JP3151049B2 - 薄膜状光重合性導電ペースト組成物積層体 - Google Patents

薄膜状光重合性導電ペースト組成物積層体

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JP3151049B2
JP3151049B2 JP13117592A JP13117592A JP3151049B2 JP 3151049 B2 JP3151049 B2 JP 3151049B2 JP 13117592 A JP13117592 A JP 13117592A JP 13117592 A JP13117592 A JP 13117592A JP 3151049 B2 JP3151049 B2 JP 3151049B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真製版技術によって
パターン化し、その後の焼成工程によって金属導体層を
形成するための薄膜状光重合性導電ペースト組成物積層
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上にパターン化した厚膜絶縁
体、抵抗体、導電体層を形成し高密度多層回路基板を得
るために、有機バインダーに無機粉末を混合した非感光
性のペースト材料をスクリーン印刷技術を用いて基板上
にパターン化させ、その後の焼成工程によって有機バイ
ンダーを飛散させることが行われていた。
【0003】しかしながら、スクリーン印刷法では、工
業的に安定して100μm以下の線幅を有する絶縁体、
抵抗体、導電体等のパターンを形成することは困難であ
った。また、この限界付近ではスクリーンの製版精度も
悪く誤差を生じ易いという問題点がありパターンの高密
度化が困難であった。更にスクリーン印刷法ではパター
ンのエッジがだれてテイパー状になるという問題点もあ
った。
【0004】そこで、スクリーン印刷法の限界を破る高
密度パターンを得ることを目的として感光性樹脂組成物
と無機粉末とを混合した感光性を有するペーストの検討
が行われてきた。特にその中でも微細な配線パターンの
要求の高い導電体ペースト材料は重要であり、この導電
体ペースト組成物については感光性樹脂と金属粉末とを
混合した感光性導電体ペースト組成物の検討が行われて
きた。(例えば、特開昭54ー121967号公報、特
開昭54ー13591号公報、特開昭59ー14314
9号公報、ヨーロッパ特許出願公開第414166号明
細書、同第414167号明細書)。
【0005】より高い電気伝導性、焼成時のカーボンの
低残存性及び体積収縮にともなう高い寸法安定性を得る
ためには極めて高い金属粉末の含有が必要である。ま
た、形成されるパターンが微細になればなる程、その金
属パターンにはより高い電気伝導性が要求される。しか
し、一般的に金属粉末を含有する系では光線透過性が低
く、高濃度に金属粉末を含有させた感光性導電ペースト
材料を用いてパターンを形成することは困難である。例
えば、上記の特開昭54ー121967号公報、特開昭
54ー13591号公報、特開昭59ー143149号
公報において、金属粉末を含有させた実施例の記載で
は、最も多量に金属粉末を含有させた系が45重量%で
あった。本発明者らも、前記特許に記載されているポリ
メチルメタクリレート、2官能性アクリレートモノマ
ー、ベンジルジメチルケタール重合開始剤からなる感光
性樹脂成分に銅粉末70重量%含有する銅ペースト組成
物においてフォトリソグラフィーを用いてパターンの形
成を試みたが、露光部の深さ方向への硬化性が不十分で
パターンの形成はできなかった。
【0006】また、ヨーロッパ特許出願公開41416
7号明細書において、銅粉末を82重量%、ガラスフリ
ットを銅粉末に対して7.5重量%含有させた実施例の
記載では、約10μmの膜厚でシート抵抗値4mΩ/□
が得られているが、この値はバルク銅の電気伝導度の約
半分の値にとどまるものであり、より高い電気伝導性を
有する導電体を得るためには、より高濃度の銅の含有が
必要である。
【0007】また、導電体ペースト組成物を支持体であ
る高分子フィルム上に塗布し、溶剤成分を乾燥により除
去した薄膜状感光性導電体組成物とした例が、ヨーロッ
パ特許出願公開144684号明細書、同第41416
6号明細書、同第414167号明細書、米国特許第4
598037号明細書に記載されている。これらの特許
では、支持体上に塗布される薄膜は単一層からなってお
り、その組成物中には基板との密着性を向上させるため
にガラスフリット等の無機バインダーの添加が必要とさ
れている。しかし、ガラスフリット等の無機バインダー
は焼成後に得られる導電体層の電気伝導性を低下させる
大きな問題点がある。
【0008】また、高分子フィルム等の支持体上に塗布
された薄膜状感光性導電ペースト組成物は、セラミック
ス等の基板上にラミネートによって移される工程を経
る。このラミネート工程では、薄膜状感光性導電体組成
物に粘着性が必要であるが、電気伝導性の極めて高い導
電体層を得るためには極めて高い金属粉末の含有が必要
不可欠でありこの条件は粘着性を低下させてしまうた
め、基板上へのラミネートが困難となるという大きな問
題点もある。本発明者らは、銅粉末を90重量%含有す
る感光性導電体ペースト組成物を作成し、ポリエチレン
テレフタレートフィルム上に塗布し、溶剤成分を乾燥に
より除去した薄膜状感光性導電体組成物をアルミナ基板
上にラミネートすることを試みた。しかし、得られた薄
膜状感光性導電体組成物の粘着性が極めて低いためにア
ルミナ基板上へのラミネートは全く出来なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非常に高い
電気伝導性を有し、かつ基板への密着性の良好な厚膜フ
ァインパターンの形成を可能にする薄膜状光重合性導電
