JPH06242604A - 光重合性導電体組成物積層体及び導電体パターンの形成方法 - Google Patents

光重合性導電体組成物積層体及び導電体パターンの形成方法

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JPH06242604A
JPH06242604A JP3016893A JP3016893A JPH06242604A JP H06242604 A JPH06242604 A JP H06242604A JP 3016893 A JP3016893 A JP 3016893A JP 3016893 A JP3016893 A JP 3016893A JP H06242604 A JPH06242604 A JP H06242604A
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photopolymerizable
conductor
pattern
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JP3016893A
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Hiroshi Yamada
浩 山田
Hideaki Takahashi
秀明 高橋
Masanori Ikeda
池田  正紀
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属粉末を極めて高い濃度で含有する光重合
性導電体組成物からなる薄膜層と無機バインダーを含有
し感光性樹脂組成物の含有量の多い接着層を基板上に積
層してなる光重合性導電体組成物積層体、および該光重
合性導電体組成物積層体にフォトリソグラフィーを用い
てパターンを形成し、その後の焼成工程を経て導電体フ
ァインパターンを形成する方法。 【効果】 極めて高い電気伝導性を有し、基板との密着
性の良好な導電体ファインパターンの形成が可能となっ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、写真製版技術によって
パターン化し、その後の焼成工程によって金属導体層を
形成するための薄膜状光重合性導電体積層体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上にパターン化した厚膜絶縁
体、抵抗体、導電体層を形成し高密度多層回路基板を得
るために、有機バインダーに無機粉末を混合した非感光
性のペースト材料をスクリーン印刷技術を用いて基板上
にパターン化させ、その後の焼成工程によって有機バイ
ンダーを飛散させることが行われていた。
【0003】このスクリーン印刷法では、工業的に安定
して100μm以下の線幅を有する絶縁体、抵抗体、導
電体等のパターンを形成することは困難であった。ま
た、この限界付近ではスクリーンの製版精度も悪く誤差
を生じ易いという問題点がありパターンの高密度化が困
難であった。更にスクリーン印刷法ではパターンのエッ
ジがだれてテイパー状になるという問題点もあった。
【0004】そこで、これまでのスクリーン印刷法の限
界を破る高密度パターンを得ることを目的として感光性
樹脂組成物と無機粉末とを混合した感光性を有するペー
ストの検討が行われてきた。特にその中でも微細な配線
パターンの要求の高い導電体ペースト材料は重要であ
り、この導電体ペースト組成物については感光性樹脂と
金属粉末とを混合した感光性導電体ペースト組成物が提
案されている。例えば、特開昭54ー121967号公
報、特開昭54ー13591号公報、特開昭59ー14
3149号公報、ヨーロッパ特許第414166号、及
び第414167号明細書が挙げられる。
【0005】高い電気伝導性、焼成時のカーボンの低残
存性及び体積収縮にともなう高い寸法安定性を得るため
には極めて高い金属粉末の含有が必要である。また、形
成されるパターンが微細になればなる程、その金属パタ
ーンにはより高い電気伝導性が要求される。しかし、一
般的に金属粉末を含有する系では光線透過性が低く、高
濃度に金属粉末を含有させた感光性導電ペースト材料を
用いてパターンを形成することは困難である。例えば、
上記の特開昭54ー121967号公報、特開昭54ー
13591号公報、特開昭59ー143149号公報に
おいて、金属粉末を含有させた実施例の記載では、最も
多量に金属粉末を含有させた系が45重量%であった。
ヨーロッパ特許414167号明細書における、銅粉末
を82重量%、ガラスフリットを銅粉末に対して7.5
重量%含有させた実施例の記載では、約10μmの膜厚
でシート抵抗値4mΩが得られているが、この値はバル
ク銅の電気伝導度の約半分の値にとどまるものであり、
より高い電気伝導性を有する導電体を得るためには、よ
り高濃度の銅の含有が必要である。ここで金属粉末の含
有率とは、導電ペースト組成物の不揮発成分に対する金
属粉末の割合である。
【0006】また、導電体ペースト組成物を支持体であ
る高分子フィルム上に塗布し、溶剤成分を乾燥により除
去して薄膜状感光性導電体組成物とした例が、ヨーロッ
パ特許第144684号、第414166号、第414
167号明細書、米国特許第4598037号明細書に
記載されている。これらの特許では、支持体上に塗布さ
れる薄膜は単一層からなっており、その組成物中には基
板との密着性を向上させるためにガラスフリット等の無
機バインダーの添加が必要とされている。しかし、ガラ
スフリット等の無機バインダーは焼成後に得られる導電
体層の電気伝導性を低下させるという大きな問題点があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非常に高い
