラスセラミックス組成物100質量部に、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、2−ブチルアルコールを質量比で4:2:2:1の割合で含有する有機溶剤を70質量部、フタル酸ジオクチルを5質量部、分散剤(ビックケミージャパン社製BYK180)を0.3質量部、ポリビニルブチラールを10質量部の割合で加えて撹拌し、なめらかなスラリーとした。このスラリーをPETフィルム上にドクターブレード法によって塗布し、乾燥して厚みが200μmのグリーンシートGS−A〜Dを得た。
グリーンシートGS−A〜Dのそれぞれについて、大きさが40mm×100mmのもの6枚を積層し、80℃に加熱し、80MPaの圧力をかけて一体化し、グリーンシート積層体A〜Dを作製した。
Figure 2007158027
Figure 2007158027
一方、導体ペースト用ガラス粉末としてガラス粉末1(モル%で、SiO 44.65%、B 13.13%、ZnO 18.44%、LiO 6.58%、NaO 7.06%、KO 0.71%、Bi 5.28%、TiO 3.15%、CeO 1.0%)、ガラス粉末2(モル%で、SiO 51.9%、Al 13.2%、ZnO 10.5%、MgO 24.4%)、ガラス粉末3(旭硝子社製SiO−B−PbO系ガラス粉末ASF−1340)を用意した。
ガラス粉末1、2、3はいずれも平均粒径が1μmのフレーク状のものであった。
ガラス粉末1、2、3のTs、Tcを次のようにして測定した。結果を表3に示す。なお、ガラス粉末3については850℃までの範囲で結晶析出は認められなかった。
Ts、Tc:示差熱分析による測定であり、島津製作所社製DTA−50を用いて白金容器にガラス粉末を30mg充填し、1分間につき10℃のスピードで900℃まで昇温した時の発吸熱曲線から、Tsについては第2吸熱部の裾の温度を、Tcについては発熱が最高になる温度をそれぞれ読み取った。
Figure 2007158027
ガラス粉末1、2または3を用いた導体ペーストをグリーンシート積層体A、B、CまたはDの表面にスクリーン印刷して図4のようなパターンを作製した。
図4の左側のパターンは比抵抗測定用パターン、右上側の3個の大きな正方形はハンダ濡れ測定用パターン、右下側の小さな正方形12個は接着強度測定用パターンである。
次に、このようなパターンが表面に形成されたグリーンシート積層体を箱形電気炉に入れ、室温から550℃まで5時間、550℃から875℃まで30分で昇温し、875℃にて1時間30分保持する焼成を行って図4に示すような導体層を表面に有する導体層付基板を得た。
表4、5の例1〜7は本発明の製造方法の実施例、例8〜11は比較例であり、例1は先にも述べたように本発明の導体層付基板の実施例である。
例8、9においては導体ペーストのガラス粉末と銀粉末の質量比が3:97〜5:75の範囲外であり、例10は導体ペーストのガラス粉末のTsが焼成温度すなわち875℃よりも245℃低く、例11は導体ペーストのガラス粉末が焼成時に結晶を析出しないものである。
表4、5において、ガラス欄には導体ペーストに使用したガラス粉末のガラスを、ガラス量、銀粉末量、ワニス量の欄には導体ペーストの各成分の質量百分率表示含有量を、ガラス:銀の欄にはガラス粉末と銀粉末の質量比を、積層体の欄には使用したグリーンシート積層体の名称をそれぞれ示す。
銀粉末としては平均粒径が3μmである球状のものを用いた。
有機質ワニスとしては、重合度7のエチルセルロ−ス樹脂をα−テレピネオ−ルに濃度が20質量%となるように溶解したものを用いた。
導体ペーストは、ガラス粉末、銀粉末および有機質ワニスを表4、5の割合で調合後、磁器乳鉢中で1時間混練を行い、さらに三本ロールにて3回分散を行って作製した。
例1〜11の導体層付基板について、比抵抗(単位:μΩ・cm)、ハンダ濡れ性(単位:%)、接着強度(単位:kg重/2mm。なお、1kg重/2mm=2.5MPa。)を以下のようにして測定した。結果を表4、5に示す。
比抵抗:アドバンテスト社製デジタルマルチメ−タ−を用いて、前記比抵抗測定用パターンについて電気抵抗Rを測定した。さらに、走査型電子顕微鏡により導体層付基板の断面を観察し金属層の断面積Sを求めた。前記R、Sと前記パターンの導電性線条の長さLを用いてR×S÷Lを算出し、これを比抵抗とした。比抵抗は3μΩ・cm以下であることが好ましい。
ハンダ濡れ性:240℃に保持したはんだ浴槽(3%Ag/96.5%Sn/0.5%Cu)に5秒間浸漬して引き出し、冷却後、導体層パターン面積に対するはんだの付着している部分の面積の割合を算出して表示した。ハンダ濡れ性はハンダ付け性の指標であり、100%であることが好ましい。