ペースト組成物積層体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、バルク金
属の電気伝導度に匹敵する程の非常に高い電気伝導性を
有する厚膜ファインパターンを形成するために、極めて
高い濃度で金属粉末を含有し無機バインダーを全く含ま
ない薄膜状光重合性導電ペースト組成物層と、基板との
密着性を向上させるために無機バインダーを含有し、か
つ金属粉末の含有量を低くすることにより粘着性を持た
せラミネート工程を容易にする薄膜状光重合性導電ペー
スト組成物層を積層した積層体組成物により、非常に高
い電気伝導性を有し、基板との密着性の良好な、しかも
ラミネート工程を容易にする従来技術とは全く発想の異
なる積層体構造を見いだした。
【0011】すなわち、本願発明は以下のとおりであ
る。 1.支持体上に下記(A)が、該(A)上に下記(B)
の2種類の光重合性導電性ペースト組成物を薄膜状に積
層した構造を特徴とする薄膜状光重合性導電ペースト組
成物積層体。 (A):下記(1)、(2)、(3)の3成分から成る
感光性樹脂組成物5重量部に対して、金属粉末20〜5
00重量部を加えて成る光重合性導電ペースト組成物。
【0012】 (1):平均分子量1万〜300万の重量体50重量部 (2):重合性多官能モノマー10〜300重量部 (3):光重合開始剤:0.1〜10重量部 (B):上記(1)、(2)、(3)の3成分から成る
感光性樹脂組成物5重量部に対して、金属粉末0.1〜
20重量部及び無機バインダー0.01〜20重量部を
加えて成る光重合性導電ペースト組成物。
【0013】本発明における感光性樹脂組成物とは、重
合体、重合性多官能モノマーおよび光重合開始剤の3成
分からなり、以下に詳細について述べる。本発明に用い
る重合体とは、重合性多官能モノマーと相互侵入網目構
造を形成するための高分子量体であり、アクリル系、ア
ミド系、イミド系、ポリアルキレングリコール系、スチ
レン系、エポキシ系、ポリオレフィン系など各種の高分
子量体を用いることが出来る。特に限定しないが、1種
以上のエチレン性不飽和化合物より形成される重合体で
あって、カルボキシル基を1個以上含有するエチレン性
不飽和化合物のモノマーユニットを少なくとも1モル%
含有する分子量6万以上であることを特徴とする重合体
が特に好ましい。本発明において用いる重合体のエチレ
ン性不飽和化合物として各種の化合物が使用できるが、
熱によって容易に解重合あるいは分解し、カーボンその
他の物質がほとんど残存しない重合体を形成するモノマ
ーが好ましい。本発明に使用できるモノマーユニットの
例としては、各種の重合性ビニルモノマーが使用できる
が例えば下記化1で示される化合物あるいは無水マレイ
ン酸のような環状酸無水物型化合物を挙げることができ
る。
【0014】
【化1】
【0015】[式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素原
子、ハロゲン原子、カルボキシル基、エステル基、アミ
ノ基、アシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アセ
トキシ基、低級アルキル基、フェニル基、あるいはハロ
ゲン原子、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル
基、アミノ基、アクリル基、メタクリル基等の置換基で
置換された低級アルキル基、あるいは一般式ーCOOR
5 またはーCONHR5〔式中、R5 は水素原子、アシ
ル基、炭素数1〜18のアルキル基、又はアルキル基の
エステル基、ヒドロキシ基、アリル基、アシル基、エチ
レンオキシド基、カルボン酸無水物基、アクリル基、メ
タクリル基等による置換体、又は式(CH 2 −CHR6
−O)n 7 (式中、R6 は水素又メチル基、R7 は炭
素数1〜4のアルキル基、n=1〜9)で示される
基〕、あるいはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキ
ル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の置換基で置
換されたフェニル基を示す。]その具体例としては例え
ば以下のようなモノマーが挙げられる。メチルメタアク
リレート、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリ
レート、イソブチルメタアクリレート、ラウリルメタア
クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ステアリルアクリレート、2ーヒドロキシメタアク
リレート、ヒドロキシプロピルメタアクリレート、ヒド
ロキシブチルメタアクリレート、グリシジルメタアクリ
レート等のメタアクリレート類あるいはアクリレート
類、スチレン、クロロメチルスチレン、αーメチルスチ
レン、ヒドロキシスチレン、エチレン、塩化ビニル、酢
酸ビニル等を挙げることができる。
【0016】これらのうち特にメチルメタアクリレー
ト、スチレンおよびαーメチルスチレンを含有するポリ
マーが非酸化性雰囲気中における焼成においても熱分解
性が特に優れているので好ましい。前記化1で示される
不飽和化合物の一例であるカルボキシル基を具えるエチ
レン性不飽和化合物として良好なものとして、アクリル
酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸等がある。
【0017】H2 O又はアルカリ等と容易に反応しカル
ボン酸やカルボキシレートを生成する置換基、例えば各
種のカルボン酸無水物基もカルボキシル基と同様の効果
を発現する。その例としては例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸等のカルボキシル基に低級脂肪酸無水物、低級脂肪
