JPH05206600A - 導体パターン形成用積層体 - Google Patents

導体パターン形成用積層体

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JPH05206600A
JPH05206600A JP14560692A JP14560692A JPH05206600A JP H05206600 A JPH05206600 A JP H05206600A JP 14560692 A JP14560692 A JP 14560692A JP 14560692 A JP14560692 A JP 14560692A JP H05206600 A JPH05206600 A JP H05206600A
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paste composition
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JP14560692A
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English (en)
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Masanori Ikeda
池田  正紀
Hideaki Takahashi
秀明 高橋
Hiroshi Yamada
浩 山田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォトリソグラフィを用いてパターン化し、
その後の焼成工程を経て銅の導電体パターンを形成する
ための積層体を提供する。 【構成】 カルボキシル基を含有する感光性樹脂組成物
と酸素含有量が0.5重量%以下の銅系金属粉末とから
なる光重合性銅ペースト組成物をセラミックスグリーン
シート上に薄膜状に塗布した構造を特徴とする積層体。 【効果】 光重合性銅ペースト組成物をセラミックスグ
リーンシート上に薄膜状に塗布した積層体を用いること
によって、カルボキシル基を含有する有機バインダーを
用いた従来の銅ペースト組成物に比較して保存安定性が
高く、しかも高い電気伝導性を有する厚膜ファインパタ
ーンの形成が可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真製版技術によって
パターン化し、その後の焼成工程によってセラミックス
基板上に金属導電体層を形成するための光重合性導電ペ
ースト組成物とセラミックスグリーンシートからなる積
層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高密度多層回路基板上にパターン
化した厚膜絶縁体、抵抗体、導電体層を得るために、有
機バインダーに無機粉末を混合した感光性のペースト材
料をスクリーン印刷等の印刷技術を用いて基板上にパタ
ーン化させ、その後の焼成工程によって有機バインダー
を飛散させることが行われていた。
【0003】しかしながら、スクリーン印刷法では、工
業的に安定して100μm以下の線幅を有する絶縁体、
抵抗体、導体等のパターンを形成することは困難であっ
た。また、この限界付近ではスクリーンの製版精度も悪
く誤差を生じ易いという問題点がありパターンの高密度
化が困難であった。そこで、スクリーン印刷法の限界を
やぶる高密度パターンを得ることを目的として感光性樹
脂組成物と無機粉末とを混合した感光性を有するペース
トの検討が行われてきた。特にその中でも微細な配線パ
ターンの要求の高い導電体ペースト材料は重要であり、
この導電体ペースト組成物については感光性樹脂と金属
粉末とを混合した感光性導電ペースト組成物の検討が行
われてきた(例えば、特開昭54ー121967号公
報、特開昭54ー13591号公報、特開昭59ー14
3149号公報、ヨーロッパ特許出願公開第41416
6号明細書、同第414167号明細書)。
【0004】より高い電気伝導性、焼成時のカーボンの
低残存性及び体積収縮にともなう高い寸法安定性を得る
ためには極めて高い金属粉末の含有が必要である。ま
た、形成されるパターンが微細になればなる程、その金
属パターンにはより高い電気伝導性が要求される。しか
し、一般的に金属粉末を含有する系では光線透過性が低
く、高濃度に金属粉末を含有させた感光性導電ペースト
材料を用いてパターンを形成することは困難である。例
えば、上記の特開昭54ー121967号公報、特開昭
54ー13591号公報、特開昭59ー143149号
公報において、金属粉末を含有させた実施例の記載で
は、最も多量に金属粉末を含有させた系が45重量%で
あった。本発明者も、上記特許に記載されているポリメ
チルメタクリレート、2官能性アクリレートモノマー、
ベンジルジメチルケタール重合開始剤からなる感光性樹
脂成分に銅粉末70重量%含有する銅ペースト組成物に
おいてフォトリソグラフィーを用いてパターンの形成を
試みたが、露光部の深さ方向への硬化性が不十分でパタ
ーンの形成はできなかった。
【0005】また、ヨーロッパ特許出願公開第4141
67号明細書において、銅粉末を82重量%含有させた
実施例の記載では、約10μmの膜厚でシート抵抗値4
mΩ/□が得られているが、この値はバルク銅の電気伝
導度の約半分の値にとどまるものであり、より高い電気
伝導性を有する導電体を得るためには、より高濃度の銅
の含有が必要である。
【0006】ヨーロッパ特許出願公開第414166号
明細書、同第414167号明細書では、光重合性導電
ペースト組成物を支持体上に被覆した状態で保存し、基
板上にラミネートして用いる方法が記載されている。高
い電気伝導性を有する導電体を得るためには金属粉末を
高濃度に含有させることが必要である。しかし、前記特
許に記載の方法では金属粉末の含有量を高くするとラミ
ネート時の基板への接着性が低いために基板上への光重
合性導電ペースト組成物を移動させることができない。
【0007】カルボキシル基含有重合体を使用した例が
