JP2011142307A - 電子部品とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は導電性ペーストと、これをセラミックス基板の接続電極として同時焼成を行ったセラミックス電子部品とその製造方法に関するものであり、セラミックス基板と接続電極との密着性を高めることを目的とする。
【解決手段】本発明は、セラミックス基板1と、このセラミックス基板1の表面に設けたAg接続電極2とを備え、このセラミックス基板1と前記Ag接続電極2とは、前記Ag接続電極2からセラミックス基板1内に浸入した無機接合剤により形成された密着層で結合しており、これによって、セラミックス基板1とAg接続電極2との密着性を高めることができる。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、セラミックス基板1と、このセラミックス基板1の表面に設けたAg接続電極2とを備え、このセラミックス基板1と前記Ag接続電極2とは、前記Ag接続電極2からセラミックス基板1内に浸入した無機接合剤により形成された密着層で結合しており、これによって、セラミックス基板1とAg接続電極2との密着性を高めることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、セラミックス基板と接続電極を同時焼成したセラミックス電子部品とその製造方法に関するものである。
近年、電子部品の小型化、高性能化に伴い、電子部品を実装するためのセラミックス基板として、低抵抗の銀や銅と同時焼成可能な低温焼成セラミックスが広く用いられている。
低温焼成セラミックスは一般的に、ガラス相とアルミナ(Al2O3)などの結晶粒子とから成るものである。
また、セラミックス基板は高強度化や低誘電損失化、高耐酸性化のため、フィラーとしてアルミナ(Al2O3)粒子とそれ以外の結晶質セラミックス粒子を添加したり、ガラスから結晶が析出する結晶化ガラスを用いたりするなどの開発も多く見られる。
なお、接続電極としては、銀粉末と、無機結合剤と、有機ビヒクルとを主成分とし、ガラスフリットにホウケイ酸アルカリガラスを用いる導電性ペーストが知られている(例えば下記特許文献1)。
しかしながら、上述したように高強度化や低誘電損失化、高耐酸性化のため、フィラーとしてアルミナ(Al2O3)粒子とそれ以外の結晶質セラミックス粒子を添加したり、ガラスから結晶が析出する結晶化ガラスを用いたりすると、セラミックス基板と接続電極の密着成分として機能するガラス成分の含有量が少なくなり、その結果としてセラミックス基板と接続電極との密着性が低くなる。
前述のように結晶化ガラスや結晶粒子を重量比70%以上有する高耐酸性である高結晶化度低温焼成セラミックスでは、接続電極との密着確保に十分なガラス融液がなく、その結果としてセラミックス基板と接続電極との密着性が低かった。そこで、特許文献1の導電性ペーストを、焼成済のセラミックス基板に塗布し、その後焼成することで、両者の密着性を高めることが考えられる。しかし、焼いてしまったものに特許文献1の導電性ペーストを塗布しても、両者の密着性を高めるという効果は得られず、密着性が低くなっていた。そこで、本発明はセラミックス基板と接続電極との密着性を高めることを目的とするものである。
そしてこの目的を達成するために、本発明は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の表面に設けた接続電極とを備え、このセラミックス基板と前記接続電極とは、前記接続電極からセラミックス基板内に浸入した無機接合剤により形成された密着層で結合しており、これによって所期の目的を達するものである。
さらに、ガラス相および前記セラミックス基板における割合を重量比で70%以上とした結晶粒子を有した前記セラミックス基板と、メディアン径は2.0μm以上、7.0μm以下の銀粉末と、軟化点が650℃以上、800℃以下であるガラスフリットを主成分とする無機結合剤と、有機ビヒクルとを主成分とする導電性ペーストを用い、前記セラミックス基板の表面に前記導電性ペーストを同時焼成し、セラミックス基板の表面に接続電極を設けたことを特徴とする。
以上のように、本発明は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の表面に設けた接続電極とを備え、このセラミックス基板と前記接続電極とは、前記接続電極からセラミックス基板内に浸入した無機接合剤により形成された密着層で結合している。よって、セラミックス基板と接続電極との密着性を高めることができる。
