JP2010030304A - 金属化ポリイミドフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリイミドフィルムと導電層との接合強度を高める。
【解決手段】この金属化ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムと、このポリイミドフィルムの表面から20nm以内の表層領域にMo,Cr,NiおよびSiから選択される1種又は2種以上の元素を注入した中間層と、この中間層上に形成された銅又は銅合金からなる導電層とを有する。中間層中の元素の注入量は0.3〜15mg/mである。
【選択図】図2

Description

本発明は、ポリイミドフィルムの表面に、銅または銅合金からなる導電層を形成した金属化ポリイミドフィルムに関する。
近年、電子機器の小型化・軽量化・構造の柔軟化を図るために、TAB、フレキシブル回路基板、フレキシブル配線板等に対する需要が高まってきている。従来、この種の基板としては、可撓性のあるプラスチック基板上に銅箔をエポキシ系接着剤等の接着剤で貼り合わせたものが使用されていた。しかし、電子機器の高密度実装を図るために、この種の基板もさらに薄膜化することが望まれており、前述のように銅箔を接着する構造では、薄膜化への要求に十分応えることができなかった。
また、上記の接着剤を用いた回路基板では、(1)接着剤層に銅箔のエッチング液がしみこみ易く、高温高湿下でバイアスを加えると銅のマイグレーションが発生し、回路を短絡させることがある、(2)高速化のためにはインピーダンスをマッチングさせるとともにクロストークを減少させる必要があるが、接着剤があるために困難である、(3)接着剤層の寸法安定性が悪い、(4)接着剤層の存在により回路基板の微細加工が困難であり、高密度化に対応しにくい、(5)接着剤層の熱特性がプラスチック基板材料のそれよりも劣るため熱安定性に問題があり、高密度化への対応が困難である、(6)接着剤があるために製品に変形が生じやすいなどの問題もあった。
これらの問題を解決するため、接着剤を使用せずに金属化フィルムを形成する技術が検討されている。例えば、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成技術により、プラスチックフィルム上に直接、金属薄膜を回路パターンに沿って成膜したのち、この金属薄膜上に電解めっき等により金属めっき層を堆積させる方法や、金属薄膜をプラスチック基板の表面に形成し、その上に電解めっき等で金属を堆積させた後に、導電層をエッチングして回路パターンを形成する方法などが公知である。
しかし、このような構造において、耐熱性に優れているポリイミドフィルムを使用した場合には、ポリイミドフィルムと金属との接合性が他のプラスチックに比して劣るため、回路パターン形成工程や電解めっき工程等の後工程を経ると、ポリイミドフィルムと金属薄膜間の接合強度が低下し、剥離しやすいという問題があった。
銅箔にポリイミドモノマーを塗布した後、加熱硬化させてポリイミド層を形成する方法、および、熱可塑性ポリイミドフィルムと銅箔を熱融着法を用いて貼り合わせる方法なども一部で使用されている。しかし、これらの方法では、銅箔を使用するために、銅箔の表面粗さが製品の表面粗さに反映され、微細パターンの形成時には悪影響がでるおそれがあった。また、銅箔の厚さは限定されるので、薄膜化が困難だった。
この問題を解決するため、本出願人は先に、特開2003−011273号公報(特許文献1)において、ポリイミドフィルムと、ポリイミドフィルムの表面に形成された金属核付着部と、この金属核付着部上に形成された金属層とからなる金属化ポリイミドフィルムを提案した。金属核付着部は、Mo,Cr,Ni,Si,Fe,およびAlから選択される1種または2種以上で形成される。
特開2003−011273号公報
最近では金属化ポリイミドフィルムの用途が広がるにつれ、金属化ポリイミドフィルムの使用環境がさらに過酷化する傾向にあり、一層の剥離防止を図る必要が生じている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、高温に曝された場合にも、導電層とポリイミドフィルムとの接合強度を高く保つことができる金属化ポリイミドフィルムを提供することを課題としている。
