JP2011091082A - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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利行 川口
Kazutoki Tawara
和時 田原
Tsutomu Saga
努 佐賀
Hiroyuki Yasuda
浩之 安田
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Abstract

【課題】不要なノイズを抑制するために形成された抵抗体薄膜の表面抵抗のバラツキが抑えられ、抵抗体薄膜とこれに隣接する他の層との間の密着性が良好なプリント配線板の製造方法を提供する。
【解決手段】(b)離型性基体上に抵抗体薄膜13を物理的蒸着によって形成する工程と、(c)抵抗体薄膜13上に絶縁体層12を介して銅箔11を積層する工程と、(d)離型性基体を抵抗体薄膜13から剥離する工程と、(f)銅箔11または抵抗体薄膜13上に、さらに接着層14を介して銅箔11を積層する工程とを有するプリント配線板10の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、抵抗体薄膜を有するプリント配線板の製造方法に関する。
近年、ユビキタス社会が訪れ、情報処理機器、通信機器等、特にパソコン、携帯電話、ゲーム機器等においては、MPUの高速化、多機能化、複合化、およびメモリ等の記録装置の高速化が進行している。
しかし、これらの機器から放射されるノイズ、または機器内の導体を伝導するノイズがもたらす、自身または他の電子機器、部品の誤作動、人体に対する影響が問題となっている。これらノイズとしては、MPU、電子部品等が実装されたプリント配線板内の導体のインピーダンス不整合によるノイズ、導体間のクロストークによるノイズ、MPU等の半導体素子の同時スイッチングによる電源層とグランド層との層間の共振によって誘起されるノイズ等がある。
これらノイズが抑制されたプリント配線板としては、ノイズ電流が流れている対象導体に離間して抵抗体薄膜を設けたものが知られている。該プリント配線板においては、対象導体の縁端部に集中する電磁界エネルギーが、抵抗体薄膜に流れた渦電流の抵抗損失によって低減するため、その結果、対象導体を伝導するノイズを低減させることができる。
該プリント配線板の製造方法としては、銅箔上に形成された絶縁体層上に、金属または導電性セラミックスを物理的に蒸着させて抵抗体薄膜を形成する方法が提案されている(特許文献1)。
しかし、該製造方法には、下記の問題がある。
(i)プリント配線板に反りが発生しないようにするためには、絶縁体層を軟質にする必要がある。そのため、物理的蒸着の際の熱によって絶縁体層の硬度にムラが生じ、物理的に蒸着された金属または導電性セラミックスの絶縁体層への侵入深さが場所によって変化する。その結果、抵抗体薄膜の表面抵抗にバラツキが生じ、抵抗体薄膜によるノイズ低減効果が小さくなる。
(ii)多層のプリント配線板を製造する際のプレスの温度および圧力によって、絶縁体層が一時的に軟化して緩むため、抵抗体薄膜等の他の層との密着性が悪くなる。
特開2008−041947号公報
本発明は、不要なノイズを抑制するために形成された抵抗体薄膜の表面抵抗のバラツキが抑えられ、抵抗体薄膜とこれに隣接する他の層との間の密着性が良好なプリント配線板の製造方法を提供する。
本発明のプリント配線板の製造方法は、下記工程(b)〜(d)および工程(f)を有することを特徴とする。
(b)離型性基体上に抵抗体薄膜を物理的蒸着によって形成する工程。
(c)前記工程(b)の後、前記抵抗体薄膜上に絶縁体層を介して銅箔を積層する工程。
(d)前記工程(c)の後、前記離型性基体を前記抵抗体薄膜から剥離する工程。
(f)前記銅箔または前記抵抗体薄膜上に、さらに接着層を介して銅箔を積層する工程。
本発明のプリント配線板の製造方法は、下記工程(a)〜(d)および工程(f)を有することを特徴とする。
(a)離型性基体上に剥離層を形成する工程。
(b)前記工程(a)の後、前記剥離層上に抵抗体薄膜を物理的蒸着によって形成する工程。
(c)前記工程(b)の後、前記抵抗体薄膜上に絶縁体層を介して銅箔を積層する工程。
(d)前記工程(c)の後、前記離型性基体を前記剥離層から剥離する工程。
(f)前記銅箔または前記剥離膜上に、さらに接着層を介して銅箔を積層する工程。
本発明のプリント配線板の製造方法は、さらに、下記工程(e)を有していてもよい。
(e)前記工程(d)と前記工程(f)との間にて、前記抵抗体薄膜を、剥離層を有する場合は前記剥離層とともに、所望のパターンに加工する工程。
また、前記工程(c)およびまたは工程(f)にて、前記銅箔を所望のパターンに加工してもよい。
前記離型性基体の厚さは、5〜100μmであることが好ましい。
前記工程(b)においては、前記抵抗体薄膜上に液状の樹脂組成物を塗布し、硬化させて絶縁体層を形成することが好ましい。