電気伝導性を有し、かつ基板への密着性の良好な厚膜フ
ァインパターンの形成を可能にする光重合性導電体組成
物積層体及び導電体パターン形成方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、基板との
密着性を向上させるために無機バインダーを含有し金属
粉末の含有量を低くした薄膜状接着層をまず基板上に形
成し、次に極めて高い濃度で金属粉末を含有し無機バイ
ンダーを全く含まない薄膜状光重合性導電体組成物層を
基板上に形成することにより、非常に高い電気伝導性を
有し、かつ基板との密着性の良好なファインパターンの
形成が可能であることを見いだし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は以下のとおりである。 1.下記(A)、(B)の光重合性導電体組成物を、基
板上に(B)、(A)の順に積層してなる光重合性導電
体組成物積層体。 (A):下記(1)、(2)、(3)の3成分からなる
感光性樹脂組成物5重量部に対し、金属粉末20〜50
0重量部を加えてなる光重合性導電体組成物。
【0010】(1):重合体50重量部 (2):重合性多官能モノマー10〜300重量部 (3):光重合開始剤:0.1〜10重量部 (B):上記(1)、(2)、(3)の3成分からなる
感光性樹脂組成物5重量部に対し、金属粉末0〜20重
量部及び無機バインダー0.01〜20重量部を加えて
なる光重合性導電体組成物。 2.下記(A)、(B)の光重合性導電体組成物を、基
板上に(B)、(A)の順に積層後、フォトリソグラフ
ィーによりパターンを形成して焼成することを特徴とす
る導電体パターンの形成方法。 (A):下記(1)、(2)、(3)の3成分からなる
感光性樹脂組成物5重量部に対し、金属粉末20〜50
0重量部を加えてなる光重合性導電体組成物。
【0011】(1):重合体50重量部 (2):重合性多官能モノマー10〜300重量部 (3):光重合開始剤:0.1〜10重量部 (B):上記(1)、(2)、(3)3成分からなる感
光性樹脂組成物5重量部に対し、金属粉末0〜20重量
部及び無機バインダー0.01〜20重量部を加えてな
る光重合性導電体組成物。
【0012】本発明における感光性樹脂組成物とは、重
合体、重合性多官能モノマーおよび光重合開始剤の3成
分からなる。以下に詳細について述べる。本発明に用い
る重合体とは、ラジカル重合性モノマーと相互侵入網目
構造を形成するための高分子量体であり、アクリル系、
アミド系、イミド系、ポリアルキレングリコール系、ス
チレン系、エポキシ系、ポリオレフィン系など各種の高
分子量体を用いることが出来る。特に限定しないが、1
種以上のエチレン性不飽和化合物より形成される重合体
であって、カルボキシル基を1個以上含有するエチレン
性不飽和化合物のモノマー単位を少なくとも1モル%含
有する重合体が特に好ましい。
【0013】本発明において用いる重合体のエチレン性
不飽和化合物として各種の化合物が使用できるが、熱に
よって容易に解重合あるいは分解し、カーボンその他の
物質がほとんど残存しない重合体を形成するモノマーが
好ましい。本発明に使用できるモノマー単位の例として
は、各種の重合性ビニルモノマーが使用できる。例えば
下記化1で示される化合物あるいは無水マレイン酸のよ
うな環状酸無水物型化合物を挙げることができる。
【0014】
【化1】
【0015】[式中、R1 、R2 、R3 、R4 は水素原
子、ハロゲン原子、カルボキシル基、エステル基、アミ
ノ基、アシル基、アルコキシ基、ヒドロキシル基、アセ
トキシ基、低級アルキル基、フェニル基、あるいはハロ
ゲン原子、カルボキシル基、エステル基、ヒドロキシル
基、アミノ基、アクリル基、メタクリル基等の置換基で
置換された低級アルキル基、あるいは一般式ーCOOR
5 またはーCONHR5〔式中、R5 は水素原子、アシ
ル基、炭素数1〜18のアルキル基、又はアルキル基の
エステル基、ヒドロキシ基、アリル基、アシル基、エチ
レンオキシド基、カルボン酸無水物基、アクリル基、メ
タクリル基等による置換体、又は式(CH 2 −CHR6
−O)n 7 (式中、R6 は水素又メチル基、R7 は炭
素数1〜4のアルキル基、n=1〜9)で示される
基〕、あるいはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキ
ル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の置換基で置
換されたフェニル基を示す。]その具体例としては例え
ば以下のようなモノマーが挙げられる。メチルメタアク
リレート、エチルメタアクリレート、ブチルメタアクリ
レート、イソブチルメタアクリレート、ラウリルメタア
クリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、ステアリルアクリレート、2
ーヒドロキシメタアクリレート、ヒドロキシプロピルメ
タアクリレート、ヒドロキシブチルメタアクリレート、
グリシジルメタアクリレート等のメタアクリレート類あ
るいはアクリレート類、スチレン、クロロメチルスチレ
ン、αーメチルスチレン、ヒドロキシスチレン、エチレ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル等を挙げることができる。
【0016】これらのうち特にメチルメタアクリレー
ト、スチレンおよび/またはαーメチルスチレンを含有
する重合体が非酸化性雰囲気中における焼成においても
熱分解性が特に優れているので好ましい。化1で代表さ
れる不飽和化合物の一例であるカルボキシル基を備えた