本発明の金属化ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムと、このポリイミドフィルムの表面から20nm以内の表層領域にMo,Cr,NiおよびSiから選択される1種又は2種以上の元素を注入した中間層と、この中間層上に形成された銅又は銅合金からなる導電層とを有し、前記中間層中の前記元素の注入量は0.3〜15mg/mであることを特徴とする。この金属化ポリイミドフィルムは、TABテープ、フレキシブル回路基板などであってもよい。
本発明によれば、ポリイミドフィルムの表層領域にMo,Cr,NiおよびSiから選択される1種又は2種以上の元素を注入した中間層を形成したことにより、中間層とポリイミドフィルムが一体化するため、導電層がポリイミドフィルムから剥離することが少なく、高い信頼性を得ることができる。
本発明に係る金属化ポリイミドフィルムの一実施形態の断面拡大図である。 同実施形態の中間層近傍での元素濃度変化を示すグラフである。 本発明の金属化ポリイミドフィルムの製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の金属化ポリイミドフィルムの製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の金属化ポリイミドフィルムの製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の金属化ポリイミドフィルムの製造方法の一例を示す概略図である。 本発明の実施例の炭素、銅、ニッケルの濃度変化を示すグラフである。 本発明の比較例の炭素、銅、ニッケルの濃度変化を示すグラフである。
図1は、本発明に係る金属化ポリイミドフィルムの一実施形態を示す断面拡大図である。この金属化ポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルム1と、ポリイミドフィルム1の片面に形成された中間層2と、この中間層2上に形成された導電層4とを具備する。
ポリイミドフィルム1の材質は、通常この種の用途に使用されているポリイミド樹脂であればいずれも可能である。BPDA系ポリイミド樹脂であっても、PMDA系ポリイミド樹脂であってもよい。一般的にBPDA(ビフェニルテトラカルボン酸)を原料とするポリイミドフィルム(宇部興産製商品名「ユーピレックス」など)は熱および吸湿寸法安定性および剛性が良好であり、主にTAB用途に使用されているが、金属薄膜との接合強度が低い特徴を有する。一方、PMDA(ピロメリット酸二無水物)を原料とするポリイミドフィルム(東レ・デュポン製商品名「カプトン」、鐘淵化学工業製商品名「アピカル」など)は金属薄膜との接合強度が高いとされている。ポリイミドフィルム1の厚さは特に限定されないが、12〜125μmであることが好ましい。
ポリイミドフィルム1は、単層であってもよいが、複数種のポリイミド樹脂を積層した積層フィルムであってもよい。この場合、ポリイミドフィルム1の中間層2が接する面は、BPDA系およびPMDA系のどちらであっても同様の効果が得られる。
中間層2は、ポリイミドフィルム1の表面から20nm以内の表層領域において、Mo,Cr,NiおよびSiから選択される1種又は2種以上の元素(以下、注入元素という)の微粒子を、ポリイミドからなる母材中に注入し分散させた複合構造を有している。
図2は、中間層2内における各元素の濃度変化を模式的に示すグラフである。中間層2中のポリイミドの濃度はポリイミドフィルム1側から導電層4側にかけて、約100%から0%へと変化している。中間層2中の導電層金属の濃度はポリイミドフィルム1側から導電層4側にかけて、約0%から100%へと変化している。また、中間層2中の注入元素の濃度はポリイミドフィルム1側から導電層4側にかけて、約0%から増加して最大値をとり、その後再び0%へと変化している。注入元素濃度は最大値でも100%には達しない。注入元素濃度の最大値は特に限定されるものではないが20%以下であることが好ましい。
このような中間層2を形成するには、まず、ポリイミドフィルム1の表面にエッチング処理を施すことにより、ポリイミド表面を粗面化させ、活性化させる。このように予めエッチング処理を施すことにより、後で注入元素をより深い領域まで注入することが可能となる。