前記液状の樹脂組成物は、エポキシ樹脂およびアルコキシシランを含む組成物であることが好ましい。
前記離型性基体の少なくとも表面部分は、ガラス転移点が300℃以上の材料からなることが好ましい。
剥離層を有する場合は、前記剥離層の厚さを0.1〜3μmとして、前記工程(e)にて、前記剥離層および前記抵抗体薄膜を、レーザーによって所望のパターンにエッチングすることが好ましい。
前記抵抗体薄膜は、金属または導電性セラミックスからなり、厚さが10〜200nmであることが好ましい。
本発明のプリント配線板の製造方法によれば、不要なノイズを抑制するために形成された抵抗体薄膜の表面抵抗のバラツキが抑えられ、抵抗体薄膜とこれに隣接する他の層との間の密着性が良好なプリント配線板を製造できる。
プリント配線板の一例を示す断面図である。 プリント配線板の他の例を示す断面図である。 本発明のプリント配線板の製造方法の一例を示す工程図である。 工程(c)で得られた積層体の一例を示す断面図である。 工程(c)で得られた積層体の他の例を示す断面図である。 パターン加工された抵抗体薄膜の一例を示す図である。
<プリント配線板>
図1は、本発明の製造方法によって製造されるプリント配線板の一例を示す断面図である。プリント配線板10は、下から順に、銅箔11、接着層14、銅箔11、絶縁体層12、抵抗体薄膜13、接着層14、銅箔11、接着層14、銅箔11からなる4層の多層プリント配線板である。
図2は、本発明の製造方法によって製造されるプリント配線板の他の例を示す断面図である。プリント配線板10は、下から順に、銅箔11、接着層14、銅箔11、絶縁体層12、抵抗体薄膜13、剥離層16、接着層14、銅箔11、接着層14、銅箔11からなる4層の多層プリント配線板である。
(銅箔)
銅箔11としては、電解銅箔、圧延銅箔等が挙げられる。
通常、銅箔の表面は、絶縁体層12や接着層14との密着性をよくするために、表面に微細な銅粒を付着させる等によって粗面化処理されている。一方、本発明においては、絶縁体層12と接する銅箔11の表面は、表面粗さRzが2μm以下である平滑面とされていてもよい。平滑面の表面粗さRzが2μm以下であれば、絶縁体層12を薄く形成しても、絶縁体層12に銅箔11の表面の凹凸によるピンホール等の欠陥が発生しにくくなり、銅箔11と抵抗体薄膜13との短絡が抑えられ、充分なノイズ抑制効果が得られる。表面粗さRzは、JIS B0601−1994に規定される十点平均粗さRzである。
銅箔11としては、電解銅箔が特に好ましい。電解銅箔は、電解反応を利用して銅を陰極の回転ドラム表面に析出させ、回転ドラムから引き剥がして得られるものであり、ドラムと接触していた面は、ドラムの表面状態が転写された平滑面となる。一方、銅が電解析出した面の形状は、析出する銅の結晶成長速度が結晶面ごとに異なるため粗面となり、接着層14との貼り合わせに都合のよい面となっている。
銅箔11の厚さは、3〜50μmが好ましい。
(絶縁体層)
絶縁体層12としては、樹脂組成物からなる層が好ましい。
樹脂組成物は、樹脂を主成分とする組成物である。該樹脂組成物としては、絶縁体層12と抵抗体薄膜13とを充分に密着させるために、硬化または固化する前の状態が液状のものが好ましい。液状の樹脂組成物は、溶剤溶液であってもよく、無溶剤のものであってもよい。
樹脂組成物に含まれる樹脂としては、プリント配線板10の製造の際の加熱に耐え、かつプリント配線板10に要求される耐熱性、耐湿性を有するものが好ましく、また、誘電率、誘電正接等、プリント配線板の設計に必要とされる特性値が既知であるのものが好ましい。該樹脂としては、ポリイミド、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。
該樹脂としては、通常、エポキシ樹脂が用いられる。
エポキシ樹脂を含む樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、アルコキシシラン、硬化剤、硬化促進剤、可とう性付与剤等を含んでいてもよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂の量は、樹脂組成物100質量%のうち、20〜80質量%が好ましい。
アルコキシシランは、銅箔11および特には抵抗体薄膜13との接着を充分にするための成分である。アルコキシシランとしては、エポキシ樹脂等に後述するシランカップリング剤をインテグラルブレンドしたもの、あるいは、水酸基を有するエポキシ樹脂とテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン等を部分縮合したアルコキシシラン部分縮合物との脱アルコール反応によるアルコキシシラン変性エポキシ樹脂等が挙げられる。該アルコキシシラン変性エポキシ樹脂は、アルコキシシランの縮合によりシリカ架橋点を形成するため、耐熱性の向上が図られ、好ましい。
