JPH06231613A - 光重合性導電ペースト - Google Patents

光重合性導電ペースト

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Publication number
JPH06231613A
JPH06231613A JP4070493A JP4070493A JPH06231613A JP H06231613 A JPH06231613 A JP H06231613A JP 4070493 A JP4070493 A JP 4070493A JP 4070493 A JP4070493 A JP 4070493A JP H06231613 A JPH06231613 A JP H06231613A
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JP
Japan
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oxide
weight
parts
powder
conductive paste
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP4070493A
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English (en)
Inventor
Akinori Yokoyama
明典 横山
Hiroshi Yamada
浩 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP4070493A priority Critical patent/JPH06231613A/ja
Publication of JPH06231613A publication Critical patent/JPH06231613A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐酸化性に優れ、且つ低温で焼結し、優れた
接着強度を有するフォトリソグラフパターン化可能な光
重合性導電ペーストの提供。 【構成】 AgxCu1−x(0.001≦x≦0.
4、原子比)で表され、且つ粒子表面の銀濃度が平均の
銀濃度より高い銅合金粉末、光重合性モノマー、光重合
開始剤、光ラジカル発生剤及び軟化点300〜530℃
で且つ結晶化温度300〜600℃のガラスフリットよ
り得られる光重合性導電ペースト。 【効果】 導電性が高く、焼成時の酸素ドープに対する
優れた耐酸化性のみならず、低温度での焼結性が良く且
つ接着強度の高い利点を有するファイライン導体が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真製版技術によりパ
ターン化し、その後の焼成工程により導体回路を形成す
るための光重合性導電性ペーストに関するものであり、
近年用途が拡大している高周波回路などのファインライ
ン導体として利用される。
【0002】
【従来の技術】従来、高密度回路基板上あるいは多層基
板にパターンを形成するのに、有機バインダーに金属粉
末を混合した非感光性のペーストをスクリーン印刷によ
り基板上にパターン形成し、その後、高温度で有機バイ
ンダーを焼き飛ばし、金属粉末を焼結させて回路を形成
していた。
【0003】従来のスクリーン印刷法では、工業的に安
定して100μm以下の線幅の導体回路を安定に形成す
ることは困難であった。即ち、この限界付近ではスクリ
ーンの製版制度も悪く誤差を生じ易いという問題点があ
り、高密度化が困難であった。これまでに、スクリーン
印刷法の限界を打ち破る高密度パターンを得ることを目
的にして感光性樹脂組成物と金属粉末とを混合した感光
性を有する導電性ペーストの検討が行われてきた(例え
ば、特開昭54−121967号公報、特開昭54−1
3591号公報、特開昭59−143149号公報、ヨ
ーロッパ特許414167号)。
【0004】高い電気伝導性、高い寸法安定性のみなら
ず電気的あるいは製品不良率の関係から低残存カーボン
量の金属粉末を得るために、導電性金属粉末の高濃度
化、導電性金属粉末の焼成時での耐酸化性が必要にな
る。これまでに、導電性金属粉末に用いられているもの
として、銀、銀−パラジウム、金、銀−白金、銅などが
ある。このうちでも、銅を除いたものは空気中での焼成
が可能であり、有機バインダーを完全に焼き飛ばせるた
め、残存カーボン量による不良などの問題がない替わり
に、銀は100μm以下のファインパターンとした場
合、導体回路間でのマイグレーションが問題になる。
【0005】銀−パラジウムではファインパターン回路
での抵抗値が大きくて使用できない。金、銀−白金はコ
スト高であるのみならず、銀マイグレーション、ハンダ
食われが起こり使用できない。銅は本来導電性、ハンダ
食われ、耐マイグレーション性が良く、ファインパター
ン導体としても一番の高いポテンシャルを有するが、以
下の欠点があり、これまでに広く実用とされるに至って
いない。
【0006】つまり、光重合性導電性ペーストを写真製
版技術を用いてパターン化した後に数百度の温度で焼成
するが、銅の場合、酸化の問題から窒素雰囲気中で焼成
される。この時、形成された塗布パターン中の有機物を
焼き飛ばすため、焼成中に微量の酸素(〜20ppm)
をドープするが、酸素ドープ量が少ないと多量の残存カ
ーボンが残りファインライン回路での製品の不良率が高
くなる。酸素ドープ量を増加すると、銅粉末が焼結する
前に酸化されて高い導電性が得られないし、バンダ付け
もできない。
【0007】特に、工業的な生産ラインでは、管理が困
難で多くの問題が存在する。また、銅の表面に銀をメッ
キで被覆した粉末も導電金属粉末として提案されている
が、銅微粉末の表面を銀で完全に覆うのは困難で銅の酸
化防止にならないし、メッキ銀のマイグレーションの防
止が十分できない。銅合金粉末として、銅−パラジウム
合金などもあるが、導電性が低下するのと焼結性が悪い
ため実用に耐えない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、導電性が高
く、耐酸化性も高く、そのため焼成時の生産管理も容易
な厚膜ファインパターン用光重合性導電ペーストを提供
することを目的とする。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
検討した結果、特定の銀濃度傾向を有する銅合金粉末と
特定の軟化点、結晶化温度を有する酸化物ガラスフリッ
トとを含む光重合性導電ペーストとすることにより、高
い導電性を有し、優れた耐酸化性及び高い接着性を持つ
ファインライン化が可能な光重合性導電性ペーストを提
供できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明は: 一般式AgxCu1-x (ただし、0.001≦X≦
0.4 であり、Xは原子比を示す)で表され、粒子表
面の銀濃度が平均の銀濃度の2.1倍より高く、粒子表
面近傍で内部から表面に向かって銀濃度が増加する領域
を有する銅合金粉末100重量部に対して、軟化点が3
00〜530℃で且つ結晶化温度が300〜600℃で
ある酸化物ガラスフリットを0.01〜30重量部を含
有し、及び以下の(A)、(B)、(C)3成分からな
る感光性樹脂組成物0.5〜100重量部を添加してな
る光重合性導電ペーストを提供する。 (A);バインダーポリマー 50重量部 (B);重合性多官能モノマー 10〜300重量部 (C);光ラジカル発生剤 0.1〜10重量部 また、 上記酸化物ガラスフリットがPb、B、Zn
成分を含み、Zn/(Pb+B)(原子比)が0.05
〜2である点にも特徴を有する。また、
【0011】 上記光重合性導電ペーストに、銅合金
粉末100重量部に対して、酸化第一銅、酸化ビスマ
ス、酸化第二銅、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化
バリウム、酸化ベリリウム、酸化すず、酸化モリブデ
ン、酸化バナジウム、酸化ネオジウム、酸化カドミウ
ム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化タングステン、酸化ア
ンチモン、酸化ゲルマニウム、酸化ヒソ、酸化イットリ
ウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉛、アルミン酸亜
鉛、アルミン酸銅、四三酸化鉛、金属タングステンから
選ばれた平均粒子径0.01〜30μmの粉末1種以上
を0.01〜30重量部添加してなる点にも特徴を有す
る。
【0012】本発明で使用できる銅合金粉末は、少量の