酸ハロゲン化物等を反応させて得られる前記カルボキシ
ル基を有するエチレン性不飽和化合物のカルボン酸無水
物を挙げることができる。あるいは、無水マレイン酸等
の環状酸無水物型化合物を用いることができる。
【0018】用いる重合体は、通常重量平均分子量(以
下、分子量という。)が1万から300万の間の重合体
が使用される。分子量が1万より小さい低分子量重合体
を用いると光重合性導電ペースト組成物(以下、ペース
ト組成物という。)の露光部と未露光部の現像液に対す
る溶解度のコントラストが悪くなり好ましくない。又、
分子量が300万を越えると溶剤および現像液への溶解
性が悪化しペースト組成物の作成工程および現像工程に
おいて問題となる。また、ペースト組成物の高粘度化が
非常に顕著になり好ましくない。より好ましくは分子量
6万から100万の重合体、さらに好ましくは分子量が
10万から100万の重合体が選択できる。また、分子
量分布のそろった重合体を使用することが現像特性を向
上させるためには好ましい。
【0019】本発明で用いる重合体において、重合体中
のカルボキシル基含有モノマーユニットの含有率は重合
性多官能モノマーとの兼ね合いによるので一概に言えな
いが、通常は1モル%以上が採用される。特に水系現像
液を使用するためには好ましくは5モル%以上、特に好
ましくは10モル%以上さらに好ましくは15モル%以
上である。カルボキシル基含有モノマーユニットの含有
率があまり低すぎると、水系現像液に難溶となるので好
ましくない。また、極性有機溶剤で現像する場合には、
カルボキシル基含有モノマーユニットの含有率の上限は
特に限定しないが、非極性有機溶剤で現像する場合に
は、カルボキシル基含有モノマーユニットの含有率は1
0モル%以下が好ましい。10モル%を越えてカルボキ
シル基含有モノマーユニットが含有されると非極性有機
溶剤に難溶となるので好ましくない。
【0020】本発明に使用される重合性多官能モノマー
とは、光重合開始剤の作用によりラジカル重合反応ある
いはカチオン重合反応する官能基を分子内に2個以上含
有する化合物である。例えばアクリル基、メタアクリル
基、アクリルアミド基、マレイン酸エルテル、アリル
基、ビニルエーテル、ビニルアミノ基、グリシジル基、
アセチレン性不飽和基等を分子内に含有する化合物を挙
げることができる。これらの化合物は光重合開始剤の作
用により重合反応し、前記重合体と相互侵入網目構造を
形成することによりゲル化して現像液に不溶となる重合
組成物を形成する。
【0021】ラジカル反応する重合性多官能モノマー
(以下、ラジカル重合性モノマーという。)は各種の化
合物を使用できるが、多官能性アクリレート又は多官能
性メタアクリレートモノマーが特に重合性が高くゲル化
しやすいので好ましい。例えば、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリ
エチレングリコールジアクリレート、あるいはポリウレ
タンジアクリレート類およびそれ等に対応するメタアク
リレート類、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールメタントリアクリレート、化2に構造を示したエチ
レンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、化3に構造を示したプロピレンオキシド変性トリ
メチロールプロパントリアクリレート、化4に構造を示
したエピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、化5に構造
を示したエチレンオキシド変性リン酸トリアクリレー
ト、化6に構造を示したエピクロルヒドリン変性グリセ
ロールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキ
シペンタアクリレート等に代表される多官能アクリレー
トあるいはそれ等に対応するメタアクリレートモノマー
を選択することができる。またポリメタアクリル酸、ポ
リアクリル酸、ポリマレイン酸等のカルボキシル基含有
ポリマーにブタンジオールモノアクリレート、ポリエチ
レングリコールアクリレート等をエステル化反応、アミ
ド化反応させアクリレート基を導入した多官能アクリレ
ート類を用いることができる。
【0022】特に3官能および4官能モノマーを用いた
系で光重合感度の高い光重合性導電ペースト組成物が得
られた。また、3官能、4官能モノマーに2官能モノマ
ーを混合する系でも感度の高いペースト組成物が得られ
る。これらの重合性多官能モノマーは、単独あるいは混
合物であっても良い。本発明におけるペースト組成物と
しては多官能モノマーの使用が好ましいが、単官能モノ
マーが入っていてもかまわない。その含有量は50重量
%以下、好ましくは30重量%以下である。単官能モノ
マーを50重量部を越えて含有させると、ペースト組成
物の露光部の硬化性が不十分となるため好ましくない。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】カチオン重合する重合性多官能モノマー
(以下、カチオン重合性モノマーという。)としては、
通常の開環重合反応あるいはビニル重合反応する化合物
等を使用することができる。開環重合する化合物として
分子内にエポキシ基、シクロヘキセンオキサイド基、ト
リシクロデセンオキサイド基、シクロペンテンオキサイ
ド基等を有する化合物を使用することができる。例え
ば、アリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル、ビニルシクロ
ヘキセンモノオキサイド、ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、
