JP2004273853A - 樹脂層付チップ部品とそれを用いた部品内蔵モジュール及びそれらの製造方法 - Google Patents

樹脂層付チップ部品とそれを用いた部品内蔵モジュール及びそれらの製造方法 Download PDF

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Yoshiyuki Yamamoto
義之 山本
Yoshihisa Yamashita
嘉久 山下
Seiichi Nakatani
誠一 中谷
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Abstract

【課題】生産性がよく、実装後にチップ部品下部に不必要に空隙が生じないチップ部品で、内蔵時のストレスによって、チップ部品中央部に亀裂を生じることのないチップ部品、それを用いた部品内蔵モジュール及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】両側側面に外部電極102を備えたチップ部品101であって、当該チップ部品101の少なくとも一主面104の前記外部電極102間に、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層103を有し、前記樹脂層103の少なくとも最も厚さの大きい部分のが前記外部電極の縦方向の端部面106より突出しているチップ部品。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂層付チップ部品とそれを用いた部品内蔵モジュール及びそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の高性能化・小型化の流れの中、回路部品の高密度、高機能化が一層求められている。回路部品を搭載したモジュールにおいても、高密度、高機能化への対応が要求されている。回路部品を高密度に実装するために、配線パターンも複雑になり、現在、配線板が多層化する傾向にある。
【0003】
従来のガラス−エポキシ基板では、ドリルによる貫通スルーホール構造を用いて多層化しており、信頼性は高いが、貫通孔である為、任意の配線パターン間だけを接続することができず、配線パターンが制限されてしまう。また、配線板表面の貫通孔がある部分には、半導体及び/または回路部品を実装することができず、高密度実装には適していない。
【0004】
このため、回路の高密度化が図れる方法として、インナービアによる電気接続を用いた多層基板も使用されている。インナービア接続により、LSI間や部品間の配線パターンを最短距離で接続でき、必要な各層間のみの接続が可能となり、回路部品の実装性にも優れている。また、さらに高密度化を進めるために、回路部品を電気絶縁層(シート状の電気絶縁基材などが用いられる)に内蔵したモジュールも提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
回路部品の電気絶縁層への内蔵方法としては、離型フイルム上に形成した配線パターン上に回路部品を実装して、無機フィラーと未硬化状態の熱硬化性樹脂との組成物からなるシート状の電気絶縁基材(電気絶縁層)を加熱して軟化させ、加圧によって埋設して、離型フイルムを剥離するという方法がある。または、回路基板上に形成した配線パターン上に回路部品(チップ部品)を実装してから前記熱硬化性樹脂組成物によって埋設する方法がある。尚、電気絶縁基材は、その後、熱硬化される。
【0006】
しかしながら、チップ部品は略直方体であり、その両側側面は一定の縦方向の長さを持った外部電極により被覆されている。そのため、外部電極と、外部電極の存在しないチップ部品の中央付近は段差を生じている。すなわち、外部電極は、その電極の縦方向(チップ部品の主面に垂直な方向)において、当該チップ部品の主面よりその一部が突出している。したがって、前記外部電極を配線パターン上に実装した場合、チップ部品下部に空隙を生じることになる。また、外部電極と配線パターンの間には、はんだ又は導電性接着剤等の導電性接続部材が介在することになり、この空隙はさらに広がることになる。
【0007】
チップ部品の小型化が進むとともにそれを実装するランド間隔も狭くなっている。このため、チップ部品をはんだ実装するときにランド間で短絡を生じるいわゆるはんだブリッジを生じることがある。この課題に対し、ランド間に接着剤を塗布してはんだブリッジを防止する方法が提案されている(例えば、特許文献2。)。
【0008】
【特許文献1】
特開1998―220262号公報
【0009】
【特許文献2】
特開1992―196286号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年の高密度実装にともなって部品点数は増加する傾向にあり、チップ部品実装用のすべてのランド間に個別に接着剤を塗布することは著しく生産性を低下させる。したがって、生産性よく容易にチップ部品下部の空隙を封止する方法が求められている。
【0011】
一方、特に現行のチップ部品を部品内蔵モジュールに用いた場合、以下の課題を有する。
【0012】
前記空隙がチップ部品下部に存在することにより、前記チップ部品の内蔵時のストレスによって、成形条件によってはチップ部品中央部に亀裂を生じるという課題を有する。
【0013】
加えて、電気絶縁基板樹脂中に内蔵したチップ部品の下部に空隙が残っていると、モジュールを再加熱した際に再溶融したはんだが前記空隙に広がって、前記外部電極間の短絡を引き起こすことがあるという課題を有する。
【0014】
以上の課題を鑑みて、本発明では生産性がよく、実装後にチップ部品下部に不必要に空隙が生じないチップ部品、チップ部品の内蔵時のストレスによって、チップ部品中央部に亀裂を生じることのないチップ部品、それを用いた部品内蔵モジュール及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の樹脂層付チップ部品(請求項1記載の発明に対応)は、両側側面に外部電極を備えたチップ部品であって、当該チップ部品の少なくとも一主面の前記外部電極間に、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層を備え、前記樹脂層の少なくとも最も厚さの大きい部分が、前記外部電極の縦方向の端部面より突出していることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のチップ部品内蔵モジュール(請求項6記載の発明に対応)は、本発明の樹脂層付チップ部品(請求項1〜5のいずれかに記載のチップ部品に相当)が電気絶縁性基材中に埋め込まれて内蔵されたチップ部品内蔵モジュールである。
【0017】
また、本発明の樹脂層付チップ部品(請求項1〜5のいずれかに記載のチップ部品に相当)の製造方法(請求項7記載の発明に対応)は、両側側面に外部電極を有してなるチップ部品を固定保持する工程と、
樹脂の供給ノズルの先端から、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂を所定量押し出し、前記樹脂を前記チップ部品の外部電極間の少なくとも一主面に、前記樹脂によって形成される層の少なくとも最も厚さの大きい部分の厚さが、前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さになるように付着させる工程とを含むことを特徴とする。
【0018】
更にまた、本発明の樹脂層付チップ部品(請求項1〜5のいずれかに記載のチップ部品に相当)の別の製造方法(請求項8記載の発明に対応)は、転写キャリア上に所定の厚みの、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂片を形成する工程と、
両側側面に外部電極を有してなるチップ部品の前記外部電極間の少なくとも一主面に前記所定厚みの樹脂片を接着する工程と、
前記転写キャリアを剥離させる工程とを含み、
前記樹脂片からなる樹脂層の少なくとも最も厚さの大きい部分の厚さが前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さであることを特徴とする。
【0019】
また、本発明のチップ部品内蔵モジュールの製造方法(請求項11記載の発明に対応)は、回路基板上に形成されている配線パターンに、前記本発明のチップ部品(請求項1〜5のいずれかに記載のチップ部品に相当)を位置合わせしながら当該チップ部品を実装する際に、前記チップ部品の前記樹脂層が押圧により変形し得る状態下で前記樹脂層が前記配線パターン側になるように実装する工程と、
前記回路基板を、前記チップ部品が実装された側がシート状の電気絶縁性基材の少なくとも一方の表面と接触するように配置し、前記電気絶縁性基材が軟化している状態において、この両者を圧接して前記回路基板のチップ部品が実装された側を電気絶縁性基材中に埋め込む工程と
を少なくとも含むチップ部品内蔵モジュールの製造方法である。
【0020】
更にまた、本発明のチップ部品内蔵モジュールの別の製造方法(請求項12記載の発明に対応)は、キャリア層に転写用配線パターンを形成する工程と、前記転写用配線パターンに前記本発明のチップ部品(請求項1〜5のいずれかに記載のチップ部品に相当)を位置合わせしながら当該チップ部品を実装する際に、前記チップ部品の前記樹脂層が押圧により変形し得る状態下で前記樹脂層が前記転写用配線パターン側になるように実装する工程とを含んで形成されるチップ部品が実装された転写用部品配線パターン形成材を用いて、
これの部品配線パターンが形成された側がシート状の電気絶縁性基材の少なくとも一方の表面と接触するように配置して、前記電気絶縁性基材が軟化している状態において、この両者を圧接して転写用部品配線パターン形成材のチップ部品が実装された側を電気絶縁性基材中に埋め込む工程と、