前記ヨーロッパ特許出願公開第414166号明細書、
同第414167号明細書に記載されており、これらの
特許における実施例で使用されている重合体の分子量は
7000と非常に小さいものである。しかし、露光部と
未露光部の現像液に対する溶解度のコントラストを高く
し、ファインパターンを形成するためには分子量の比較
的大きな5万以上の重合体の使用が有効である。しかし
ながら、金属粉末として特に銅系金属粉末を、また分子
量が1万以上でカルボキシル基を含有するモノマーユニ
ットを5重量%を越えて有する重合体を使用した場合、
作成したペースト組成物を空気中で保存すると、その流
動性が全く失われてしまう程極端に高粘度化し基板上に
塗布できなくなるという重大な問題が発生した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高濃度に銅
系金属粉末を含有するために、非常に高い電気伝導性を
有する厚膜ファインパターンの形成が可能であるが、保
存安定性の極めて低い光重合性導電ペースト組成物を保
存するための方法として有効な、また基板にラミネート
する工程を省くことのできる積層体を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、非常に高
濃度に銅系金属粉末を含有するが故に極めて高い電気伝
導性を有する導電体層の形成が可能であるが、保存安定
性の極めて低い光重合性導電ペースト組成物の利用方法
を検討した結果、前記光重合性導電ペースト組成物をセ
ラミックスグリーンシート上に塗布した積層体の形態で
保存することによって、高粘度化のために基板上に塗布
できなくなるという問題点及び光を照射していない未露
光部の溶解性が低下するという問題点を解決できること
を見いだした。また、この積層体を露光、現像工程によ
りファインパターン化し、更にパターンを形成した積層
体を多層に重ねて熱圧着し、その後焼成することによっ
て有機物成分を飛散させることにより、セラミックス多
層回路基板を容易に作成できる利点をも有する新しいシ
ステムである。
【0010】これまで、セラミックス多層回路基板は、
グリーンシート上にスクリーン印刷法を用いてパターン
を形成する工程を経て作成されていたが、前述したよう
にスクリーン印刷法ではパターンの微細化には限界があ
る。しかし、グリーンシート上に光重合性導電ペースト
組成物を積層した積層体を用いることにより、より微細
な電気伝導性の極めて高いパターンの形成が可能とな
る。
【0011】本発明者はポリマーの繰り返し単位中にカ
ルボキシル基を有するモノマーユニットを1重量%を越
えて含有する感光性樹脂組成物と銅系金属粉末との組成
物でセラミックスグリーンシートを被覆して積層体とす
ることにより、光重合性導電体組成物の保存安定性を高
めることができ、さらに当該積層体を露光、現像工程を
経て容易にセラミックス多層回路基板を作成できる従来
とは異なる新たなシステムであることを見いだし、ま
た、本発明で用いる光重合性導電ペースト組成物は、高
濃度に金属粉末を含有するがゆえにバルクの金属銅の電
気伝導度に匹敵する程の非常に高い電気伝導性を有する
微細なパターンの形成が可能であることを新たに見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0012】すなわち、本願発明は以下のとおりであ
る。 1.下記(A)、(B)、(C)の3成分から成る感光
性樹脂組成物5重量部に対して、酸素含有量が0.5重
量%以下の銅系金属粉末20〜500重量部を加えてな
る光重合性導電ペースト組成物を1000℃以下の温度
で焼成可能なセラミックスグリーンシート上に積層した
積層体。 (A)1種以上のエチレン性不飽和化合物より形成され
る重合体であって、カルボキシル基を1個以上含有する
エチレン性不飽和化合物のモノマーユニットを少なくと
も1重量%以上含有する重合体50重量部 (B)重合性多官能モノマー10〜300重量部 (C)光重合開始剤0.1〜10重量部 本発明は、重合体に重合性多官能モノマーおよび光重合
開始剤を添加して感光性を付与した感光性樹脂組成物に
銅系金属粉末を混合した光重合性導電ペースト組成物
を、セラミックスグリーンシート上を被覆した積層体を
提供するものである。また、この積層体を露光、現像す
る工程とその後焼成する工程により、銅を主成分とする
導電体層をセラミックスシート上に形成するものであ
る。
【0013】本発明における感光性樹脂組成物とは、重
合体、重合性多官能モノマーおよび光重合開始剤の3成
分からなり、以下に詳細について述べる。本発明に用い
る重合体とは、1種以上のエチレン性不飽和化合物より
形成される重合体であって、カルボキシル基を1個以上
含有するエチレン性不飽和化合物のモノマーユニットを
少なくとも1モル%含有することを特徴とする重合体で
ある。本発明において用いる重合体のエチレン性不飽和
化合物として各種の化合物が使用できるが、熱によって
容易に解重合あるいは分解し、カーボンその他の物質が
ほとんど残存しない重合体を形成するモノマーが好まし
い。本発明に使用できるモノマーユニットの例として
は、各種の重合性ビニルモノマーが使用できるが例えば
下記化1で示した化合物あるいは無水マレイン酸のよう
な環状酸無水物型化合物を挙げることができる。
【0014】
【化1】
【0015】[式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素原
子、ハロゲン原子、カルボキシル基、エステル基、アミ
ノ基、アシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アセ
トキシ基、低級アルキル基、フェニル基、あるいはハロ
ゲン原子、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル
基、アミノ基、アクリル基、メタクリル基等の置換基で
置換された低級アルキル基、あるいは一般式ーCOOR
5 またはーCONHR5 〔式中、R5 は水素原子、アシ