ビニルシクロヘキセンジオキサイド、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシ
ジルエーテル等を挙げることができる。また、ビニル重
合するカチオン重合性モノマーとして分子内にビニルエ
ーテル基、p−メトキシスチレン、αーメチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、イソブテン、ブタジエン等を
含有する化合物を挙げることができる。これらのカチオ
ン重合性モノマーは単独あるいは混合物であっても良
い。特に2官能、3官能、4官能モノマーが感度が高く
好ましい。単官能モノマーを添加することができるが、
その添加量はモノマー全体の50重量%以下、好ましく
は30重量%以下である。ラジカル重合性モノマーの場
合と同様50重量%を越えて単官能モノマーを添加する
と、重合体との相互侵入網目構造の形成が不十分とな
り、ゲル化の低下をもたらすため好ましくない。
【0029】本発明の光重合開始剤は、重合体(1)5
0重量部に対して0.1〜10重量部添加する。0.1
重量部より少ない光重合開始剤の添加量ではペースト組
成物の光硬化性が低く好ましくない。また、10重量部
を越えて添加しても光硬化性の向上は見られず、逆に硬
化性を低下させるので好ましくない。本発明の光重合開
始剤として、可視、近紫外または紫外光線照射後の光化
学反応によってラジカルあるいはルイス酸を発生する通
常の化合物を使用することができるが、作業性等を考慮
すると紫外光領域に分光感度の高い化合物が好ましい。
【0030】ラジカル重合反応を誘起する化合物とし
て、ベンゾフェノン類、ビシナルケトン類例えばジアセ
チル、ベンジル、αーピリジル、アシロイン類例えばベ
ンゾイン、ピバロイン、αーピリドイン、ベンゾイン類
例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチル
ケタール、アセトフェノン類例えば4ーフェノキシジク
ロロアセトフェノン、4ーtertーブチルージクロロ
アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、チオキサ
ントン系例えば、2、4ージエチルチオキサントン、
2、4ージメチルチオキサントン、2ークロルチオキサ
ントン、2ーメチルチオキサントン、イソプロピルチオ
キサントン、2、4ージクロロチオキサントン、2、4
ージプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導
体、アントラキノン類例えば、エチルアントラキノン、
ベンズアントラキノン、ジアミノアントラキノン、これ
らの他にもカンファーキノン、4、4′ービス(ジメチ
ルアミノ)ベンゾフェノン、ジベンゾスベロン、4、
4′ージエチルイソフタロフェノン、アシルホスフィン
オキサイドを挙げることができる。特にベンゾフェノン
類、チオキサントン及びその誘導体、アントラキノン類
が好ましい。これらの単独あるいは2種以上の混合物と
して用いることができる。
【0031】また、カチオン重合反応を誘起させる光重
合開始剤としては、アリールジアゾニウム、ジアリール
ハロニウム、トリフェニルホスホニウム、ジアルキルー
4ーヒドロキシスルホニウム、ジアルキルー4ーヒドロ
キシジフェニルスルホニウム、アレンー鉄錯体等のPF
6 - 、AsF6 、BF4 - 、SbF6 - 塩等を挙げる
ことができる。
【0032】また、アミン系光開始助剤を添加すること
ができる。光開始助剤とはそれ自身は紫外線照射により
活性化はしないが、ラジカル反応を誘起させる光開始剤
と併用すると光開始剤単独使用より光重合開始反応が促
進され、硬化反応を効率的にするものであり、主として
脂肪族、芳香族アミンが使用される。例えば、トリエチ
レンテトラミン、トリエタノールアミン、メチルジエタ
ノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチ
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルア
ミノエチルメタアクリレート、ミヒラーケトン、4,
4′ージエチルアミノフェノン、4ージメチルアミノ安
息香酸エチル、4ージメチルアミノ安息香酸(n−ブト
キシ)エチル、4ージメチルアミノ安息香酸イソアミル
等を挙げることができる。特にミヒラーケトン、4,
4′−ジエチルアミノフェノン、4−ジメチルアミノ安
息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブト
キシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル
等の芳香族アミンが好ましい。
【0033】光開始助剤は、光開始剤1重量部に対して
0.1〜10重量部好ましくは、0.5〜5重量部の範
囲で添加できる。上記範囲以外の添加は、ペースト組成
物の光硬化性の向上に寄与しないので好ましくない。本
発明に用いる感光性樹脂組成物中の重合体と重合性多官
能モノマーとの割合は、光重合性導電ペースト組成物の
パターン形成特性に重要である。それぞれの割合は、次
の範囲にあることが望ましい。
【0034】重合体 50重量部 重合性多官能モノマー 10〜300重量部 重合性多官能モノマーが300重量部を越えるとペース
ト組成物として良好な粘度を維持することが困難とな
る。又露光、現像工程におけるパターン形成性が悪くな
り好ましくない。又重合性多官能モノマーが10重量部
以下になると露光部と未露光部の現像工程における溶解
性の差が少なくなり、パターン形成性が悪化し好ましく
ない。好ましくは20〜100重量部、より好ましくは
30〜80重量部の重合性多官能モノマーをポリマーに
添加する。
【0035】又、必要に応じて熱重合禁止剤、溶剤、表
