JP2013006278A - 接着剤付き金属薄膜フィルム及びその製造方法、並びに銅張り積層板及びその製造方法 - Google Patents

接着剤付き金属薄膜フィルム及びその製造方法、並びに銅張り積層板及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属層を良好に剥離することが可能で、プリプレグ上に形成された当該金属層とその上に形成される配線層やプリプレグ等との密着性を高くすることが可能で、かつプリント配線板とする際に微細配線の形成を可能とする接着剤付き金属薄膜フィルム等を提供する。
【解決手段】支持体フィルム上に、第1の金属層と第2の金属層と厚みが1〜20μmの接着剤層とをこの順に有し、前記第1の金属層のうち前記第2の金属層と接触する側が金属酸化膜となっており、当該金属酸化膜と前記第2の金属層とが剥離可能である接着剤付き金属薄膜フィルム等である。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板の製造に用いられる剥離可能な接着剤付き金属薄膜フィルム及びその製造方法に関する。また、プリント配線板の製造に用いられる銅張り積層板及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、多機能化に伴い、LSIやチップ部品等の高集積化が進み、その形態も多ピン化、小型化へと急速に変化している。このため、多層プリント配線板では電子部品の実装密度を向上させるために、微細配線化の開発が進められている。そして、微細配線に適したプリント配線板として、電気めっきを用いたセミアディティブ法によるプリント配線板の製造方法が注目されている。
このセミアディティブ法は、例えば、特許文献1にあるように、まず回路を形成したい樹脂表面にレーザー等でIVHとなる穴を形成する。その後、化学粗化やプラズマ処理等により数μmの凹凸を樹脂上に形成し、Pd触媒を付与し、厚さ1μm程度の無電解めっきを行う。そして、パターン電気めっきレジストを形成し、パターン電気めっきにより回路形成を行った後にレジスト及び回路以外の部分に存在する給電層を除去する。この手法は、サイドエッチングの大きいサブトラクティブ法に比べ、より微細な配線形成を可能とするものである。さらに、樹脂付き金属箔上にセミアディティブ法により回路形成を行う方法もある。
さらに、近年は金属箔の厚みを薄くするために、例えば、特許文献2にあるような支持金属箔上に5μm以下の厚みの金属箔が形成されている引き剥がし可能なタイプの金属箔が用いられる。この手法では、絶縁樹脂層の表面に無電解めっきを施す必要がなく、より信頼性の高いプリント配線板を作製できる。さらに微細配線の形成を可能とするために、引き剥がし可能な金属箔の表面の数μmの凹凸から、更に表面の凹凸を小さくする方法もある。
また、特許文献3にあるようにポリイミドフィルムの片面に電子ビーム蒸着装置を用いて1μm程度の銅層を形成し、接着剤やプリプレグを介して内層回路に積層し、セミアディティブ法の給電層とする方法もある。
特開平10−0004254号公報 特開2003−158364号公報 特開平7−221444号公報
上記公知の方法の内、数μmの凹凸を樹脂上に形成する方法や樹脂付き金属箔上にセミアディティブ法により回路形成を行う方法は、粗化形状が微細配線形成の妨げになる。また、銅箔では1μm以下の電解銅層を作製する場合、ピンホールが多くなってしまうという問題点がある。
さらに、引き剥がし可能な金属箔は一般的に電解めっきにより形成される。引き剥がし可能な金属箔を用いる場合、層間接続のために無電解めっきを用いる必要がある。そのため、微細配線の最終工程の給電層エッチングにおいて、給電層のエッチングレートと無電解めっきのエッチングレートの違いのために、無電解めっき部分が過剰にエッチングされてしまうという問題がある。また、凹凸を小さくした引き剥がし可能な金属箔は、絶縁樹脂層との接着力が低いという問題がある。
また、ポリイミドフィルムの片面に電子ビーム蒸着装置を用いて厚さ1μm程度の銅層を形成し、接着剤やプリプレグを介して内層回路に積層し、給電層とする方法は粗化形状を形成しないため、微細配線形成に有利であるが、電子ビーム蒸着法は、大面積の基板作製に適さず、基板自体が高価になってしまい汎用性が乏しい。また、るつぼを電気加熱して蒸着する一般的な蒸着法は、大面積の基板作製には適しているが、一般的にピンホールが多いという問題がある。また、電子ビーム蒸着法だけでなく、一般的に、蒸着法は金属のエネルギーが小さいために、絶縁層と金属層との接着力が弱いという問題がある。
さらに、近年、プリント配線板をロール・ツー・ロールで作製したいという要求が高まっており、これまでのプリント配線板の製造方法では、対応できなくなってきている。
