JP2006253094A - 導電ペーストおよび電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性粉末と、軟化点が350〜450℃で、結晶化温度が脱脂温度より低く、結晶が再融解する再融解温度が脱脂温度より高く焼成温度以下である低軟化点結晶化ガラスと、軟化点が600〜1000℃で、低軟化点結晶化ガラスより軟化点の高い高軟化点ガラスとが含有された組成とする。
導電性粉末と低軟化点結晶化ガラスの体積比を、導電性粉末100に対して、低軟化点結晶化ガラス6〜10の範囲とし、導電性粉末と高軟化点ガラスの体積比を、導電性粉末100に対して、高軟化点ガラス0.5〜4の範囲とする。
低軟化点結晶化ガラスにBi2O3を70重量%以上含有させ、高軟化点ガラスにSiO2を50重量%以上含有させる。
【選択図】なし
Description
導電性粉末と、
軟化点が350〜450℃で、結晶化温度が脱脂温度より低く、結晶が再融解する再融解温度が脱脂温度より高く焼成温度以下である低軟化点結晶化ガラスと、
軟化点が600〜1000℃で、前記低軟化点結晶化ガラスより軟化点の高い高軟化点ガラスと
を含有することを特徴としている。
導電性粉末と低軟化点結晶化ガラスの体積比が、導電性粉末100に対して、低軟化点結晶化ガラス6〜10の範囲にあり、
導電性粉末と高軟化点ガラスの体積比が、導電性粉末100に対して、高軟化点ガラス0.5〜4の範囲にあること
を特徴としている。
低軟化点結晶化ガラスがBi2O3を70重量%以上含有し、
高軟化点ガラスがSiO2を50重量%以上含有すること
を特徴としている。
なお、本願発明において脱脂温度とは、導電ペースト中の樹脂の99重量%以上が熱分解を終了する温度であり、焼成温度とは、焼成最高温度をいう。
したがって、本願発明の導電ペーストのように、高軟化点ガラスに、結晶化温度が脱脂温度より低く、結晶が再融解する再融解温度が脱脂温度より高く焼成温度以下である低軟化点結晶化ガラスを配合したガラスを用いるようにした場合、脱脂工程では、低軟化点結晶化ガラスが結晶化しており、ほとんど、軟化、流動しないので、脱脂時に発生する分解ガスをトラップすることによるブリスタの発生を抑制防止して、緻密で信頼性の高い導体膜を形成することが可能になる。
なお、低軟化点結晶化ガラスにBi2O3を70重量%以上含有させることにより、焼成時の粘度を低くして、対象との密着性を確保することが可能になる。
また、高軟化点ガラスにSiO2を50重量%以上含有させることにより、軟化点が高くなり、ガラスが導電ペースト中の導電粉末間に均一に分散することにより、耐はんだ喰われ性を向上させることが可能になる。
また、本願発明は、例えば図2に示すように、セラミック積層体11の内部に配設された内部配線導体12、セラミック層13を介して対向する内部配線導体12を導通させるためのビアホール14、セラミック積層体11の表面に形成された外部電極15等を備えた構造を有するセラミック多層基板10を製造する場合において、外部電極15を形成するような場合に好適に利用することができる。特に、外部電極15を、感光性ペーストを用いてフォトリソグラフィーにより形成する場合に、微細パターンをより高精度に形成することができる。
なお、本願の導電ペーストは、図2のセラミック多層基板10の内部配線導体12の形成にも使用することができる。
(1)ペーストの作製
1)粒径D50=2.0μmのAg粉末15gと、
2)Ag粉末の体積に対して8体積%の低軟化点結晶化ガラス(Bi2O3系結晶化ガラスフリット)(軟化点約400℃,Bi2O3(85重量%)−SiO2(6重量%)−B2O3(7.5重量%)−Li2O(1.5重量%))と、
3)Ag粉末の体積に対して4体積%の高軟化点ガラス(SiO2−B2O3系ガラス)(軟化点約600℃、SiO2(54重量%)−B2O3(16重量%)−Na2O(11重量%)−Li2O(10重量%)−その他(9重量%))と、
4)感光性モノマーであるラジカル重合性モノマー(エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート)1.0gと、
5)アルカリ可溶性ポリマー(不飽和基のないメタクリル酸メチル共重合体、分子量42000)3.3gと、
6)光重合開始剤(2,4−ジエチルチオキサントン)0.1gと、
7)溶剤(ジプロピレングリコールモノメチルエーテル)1.0gと
を混合・撹拌した後、SUS製三本ロールで分散させて、感光性導電ペーストを作製した。
上記(1)のようにして作製した導電ペーストを、アルミナ基板上にスクリーン印刷し、90℃のホットプレートで10分間溶剤を乾燥して導電ペースト膜を形成した。
それから、この導電ペースト膜が形成されたアルミナ基板をマスクアライナー(1000Wの超高圧水銀ランプ)で所望のパターンが得られるように、200mJ/cm2(405nmの照度で換算)の露光強度で露光した。
さらに、スプレー式現像機を用いて、トリエタノールアミン2.5体積%水溶液で現像することにより、所望のパターン(導電ペースト膜パターン)を得た。なお、この実施例では線幅50μmのパターンを形成した。
上記(2)のようにしてパターンが形成されたアルミナ基板(パターン形成基板)を最高温度800℃(最高温度キープなし)で合計2時間焼成することにより、厚膜(導体膜)を焼結させて、導体配線を形成した。
これにより、所望のパターンを有し、ブリスタの発生がなく、導電性の良好な配線パターンを得ることができた。