また、本発明は、ガラス相および前記セラミックス基板における割合を重量比で70%以上とした結晶粒子を有した前記セラミックス基板と、メディアン径は2.0μm以上、7.0μm以下の銀粉末と、軟化点が650℃以上、800℃以下であるガラスフリットを主成分とする無機結合剤と、有機ビヒクルとを主成分とする導電性ペーストを用い、前記セラミックス基板の表面に前記導電性ペーストを同時焼成する方法で製造しているので、銀粉末の焼結過程でガラスフリットが軟化し、ガラスの一部が銀粉末の焼結助剤となり一部が接続電極とセラミックス基板界面に排出される。また、ガラス成分はセラミックス基板中の結晶やアルミナフィラーの粒界に存在しながら、まるで木が地に根を張るようにセラミックス基板表面および内部に拡散して密着層を形成している。その結果として、セラミックス基板と接続電極との密着性を高めることができる。
また、ガラスが排出された後、接続電極は十分に緻密化する。このため、めっき工程においてめっき液が接続電極とセラミックス基板の界面に浸入することがない。よって、めっき後も十分な密着強度を確保することができ、その結果として、めっき後の引張強度も高くなる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の電子部品の要部模式図である。図1においてセラミックス基板1はセラミックグリーンシートを複数枚積層して形成されたセラミックス基板である。そして、このセラミックス基板1の表面にAg接続電極2が設けられ、さらにNiめっき3と、Auめっき4が施されている。また、引張強度を測定するため、半田5と、引張冶具6と、ワイヤー7が設けられている。
Ag接続電極2を作製するために必要な導電性ペーストは、銀粉末とガラスフリットを主成分とする無機結合剤が有機ビヒクル中に分散されてなる。
ここで、銀粉末のメディアン径は、2.0μm以上、7.0μm以下が望ましい。それは、以下の理由による。まず、メディアン径が2.0μmより小さいと、導電性ペースト中での銀粉末の分散性が悪くなり、セラミックス基板1との同時焼成が困難になる。また、銀粉末の焼結がガラスの軟化よりも早く起こり、ガラス成分がAg接続電極2から排出されない。さらに、メディアン径が7.0μmより大きいと、ファインパターンの印刷性が悪くなる。また、セラミックス基板1の焼成温度域においてAg接続電極2が十分に緻密化し難くなる。
次に、ガラスフリットを主成分とする無機結合剤の成分組成は以下のようになることが望ましい。
まず、軟化点は650℃以上、800℃以下が望ましい。それは、以下の理由による。650℃より低いと、銀粉末の焼結開始前に軟化してセラミックス基板1側へ移動するために、Ag接続電極2は緻密化し難くなる。また、800℃より高いと、焼成過程において、ガラスの粘度が十分に下がらず、密着成分として機能しなくなる。
また、前記ガラスフリットは、SiO2、B2O3、アルカリ金属酸化物を構成成分とし、SiO2が重量比で70%以上含まれるものが望ましい。それは、ガラスの中で網目構造を作るSiO2のSiとOは耐酸性の強い共有結合であるからである。ただし、SiO2の含有量が多いと、軟化点が高くなり、約1000℃の焼成領域ではガラスが軟化しない。よって、ガラスの軟化点を制御するため、B2O3やアルカリ金属酸化物を添加することが適している。
なお、この無機結合剤は、本発明の実施形態のガラスフリットを主成分とすることでその効果を発現できるが、その他Bi2O3やLi2CO3、CuOを微量添加しても良い。
さらに、前記ガラスフリットの添加量は、銀粉末に対する重量割合で1.5%以上、5.0%以下が望ましい。それは、1.5%より少ないと、ガラスフリットの量が少ないためセラミック基板1との密着性を十分に確保することができないからである。また、5.0%より多いと、ガラスフリットがAg接続電極2の表面に残留し、Ag接続電極2の抵抗が増加してしまったり、めっき付き性が悪くなったりするからである。
なお、本発明の導電性ペーストは特に、結晶成分が重量比で70%以上含まれるようなセラミックス基板1において有効である。結晶成分が70%より少ないと、Ag接続電極2との密着性を確保するのに十分なガラス成分がセラミックス基板1中に無いため、導電性ペーストに添加したガラスの効果がより顕著に現れる。このようなセラミックス基板1としては、フィラーとして添加しているアルミナ(Al2O3)の他に、ガラスから析出した結晶粒子が含まれる高結晶化ガラス低温焼成セラミックスが知られている。析出する結晶成分としては耐酸性や誘電特性が期待されるエンスタタイト(MgSiO3)やディオプサイド(CaMgSi2O4)などが好ましいが、その他フォルステライト(Mg2SiO4)やウレマタイト(ZnAl2O4)を含んでも良い。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。