エッチング処理は、湿式エッチング処理でもよいし、乾式エッチング処理でもよい。湿式エッチング処理は、例えば、腐食性の溶液でポリイミドフィルム1の表面を浸食し粗面化させる方法である。腐食性の溶液としては、例えば水酸化ナトリウム、ヒドラジンヒドラート、エチレンジアミンなどの混合液が例示できる。
乾式エッチングとしては、例えば真空中でのプラズマエッチングが使用できる。真空中でのプラズマエッチングが特に好ましく、エッチング後にインラインで大気解放することなく、エッチング面に対して中間層2を形成することがさらに好ましい。活性化されたポリイミド表面に中間層金属を加速して衝突させることにより、注入元素の入射する衝撃で注入元素粒子をポリイミド母材と混合することができる。
中間層2中の注入元素の注入量は、ポリイミドフィルム1の単位面積あたりで0.3〜15mg/mであることが好ましく、より好ましくは0.9〜10mg/mとされる。注入元素の注入量は、平滑な平面に成膜したときに0.5〜5nmの厚さになる量が好ましい。このような微量の注入元素を高いエネルギーを以て前記厚さを有する領域に注入し分散させているため、中間層2は緻密な金属層とはならない。なお、予め中間層2および導電層4が所望のパターン形状をなすように形成されていてもよい。
中間層2における注入元素の注入量が0.3mg/mよりも少ないと、ポリイミドフィルム1に対する導電層4の接合強度を十分に高めることができなくなる。注入量が15mg/mよりも多いと、ポリイミドフィルム1の表層部の構造の乱れが大きくなりすぎ、表層部内で破壊が生じて、かえって導電層4の付着強度が低下する。さらに、導電層4をエッチングでパターン加工する場合には、中間層2を同時にエッチングする必要が生じるが、中間層2が厚すぎるとエッチングの効率が低下するという問題もある。
中間層2における注入元素のより好ましい注入量は0.9〜10mg/mである。この範囲内であると、製造コストも安く、導電層4の接合強度を高める効果も安定している。なお、注入元素の注入量は、誘導結合高周波プラズマ分光分析法(ICP)などにより測定することが可能である。
中間層2の材質は、Mo,Cr,Ni,およびSiから選択される1種または2種以上であればよいが、本発明者らの実験によると、この中でも特にNi,Mo,Siを使用した場合に高い接合強度が得られ、耐久試験後でも高い接合強度を維持できることが判明した。
中間層2と導電層4との間に、導電層4と接合性の良い1層以上の第2中間層を蒸着してもよい。第2中間層としては、銅または銅を98質量%以上含む銅合金が好適であり、その場合には、高い電気伝導度を確保しつつ、フィルム基材と金属層の接合性をさらに改善することが可能である。第2中間層の厚さは5〜300nm程度が好ましい。
エッチング処理としては、湿式エッチングと乾式エッチングが使用できる。乾式エッチングの方が好ましい。ポリイミド表面を効果的に活性化することができるためである。真空中プラズマエッチング処理を行った後、インラインで大気解放することなく、金属成膜を行うことが最適である。
中間層2をポリイミドフィルム1上に形成するには、注入元素を通常の蒸着法よりも大きいエネルギーでポリイミドフィルム1に衝突させる必要がある。入射エネルギーを大きくするためには、以下のような方法が例示できるが、これらに限定されることはない。
(1)成膜真空度をより高真空にすることによりプラズマ発生電圧を上昇させ、スパッタ粒子を加速する。図3を用いて説明する。符号10は注入元素から主構成されたターゲットであり、その裏面側には磁石12が配置され、その磁力によりターゲット10の表面側にプラズマ14を発生させる。プラズマ14によりターゲット10の表面が叩かれ、注入元素の微粒子がターゲット10と対向して配置されたポリイミドフィルム1に入射する。この構成において、真空度を高めていくと、プラズマ14の発生電圧が上昇し、プラズマ14が激しくターゲット10を叩くようになり、ターゲット10から放出されるスパッタ粒子の速度が増す。装置構成が大きく異なるが十分なスパッタ粒子速度を得るためには、真空度は2.7×10−1Pa以下であることが好ましい。
(2)マグネトロンDCスパッタリング装置において、マグネットの磁力を弱め、プラズマ密度を下げることにより、スパッタ粒子を加速することができる。図3の例で説明すれば、磁石12の磁力を弱め、プラズマ密度を下げることにより、スパッタ粒子が加速される。十分なスパッタ粒子速度を得るためには、磁石を可動として、磁石とターゲット間の距離を大きくすればよい。最適な距離は、使用する装置のターゲットの形状および構成によって異なる。