エチレン性不飽和化合物として良好なものとして、アク
リル酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸等がある。
【0017】H2 O又はアルカリ等と容易に反応しカル
ボン酸やカルボキシレートを生成する置換基、例えば各
種のカルボン酸無水物基もカルボキシル基と同様の効果
を発現する。その例としては例えば、アクリル酸、メタ
アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マル酸等のカルボキシル基に低級脂肪酸無水物、低級脂
肪酸ハロゲン化物等を反応させて得られる前記カルボキ
シル基を有するエチレン性不飽和化合物のカルボン酸無
水物を挙げることができる。あるいは、無水マレイン酸
等の環状酸無水物型化合物を用いることができる。
【0018】用いる重合体は、通常分子量が1万から3
00万の間の重合体が使用される。分子量が1万より小
さい低分子量重合体を用いると露光部と未露光部の現像
液に対する溶解度のコントラストが悪くなり好ましくな
い。又、分子量が300万を越えると溶剤および現像液
への溶解性が悪化しペースト組成物の作成工程および現
像工程において問題となる。また、ペースト組成物の高
粘度化が非常に顕著になり好ましくない。より好ましく
は分子量6万から100万の重合体、さらに好ましくは
分子量が10万から100万の重合体が選択できる。ま
た、分子量分布のそろった重合体を使用することが現像
特性を向上させるためには好ましい。
【0019】本発明で用いる重合体において、重合体中
のカルボキシル基含有モノマー単位の含有率は光重合性
モノマーとの兼ね合いによるので一概に言えないが、通
常は1モル%以上が採用される。特に水系現像液を使用
するためには好ましくは5モル%以上、特に好ましくは
10モル%以上、さらに好ましくは15モル%以上であ
る。カルボキシル基含有モノマー単位の含有率があまり
低すぎると、水系現像液に難溶となるので好ましくな
い。また、極性有機溶剤で現像する場合には、カルボキ
シル基含有モノマー単位の含有率の上限は特に限定しな
いが、非極性有機溶剤で現像する場合には、カルボキシ
ル基含有モノマー単位の含有率は10モル%以下が好ま
しい。10モル%を越えてカルボキシル基含有モノマー
単位が含有されると非極性有機溶剤に難溶となるので好
ましくない。
【0020】本発明に使用される重合性多官能モノマー
とは、光重合開始剤の作用によりラジカル重合反応ある
いはカチオン重合反応する官能基を分子内に2個以上含
有する化合物である。例えばアクリル基、メタクリル
基、アクリルアミド基、マレイン酸エステル、アリル
基、ビニルエーテル、ビニルアミノ基、グリシジル基、
アセチレン性不飽和基等を分子内に含有する化合物を挙
げることができる。これらの化合物は光重合開始剤の作
用により重合反応し、前記重合体と相互侵入網目構造を
形成することによりゲル化して、現像液に不溶となる重
合組成物を形成する。
【0021】ラジカル反応する重合性多官能モノマーは
各種の化合物を使用できるが、多官能性アクリレート又
は多官能性メタアクリレートモノマーが特に重合性が高
くゲル化しやすいので好ましい。例えば、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート
等のポリエチレングリコールジアクリレート、あるいは
ポリウレタンジアクリレート類およびそれ等に対応する
メタアクリレート類、ペンタエリスリトールトリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リメチロールメタントリアクリレート、化2に構造を示
したエチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ
アクリレート、化3に構造を示したプロピレンオキシド
変性トリメチロールプロパントリアクリレート、化4に
構造を示したエピクロルヒドリン変性トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、化
5に構造を示したエチレンオキシド変性リン酸トリアク
リレート、化6に構造を示したエピクロルヒドリン変性
グリセロールトリアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒ
ドロキシペンタアクリレート等に代表される多官能アク
リレートあるいはそれ等に対応するメタアクリレートモ
ノマーを選択することができる。またポリメタクリル
酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸等のカルボキシル
基含有ポリマーにブタンジオールモノアクリレート、ポ
リエチレングリコールアクリレート等をエステル化反
応、アミド化反応させアクリレート基を導入した多官能
アクリレート類を用いることができる。
【0022】特に3官能および4官能モノマーを用いた
系で光重合感度の高い光重合性導電ペーストが得られ
た。また、3官能、4官能モノマーに2官能モノマーを
混合する系でも感度の高い感光性樹脂組成物が得られ
る。これらの重合性多官能モノマーは、単独あるいは混
合物であっても良い。本発明における感光性樹脂組成物
としては多官能モノマーの使用が好ましいが、単官能モ
ノマーが入っていてもかまわない。その含有量は50重
量%以下、好ましくは30重量%以下である。単官能モ
ノマーを50重量部を越えて含有すると、ペースト組成
物の露光部の硬化性が不十分となるため好ましくない。
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】カチオン重合する重合性多官能モノマーと
しては、通常の開環重合反応あるいはビニル重合反応す