硬化剤としては、アミン類(ジシアンジアミド、イミダゾール類、芳香族アミン等)、フェノール類(ビスフェノールA、臭素化ビスフェノールA等)、ノボラック類(フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等)、酸無水物(無水フタル酸等)等が挙げられ、低温硬化性があり、高いTg点が得られる点から、メンセンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等が好ましい。
硬化促進剤としては、3級アミン、イミダゾール系硬化促進剤、トリフェニルホスフィン、尿素系硬化促進剤等が挙げられる。
可とう性付与剤としては、ポリエーテルサルホン、芳香族ポリアミド、弾性樹脂等が挙げられる。
芳香族ポリアミドとしては、芳香族ジアミンとジカルボン酸との縮重合によって合成されるものが挙げられる。芳香族ジアミンとしては、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、m−キシレンジアミン、3,3’−オキシジアニリン等が挙げられる。ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸等のジカルボン酸が挙げられる。
弾性樹脂としては、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。絶縁体層12の耐熱性を確保するために、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムを併用してもよい。ニトリルゴムとしては、CTBN(カルボキシ基末端ブタジエンニトリルゴム)が好ましい。
絶縁体層12の厚さは、0.1〜10μmが好ましい。絶縁体層12の厚さが0.1μm以上であれば、銅箔11と抵抗体薄膜13との絶縁が充分に維持され、銅箔11と抵抗体薄膜13との短絡が抑えられ、充分なノイズ抑制効果が得られる。また、銅箔11をエッチングによってパターン加工する際に、エッチングによって抵抗体薄膜13が侵されることがない。一方、絶縁体層12の厚さが10μm以下であれば、プリント配線板10を薄肉化できる。また、抵抗体薄膜13と銅箔11とが接近することによって、抵抗体薄膜13と銅箔11との電磁結合が強くなり、充分なノイズ抑制効果が得られる。
(抵抗体薄膜)
抵抗体薄膜13としては、金属または導電性セラミックスを含む、厚さ10〜200nmの薄膜が好ましい。
抵抗体薄膜13の厚さが10nm以上であれば、充分なノイズ抑制効果が得られる。一方、抵抗体薄膜13の厚さが200nmを超えると、金属等からなる均質膜が形成され、表面抵抗が小さくなって、金属反射が強まり、ノイズ抑制効果も小さくなる。
抵抗体薄膜13の厚さは、抵抗体薄膜13の膜厚方向断面の高分解能透過型電子顕微鏡像をもとにして、5箇所の抵抗体薄膜13の厚さを電子顕微鏡像上で測定し、平均することによって求める。
抵抗体薄膜13の表面抵抗は、10〜10Ωが好ましい。抵抗体薄膜13の表面抵抗は、以下のように測定する。
石英ガラス上に金を蒸着して形成した、2本の薄膜金属電極(長さ10mm、幅5mm、電極間距離10mm)を用い、該電極上に被測定物を置き、被測定物上から、被測定物の10mm×20mmの領域を50gの荷重で押し付け、1mA以下の測定電流で電極間の抵抗を測定し、この値を持って表面抵抗とする。
金属材料としては、強磁性金属、常磁性金属が挙げられる。強磁性金属としては、鉄、カルボニル鉄、鉄合金(Fe−Ni、Fe−Co、Fe−Cr、Fe−Si、Fe−Al、Fe−Cr−Si、Fe−Cr−Al、Fe−Al−Si、Fe−Pt等)、コバルト、ニッケル、これらの合金等が挙げられる。常磁性金属としては、金、銀、銅、錫、鉛、タングステン、ケイ素、アルミニウム、チタン、クロム、モリブデン、これらの合金、アモルファス合金、強磁性金属との合金等が挙げられる。これらのうち、酸化に対して抵抗力のある点から、ニッケル、ニッケル合金、鉄クロム合金、タングステン、貴金属が好ましい。なお、貴金属は高価であるため、実用的にはニッケル、ニッケル合金、鉄クロム合金、タングステンが好ましく、ニッケルまたはニッケル合金が特に好ましい。
導電性セラミックスとしては、金属と、ホウ素、炭素、窒素、ケイ素、リンおよび硫黄からなる群から選ばれる1種以上の元素とからなる合金、金属間化合物、固溶体等が挙げられる。具体的には、窒化ニッケル、窒化チタン、窒化タンタル、窒化クロム、炭化チタン、炭化ケイ素、炭化クロム、炭化バナジウム、炭化ジルコニウム、炭化モリブデン、炭化タングステン、ホウ化クロム、ホウ化モリブデン、ケイ化クロム、ケイ化ジルコニウム等が挙げられる。
導電性セラミックスは、金属よりも体積抵抗率が高いため、導電性セラミックスを含む抵抗体薄膜13は、特定の共鳴周波数を有さない、ノイズ抑制効果を発揮する周波数が広帯域化する、保存安定性が高い等の利点を有する。導電性セラミックスは、後述の物理的蒸着法における反応性ガスとして窒素、炭素、ケイ素、ホウ素、リンおよび硫黄からなる群から選ばれる1種以上の元素を含むガスを用いることによって容易に得られる。