銀を含み粒子表面の銀濃度が平均の銀濃度の2.1倍以
上であり、粒子表面に向かって銀が増加する領域を有し
ていることを要する。該銅合金粉末の作製法にあたって
は、既に本出願人により出願され開示されている米国特
許第5,091,114号明細書などに記載の方法で構
わない。該明細書の開示内容によれば、銀と銅の溶融物
を高圧のガスによりアトマイズし、急冷凝固する方法で
ある。特に、不活性ガスアトマイズ法が好ましい。
【0013】その際に、銀量Xが0.001未満である
と銅の酸化防止が不十分で焼成時の製品不良率(ハンダ
付け不良、導電性不良)が増加する。Xが0.4を超え
る場合には、ファインパターンにした場合の銀のマイグ
レーションの問題が生じる。好ましくは、0.005〜
0.2である。
【0014】本発明で用いることのできる銅合金粉末は
粒子表面の銀濃度が平均の銀濃度の2.1倍以上である
ことが好ましい。銀濃度が2.1倍未満の場合には銅の
酸化防止が充分でなく且つ、ハンダ付け性も悪い。好ま
しくは、2.3〜70倍である。本発明で使用される銅
合金粉末は、表面に銀が濃縮しているために、焼成時の
有機バインダーを焼き飛ばすための酸素ドープを十分に
添加することができ、且つ粒子の焼結性が良いためファ
インライン回路導体としての安定性が良い。また、銀が
内部に粒子内部に向かって減少しているため、主に10
0μm以下での回路であるファインライン間でのマイグ
レーションの問題が銀の場合に比べて極力低減できるこ
とにある。
【0015】ここで、表面の銀濃度とは、XPS(X線
光電子分光分析装置)で測定した値であり、以下の条件
で測定される。 1) 装置; X線光電子分光分析装置XSAM800
(KRATOS社製) 2) 試料; 試料台に導電性両面接着テープを張り付
け、本発明で用いる粉末を両面テープ上を完全に覆うよ
うに、かつ粉末の形状に変化を与えないように付着させ
た。 3) 測定条件; マグネシウムのKα線(電圧12k
eV、電流10mA)を入射させ、光電子の取り出し角
度は試料面に対して90度、室内圧力10-8torrで
行った。銀濃度の測定は、測定、次にエッチングし、こ
れを5回繰り返し行った。
【0016】4) エッチング条件;アルゴイオンガス
を加速電圧2keV、アルゴンイオンビームの試料面に
対する入射角45度、室内圧力10-7torrで毎回5
分間行った。最初の2回の測定値の平均値を表面の銀濃
度、表面の銅濃度とした。表面の銀濃度とはAg/(A
g+Cu)であり、表面の銅濃度はCu/(Ag+C
u)(原子比)である。 平均の銀、銅濃度は銅合金粉末を濃硝酸中に溶解してI
CP(高周波誘導結合型プラズマ発光分析計;セイコー
電子製)で分析した。
【0017】本発明で用いることのできる銅合金粉末の
粒子径は、形成する導電体(パターン)の大きさ及び膜
厚によって異なるが、一般に100μm程度の線幅のパ
ターンを形成する場合には、50μm以下の粒径のもの
が使用できる。特に線幅が50μm程度のパターンを得
るためには0.01〜10μmの範囲のものを使用する
のが好ましい。また、粒径がこの範囲に分布している粉
末を使用することもできる。
【0018】0.01〜10μmの粒径の粒子が80体
積%以上含有する粉末を使用するのが好ましい。10μ
mを超える場合には、パターンの解像度が悪い。0.0
1μm未満の場合には、粒子が酸化され易くなり好まし
くない。本発明の銅合金粉末の粒子径及び粒径分布の測
定は、レーザー回折型粒径分布測定装置(SALD11
00;島津製作所)を用いて、エチレングリコールに粉
末を超音波を使って分散させ体積積算粒径分布及び体積
積算の平均粒子径を測定した。
【0019】また、銅合金粉末の含有酸素量が多い粉末
である場合に、ペーストの粘度が増加したりするため、
酸素含有量が少ないものが好ましく、例えば、2重量%
以下、好ましくは0.5重量%、より好ましくは0.2
重量%以下である。銅合金粉末の形状は特に制限されな
いが、球状、柱状、薄片状やそれらの混合物を用いるこ
ともできる。薄片状のものを用いる場合には、球状の銅
合金粉末を公知の方法で機械的に変形させるのが良い。
例えば、スタンプミル、ボールミル、振動式ミル等の方
法が好ましい。
【0020】薄片状とは、長径(電子顕微鏡で見たとき
の最大粒子径)/厚さが2以上であるものを指す。2未
満のものは、球状粉末として取り扱う。本発明の光重合
性導電ペーストは、銅合金粉末100重量部に対して、
以下の(A)、(B)、(C)3成分からなる感光性樹
脂組成物0.5〜100重量部を添加している。 (A);バインダーポリマー50重量部 (B);重合性多官能モノマー 10〜300重量部 (C);光ラジカル発生剤0.1〜10重量部
【0021】この組成物を露光、現像する工程とその後
に焼成する工程により、金属成分を主成分とする導電体
を形成するものである。本発明に用いるバインダーポリ
マーとは、ラジカル重合性モノマーと相互侵入網目構造
を形成するための高分子量体であり、アクリル系、アミ
ド系、イミド系、ポリアルキレングリコール系、スチレ
ン系、エポキシ系、ポリオレフィン系など各種の高分子
量体を用いることができる。特に限定しないが、1種以
上のエチレン性不飽和化合物より形成される重合体であ
って、カルボキシル基を1個以上含有するエチレン性不
飽和化合物のモノマーユニットを少なくとも1モル%含
有する重合体が特に好ましい。エチレン性不飽和化合物
として各種の化合物が使用できるが、熱によって容易に
解重合あるいは分解し、カーボンその他の物質が殆ど残
存しない重合体を形成するモノマーが好ましい。
【0022】本発明に使用できるモノマー単位の例とし
ては、各種の重合性モノマーが使用できるが、例えば、
下記式(1) で示した化合物あるいは無水マレイン酸の様
な環状酸無水物型化合物を挙げることができる。
【0023】
【化1】
【0024】〔式中、R1,2,3,4 水素原子、ハロ
ゲン原子、カルボキシル基、エステル基、アミノ基、ア
シル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アセトキシ
基、低級アルキル基、フェニル基、あるいはハロゲン原
子、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル基、ア
ミノ基等の置換基で置換された低級アルキル基、あるい
は一般式−COOR5 または−CONHR5 (式中、R
5 は水素原子、アシル基、炭素数1〜18のアルキル
基、またはアルキル基のエステル基、ヒドロキシル基、
アリル基、アシル基、エチレンオキシド基、カルボン酸
無水物基、アクリル基、メタアクリル基等による置換
基、または式(CH2 −CHR6 −O)n 7(式中、
6 は水素またはメチル基、R7 は炭素数1〜4のアル
キル基、n=1〜9)で示される基)またはハロゲン原
子、アルキル基、ハロアルキル基、カルボキシル基、ヒ
ドロキシル基等の置換基で置換されたフェニル基を示
す。〕
【0025】その具体例としては、例えば以下のような
モノマーが挙げられる。メチルメタアクリレート、エチ
ルメタアクリレート、ブチルメタアクリレート、イソブ
チルメタアクリレート、ラウリルメタアクリレート、メ
チルアクリレート、ブチルアクリレート、ステアリルア
クリレート、2−ヒドロキシメタアクリレート、ヒドロ
キシプロピルメタアクリレート、ヒドロキシブチルメタ
アクリレートグリシジルメタアクリレート等のメタアク
リレート類あるいはアクリレート類;
【0026】スチレン、クロロメチルスチレン、α−メ
チルスチレン、ヒドロキシスチレン、エチレン、塩化ビ
ニル、酢酸ビニル等を挙げることができる。これらの
中、特に、メチルメタアクリレート、スチレンおよびα
−メチルスチレンを含有するポリマーが、非酸化性雰囲
気中における焼成においても熱分解性が特に優れている
ので好ましい。
【0027】式(1) で代表される不飽和化合物の1例で
あるカルボキシル基を有するエチレン性不飽和化合物と
して好ましいものとして、アクリル酸、メタアクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等
が挙げられる。H2 Oまたはアルカリ等と容易に反応し
カルボン酸やカルボキシレートを生成する置換基、例え
ば各種のカルボン酸無水物もカルボキシル基と同様な作
用を発現する。
【0028】その例としては、例えばアクリル酸、メタ
アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸等のカルボキシル基に低級脂肪酸無水物;低級脂
肪酸ハロゲン化合物等を反応させて得られる前記カルボ
キシル基を有するエチレン性不飽和脂肪酸のカルボン酸