面酸化を防止するための防錆剤等を加えることができ
る。熱重合禁止剤としては、通常知られているハイドロ
キノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルカテコー
ル、ピロガロール、フェノールおよびその誘導体、銅あ
るいは鉄等の塩類等が使用できる。使用量は感光性樹脂
組成物100に対して0.01〜1重量部程度加えれば
熱的な重合を抑えることができる。
【0036】又溶剤の添加は本発明における光重合性導
電ペースト組成物を基板上に塗布する時のペースト粘度
を調整するために行うもので、溶剤の沸点としては60
〜260℃のものが操作性が良い。60℃以下のもは揮
発性が高く、ペースト混練時に高粘度化をもたらし、ま
た保存安定性を低下させるという問題点がある。又、2
60℃以上のものを用いると乾燥が不十分となり、露光
時にマスク面に密着させることが困難となる。適当な溶
剤としては例えば、n−メチルピロリドン、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ
ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート等の高沸点の多価アルコールの誘導体、キ
シレン等の高沸点の芳香族化合物、ケトン類、エステル
類、テルペン類がある。
【0037】本発明において金属粉末としては、金、
銀、白金、パラジウム、銅、ニッケル、タングステン、
アルミニウム等の単独あるいは合金粉末、他の金属で表
面を被覆した金属粉末を使用することが出来る。特に
金、銀、白金、パラジウム、銅の単独あるいは合金粉
末、又は金、銀、白金、パラジウム等の貴金属で被覆し
た銅粉末が好ましく用いることができる。
【0038】粒径の小さな銅系金属粉末の表面は酸化さ
れやすく、粉末中の酸素含有量が多い。酸素含有量が多
い粉末とカルボキシル基含有重合体を使用した場合、ペ
ースト調整中あるいは保存中にペーストの粘性が増大
し、ペースト状態を保持することができなくなる場合が
ある。このような問題を避けるためには、表面の酸化に
よる粉末中の酸素含有量が0.2重量%以下、好ましく
は0.15重量%、より好ましくは0.1重量%以下の
銅系金属粉末を使用し、カルボキシル基含有感光性樹脂
組成物と混合中および混合後に出来るだけ酸素を遮断し
た雰囲気下にすることが効果的である。酸素含有量のよ
り少ない金属粉末を得るために還元性ガス雰囲気での焼
成による表面酸化物層の還元処理が有効である。また、
還元後酸素雰囲気に曝すと表面の再酸化が速やかに起こ
るので還元処理後の操作も酸素含有量の極めて少ない不
活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。また、酸化物を
含有した粉末を使用した場合、光を照射していない未露
光部の現像性の低下という問題も発生する。
【0039】光重合性導電ペースト組成物(A)におい
て、金属粉末と感光性樹脂組成物との割合は、感光性樹
脂組成物の合計量5重量部に対して金属粉末が20〜5
00重量部、好ましくは25〜300重量部、より好ま
しくは25〜95重量部の範囲で選択できる。金属粉末
の割合が20重量部より少ない場合、充填密度が少ない
ため焼成時に金属粉末がうまく焼結せず、高い電気伝導
性を有しかつ充分な強度を有する導電体層を形成するこ
とができない。又有機物成分を充分飛散させることが出
来ないために残存カーボン量が多い膜が形成されるので
好ましくない。さらに、焼成工程において体積収縮が顕
著となるため寸法安定性が低下する問題も生じる。又、
金属粉末の割合が500重量部を越えると、感光性樹脂
組成物の含有量が少なすぎるためパターンの形成ができ
ない。
【0040】また、光重合性導電ペースト組成物(B)
において、金属粉末と感光性樹脂組成物との割合は、感
光性樹脂組成物5重量部に対して金属粉末が0.1〜2
0重量部及び無機バインダー0.01〜20重量部の範
囲で選択できる。無機バインダーの含有量が0.01重
量部より少ない場合は、基板との密着性を向上させる効
果がない。また、20重量部を越えて含有させた場合、
電気伝導性を低下させるので好ましくない。金属粉末の
含有量が0.1重量部より少ない場合にも、電気伝導性
を低下させるので好ましくなく、20重量部を越えて含
有させた場合には粘着性が低下するので好ましくない。
また、感光性樹脂組成物5重量部に対して、金属粉末と
無機バインダーの合計が30重量部を越えない範囲が好
ましい。
【0041】金属粉末の形状は球状、柱状、薄片状等任
意の形状のものが使用できる。又、粉末の粒径は形成す
る導電体のパターンの大きさおよび膜厚によって異なる
が、一般に100μm程度の線幅のパターンを形成する
場合には、50μm以下の粒径のものが使用できるが、
特に線幅が50μm程度のパターンを得るためには、用
いる粉末の粒径は通常は0.01〜20μmの範囲のも
のが使用され、好ましくは0.05〜10μmの範囲の
ものが使用される。また、この範囲に粒径が分布してい
る粉末を使用することもできる。0.01μmより小さ
な粒子を使用した場合、非常に酸化され易く光線透過性
が悪いためパターンを形成することが困難となる。ま
た、50μm程度のパターンを得るためには、20μm
より大きな粒子を使用した場合、パターンの解像度が低
い。また、表面が酸化しやすい銅等の金属粉末をポリマ
ー等でコートする等の表面処理を施した粉末を使用する
こともできる。
【0042】本発明で用いる無機バインダーとしては、
ガラス転移温が500〜825℃の範囲で粒径が0.5
〜5μmのガラスフリットが好ましい。ガラスの種類と
しては、硼珪酸ガラス、鉛硼珪酸ガラス、ビスマス硼珪
酸ガラス、カドミウム硼珪酸ガラス、カルシウム、バリ
ウム等のアルカリ土類金属硼珪酸ガラス等を用いること