ル基、炭素数1〜18のアルキル基、又はアルキル基の
エステル基、ヒドロキシ基、アリル基、アシル基、エチ
レンオキシド基、カルボン酸無水物基、アクリル基、メ
タアクリル基等による置換体、又は式(CH2 −CHR
6 −O)n 7 (式中、R6 は水素又メチル基、R7
炭素数1〜4のアルキル基、n=1〜9)で示される
基〕、あるいはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキ
ル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の置換基で置
換されたフェニル基を示す。]その具体例としては例え
ば以下のようなモノマーが挙げられる。メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレー
ト、イソブチルメタクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチル
アクリレート、ステアリルアクリレート、2ーヒドロキ
シメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、ヒドロキシブチルメタクリレート、グリシジルメタ
クリレート等のメタクリレート類あるいはアクリレート
類、スチレン、クロロメチルスチレン、αーメチルスチ
レン、ヒドロキシスチレン、エチレン、塩化ビニル、酢
酸ビニル等を挙げることができる。
【0016】これらのうち特にメチルメタアクリレー
ト、スチレンおよびαーメチルスチレンを含有するポリ
マーが非酸化性雰囲気中における焼成においても熱分解
性が特に優れているので好ましい。化1で代表される不
飽和化合物の一例であるカルボキシル基を具えたエチレ
ン性不飽和化合物として良好なものとして、アクリル
酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸等がある。
【0017】H2 O又はアルカリ等と容易に反応しカル
ボン酸やカルボキシレートを生成する置換基、例えば各
種のカルボン酸無水物基もカルボキシル基と同様の効果
を発現する。その例としては例えば、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマ
ル酸等のカルボキシル基に低級脂肪酸無水物、低級脂肪
酸ハロゲン化物等を反応させて得られる前記カルボキシ
ル基を有するエチレン性不飽和化合物のカルボン酸無水
物を挙げることができる。あるいは、無水マレイン酸等
の環状酸無水物型化合物を用いることができる。また、
水、アルカリと容易に反応する官能基としてスルホン酸
基を含有する重合体も使用できる。
【0018】用いる重合体の分子量は特に限定しない
が、通常分子量が1000から300万の間の重合体が
使用される。分子量が1000より小さい低分子量重合
体を用いると導電性粉末の保持性が悪くなり好ましくな
い。又、分子量が300万を越えると溶剤および現像液
への溶解性が悪化し、光重合導電ペースト組成物の作成
工程および現像工程において困難となる。好ましくは分
子量が1万から100万の重合体、さらに好ましくは分
子量が10万から100万の重合体が選択できる。ま
た、分子量分布のそろった重合体を使用することが現像
特性を向上させるためには好ましい。
【0019】本発明で用いる重合体において、1モル%
より少ないカルボキシル基含有モノマーユニットの含有
率では、金属粉末の樹脂中での分散性が悪くファインパ
ターンを得ることが困難となるので好ましくない。重合
体中のカルボキシル基の含有量により、現像工程におい
て水系現像液および有機溶剤系現像液を使うことができ
る。重合性多官能モノマーとの兼ね合いによるので一概
に言えないが、水系現像液を使用するためにはポリマー
中のカルボキシル基含有モノマーユニットの含有率は好
ましくは5モル%以上、特に好ましくは10モル%以
上、さらに好ましくは20モル%以上である。カルボキ
シル基含有モノマーユニットの含有率があまり低すぎる
と、水系現像液に難溶となるので好ましくない。また、
極性有機溶剤で現像する場合には、カルボキシル基含有
モノマーユニットの含有率の上限は特に限定しないが、
非極性有機溶剤で現像する場合には、カルボキシル基含
有モノマーユニットの含有率は10モル%以下好ましく
は5モル%以下である。10モル%を越えてカルボキシ
ル基含有モノマーユニットが含有されると非極性有機溶
剤に難溶となるので好ましくない。
【0020】本発明に使用される重合性多官能モノマー
とは、光重合開始剤の作用によりラジカル重合反応ある
いはカチオン重合反応する官能基を分子内に2個以上含
有する化合物である。例えばアクリル基、メタクリル
基、アクリルアミド基、マレイン酸エステル、アリル
基、ビニルエーテル、ビニルアミノ基、アセチレン性不
飽和基等を分子内に含有する化合物を挙げることができ
る。これらの化合物は光重合開始剤の作用により重合反
応し、前記重合体と相互侵入網目構造を形成することに
よりゲル化して現像液に不溶となる重合組成物を形成す
る。
【0021】ラジカル反応する重合性多官能モノマー
(以下、ラジカル重合性モノマーという。)は各種の化
合物を使用できるが、多官能性アクリレート又は多官能
性メタアクリレートモノマーが特に重合性が高くゲル化
しやすいので好ましい。例えば、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリ
エチレングリコールジアクリレート、あるいはポリウレ
タンジアクリレート類およびそれ等に対応するメタアク
リレート類、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールメタントリアクリレート、化2に構造を示したエチ
レンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、化3に構造を示したプロピレンオキシド変性トリ
メチロールプロパントリアクリレート、化4に構造を示
したエピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、化5に構造
を示したエチレンオキシド変性リン酸トリアクリレー
ト、化6に構造を示したエピクロルヒドリン変性グリセ
ロールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキ
シペンタアクリレート等に代表される多官能アクリレー
トあるいはそれ等に対応するメタアクリレートモノマー
を選択することができる。またポリメタクリル酸、ポリ
アクリル酸、ポリマレイン酸等のカルボキシル基含有ポ
リマーにブタンジオールモノアクリレート、ポリエチレ
ングリコールアクリレート等をエステル化、アミド化反
応させアクリレート基を導入した多官能アクリレート類
を用いることができる。
【0022】特に3官能および4官能モノマーを用いた
系で光重合感度の高い感光性樹脂組成物が得られた。ま
た、3官能および4官能モノマーに2官能モノマーを混
合することによっても光硬化性感度の高い感光性樹脂組
成物が得られる。これらのラジカル重合性モノマーは、
単独あるいは混合物であっても良い。本発明における感
光性樹脂組成物には単官能モノマーが入っていてもかま
わない。その含有量は50重量%以下、好ましくは30
重量%以下である。単官能モノマーを50重量%を越え
て含有させると、ペースト組成物の露光部の重合体との
相互侵入網目構造の形成が不十分となり、ゲル化の低下
をもたらすため好ましくない。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】カチオン重合する重合性多官能モノマー
(以下、カチオン重合性モノマーという。)としては、
通常の開環重合反応あるいはビニル重合反応する化合物
等を使用することができる。開環重合する化合物として
分子内にエポキシ基、シクロヘキセンオキサイド基、ト
リシクロデセンオキサイド基、シクロペンテンオキサイ
ド基等を有する化合物を使用することができる。例え
ば、アリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジル
エーテル、フェニルグリシジルエーテル、ビニルシクロ
ヘキセンモノオキサイド、ポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシ
ジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、
ビニルシクロヘキセンジオキサイド、トリメチロールプ
ロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシ
ジルエーテル等を挙げることができる。
【0029】また、ビニル重合するカチオン重合性モノ
マーとして分子内にビニルエーテル基、p−メトキシス
チレン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、イ
ソブテン、ブタジエン等を含有する化合物を挙げること
ができる。これらのカチオン重合性モノマーは単独ある
いは混合物であっても良い。特に2官能、3官能、4官
能モノマーが感度が高く好ましい。単官能モノマーを添
加することができるが、その添加量はモノマー全体の5
0重量%以下、好ましくは30重量%以下である。ラジ
カル重合性モノマーの場合と同様50重量%を越えて単
官能モノマーを添加すると、重合体との相互侵入網目構
造の形成が不十分となり、ゲル化の低下をもたらすため
好ましくない。
【0030】本発明の光重合開始剤は、重合体(A)5
0重量部に対して0.1〜10重量部添加する。0.1
重量部より少ない光重合開始剤の添加量ではペースト組
成物の光硬化性が低く好ましくない。また、10重量部
を越えて添加しても光硬化性の向上は見られず、逆に硬
化性を低下させるので好ましくない。本発明の光重合開
始剤として、可視、近紫外または紫外光線照射後の光化
学反応によってラジカルあるいはルイス酸を発生する通
常の化合物を使用することができるが、作業性等を考慮
すると紫外光領域に分光感度の高い化合物が好ましい。
ラジカル重合反応を誘起する化合物として、ベンゾフェ
ノン類、ビシナルケトン類例えばジアセチル、ベンジ
ル、α−ピリジル、アシロイン類例えばベンゾイン、ピ
バロイン、α−ピリドイン、ベンゾイン類例えばベンゾ
イン、ベンゾインメチルエ−テル、ベンゾインエチルエ
−テル、ベンゾインイソプロピルエ−テル、ベンゾイン
イソブチルエ−テル、ベンジルジメチルケタ−ル、アセ
トフェノン類例えば4−フェノキシジクロロアセトフェ
ノン、4−tert−ブチル−ジクロロアセトフェノ
ン、ジエトキシアセトフェノン、チオキサントン系例え
ば、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチ
ルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メ
チルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、
2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジプロピル
チオキサントン等のチオキサントン誘導体、アントラキ
ノン類例えば、エチルアントラキノン、ベンズアントラ
キノン、ジアミノアントラキノン、これらの他にもカン
ファ−キノン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベン
ゾフェノン、ジベンゾスベロン、4,4′−ジエチルイ
ソフタロフェノン、アシルホスフィンオキサイドを選択
することができる。特にベンゾフェノン類、チオキサン
トンおよびその誘導体、アントラキノン類が好ましい。
これらの単独あるいは2種以上の混合物として用いるこ
とができる。
【0031】また、カチオン重合反応を誘起させる光重
合開始剤としては、アリールジアゾニウム、ジアリール
ハロニウム、トリフェニルホスホニウム、ジアルキルー