無水物を挙げることができる。あるいは、無水マレイン
酸等の環状酸無水物型化合物を用いることができる。
【0029】用いるバインダーポリマーの分子量は特に
限定しないが、通常分子量が1,000から300万の
間の重合体が使用される。分子量が1,000より小さ
い低分子量重合体を用いると増粘度しやすくなり好まし
くない。また、分子量が300万を超えると溶剤及び現
像液への溶解性が悪くなり、ペースト組成物の作製工程
および現像工程において問題になる。好ましくは1万〜
100万の重合体、より好ましくは10万〜50万の重
合体が選択できる。また、分子量分布の揃った重合体を
使用することが現像特性を向上させるためには好まし
い。
【0030】本発明で用いるバインダーポリマーにおい
て、1重量%以上のカルボキシル基含有モノマーユニッ
トを有するポリマーの使用が、銅合金粉末の樹脂中での
分散性を向上させるので好ましい。バインダーポリマー
中のカルボキシル基の含有量により、現像工程において
水系現像液および有機溶剤系現像液を使うことができ
る。ラジカル重合性モノマーとの兼ね合いによるもので
一概に言えないが、水系現像液を使用するためには、ポ
リマー中のカルボシキル基の含有率は5重量%以上、好
ましくは10重量%以上、特に好ましくは15重量%以
上である。カルボキシル基の含有率が5重量%より少な
い場合、水系現像液に難溶となるので好ましくない。
【0031】また、極性有機溶剤で現像する場合には、
カルボキシル基の含有率の上限は特に限定しないが、非
極性有機溶剤で現像する場合には、カルボキシル基の含
有率は10重量%以下が好ましく、5重量%以下であ
る。10重量%を超えてカルボキシル基が含有されると
非極性有機溶剤に難溶となるので好ましくない。
【0032】本発明に使用される多官能性ラジカル重合
性モノマーとは、光ラジカル発生剤の作用によりラジカ
ル重合反応する官能基を分子内に2個以上含有する化合
物である。例えば、アクリル基、メタアクリル基、アク
リルアミド基、マレイン酸エステル、アリル基、ビニル
エーテル、ビニルアミノ基、アセチレン性不飽和基等を
分子内に含有する化合物を挙げることができる。これら
の化合物は光重合開始剤の作用により重合反応し、前記
バインダーポリマーと相互侵入網目構造を形成すること
によりゲル化して現像液に不溶となる重合物を形成す
る。
【0033】ラジカル反応するモノマーとしては各種の
化合物を使用できるが、多官能性アクリレートまたは多
官能性メタアクリレートモノマーが特に重合性が高くゲ
ル化しやいので好ましい。例えば、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポ
リエチレングリコールジアクリレート、あるいはポリウ
レタンジアクリレート類およびそれ等に対応するメタク
リレート類;
【0034】ペンタエリスリトールトリアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールメタントリアクリレート、下記化2に構造を示した
エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアク
リレート、下記化3に構造を示したプロピレンオキシド
変性トリメチロールプロパントリアクリレート、下記化
4に構造を示したエピクロルヒドリン変性トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレー
ト、
【0035】下記化5に構造を示したエチレンオキシド
変性リン酸トリアクリレート、下記化6に構造を示した
エピクロルヒドリン変性グリセロールトリアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート
等に代表される多官能アクリレートあるいはそれ等に対
応するメタアクリレートモノマーを選択することができ
る。
【0036】
【化2】
【0037】
【化3】
【0038】
【化4】
【0039】
【化5】
【0040】
【化6】
【0041】また、ポリメタアクリル酸、ポリアクリル
酸、ポリマレイン酸等のカルボキシル基含有ポリマーに
ブタンジオールモノアクリレート、ポリエチレングリコ
ールアクリレート等をエステル化、アミド化反応させア
クリレート基を導入した多官能アクリレート類を用いる
ことができる。特に、2官能、3官能および4官能モノ
マーを用いた系で光重合感度の高い感光性導電性ペース
トが得られた。これらの多官能性ラジカル重合性モノマ
ーは、単独あるいは混合物であっても良い。本発明にお
ける感光性樹脂組成物には、単官能性モノマーが入って
いても構わない。その含有量はラジカル重合性モノマー
全量の50重量%以下、好ましくは、30重量%以下で
ある。
【0042】単官能性モノマーを50重量部を超えて含
有させると、ペースト組成物の露光部の重合体との相互
侵入網目構造の形成が不十分になり、ゲル化の低下をも
たらすため好ましくない。
【0043】本発明における光ラジカル発生剤は、重合
体(A)50重量部に対して0.1〜10重量部添加す
る。0.1重量部より少ないと光重合開始剤の添加量で
は、ペースト組成物の光硬化性が低く好ましくない。ま
た、10重量部を超える場合には光硬化性の向上は見ら
れない。
【0044】本発明の光重合開始剤として、可視、近紫
外または紫外光線照射後の光化学反応によってラジカル
を発生する通常の化合物を使用することができるが、作
業性等を考慮すると紫外線光領域に分光感度の高い化合
物が好ましい。
【0045】ラジカル重合反応を誘起する化合物とし
て、ベンゾフェノン類、ビシナルケトン類例えばジアセ
チル、ベンジル、α−ピリジル、アシロイン類例えばベ
ンゾイン、ピバロン、α−ピリドイン;ベンゾイン類例
えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、
ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタ
ール;
【0046】アセトフェノン類例えば4−フェノキシジ
クロロアセトフェノン、4−tert−ブチル−ジクロ
ロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン;チオキ
サントン系例えば、2、4−ジエチルチオキサントン、
2、4−ジメチルチオキサントン、2−クロルチオキサ
ントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオ
キサントン、2、4−ジクロロチオキサントン、2、4
−ジプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導
体;
【0047】アントラキノン類例えばエチルアントラキ
ノン、ベンズアントラキノン、ジアミノアントラキノ
ン、これらの他にもカンファーキノン、4、4′−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ジベンゾスベロ
ン、4、4′−ジエチルイソフタロフェノン、アシルフ
ォスフィンオキシドを選択することができる。
【0048】特に、ベンゾフェノン類、チオキサントン
及びその誘導体、アントラキノン類が好ましい。これら
の単独あるいは2種類以上の混合物として用いることが
できる。また、アミン系光開始助剤を添加することがで
きる。光開始助剤とはそれ自身は紫外線照射により活性
化はしないが、ラジカル反応を誘起させる光開始剤と併
用すると光開始助剤単独使用より光重合開始反応が促進
され、硬化反応を効率的にするものであり、主として脂
肪族、芳香族アミンが使用される。
【0049】例えば、トリエチレンテトラミン、トリエ
タノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソ
プロパノールアミン、n−ブチルアミン、N−メチルジ
エタノールアミン、ジエチルアミノエチルメタアクリレ
ート、ミヒラーケトン、4,4′−ジエチルアミノフェ
ノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミル等を挙げることができる。
特に、ミヒラーケトン、4、4′−ジエチルアミノフェ
ノン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミル酸の芳香族アミンが好まし
い。
【0050】光開始助剤は、光開始剤1重量部に対して
0.1〜10重量部好ましくは、0.5〜5重量部の範
囲で添加できる。上記範囲以外の添加は、ペースト組成
物の光硬化性の向上に寄与しないので好ましくはない。
【0051】本発明に用いる感光性樹脂組成物中のバイ
ンダーポリマーと多官能性ラジカル重合性モノマーとの