ができる。
【0043】光重合性導電ペースト組成物の混練方法は
ロールミル、三本ロールミル等を用いる通常の方法を使
用することができるが、一次粒子にまで細かく分散可能
な三本ロールミルの使用が極めて有効である。また、酸
化され易い銅系の金属の場合は三本ロールミルでペース
ト組成物を混練中も酸素含有量の極めて少ない不活性ガ
ス雰囲気で行うことが、高粘度化を抑制するために有効
である。
【0044】又、カルボキシル基含有重合体と銅系金属
を使用した光重合性導電ペースト組成物を高粘度化させ
ずに保存するためには、酸素濃度が1000ppm以下
の窒素、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の
不活性ガス雰囲気あるいは真空下で保存することが好ま
しい。また、保存温度も20℃以下の低温状態に保つこ
とが好ましい。
【0045】本発明の光重合性導電ペースト組成物の支
持体への塗布はスクリーン印刷、ロールコーターあるい
はドクターブレード等を用いた通常の方法で行うことが
できる。前記支持体としては、表面平滑性が良く、手で
引張った時に変形しない程度の引張り強度のあるもので
あれば用いることができる。特に限定しないが、透明な
高分子フィルムであるポリオレフィン、ポリアミド、ポ
リエステル、ビニルポリマー、セルロースエステル等の
フィルムの使用が好ましい。支持体の厚さとしては、引
張り強度のある10μm以上であるが、あまり厚すぎる
と柔軟性が低下し基板上にラミネート性が悪くなるの
で、10〜200μmの範囲の厚さのフィルムの使用が
好ましい。
【0046】本発明における薄膜状光重合性導電体組成
物の積層体の作成方法として、光重合性導電ペースト組
成物(A)、(B)の順に支持体上に薄膜状に積層す
る。すなわち、(A)層を被覆した後、溶剤を乾燥によ
り除去してから(B)層を被覆する。被覆する膜厚とし
ては、無機バインダーを含有し金属粉末の含有率が低い
光重合性導電ペースト組成物(B)を1〜10μmの範
囲で塗布することが好ましい。この層の膜厚が厚いと焼
成後に得られる導電体の電気伝導性が低下するので出来
るだけ薄くすることが好ましい。(A)で示した無機バ
インダーを含有せず金属粉末を高濃度に含有する光重合
性導電ペースト組成物の膜厚としては特に限定しない
が、50μm以下の線幅のファインパターンを形成する
ためには50μm以下が好ましい。
【0047】本発明の薄膜状光重合性導電ペースト積層
体は基板上にラミネートしてから露光する、あるいは先
に露光してから基板上にラミネートすることができる。
ラミネートする場合には、基板に(B)層が接触するよ
うに行う。また、支持体として透明なフィルムを使用す
る場合、積層物の両面から露光することができる。ま
た、当該積層物を露光、現像後基板状にラミネートする
こともできる。
【0048】本発明の薄膜状光重合性導電ペースト積層
物の基板上へのラミネートの方法として、通常の方法が
使用できるが、70〜160℃の温度をかけて30〜3
000psiの圧力で基板上に圧着する。基板には金属
粉末含有率の低い粘着性の高い面からラミネートする。
用いる基板としては、アルミナ、ジルコニア、酸化ベリ
リウム、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、酸化
珪素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸
バリウム等のセラミックス基板、ガラス基板等を用いる
ことができる。また、焼成前のセラミックスグリーンシ
ートを用いることもできる。
【0049】薄膜状光重合性導電ペースト組成物積層体
は、可視光線、近紫外光線又は紫外光線を用いて露光す
る。光重合性導電ペースト組成物の調整およびパターン
化工程の操作性を考慮すると、光重合開始剤として近紫
外線あるいは紫外線領域の波長範囲に分光感度を有する
化合物を用いることが好ましいので、450nmより短
波長側の光が発生する光源を用いることが好ましい。例
えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノン灯、あるい
はこの波長範囲の光を発生するレーザー等の光源を用い
ることができる。
【0050】本発明の薄膜状光重合性導電ペースト積層
体は露光後、現像する工程を経てパターンを形成するこ
とができる。用いる現像液としては積層体を構成してい
る感光性樹脂組成物の種類によって、有機溶剤、水、あ
るいは酸やアルカリ水溶液等を用いることが出来る。本
発明で使用する重合体として特に好ましいカルボキシル
基を含有する重合体を含む感光性樹脂組成物中では金属
粉末の分散性が極めて高い。そのため、露光後に水系現
像液あるいは有機溶剤系現像液で現像する場合、未露光
部の金属粉末は微粒子状に系外にほぐれ出し、しかも高
濃度に金属粉末を含有した組成物においてもそのほぐれ
出す速度が極めて早い等、感光性樹脂組成物にカルボキ
シル基を含有していない重合体を使用した従来の感光性
樹脂組成物を有機溶媒で現像する場合よりもはるかに優
れた現像特性を新たに見いだした。その結果、金属粉末
とカルボキシル基を含有した感光性樹脂組成物を混合し
たペースト組成物において、これまで不可能であった高
濃度に金属粉末を含有したペースト組成物を用いた場合
でも微細パターンの形成が可能となった。
【0051】水系現像液としては弱アルカリ性水溶液が
好ましい。アルカリ現像液の例としては、炭酸ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等
の無機アルカリおよびヒドロキシトリメチルアンモニウ
ム、2ーヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、エ