前記転写用配線パターン層からキャリア層を剥離し、前記シート状基材に転写用配線パターン層及び前記チップ部品を含む前記部品配線パターンを転写する工程と
を少なくとも含むチップ部品内蔵モジュールの製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
上記、第1の本発明の樹脂層付チップ部品(請求項1記載の発明に対応)は、上記の構成により、通常の実装工程で特別なプロセスを必要とせずに通常の実装プロセスでチップ部品と回路基板の間を埋めることができる。それによって、チップ部品の外部電極と回路基板上の配線パターンとを接続する実装時にはんだまたは導電性ペーストが前記外部電極間で短絡するのを防ぐことができる。また、例えば階層実装の際などで、はんだが再溶融した場合にも短絡するのを防ぐことができる。さらに、本発明のチップ部品を用いると、チップ部品下部に樹脂層が存在するので、回路基板上に実装後に電気絶縁性基材層などに埋設する時の応力によってチップ部品中央部に亀裂が発生するのを防ぐことも可能になる。
【0022】
尚、本発明において、「樹脂層」とは、樹脂単独からなる層であってもよく、また、樹脂成分にフィラーその他の添加剤が混合されたいわゆる樹脂組成物層であってもよく、特に、断らない限り、「樹脂層」とは、この両者を含む意味で用いている。また、当該樹脂層を形成するための「樹脂」とか、「樹脂片」についても樹脂単独と樹脂組成物、並びに樹脂単独からなる片と樹脂組成物からなる片を含む意味で用いている。「樹脂層の少なくとも最も厚さの大きい部分の厚さが前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さの樹脂層」とは、前記樹脂層の全域の厚みが前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さになっている場合も含まれるが、樹脂層の少なくとも一部が前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さを有していればよい。また、ここで言う「外部電極の縦方向の端部面」とは当該チップ部品の主面に対し垂直な方向の外部電極の端部面のうち、当該樹脂層が形成されている側の外部電極の端部面を指す。
【0023】
また、本発明において、「常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層」とは、本発明のチップ部品の前記樹脂層の少なくとも最も厚さの大きい部分が、前記外部電極の縦方向の端部面より突出している樹脂層であることから、チップ部品を回路基板に実装する際にチップ部品の前記外部電極の縦方向の端部面より突出している部分の前記樹脂層が、回路基板表面に当接されることにより押圧されて回路基板表面に沿うレベルに変形し得る状態になし得る性質を有する樹脂層であればよく、例えば、樹脂層が弾力性を有する層で、弾性的に変形する場合(通常、この場合は常温で押圧により変形可能な樹脂層に相当することになる)とか、樹脂層が塑性変形し得るような状態、例えば、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂の未硬化状態の樹脂で、常温又は加熱などにより塑性変形し得るような状態にし得るもの(通常、この場合は常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層に相当することになる)でもよいし(この場合には、通常、その後、硬化させる)、熱可塑性樹脂を加熱軟化させて塑性変形しうる状態にし得るもの(通常、この場合も加熱下で押圧により変形可能な樹脂層に相当することになる)でもよい(この場合には、通常、その後、温度降下により固化させる)。従って本発明において「常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層」とは、回路基板にチップ部品を実装する際に実装機などから通常加えられるチップ部品の実装に必要な押圧により変形可能な状態が採り得る樹脂層であればよく、回路基板に実装する以前の状態や、実装後においては必ずしも、押圧により変形可能な状態を保ったままであることを要求するものではない(弾力性を有するエラストマー樹脂層又はエラストマー樹脂組成物層などの弾性変形しうるものや、粘着剤系の樹脂層の様に通常の状態で塑性変形し得るものなどは、実装する以前の状態においても押圧により変形可能な状態が採り得るものの一例である)。
【0024】
前記本発明の樹脂層付チップ部品においては、前記第1の発明において、前記樹脂層が常温で接着性を有するものであることが好ましい(第2の本発明:請求項2記載の発明に対応)。この第2の本発明における様に、前記樹脂層が常温で接着性を有する性質を更に具備していることにより、位置合わせして配置した樹脂層付チップ部品の位置ずれを防止できる。また、はんだなどによる実装の際に、表面張力の作用により溶融したはんだが一方の外部電極側に集中して付着することなどにより生じるチップ立ちの発生も防止できる。
【0025】
前記本発明の樹脂層付チップ部品(前記第1の発明)においては、前記樹脂層の樹脂成分が未硬化状態の熱硬化性樹脂を主成分とすること、又は、熱可塑性樹脂を主成分とすることが好ましい(第3の本発明:請求項3記載の発明に対応)。この第3の本発明の構成により、未硬化状態の熱硬化性樹脂を主成分とする場合には、実装時には前記樹脂層がチップ形状や基板形状に合わせて変形することができる。さらに、加熱によって硬化し、チップ部品の回路基板への接着度が向上する。特に、未硬化の状態で常温又は加熱下で前記押圧により変形可能な熱硬化性樹脂層を選定することが極めて好ましい。
【0026】
また、前記において熱可塑性樹脂を主成分とする場合においては、加熱により前記樹脂層は軟化し、実装の際の押圧により塑性変形するのでチップ部品の回路基板への接続を妨げることなく、実装工程における実装機によるチップ部品への衝撃を緩和することができる。
【0027】
ここで、「未硬化状態の熱硬化性樹脂を主成分とする」とか「熱可塑性樹脂を主成分とする」とは、フィラーなどの添加剤を組成割合の計算に含めずに、樹脂成分のみを基準としてその50重量%以上、好ましくは60重量%以上、より好ましくは90重量%以上、最も好ましくは実質上100重量%が、未硬化状態の熱硬化性樹脂あるいは、熱可塑性樹脂であることを意味している。
【0028】
また、前記本発明の樹脂層付チップ部品(前記第1〜第3のいずれかに記載の発明)においては、前記樹脂層が無機フィラーを含有する樹脂層であることが好ましい(第4の本発明:請求項4記載の発明に対応)。この構成により、フィラーと樹脂の割合やフィラー形状を選択することで前記樹脂層(この場合にはより正確に表現すると樹脂組成物層)の押圧により変形可能な状態(軟化状態など)における流動性の調整が可能となる。例えば、常温又は加熱軟化させた際に流動性の大きい樹脂とか、粘着剤系の樹脂などで流動性の大きいものの場合には、フィラーを混合し、その添加割合などの調整などにより、流動性を小さくして、取り扱いをしやすくすることもでき好ましい。また、フィラーを選択することで、前記樹脂層の熱伝導度、線膨張係数、誘電率等の調整が可能となる。
【0029】
また、前記本発明の樹脂層付チップ部品(前記第1〜第4のいずれかに記載の発明)においては、前記樹脂層の最も厚さの大きい部分が前記外部電極の縦方向の端部面より突出している長さが50〜200μmであることが好ましい(第5の本発明:請求項5記載の発明に対応)。この構成により、本発明のチップ部品の回路基板への実装工程における実装機によるチップ部品への衝撃をより確実に緩和することができる。前記樹脂層がチップ部品と回路基板の間を埋める層障壁となって、回路基板の再加熱によって再溶融したはんだがチップ部品の外部電極間で短絡することをより確実に防止することができる。また、チップ部品実装時に樹脂層が変形して、チップ部品の外側電極部上にはみ出して、チップ部品の電気的接続を阻害することも良好に防止できる範囲の厚みとし得る。
【0030】
また、上述したチップ部品内蔵モジュールの発明(第6の本発明:請求項6記載の発明に対応)は、前記第1〜5の発明のいずれかのチップ部品が電気絶縁性基材中に埋め込まれて内蔵されたチップ部品内蔵モジュールである。
【0031】
これにより前記樹脂層がチップ部品と回路基板の間を埋める層障壁となって、回路基板の再加熱によって再溶融したはんだがチップ部品の外部電極間で短絡することを防止することができる。
【0032】
また、上述した樹脂層付チップ部品の製造方法の発明(第7の本発明:請求項7記載の発明に対応)は、
両側側面に外部電極を有してなるチップ部品を固定保持する工程と、
樹脂の供給ノズルの先端から、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂を所定量押し出し、前記樹脂を前記チップ部品の外部電極間の少なくとも一主面に、前記樹脂によって形成される層の少なくとも最も厚さの大きい部分の厚さが、前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さになるように付着させる工程とを含むことを特徴とする。
【0033】
この製造方法によって容易に前記第1〜5発明のいずれかに記載の樹脂層付チップ部品を製造できる。また、樹脂の供給ノズルの先端から前記樹脂を供給するので、チップ部品の所定の位置に、前記樹脂層を容易に形成できる。また、その際に、供給ノズルの上流にピストン−シリンダー方式の供給ポンプを設けておくことにより、樹脂層の量をピストン移動量で容易に調整できる。
【0034】
また、上述した樹脂層付チップ部品の別の製造方法の発明(第8の本発明:請求項8記載の発明に対応)は、
転写キャリア上に所定の厚みの常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂片を形成する工程と、
両側側面に外部電極を有してなるチップ部品の前記外部電極間の少なくとも一主面に前記所定厚みの樹脂片を接着する工程と、