(接着層)
接着層14は、公知のプリント配線板における、いわゆる絶縁層であり、通常は、銅箔11を積層する際に用いる、エポキシ樹脂等をガラス繊維等に含浸させてなるプリプレグを硬化させてなる層である。
(剥離層)
剥離層16は、後述するプリント配線板の製造方法において、後述する離型性基体と抵抗体層13との間に介在する層であって、抵抗体層13と密着し、かつ離型性基体から容易に剥離する層である。プリント配線板10においては各層間の密着性が良好であることが求められるため、後述する工程(d)において離型性基体を剥離した後は、剥離層16上に積層される接着層14とも充分に密着する必要がある。よって、剥離層16は、接着層14と同種の材料からなることが好ましい。該材料としては、上述した絶縁体層12に用いた、エポキシ樹脂、硬化剤等を含む樹脂組成物が好ましい。
剥離層16の厚さは、0.1〜3μmが好ましい。剥離層16の厚さが0.1μm以上であれば、後述する工程(d)において離型性基体を剥離しやすい。剥離層16の厚さが3μm以下であれば、後述する工程(e)において抵抗体層13をエッチングする際の妨げとならない。工程(e)において、レーザーアブレーション法を用いる場合は、剥離層16がレーザー波長を吸収することが効率の点から好ましい。よって、剥離層16を形成するための樹脂組成物には、黒色の染料、絶縁処理の施されたカーボンブラック粒子等を配合してもよい。
(接着促進処理)
銅箔11と絶縁体層12との間、抵抗体薄膜13と絶縁体層12との間等における密着性を向上させるために、被接着対象物の表面に接着促進処理を施してもよい。該接着促進処理によって、表面に接着性官能基を導入できる。
接着促進処理の方法としては、表面に接着促進剤を塗布する方法;表面に公知の表面処理(コロナ放電処理、イトロ処理、UV処理、プラズマ処理、化成処理等)を施す方法;表面に公知の表面処理を施した後、さらに接着促進剤を塗布する方法等が挙げられる。
接着促進剤としては、シラン系カップリング剤、またはチタネート系カップリング剤が挙げられる。
シラン系カップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジ−トリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等が挙げられる。
(他の層)
プリント配線板10は 必要に応じて、最表面の銅箔11の外側に、さらに、他の銅箔、樹脂フィルム等からなる保護層または補強層等を有していてもよい。
<プリント配線板の製造方法>
プリント配線板10は、図3の工程図に示すように、下記工程(a)〜(f)を経て製造される。
(a)必要に応じて、離型性基体上に剥離層を形成する工程。
(b)工程(a)の後、離型性基体または剥離層上に抵抗体薄膜を物理的蒸着によって形成する工程。
(c)工程(b)の後、抵抗体薄膜上に絶縁体層を介して銅箔を積層する工程。
(d)工程(c)の後、離型性基体を抵抗体薄膜または剥離層から剥離する工程。
(e)必要に応じて、工程(d)と工程(f)との間にて、抵抗体薄膜を(剥離層を有する場合は剥離層とともに)所望のパターンに加工する工程。
(f)銅箔、抵抗体薄膜または剥離層上に、さらに接着層を介して銅箔を積層する工程。
(工程(a))
離型性基体は、抵抗体薄膜を物理的蒸着によって形成するための基材である。よって、離型性基体としては、フィルム状のものであり、シリコーン離型剤等によって表面が汚染されていないものが好ましい。また、離型性基体の少なくとも表面部分は、硬度が高く、物理的蒸着の際の熱によって軟化せず、かつ平滑であることが好ましい。具体的には、離型性基体の少なくとも表面部分は、ガラス転移点が300℃以上の材料からなることが好ましい。該材料のガラス転移点が300℃以上であれば、物理的に蒸着された金属等のイオン粒子が離型性基体中に侵入しにくくなり、工程(d)における剥離が容易になる。
また、離型性基体としては、帯状のものが好ましい。帯状の離型性基体を用いることで、以降の工程でのハンドリングが容易となり、生産効率が高まるほか、打痕傷等の不具合を減らすことができる。特に、工程(b)では、バッチ式の真空操作が必要となるため、効率よく真空チャンバに収納できる巻物状のものが好ましい。
離型性基体15は、厚さ50μm程度の薄膜ガラス等の無機フィルムであっても構わないが、離型性基体15としては、ハンドリング性がよく、安価である点から、有機フィルムが好ましい。
有機フィルムの厚さは、5〜100μmが好ましい。有機フィルムの厚さが100μm以下であれば、工程(d)における剥離時の有機フィルムの曲率が小さくなり、剥離が容易となる。また、工程(b)における物理的蒸着時の冷却に際し、熱伝導がよくなる。有機フィルムの厚さが5μm以上であれば、強度が充分となり、ハンドリング性がよくなる。