タノールアミン等の有機アミン類、等の有機アルカリ水
溶液を使用することができる。アルカリ水溶液の濃度
は、0.1重量%以上5重量%以下、好ましくは0.3
重量%以上2重量%以下である。5重量%より高濃度の
アルカリ水溶液を用いても現像速度は向上せず、また
0.1重量%より希薄な水溶液を用いた場合には現像速
度が遅くなるので好ましくない。アルカリ水溶液で未露
光部を溶出させた後、水を用いて余分なアルカリ溶液を
除くリンス行程が有効である。
【0052】有機溶剤系現像液としては、本発明で使用
する感光性樹脂組成物を溶解する溶剤であれば使用する
ことができ、露光部と未露光部の現像液に対する溶解度
のコントラストを大きくするために感光性樹脂組成物が
難溶である溶媒を添加し溶解度を調節することもでき
る。本発明で使用する現像方法としては通常の方法と用
いることができる。例えば、現像液中に浸すディップ方
法、現像液を噴霧するスプレー法等を挙げることが出来
る。特に、微細パターン形成のためにはスプレー現像法
が極めて有効である。
【0053】本発明では、現像工程により形成されたパ
ターンを焼成する工程を経て電気伝導性の高い金属パタ
ーン得ることができる。上記焼成する工程とは、パター
ン化された積層体中の有機バインダーを飛散させ、かつ
金属粉末を焼結させる工程をいう。酸化しやすい銅、ニ
ッケル、アルミニウム等の金属の場合、非酸化性雰囲気
中での焼成が好ましい。非酸化性雰囲気を形成するため
のガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン等
の不活性ガスを使用することができ、酸素濃度は100
ppm以下好ましくは50ppm以下に保つことが望ま
しい。金、銀、白金等の貴金属の場合には、100pp
m以上の酸素共存下でも焼成可能である。
【0054】焼成温度は使用する感光性樹脂組成物の種
類によって異なるが、有機成分を飛散させるために少な
くとも感光性樹脂組成物の分解温度以上の温度にする必
要がある。また使用している金属の焼結温度以上にする
ことにより金属粉末どうしが焼結するため、高い電気伝
導性を有する導電体層を得ることができる。したがっ
て、焼成温度は感光性樹脂組成物や金属の種類により異
なるが、通常は300〜1200℃の範囲、好ましくは
400〜1000℃の範囲が使用される。
【0055】露光、現像工程を経てパターンの形成され
たセラミックスグリーンシートは複数枚重ねて、さらに
加熱圧縮した積層体とした後、焼成により感光性樹脂組
成物を飛散させたセラミックス多層回路基板を得ること
ができる。
【0056】
【実施例】本発明を以下の実施例および比較例で具体的
に説明するが、これに限定されるものではない。また、
以下の実施例で示した重量平均分子量は下記のGPC
(ゲルパーメーションクロマトグラフィー)を用いて測
定した。GPC:日本分光製、(ポンプ:TRI ROTAR-V
、カラム:Shodex A-800P(プレカラム), A-80M ×2
本直列、溶出液:THF 、標準ポリスチレン試料により検
量線を作成し重量平均分子量を測定した。)
【0057】
【実施例1】メチルメタアクリレート65モル%、メタ
アクリル酸25モル%およびブチルアクリレート10モ
ル%からなる分子量13万の共重合体50重量部に対
し、下記化8に示されるエチレンオキシド変性トリメリ
ロールプロパンアクリレート50重量部、2、4ージエ
チルチオキサントン1.5重量部、4ージメチルアミノ
安息香酸エチル3.5重量部、およびn−メチルピロリ
ドン135重量部をかくはんし、感光性樹脂組成物を得
た。
【0058】
【化7】
【0059】この感光性樹脂組成物5重量部に対して、
平均粒径3μmの銅粉末45重量部を3本ロールミルで
混練し、光重合性導電ペースト組成物(A)を得た。使
用した銅粉末中の酸素濃度は、酸素、窒素同時分析装置
〔(株)堀場制作所製、EMGAー650型)を用いて
測定した結果、0.15重量%であった。このペースト
組成物をポリエチレンテレフタレート支持体上にロール
コーターを用いて塗布し、70℃のオーブン中で乾燥し
た。乾燥後の膜厚は20μmであった。次に前記感光性
樹脂組成物5重量部に対して前述した銅粉末5重量部お
よび平均粒径2μmのガラスフリット0.5重量部を、
三本ロールミルにより混練して得られた光重合性導電ペ
ースト組成物(B)を前記薄膜上に5μmの膜厚で積層
した。得られた積層体を100℃、100psiの圧力
でアルミナ基板上にラミネートした。次に、露光マスク
を介して250W超高圧水銀灯の光を窒素雰囲気下で6
00秒照射し、15分間70℃で熱処理した。その後、
1重量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液としてスプレー
現像した。パターンの形成に用いたフォトマスクを、図
1に示した。このパターンにおいて40μmの線幅のも
のまでパターン化できた。これを酸素濃度20ppm以
下の窒素雰囲気下、900℃で30分間焼成した。基板
上に残ったパターンの厚みは15μmであり、金属銅の
光沢を有するものであった。また、上記の方法と同様に
して、線幅1mm、長さ40mm、焼成後の膜厚13μ
mのラインパターンを形成し体積抵抗率を測定したとこ
ろ2.6μΩ・cmであった。これは金属銅の体積抵抗
率である1.7μΩ・cmに近い値であった。
【0060】
【実施例2】メチルメタアクリレート95モル%、メタ
クリル酸5モル%からなる分子量11万の共重合体50
重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト100重量部、イソプロピルチオキサントン3重量
部、4ージメチルアミノ安息香酸エチル10重量部、エ
チレングリコールモノエチルエーテル130重量部をか
くはんすることによって、感光性樹脂組成物を得た。こ