前記転写キャリアを剥離させる工程とを含み、
前記樹脂片からなる樹脂層の少なくとも最も厚さの大きい部分の厚さが前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さであることを特徴とする。
【0035】
この製造方法によって流動性の低い樹脂を用いる場合でも樹脂層を容易に形成できる。
【0036】
また、前記本発明の樹脂層付チップ部品の製造方法(前記第8の発明)においては、
前記チップ部品の少なくとも一主面に前記樹脂片を接着させる工程が、
当該樹脂片を加熱によって軟化させる工程と、
前記チップ部品の少なくとも一主面に軟化した前記樹脂片を密着させる工程であることが好ましい(第9の本発明:請求項9記載の発明に対応)。
【0037】
この製造方法によって容易に樹脂層付チップ部品を製造できる。尚、この場合には、前記樹脂片が加熱によって軟化し得るものであることが必要であり、通常、前記樹脂片を構成する樹脂成分が熱可塑性樹脂か、あるいは、未硬化の熱硬化性ないし光硬化性樹脂で加熱によって軟化し得る樹脂がその対象になる。
【0038】
また、前記本発明の樹脂層付チップ部品の製造方法(前記第8の発明)においては、
前記チップ部品の少なくとも一主面に前記樹脂片を接着させる工程が、
前記チップ部品の少なくとも一主面に接着剤を塗布する工程と、
前記樹脂片を前記チップ部品の少なくとも一主面上に前記接着剤で接着させる工程であることが好ましい(第10の本発明:請求項10記載の発明に対応)。
【0039】
この製造方法によって容易に樹脂層付チップ部品を製造できる。
【0040】
また、上述した樹脂層付チップ部品内蔵モジュールの製造方法の発明(第11の本発明:請求項11記載の発明に対応)は、
回路基板上に形成されている配線パターンに前記第1〜5発明のいずれかのチップ部品を位置合わせしながら当該チップ部品を実装する際に、前記チップ部品の前記樹脂層が押圧により変形し得る状態下で前記樹脂層が前記配線パターン側になるように実装する工程と、
前記回路基板を、前記チップ部品が実装された側がシート状の電気絶縁性基材の少なくとも一方の表面と接触するように配置し、前記電気絶縁性基材が軟化している状態において、この両者を圧接して前記回路基板のチップ部品が実装された側を電気絶縁性基材中に埋め込む工程と
を少なくとも含むチップ部品内蔵モジュールの製造方法である。
【0041】
この方法によって、本発明の樹脂層付チップ部品内蔵モジュールを作製できる。このとき、チップ部品の主面下部に前記樹脂層が存在することにより、チップ部品を内蔵させる際のストレスによって前記チップ部品の中央部に亀裂が発生することを防止できる。
【0042】
前記電気絶縁性基材を軟化させるには、未硬化の熱硬化性ないし光硬化性の樹脂で加熱によって軟化し得る樹脂又は当該樹脂の組成物が好ましく用いられ、通常、その後硬化されて電気絶縁性基材としうるものが用いられるが、場合によっては、電気絶縁性の熱可塑性樹脂又は当該樹脂の組成物を使用することも可能である。
【0043】
また、上述した樹脂層付チップ部品内蔵モジュールの別の製造方法の発明(第12の本発明:請求項12記載の発明に対応)は、
キャリア層に転写用配線パターンを形成する工程と、前記転写用配線パターンに前記第1〜5発明のいずれかのチップ部品を位置合わせしながら当該チップ部品を実装する際に、前記チップ部品の前記樹脂層が押圧により変形し得る状態下で前記樹脂層が前記転写用配線パターン側になるように実装する工程とを含んで形成されるチップ部品が実装された転写用部品配線パターン形成材を用いて、
これの部品配線パターンが形成された側がシート状電気絶縁性基材の少なくとも一方の表面と接触するように配置して、前記電気絶縁性基材が軟化している状態において、この両者を圧接して転写用部品配線パターン形成材のチップ部品が実装された側を電気絶縁性基材中に埋め込む工程と、
前記転写用配線パターン層からキャリア層を剥離し、前記シート状電気絶縁性基材に転写用配線パターン層及び前記チップ部品を含む前記部品配線パターンを転写する工程と
を少なくとも含むチップ部品内蔵モジュールの製造方法である。
【0044】
この方法によって、本発明の樹脂層付チップ部品内蔵モジュールを作製できる。このとき、チップ部品の主面下部に前記樹脂層が存在することにより、チップ部品を内蔵させる際のストレスによって前記チップ部品の中央部に亀裂が発生することを防止できる。
【0045】
尚、チップ部品の前記樹脂層の厚さは、その少なくとも一部が前記外部電極の縦方向の端部面より少しでも突出する厚さ以上に形成されていればよく、厚さの上限はチップ部品の大きさ、形状、用いる樹脂の種類などによっても異なってくるので特に限定するものではないが、チップ部品実装時に樹脂が変形して、チップ部品の外側電極部にはみ出して、チップ部品の電気的接続を阻害しない程度の厚みが好ましい。しいて、数値で示すとすると、前記樹脂層の最も厚さの大きい部分が前記外部電極の縦方向の端部面より突出している長さが約50〜200μmの範囲が一つの目安となる。
【0046】
以下、本発明の理解を容易にするために、実施の形態について具体的態様例を図面を参照して説明するが、本発明は、これらの具体的な実施の形態例のみに限定されるものではない。
【0047】
(実施の形態1)
図1は本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品の一例の断面図である。図1において、樹脂層付チップ部品は、チップ部品101の外部電極102の間のチップ部品の一主面104に常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層103を有している。樹脂層103の少なくとも最も厚さの大きい部分の厚みは、外部電極102の縦方向の端部面106より突出する厚さの樹脂層となっている。この例の場合AのラインのレベルからBのラインのレベルまで樹脂層が外部電極102の縦方向の端部面106より突出している。108は樹脂層103の最外面、105はチップ部品の他方の主面、109は外部電極102の縦方向を示す矢印であり、外部電極102の縦方向とは、前述したように外部電極の当該チップ部品の主面104、105に対し垂直な方向を言う。107は外部電極102の縦方向のもう一方の端部面を示している。図1に示した例では、樹脂層103は、チップ部品の主面104側のみに存在する態様を示したが、必要に応じて、チップ部品の他方の主面105側にも同様に、外部電極102の縦方向のもう一方の端部面107より少なくとも最も厚さの大きい部分が突出する樹脂層を設けてもよい。
【0048】
尚、図1に示した態様は、前記樹脂層の厚みが全域にわたって均一の厚みのものが示されているが、図示した態様の様に、厚みが全域にわたって前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さになっている必要はなく、表面108のラインが平坦な直線状でなく、凸状になっていたり、凸凹状になっていてもよく、樹脂層の少なくとも一部の厚さが前記外部電極102の縦方向の端部面106より突出する厚さを有していればよい。
【0049】
チップ部品101としては、既存のチップ部品を用いることができる。例えば、抵抗、キャパシタ、インダクタなどの回路部品が用いられる。前記チップ部品101の両側側面には通常のチップ部品の電極である外部電極102が設けられている。
【0050】
前記常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層103は、熱硬化性樹脂(硬化前の状態で常温下でも押圧により変形可能な性質を有するもの、あるいは加熱などにより軟化して押圧により変形可能な状態とし得るもの)、光硬化性樹脂(硬化前の状態で常温下でも押圧により変形可能な性質を有するもの、あるいは加熱などにより軟化して押圧により変形可能な状態とし得るもの)、熱可塑性樹脂、弾性変形し得る樹脂(エラストマー樹脂など)、また常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層を形成でき且つ更に常温で接着性を有する樹脂、あるいはこれらの樹脂とフィラーとからなる絶縁性の樹脂組成物等も好適に用いることができる。前記樹脂層103は、チップ部品を回路基板に実装する際にチップ部品の前記外部電極の縦方向の端部面より突出している部分の前記樹脂層が、回路基板表面に当接されることにより押圧されて回路基板表面に沿うレベルに変形し得る性質ないし変形し得る状態になし得る性質を有する樹脂層であればよく、例えば、上述の如く樹脂層が弾力性を有する層で、弾性的に変形する場合とか、樹脂層が塑性変形し得るような状態、例えば、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂の未硬化の樹脂で常温でも塑性変形し得るような態様のもの、ないしは加熱などにより軟化して塑性変形し得るような状態とし得るものでもよいし(この場合には、通常、その後、硬化させる)、熱可塑性樹脂を加熱軟化させて塑性変形しうる状態とすることができるのものでもよい(この場合には、通常、その後、温度降下により固化させる)。また、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層を形成でき且つ常温で接着性を有する樹脂なども好適に用いることができる。
【0051】
かかる熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂としては、例えば熱硬化性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂などが挙げられる。
【0052】
また、加熱軟化させて塑性変形しうる状態とし得る熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0053】