る化合物等を使用することができる。開環重合する化合
物として分子内にエポキシ基、シクロヘキセンオキサイ
ド基、トリシクロデセンオキサイド基、シクロペンテン
オキサイド基等を有する化合物を使用することができ
る。例えば、アリルグリシジルエーテル、n−ブチルグ
リシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ビニ
ルシクロヘキセンモノオキサイド、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエ
ーテル、ビニルシクロヘキセンジオイサイド、トリメチ
ロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリント
リグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0029】また、ビニル重合する光重合性モノマーと
して分子内にビニルエーテル基、p−メトキシスチレ
ン、αーメチルスチレン、p−メチルスチレン、イソブ
テン、ブタジエン等を含有する化合物を挙げることがで
きる。これらの光重合性モノマーは単独あるいは混合物
であっても良い。特に2官能、3官能、4官能モノマー
が感度が高く好ましい。単官能モノマーを添加すること
ができるが、その添加量はモノマー全体の50重量%以
下、好ましくは30重量%以下である。ラジカル重合性
モノマーの場合と同様50重量%を越えて単官能モノマ
ーを添加すると、重合体との相互侵入網目構造の形成が
不十分となり、ゲル化の低下をもたらすため好ましくな
い。
【0030】本発明の光重合開始剤は、重合体(1)5
0重量部に対して0.1〜10重量部添加する。0.1
重量部より少ない光重合開始剤の添加量では光重合性導
電ペースト組成物の光硬化性が低く好ましくない。ま
た、10重量部を越えて添加しても光硬化性の向上は見
られず、逆に硬化性を低下させるので好ましくない。本
発明の光重合開始剤として、可視、近紫外または紫外光
線照射後の光化学反応によってラジカルあるいはルイス
酸を発生する通常の化合物を使用することができるが、
作業性等を考慮すると紫外光領域に分光感度の高い化合
物が好ましい。ラジカル重合反応を誘起する化合物とし
て、ベンゾフェノン類、ビシナルケトン類例えばジアセ
チル、ベンジル、αーピリジル、アシロイン類例えばベ
ンゾイン、ピバロイン、αーピリドイン、ベンゾイン類
例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチル
ケタール、アセトフェノン類例えば4ーフェノキシジク
ロロアセトフェノン、4ーtertーブチルージクロロ
アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、チオキサ
ントン系例えば、2,4ージエチルチオキサントン、
2,4ージメチルチオキサントン、2ークロルチオキサ
ントン、2ーメチルチオキサントン、イソプロピルチオ
キサントン、2,4ージクロロチオキサントン、2,4
ージプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導
体、アントラキノン類例えば、エチルアントラキノン、
ベンズアントラキノン、ジアミノアントラキノン、これ
らの他にもカンファーキノン、4,4′ービス(ジメチ
ルアミノ)ベンゾフェノン、ジベンゾスベロン、4,
4′ージエチルイソフタロフェノン、アシルホスフィン
オキサイドを選択することができる。特にベンゾフェノ
ン類、チオキサントンおよびその誘導体、アントラキノ
ン類が好ましい。これらの単独あるいは2種以上の混合
物として用いることができる。
【0031】また、カチオン重合反応を誘起させる光重
合開始剤としては、アリールジアゾニウム、ジアリール
ハロニウム、トリフェニルホスホニウム、ジアルキルー
4ーヒドロキシスルホニウム、ジアルキルー4ーヒドロ
キシジフェニルスルホニウム、アレンー鉄錯体等のPF
6 - 、AsF6 、BF4 - 、SbF6 - 塩等を挙げる
ことができる。
【0032】また、アミン系光開始助剤を添加すること
ができる。光開始助剤とはそれ自身は紫外線照射により
活性化はしないが、ラジカル反応を誘起させる光開始剤
と併用すると光開始剤単独使用より光重合開始反応が促
進され、硬化反応を効率的にするものであり、主として
脂肪族、芳香族アミンが使用される。例えば、トリエチ
レンテトラミン、トリエタノールアミン、メチルジエタ
ノールアミン、トリイソプロパノールアミン、n−ブチ
ルアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエチルア
ミノエチルメタアクリレート、ミヒラーケトン、4,
4′ージエチルアミノフェノン、4ージメチルアミノ安
息香酸エチル、4ージメチルアミノ安息香酸(n−ブト
キシ)エチル、4ージメチルアミノ安息香酸イソアミル
等を選択できる。特にミヒラーケトン、4,4′ージエ
チルアミノフェノン、4ージメチルアミノ安息香酸エチ
ル、4ージメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチ
ル、4ージメチルアミノ安息香酸イソアミル等の芳香族
アミンが好ましい。光開始助剤は、光開始剤1重量部に
対して0.1〜10重量部好ましくは、0.5〜5重量
部の範囲で添加できる。上記範囲以外の添加は、ペース
ト組成物の光硬化性の向上に寄与しないので好ましくな
い。
【0033】本発明に用いる感光性樹脂組成物中の重合
体と光重合性多官能モノマーとの割合は、光重合性導電
体組成物のパターン形成特性に重要である。それぞれの