(銀粉末選定)
本実施例で使用する銀粉末は、従来の導電性ペーストにおいて用いられる銀粉末を主成分とする。まず、メディアン径1.0μm〜10.0μmの銀粉末を選定した。
本実施例で使用する銀粉末は、従来の導電性ペーストにおいて用いられる銀粉末を主成分とする。まず、メディアン径1.0μm〜10.0μmの銀粉末を選定した。
(ガラスフリット選定)
SiO2−B2O3−K2O系で、軟化点が490℃、650℃、775℃、800℃、850℃のガラスフリット及び、SiO2−Al2O3−ZnO−Bi2O3系で、軟化点が750℃のガラスを選定した。
SiO2−B2O3−K2O系で、軟化点が490℃、650℃、775℃、800℃、850℃のガラスフリット及び、SiO2−Al2O3−ZnO−Bi2O3系で、軟化点が750℃のガラスを選定した。
(有機ビヒクル選定)
有機ビヒクルはバインダー樹脂(例えば、エチルセルロース系樹脂、アクリル系樹脂など)と、有機溶剤(例えば、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテートなど)を含む。
有機ビヒクルはバインダー樹脂(例えば、エチルセルロース系樹脂、アクリル系樹脂など)と、有機溶剤(例えば、ターピネオール、ブチルカルビトールアセテートなど)を含む。
(1)導電性ペースト作製
本実施例の導電性ペーストは、それぞれペースト重量に対して、銀粉末80〜88%、ガラスフリット1.5〜5.0%、有機ビヒクル7.0〜18.5%の組成を有する。混合は、上記銀粉末、ガラスフリット、有機ビヒクルを、ミキサーにより予備混練、その後三本ロールミルにより混練、ターピネオールなどで粘度調整を行った。
本実施例の導電性ペーストは、それぞれペースト重量に対して、銀粉末80〜88%、ガラスフリット1.5〜5.0%、有機ビヒクル7.0〜18.5%の組成を有する。混合は、上記銀粉末、ガラスフリット、有機ビヒクルを、ミキサーにより予備混練、その後三本ロールミルにより混練、ターピネオールなどで粘度調整を行った。
(2)セラミックス基板作製
本実施例のセラミックス基板1は、結晶化ガラスや結晶粒子を重量比70%以上有する高耐酸性である高結晶化度低温焼成セラミックスである。
本実施例のセラミックス基板1は、結晶化ガラスや結晶粒子を重量比70%以上有する高耐酸性である高結晶化度低温焼成セラミックスである。
まず、重量比でエンスタタイト(MgSiO3)系結晶化ガラス60%とアルミナ(Al2O3)40%との混合物を主成分とするセラミックグリーンシートを、低温焼成セラミックスのスラリーを用いてドクターブレード法により成形した。この結晶化ガラスは、本実施例記載の条件で焼成した場合、その結晶化度は重量比で87%である。
次に、このセラミックグリーンシートを複数枚積層しセラミックスグリーンシート積層体を作成した。そして、このセラミックスグリーンシート積層体表面に、混合した導電性ペーストを、2mmのパターンで印刷をした。さらに、寸法精度を確保する無収縮焼成を行うため、積層体の上下をアルミナの拘束層により挟み積層し、このシート積層体を大気中875℃、30分キープの条件で同時焼成した。
同時焼成後、セラミックス基板1をウェットブラスト処理することにより、アルミナ拘束層を除去した。更にAg接続電極2上に、Niめっき3とAuめっき4の無電解メッキを重ねて施した。
(3)Ag接続電極引張強度測定
図1に示されるように、引張冶具6を半田5により、Ag接続電極2のNiめっき3とAuめっき4上に固着した。そして、セラミックス基板1を固定しておき、プッシュプルゲージにより引張冶具に括り付けたワイヤー7を引っ張り、Ag接続電極2がセラミックス基板1から剥離したときの荷重を測定し、これを引張強度とした。
図1に示されるように、引張冶具6を半田5により、Ag接続電極2のNiめっき3とAuめっき4上に固着した。そして、セラミックス基板1を固定しておき、プッシュプルゲージにより引張冶具に括り付けたワイヤー7を引っ張り、Ag接続電極2がセラミックス基板1から剥離したときの荷重を測定し、これを引張強度とした。