(3)図4に示すように、ターゲット10と、ポリイミドフィルム1の裏面に配置された電極20との間に電源18を接続して、電極20に正電圧を印加することにより、ターゲット10から飛び出たスパッタ粒子をポリイミドフィルム1へ向けて加速する。
(4)図5に示すように、ターゲット10から飛び出たスパッタ粒子がポリイミドフィルム1に到着する前に、ポリイミドフィルム1へ向けてイオン照射装置24からイオンビーム26を連続照射し、このイオンビーム26でスパッタ粒子を加速し、ポリイミドフィルム1へ入射させる。十分なスパッタ粒子速度を得るためには、イオンビーム26の平均加速エネルギーは150〜1800eVであることが好ましく、より好ましくは600〜1800eVとされる。プラズマ電圧は250〜3000Vであることが好ましい。
(5)図6に示すように、イオン照射装置24からプラズマ源としてイオンビーム26をターゲット10に照射し、飛び出たスパッタ粒子をポリイミドフィルム1へ入射させる。イオンビーム26の平均加速エネルギーは150〜1800eVであることが好ましく、より好ましくは600〜1800eVとされる。プラズマ電圧は250〜3000Vであることが好ましい。
導電層4の材質は、銅または銅合金から選択される1種または2種以上であり、特に好ましくは純銅、または、ニッケル、亜鉛、もしくは鉄等を含む銅合金である。導電層4の厚さは10nm以上であればよく、より好ましくは30nm以上である。導電層4が厚すぎるとコストが高くなりすぎ、薄すぎるとめっき工程にて焼き切れる等の不良が発生しやすくなる。
導電層4を形成するには、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の薄膜形成技術により、中間層2を形成したポリイミドフィルム1上に金属を成膜するだけでもよいし、あるいは、ある程度の薄膜を前記各方法で成膜した後に、この蒸着膜上に電解めっき法や無電解めっき法等により金属めっき層を堆積させてもよい。
ポリイミドフィルム1の裏面に、酸素・水分遮蔽膜を形成してもよい。酸素・水分遮蔽膜は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化錫、酸化インジウム、フ化マグネシウム、酸化マグネシウム、アルミニウム、インジウム錫酸化物(ITO)から選択される1種または2種以上から形成される。酸素および水分の遮断性能に優れ、量産性にも優れる点から、酸化珪素および酸化アルミニウムが特に酸素・水分遮蔽膜として適している。
酸素・水分遮蔽膜の厚さは5〜300nmが好ましい。5nm未満であると十分に酸素および水分を遮蔽する効果が得られにくい。一方、300nmより大きくしても効果は変わらずコストが増える。酸素・水分遮蔽膜の厚さは、より好ましくは20〜150nmである。酸素・水分遮蔽膜の形成方法は限定されないが、物理蒸着法(PVD)または化学蒸着法(CVD)などが好適である。
酸素・水分遮蔽膜を形成した場合には、高温に曝された場合にも、ポリイミドフィルム1の裏面から酸素および水分が侵入しにくくなる。これにより、酸素および水分の存在下で導電層4中の銅が酸化され、生じた銅イオンがポリイミドと反応して加水分解を起こすことによるポリイミドの分解反応が抑制できる。したがって、中間層2の効果と相まって、従来品の使用環境よりも高い温度に長時間曝された場合にも、導電層4または中間層2がポリイミドフィルム1から剥離することが少なく、高い信頼性を得ることができる。特に、高温および水分に曝されやすい車載用の部品として好適である。上記効果の差は、例えば高温環境試験により評価することができる。
また、ポリイミドフィルム1の表面に特定の核形成元素を極微量付着させて中間層2を形成した上、導電層4を形成したことにより、ポリイミドフィルム1と導電層4との接合強度を高めることができる。したがって、この点からも、高温での使用時においても導電層4の接合強度を高く維持できる。また、中間層2が接する界面がBPDA系ポリイミド、PMDA系ポリイミドのいずれであっても、高い接合強度が得られるという効果を奏する。
次に実施例を挙げて本発明の効果を実証する。