4ーヒドロキシスルホニウム、ジアルキルー4ーヒドロ
キシジフェニルスルホニウム、アレンー鉄錯体等のPF
6 - 、AsF6 、BF4 - 、SbF6 - 塩等を挙げる
ことができる。
【0032】また、アミン系光開始助剤を添加すること
ができる。光開始助剤とはラジカル反応を誘起させる光
開始剤と併用すると光開始剤単独使用より光重合開始反
応が促進され、硬化反応を効率的にするものであり、主
として脂肪族、芳香族アミンが使用される。例えば、ト
リエチレンテトラミン、トリエタノールアミン、メチル
ジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n
−ブチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエ
チルアミノエチルメタアクリレート、ミヒラーケトン、
4,4′ージエチルアミノフェノン、4ージメチルアミ
ノ安息香酸エチル、4ージメチルアミノ安息香酸(n−
ブトキシ)エチル、4ージメチルアミノ安息香酸イソア
ミル等を選択できる。特にミヒラーケトン、4,4′−
ジエチルアミノフェノン,4−ジエチルアミノ安息香酸
エチル,4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)
エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等の芳
香族アミンが好ましい。光開始助剤は、光開始剤1重量
部に対して0.1〜10重量部、好ましくは、0.5〜
5重量部の範囲で添加できる。上記範囲以外の添加は、
ペースト組成物の光硬化性の向上に寄与しないので好ま
しくない。
【0033】本発明に用いる感光性樹脂組成物中の重合
体と重合性多官能モノマーとの割合は、光重合性導電ペ
ースト組成物のパターン形成特性に重要である。それぞ
れの割合は、次の範囲にあることが望ましい。 重合体 50重量部 重合性多官能モノマー 10〜300重量部 重合性多官能モノマーが300重量部を越えるとペース
ト組成物として良好な粘度を維持することが困難とな
る。又露光、現像工程におけるパターン形成性が悪くな
り好ましくない。又重合性多官能モノマーが10重量部
以下になると露光部と未露光部の現像工程における溶解
性の差が少なくなり、パターン形成性が悪化し好ましく
ない。好ましくは20〜100重量部、より好ましくは
30〜80重量部の重合性多官能モノマーを重合体に添
加する。
【0034】また、必要に応じて熱重合禁止剤、可塑
剤、溶剤、表面酸化を防止するための防錆剤等を加える
ことができる。熱重合禁止剤としては、通常知られてい
るハイドロキノン、メチルハイドロキノン、t−ブチル
カテコール、ピロガロール、フェノールおよびその誘導
体、銅あるいは鉄等の塩類等が使用できる。使用量は感
光性樹脂組成物100に対して0.01〜1重量部程度
加えれば熱的な重合を抑えることができる。
【0035】本発明の光重合性導電ペースト組成物に
は、感光性樹脂組成物の10重量%以下の範囲で可塑剤
を加えることができる。10重量%を越えて添加する
と、感光性樹脂組成物の光硬化性感度を低下させること
になるので好ましくない。添加される可塑剤としては、
ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベン
ジルフタレート、ジベンジルフタレート、ポリアルキレ
ングリコール、トリエチレングリコールジアセテート、
ポリエチレンオキシド等が好ましい。
【0036】又溶剤の添加は本発明の光重合性導電ペー
スト組成物を基板上に塗布する時のペースト粘度を調整
するために行うもので、溶剤の沸点としては60〜26
0℃のものが操作性が良い。60℃以下のもは揮発性が
高く、ペースト混練時に高粘度化をもたらし、また保存
安定性を低下させるという問題点がある。又、260℃
以上のものを用いると乾燥が不十分となり、露光時にマ
スク面に密着させることが困難となる。適当な溶剤とし
ては例えば、n−メチルピロリドン、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート等の高沸点の多価アルコールの誘導体、キシレン
等の高沸点の芳香族化合物、ケトン類、エステル類、テ
ルペン類がある。
【0037】本発明で用いる銅系金属粉末とは、銅粉
末、銅合金粉末、他の金属で表面を被覆した銅粉末であ
る。銅と合金を形成する金属として特に限定しないが、
金、銀、パラジウム、白金等の貴金属、アルミニウム、
インジウム、亜鉛、ニッケル等の金属が好ましく、特に
金、銀、パラジウム、白金等の貴金属及びアルミニウム
が好ましい。また、銅粉末の表面を被覆する金属として
は、金、銀、白金、パラジウム等の貴金属、ニッケル、
アルミニウム、タングステン等の金属を用いることがで
るが、好ましくは金、銀、白金、パラジウム等の貴金属
である。
【0038】粒径の小さな銅系金属粉末の表面は酸化さ
れやすく、金属中の酸素含有量が多い。酸素含有量が多
い粉末を使用した場合、ペースト調整中あるいは保存中
にペーストの粘性が増大し、ペースト状態を保持するこ
とができなくなる場合がある。このような問題を避ける
ためには、表面の酸化による粉末中の酸素含有量が0.
5重量%以下、好ましくは0.2重量%以下の金属粉末
を用いることが必要である。酸素含有量のより少ない金
属粉末を得るために還元性ガス雰囲気での焼成による表
面酸化物層の還元処理が有効である。また、銅酸化物を
多く含有した金属粉末を使用した場合、調整した感光性
導電ペースト組成物の光硬化性が低下する問題もある。
【0039】銅系金属粉末と感光性樹脂組成物との割合
は、感光性樹脂組成物の合計量5重量部に対して金属粉
末が20〜500重量部、好ましくは20〜300重量
部、より好ましくは20〜95重量部の範囲で選択でき
る。金属粉末の割合が20重量部以下の場合、充填密度
が少なすぎるため焼成時に導電性粉末がうまく焼結せ
ず、高い電気伝導性を有しかつ充分な強度を有する導電
体層を形成することができない。又有機物成分を充分飛