なお、この実施例では、導電ペースト中の樹脂の99重量%以上が熱分解を終了する温度は約600℃であった。
上記(3)で焼成したパターン形成基板を、ロジンをエタノール希釈したフラックスに浸漬し、120℃のホットプレートで20〜120秒予熱した。
次に、これらのパターン形成基板を、245℃に加熱したはんだ槽中のSn−Ag−Cu系はんだに2秒間浸漬した後、アルコール中で約2分超音波洗浄することにより、残留したフラックスを除去した。
上記の要領ではんだに浸漬した基板上のパターンを観察し、はんだ濡れ面積率を調べて、はんだ濡れ性を調べた。
A(%)=電極のはんだに濡れている部分の面積/全電極面積×100
なお、この実施例では、はんだ濡れ性が90%以上のものをはんだ濡れ性が良好と判定した。
ただし、はんだ濡れ性試験において、はんだの種類は、上記Sn−Ag−Cu系以外にもさまざまな組成のものを用いることができる。はんだの種類としては、例えば、Sn−Ag系、Sn−Zn系、Sn−Pb系などが例示される。また、予熱温度や予熱時間、はんだ槽の温度や浸漬時間は、はんだの種類などによって適宜調整する。
上記(3)で焼成したパターン形成基板を、フラックスに浸漬し、120℃のホットプレートで20〜120秒予熱した。
次にこれらのパターン形成基板を265℃に加熱したはんだ槽中のSn−Ag−Cu系はんだに1〜60秒浸漬し、アルコール中で約2分超音波洗浄することにより、残留したフラックスを除去した。
はんだ喰われよりパターン(配線)が消失するかどうかは、パターン(導体膜)の膜厚に依存するため、ここでは焼成後のパターン(導体膜)の厚みを25μmに統一して観察を行った。
なお、耐はんだ喰われ性に関しても、はんだ濡れ性の場合と同様に、場合に応じて評価条件を変更することが可能である。
試料番号9で用いられているガラスは、Bi2O3−SiO2−B2O3−Li2O(85重量%−6重量%−7.5重量%−1.5重量%)の組成の低軟化点結晶化ガラスである。
また、ガラスが、導電ペースト中の樹脂が熱分解するときに発生する気体をトラップすることにより発生するブリスタにより、導電ペーストの焼成によって形成される導体膜(電極や配線など)が、基板から浮き上がり、導体膜(電極や配線など)のピール強度が極めて低くなる。
すなわち、ガラスの流失、ガラスの浮き出し、ブリスタの発生といった問題を抑制するために、軟化点が350〜450℃で、結晶化温度が脱脂温度より低く、結晶が再融解する再融解温度が脱脂温度より高く焼成温度以下である低軟化点結晶化ガラスを選択することにより、耐はんだ喰われ性に優れた導体膜を形成することが可能になる。
さらに、上記実施例では、金属粉末として、粒径D50=2μmのものを使用しているが、本願発明において、金属粉末の粒径に特別の制約はない。
なお、低軟化点結晶化ガラスとしては、焼成時の粘度を低くして、対象との密着性を確保する見地から、Bi2O3の含有割合が70重量%以上のものを用いることが望ましい。
また、原料成分(導電ペースト)の混合・分散処理を行うにあたっては、必要に応じて、分散剤(ポリカルボン酸系分散剤など)、増粘剤などを添加してもよい。
また、現像機には、スプレー式、パドル式、ディップ式などを用いることが可能である。
現像液にはトリエタノールアミン水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、モノエタノールアミン水溶液、TMAH水溶液などの種々のアルカリ性水溶液を用いることが可能である。また必要に応じて界面活性剤を添加することができる。
したがって、本願発明は、セラミックコンデンサ、セラミックインダクタなどの電子部品、LC複合部品、セラミック基板など、導電ペーストを焼成することにより形成される導体膜を備えた種々の電子部品に広く適用することが可能である。
2a,2b 内部電極
3 セラミック層
4a,4b 端面
5a,5b 外部電極
10 セラミック多層基板
11 セラミック積層体
12 内部配線導体
13 セラミック層
14 ビアホール
15 外部電極
Claims (6)
- 導電性粉末と、
軟化点が350〜450℃で、結晶化温度が脱脂温度より低く、結晶が再融解する再融解温度が脱脂温度より高く焼成温度以下である低軟化点結晶化ガラスと、
軟化点が600〜1000℃で、前記低軟化点結晶化ガラスより軟化点の高い高軟化点ガラスと
を含有することを特徴とする導電ペースト。 - 導電性粉末と低軟化点結晶化ガラスの体積比が、導電性粉末100に対して、低軟化点結晶化ガラス6〜10の範囲にあり、
導電性粉末と高軟化点ガラスの体積比が、導電性粉末100に対して、高軟化点ガラス0.5〜4の範囲にあること
を特徴とする請求項1記載の導電ペースト。 - 低軟化点結晶化ガラスがBi2O3を70重量%以上含有し、
高軟化点ガラスがSiO2を50重量%以上含有すること
を特徴とする請求項1または2記載の導電ペースト。 - さらに感光性モノマーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電ペースト。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の導電ペーストを用いて形成された導体膜を備えていることを特徴とする電子部品。
- 前記導体膜が、幅100μm未満の導体配線であることを特徴とする請求項5記載の電子部品。
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