(表1)に、各導電性ペーストを用いたときのめっき後引張強度の測定結果を示す。
上記結果から、本発明の効果が明らかである。本願の請求項3に記載の導電性ペーストは、いずれも61N以上の高い引張強度を示した。
また、焼成後の試料を観察すると、本発明の導電性ペーストを用いた場合、Ag接続電極2は緻密化していた。そして、ガラスもセラミックス基板1側へ十分に排出され、そこに、まるで木が地に根を張るようにセラミックス基板1表面および内部に拡散して密着層を形成し、Ag接続電極2とセラミックス基板1を結合させることで、密着強度を高めることができていた。
また、前記密着層は、前記セラミックス基板1の表面によって、この密着層の外周の内方と外方に向かった凹凸面を形成した状態となっていた。つまり、この密着層の外周面の延面距離が長くなるので、その結合強度も高くなっていた。一方、本発明を外れる例に関しては、めっき後の引張強度が低い値となった。
具体的に本発明を外れる例としては、導電性ペーストNo.1、No.6で銀粉末が十分に緻密化しなかった。このため、めっき工程においてAg接続電極2の表面からめっき液が浸入するため、セラミックス基板1との界面が溶出し、引張強度が低い値となった。
また、導電性ペーストNo.3、No.9は、ガラスがセラミックス基板1側へ十分に排出されず、Ag接続電極2中に残留した。このため、引張強度が低い値となった。
さらに、導電性ペーストNo.10は、銀粉末の緻密化、ガラスのセラミックス基板1側への排出いずれも十分に起こらなかったため、引張強度が20N台と、特に低い値となった。
次に、本発明の導電性ペーストである、ガラス組成系2を添加した導電性ペーストNo.11は、引張強度65Nと実使用するにあたっては十分に高い値となったが、ガラス組成系1の導電性ペーストを用いた場合と比較すると低い値となった。このNo.11の測定結果から、ガラス組成系2のSiO2−Al2O3−ZnO−Bi2O3系の導電性ペーストを用いるよりも、ガラス組成系1のSiO2−B2O3−R2O系の導電性ペーストを用いた方が、より高い引張強度を得られることがわかった。
更に、ガラスの添加量が1.0wt%の導電性ペーストNo.12も、引張強度が61Nと実使用にあたっては十分高い値となったが、No.4の引張強度の72Nと比較すると、引張強度が低く、ガラスの添加量1.0wt%よりも多くすることにより引張強度が向上することがわかった。
なお、今回はガラス組成1としてSiO2−B2O3−K2O系のガラスを用いたが、SiO2−B2O3−Li2O系やSiO2−B2O3−Na2O系のホウ珪酸アルカリガラスでも同様の効果が見られる。
(4)ガラスのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比による破壊モードの違い
実施例1のデータを抜粋し、ガラスのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比から引張試験による破壊モードの違いを確認した。(表2)に結果を示す。
実施例1のデータを抜粋し、ガラスのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比から引張試験による破壊モードの違いを確認した。(表2)に結果を示す。
上記結果から、本発明の効果が明らかである。本願の請求項6に記載のガラスのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比が0.4以下である試料は、82N以上と非常に高い引張強度を示し、ガラスのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比によって、3パターンの破壊モードを確認した。ガラスのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比が1.3のNo.3と、0.52のNo.4では電極とLTCCの界面、および電極内部で破壊することがわかった。また、ガラスのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比が比較的小さいNo.5、No.13およびNo.14においては、セラミックス内部で破壊が起こっており、銀電極とLTCCの密着強度は十分大きくなっていた。