有機フィルムの材料としては、耐熱性の高いエンジニアプラスチック(ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルホン、芳香族ポリアミド、液晶ポリマー、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等)が好ましい。
有機フィルムは、表面部分の硬度の低さを補うために、熱硬化性樹脂(メラミン樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂等のアミノ樹脂、シアネ−ト樹脂、エポキシ樹脂等)を硬化させてなる硬質薄膜;無機材料(シリカ、アルミナ、ダイアモンドライクカーボン等)または無機有機ハイブリッド材料を物理的または化学的に蒸着させてなる硬質薄膜を、表面に有していてもよい。該硬質薄膜の厚さは、0.1〜3μmが好ましい。
剥離層は、エポキシ樹脂、硬化剤等、必要に応じて接着促進剤等を溶剤に溶解または分散させた樹脂組成物を、離型性基体上に塗布し、乾燥させることによって形成される。また、ピンホール対策のため、該樹脂組成物の塗布および乾燥を2回以上に分けて行い、2層以上の剥離層を形成してもよい。樹脂組成物は、各層が同じ組成のものであってもよく、各層ごとに違う組成のものであってもよい。
塗布方法としては、公知の塗布装置(ロールコータ、グラビアコータ、ダイコータ、リバースコータ、ドクターナイフコータ等)を用いる方法、スプレーコート法、浸漬法等が挙げられる。
(工程(b))
抵抗体薄膜は、離型性基体または剥離層上に、金属または導電性セラミックスを非常に薄く物理的に蒸着させることによって形成される。
物理的蒸着法は、真空にした容器(真空チャンバ)の中でターゲット(金属材料または導電性セラミックス)を何らかの方法で気化させ、気化した金属材料等を近傍に置いた基材(離型性基体または剥離層)上に堆積させる方法である。ターゲットの気化方法の違いで、蒸発系とスパッタリング系とに分けられる。蒸発系としては、EB蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられる。スパッタリング系としては、高周波スパッタリング法、マグネトロンスパッタリング法、対向ターゲット型マグネトロンスパッタリング法、イオン注入法等が挙げられる。
EB蒸着法は、蒸発粒子のエネルギーが1eVと小さいので、基材のダメージが少ない。また、抵抗体薄膜がポーラスになりやすく抵抗体薄膜の強度が不足する傾向があるが、抵抗体薄膜の体積抵抗は高くなる。
イオンプレーティング法によれば、アルゴンガスおよび蒸発粒子のイオンは加速されて基材に衝突するため、EB蒸着法よりエネルギーが大きく、粒子エネルギーは1KeVほどになり、付着力の強い抵抗体薄膜を得ることはできる。しかし、ドロップレットと呼んでいるミクロサイズの粒子の付着を避けることができず、放電が停止してしまうおそれがある。
マグネトロンスパッタリング法は、ターゲットの利用効率が低いものの、磁界の影響で強いプラズマが発生するため成長速度が速く、粒子エネルギーは数十eVと高いことが特徴となる。高周波スパッタリングでは、導電性の低いターゲットを使用できる。
マグネトロンスパッタリング法のうち、対向ターゲット型マグネトロンスパッタリング法は、対向するターゲット間でプラズマを発生させ、磁界によってプラズマを封じ込め、対向するターゲット間の外に基材を置き、プラズマダメージを受けることなく基材上に金属等を堆積させる方法である。そのため、基材上の金属等を再スパッタリングすることがない、成長速度がさらに速い、スパッタリングされた金属原子が衝突緩和することがない、といった特徴を有し、ターゲット組成物と同じ組成を有する緻密な抵抗体薄膜を形成できる。
物理的蒸着法においては、反応性ガスとして窒素、炭素、ケイ素、ホウ素、リンおよび硫黄からなる群から選ばれる1種以上の元素を含むガスを用いてもよい。
(工程(c))
絶縁体層は、抵抗体薄膜上に、液状の樹脂組成物を公知の方法で塗布し、形成できる。必要に応じて加熱またはエネルギー線の照射によって、樹脂組成物を乾燥または硬化できる。加熱温度が高いとカールや反りが発生するため、乾燥または硬化は、低温で行うことが好ましい。この際、無溶剤の液状の樹脂組成物を用いることによって、抵抗体薄膜の形成と銅箔の積層とを同時に行うことができ、その結果、カール等の発生を抑えることができ、また工程短縮が図れ、非常に都合がよい。
工程(c)では、図4に示すような、下から順に、銅箔11、絶縁体層12、抵抗体薄膜13、離型性基体15からなる積層体、または剥離層を形成した場合は、図5に示すような、下から順に、銅箔11、絶縁体層12、抵抗体薄膜13、剥離層16、離型性基体15からなる積層体が得られる。
工程(c)において、銅箔11を所望のパターンに加工してもよい。
(工程(d))
工程(c)で得られた硬質な積層体を平坦に維持し、薄くフレキシブルな離型性基体を90〜180°の剥離角度で抵抗体薄膜または剥離層から剥離する。剥離の際、抵抗体薄膜と絶縁体層との密着性が良好のため、抵抗体薄膜の欠落は生じにくい。
(工程(e))