弾性的に変形し得る樹脂としては、例えば、ポリエステル系エラストマー樹脂、ポリウレタン系エラストマー樹脂、各種ゴム系樹脂などのエラストマー樹脂などが挙げられる。
【0054】
また、常温で接着性を有する樹脂で常温下で塑性変形し得る樹脂としては熱硬化性エポキシ樹脂の内の未硬化の状態で常温で接着性を有するものなどが好適に使用できる。そのほか常温で接着性を有する塑性変形しうる樹脂としては、各種の粘着剤に用いられる樹脂、例えば、アクリル系粘着剤用の樹脂なども使用可能である。
【0055】
熱硬化性のエポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂とか、紫外線硬化型樹脂の様な光硬化樹脂などを用いる場合には、硬化前の状態の樹脂層103を形成した後、実装し、通常、当該樹脂層は、加熱硬化ないし紫外線、放射線などの光の照射などにより硬化される。実装の際のはんだなどの加熱により硬化し得ることなどからも、熱硬化性樹脂が好適である。
【0056】
熱硬化性樹脂としては、例えば、耐熱性の高い熱硬化性エポキシ樹脂やフェノール樹脂、イソシアネート樹脂などを用いることにより、前記樹脂層103の耐熱性を上げることができる。熱可塑性樹脂を用いる場合には、例えば、フッ素樹脂、シリコン樹脂などを好適に用いることができる。フッ素樹脂を用いることにより誘電率が低い樹脂層を得ることができ好ましい。以上の内でも熱硬化性エポキシ樹脂が最も好ましく使用される。特に、未硬化の状態で、常温又は加熱下で塑性変形し得るような熱硬化性エポキシ樹脂が好適である。また、前記樹脂層103にフィラーと樹脂の混合物を用いた場合、フィラー及び樹脂の種類を選択することによって、樹脂層103の線膨張係数、熱伝導度、誘電率などを容易に制御することができる。例えば、フィラーとしてアルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化珪素、フッ素樹脂(“テフロン”(デュポン社登録商標)など)及び、シリカなどを用いることができる。アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミを用いることにより、熱伝導度が高くなり、チップ部品101の発熱を効果的に放熱させることができる。また、シリカを用いた場合、誘電率が低い樹脂層を得ることができるので高周波モジュール用途として好ましい。樹脂層103にフィラーを使用する場合の使用割合は、樹脂層103に用いる樹脂成分の種類、流動性、フィラーの比重、フィラーの添加の目的などによって異なるので、一概に規定しがたいが、フィラーも含めて樹脂層を形成する樹脂層全体の重量に対しフィラーが5〜95重量%の範囲が好ましい(以下の実施の形態においても同様である)。フィラーは、例えば用いる樹脂が液状などの流動性が高い場合に、フィラーを適当量混合することにより、ペースト状、ないし、塑性変形可能な固体状にして、流動性を抑えて、樹脂層が流れ出してしまわないようにする場合にも有効に用いられる。
【0057】
この樹脂層103には、さらに分散剤、着色剤またはカップリング剤を含んでいてもよい。分散剤によって、樹脂中のフィラーを均一性よく分散させることができる。着色剤によって、樹脂層を着色することができる。カップリング剤によって、樹脂とフィラーとの接着強度を高くすることができる。
【0058】
本実施の形態の具体的実施例としては、チップ部品101として積層セラミックコンデンサーを用い、樹脂層103として、シリカをフィラーとして75重量%、未硬化状態の熱硬化性エポキシ樹脂(日本ペルノックス(株)製“WE−2025”、酸無水系硬化剤含む)24.8重量%、添加物としてカーボンブラックを0.2重量%の樹脂組成物を用いた。樹脂層103の作製は、まず、これらのペースト状の混合物(樹脂組成物)を、所定量だけ離型フイルム上に滴下する。ペースト状の樹脂組成物は、無機フィラーと液状の熱硬化性樹脂とカーボンブラックとを攪拌混合機によって10分程度混合して作製した。使用した攪拌混合機は、所定の容量の容器に無機フィラーと液状の熱硬化性樹脂とカーボンブラックとを投入し、容器自身を回転させながら公転させるもので、混合物の粘度が比較的高くても充分な分散状態が得られる。
【0059】
離型フイルムには厚み75μmのポリエチレンテレフタレートフイルムを用い、フイルム表面にシリコーンによる離型処理を施した。次に、離型フイルム上の前記ペースト状の樹脂組成物にさらに離型フイルムを重ね、加圧プレスで厚さ100μmになるようにプレスして、板状の樹脂組成物を得た。次に、離型フイルムで挟まれた板状の樹脂組成物を離型フイルムごと加熱し、板状の樹脂組成物の粘着性が無くなる条件下で熱処理した。熱処理は、120℃の温度で15分間保持した。この熱処理によって、常温での板状の樹脂組成物の粘着性が失われ取り扱いが容易となる。この実施の形態例で用いた液状エポキシ樹脂は、硬化温度が130℃であるため、この熱処理条件下では、未硬化状態である。次に、片面の離型フイルムを剥離し、板状の樹脂組成物をトムソン刃にて切断して樹脂組成物片とした。次に、樹脂組成物片を100℃に加熱すると接着性が発現するのでチップ部品101を位置合わせして加圧することで樹脂組成物片をチップ部品101の主面104に取り付けた。離型フイルムは樹脂層の保護フイルムとして利用でき、チップ部品の使用直前に剥離させることで樹脂層表面を汚れから守ることができる。尚、かくして形成された樹脂層103の前記外部電極の縦方向の端面106より突出している長さは約80μmであった。この樹脂層103は、未硬化の状態では加熱下(硬化温度以下)で軟化し、押圧により塑性変形可能な樹脂層である。
【0060】
かくして得られた本実施の形態の樹脂層付チップ部品は、通常の実装工程で特別なプロセスを必要とせずに通常の実装プロセスでチップ部品と回路基板の間を埋めることができる。それによって、チップ部品の外部電極と回路基板上の配線パターンとを接続する実装時にはんだまたは導電性ペーストが前記外部電極間で短絡するのを防ぐことができる。また、例えば階層実装の際などで、はんだが再溶融した場合にも短絡するのを防ぐことができる。さらに、本実施の形態のチップ部品を用いると、チップ部品下部に樹脂層が存在するので、回路基板上に実装後に電気絶縁性基材層などに埋設する時の応力によってチップ部品中央部に亀裂が発生するのを防ぐことも可能になる。
【0061】
(実施の形態2)
図2は本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品101を回路基板205の配線パターン206上に実装した一例の断面図である。チップ部品101の一主面の前記外部電極102間に図1で示したように、常温又は加熱下で押圧により変形可能で厚さが前記外部電極の縦方向の端部面より突出する樹脂層103を有していて、図2に示したように、チップ部品101が回路基板205に実装される時に、樹脂層103は、回路基板205の表面に沿うように変形し、樹脂層103はチップ部品101と回路基板205の間を埋める。チップ部品101の両側側面に設けられている外部電極102ははんだまたは導電性接着剤204によって配線パターン206上に接続されている。
【0062】
前記樹脂層103が室温で接着性を有する場合には、チップ部品101と回路基板205の位置合わせして配置した後にチップ部品101が位置ずれを起こしにくいという効果がある。また、熱又は光硬化性の樹脂層103を用い、実装後、熱又は光硬化させた場合には、はんだまたは導電性接着剤204の接着力に加えて、前記樹脂層103の接着力も加わり、チップ部品101の回路基板205への実装強度が向上する。
【0063】
ここで、前記樹脂層103に用いられる、熱硬化性樹脂としては、実施の形態1で説明したように、例えば、耐熱性の高いエポキシ樹脂やフェノール樹脂、イソシアネート樹脂などを用いることにより、前記樹脂層103の耐熱性を上げることができる。熱可塑性樹脂を用いる場合には、例えば、フッ素樹脂、シリコン樹脂などを好適に用いることができる。フッ素樹脂を用いることにより誘電率が低い樹脂層を得ることができる。そのほか実施の形態1で説明した樹脂層を用いることができる。
【0064】
また、前記樹脂層103にフィラーと樹脂の混合物を用いた場合、フィラー及び樹脂の種類を選択することによって、樹脂層103の線膨張係数、熱伝導度、誘電率などを容易に制御することができる。フィラーとしては、実施の形態1で説明したフィラーなどが好適に使用でき、アルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化珪素、フッ素樹脂(“テフロン”(デュポン社登録商標)など)及び、シリカなどを用いることができる。アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミを用いることにより、熱伝導度が高くなり、チップ部品101の発熱を効果的に放熱させることができる。また、シリカを用いた場合、誘電率が低い樹脂層を得ることができるので高周波用途として好ましい。この樹脂層103には、さらに分散剤、着色剤またはカップリング剤を含んでいてもよい。分散剤によって、樹脂中のフィラーを均一性よく分散させることができる。着色剤によって、樹脂層を着色することができる。カップリング剤によって、樹脂とフィラーとの接着強度を高くすることができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、はんだ204と樹脂層103は完全に密着しているが、特にはんだと樹脂層103は密着せずに、はんだ204と樹脂層103の間に空間が形成されていてもよい。
【0066】
本実施の形態の具体的実施例としては、樹脂層付きチップ部品として、実施の形態1の具体的実施例として記載したものを用い、この樹脂層付きチップ部品の実装時には230℃ではんだを溶融させて実装したものである。実装時のはんだを溶融させる際の加熱で、樹脂層103は硬化した。
【0067】