以上から、(1)金属層を良好に剥離することが可能で、(2)プリプレグ上に形成された当該金属層とその上に形成される配線層やプリプレグ等との密着性を高くすることが可能で、かつ(3)プリント配線板とする際に微細配線の形成を可能とする接着剤付き金属薄膜フィルム及びその製造方法を提供することを目的とする。また、配線層等との密着性を高くすることが可能で、かつプリント配線板とする際に微細配線の形成を可能とする金属張り積層板及びその製造方法を提供する。
上記課題に鑑み鋭意検討した結果、本発明者らは、下記本発明に想到し当該課題が解決できることを見出した。すなわち、本発明は下記の通りである。
[1] 支持体フィルム上に、第1の金属層と第2の金属層と厚みが1〜20μmの接着剤層とをこの順に有し、
前記第1の金属層のうち前記第2の金属層と接触する側が金属酸化膜となっており、当該金属酸化膜と前記第2の金属層との間で剥離可能である接着剤付き金属薄膜フィルム。
[2] 前記第1の金属層が、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Mo、Pd、及びWからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む[1]に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
[3] 前記第1の金属層が、スパッタリング法を用いて形成されている[1]又は[2]に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
[4] 前記第1の金属層の厚さが、1〜500nmである[1]〜[3]のいずれかに記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
[5] 第2の金属層が、Cu、又はCuとAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Mo、Pd、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含んでいる[1]〜[4]のいずれかに記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
[6] 前記支持体フィルムの材質が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、又はポリエチレンナフタレートである[1]〜[5]のいずれかに記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
[7] 前記接着剤層を構成する接着剤がその構成成分としてエポキシ樹脂を含む[1]〜[6]に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
[8] 前記第2の金属層の膜厚が50〜1000nmである[1]〜[7]のいずれかに記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
[9] [1]〜[8]のいずれかに記載の接着剤付き金属薄膜フィルムとプリプレグとを、前記接着層が内側になるように重ね合わせ、加熱圧着することで一体化し、前記支持体フィルム上の金属酸化膜とその上の第2の金属層との間で剥離して得られる金属張り積層板。
[10] (1)支持体フィルム上に第1の金属層を形成する工程と、
(2)前記第1の金属層の表面を酸化して金属酸化膜を形成する工程と、
(3)前記金属酸化膜層上にスパッタリング法によって第2の金属層を形成する工程と、
(4)前記第2の金属層上に接着剤からなる接着剤層を1〜20μmの厚みで形成する工程と、を順次含む接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法。
[11] 前記(1)〜(4)の工程がロール・ツー・ロールプロセスで進行する[10]に記載の接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法。
[12] 前記(1)の工程において、第1の金属層を形成する前に、前記支持体フィルムの表面をクリーニング処理する[10]又は[11]に記載の接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法。
[13] 前記(2)の工程において、前記金属酸化膜層を形成する際の雰囲気を酸素雰囲気とする[10]〜[12]のいずれかに記載の接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法。
[14] [1]〜[8]のいずれかに記載の接着剤付き金属薄膜フィルムとプリプレグとを、前記接着層が内側になるように重ね合わせ、加熱圧着することで一体化し、前記支持体フィルム上の金属酸化膜とその上の第2の金属層とを剥離する金属張り積層板の製造方法。