抵抗体薄膜は、例えば図6に示すように、所望のパターンに加工されていてもよく、スルーホール等のアンチビアが形成されていてもよい。図6において、白い部分が加工された抵抗体薄膜13(剥離層が形成されている場合は剥離層16)であり、黒い部分が表面に露出した絶縁体層12である。
抵抗体薄膜は、通常の湿式法(湿式エッチング法)、乾式法(プラズマエッチング法、レーザーアブレーション法)等によって所望のパターンに加工でき、洗浄、乾燥等の工程を必要とせず、また汚染の心配もない点から、乾式法が好ましい。
レーザーアブレーション法において用いるレーザーの波長は、レーザーの種類(炭酸ガス、YAG、エキシマ等)、抵抗体薄膜の特性等に合わせ、適宜選択する。また、レーザーアブレーションまでのエネルギーを供給することなく、焦点をずらす、またはエネルギーを弱めることは、絶縁体層のダメージを避ける上で重要であり、対象エリアを瞬間的に加熱し、絶縁体層を融解させることによって、抵抗体薄膜のマイクロクラスターを活性化させ、凝集させることによって、隣接するマイクロクラスター間を完全に絶縁化できる。
また、剥離層が形成されている場合であっても、ほとんどのレーザー光は剥離層を透過し、抵抗体層をアブレーションするため、同時に剥離層もエッチングできる。
レーザーアブレーションに用いる装置としては、レーザー食刻装置、またはハロゲンランプ等を用いた集光加熱型の装置等が挙げられる。
(工程(f))
銅箔およびまたは抵抗体薄膜(剥離層が形成されている場合は剥離層)の外側に、別の銅箔を、エポキシ樹脂等をガラス繊維等に含浸させてなるプリプレグを介して配置し、150〜180℃でプリプレグを硬化させ、銅箔を積層して多層のプリント配線板とする。
工程(f)において、銅箔を所望のパターンに加工してもよい。
また、工程(f)を繰り返し行って銅箔の積層数を増やしてもよい。
(作用効果)
以上説明した本発明のプリント配線板の製造方法にあっては、抵抗体薄膜を、特許文献1の軟質な絶縁体層に比べて硬質な離型性基体(または剥離層)上に物理的蒸着によって形成しているため、抵抗体薄膜の表面抵抗のバラツキが抑えられる。また、抵抗体薄膜を物理的蒸着によって形成した後に、絶縁体層を形成しているため、絶縁体層は物理的蒸着の際の熱等の影響を受けることがない。その結果、抵抗体薄膜と絶縁体層との間の密着性が良好となる。
〔実施例1〕
ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−4700)の100質量部およびイミダゾール硬化剤(四国化成工業社製、キュアゾール2E4MZ)の1質量部をシクロヘキサノンに溶解させ、液状の硬質薄膜形成用樹脂組成物(固形分10質量%)を調製した。
厚さ25μmのポリイミドフィルム上に硬質薄膜形成用樹脂組成物を塗布し、150℃で60分間乾燥、硬化させて硬質薄膜を形成し、離型性基体を作製した。該硬化薄膜のガラス転移点を測定したところ、室温から330℃まで明確なガラス転移点を示さず、分解を開始した。
(工程(b))
真空チャンバ内に巻き出し装置および巻き取り装置が設けられたEB蒸着装置の巻き出し装置に、巻物状の離型性基体を取り付け、3.2m/分のライン速度で繰り出しながら、規定の真空度にて離型性基体の硬質薄膜上にニッケル金属をEB蒸着して厚さ20nmの抵抗体薄膜を形成した。抵抗体薄膜の表面抵抗を5箇所で測定したところ、35.2〜40.8Ωであり、バラツキは少なかった。
(工程(c))
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、828)の30質量部、臭素化ビスフェノールA型樹脂(東都化成社製、YDB−500)の30質量部およびクレゾールノボラック樹脂(東都化成社製、YDCN−704)の35質量部を、メチルエチルケトンに溶解し、ついでイミダゾール硬化剤(四国化成社製、キュアゾール2E4MZ)の0.2質量部を加え、液状の絶縁体層形成用樹脂組成物(固形分8質量%)を調製した。
抵抗体薄膜上に、ダイコータを用いて、乾燥膜厚が10μmとなるように絶縁体層形成用樹脂組成物を塗布し、100℃で5分間乾燥させ、半硬化状態とした。これと、表面粗さRzが7.3μmである、厚さ35μm、幅500mm、長さ500mの連続シート状の電解銅箔を合わせ、150℃の加熱したラミネータロール間に通した後、長さ500mmに裁断した。500mm角の離型性基体付の銅箔を150℃で1時間熱プレスし、図4に示すような積層体を得た。
(工程(d))
該積層体から離型性基体を180℃折り返しながら剥離し、ニッケルの抵抗体薄膜付の銅箔(トータル厚さ45μm)を得た。該抵抗体薄膜を検査したところ、抵抗体薄膜の転写率は100%であり、ニッケルの光沢にムラはなかった。
(工程(e))
炭酸ガスレーザー食刻装置によって、抵抗体薄膜を図6に示すパターンに加工した。
(工程(f))
銅箔側に、厚さ100μmのエポキシプリプレグおよび工程(c)で用いたものと同様の銅箔のセットを、1セット重ね、抵抗体薄膜側に同様のセットを2セット重ね、180℃で2時間熱プレスし、図1に示すような4層のプリント配線板を作製した。