これらの結果から、ガラスのメディアン径を小さくすることで導電性ペーストに含まれるガラスが、導電性ペーストとLTCCの界面に多く排出され、導電性ペーストとLTCCの界面の密着強度を高める要因となっており、さらに銀粉末のメディアン径を大きくすることで、銀粉末が緻密に形成される温度が高くなり、銀粉末が緻密化される前に多くのガラスが軟化し、銀電極とLTCC界面に排出されるため密着強度が向上すると推測される。すなわち、ガラスのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比が小さいほど密着強度が高くなることがわかった。
なお、ガラスフリットのメディアン径は0.01μm以下になると、それ自体が凝集して、導電性ペースト中での分散性が悪くなってしまい密着強度を向上することはできないということが知られている。従って、請求項3に記載の銀粉末の粒径の範囲を考慮すると、実際に使用可能なガラスのメディアン径により、ガラスのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比の下限値が自ずと決定されるものである。また、ガラスのメディアン径および銀粉末のメディアン径は、レーザー回折法により測定した。
実施例1のそれぞれの導電性ペーストを用い、セラミックス基板1の結晶化度を変え、同様の試験を行った。なお、セラミックスとしては、実施例1のエンスタタイト(MgSiO3)に加え、ディオプサイド(CaMgSiO4)系の結晶化ガラスを用いた。
それぞれの結晶化ガラスを重量比で60%とアルミナ(Al2O3)40%との混合物を用いた。結晶化度を振ったのはエンスタタイト(MgSiO3)結晶化ガラスで、原料成分の組成比を変えることで、焼成後の結晶化度を制御した。セラミックス基板1中の結晶成分の重量比は、焼成後のセラミックス基板1のX線回折測定結果から求めた。
(表3)に、各試料のめっき後の引張強度測定結果を示す。
上記結果から、結晶化度60%では、本願発明のもの、本願発明を外れるものも、高強度となる。しかし、結晶化度70%以上では、本願発明を外れると引張強度が低くなる。よって、本発明は、セラミックス基板における結晶成分が、重量比で70%以上である場合に特に有効であることが明らかである。また、析出結晶が、エンスタタイト(MgSiO3)、ディオプサイド(CaMgSiO4)どちらであっても、有効であることが分かった。
本発明によれば、導電性ペーストと、これをセラミックス基板の接続電極として同時焼成を行ったセラミックス電子部品に関するものであり、セラミックス基板と接続電極との密着性を高めた電子部品を提供することができる。
1 セラミックス基板
2 Ag接続電極
3 Niめっき
4 Auめっき
5 半田
6 引張冶具
7 ワイヤー
2 Ag接続電極
3 Niめっき
4 Auめっき
5 半田
6 引張冶具
7 ワイヤー
Claims (7)
- ガラス相と、結晶粒子が重量比で70%以上含むセラミックス基板と、このセラミックス基板の表面に設けた接続電極とを備え、このセラミックス基板と前記接続電極とは、前記接続電極からセラミックス基板内に浸入した無機接合剤により形成された密着層で結合している電子部品。
- 前記密着層は、前記セラミックス基板の表面における、密着層の外周の内方と外方に向かった凹凸面を有している請求項1に記載の電子部品。
- 請求項1または請求項2に記載の電子部品の製造方法であって、ガラス相および前記セラミックス基板における割合を重量比で70%以上とした結晶粒子を有した前記セラミックス基板と、メディアン径は2.0μm以上、7.0μm以下の銀粉末と、軟化点が650℃以上、800℃以下であるガラスフリットを主成分とする無機結合剤と、有機ビヒクルとを主成分とする導電性ペーストを用い、前記セラミックス基板の表面に前記導電性ペーストを同時焼成し、セラミックス基板の表面に接続電極を設けた電子部品の製造方法。
- 前記ガラスフリットは、SiO2−B2O3−R2O系ガラスであり、RはLi、Na、K、のうち少なくとも一種類を含み、前記SiO2は前記ガラスフリット中に重量比で70%以上含まれる請求項3に記載の電子部品の製造方法。
- 前記ガラスフリットの添加量は、前記銀粉末に対して重量比で1.5%以上、5.0%以下である請求項3に記載の電子部品の製造方法。
- 前記ガラスフリットのメディアン径と銀粉末のメディアン径の比が0.4以下である請求項3に記載の電子部品の製造方法。
- 前記結晶粒子は、アルミナ(Al2O3)、エンスタタイト(MgSiO3)、ディオプサイド(CaMgSiO4)のうち少なくとも一つを含むような請求項3に記載の電子部品の製造方法。
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