割合は、次の範囲にあることが望ましい。 重合体 50重量部 重合性多官能モノマー 10〜300重量部 光重合性多官能モノマーが300重量部を越えると光重
合性導電体組成物として良好な粘度を維持することが困
難となる。又露光、現像工程におけるパターン形成性が
悪くなり好ましくない。又光重合性多官能モノマーが1
0重量部以下になると露光部と未露光部の現像工程にお
ける溶解性の差が少なくなり、パターン形成性が悪化し
好ましくない。好ましくは20〜100重量部、より好
ましくは30〜80重量部の重合性多官能モノマーを重
合体に添加する。
【0034】又、必要に応じて熱重合禁止剤、溶剤、表
面酸化を防止するための防錆剤等を加えることができ
る。熱重合禁止剤としては、通常知られているハイドロ
キノン、メチルハイドロキノン、t−ブチルカテコー
ル、ピロガロール、フェノールおよびその誘導体、銅あ
るいは鉄等の塩類等が使用できる。使用量は感光性樹脂
組成物100に対して0.01〜1重量部程度加えれば
熱的な重合を抑えることができる。
【0035】又溶剤の添加は本発明の光重合性導電体組
成物を基板上に塗布する時のペースト粘度を調整するた
めに行うもので、溶剤の沸点としては60〜260℃の
ものが操作性が良い。60℃以下のもは揮発性が高く、
ペースト混練時に高粘度化をもたらし、また保存安定性
を低下させるという問題点がある。又、260℃以上の
ものを用いると乾燥が不十分となり、露光時にマスク面
に密着させることが困難となる。適当な溶剤としては例
えば、n−メチルピロリドン、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
等の高沸点の多価アルコールの誘導体、キシレン等の高
沸点の芳香族化合物、ケトン類、エステル類、テルペン
類がある。
【0036】本発明で用いる金属粉末としては、金、
銀、白金、パラジウム、ロジウム、銅、ニッケル、タン
グステン、アルミニウム等の単独あるいは合金粉末、他
の金属で表面を被覆した金属粉末を使用することが出来
る。粒径の小さな銅系金属粉末の表面は酸化されやす
く、粉末中の酸素含有量が多い。酸素含有量が多い粉末
とカルボキシル基含有重合体を使用した場合、ペースト
調整中あるいは保存中にペーストの粘性が増大し、ペー
スト状態を保持することができなくなる場合がある。こ
のような問題を避けるためには、表面の酸化による粉末
中の酸素含有量が0.2重量%以下、好ましくは0.1
5重量%、より好ましくは0.1重量%以下の銅系金属
粉末を使用し、カルボキシル基含有感光性樹脂組成物と
混合中および混合後に出来るだけ酸素を遮断した雰囲気
下にすることが効果的である。酸素含有量のより少ない
金属粉末を得るために還元性ガス雰囲気での焼成による
表面酸化物層の還元処理が有効である。また、還元後酸
素雰囲気に曝すと表面の再酸化が速やかに起こるので還
元処理後の操作も酸素含有量の極めて少ない不活性ガス
雰囲気で行うことが好ましい。また、酸化物を含有した
粉末を使用した場合、光を照射していない未露光部の現
像性の低下という問題も発生する。
【0037】光重合性導電体組成物(A)において、金
属粉末と感光性樹脂組成物との割合は、感光性樹脂組成
物の合計量5重量部に対して金属粉末が20〜500重
量部、好ましくは25〜300重量部、より好ましくは
25〜95重量部の範囲で選択できる。金属粉末の割合
が20重量部より少ない場合、充填密度が少ないため焼
成時に導電性粉末がうまく焼結せず、高い電気伝導性を
有しかつ充分な強度を有する導電体層を形成することが
できない。又有機物成分を充分飛散させることが出来な
いために残存カーボン量が多い膜が形成されるので好ま
しくない。さらに、焼成工程において体積収縮が顕著と
なるため寸法安定性が低下する問題も生じる。又、金属
粉末の割合が500重量部を越えると、感光性樹脂組成
物の含有量が少なすぎるためパターンの形成ができな
い。
【0038】また光重合性導電体組成物(B)におい
て、金属粉末と感光性樹脂組成物との割合は、感光性樹
脂組成物5重量部に対して金属粉末が0.1〜20重量
部および無機バインダー0.01〜20重量部の範囲で
選択できる。無機バインダーの含有量が0.01重量部
より少ない場合は、基板との密着性を向上させるために
効果がない。また、20重量部を越えて含有させた場
合、電気伝導性を低下させるので好ましくない。金属粉
末の含有量が0.1重量部より少ない場合には、電気伝
導性を低下させるので好ましく、20重量部を越えて含
有させた場合には粘着性が低下するので好ましくない。
また、感光性樹脂組成物5重量部に対して、金属粉末と
無機バインダーの合計が30重量部を越えない範囲が好
ましい。
【0039】金属粉末の形状は球状、柱状、薄片状等任
意の形状のものが使用できる。又、粉末の粒径は形成す
る導電体のパターンの大きさおよび膜厚によって異なる
が、一般に100μm程度の線幅のパターンを形成する
場合には、50μm以下の粒径のものが使用できるが、
特に線幅が50μm程度のパターンを得るためには、用
いる粉末の粒径は通常は0.01〜20μmの範囲のも
のが使用され、好ましくは0.05〜10μmの範囲の
ものが使用される。また、この範囲に粒径が分布してい
る粉末を使用することもできる。0.01μmより小さ
な粒子を使用した場合、非常に酸化され易く光線透過性
が悪いためパターンを形成することが困難となる。ま
た、50μm程度のパターンを得るためには、20μm
より大きな粒子を使用した場合、パターンの解像度が低
い。また、表面が酸化しやすい銅等の金属粉末をポリマ
ー等でコートする等の表面処理を施した粉末を使用する
こともできる。
【0040】本発明で用いる無機バインダーとしては、
ガラス転移温度が500〜825℃の範囲で粒径が0.