該プリント配線板を検査したところ、抵抗体薄膜とこれに隣接する絶縁体層および接着層との間に剥離等の欠陥は見つからなかった。
〔実施例2〕
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、プラズマソースイオン注入法によって、厚さ約50nmのダイアモンドライクカーボン層(硬質薄膜)を形成し、離型性基体を作製した。
(工程(a))
ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂(日本化薬社製、XD−1000)の100質量部、イミダゾール硬化剤(四国化成工業社製、キュアゾール2E4MZ)の4質量部、および黒色染料(オリエント化学工業社製、NUBIAN BLACK 877)の20部をメチルエチルケトンに溶解させ、液状の剥離層形成用樹脂組成物(固形分10質量%)を調製した。
ダイアモンドライクカーボン層上に剥離層形成用樹脂組成物を塗布し、150℃で60分間乾燥、硬化させ、厚さ1μmの剥離層を形成した。
(工程(b))
真空チャンバ内に巻き出し装置および巻き取り装置が設けられたDCマグネトロンスパッタ装置の巻き出し装置に、巻物状の離型性基体を取り付け、1.2m/分のライン速度で繰り出しながら、窒素ガス流入下にて剥離層上にニッケル金属の反応性スパッタを施して、厚さ45nmの抵抗体薄膜を形成した。抵抗体薄膜の表面抵抗を5箇所で測定したところ、56.6〜58.9Ωであり、バラツキは少なかった。
(工程(c))
ビスフェノール型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、806)の30質量部、ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−4032D)の70質量部およびイミダゾール硬化剤(四国化成社製、キュアゾールC11Z)2質量部を混合し、無溶剤の絶縁体層形成用液状樹脂組成物を調製した。
抵抗体薄膜上に、グラビアコータを用いて、乾燥膜厚が5μmとなるように絶縁体層形成用液状樹脂組成物を塗布し、直ちに表面粗さRzが5.4μmである、厚さ35μm、幅500mm、長さ500mの連続シート状の電解銅箔をラミネートして合わせた。巻物状のまま80℃で24時間加熱し、半硬化させた後、長さ500mmに裁断した。500mm角の離型性基体付の銅箔を150℃で1時間熱プレスし、図5に示すような積層体を得た。
(工程(d))
該積層体から離型性基体を180℃折り返しながら剥離し、窒化ニッケルの抵抗体薄膜上に剥離層の付いた銅箔(トータル厚さ40μm)を得た。該抵抗体薄膜を検査したところ、抵抗体薄膜の転写率は100%であり、窒化ニッケルの光沢にムラはなかった。
(工程(e))
YAGレーザー食刻装置によって、抵抗体薄膜を剥離層ごとアブレーションし、図6に示すパターンに加工した。
(工程(f))
銅箔側に、厚さ100μmのエポキシプリプレグおよび工程(c)で用いたものと同様の銅箔のセットを、1セット重ね、剥離層側に同様のセットを2セット重ね、180℃で2時間熱プレスし、図2に示すような4層のプリント配線板を作製した。
該プリント配線板を検査したところ、抵抗体薄膜とこれに隣接する絶縁体層および剥離層との間に剥離等の欠陥は見つからなかった。
〔実施例3〕
実施例2と同様の剥離性基体を用意した。
(工程(b))
実施例2と同じ条件にて工程(b)を実施し、剥離性基体上に直接、厚さ45nmの窒化ニッケルからなる抵抗体薄膜を形成した。抵抗体薄膜の表面抵抗を5箇所で測定したところ、51.5〜53.7Ωであり、バラツキは少なかった。
(工程(c))
アルコキシシラン変性エポキシ樹脂(荒川化学工業社製、コンポセランE−201)の100質量部およびアミン系硬化剤(三菱ガス化学社製、Gaskamine240)の35質量部を混合し、無溶剤の絶縁体層形成用液状樹脂組成物を調製した。
抵抗体薄膜上に、グラビアコータを用いて、乾燥膜厚が5μmとなるように絶縁体層形成用液状樹脂組成物を塗布し、直ちに表面粗さRzが5.4μmである、厚さ35μm、幅500mm、長さ500mの連続シート状の電解銅箔をラミネートして合わせた。巻物状のまま40℃で24時間加熱し、硬化させた後、長さ500mmに裁断した。図4に示すような積層体を得た。
(工程(d))
該積層体から離型性基体を180℃折り返しながら剥離し、窒化ニッケルの抵抗体薄膜付の銅箔(トータル厚さ40μm)を得た。該抵抗体薄膜を検査したところ、抵抗体薄膜の転写率は100%であり、窒化ニッケルの光沢にムラはなかった。
(工程(e))
炭酸ガスレーザー食刻装置によって、抵抗体薄膜をアブレーションし、図6に示すパターンに加工した。
(工程(f))
銅箔側に、厚さ100μmのエポキシプリプレグおよび工程(c)で用いたものと同様の銅箔のセットを、1セット重ね、抵抗体薄膜側に同様のセットを2セット重ね、180℃で2時間熱プレスし、図1に示すような4層のプリント配線板を作製した。