割合は、光重合性導電ペースト組成物のパターン形成特
性に重要である。それぞれの割合は、次の範囲にあるこ
とが望ましい。 ポリマー :50重量部 多官能性ラジカル重合性モノマー:10〜300重量部
【0052】多官能性ラジカル重合性モノマーが300
重量部を超える場合には、ペーストとして良好な粘度を
維持することが困難となる。また、露光、現像工程にお
けるパターン形成性が悪くなり好ましくない。また、多
官能性ラジカル重合性モノマーが10重量部以下になる
と露光部と未露光部の現像工程における溶解性の差が少
なくなり、パターン形成性が悪化し好ましくない。好ま
しくは、20〜100重量部、より好ましくは30〜8
0重量部の多官能性ラジカル重合性モノマーをバインダ
ーポリマーに添加する。
【0053】又、溶剤の添加は本発明の光重合性ペース
ト組成物を基板上に塗布する時のペースト粘度を調整す
るために行うためのものである。用合いの沸点としては
60℃〜300℃のものが操作性が良い。60℃以下の
ものは揮発性が高く、ペースト混練時に高粘度化をもた
らし、保存性も低下する。また、300℃を超える物に
ついては乾燥が不十分になり、露光時にマスク面を密着
させることが困難になる。
【0054】適当な溶剤としては公知の溶剤を用いるこ
とができるが、例えば、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコルモノブチルエーテ
ルなどの多価アルコール及びそれらのエステル類、芳香
族類、テルペン類、ジブチルフタレート、2、2、4−
トリメチル−1、3−ペンタンジオールモノイソブチレ
ート、テキサノール、フェノキシプロパノールなどが挙
げられるが、特に制限されるものではない。
【0055】銅合金粉末と感光性樹脂組成物との割合
は、銅合金粉末100重量部に対して感光性樹脂組成物
の合計量が0.5〜100重量部の範囲で選択できる。
100重量部を超える場合には銅合金粉末の充填密度が
上がらず、焼成時の焼結密度が上がらず導電性が悪くな
る。また、残存カーボン量が多く不良率が高い。0.5
未満の場合には、ファインパターンの形成ができない。
好ましくは、1〜50重量部である。
【0056】本発明の光重合性ペーストを焼結後、基板
に対して充分な接着強度を持たせるためと焼結体中のボ
イドを埋めるため、ペーストに軟化点が300〜530
℃で且つ結晶化温度が300〜600℃であるガラスフ
リットを添加して用いられる。
【0057】300〜530℃で軟化するために、ガラ
スフリット中のその他の成分が十分に軟化し、流動化す
るため導体のボイドを埋め、さらに接着強度を安定化す
るものである。300℃未満ではガラスが軟化し過ぎて
有機ビヒクルの焼き飛びを阻害する。530℃を超える
場合には、焼成温度での十分な軟化、流動化が足りず接
着力が得られない。軟化点としては、さらに300〜4
90℃が好ましく、340〜475℃が最も好ましい。
【0058】結晶化温度は300〜600℃であるが、
300℃未満であると、十分な流動化が起こる前に結晶
核が発生して基板との強度が却って悪い。600℃を超
える場合には、核発生量が十分でなく接着強度が却って
悪くなる。好ましくは350〜580℃、さらに好まし
くは380〜560℃である。
【0059】本発明で用いる軟化点、結晶化温度とは、
本発明で使用されるガラスフリットを約70〜100m
gをDTA(示差熱分析計)のセルに仕込み、昇温温度
10℃/分で昇温させて行なった時の発熱、吸熱パター
ンから求めた。特に、結晶化温度は結晶化の発熱ピーク
トップ時の温度を用いた。
【0060】例えば、ガラスフリットを構成する組み合
わせとして、PbO−B2 3 −ZnO,CaO−Al
2 3 −SiO2 、PbO−ZnO−B2 3 −SiO
2、PbO−SiO2 −B2 3 ,SiO2 −ZnO−
BaO、SiO2 −ZnO−MgO,SiO2 −ZnO
−CaO、SiO2 −B2 3 −MgO,SiO2−B
2 3 −BaO,SiO2 −B2 3 −CaO、SiO
2 −Al2 3 −BaO、SiO2 −Al2 3 −Mg
O、SiO2 −Al2 3 −CaO、SiO2 −B2
3 −Al2 3 、SiO2 −B2 3 −Na2 O、Si
2 −B2 3 −K2 O、SiO2 −B2 3 −Li2
O、SiO2 −B2 3 −SrO、SiO2 −B
2 3 、SiO2 −PbO−CaO、SiO2 −PbO
−ZnO、SiO2 −B2 3 −Bi2 3 などから選
ばれたものが挙げられる。
【0061】中でも、Pb、B、Zn成分を含むものが
良い。この場合、ガラスフリット中でのZnの酸化物成
分としてのZnOが基板上で結晶核を発生させ易く、導
体膜と基板との間に強固な接着が得られ易い。Pb、
B、Zn成分を含むものについては、前記のように、Z
nOが結晶核発生をしやすいため、Zn/(Pb+B)
原子比が0.05〜2が良い。
【0062】0.05未満の場合には十分な核発生量が
得られず、2を超える場合には、流動化させ易いPb、
B量が不足である。好ましくは0.1〜1.8であり、
さらに好ましくは0.3〜1.7である。
【0063】軟化点が300〜530℃で且つ結晶化温
度が300〜600℃であるガラスフリットの含有量
は、銅合金粉末100重量部に対して0.01〜30重
量部である。0.01未満では十分な接着強度が得られ
ない。30を超える場合には、銅合金粉末の焼結成を損
ねてしまう。好ましくは、0.1〜12重量部である。
さらに、好ましくは0.3〜7重量部である。
【0064】また、必要に応じて、Pb、B、Si成分
を含む非晶性ガラスフリットを同時に添加して用いるこ
ともできるし、少量であれば、結晶化温度が600℃を
超えるガラスフリットを含んでいても構わない。この場
合、非晶性ガラスフリットは、本発明で使用できるガラ
スフリット100重量部に対して、0.1〜400重量
部添加しても構わない。また、600℃を超える結晶化
ガラスフリットを添加する場合には、本発明で使用でき
るガラスフリット100重量部に対して、50重量部ま
で添加しても構わない。
【0065】ガラスフリットの粒子径は、銅合金粉末と
同等かさらに細かいものが好ましく、0.01〜10μ
mのものを80%以上含むものが好ましい。さらに接着
性を向上するために、酸化ビスマス、酸化マンガン、酸
化第一銅、酸化第二銅、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化バリウム、酸化ベリリウム、酸化スズ、酸化モ
リブデン、酸化バンジウム、酸化ネオジウム、酸化カド
ミウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化タングステン、酸
化ヒソ、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、酸化クロ
ム、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化
鉛、アルミン酸亜鉛、アルミン酸銅、四三酸化鉛、金属
タングステンなどの微粉末(好ましくは0.1〜20μ
m平均粒子径)を添加することができる。
【0066】この場合、銅合金粉末100重量部に対し
て0.01〜30重量部添加することで接着強度をさら
に向上できる。0.01未満では十分な接着強度が得ら
れず、30重量部以上では、焼結性を阻害する。
【0067】また、本発明の光重合性ペーストに必要に
応じて可塑剤、潤滑剤、酸化防止剤、粘度調整剤などの
添加剤を添加することができる。可塑剤として、ジエチ
ルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフ
タレート、ジベンジルフタレート、ポリアルキレングリ
コール、トリエチレングリコールジアセテート、ポリエ
チレノキシド等が好ましい。銅合金粉末100重量部に
対して5重量部を超えては感光性樹脂組成物の光硬化性
感度を低下させる。
【0068】また、潤滑剤、酸化防止材として、例え
ば、シランカップリング剤、アルミニウムカップリング
剤、チタンカップリング剤、大豆レシチン、ジエタノー
ルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルフォスフ
ェート、炭素数20から炭素数50までのマイクロワッ
クス、炭素数20から35までのパラフィン、ステアリ
ン酸、オレイン酸、ジオクチルフタレート等の可塑剤、
炭素数20までのカルボン酸、ハイドロキノン、フェノ
ール等のフェノール誘導体、アセチルアセトン等の酸化
防止剤を添加することができる。潤滑剤、酸化防止剤、
粘度調整剤の使用量は、銅合金粉末に対して合計で0.