本発明によれば、プリプレグ等に金属薄膜フィルムの所望の層のみを貼着させ、それ以外の層を良好に剥離することが可能で、当該所望の層とその上に形成される配線層やプリプレグ等との密着性を高くし、かつ微細配線の形成が可能な接着剤付き金属薄膜フィルム及びその製造方法を提供することができる。また、配線層等との密着性が高く、微細配線の形成が可能な銅張り積層板及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態として、接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法を工程順に示す説明図である。
[接着剤付き金属薄膜フィルム及びその製造方法]
本発明の接着剤付き金属薄膜フィルムは、支持体フィルム上に、第1の金属層と第2の金属層と厚みが1〜20μmの接着剤とをこの順に有してなる。そして、第1の金属層のうち第2の金属層と接触する側が金属酸化膜となっており、当該金属酸化膜と第2の金属層とがその間で剥離可能な構成となっている。
以下、本発明の接着剤付き金属薄膜フィルムについて詳細に説明する。
(支持体フィルム)
支持体フィルムは、本発明の接着剤付き金属薄膜フィルムを製造する際の支持体となるものであり、プリント配線板を製造するまでに、最終的に剥離又は部分的に除去されるものである。
支持体フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフテレート(以下、「PET」と省略することがある)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、更には離型紙や銅箔,アルミニウム箔等の金属箔を用いることができる。
支持体フィルムにはプラズマ処理やコロナ処理等、後述する第1の金属層との接着性を向上させる表面処理や接着剤の塗布処理が施されていても構わない。支持体フィルムの厚さは10〜150μmであることが好ましく、25〜50μmであることがより好ましい。
(第1の金属層)
第1の金属層は、本発明の接着剤付き金属薄膜フィルムを製造する際の支持体のフィルム上に形成される金属層であり、プリント配線板を製造するまでに、支持体のフィルムと共に剥離又は部分的に除去されるものである。
第1の金属層は支持体フィルムとの接着力を高くする必要があり、後述するように、表面を酸化させることが可能で、その上に形成した第2の金属層を剥離できる必要がある。これらを満たす第1の金属層の材料として好ましいものは、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Mo、Pd、及びWから選ばれる少なくとも1種類以上の金属を含有するものである。
前述のように、第1の金属層はプリント配線板を製造する際に、剥離又は部分的に除去されるものであるため薄いことが好ましい。また、その膜厚は支持体フィルムが露出されない程度に薄いことが好ましい。支持体フィルムが露出していると、後述する第2の金属層を形成した際に、支持体フィルムから第2の金属層までの接着力が高くなり、引き剥がす際に第2の金属層の一部が引き剥がされてしまう可能性があるためである。
そのため、第1の金属層の膜厚(金属酸化膜形成後)は1nm〜500nmであることが好ましく、3nm〜100nmであることがより好ましく、5nm〜50nmであることがさらに好ましい。1nm以上とすることで第1の金属層が連続膜として形成されやすくなり、支持体フィルムの露出も防ぐことができる。500nm以下とすることで、支持体フィルムの廃棄量を低減することが可能であり、環境面に配慮することができる。
第1の金属層の形成方法としては、無電解めっき法に代表されるウエットプロセスによって形成する方法や、蒸着法に代表されるドライプロセスによって形成する方法があるが、より薄い層で支持体フィルム上に金属層を形成する方法として、ドライプロセスによって形成することが好ましい。
ドライプロセスによって金属層を形成する方法としては、蒸着法、スパッタリング蒸着法、イオンプレーティング法が知られているが、一度に大面積の金属が形成でき、ピンホールが少ないスパッタリング蒸着法やイオンプレーティング法が好ましい。
なお、支持体フィルムの説明において述べたプラズマ処理やコロナ処理等の第1の金属層との接着性を向上させる表面処理や接着剤の塗布処理は、第1の金属層を形成する直前に施されても構わない。
また、これらの処理を支持体フィルムの表面を洗浄する(クリーニング処理)ことを目的として行っても構わない。
例えば、プラズマ処理は時間の経過に伴って処理の効果が低減することが知られている。そのため、第1の金属層の形成直前にプラズマ処理を施すことが好ましい。
さらに、支持体フィルムの表面を洗浄することを目的として、逆スパッタリング処理を施してもよい。
(金属酸化膜)
金属酸化膜は、既述の第1の金属層を一部酸化して形成した層であり、プリント配線板を製造する際に、支持体フィルム、第1の金属層と共に剥離又は部分的に除去されるものである。