接着強度:2mm角の接着強度測定用パターンの上に無電解Niメッキを3μm施し、さらに無電解Auメッキを0.5μm施した後、0.6mm径のSnメッキ銅線をL字型にし、その水平部分をハンダ付けして、引張試験機によって20mm/分の速度で引っ張ることにより測定した。パターンがはがれたときの引張力を接着強度とした。接着強度は2.0kg重(5.0MPa)以上であることが好ましい。
なお、例9、10についてはハンダ付けができず接着強度を測定できなかった。
Figure 2007158027
Figure 2007158027
高周波用受動部品として利用できる。
導体層付セラミックス基板の断面の概念図。 導体層付セラミックス基板における表層導体(導体層)部分の断面のSEM−EPMA写真を層構造に着目して概念的にスケッチしたもの。 導体層がセラミックス層上に形成されている場合の断面の概念図。 導体層パターンの概念図。
符号の説明
1:表層導体(導体層)
1a:金属層
1b:ガラス層
2:内層導体
3:ビア導体
10:導体層付セラミックス基板
11:セラミックス層

Claims (15)

  1. 焼成されてセラミックス積層体となるセラミックグリーンシート積層体の表面に、ガラス粉末および金属粉末を含有し焼成されて導体層となる導体ペーストが塗布されたものを焼成して得られたセラミックス基板であって、セラミックス積層体上の導体層がその表面側に存在する金属層と、セラミックス積層体との界面側に存在するガラス層とに分離している導体層付セラミックス基板。
  2. 金属層断面中のガラスが存在する部分の面積割合が3%以下である請求項1に記載の導体層付セラミックス基板。
  3. ガラス層断面中の前記金属粉末の金属が存在する部分の面積割合が2%以下である請求項1または2に記載の導体層付セラミックス基板。
  4. 金属粉末が、銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末である、または、銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末とパラジウム粉末との混合粉末である請求項1、2または3に記載の導体層付セラミックス基板。
  5. 金属層の比抵抗が3μΩ・cm以下である請求項1、2、3または4に記載の導体層付セラミックス基板。
  6. 導体層が鉛を含有しない請求項1〜5のいずれかに記載の導体層付セラミックス基板。
  7. 第1のガラス粉末および金属粉末を質量比で3:97〜25:75の割合で含有する導体ペーストを、第2のガラス粉末を含有するセラミックグリーンシート積層体の表面に塗布し、焼成を行って導体層付セラミックス基板を製造する方法であって、
    第1のガラス粉末が、前記焼成を行ったときに結晶を析出し軟化点が焼成を行う温度よりも260〜370℃低いガラスの粉末であり、
    第2のガラス粉末が、SiO、Al、ZnOおよびアルカリ土類金属酸化物を合計で70モル%以上含有するガラスの粉末である導体層付セラミックス基板製造方法。
  8. 第1のガラス粉末の軟化点が500〜600℃である請求項7に記載の導体層付セラミックス基板製造方法。
  9. 第1のガラス粉末が結晶を析出する温度が前記焼成を行う温度よりも150〜250℃低い請求項7または8に記載の導体層付セラミックス基板製造方法。
  10. 第1のガラス粉末が結晶を析出する温度が620〜720℃である請求項7、8または9に記載の導体層付セラミックス基板製造方法。
  11. 前記焼成を行う温度が850〜900℃である請求項7〜10のいずれかに記載の導体層付セラミックス基板製造方法。
  12. 第1のガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 40〜50%、B 10〜16%、ZnO 15〜21%、LiO+NaO+KO 10〜16%、Bi 2〜8%、TiO 1〜6%、CeO 0〜3%、から本質的になる請求項7〜11のいずれかに記載の導体層付セラミックス基板製造方法。
  13. 第2のガラス粉末が下記酸化物基準のモル%表示で、SiO 25〜50%、B 0〜25%、Al 3〜12%、ZnO 1〜22%、MgO+CaO+BaO 18〜55%、から本質的になる請求項7〜12のいずれかに記載の導体層付セラミックス基板製造方法。
  14. 金属粉末が、銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末である、または、銀、金および銀−パラジウム合金からなる群から選ばれる1種以上の金属の粉末とパラジウム粉末との混合粉末である請求項7〜13のいずれかに記載の導体層付セラミックス基板製造方法。
  15. 導体ペーストが鉛を含有しない請求項7〜14のいずれかに記載の導体層付セラミックス基板製造方法。
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