001〜40重量部が使用できる。
【0069】本発明の光重合性導電ペースト組成物の基
板への塗布方法は、スクリーン印刷、ロールコーターあ
るいはドクターブレード等など公知の方法を用いること
ができる。光重合性ペーストを印刷して乾燥後、近紫外
光線または紫外光線を用いて露光する。光重合性導電ペ
ースト組成物調整およびパターン化工程の操作性を考慮
すると、光重合開始剤として近紫外線あるいは紫外線領
域の波長範囲に分光感度を有する化合物を用いることが
好ましいので、450nmより短波長側の光が発生する
光源を用いることが好ましい。例えば、超高圧水銀灯、
高圧水銀灯、キセノン灯、あるいはこの波長範囲の光を
発生するレーザー等の光源を用いることができる。
【0070】本発明で使用するバインダーポリマーのな
かでもカルボキシル基含有バインダーポリマーを用いた
場合には、有機バインダー中での銅合金粉末の分散性が
極めて高い。そのために、露光後に水系現像液あるいは
有機溶剤系現像液で現像する場合、未露光部の銅合金粉
末は微粒子状に系外にほぐれ出し、しかも高濃度に銅合
金粉末を含有した組成物においてもそのほぐれ出す速度
が極めて早い等、従来知られていたポリメタアクリル酸
メチル、ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン等の有
機バインダーにカルボキシル基を含有していないポリマ
ーを使用した従来の感光性樹脂組成物を有機溶媒で現像
する場合よりもはるかに優れた現像特性を新たに見い出
した。
【0071】その結果、銅合金粉末とカルボキシル基を
含有した有機バインダーを混合したペースト組成物にお
いて、これまで不可能であった高濃度に銅合金粉末を含
有したペースト組成物における微細パターンの形成が可
能になった。
【0072】水系現像液としては、弱アルカリ性水溶液
が好ましい。アルカリ現像液の例としては、炭酸ナトリ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
等の無機アルカリおよびヒドロキシトリメチルアンモニ
ウム、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、
エタノールアミン等の有機アミン類等の有機アルカリ水
溶液を使用することができる。アルカリ水溶液の濃度
は、0.1重量%以上5重量%以下、好ましくは0.3
重量%以上2重量%以下である。5重量%より高濃度の
アルカリ水溶液を用いても現像速度は向上せず、また
0.1重量%より希薄な水溶液を用いた場合には現像速
度が遅くなるので好ましくない。アルカリ水溶液で未露
光部を溶出させた後、水を用いて余分なアルカリ溶液を
除くリンス工程が有効である。
【0073】有機溶剤系現像液としては、本発明で使用
する感光性樹脂組成物を溶解する溶剤であれば使用する
ことができる。本発明で使用する現像方法としては通常
の方法を用いることができる。例えば、現像液中にディ
ップする方法、現像液を噴霧するスプレー法等を挙げる
ことができる。特に、微細配線パターン形成のためには
スプレー現像法が極めて有効である。
【0074】本発明では、現像工程により形成されたペ
ースト組成物パターンを焼成する工程とは、ペースト組
成物中の有機物を焼き飛ばし、且つ銅合金粉末を焼結さ
せる工程を指す。この場合、不活性雰囲気中が好まし
く、窒素、アルゴン、ヘリウムなどが挙げられる。酸素
をドープすることによって有機物を完全に焼き飛ばし、
残存カーボン量を低減することができるが、本発明の銅
合金粉末は耐酸化性に優れるため、数百ppmの酸素を
ドープすることができる。
【0075】焼成温度は、使用する感光性有機バインダ
ーの種類によっても異なるが、少なくとも有機物に分解
温度以上及び銅合金粉末の焼結でとる温度以上が好まし
い。例えば、300℃〜100℃の範囲、好ましくは4
00℃〜1000℃の範囲が使用される。
【0076】印刷基板としては、アルミナ、フォルステ
ライト、ステアライト、コージェライト、ムライト、窒
化アルミ、炭化ケイ素、ガラスを主成分にした硬質基
板、あるいはこれらを主成分にしたグリーンシート基板
(焼成温度300℃〜1050℃)、あるいはフレキシ
ブルなセラミックス基板、ステンレス、鉄−ニッケル合
金等の金属基板、ほうろう基板などが挙げられるがこれ
に限るものではない。
【0077】以下に本発明の実施例、比較例を具体的に
説明するが、本発明の範囲はこれらに制限されない。
【実施例】
(粉末製作例1)銀粒子(平均粒子径2mmφ、以下の
作製例同じ)5.35g、銅粒子(平均粒子径3mm
φ、以下の作製例同じ)314.007gをボロンナイ
トライドるつぼに入れ、窒素ガス雰囲気中(99.9%
以上)で高周波誘導加熱を用いて1750℃まで加熱溶
解した。融解後、るつぼ先端に取り付けたノズルより窒
素ガス雰囲気中へ噴出した。同時に、ガス圧40kg/
cm2 Gの窒素ガス(99.9%以上)を融液に対して
ガス/融液質量速度比0.7の条件で噴出し、アトマイ
ズした。
【0078】得られた粉末の平均粒子径は13μmであ
った。得られた粉末を10μmで気流分級機で分級し
た。得られた粉末は平均粒子径4.5μmで0.01〜
10μmの存在が99.9%以上であった。粒子の表面
の銀濃度は表面より、0.09、0.082、0.0
7、0.05、0.04であり、表面の銀濃度xは0.
086であった。また、平均の銀濃度は0.01であ
り、表面の銀濃度は平均の銀濃度の8.6倍であった。
【0079】(粉末作製例2)銀粒子26.9g、銅粒
子301.6gを黒鉛るつぼに入れ、窒素雰囲気中(9
9.9%以上)で高周波誘導加熱を用いて1750℃ま
で加熱溶解した。融液をるつぼ先端のノズルより窒素ガ
ス雰囲気中へ噴出した。噴出と同時に、ガス圧50kg
/cm2 Gの窒素ガス(99.9%以上)を融液に対し
てガス/融液質量速度比2.1で噴出しアトマイズし
た。
【0080】得られた粉末の平均粒子径は11μmであ
った。得られた粉末の中、5μm以下を気流分級した。
平均粒子径1.9μmであり、0.01〜10μmの存
在が99.9%以上であった。粒子表面の銀濃度は0.