金属酸化膜の形成方法としては、支持体フィルム上に第1の金属層を形成したものを、酸素を含む雰囲気下に晒すことによって自然的に、かつ均一に酸化を進める方法が安価であるために好ましい。例えば、槽内を一定の酸素濃度、圧力、温度に設定しておき、槽内に試料を投入し、その雰囲気下に一定時間さらすことによって形成されることが好ましい。ロール品であれば、ロール・ツー・ロールによって、金属層表面が一定時間、上記雰囲気下にさらされるように設定することが好ましい。
また、金属酸化膜は、酸素を含むプラズマ処理やイオンガン処理によって形成することもできる。これらの方法によれば、圧力等を加えることなく、金属酸化膜の膜厚を厚くすることが期待できる。しかし、プラズマやイオンガン等は酸素等がイオン化して金属酸化膜表面に帯電する可能性があるため、場合によっては、放電してしまう可能性がある。そのため、表面の帯電を取り除く手段等を講じたり、あらかじめ実験によって放電しない条件を求めたりしておくことが好ましい。
金属酸化膜の膜厚は、支持体フィルムと第1の金属層との接着力が損なわれない程度に厚いことが好ましい。理由としては、後述する第2の金属層をスパッタリング法によって形成する際に、高いエネルギーを持った一部の金属が金属酸化膜中に入りこむことが予想されるためである。もうひとつの理由は、プリント配線板の作製時にプリプレグと面するように重ね合わせ、加熱圧着によって一体化したのち、金属酸化膜と第2の金属層の間で剥離させるが、金属酸化膜の厚みが薄いと、加熱圧着時に金属酸化膜と第2の金属層の間の接着力が向上してしまい、剥離することができなくなってしまう可能性があるからである。これらを考慮して、金属酸化膜の厚みは、5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。5nm以上とすることで、金属酸化膜が連続膜になってうまく引き剥がせやすくなる。
また、金属酸化膜の膜厚と第1の金属層の膜厚との比(金属酸化膜/第1の金属層)は、0.01〜100であることが好ましく、0.1〜10であることがより好ましい。0.01〜100であることで、生産性に優れ、安価な材料を提供することができる。また、装置の性能によっても左右されるため、上記数値は実験から求められる事がさらに好ましい。
(第2の金属層)
第2の金属層は、既述の金属酸化膜上にスパッタリング法等を用いて形成した金属薄膜であり、プリント配線板を製造する際に、最終的に配線層の一部として使用される層である。第2の金属層は単一の金属である必要は無く、複数の金属が混合されたものであっても構わない。また、1層である必要はなく2層以上であっても構わない。
第2の金属層を形成する方法としては、スパッタリング法が好ましい。スパッタリング法によれば、大面積に成膜可能であり、かつピンホールの少ない第2の金属層を形成することが可能である。
第2の金属層を形成するスパッタリング法の条件としては、前述のように、プリント配線板の作製時の加熱圧着後に引き剥がせるように、金属酸化膜層間との接着強度が低くあることが必要である。また、一方で、第2の金属層を形成する工程や、後述の接着剤層を形成する工程で第2の金属層と金属酸化膜層の間で剥離が発生しない程度に接着強度が高いことが必要である。
上記の特性を満たす、金属酸化膜層と第2の金属層の接着強度や、スパッタリング成膜の条件は、適宜設定される。
例えば、第1の金属層の種類、金属酸化膜層の厚さ、第2の金属層の種類や厚さ、接着剤の形成方法及び種類や厚さ等に応じて、上記接着強度を所望の状態とすることができる。また、事前に実験を行うことで、真空度、電極間距離、ガス量、スパッタ速度、温度といったスパッタリング成膜の条件が決定される。
より具体的に説明すると下記の通りである。
厚さ25μmのポリイミドフィルムに第1の金属層の種類をCrとして50nmの厚さで形成する。次に、Crの金属酸化膜の厚さを20nmとして形成した後、第2の金属層として、スパッタリング法で200nmの厚さのCuを形成する。更に真空から取り出すことなくスパッタリング法を用いてCrを形成する。その後、真空から取り出して、180℃、3MPaのプレス条件でプリプレグを硬化させる。この際、硬化後に25μmのポリイミドフィルムと第1の金属層、金属酸化膜を除去する場合、1cmの幅でポリイミドフィルムならびに第1の金属層、金属酸化膜を50mm/分の速度で90℃の角度で引き剥がした場合、0.05kgf〜0.3kgf/cmの範囲になるように第2の金属層のスパッタリング条件を決定することが好ましい。
また、第2の金属層を形成する前に、プラズマ処理やコロナ処理等の表面処理を、金属酸化膜層と第2の金属層の接着強度を要求される範囲にするために行っても構わない。また、これらの処理は、支持体フィルムの表面処理と同じく、金属酸化膜の表面の洗浄の目的として行っても構わない。
第2の金属層の厚さは、セミアディティブ法の給電層として用いるため、薄いほうが好ましい。しかし、給電層が薄すぎる場合、薄膜効果のため給電層の抵抗が大きくなるため、大きな面積で電気めっきを行う場合に、基板の端部と中央部で電解めっきによる膜厚が大きく異なってしまうことが予測される。このようなことを考慮すると、膜厚は50〜1000nmであることが好ましく、100nm〜500nmであることがより好ましい。