の樹脂組成物5重量部に対して、平均粒径2μmの銅粉
末25重量部を3本ロールミルを用いて混練し、光重合
性導電ペースト組成物(A)を得た。使用した銅粉末の
酸素含有量は、実施例1と同じ装置を用いて測定した結
果、0.1重量%であった。このペースト組成物をロー
ルコーターを用いてポリエチレンテレフタレート支持体
上に塗布し、70℃で乾燥後25μmの膜を得た。次
に、前記感光性樹脂組成物5重量部に対して、前記銅粉
末5重量部および実施例1と同じガラスフリット0.5
重量部を三本ロールミルをもちいて混練して得られた光
重合性導電ペースト組成物(B)を前記被覆体上に膜厚
5μmで塗布した積層体を得た。この積層体を実施例1
と同様にアルミナ基板上にラミネートした。その後紫外
線光源である250W超高圧水銀灯で600秒フォトマ
スクを通して酸素濃度3〜5%の窒素雰囲気下で露光
し、潜像を形成した。さらにこれを1、1、1ートリク
ロロエタンを現像液としてスプレー現像法により現像し
た。図1に示したフォトマスクを用いて像を形成した結
果、40μmのパターンまで現像できた。さらに窒素雰
囲気下400℃で60分間保持し、有機バインダー成分
を除去し、ついで850℃まで昇温することにより粒子
を焼結させ、金属銅光沢を有する体積抵抗率3.2μΩ
・cmの導電体層を得た。
【0061】
【実施例3】実施例1と同じ組成の感光性樹脂組成物5
重量部に対して、酸素濃度0.08重量%の平均粒径3
μmの銅粉末95重量部を3本ロールミルを用いて混練
し光重合性導電ペースト組成物(A)を得た。前記銅粉
末10重量部、平均粒径2μmのガラスフリット1重量
部および実施例1と同じ感光性樹脂組成物5重量部を三
本ロールミルで混練し、光重合性導電ペースト組成物
(B)を得た。光重合性導電ペースト組成物(A)およ
び(B)を、それぞれ10μm、5μmの膜厚でポリエ
チレンテレフタレートフィルム上塗布し、光重合性導電
体積層物を得た。その後、実施例1と同様の方法により
アルミナ基板上へのラミネート、露光、現像、焼成を行
った。その結果、図1に示したフォトマスクパターンに
おいて60μmのパターンを得ることができた。
【0062】
【実施例4〜6】平均粒径1〜5μmの金、銀、パラジ
ウムと銀との合金(パラジウムの含有量は30重量%で
あった。)を25重量部用いて光重合性導電ペースト組
成物(A)を、5重量部用いて光重合性導電ペースト組
成物(B)を得た以外は実施例1と同様にして、60μ
mパターンの形成した。
【0063】
【実施例7】スチレンとマレイン酸モノエステルとの共
重合体(モンサントScripset550)を重合体
として使用し、平均粒径3μmの銅粉末を25重量部か
ら光重合性導電ペースト組成物(A)を得、酸素濃度1
〜5%の窒素雰囲気下で露光する以外は、実施例1と同
様にして膜厚15μm、線幅80μmの金属銅パターン
を得ることができた。
【0064】
【実施例8】重合体として分子量36万のポリメチルメ
タクリレートを、ラジカル重合性モノマーとしてペンタ
エリスリトールトリアクリレートを使用し、平均粒径が
2μmの酸化珪素−酸化亜鉛−酸化鉛系ガラスフリット
1重量部を添加する以外は実施例2と同様にして線幅6
0μmのパターンを形成することが出来た。
【0065】
【実施例9】粒径が0.2〜4μmに分布し平均粒径が
2μmの銅粉末を用いる以外、実施例1と同様の方法に
よって、図1に示したフォトマスクパターンにおいてア
ンダーカットの少ない40μmパターンの形成を確認し
た。焼成後に得られた金属銅薄膜の体積抵抗率は2μΩ
・cmであった。
【0066】
【発明の効果】本発明の薄膜状光重合性導電体積層物を
基板上にラミネートすることによって、従来のペースト
では困難であった非常に高い電気伝導性を有し、基板へ
の密着性の良好な厚膜ファインパターンを得ることが可
能となった。
【0067】
【図の簡単な説明】
【0068】
【図1】露光時に用いたフォトマスクパターンを示す説
明図である。
【0069】
【符号の説明】
20. パターンの線幅(μm) 40. パターンの線幅(μm) 60. パターンの線幅(μm) 80. パターンの線幅(μm) 100. パターンの線幅(μm) 120. パターンの線幅(μm) 140. パターンの線幅(μm) 160. パターンの線幅(μm) 200. パターンの線幅(μm) A.パターン線幅の2倍 B.パターン線幅の1.5倍
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/02 H05K 3/02 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 G03F 7/004 - 7/115 H05K 1/09 H05K 3/02 - 3/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に下記(A)が、該(A)上に下
    記(B)の2種類の光重合性導電性ペースト組成物を薄
    膜状に積層した構造を特徴とする薄膜状光重合性導電ペ
    ースト組成物積層体。 (A):下記(1)、(2)、(3)の3成分から成る
    感光性樹脂組成物5重量部に対して、金属粉末20〜5
    00重量部を加えて成る光重合性導電ペースト組成物。 (1):平均分子量1万〜300万の重量体50重量部 (2):重合性多官能モノマー10〜300重量部 (3):光重合開始剤:0.1〜10重量部 (B):上記(1)、(2)、(3)の3成分から成る
    感光性樹脂組成物5重量部に対して、金属粉末0.1〜
    20重量部及び無機バインダー0.01〜20重量部を
    加えて成る光重合性導電ペースト組成物。
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