85、0.75、0.67、0.5、0.45であり、
表面の銀濃度は0.8であった。平均の銀濃度は0.0
5であり、表面の銀濃度は平均の銀濃度16倍であっ
た。
【0081】(粉末作製例3)銀粒子378g、銅粒子
413gを黒鉛るつぼに入れ、窒素雰囲気中(99.9
%以上で)高周波誘導加熱を用いて1750℃まで加熱
溶解した。融液をるつぼ先端に取り付けたノズルより窒
素雰囲気中へ噴出した。噴出と同時に、ガス圧50kg
/cm2 Gの窒素ガス(99.9%以上)を融液に対し
て噴出しアトマイズした。
【0082】得られた粉末は球状で平均粒子径10μm
であった。3μm以下を気流分級機で分級した。得られ
た粉末は平均1.2μmであった。0.01〜10μm
の存在は99.9%以上であった。表面の銀濃度を測定
したところ、表面より銀濃度は0.95、0.85、
0.76、0.7、0.6であり、表面の銀濃度は0.
9であった。平均の銀濃度は0.35であり、表面の銀
濃度は平均の銀濃度の2.6倍であった。
【0083】(実施例1)メチルメタアクリレート60
モル%、メタアクリル酸30モル%およびブチルアクリ
レート10モル%からなる分子量13万の共重合体50
重量部に対して、化7に示されるようなエチレンオキシ
ド変性トリメチロールプロパンアクリレート50重量
部、2,4−ジエチルチオキサントン1.5重量部、4
−ジメチルアミノ安息香酸エチル3.5重量部、および
n−メチレンピロリドン135重量部を十分に混合して
感光性樹脂組成物を得た。
【0084】
【化7】
【0085】作製例1で得られた平均粒子径5μmの銅
合金粉末100重量部に対して、PbO−B2 3 −Z
nOガラスフリット(軟化点464℃ 結晶化温度 4
84℃)(Zn/(Pb+B)−0.48原子比)2重
量部、感光性樹脂組成物15重量部を混合して光重合性
導電ペーストを得た。このペーストをアルミナ基板上に
ロールコーターを用いて塗布した。70℃のオーブン中
で乾燥した。乾燥後の膜厚は16μmであった。次に、
露光マスクを介して250W超高圧水銀灯の光を窒素雰
囲気下で600秒照射し、15分間70℃で熱処理し
た。その後、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として
スプレー現像した。パターンの形成に用いたフォトマス
クを図1に示した。
【0086】このパターンにおいて40μmの線幅まで
パターン化できた。これを、連続炉を用いて窒素雰囲気
中で890℃で10分間焼成した。この時、500℃ま
で酸素を400ppmドープした。基板上に形成した導
体の厚さは12μmであった。導電性を測定したとこ
ろ、2.1μΩ・cmで良好であった。
【0087】また、クリームハンダを塗布してハンダ付
け試験を230℃、20秒のリフロー炉で試験したとこ
ろ、良好なハンダ付け性を示した。さらに、230℃、
5秒はんだ浴中でdip試験を繰り返ししたところ、1
7回行ってもハンダ食われは少なく導電性を維持してい
た。
【0088】(実施例2)メチルメタアクリレート90
モル%、メタアクリル酸10モル%からなる分子量11
万の共重合体50重量部に対して、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート100重量部、イソプロピルチオキ
サントン2重量部、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル
10重量部、エチレングリコールモノエチルエーテル1
30重量部を混合し感光性樹脂組成物を得た。
【0089】作製例2で得られた平均粒子径1.9μm
の銅合金粉末100重量部に対して、感光性樹脂組成物
21重量部、PbO−B2 3 −ZnO(平均粒子径1
μm)ガラスフリット(軟化点496℃ 結晶化温度5
80℃)6重量部、PbO−SiO2 −B2 3 ガラス
フリット1重量部トータル7重量部(Zn/(Pb+
B)=0.25原子比)を混合し、光重合性導電ペース
トを作製した。このペーストをムライト基板上にロール
コーターを用いて塗布した。さらに、70℃で乾燥し
た。乾燥後の膜厚は20μmであった。
【0090】その後、紫外線光線である250W超高圧
水銀灯で600秒フォトマスクを通して露光した。さら
に、これを1,1,1−トリクロロエタンを現像液とし
てスプレー現像法により現像した。図1に示したフォト
マスクを用いて像を形成した結果、40μmのパターン
まで現像できた。さらに、連続焼成炉を用いて窒素雰囲
気中850℃ 10分間で焼成した。この時、500℃
まで、酸素500ppmドープした。基板上に形成した
導体厚は13μmであった。導電性は2.4μΩ・cm
と良好であった。
【0091】クリームハンダを塗布して230℃ 20
秒リフロー炉でハンダ付け性を見たところ、良好であっ
た。また、230℃の共晶はんだ浴中に5秒間dipを
繰り返し行ったところ、17回行っても導電性が得られ
はんだ食われが起こらなかった。
【0092】(実施例3)作製例3で得られた銅合金粉
末(平均粒子径1μm)100重量部に対してPbO−
SiO2 −B2 3 −ZnO(平均粒子径1μm)ガラ
スフリット(軟化点470℃ 結晶化温度500℃)1
重量部、PbO−SiO2 −ZnOガラスフリット0.
5重量部トータル1.5重量部(Zn/(Pb+B)=
0.35原子比)酸化第一銅粉末(平均粒子径1μm)
0.5重量部、酸化第二銅0.01重量部、酸化ビスマ
ス0.01重量部(平均粒子径0.5μm)、感光性樹
脂組成物(実施例1と同じ組成)3重量部を十分に混合
し、光重合性ペースト組成物を得た。ロールコーターを
用いてフォルステライト基板上に10μmの膜を塗布し
た。実施例1と同様な条件で露光、現像、焼成を行っ
た。
【0093】その結果、図1に示したフォトマスクパタ
ーンにおいて60μmのパターンを得ることができた。
得られた導電体の抵抗値は2.3μΩ・cmと良好であ
った。また、クリームハンダペーストを導電体に塗布し
て230℃ 20秒リフロー炉を通したところ良好なハ
ンダ付け性が得られた。さらに、230℃ 共晶はんだ
浴中、5秒dipを繰り返し行ったところ、17回行っ
てもハンダ食われは起こらず良好な導電性を示した。
【0094】(実施例4)作製例3で得られた銅合金粉
末(平均粒子径1μm)100重量部に対して、PbO
−B2 3 −ZnO−SiO2 (平均粒子径0.5μ
m)ガラスフリット(軟化点480℃ 結晶化点560
℃)(Zn/(Pb+B)=0.25原子比)0.5重
量部、酸化カドミウム粉末(平均粒子径0.3μm)5
重量部、アルミン酸亜鉛粉末(平均粒子径1μm)0.