また、第2の金属層の表面に、防錆処理を施しても構わない。防錆処理としては、金属による防錆処理の他、薄い有機皮膜を形成して防錆処理を施す場合もある。
(接着剤層)
接着剤層は、第2の金属層の上に接着剤の層を形成してなるものであり、プリント配線板を製造する際に、最終的に絶縁層の一部となる。
前述のように、これまでは銅箔の表面に凹凸を付与することによって、絶縁層との接着力を保持してきたが、本発明のように、第2の金属層の表面に凹凸を付与していない場合、第2の金属層と絶縁層の間の接着強度が低下したり、はんだ試験等の各種信頼性試験をクリアできなくなったりする。このため、第2の金属層の表面に接着剤の層を設ける。
接着剤層は、接着性を発揮する観点から半硬化の状態(完全に硬化していない状態)となっている。接着剤層が完全に硬化した場合であると、プリプレグの材料によっては、接着剤層とプリプレグを硬化した層との間で剥離が発生しやすくなる。
接着剤の構成成分としてはエポキシ樹脂を含有していることが好ましい。エポキシ樹脂は、耐熱性、耐アルカリ性等に優れるためである。また、接着剤に無機充填材や有機充填材を含んでも構わない。
ここで、「エポキシ樹脂」とは、分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂である。分子中に2つのエポキシ基を有する樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型等がある。また、分子中に、平均で2個よりも大きなエポキシ基を有する多官能エポキシ樹脂を使用してもよい。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂や、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独あるいは2種以上併用して用いることができる。
また、当該エポキシ樹脂の硬化剤としては、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等の多官能フェノール化合物、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等のアミン化合物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸共重合体等の酸無水物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
無機充填材は、例えばシリカ、溶融シリカ、タルク、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、エーロジル、炭酸カルシウムの中から選ばれるものが使用可能であり、これらは単独でもあるいは混合して用いても良い。
有機充填材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、シリコーン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂等よりなる均一構造の樹脂粒子、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、共役ジエン系樹脂等よりなるゴム状態のコア層と、アクリル酸エステル系樹脂、メタクリル酸エステル系樹脂、芳香族ビニル系樹脂、シアン化ビニル系樹脂等よりなるガラス状態のシェル層を持つコアシェル構造の樹脂粒子等が挙げられる。
接着剤層は、エポキシ樹脂や充填材、硬化剤等の組成物を有機溶剤中で混合、希釈、又は分散させ、それを塗工、乾燥によって形成することができる。プリント配線板の軽薄短小化のために、厚みは1〜20μmとし、1〜10μmとすることが好ましい。
接着剤層を形成する際の乾燥条件は特に限定されるものではないが、乾燥によって溶剤を揮発させた後に、Bステージの接着剤中に残存している溶剤(以下,残溶剤という)が、多層プリント配線板用の層間絶縁層用接着フィルムに対して20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下になるように、乾燥の条件を決めることが好ましい。
例えば、乾燥の温度は50〜150℃の範囲で行うことができる。乾燥の条件は予め実験によって適切な乾燥温度と時間を決めておくことが好ましい。
エポキシ樹脂や充填材、硬化剤等の組成物を混合する有機溶剤(以下、「溶剤」と省略することがある)として用いられるものは、当該組成物を溶解できる溶剤が好ましい。溶剤に溶けにくい樹脂や、無機充填材等溶剤に不溶なものが添加されている場合には、均一に分散できる溶剤が好ましい。