以上のように本実施の形態の樹脂層付チップ部品は、通常の実装工程で特別なプロセスを必要とせずに通常の実装プロセスでチップ部品と回路基板の間を埋めることができる。それによって、チップ部品の外部電極と回路基板上の配線パターンとを接続する実装時にはんだまたは導電性ペーストが前記外部電極間で短絡するのを防ぐことができる。また、例えば階層実装の際などで、はんだが再溶融した場合にも短絡するのを防ぐことができる。さらに、本実施の形態のチップ部品を用いると、チップ部品下部に樹脂層が存在するので、回路基板上に実装後に電気絶縁性基材層などに埋設する時の応力によってチップ部品中央部に亀裂が発生するのを防ぐことも可能になる。
【0068】
(実施の形態3)
図3は本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品内蔵モジュールの一例の断面図である。樹脂層付チップ部品101は実施の形態1に示したものであり実施の形態2と同様にして、回路基板205の配線パターン206上に実装され、かつ絶縁性樹脂層307へ埋設されている。樹脂層103はチップ部品101と回路基板205の間を埋める。外部電極102ははんだまたは導電性接着剤204によって配線パターン206上に接続されている。
【0069】
ここで、絶縁性樹脂層307としては、例えば、絶縁性樹脂、ないしは、フィラーと絶縁性樹脂の混合物等からなる電気絶縁性基材を用いることができる。絶縁性樹脂層307としてフィラーと絶縁性樹脂の混合物を用いた場合、フィラー及び絶縁性樹脂を選択することによって、絶縁性樹脂層307の線膨張係数、熱伝導度、誘電率などを容易に制御することができる。たとえば、フィラーとしてアルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化珪素、フッ素樹脂(“テフロン”など)及び、シリカなどを用いることができる。アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミを用いることにより、従来のガラス−エポキシ基板より熱伝導度の高い基板が製作可能となり、チップ部品101の発熱を効果的に放熱させることができる。また、アルミナはコストが安いという利点もある。シリカを用いた場合、誘電率が低い絶縁性樹脂層307が得られ、比重も軽いため、携帯電話などの高周波用基板として好ましい。窒化珪素や“テフロン”を用いても誘電率の低い絶縁性樹脂層307を形成できる。また、窒化ホウ素を用いることにより絶縁性樹脂層307の線膨張係数を低減できる。絶縁性樹脂層307にフィラーを使用する場合の使用割合は、絶縁性樹脂層307に用いる樹脂成分の種類、流動性、フィラーの比重、フィラーの添加の目的などによって異なるので、一概に規定しがたいが、フィラーも含めて絶縁性樹脂層307を形成する絶縁性樹脂層全体の重量に対しフィラーが75〜95重量%の範囲が好ましい(以下の実施の形態においても同様である)。
【0070】
絶縁性樹脂層307に用いる絶縁性樹脂としては、チップ部品101の樹脂層103に用いた熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いることができ、耐熱性の高いエポキシ樹脂やフェノール樹脂、イソシアネート樹脂などを用いることにより、絶縁性樹脂層307の耐熱性を上げることができる。また、誘電正接の低いフッ素樹脂[PTFE樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)など]、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂、PPO樹脂ともいう)を含むもしくはそれらの樹脂を変性させた樹脂を用いることにより、絶縁性樹脂層307の高周波特性が向上する。さらに絶縁性樹脂層には、分散剤、着色剤、カップリング剤または離型剤を含んでいてもよい。分散剤によって、絶縁性樹脂中のフィラーを均一性よく分散させることができる。着色剤によって、絶縁性樹脂層307を着色することができるため、位置認識などの標識とすることもできる。カップリング剤を含有する場合には、絶縁性樹脂とフィラーとの接着強度を高くすることができる。離型剤を含有する場合には、金型と絶縁性樹脂との離型性を向上できるため、生産性を向上できる。
【0071】
なお、本実施の形態では、はんだ204と樹脂層103は完全に密着しているが、はんだ204と樹脂層103は密着せずに、はんだ204と樹脂層103の間に空間が形成されていてもよい。
【0072】
本実施の形態の具体的実施例としては、絶縁樹脂層307の作製は、無機フィラーと液状の熱硬化樹脂を攪拌混合機により混合して作製した。使用した攪拌混合機は、所定の容量の容器に無機フィラーと液状の熱硬化樹脂を投入し、容器自身を回転させながら公転させるもので、混合物の粘度が比較的高くても充分な分散状態が得られるものである。実施した半導体内蔵モジュール用の絶縁樹脂層307用のシート状物の配合組成を以下に示す。
【0073】
液状熱硬化樹脂としての未硬化状態のエポキシ樹脂(日本ペルノックス(株)製“WE−2025”、酸無水系硬化剤含む)25重量%と、無機フィラーとしてシリカ粉末75重量%を用いた。具体的作製方法は、上記組成で秤量・混合されたペースト状の混合物の所定量を取り、離型フイルム上に滴下させる。混合条件は、所定量の無機フィラーと前記液状エポキシ樹脂を容器に投入し、本容器ごと混練機によって混合した。混練機は、容器を公転させながら、自転させる方法により行われるもので10分程度の短時間で混練が行われる。また離型フイルムとして厚み75μmの表面にシリコーンによる離型処理を施されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。滴下させた離型フイルム上の混合物にさらに離型フイルムを重ね、加圧プレスで一定厚み(0.5mm)になるようにプレスした。次に離型フイルムで挟持された混合物を離型フイルムごと加熱し、粘着性が無くなる条件下で熱処理した。熱処理条件は、温度が120℃で15分間保持した。前記熱硬化エポキシ樹脂は、硬化開始温度が130℃であるため、前記熱処理条件下では、未硬化状態(Bステージ)であり、以降の工程で加熱により再度溶融させることができる。
【0074】
次に熱プレスを用いて上記絶縁樹脂層307と実施の形態2の図2に示したチップ部品実装体とをプレス温度120℃で5分間加熱加圧する。これにより、絶縁樹脂層307中の熱硬化樹脂が加熱により溶融軟化するため、実施の形態2の図2示したチップ部品実装体が絶縁樹脂層307中に埋没する。その後絶縁樹脂層307は、200℃で加熱硬化した。その他は、実施の形態2の具体的実施例と同様としたものである。
【0075】
以上のように本実施の形態のチップ部品を用いたそれを内蔵するモジュールは、樹脂層がチップ部品と回路基板の間を埋める層障壁となって、回路基板の再加熱によって再溶融したはんだがチップ部品の外部電極間で短絡することを防止することができる。さらに、本実施の形態のチップ部品を用いると、チップ部品下部に樹脂層が存在するので、回路基板上に実装後に電気絶縁性基材層などに埋設してチップ部品内蔵モジュールとする場合においても、埋設時の応力によってチップ部品中央部に亀裂が発生するのを防ぐことも可能になる。
【0076】
(実施の形態4)
図4は本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品の製造方法の工程を示す断面図である。
【0077】
まず図4(a)に示すように固定冶具403でチップ部品101を挟みこんで固定・保持する。ここでは固定冶具403でチップ部品101の両側側面の外部電極102を挟んで固定しているが、特に固定個所を限定するものではなく支障がない限り別の場所でもよい。また、本実施の形態では固定冶具403で挟んで固定したが、吸着による固定や、粘着テープへの貼りつけ等、通常の工程で用いているチップ部品の固定・保持方法でよい。
【0078】
次に図4(b)に示すように樹脂の供給ノズル404の先端から、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層103を形成するための樹脂を所定量押し出し、チップ部品101の一主面104上に塗布する。この例では樹脂層103は、凸状(略半球状)に塗布され、樹脂層103の表面108の中央部が前記外部電極102の縦方向の端部面106より突出する厚さとなっている。
【0079】
ノズル404を用いることによって樹脂層103を形成するための樹脂の塗布する位置や量を精度よく調整できる。特に、供給ノズルの上流にピストン−シリンダー方式の供給ポンプ(図示せず)を設けておくことにより、樹脂層の量をピストン移動量で容易に調整できる。
【0080】
次に図4(c)に示すようにチップ部品101を固定冶具403から取り外す。なお、この樹脂層付チップ部品の製造工程は、部品の実装工程と連続して行ってもよい。この場合にはチップ部品101を固定冶具403から取り外す工程は実装工程と同時に行うことになり、固定したチップ部品をそのまま実装工程に用いるので工程の簡略化になる。尚、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層103としては、実施の形態1で説明したものが好適に用いられる。
【0081】
本実施の形態の具体的実施例としては、チップ部品101として積層セラミックコンデンサーを用い、樹脂層103としてシリカをフィラーとして75重量%含有する未硬化の熱硬化性エポキシ樹脂(日本ペルノックス株式会社製“WE−2025”、酸無水物系硬化剤を含む)に、この樹脂組成物合計重量に対し更に溶剤としてMEK(メチルエチルケトン)を50重量%加えた混合物を、その最大厚み部分(最外面108の最も突出した部分)が前記外部電極の縦方向の端部面106より突出する最大の厚さが約80μmとなる様、室温で、ノズル404より押し出して略半球状の形状にしてチップ部品101の一方の主面104上に形成したものである。