5〜5μmのガラスフリットが好ましい。ガラスの種類
としては、硼珪酸ガラス、鉛硼珪酸ガラス、ビスマス硼
珪酸ガラス、カドミウム硼珪酸ガラス、カルシウム、バ
リウム等のアルカリ土類金属硼珪酸ガラス等を用いるこ
とができる。
【0041】光重合性導電ペースト組成物の混練方法は
ロールミル、三本ロールミル等を用いる通常の方法を使
用することができるが、一次粒子にまで細かく分散可能
な三本ロールミルの使用が極めて有効である。また、酸
化され易い銅系の金属の場合は三本ロールミルでペース
ト組成物を混練中も酸素含有量の極めて少ない不活性ガ
ス雰囲気で行うことが、高粘度化を抑制するために有効
である。
【0042】又、カルボキシル基含有重合体と銅系金属
を使用した光重合性導電ペースト組成物を高粘度化させ
ずに保存するためには、酸素濃度が1000ppm以下
の窒素、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の
不活性ガス雰囲気あるいは真空下で保存することが好ま
しい。また、保存温度も20℃以下の低温状態に保つこ
とが好ましい。
【0043】本発明の光重合性導電ペースト組成物の支
持体への塗布はスクリーン印刷、ロールコーターあるい
はドクターブレード等を用いた通常の方法で行うことが
できる。本発明における光重合性導電体組成物の積層体
の作成方法として、光重合性導電体組成物(B)、
(A)の順序で基板上に積層する。(B)層を積層した
後、溶剤を乾燥により除去してから(A)層を積層す
る。被覆する膜厚としては、無機バインダーを含有し金
属粉末の含有率が低い光重合性導電ペースト組成物
(B)を1〜20μmの範囲で塗布することが好まし
い。この層の膜厚が厚いと焼成後に得られる導電体の電
気伝導性が低下するので出来るだけ薄くすることが好ま
しい。(A)で示した無機バインダーを含有せず金属粉
末を高濃度に含有する光重合性導電体組成物の膜厚とし
ては特に限定しないが、50μm以下の線幅のファイン
パターンを形成するためには50μm以下が好ましい。
【0044】光重合性導電体組成物(A)、(B)を基
板上に(B)、(A)の順に積層した光重合性導電体組
成物積層体を焼成して得られる導電体において、基板表
面に塗布した光重合性導電体組成物(B)の膜厚範囲に
無機バインダーが偏在する構造が形成され、基板への密
着性の良好な導電体層を形成することができる。用いる
基板としては、アルミナ、ジルコニア、酸化ベリリウ
ム、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、酸化珪
素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸鉛、チタン酸バ
リウム等のセラミックス基板、ガラス基板等を用いるこ
とができる。また、焼成前のセラミックスグリーンシー
トを用いることもできる。
【0045】薄膜状光重性積層体は、可視光線、近紫外
光線又は紫外光線を用いて露光する。光重合性導電ペー
スト組成物調整およびパターン化工程の操作性を考慮す
ると、光重開始剤として近紫外線あるいは紫外線領域の
波長範囲に分光感度を有する化合物を用いることが好ま
しいので、450nmより短波長側の光が発生する光源
を用いることが好ましい。例えば、超高圧水銀灯、高圧
水銀灯、キセノン灯、またはこの波長範囲の光を発生す
るレーザー等の光源を用いることができる。
【0046】本発明の薄膜状光重合性導電体積層物は露
光後、現像する工程を経てパターンを形成することがで
きる。用いる現像液としては積層物を構成している有機
バインダーの種類によって、有機溶剤、水、あるいは酸
やアルカリ水溶液等を用いることが出来る。本発明で使
用する重合体として特に好ましいカルボキシル基を含有
する重合体を含む感光性樹脂組成物中では金属粉末の分
散性が極めて高い。そのため、露光後に水系現像液ある
いは有機溶剤系現像液で現像する場合、未露光部の金属
粉末は微粒子状に系外にほぐれ出し、しかも高濃度に金
属粉末を含有した組成物においてもそのほぐれ出す速度
が極めて早い等、従来知られていたポリメタクリル酸メ
チル、ポリスチレン、ポリαーメチルスチレン等の重合
体中にカルボキシル基を含有していない重合体を使用し
た従来の感光性樹脂組成物を有機溶媒で現像する場合よ
りもはるかに優れた現像特性を新たに見いだした。その
結果、金属粉末とカルボキシル基を含有した感光性樹脂
組成物を混合した光重合性導電ペースト組成物におい
て、これまで不可能であった高濃度に金属粉末を含有し
た光重合性導電ペースト組成物における微細パターンの
形成が可能となった。
【0047】水系現像液としては弱アルカリ性水溶液が
好ましい。アルカリ現像液の例としては、炭酸ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等
の無機アルカリおよびヒドロキシトリメチルアンモニウ
ム、2ーヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、エ
タノールアミン等の有機アミン類、等の有機アルカリ水
溶液を使用することができる。アルカリ水溶液の濃度
は、0.1重量%以上5重量%以下、好ましくは0.3
重量%以上2重量%以下である。5重量%より高濃度の
アルカリ水溶液を用いても現像速度は向上せず、また
0.1重量%より希薄な水溶液を用いた場合には現像速
度が遅くなるので好ましくない。アルカリ水溶液で未露
光部を溶出させた後、水を用いて余分なアルカリ溶液を
除くリンス行程が有効である。
【0048】有機溶剤系現像液としては、本発明で使用
する感光性樹脂組成物を溶解する溶剤であれば使用する
ことができ、露光部と未露光部の現像液に対する溶解度
のコントラストを大きくするために感光性樹脂組成物が
難溶である溶媒を添加し溶解度を調節することもでき
る。本発明で使用する現像方法としては通常の方法と用