散させることが出来ないために残存カーボン量が多い膜
が形成されるため好ましくない。さらに、焼成工程にお
いて体積収縮が顕著となるため寸法安定性が低下する問
題も生じる。又、銅系金属粉末の割合が500重量部を
越えると、感光性樹脂組成物の含有量が少なすぎるため
パターンの形成ができない。
【0040】銅系金属粉末の形状は球状、柱状、薄片状
等任意の形状のものが使用できる。又、粉末の粒径は形
成する導電体のパターンの大きさおよび膜厚によって異
なるが、一般に100μm程度の線幅のパターンを形成
する場合には、50μm以下の粒径のものが使用できる
が、特に線幅が50μm程度のパターンを得るために
は、用いる粉末の粒径は通常は0.01〜20μmの範
囲のものが使用され、好ましくは0.05〜10μmの
範囲のものが使用される。また、この範囲に粒径が分布
している粉末を使用することもできる。0.01μmよ
り小さな粒子を使用した場合、非常に酸化され易く光線
透過性が悪いためパターンを形成することが困難とな
る。また、50μm程度のパターンを得るためには、2
0μmより大きな粒子を使用した場合、パターンの解像
度が低い。また、表面が酸化しやすい銅系の金属粉末を
ポリマー等でコートする等の表面処理を施した粉末を使
用することもできる。
【0041】本発明では、光重合性導電ペースト組成物
を作成する際にガラスフリット等の無機バインダーを添
加することもできる。本発明で用いる無機バインダーと
しては、ガラス転移温が500〜825℃の範囲で粒径
が0.5〜5μmのガラスフリットが好ましい。ガラス
の種類としては、硼珪酸ガラス、鉛硼珪酸ガラス、ビス
マス硼珪酸ガラス、カドミウム硼珪酸ガラス、カルシウ
ム、バリウム等のアルカリ土類金属硼珪酸ガラス等を用
いることができる。
【0042】本発明の光重合性導電ペースト組成物のセ
ラミックスグリーンシートへの塗布はスクリーン印刷、
ロールコーターあるいはドクターブレード等を用いた通
常の方法で行うことができる。グリーンシート上に塗布
されるペースト組成物の膜厚は特に限定しないが、50
μm程度のパターンを得るためには50μm以下にする
ことが好ましい。
【0043】本発明で用いるセラミックスグリーンシー
トとして、1000℃以下の温度でしかも非酸化性雰囲
気下で焼成可能であれば使用することができる。例え
ば、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化珪素からなるコ
ジェライトガラス粉末、石英ガラス粉末と硼珪酸ガラス
粉末との混合物、アルミナ粉末と硼珪酸ガラス粉末との
混合物等の粉末を主成分とするグリーンシートを用いる
ことができる。これらの粉末と混合する有機バインダー
としては、非酸化性雰囲気においても解重合、熱分解す
る重合体を主成分とするものが好ましい。また、グリー
ンシート上に被覆する光重合性導電ペースト組成物を現
像する現像液の種類によって、グリーンシートを構成す
る有機バインダーを選択する必要がある。すなわち、水
系現像液で現像する場合には、この現像液に溶解しない
有機バインダーを選択し、有機溶剤で現像する場合には
用いる有機溶剤系現像液に溶解しないバインダーを選択
する必要がある。水溶液系現像液に溶解しにくく分解し
やすい有機バインダーとして、アクリル系、メタクリル
系、スチレン系、αーメチルスチレン系重合体の使用が
特に好ましく、また有機溶剤に溶解しにくい系として、
アクリル酸、メタクリル酸等の極性基を多く含有する重
合体の使用が好ましい。
【0044】グリーンシートの作成方法としては、通常
の方法を用いることができる。セラミックス粉末、重合
体、可塑剤、解こう剤、溶剤を充分混練し、ドクターブ
レード等を通して薄膜状にする方法、前記混合物を金型
に入れ加熱圧縮する方法等を用いることができる。光重
合性導電ペースト組成物をセラミックスグリーンシート
状に塗布した積層体を乾燥後、近紫外光線又は紫外光線
を用いて露光する。光重合性導電ペースト組成物調整お
よびパターン化工程の操作性を考慮すると、光重開始剤
として近紫外線あるいは紫外線領域の波長範囲に分光感
度を有する化合物を用いることが好ましいので、450
nmより短波長側の光が発生する光源を用いることが好
ましい。例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノン
灯、あるいはこの波長範囲の光を発生するレーザー等の
光源を用いることができる。
【0045】本発明で使用するカルボキシル基含有感光
性樹脂組成物中では銅系金属粉末の分散性が極めて高い
ため、露光後に水系現像液あるいは有機溶剤系現像液で
現像する場合、未露光部の銅系金属粉末は微粒子状に系
外にほぐれ出し、しかも高濃度に銅系金属粉末を含有し
た組成物においてもそのほぐれ出す速度が極めて早い
等、従来知られていたポリメタクリル酸メチル、ポリス
チレン、ポリαーメチルスチレン等の有機バインダーに
カルボキシル基を含有していないポリマーを使用した従
来のペースト組成物を有機溶媒で現像する場合よりもは
るかに優れた現像特性を新たに見いだした。その結果、
銅系金属粉末とカルボキシル基を含有した感光性樹脂組
成物を混合した光重合性導電ペースト組成物において、
これまで不可能であった微細パターンの形成が可能とな
った。
【0046】水系現像液としては弱アルカリ性水溶液が
好ましい。アルカリ現像液の例としては、炭酸ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等
の無機アルカリおよびヒドロキシトリメチルアンモニウ
ム、2ーヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、エ
タノールアミン等の有機アミン類等の有機アルカリ水溶
液を使用することができる。アルカリ水溶液の濃度は、
0.1重量%以上5重量%以下、好ましくは0.3重量
%以上2重量%以下である。5重量%より高濃度のアル
カリ水溶液を用いても現像速度は向上せず、また0.1