【0082】
この製造方法によって容易に本実施の形態の樹脂層付チップ部品を製造できる。また、樹脂の供給ノズルの先端から前記樹脂を供給するので、チップ部品の所定の位置に、前記樹脂層を容易に形成できる。また、その際に、供給ノズルの上流にピストン−シリンダー方式の供給ポンプを設けておくことにより、樹脂層の量をピストン移動量で容易に調整できる。
【0083】
(実施の形態5)
図5は本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品の別の製造方法の工程を示す断面図である。
【0084】
まず図5(a)に示すように、所望の形状の打ち抜きピン502と打ち抜きピン502用の穴503aを有する打ち抜き型503とを用いて所定の厚み(チップ部品の両側側面の外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さとしうる厚み)のシート状の樹脂層103a(この実施の形態におけるシート状の樹脂層103aは実施の形態1で説明した樹脂層103と同様の素材を用いることができる。)を所望の形状に打ち抜く。
【0085】
次に図5(b)に示すように、打ち抜いた樹脂層となる樹脂片103bを全面または一部に接着層506のついたキャリア505上に貼りつけて固定する。キャリア505としては、テープ状のプラスチックや金属フイルムを利用することで効率的に取り扱うことができる。本実施の形態では打ち抜きピン502で打ち抜いた樹脂片103bを直接キャリア505上に配置しているが、とくに打ち抜き工程とキャリア上への固定方法を限定するものではない。本実施の形態のように、打ち抜きピン502で打ち抜いた樹脂片103bを直接キャリア505上に配置する場合には打ち抜きと同時にキャリア505上に固定ができるので、工程の簡素化となる。また、樹脂片103bが接着性を有し、樹脂片103bとキャリア505との接着力が、樹脂片103bと打ち抜きピン502との接着力を上回る場合には接着層506はなくてもよい。
【0086】
次に図5(c)に示すように、チップ部品101の少なくとも一主面(この場合は一方の主面104)を前記樹脂片103bに接着させ、キャリア505を除去する。本実施の形態ではチップ部品101の少なくとも一主面(この場合は一方の主面104)上に接着剤507を塗布しておいて樹脂片103bを接着している。樹脂片103bが接着性を有し、樹脂片103bとチップ部品101の主面との接着力が、樹脂片103bとキャリア505との接着力を上回る場合には接着材507はなくてもよいが、接着剤を用いることで取り扱い温度条件において樹脂片103bが接着性を有しないもしくは接着性が低い場合にも取り扱うことができる。また、この工程において樹脂片103bを必要に応じ、加熱によって密着性を上げて接着させてもよい。かくして、樹脂片103bからなる常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層を一主面に有する樹脂層付チップ部品を効率的に製造し得る。
【0087】
本実施の形態の具体的実施例としては、シート状の樹脂層103aの作製は、無機フィラーと液状の熱硬化樹脂を攪拌混合機により混合して作製した。使用した攪拌混合機は、所定の容量の容器に無機フィラーと液状の熱硬化樹脂を投入し、容器自身を回転させながら公転させるもので、混合物の粘度が比較的高くても充分な分散状態が得られるものである。実施したシート状樹脂層103aの配合組成を以下に示す。液状熱硬化樹脂としてのエポキシ樹脂(日本ペルノックス(株)製“WE−2025”、酸無水系硬化剤含む)25重量%、無機フィラーとしてシリカ粉末75重量%である。具体的作製方法は、上記組成で秤量・混合されたペースト状の混合物の所定量を取り、離型フイルム上に滴下させる。混合条件は、所定量の無機フィラーと前記液状エポキシ樹脂を容器に投入し、本容器ごと混練機によって混合した。混練機は、容器を公転させながら、自転させる方法により行われるもので10分程度の短時間で混練が行われる。また離型フイルムとして厚み75μmの表面にシリコーンによる離型処理を施されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。滴下させた離型フイルム上の混合物にさらに離型フイルムを重ね、加圧プレスで一定厚み(100μm)になるようにプレスした。次に離型フイルムで挟持された混合物を離型フイルムごと加熱し、粘着性が無くなる条件下で熱処理した。熱処理条件は、温度が120℃で15分間保持した。前記熱硬化エポキシ樹脂は、硬化開始温度が130℃であるため、前記熱処理条件下では、未硬化状態(Bステージ)であり、以降の工程で加熱により再度溶融させることができる。熱処理後はポリエチレンテレフタレートフィルムからシート状の樹脂フイルムを剥離することができる。なお、得られたこの樹脂組成物は未硬化の状態では加熱下(硬化温度以下)で軟化し、押圧により塑性変形可能な樹脂組成物である。
【0088】
また、キャリア505としては厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、接着層506としては厚さ30μmのシリコンゴム層を用い、接着層507としては厚さ30μmのシアノアクリレートを用いたものである。
【0089】
この製造方法によれば、流動性の低い樹脂を用いる場合であっても樹脂層付きチップ部品を容易に形成できる。尚、かくしてチップ部品101の積層セラミックコンデンサーの主面104に形成された樹脂層103bの前記外部電極102の縦方向の端面106より突出している樹脂層103bの長さは約110μmであった。
【0090】
(実施の形態6)
図6は本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品の更に別の製造方法の工程を示す断面図である。
【0091】
まず図6(a)に示すように、実施の形態5で説明したと同様の所望の形状の打ち抜きピン502と打ち抜きピン502用の穴を有する打ち抜き型503とを用いて、両面に離型フイルム605を貼りつけたシート状の所定の厚み(チップ部品の両側側面の外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さとしうる厚み)の常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層103aを所望の形状に打ち抜いて上下両面に離型フイルム605を有する樹脂片103bを形成する。樹脂片103bは、前述した本発明の樹脂層付きチップ部品の樹脂層となるものである。シート状の樹脂層103a両面に離型フイルム605を貼りつけることによって、打ち抜いて形成した樹脂片103bへの異物の付着を防ぐことができる。また、樹脂層103aが常温で接着性を有する樹脂層の場合に取り扱いが容易となる。
【0092】
次に図6(b)に示すように、そして、全面または一部に接着層506のついたキャリア505上に、離型フイルム605付きの前記樹脂片103bを貼りつけ、貼りつけ面とは逆側の前記離型フイルム605を剥離する。本実施の形態においては樹脂片103bの固定方法としてキャリア505に貼りつけたが、とくに樹脂片103bの固定方法を限定するものではなく、たとえば、吸着による固定であってもいい。
【0093】
次に図6(c)に示すように、前記片側の離型フイルム605を剥離した前記樹脂片103bに、チップ部品101の一方の主面104を接着剤507を介して貼りつけ、その後に樹脂片103bから残りの前記離型フイルム605を剥離する。本実施の形態においては接着剤507を介して貼りつける場合を説明したが、前記樹脂片103b自身に接着性がある場合には特に前記接着剤507を用いる必要はない。かくして、樹脂片103bからなる常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層を一主面に有する樹脂層付チップ部品を効率的に製造し得る。
【0094】
本実施の形態の具体的実施例としては、シート状の樹脂層103aは、無機フィラーと液状の熱硬化樹脂を攪拌混合機により混合して作製した。使用した攪拌混合機は、所定の容量の容器に無機フィラーと液状の熱硬化樹脂を投入し、容器自身を回転させながら公転させるもので、混合物の粘度が比較的高くても充分な分散状態が得られるものである。実施した樹脂層103a用のシート状物の配合組成を以下に示す。液状熱硬化樹脂としての未硬化状態でのエポキシ樹脂(日本ペルノックス(株)製“WE−2025”、酸無水系硬化剤含む)25重量%と、無機フィラーとしてシリカ粉末75重量%の配合とした。具体的作製方法は、上記組成で秤量・混合されたペースト状の混合物の所定量を取り、離型フイルム上に滴下させる。混合条件は、所定量の無機フィラーと前記液状エポキシ樹脂を容器に投入し、本容器ごと混練機によって混合した。混練機は、容器を公転させながら、自転させる方法により行われるもので10分程度の短時間で混練が行われる。また離型フイルム605として表面にシリコンによる離型処理を施された厚み25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。滴下させた離型フイルム上の混合物にさらに離型フイルムを重ね、加圧プレスで一定厚み(100μm)になるようにプレスした。
【0095】
かくして製造した樹脂層103bは、上述した工程でチップ部品101の積層セラミックコンデンサーの主面104に取り付けられた。形成された樹脂層103bの前記外部電極102の縦方向の端面106より突出している樹脂層103bの長さは約80μmであった。
【0096】
尚、この実施例の場合には、常温で接着性を有する103bを用いているので、先に説明した接着層507は、本具体的実施例では使用しなかったものである。
【0097】
この製造方法によれば、シート状の樹脂層両面に離型フイルムを貼りつけることによって、打ち抜いて形成した樹脂片への異物の付着を防ぐことができ、また、樹脂層が常温で接着性を有する樹脂層の場合に取り扱いが容易となり、本発明の樹脂層付きチップ部品を容易に形成できる。