いることができる。例えば、現像液中に浸すディップ方
法、現像液を噴霧するスプレー法等を挙げることが出来
る。特に、微細パターン形成のためにはスプレー現像法
が極めて有効である。
【0049】本発明では、現像工程により形成されたパ
ターンを焼成する工程を経て電気伝導性の高い金属パタ
ーン得ることができる。上記焼成する工程とは、パター
ン化された積層体中の有機成分を飛散させ、かつ金属粉
末を焼結させる工程をいう。酸化しやすい銅、ニッケ
ル、アルミニウム等の金属の場合、非酸化性雰囲気中で
の焼成が好ましい。非酸化性雰囲気を形成するためのガ
スとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、ネオン等の不
活性ガスを使用することができ、酸素濃度は100pp
m以下好ましくは50ppm以下に保つことが望まし
い。金、銀、白金等の貴金属の場合には、100ppm
以上の酸素共存下でも焼成可能である。焼成温度は使用
する感光性樹脂組成物の種類によって異なるが、有機成
分を飛散させるために少なくとも感光性樹脂組成物の分
解温度以上の温度にする必要がある。また使用している
金属の焼結温度以上にすることにより金属粉末どうしが
焼結するため、高い電気伝導性を有する導電体層を得る
ことができる。したがって、焼成温度はバインダーや金
属の種類により異なるが、通常は300〜1200℃の
範囲、好ましくは400〜1000℃の範囲が使用され
る。
【0050】露光、現像工程を経てパターンの形成され
たセラミックスグリーンシートは複数枚重ねて、さらに
加熱圧縮した積層体とした後、焼成により有機成分を飛
散させたセラミックス多層回路基板を得ることができ
る。
【0051】
【実施例】本発明を以下の実施例および比較例で具体的
に説明するが、これに限定されるものではない。以下の
実施例で示した重量平均分子量は下記のGPC(ゲルパ
ーメーションクロマトグラフィー)を用いて測定した。 GPC:日本分光製、〔ポンプ:TRI ROTAR-V 、カラ
ム:Shodex A-800P(フ゜レカラム) 、A-80Mx2 本直列、溶出
液:THF 、標準ポリスチレン試料により検量線を作成し
重量平均分子量を測定した。〕
【0052】
【実施例1】メチルメタアクリレート65モル%、メタ
アクリル酸25モル%およびブチルアクリレート10モ
ル%からなる分子量13万の共重合体50重量部に対
し、下記化7に示されるエチレンオキシド変性トリメチ
ロールプロパントリアクリレート50重量部、2,4ー
ジエチルチオキサントン1.5重量部、4ージメチルア
ミノ安息香酸エチル3.5重量部、およびn−メチルピ
ロリドン135重量部を攪拌し、感光性樹脂組成物溶液
を得た。
【0053】
【化7】
【0054】この感光性樹脂組成物5重量部(感光性樹
脂組成物溶液で11.4重量部)に対して平均粒径3μ
mの銅粉末5重量部および平均粒径2μmの硼珪酸ガラ
スフリット0.5重量部を、三本ロールミルにより混練
して得られた光重合性導電ペースト組成物(B)を前記
薄膜上に5μmの膜厚でアルミナ基板上に塗布し、70
℃のオーブン中で乾燥した。次に前記感光性樹脂組成物
5重量部(感光性樹脂組成物溶液で11.4重量部)に
対して、平均粒径3μmの銅粉末45重量部を3本ロー
ルミルで混練し、光重合性導電ペースト組成物(A)を
得た。使用した銅粉末中の酸素濃度は、酸素、窒素同時
分析装置(堀場制作所、EMGAー650型)を用いて
測定した結果、0.15重量%であった。このペースト
組成物をアルミナ基板上に形成した光重合性導電ペース
ト組成物(B)層の上部にロールコーターを用いて積層
し、70℃のオーブン中で乾燥した。乾燥後の膜厚は1
0μmであった。
【0055】次に、露光マスクを介して250W超高圧
水銀灯の光を窒素雰囲気下で600秒照射し、15分間
70℃で熱処理した。その後、1重量%炭酸ナトリウム
水溶液を現像液としてスプレー現像した。パターンの形
成に用いたフォトマスクを、図1に示した。このパター
ンにおいて40μmの線幅のものまでパターン化でき
た。これを酸素濃度20ppm以下の窒素雰囲気下、9
00℃で30分間焼成した。基板上に残ったパターンの
厚みは15μm(膜厚測定は小野測器製 デジタルリニ
アゲージDG925を使用して行った。)であり、金属
銅の光沢を有するものであった。また、上記の方法と同
様にして、線幅1mm、長さ40mm、焼成後の膜厚1
3μmのラインパターンを形成し体積抵抗率を測定した
ところ2.6μΩ・cmであった。これは金属銅の体積
抵抗率である1.7μΩ・cmに近い値であった。オー
ジェ電子分光装置を用いて銅パターンの断面の元素分析
を行った結果、基板表面から15μmの厚さ範囲に無機
バインダーの成分である珪素が80%以上偏在してい
た。基板への接着性は良好であった。
【0056】
【実施例2】メチルメタアクリレート95モル%、メタ
アクリル酸5モル%からなる分子量11万の共重合体5
0重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレ
ート100重量部、イソプロピルチオキサントン3重量
部、4ージメチルアミノ安息香酸エチル10重量部、エ
チレングリコールモノエチルエーテル130重量部をか
くはんすることによって、感光性樹脂組成物溶液を得
た。この感光性樹脂組成物5重量部(感光性樹脂組成物
溶液で9重量部)に対して、前記銅粉末5重量部および
実施例1と同じガラスフリット0.5重量部を三本ロー
ルミルをもちいて混練して得られた光重合性導電ペース
ト組成物(B)をアルミナ基板上に膜厚5μmで塗布し
た。次に、前記感光性樹脂組成物5重量部(感光性樹脂
組成物溶液で9重量部)に対して、平均粒径2μmの銅
粉末25重量部を3本ロールミルを用いて混練し、光重
合性導電ペースト組成物(A)を得た。使用した銅粉末
の酸素含有量は、実施例1と同じ装置を用いて測定した