重量%より希薄な水溶液を用いた場合には現像速度が遅
くなるので好ましくない。アルカリ水溶液で未露光部を
溶出させた後、水を用いて余分なアルカリ溶液を除くリ
ンス行程が有効である。
【0047】有機溶剤系現像液としては、本発明で使用
する感光性樹脂組成物を溶解する溶剤であれば使用する
ことができる。本発明で使用する現像方法としては通常
の方法と用いることができる。例えば、現像液中に浸す
ディップ方法、現像液を噴霧するスプレー法等を挙げる
ことができる。特に、微細パターン形成のためにはスプ
レー現像法が極めて有効である。
【0048】本発明では、現像工程により形成されたペ
ースト組成物パターンを焼成する工程を経て電気伝導性
の高い銅系金属パターン得ることができる。上記焼成す
る工程とは、光重合性導電ペースト組成物中の感光性樹
脂組成物を飛散させ、かつ銅系金属粉末を焼結させる工
程をいう。酸化しやすい銅系の金属の場合、非酸化性雰
囲気中での焼成が好ましい。非酸化性雰囲気を形成する
ためのガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオ
ン等の不活性ガスを使用することができ、酸素濃度は1
00ppm以下好ましくは50ppm以下に保つ必要が
ある。又酸化しやすい金属の場合、水素、一酸化炭素等
の還元性ガスあるいは前記の不活性ガスとの混合ガス等
を用いることができる。焼成温度は使用する感光性樹脂
組成物の種類によって異なるが、有機成分を飛散させる
ために少なくとも感光性樹脂組成物の分解温度以上の温
度にする必要がある。また使用している金属の焼結温度
以上にすることにより金属粉末どうしが焼結するため、
高い電気伝導性を有する導電体層を得ることができる。
したがって、焼成温度は感光性樹脂組成物や金属の種類
により異なるが、通常は300〜1200℃の範囲、好
ましくは400〜1000℃の範囲が使用される。
【0049】
【実施例】本発明を以下の実施例および比較例で具体的
に説明するが、これに限定されるものではない。
【0050】
【実施例1】メチルメタアクリレート65モル%、メタ
アクリル酸25モル%およびブチルアクリレート10モ
ル%からなる分子量13万の共重合体50重量部に対
し、下記化8に示されるエチレンオキシド変性トリメリ
ロールプロパンアクリレート50重量部、2,4ージエ
チルチオキサントン1.5重量部、4ージメチルアミノ
安息香酸エチル3.5重量部、およびn−メチルピロリ
ドン135重量部をかくはんし、感光性樹脂組成物溶液
を得た。
【0051】
【化7】
【0052】この感光性樹脂組成物5重量部(感光性樹
脂組成物溶液で11.4重量部)に対して、平均粒径3
μmの銅粉末45重量部を3本ロールミルで混練し、光
重合性導電ペースト組成物を得た。使用した銅粉末中の
酸素濃度は、酸素、窒素同時分析装置〔(株)堀場制作
所製、EMGAー650型〕を用いて測定した結果、
0.15重量%であった。粒径が0.2〜5μmに分布
している粒子を90重量%以上含有しているアルミナ粉
末および硼珪酸ガラス粉末各々45重量部に対し、分子
量8万のポリメチルメタクリレート5重量部、可塑剤と
してジブチルフタレート2重量部、解こう剤として分子
量480のポリエチレングリコールオレイン酸エステル
0.2重量部、n−メチルピロリドンを13重量部を三
本ロールミルを用いて充分に混合し、その後熱プレスに
より成形することによって膜厚50μmのグリーンシー
トを得た。上記ペースト組成物をグリーンシート上にロ
ールコーターを用いて塗布し、70℃のオーブン中で乾
燥した。乾燥後の膜厚は20μmであった。次に露光マ
スクを介して250W超高圧水銀灯の光を窒素雰囲気下
で600秒照射し、15分間70℃で熱処理した。その
後、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液としてスプレー
現像した。パターンの形成に用いたフォトマスクを、図
1に示した。このパターンにおいて40μmの線幅のも
のまでパターン化できた。これを窒素雰囲気下500℃
で1時間保持し、さらに900℃で30分間焼成した。
基板上に残ったパターンの厚みは15μmであり、金属
銅の光沢を有するものであった。また、上記の方法と同
様にして、線幅1mm、長さ40mm、焼成後の膜厚1
3μmのラインパターンを形成し体積抵抗率を測定した
ところ2.6μΩ・cmであった。これは金属銅の体積
抵抗率である1.7μΩ・cmに近い値であった。1週
間後の積層体には外観上の変化は見られず、またパター
ン形成性能にも変化はなかった。
【0053】
【実施例2】メチルメタアクリレート95モル%、メタ
クリル酸5モル%からなる分子量11万の共重合体50
重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト100重量部、イソプロピルチオキサントン3重量
部、4ージメチルアミノ安息香酸エチル10重量部、エ
チレングリコールモノエチルエーテル130重量部をか
くはんすることによって、感光性樹脂組成物溶液を得
た。この樹脂組成物5重量部(感光性樹脂組成物溶液で
9重量部)に対して、平均粒径2μmの銅粉末25重量
部を3本ロールミルを用いて混練し、光重合性導電ペー
スト組成物を作成した。使用した銅粉末の酸素含有量
は、実施例1と同じ装置を用いて測定した結果、0.1
重量%であった。このペースト組成物をロールコーター
を用いて実施例1と同じグリーンシート上に全面に塗布
し、70℃で乾燥後25μmの膜を得た。その後紫外線
光源である250W超高圧水銀灯で600秒フォトマス
クを通して酸素濃度3〜5%の窒素雰囲気下で露光し、
潜像を形成した。さらにこれを1,1,1ートリクロロ
エタンを現像液としてスプレー現像法により現像した。
図1に示したフォトマスクを用いて像を形成した結果、
40μmのパターンまで現像できた。さらに窒素雰囲気
下500℃で60分間保持し、有機バインダー成分を除
去し、ついで950℃まで昇温することにより粒子を焼
結させ、金属銅光沢を有する体積抵抗率3.2μΩ・c