【0098】
(実施の形態7)
図7は本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品を用いた部品内蔵モジュールの製造方法の工程を示す断面図である。
【0099】
図7(a)に示すように、実施の形態1の図1で示したような樹脂層103付チップ部品101を回路基板702上の配線パターン703に位置合わせして実装する。回路基板702中の708はインナービアホール(導電材充填)である。回路基板702としては、たとえばガラス−エポキシ樹脂基板やエポキシ樹脂含浸アラミド繊維シートを用いた基板等の既存回路基板を用いることができる。また、実装方法としては、はんだや導電性接着剤等の従来の実装方法を用いることができる。
【0100】
次に図7(b)、(c)に示すように、前記回路基板702を位置合わせしてシート状の絶縁樹脂層からなる電気絶縁性基材704を加熱して軟化させ、前記回路基板702を圧着して、埋め込みを行う。同時に、この実施の形態においては、上側に別の回路基板709も圧着して一体化させている。尚、必要に応じて絶縁樹脂層からなる電気絶縁性基材704にはインナービアホール(導電材充填)等の電気的に層間を接続する手段705を設けてもよい。
【0101】
シート状の絶縁樹脂層からなる電気絶縁性基材704としては、未硬化の熱硬化性ないし光硬化性の樹脂で加熱によって軟化し得る樹脂又は当該樹脂とフィラーとの組成物が好ましく用いられ、通常、その後硬化されて電気絶縁性基材としうるものが用いられるが、場合によっては、電気絶縁性の熱可塑性樹脂又は当該樹脂の組成物を使用することも可能である。フィラーと絶縁性樹脂の組成物からなる電気絶縁性基材を用いた場合、フィラー及び絶縁性樹脂を選択することによって、電気絶縁性基材704の線膨張係数、熱伝導度、誘電率などを容易に制御することができる。たとえば、フィラーとしてアルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化珪素、フッ素樹脂(“テフロン”など)及び、シリカなどを用いることができる。アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミを用いることにより、熱伝導度の高い基板が製作可能となり、チップ部品101の発熱を効果的に放熱させることができる。また、アルミナはコストが安いという利点もある。シリカを用いた場合、誘電率が低い電気絶縁性基材704が得られ、比重も軽いため、携帯電話などの高周波用基板として好ましい。窒化珪素や“テフロン”を用いても誘電率の低い電気絶縁性基材704を形成できる。また、窒化ホウ素を用いることにより電気絶縁性基材704の線膨張係数を低減できる。電気絶縁性基材にフィラーを使用する場合の使用割合は、電気絶縁性基材に用いる樹脂成分の種類、流動性、フィラーの比重、フィラーの添加の目的などによって異なるので、一概に規定しがたいが、フィラーも含めて電気絶縁性基材を形成する基材全体の重量に対しフィラーが70〜95重量%の範囲が好ましい。
【0102】
電気絶縁性基材704に用いる絶縁性樹脂としては、チップ部品101の樹脂層103に用いた熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いることができ、耐熱性の高いエポキシ樹脂やフェノール樹脂、イソシアネート樹脂などを用いることにより、電気絶縁性基材704の耐熱性を上げることができる。尚、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂を用いた場合には、前記回路基板702を圧着して、埋め込み後にこれらの樹脂を硬化させる。また、誘電正接の低いフッ素樹脂[PTFE樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)など]、PPE樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂、PPO樹脂ともいう)を含むもしくはそれらの樹脂を変性させた樹脂を用いることにより、電気絶縁性基材704の高周波特性が向上する。さらに電気絶縁性基材704には、分散剤、着色剤、カップリング剤または離型剤を含んでいてもよい。分散剤によって、電気絶縁性基材704の絶縁性樹脂中のフィラーを均一性よく分散させることができる。着色剤によって、電気絶縁性基材704を着色することができるため、位置認識などの標識とすることもできる。カップリング剤を含有する場合には、電気絶縁性基材704の絶縁性樹脂とフィラーとの接着強度を高くすることができる。離型剤を含有する場合には、金型と絶縁性樹脂との離型性を向上できるため、生産性を向上できる。
【0103】
次に図7(d)に示すように、図7(c)で作製した部品内蔵モジュール上にディスクリート部品や半導体等の電子部品706を実装することも可能で、実装密度の高いモジュールが作製できる。710はバンプである。
【0104】
以上の方法においては、チップ部品101の主面下部に前記樹脂層103が存在することにより、チップ部品を内蔵させる際のストレスによって前記チップ部品の中央部に亀裂が発生することを防止でき、本実施の形態の樹脂層付チップ部品内蔵モジュールを作製することができる。
【0105】
本実施の形態の具体的実施例としては、電気絶縁性基材704の作製は、無機フィラーと液状の熱硬化樹脂を攪拌混合機により混合して作製した。使用した攪拌混合機は、所定の容量の容器に無機フィラーと液状の熱硬化樹脂を投入し、容器自身を回転させながら公転させるもので、混合物の粘度が比較的高くても充分な分散状態が得られるものである。実施した半導体内蔵モジュール用の絶縁樹脂層704用のシート状物の配合組成を以下に示す。
【0106】
液状熱硬化樹脂としての未硬化状態のエポキシ樹脂(日本ペルノックス(株)製“WE−2025”、酸無水系硬化剤含む)25重量%と、無機フィラーとしてシリカ粉末75重量%を用いた。具体的作製方法は、上記組成で秤量・混合されたペースト状の混合物の所定量を取り、離型フイルム上に滴下させる。混合条件は、所定量の無機フィラーと前記液状エポキシ樹脂を容器に投入し、本容器ごと混練機によって混合した。混練機は、容器を公転させながら、自転させる方法により行われるもので10分程度の短時間で混練が行われる。また離型フイルムとして厚み75μmの表面にシリコーンによる離型処理を施されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。滴下させた離型フイルム上の混合物にさらに離型フイルムを重ね、加圧プレスで一定厚み(0.5mm)になるようにプレスした。次に離型フイルムで挟持された混合物を離型フイルムごと加熱し、粘着性が無くなる条件下で熱処理した。熱処理条件は、温度が120℃で15分間保持した。前記熱硬化エポキシ樹脂は、硬化開始温度が130℃であるため、前記熱処理条件下では、未硬化状態(Bステージ)であり、以降の工程で加熱により再度溶融させることができる。
【0107】
上述したように図7(b)、(c)に示すように、前記回路基板702を位置合わせしてシート状の絶縁樹脂層からなる電気絶縁性基材704を加熱して軟化させ、前記回路基板702を圧着して、埋め込みを行うと同時に、上側に別の回路基板709も圧着して一体化させている。この際、熱プレスを用いて上記電気絶縁性基材704と前記回路基板702、回路基板709とをプレス温度120℃で5分間加熱加圧して一体化させた。これにより、電気絶縁性基材704中の熱硬化樹脂が加熱により溶融軟化するため、チップ部品実装体が電気絶縁性基材704中に埋没する。尚、その後電気絶縁性基材704は、200℃で加熱硬化した。なお、樹脂層付きチップ部品として、実施の形態1の具体的実施例として記載したものを用い、回路基板702としては厚み200μmのガラス−エポキシ樹脂基板を用い、各配線パターン703としては銅からなる配線パターンとしたものである。
【0108】
(実施の形態8)
図8は本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品を用いた部品内蔵モジュールの別の製造方法の工程を示す断面図である。
【0109】
図8(a)に示すように、本実施の形態では、まず、離型キャリア802上に剥離層803を形成した後、配線パターン層804を形成する。配線パターンの形成に関しては、剥離層803上に金属層(例えば銅箔など)を形成した後にエッチングを用いて形成する方法や、印刷によって配線を形成する方法など、既存の配線パターンの形成方法を用いることができる。
【0110】
離型キャリア802としては、金属フイルム(例えば銅箔やステンレスなど)や樹脂フイルムを用いることができ、剥離層803としては接着力を有した1μmより薄い有機層、例えば熱硬化樹脂であるウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂などが使用できるが、これには制限されず、他の熱可塑性樹脂などを用いても構わない。1μmより厚くなると、剥離性能が悪化し、転写が困難となる場合があるので1μm以下が好ましい。一方、意図的に接着力を低下させる目的で剥離層803としてメッキ層を介在させても良い。例えば、離型キャリア802として銅箔を用い、配線パターン層804を銅箔のエッチング等で形成する場合には、1μmより薄い金属メッキ層、例えばニッケルメッキ層あるいはニッケルリン合金層あるいはクロムメッキ層等を銅箔間に介在させて剥離層803として剥離性を持たせることも可能である。
【0111】
また、たとえば、離型キャリア802と剥離層803に電気絶縁性の樹脂を用いると、離型キャリア、剥離層、配線パターンからなる転写形成材上に実装されたチップ部品の導通等を埋め込み前に予めチェックしておくことができる。
【0112】