01重量部、アルミン酸銅粉末(平均粒子径1μm)
0.01重量部及び実施例1で作製した感光性樹脂組成
物30重量部を混合し、光重合性導電ペーストを作製し
た。
【0095】このペーストを15μmの膜厚でアルミナ
基板上にロールコーターで塗布した。実施例1と同様に
して、露光、現像を行い50μmのパターンを形成し
た。さらに、同様にして750℃ 窒素雰囲気中で20
分間焼成した。この時、500℃まで酸素100ppm
ドープした。得られた導電体の抵抗値は2.2μΩ・c
mと良好であった。また、クリームハンダを塗布して2
30℃ 20秒リフロー炉を通したところ良好なハンダ
付け性が得られた。さらに、230℃ 共晶ハンダ浴に
5秒間繰り返し浸漬したところ、17回行ってもハンダ
食われが起こらず、導電性が得られた。
【0096】(実施例5)無水マレイン酸3モル%、ス
チレン5モル%、メタアクリル酸メチル92モル%から
なる共重合体50重量部に対して、ペンタエリスリトー
ルトリクリレート100重量部、イソプロピルチオキサ
ントン3重量部、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル1
0重量部、ジエチレングリコールモノブチルエーテル1
00重量部を混合して感光性樹脂組成物を得た。
【0097】作製例2で得られた銅合金粉末(平均粒子
径2μm)100重量部、PbO−SiO2 −ZnO−
MnO−B2 3 (平均粒子径0.5μm)ガラスフリ
ット(軟化点490℃ 結晶化点520℃)(Zn/
(Pb+B)=0.1原子比)10重量部、酸化亜鉛粉
末(平均粒子径1μm)0.1重量部、酸化モリブデン
粉末(平均粒子径1μm)0.01重量部、酸化ゲルマ
ニウム粉末(平均粒子径0.5μm)0.01重量部、
感光性樹脂組成物70重量部、銅酸化防止剤0.5重量
部を混合して光重合性導電ペーストとした。
【0098】さらに、このペーストを用いて実施例2と
同様にして露光した。さらに、1%コリン水溶液を用い
て現像した。膜厚20μm線幅60μmのパターンが得
られた。さらに、600℃窒素雰囲気中で20分間焼成
した。この時、500℃まで700ppm酸素をドープ
した。
【0099】得られた導電体の抵抗値は2.1μΩ・c
mと良好であった。クリームハンダペーストを導電体に
塗布し、230℃ リフロー炉で20秒間通したとこ
ろ、良好なハンダ付け性が得られた。また、230℃
共晶ハンダ浴中に5秒間繰り返し浸漬したところ、17
回行ってもはんだ食われが起きなかった。
【0100】(実施例6)ポリメチルメタクリレートの
分子量36万のもの50重量部、ペンタエリスリトール
トリアクリレート100重量部、イソプロピルチオキサ
ントン3重量部、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル1
0重量部、エチレングリコールモノブチルエーテルアセ
テート100重量部を混合して感光性樹脂組成物とし
た。作製例1で得られた銅合金粉末(平均粒子径5μ
m)100重量部に対して、PbO−B2 3 −SiO
2 −ZnO(平均粒子径0.5μm)ガラスフリット
(軟化点435℃ 結晶化温度450℃)0.1重量
部、感光性樹脂組成物1重量部を加えて光重合性導電ペ
ーストとした。ロールコーターでペーストをコージェラ
イト基板に13μm厚で塗布した。
【0101】図1のフォトマスクを用いて像を形成し、
40μmのパターンを実施例2と同様にして現像した。
さらに、550℃ 窒素雰囲気中で30分間焼成した。
この時、500℃まで酸素を500ppmドープした。
得られた導電体の抵抗値は、2.1μΩ・cmであり、
はんだ付け性は良好であった。また、はんだ食われも1
7回まで行っても良好で、銅並であった。
【0102】(実施例7)実施例1の感光性樹脂組成物
の中、光ラジカル発生剤として、2,4−ジエチルチオ
キサントン1.5重量部の替わりに、ベンジル1.5重
量部を用いる以外は、実施例1と同じ感光性樹脂組成物
を作製した。作製例2で得られた銅合金粉末(平均粒子
径2μm、x=0.05)100重量部、PbO−B2
3 −ZnO(平均粒子径1μm)ガラスフリット(軟
化点465℃ 結晶化温度498℃)(Zn/(Pb+
B)=0.6原子比)1重量部、上記感光性樹脂組成物
20重量部を混合して光重合性導電性ペーストを作製し
た実施例1と同様にして、パターンの形成を試みた。導
電性、ハンダ付け性、耐ハンダ食われ性共(2μΩ・c
m、良好、17回以上)に良好であった。線幅45μm
のパターンにおいても焼結性の良い膜が得られた。
【0103】(実施例8)実施例1の感光性樹脂組成物
の中、光ラジカル発生剤として、2,4−ジエチルチオ
キサントン1.5重量部の替わりに、ベンゾフェノン5
重量部及びミヒラーケトン0.8重量部を用いる以外
は、実施例1と同じ感光性樹脂組成物を作製した。
【0104】作製例2で得られた銅合同粉末(平均粒子
径2μm、x=0.05)100重量部、PbO−B2
3 −SiO2 −ZnO(平均粒子径1μm)ガラスフ
リット(軟化点475℃ 結晶化温度496℃)(Zn
/(Pb+B)=0.34原子比)1重量部、酸化ラン
タン粉末(平均粒子径1μm)0.01重量部、上記感
光性樹脂組成物20重量部を混合して光重合性導電性ペ
ーストを作製した。導電性、ハンダ付け性、耐ハンダ食
われ性ともに良好であった。
【0105】
【比較例】
(粉末作製比較例4)銅粒子317.5g、銀粒子54
0gを黒鉛るつぼに入れ、1700℃まで窒素雰囲気中
で溶解した。酸液を黒鉛るつぼ先端より窒素雰囲気中へ
噴出し、噴出と同時に50kg/cm2 Gの窒素ガスを
融液に対して噴出し、アトマイズした。
【0106】得られた粉末は、平均粒子径10μmであ
った。気流分級機で4μm以下を分級した。得られた銅
合金粉末は平均粒子径2μm(0.01〜10μmの存
在割合99.9%以上)であり、表面の銀濃度は、0.
9、0.8、0.7、0.6、0.55であり、表面の
銀濃度は0.85、平均の銀濃度は0.5で表面の銀濃
度は平均の1.6倍であった。
【0107】(粉末作製比較例5)銅粒子1000gを
黒鉛るつぼに入れ、1700℃まで加熱溶解した。融液
を窒素雰囲気中へ噴出し、噴出と同時に、50kg/c
2 Gの窒素ガスを融液に対して噴出し、アトマイズし
た。得られた粉末は平均粒子径15μmであった。気流
分級機で5μm以下の粉末を分級した。得られた粉末は
平均粒子径2.2μmであった。
【0108】(参考粉末作製例1)作製例2と同じ銅、
銀仕込量(平均の銀濃度0.05)で同様にして170
0℃まで黒鉛るつぼ中で溶解した。融液を空気中へ噴出
し、噴出と同時に、50kg/cm2 Gの空気を噴出し
て融液をアトマイズした。得られた銅合金粉末は平均粒
子径20μmと大きく、気流分級機で5μm以下の粉末
を分級したところ、平均粒子径2μm、表面の銀濃度は
0.001、0.008、0.01、0.02、0.0
3と表面の銀濃度は0.0045で、平均の銀濃度0.