mの導電体層を得た。積層体の外観上の変化およびパタ
ーン形成性能の変化は1週間後には見られなかった。
【0054】
【実施例3】感光性樹脂組成物は、実施例1と同じ組成
のもの5重量部に対して、酸素濃度0.08重量%の平
均粒径3μmの銅粉末95重量部を3本ロールミルを用
いて混練し光重合性導電ペースト組成物を得た。ロール
コーターを用いて実施例1と同じグリーンシート上に1
0μmの膜厚で全面に塗布した。実施例1と同様の方法
により露光、現像、焼成を行った。その結果、図1に示
したフォトマスクパターンにおいて60μmのパターン
を得ることができた。積層体の外観上の変化およびパタ
ーン形成性能の変化は1週間後には見られなかった。
【0055】
【実施例4】スチレンとマレイン酸モノエステルとの共
重合体(モンサント社製、Scripset550)を
バインダーポリマーとして使用し、平均粒径3μmの銅
粉末を25重量部とし、酸素濃度3〜5%の窒素雰囲気
下で露光する以外は、実施例1と同様にして膜厚15μ
m、線幅80μmの金属銅パターンを得ることができ
た。積層体の外観上の変化およびパターン形成性能の変
化は1週間後には見られなかった。
【0056】
【実施例5】重合性多官能モノマーを30重量部とし、
平均粒径3μm、酸素含有率0.08重量%の銅粉末を
20重量部とする以外は、実施例1と同じ条件で光重合
性導電ペースト組成物を作成し、金属銅パターンを形成
した。その結果、膜厚10μm、線幅60μmの銅パタ
ーンを得た。積層体の外観上の変化およびパターン形成
性能の変化は1週間後には見られなかった。
【0057】
【実施例6】重合性多官能モノマーを80重量部とし、
平均粒径3μm、酸素含有率0.08重量%の銅粉末を
25重量部とする以外は、実施例1と同様に光重合性導
電ペースト組成物を作成し、金属銅パターンを形成し
た。その結果、膜厚10μm、線幅60μmの銅パター
ンを得た。積層体の外観上の変化およびパターン形成性
能の変化は1週間後には見られなかった。
【0058】
【実施例7】重合体として、無水マレイン酸3モル%、
スチレン3モル%、メタクリル酸メチル94モル%から
なる共重合体を用い、また平均粒径3μm、酸素含有率
0.08重量%の銅粉末を用い、現像液として1重量%
コリン水溶液を使用する以外は実施例2と同様にして、
膜厚20μm、線幅60μmの銅パターンを得た。
【0059】積層体の外観上の変化およびパターン形成
性能の変化は1週間後には見られなかった。
【0060】
【実施例8】重合体として分子量36万のポリメチルメ
タクリレートを、ラジカル重合性モノマーとしてペンタ
エリスリトールトリアクリレートを使用し、平均粒径が
2μmの酸化珪素−酸化亜鉛−酸化鉛系ガラスフリット
1重量部を添加する以外は実施例2と同様にして線幅6
0μmのパターンを形成することが出来た。積層体の外
観上の変化およびパターン形成性能の変化は1週間後に
は見られなかった。
【0061】
【実施例9】実施例1と同じ感光性樹脂組成物5重量部
に対して、粒径が0.2〜4μmに分布し平均粒径が2
μmの銅粉末45重量部を酸素濃度10ppm以下の窒
素雰囲気下で3本ロールミルを用いて混合し光重合性導
電ペースト組成物を得た。得られたペースト組成物を1
5μmの膜厚で実施例1と同じグリーンシート上に塗布
した。用いた銅粉末の酸素含有量は0.1重量%以下で
あった。実施例1と同様の方法によって露光、現像を行
い、前記フォトマスクパターンにおいてアンダーカット
の少ない40μmパターンの形成を確認した。焼成後に
得られた金属銅薄膜の体積抵抗率は2μΩ・cmであっ
た。積層体の外観上の変化およびパターン形成性能の変
化は1週間後には見られなかった。
【0062】
【発明の効果】本発明の光重合性導電ペースト組成物を
セラミックスグリーンシート上に塗布した積層体を用い
ることによって、従来のペーストでは不可能であった高
い導電性を有する厚膜ファインパターンを得ることが可
能となるとともに、該ファインパターン作成において基
板にラミネートする工程を省くことができ、さらにパタ
ーンを形成した積層体を多層に重ねて熱圧着し、セラミ
ックス多層回路基板を容易に作成できる利点もある。ま
た、本発明の積層体の形態で保存することにより、光重
合性導電ペースト組成物を安定して保存することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】露光時に用いたフォトマスクパターンを示す説
明図である。
【符号の説明】
20. パターンの線幅(μm) 40. パターンの線幅(μm) 60. パターンの線幅(μm) 80. パターンの線幅(μm) 100. パターンの線幅(μm) 120. パターンの線幅(μm) 140. パターンの線幅(μm) 160. パターンの線幅(μm) 200. パターンの線幅(μm) A.パターン線幅の2倍 B.パターン線幅の1.5倍
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01B 1/16 Z 7244−5G H05K 3/02 B 6921−4E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)、(B)、(C)の3成分か
    ら成る感光性樹脂組成物5重量部に対して、酸素含有量
    が0.5重量%以下の銅系金属粉末20〜500重量部
    を加えてなる光重合性導電ペースト組成物を1000℃
    以下の温度で焼成可能なセラミックスグリーンシート上
    に積層した導体パターン形成用積層体。 (A)1種以上のエチレン性不飽和化合物より形成され
    る重合体であって、カルボキシル基を1個以上含有する
    エチレン性不飽和化合物のモノマーユニットを少なくと
    も1モル%以上含有する重合体50重量部 (B)重合性多官能モノマー10〜300重量部 (C)光重合開始剤0.1〜10重量部
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