次に図8(b)に示すように、実施の形態1の図1で示したような常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層103付チップ部品101を配線パターン804上に実装する。
【0113】
次に図8(c)、(d)に示すように、樹脂層付チップ部品101を実装接続した転写配線パターン804を、位置合わせを行いながらシート状の絶縁樹脂層からなる電気絶縁性基材704を加熱して軟化させ、前記チップ部品101が実装された配線パターン804を圧着して、埋め込みを行う。同時に、この実施の形態においては、上側に別の離型キャリア802、剥離層803、配線パターン804からなる転写形成材も圧着して一体化させている。尚、必要に応じて絶縁樹脂層からなる電気絶縁性基材704にはインナービアホール(導電材充填)等の電気的に層間を接続する手段705を設けてもよい。尚、電気絶縁性基材704の素材としては、実施の形態7で説明したものなどが、好適に用いられる。
【0114】
次に図8(e)に示すように、上下の離型キャリア802を剥離層803とともに剥離する。実施の形態7と同様に、本実施の形態で作製した部品内蔵モジュール上にディスクリート部品や半導体等の電子部品を実装することも可能で、実装密度の高いモジュールが作製できる。
【0115】
以上の方法においては、チップ部品101の主面下部に前記樹脂層103が存在することにより、チップ部品を内蔵させる際のストレスによって前記チップ部品の中央部に亀裂が発生することを防止でき、本実施の形態の樹脂層付チップ部品内蔵モジュールを作製することができる。
【0116】
本実施の形態の具体的実施例としては、離型キャリア802として厚さ70μmの銅箔に、剥離層803として厚さ0.5μmニッケルの電解メッキ層を設け、各配線パターン層804としては銅からなる配線パターン層(9μmの銅を電解メッキで形成し、化学エッチングで配線パターンを形成したもの)とし、電気絶縁性基材704やその他は、実施の形態7の具体的実施例と同様としたものである。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により得られる常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層付チップ部品を用いることで、生産性よく通常の実装で発生する部品下部の空隙が埋まる。それによって、実装後のチップ部品を電気絶縁性基材樹脂中に内蔵する時のストレスによってチップ部品中央部に亀裂が生じるのを防止することができる。また、電気絶縁性基材樹脂中にチップ部品を内蔵したモジュールを再加熱した際にはんだなどが再溶融しても、チップ部品の主面の外部電極間に樹脂層が存在するので短絡を防止できる。本発明は以上のような効果を奏する樹脂層付チップ部品とそれを用いた部品内蔵モジュール及びそれらの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品の一例の断面図
【図2】本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品を回路基板の配線パターン上に実装した一例の断面図
【図3】本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品内蔵モジュールの一例の断面図
【図4】本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品の製造方法の工程を示す断面図
【図5】本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品の別の製造方法の工程を示す断面図
【図6】本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品の更に別の製造方法の工程を示す断面図
【図7】本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品を用いた部品内蔵モジュールの製造方法の工程を示す断面図
【図8】本発明の一実施の形態における樹脂層付チップ部品を用いた部品内蔵モジュールの別の製造方法の工程を示す断面図
【符号の説明】
101 チップ部品
102 外部電極
103 樹脂層
103a シート状の樹脂層
103b 樹脂片
104 チップ部品の一主面
105 チップ部品の他方の主面
106 外部電極102の縦方向の端部面
107 外部電極102の縦方向のもう一方の端部面
108 樹脂層103の最外面
109 外部電極102の縦方向を示す矢印
204 はんだまたは導電性接着剤
205 回路基板
206 配線パターン
307 絶縁性樹脂層
403 固定冶具
404 樹脂の供給ノズル
502 打ち抜きピン
503 打ち抜き型
503a 打ち抜きピン502用の穴
505 キャリア
506 接着層
507 接着剤
605 離型フイルム
702 回路基板
703 配線パターン
704 電気絶縁性基材
705 電気的に層間を接続する手段
706 電子部品
708 インナービアホール
709 別の回路基板
710 バンプ
802 離型キャリア
803 剥離層
804 配線パターン層

Claims (12)

  1. 両側側面に外部電極を備えたチップ部品であって、当該チップ部品の少なくとも一主面の前記外部電極間に、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂層を備え、前記樹脂層の少なくとも最も厚さの大きい部分が、前記外部電極の縦方向の端部面より突出していることを特徴とするチップ部品。
  2. 前記樹脂層が常温で接着性を有する請求項1記載のチップ部品。
  3. 前記樹脂層の樹脂成分が、未硬化状態の熱硬化性樹脂を主成分とする、又は、熱可塑性樹脂を主成分とする請求項1記載のチップ部品。
  4. 前記樹脂層が無機フィラーを含有する樹脂層である請求項1〜3のいずれかに記載のチップ部品。
  5. 前記樹脂層の最も厚さの大きい部分が前記外部電極の縦方向の端部面より突出している長さが50〜200μmである請求項1〜4のいずれかに記載のチップ部品。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のチップ部品が電気絶縁性基材中に埋め込まれて内蔵されたチップ部品内蔵モジュール。
  7. 樹脂層付チップ部品の製造方法であって、
    両側側面に外部電極を有してなるチップ部品を固定保持する工程と、
    樹脂の供給ノズルの先端から、常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂を所定量押し出し、前記樹脂を前記チップ部品の外部電極間の少なくとも一主面に、前記樹脂によって形成される層の少なくとも最も厚さの大きい部分の厚さが、前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さになるように付着させる工程とを含むことを特徴とする樹脂層付チップ部品の製造方法。
  8. 樹脂層付チップ部品の製造方法であって、転写キャリア上に所定の厚みの常温又は加熱下で押圧により変形可能な樹脂片を形成する工程と、
    両側側面に外部電極を有してなるチップ部品の前記外部電極間の少なくとも一主面に前記所定厚みの樹脂片を接着する工程と、
    前記転写キャリアを剥離させる工程とを含み、
    前記樹脂片からなる樹脂層の少なくとも最も厚さの大きい部分の厚さが前記外部電極の縦方向の端部面より突出する厚さであることを特徴とする樹脂層付チップ部品の製造方法。
  9. 前記チップ部品の少なくとも一主面に前記樹脂片を接着させる工程が、
    前記樹脂片を加熱によって軟化させる工程と、
    前記チップ部品の少なくとも一主面に軟化した前記樹脂片を密着させる工程である請求項8記載の樹脂層付チップ部品の製造方法。
  10. 前記チップ部品の少なくとも一主面に前記樹脂片を接着させる工程が、
    前記チップ部品の少なくとも一主面に接着剤を塗布する工程と、
    前記樹脂片を前記チップ部品の少なくとも一主面上に前記接着剤で接着させる工程である請求項8記載の樹脂層付チップ部品の製造方法。
  11. 回路基板上に形成されている配線パターンに請求項1〜5のいずれかに記載のチップ部品を位置合わせしながら当該チップ部品を実装する際に、前記チップ部品の前記樹脂層が押圧により変形し得る状態下で前記樹脂層が前記配線パターン側になるように実装する工程と、
    前記回路基板を、前記チップ部品が実装された側がシート状の電気絶縁性基材の少なくとも一方の表面と接触するように配置し、前記電気絶縁性基材が軟化している状態において、この両者を圧接して前記回路基板のチップ部品が実装された側を電気絶縁性基材中に埋め込む工程と
    を少なくとも含むチップ部品内蔵モジュールの製造方法。
  12. キャリア層に転写用配線パターンを形成する工程と、前記転写用配線パターンに請求項1〜5のいずれかに記載のチップ部品を位置合わせしながら当該チップ部品を実装する際に、前記チップ部品の前記樹脂層が押圧により変形し得る状態下で前記樹脂層が前記転写用配線パターン側になるように実装する工程とを含んで形成されるチップ部品が実装された転写用部品配線パターン形成材を用いて、
    これの部品配線パターンが形成された側がシート状の電気絶縁性基材の少なくとも一方の表面と接触するように配置して、前記電気絶縁性基材が軟化している状態において、この両者を圧接して転写用部品配線パターン形成材のチップ部品が実装された側を電気絶縁性基材中に埋め込む工程と、
    前記転写用配線パターン層からキャリア層を剥離し、前記シート状基材に転写用配線パターン層及び前記チップ部品を含む前記部品配線パターンを転写する工程と
    を少なくとも含むチップ部品内蔵モジュールの製造方法。
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