05より低かった。
【0109】(比較例1)作製比較例4で得られた銅合
金粉末(平均粒子径2μm、x=0.5)100重量部
に対して、PbO−B2 3 −ZnO(平均粒子径1μ
m)ガラスフリット(軟化点450℃ 結晶化温度49
8℃)(Zn/(Pb+B)=0.45原子比)1重量
部、四三酸化鉛粉末(平均粒子径1μm)0.02重量
部、酸化セリウム粉末(平均粒子径1μm)0.5重量
部、実施例1で用いた感光性樹脂組成物10重量部を混
合して光重合性導電性ペーストを作製した。実施例1と
同様にして、塗布、露光、現像を行い、900℃窒素雰
囲気中で10分間焼成した。この時、500℃まで酸素
200ppmドープした。
【0110】得られた導体パターンは50μmであっ
た。抵抗値は2.4μΩ・cmと良好であった。しかし
マイグレーション試験をしたところ、100秒とマイグ
レーションしやすく、導体回路間での短絡が起きた。
【0111】(比較例2)作製例5で得られた銅粉末
(平均粒子径2.2μm)100重量部に対して、Pb
O−B2 3 −ZnO(平均粒子径1μm)ガラスフリ
ット(軟化点456℃ 結晶化温度 485℃)(Zn
/(Pb+B)=0.26原子比)1重量部、実施例1
の感光性樹脂組成物10重量部を混合して光重合性導電
性ペーストを作製した。実施例1と同様にして、塗布、
露光、現像を行い、900℃窒素雰囲気中で10分間焼
成した。この時、500℃まで100ppm酸素をドー
プした。得られた導電体の抵抗値は高く、5μΩ・cm
であった。また、クリームハンダによりハンダ付け性を
見たところ、50%以下の濡れ面積であった。
【0112】(比較例3)作製例2で得られた銅合金粉
末(平均粒子径2μm、x=0.05)100重量部、
PbO−B2 3 −ZnO(平均粒子径1μm)ガラス
フリット(軟化点464℃ 結晶化温度 470℃)
(Zn/(Pb+B)=0.43原子比)1重量部、酸
化ベリリウム粉末(平均粒子径1μm)0.02重量
部、実施例1と同じ感光性樹脂組成物200重量部を混
合して光重合性導電性ペーストを作製した。実施例1と
同様にして、15μmに塗布し、露光、現像した。この
時、60μmのパターンが形成された。さらに、900
℃、20分間窒素中で焼成した。この時、500℃まで
酸素200ppmドープした。得られた導電体は、パタ
ーンがかなり荒れており、また、残存カーボンが多く十
分な焼結が行われていなかった。抵抗値も、10μΩ・
cmと高かった。
【0113】(比較例4)作製例2で得られた銅合金粉
末(平均粒子径2μm、x=0.05)100重量部、
PbO−SiO2 −ZnO−B2 3 (平均粒子径0.
7μm)ガラスフリット(軟化点470℃ 結晶化温度
520℃)(Zn/(Pb+B)=0.2原子比)1重
量部、実施例1と同じ感光性樹脂組成物0.1重量部を
混合して光重合性導電性ペーストを作製した。実施例1
と同様にして、15μmに塗布した。しかし、ろこう
し、現像しようとしたが十分な感光性樹脂量が足りずパ
ターンは形成されなかった。
【0114】(比較例5)実施例1の感光性樹脂組成物
の中、光ラジカル発生剤として、2,4−ジエチルチオ
キサントン1.5重量部の替わりに、ベンジル50重量
部を用いる以外は実施例1と同じ感光性樹脂組成物を作
製した。
【0115】作製例2で得られた銅合金粉末(平均粒子
径2μm、x=0.05)100重量部、PbO−B2
3 −ZnO−SiO2 (平均粒子径1μm)ガラスフ
リット(軟化点470℃ 結晶化温度500℃)(Zn
/(Pb+B)=0.4原子比)1重量部、上記感光性
樹脂組成物10重量部を混合して光重合性導電性ペース
トを作製した。実施例1と同様にして、パターンの形成
を試みたが、表面の光硬化性が悪く、先幅200μmの
パターンにおいても欠陥の多い物しか得られなかった。
【0116】(比較例6)実施例1の感光性樹脂組成物
の中、光ラジカル発生剤として、2,4−ジエチルチオ
キサントン1.5重量部の替わりに、ベンゾフェノン
0.001重量部及びミヒラーケトン0.8重量部を用
いる以外は実施例1と同じ感光性樹脂組成物を作製し
た。
【0117】作製例2で得られた銅合金粉末(平均粒子
径2μm、x=0.05)100重量部、PbO−B2
3 −ZnO−SiO2 (平均粒子径1μm)ガラスフ
リット(軟化点450℃ 結晶化温度495℃)1重量
部、上記感光性樹脂組成物10重量部を混合して光重合
性導電性ペーストを作製した。実施例1と同様にして、
パターンの形成を試みたが、未露光部の溶解性が著しく
悪いために露光部と未露光部のコントラストが悪く、フ
ァインパターンは得られなかった。
【0118】(比較例7)粉末作製参考例で示される銅
合金粉末(表面銀濃度が平均の銀濃度の0.1倍以下)
(平均粒子径2μm)を用いて実施例1と同じ割合で光
重合導電性ペーストを作製した。実施例1と同様にして
塗布、露光、焼成したところ、焼成過程で酸化が起こ
り、抵抗値が9μΩ・cmと高かった。
【0119】(比較例8)実施例1の光重合性導電ペー
ストのガラスフリットをPbO−B2 3 −ZnOガラ
スフリット(軟化点550℃ 結晶化温度620℃)
(Zn/(Pb+B)=0.6原子比)1重量部に替え
る以外は同じ組成で光導電性ペーストを作製した。実施
例1と同様にして焼成パターンを形成した。しかし、接
着強度は低くすぐ剥がれた。
【0120】(比較例9)実施例1の光重合性導電ペー
ストのガラスフリットの量を2重量部を35重量部に替
える以外は同じ組成で光重合性導電ペーストを作製し
た。実施例1と同様にして焼成パターンを形成した。ガ
ラスフリット量が多すぎて、焼結不足であった。そのた
め、抵抗値も20μΩ・cmと高かった。
【0121】
【発明の効果】本発明は、高い導電性、優れた耐酸化性
を有するのみならず、低温度で焼結でき且つ優れた接着
性を有するファインライン化が可能な光重合性導電性ペ
ーストを提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】露光時に用いたフォトマスクパターンを示す説
明図である。
【符号の説明】
20 パターンの線幅(μm) 40 パターンの線幅(μm) 60 パターンの線幅(μm) 80 パターンの線幅(μm) 100 パターンの線幅(μm) 120 パターンの線幅(μm) 140 パターンの線幅(μm) 160 パターンの線幅(μm) 200 パターンの線幅(μm) A パターンの線幅の2倍 B パターンの線幅の1.5倍

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式AgxCu1-x (ただし、0.0
    01≦X≦0.4であり、Xは原子比を示す)で表さ
    れ、粒子表面の銀濃度が平均の銀濃度の2.1倍より高
    く、粒子表面近傍で内部から表面に向かって銀濃度が増
    加する領域を有する銅合金粉末100重量部に対して、
    軟化点が300〜530℃で且つ結晶化温度が300〜
    600℃である酸化物ガラスフリットを0.01〜30
    重量部を含有し、及び以下の(A)、(B)、(C)3
    成分からなる感光性樹脂組成物0.5〜100重量部を
    添加してなる光重合性導電ペースト。 (A);バインダーポリマー 50重量部 (B);重合性多官能モノマー 10〜300重量部 (C);光ラジカル発生剤 0.1〜10重量部
  2. 【請求項2】 請求項1記載の酸化物ガラスフリットが
    Pb、B、Zn成分を含み、Zn/(Pb+B)(原子
    比)が0.05〜2であることを特徴とする、請求項1
    記載の光重合性導電ペースト。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の光重合性導電ペー
    ストに、銅合金粉末100重量部に対して、酸化第一
    銅、酸化ビスマス、酸化第二銅、酸化チタン、酸化ジル
    コニウム、酸化バリウム、酸化ベリリウム、酸化すず、
    酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化ネオジウム、酸
    化カドミウム、酸化鉄、酸化ランタン、酸化タングステ
    ン、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム、酸化ヒソ、酸
    化イットリウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉛、ア
    ルミン酸亜鉛、アルミン酸銅、四三酸化鉛、金属タング
    ステンから選ばれた平均粒子径0.01〜30μmの粉
    末1種以上を0.01〜30重量部添加してなることを
    特徴とする、光重合性導電ペースト。
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