[実施例1]
ポリイミドフィルム基材として、宇部興産株式会社製の「ユーピレックス−S」(商品名):25μm厚を使用し、このフィルム基材の両面に下記の条件でプラズマ表面処理を施した。
プラズマ表面処理条件:アルゴンガス、RF出力1.5kW、10min
フィルム基材をスパッタリング装置内にセットし、以下の条件で中間層と導電層を形成した。
中間層材質:Ni-Cr合金
成膜条件:アルゴンガス、DC出力0.3kW
マグネット:フェライト使用
イオンビーム照射:プラズマ電圧1000V
成膜厚さ:3nm
導電層材質:銅
成膜条件:アルゴンガス、DC出力4.5kW
マグネット:フェライト使用
成膜厚さ:200nm
さらに、得られた導電層上に硫酸銅浴により銅電解めっき層を18μmの厚さとなるように形成し、実施例1のサンプルを得た。
[比較例1]
実施例1と同じポリイミドフィルム基材に、プラズマ表面処理を行わずに、以下の通常のスパッタリング条件で中間層を形成した。この条件では、ポリイミドフィルムの表層部内に元素が十分に注入されることはない。
中間層材質:Ni-Cr合金
成膜条件:アルゴンガス、DC出力0.3kW
マグネット:フェライト使用
イオンビーム照射:なし
成膜厚さ:3nm
導電層材質:銅
成膜条件:アルゴンガス、DC出力4.5kW
マグネット:フェライト使用
成膜厚さ:200nm
さらに、得られた導電層上に硫酸銅浴により銅電解めっき層を18μmの厚さとなるように形成し、比較例1のサンプルを得た。
[比較実験]
実施例1および比較例1の金属化ポリイミドフィルムから幅10mm×長さ150mmの短冊状試験片を切り出した。IPC−TM−650(米国プリント回路工業会規格試験法)による方法で、フィルム基材と導電層間の剥離強度(ピール強度)を測定した。この試験法は、前記短冊状試験片のポリイミドフィルム側を6インチの直径のドラムの外周に周方向へ向けて接着固定したうえ、金属膜の一端を治具で5cm/分でポリイミドフィルムから90゜の方向へ剥離させながら引っ張り、それに要する荷重(kN/m)を測定する方法である。
一方、実施例1および比較例1の別の各試験片を加熱処理したうえで上記方法により剥離強度を測定した。加熱処理条件は、大気中にて150℃に168時間加熱保持する条件とした。
さらに、実施例1および比較例1の別の各試験片を加湿加熱処理(PCT処理)したうえで上記方法で剥離強度を測定した。PCT処理条件は、温度121℃、湿度100%にて、48時間保持する条件とした。
結果は表1に示す通りであった。
Figure 2010030304
表1に示すように、実施例1は、加熱処理した後、およびPCT処理した後のいずれにおいても高いピール強度を示した。
図7は実施例1において、中間層2およびその近傍における炭素(1s)、銅(2p)、ニッケル(2p)の元素濃度分布をXPS分析法により調べた結果である。図8は、比較例1について同様の測定を行った結果である。これらから明らかなように、図7に示す実施例1では、ポリイミドフィルムの表層部内にまで注入元素が進入しており、これにより高い接合強度が得られていると考えられる。一方、図8に示す比較例1では、ポリイミドフィルムの表層部内に注入元素が十分に進入しておらず、実施例1ほどは接合強度が高くない理由になっていると推測できた。
本発明によれば、ポリイミドフィルムの表層領域にMo,Cr,NiおよびSiから選択される1種又は2種以上の元素を注入した中間層を形成したことにより、中間層とポリイミドフィルムが一体化するため、導電層がポリイミドフィルムから剥離することが少なく、高い信頼性を得ることができる。
1 ポリイミドフィルム
2 中間層
4 導電層
10 ターゲット10
12 磁石
14 プラズマ
18 電源
20 電極
24 イオンビーム照射装置
26 イオンビーム

Claims (1)

  1. ポリイミドフィルムと、このポリイミドフィルムの表面から20nm以内の表層領域にMo,Cr,NiおよびSiから選択される1種又は2種以上の元素を注入した中間層と、
    この中間層上に形成された銅又は銅合金からなる導電層とを有し、
    前記中間層中の前記元素の注入量は0.3〜15mg/mであることを特徴とする金属化ポリイミドフィルム。
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