該プリント配線板を検査したところ、抵抗体薄膜とこれに隣接する絶縁体層および接着層との間に剥離等の欠陥は見つからなかった。
〔比較例1〕
実施例1で用いた液状の絶縁体層形成用樹脂組成物(固形分8質量%)を、実施例1で用いた電解銅箔上にダイコータを用いて、乾燥膜厚が10μmとなるように塗布し、150℃で1時間加熱し乾燥、硬化させ絶縁体層付銅箔を得た。
ついで真空チャンバ内に巻き出し装置および巻き取り装置が設けられたEB蒸着装置の巻き出し装置に、巻物状の絶縁体層付銅箔を取り付け、3.2m/分のライン速度で繰り出しながら、規定の真空度にて絶縁体層上にニッケル金属をEB蒸着して厚さ20nmの抵抗体薄膜を形成した。抵抗体薄膜の表面抵抗を5箇所で測定したところ、55.2〜221.9Ωであり、バラツキは大きかった。また、ニッケルの光沢は全体的になく、くすみのかかった状態であった。
(工程(e))
炭酸ガスレーザー食刻装置によって、抵抗体薄膜を図6に示すパターンに加工した。
(工程(f))
銅箔側に、厚さ100μmのエポキシプリプレグおよび工程(c)で用いたものと同様の銅箔のセットを、1セット重ね、抵抗体薄膜側に同様のセットを2セット重ね、180℃で2時間熱プレスし、図1に示すような4層のプリント配線板を作製した。
該プリント配線板を検査したところ、抵抗体薄膜とこれに隣接する絶縁体層および接着層との間に剥離が見つかった。
本発明のプリント配線板は、情報処理機器、通信機器等において、不要なノイズの伝導や放射を抑制できるプリント配線板として有用である。
10 プリント配線板
11 銅箔
12 絶縁体層
13 抵抗体薄膜
14 接着層
15 離型性基体
16 剥離層

Claims (11)

  1. 下記工程(b)〜(d)および工程(f)を有する、プリント配線板の製造方法。
    (b)離型性基体上に抵抗体薄膜を物理的蒸着によって形成する工程。
    (c)前記工程(b)の後、前記抵抗体薄膜上に絶縁体層を介して銅箔を積層する工程。
    (d)前記工程(c)の後、前記離型性基体を前記抵抗体薄膜から剥離する工程。
    (f)前記銅箔または前記抵抗体薄膜上に、さらに接着層を介して銅箔を積層する工程。
  2. 下記工程(a)〜(d)および工程(f)を有する、プリント配線板の製造方法。
    (a)離型性基体上に剥離層を形成する工程。
    (b)前記工程(a)の後、前記剥離層上に抵抗体薄膜を物理的蒸着によって形成する工程。
    (c)前記工程(b)の後、前記抵抗体薄膜上に絶縁体層を介して銅箔を積層する工程。
    (d)前記工程(c)の後、前記離型性基体を前記剥離層から剥離する工程。
    (f)前記銅箔または前記剥離膜上に、さらに接着層を介して銅箔を積層する工程。
  3. さらに、下記工程(e)を有する、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
    (e)前記工程(d)と前記工程(f)との間にて、前記抵抗体薄膜を所望のパターンに加工する工程。
  4. さらに、下記工程(e)を有する、請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
    (e)前記工程(d)と前記工程(f)との間にて、前記抵抗体薄膜を前記剥離層とともに所望のパターンに加工する工程。
  5. 前記工程(c)およびまたは工程(f)にて、前記銅箔を所望のパターンに加工する、請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  6. 前記離型性基体の厚さが、5〜100μmである、請求項1〜5のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  7. 前記工程(b)にて、前記抵抗体薄膜上に液状の樹脂組成物を塗布し、硬化させて絶縁体層を形成する、請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  8. 前記液状の樹脂組成物が、エポキシ樹脂およびアルコキシシランを含む組成物である、請求項7に記載のプリント配線板の製造方法。
  9. 前記離型性基体の少なくとも表面部分が、ガラス転移点が300℃以上の材料からなる、請求項1〜8のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
  10. 前記剥離層の厚さが、0.1〜3μmであり、
    前記工程(e)にて、前記剥離層および前記抵抗体薄膜を、レーザーによって所望のパターンにエッチングする、請求項4に記載のプリント配線板の製造方法。
  11. 前記抵抗体薄膜が、金属または導電性セラミックスからなり、厚さが10〜200nmである、請求項1〜10のいずれかに記載のプリント配線板の製造方法。
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