結果、0.1重量%であった。このペースト組成物をロ
ールコーターを用いて光重合性導電ペースト組成物
(B)上に積層し、70℃で乾燥後25μmの膜を得
た。その後紫外線光源である250W超高圧水銀灯で6
00秒フォトマスクを通して酸素濃度3〜5%の窒素雰
囲気下で露光し、潜像を形成した。さらにこれを1,
1,1ートリクロロエタンを現像液としてスプレー現像
法により現像した。図1に示したフォトマスクを用いて
像を形成した結果、40μmのパターンまで現像でき
た。さらに窒素雰囲気下400℃で60分間保持し、有
機バインダー成分を除去し、ついで850℃まで昇温す
ることにより粒子を焼結させ、金属銅光沢を有する体積
抵抗率3.2μΩ・cmの導電体層を得た。
【0057】
【実施例3】感光性樹脂組成物は、実施例1と同じ組成
のもの5重量部に対して、酸素濃度0.08重量%の平
均粒径3μmの銅粉末95重量部を3本ロールミルを用
いて混練し光重合性導電ペースト組成物(A)を得た。
前記銅粉末10重量部、平均粒径2μmの硼珪酸ガラス
フリット1重量部および実施例1と同じ感光性樹脂組成
物5重量部を三本ロールミルで混練し、光重合性導電ペ
ースト組成物(B)を得た。光重合性導電ペースト組成
物(A)および(B)を、それぞれ10μm、5μmの
膜厚でアルミナ基板上に塗布し、光重合性導電体積層物
を得た。その後、実施例1と同様の方法によりアルミナ
基板上へのラミネート、露光、現像、焼成を行った。そ
の結果、図1に示したフォトマスクパターンにおいて6
0μmのパターンを得ることができた。
【0058】
【実施例4〜6】平均粒径1〜5μmの金、銀、パラジ
ウムと銀との合金(パラジウムの含有量は30重量%で
あった。)25重量部を用いて光重合性導電ペースト組
成物(A)を得、前記金、銀、パラジウムと銀との合金
5重量部と硼珪酸ガラスフリット0.5重量部を用いて
光重合性導電ペースト組成物(B)を得た以外は実施例
1と同様にして、60μmパターンの形成した。
【0059】
【実施例7】スチレンとマレイン酸モノエステルとの共
重合体(モンサントScripset550)を重合体
として使用し、平均粒径3μmの銅粉末を25重量部か
ら光重合性導電ペースト組成物(A)を得、酸素濃度1
〜5%の窒素雰囲気下で露光する以外は、実施例1と同
様にして膜厚15μm、線幅80μmの金属銅パターン
を得ることができた。
【0060】
【実施例8】重合体として分子量36万のポリメチルメ
タクリレートを、ラジカル重合性モノマーとしてペンタ
エリスリトールトリアクリレートを使用し、平均粒径が
2μmの酸化珪素−酸化亜鉛−酸化鉛系ガラスフリット
1重量部を添加する以外は実施例2と同様にして線幅6
0μmのパターンを形成することが出来た。
【0061】
【実施例9】粒径が0.2〜4μmに分布し平均粒径が
2μmの銅粉末を用いる以外、実施例1と同様の方法に
よって、図1に示したフォトマスクパターンにおいてア
ンダーカットの少ない40μmパターンの形成を確認し
た。焼成後に得られた金属銅薄膜の体積抵抗率は2μΩ
・cmであった。
【0062】
【発明の効果】本発明の二種類の薄膜状光重合性導電体
積層物を基板上に積層することによって、従来のペース
トでは困難であった非常に高い電気伝導性を有し、基板
への密着性の良好な厚膜ファインパターンを得ることが
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】露光時に用いたフォトマスクパターンを示す説
明図である。
【符号の説明】
20. パターンの線幅(μm) 40. パターンの線幅(μm) 60. パターンの線幅(μm) 80. パターンの線幅(μm) 100. パターンの線幅(μm) 120. パターンの線幅(μm) 140. パターンの線幅(μm) 160. パターンの線幅(μm) 200. パターンの線幅(μm) A.パターン線幅の2倍 B.パターン線幅の1.5倍
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/09 D 6921−4E 3/02 B 6921−4E

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)、(B)の光重合性導電体組
    成物を、基板上に(B)、(A)の順に積層してなる光
    重合性導電体組成物積層体。 (A):下記(1)、(2)、(3)の3成分からなる
    感光性樹脂組成物5重量部に対し、金属粉末20〜50
    0重量部を加えてなる光重合性導電体組成物。 (1):重合体50重量部 (2):重合性多官能モノマー10〜300重量部 (3):光重合開始剤:0.1〜10重量部 (B):上記(1)、(2)、(3)の3成分からなる
    感光性樹脂組成物5重量部に対し、金属粉末0〜20重
    量部及び無機バインダー0.01〜20重量部を加えて
    なる光重合性導電体組成物。
  2. 【請求項2】 下記(A)、(B)の光重合性導電体組
    成物を、基板上に(B)、(A)の順に積層後、フォト
    リソグラフィーによりパターンを形成して焼成すること
    を特徴とする導電体パターンの形成方法。 (A):下記(1)、(2)、(3)の3成分からなる
    感光性樹脂組成物5重量部に対し、金属粉末20〜50
    0重量部を加えてなる光重合性導電体組成物。 (1):重合体50重量部 (2):重合性多官能モノマー10〜300重量部 (3):光重合開始剤:0.1〜10重量部 (B):上記(1)、(2)、(3)の3成分からなる
    感光性樹脂組成物5重量部に対し、金属粉末0〜20重
    量部及び無機バインダー0.01〜20重量部を加えて
    なる光重合性導電体組成物。
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