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(以下、「MEK」ということもある)、メチルイソブチルケトン(以下、「MIBK」ということもある)、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGM−Acということもある)等の酢酸エステル類、セロソルブ等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、プロピレングリコール類、ガンマブチルラクトン、その他にはジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。有機溶剤は2種類以上を組み合わせて用いても良い。
接着剤層上にさらに保護フィルムを形成しても構わない。保護フィルムは、異物の付着やキズを防止する目的に使用するものである。保護フィルムはラミネートや熱プレスといった加熱圧着の前に剥離される。
保護フィルムとしては、支持体フィルムと同様の材料を用いることができる。
本発明の接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法の各工程を、図1を参考に説明する。
但し、製造工程の順番は、本発明の目的を逸脱しない範囲では、特に限定しない。
なお、ここでは一枚のフィルムで説明しているが、必要に応じて、ロール状のフィルムにて、ロール・ツー・ロールで作製することがコストの上で好ましい。
(工程0)
工程0では、図1に示したように支持体フィルム1を用意する。
(工程1)
工程1は、図1に示したように、支持体フィルム1の上に第1の金属層2を形成する工程である。第1の金属層は前述のとおり、ウエットプロセスによる形成方法や、ドライプロセスによる形成方法があるが、金属層を薄く、ピンホールなく形成するために、ドライプロセスの中でもスパッタリング法やイオンプレーティング法が好ましい。
(工程2)
工程2は、図1に示したように、工程1で形成した金属の表面ならびに表面を含む一部の層を酸化し、金属酸化膜層3を形成する工程である。本工程は、前述のように、層内において、一定の酸素雰囲気、圧力下で所定時間、金属表面を曝すことによって形成する方法や、酸素イオンガンや酸素プラズマ等の方法によって形成することが好ましい。
(工程3)
工程3は、図1に示したように、工程2において形成した金属酸化膜表面にスパッタリング法を用いて第2の金属層4を形成する工程である。第2の金属層4の主成分はCuであることが好ましいが、場合に応じて、Ni等の異なる金属を同時スパッタリングして、第2の金属層4の一部をNi等にすることによって、プリント配線板のはんだ耐熱性等を向上させることができる。また、第2の金属層4は1層である必要はなく、複数層であっても構わない。
スパッタリング法による第2の金属層4の形成前に、プラズマ処理やコロナ処理によって、金属酸化膜の表面を処理しても構わない。ここで、スパッタリングの条件は、あらかじめ、実験等によって適切な条件を見出しておくことが好ましい。
また、前述のとおり、金属薄膜の表面を金属や有機皮膜、また、それらを組み合わせる方法によって、防錆処理を施しても構わない。
(工程4)
工程4は接着剤層5を形成する工程である。接着剤はエポキシ樹脂を含有していることが好ましく、必要に応じて、前述のとおり、有機充填材、無機充填材を含んでも構わない。接着剤は各組成を有機溶剤中で攪拌、分散等の処理を施し、金属薄膜上に塗工・乾燥によって形成する。接着剤はBステージである必要があり、その硬化度は、あらかじめ実験等によって決定しておくことが好ましい。また、必要に応じて接着剤の上に保護フィルムを形成しても構わない。
[金属張り積層板及びその製造方法]
本発明の金属張り積層板は、本発明の接着剤付き金属薄膜フィルムとプリプレグとを、接着層が内側になるように重ね合わせ、加熱圧着することで一体化し、支持体フィルム上の金属酸化膜とその上の第2の金属層とを剥離して得られる。
ここで「加熱圧着」とは、本発明の接着剤付き薄膜フィルムとプリプレグとを一体化する処理である。熱圧着の方法としては、熱プレス、ラミネート等がある。
例えば、ラミネートとしては、真空ラミネートを用いることができる。真空ラミネートとしては,市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。
ラミネートにおいて、本発明の多層プリント配線板用の層間絶縁層用接着フィルムが保護フィルムを有している場合には、その保護フィルムを除去した後、Bステージの接着層を回路パターンが形成された基板に対向させた状態で、加圧および加熱しながら圧着する。ラミネートの条件は、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは0.01〜1MPa/m2とし、真空度を20mmHg以下で行うことが好ましい。また、ラミネートの方式はバッチ式であってもロールでの連続式であっても良い。
本発明の接着剤付き金属薄膜フィルムをラミネートした後、ラミネートした試料を室温付近に冷却する。支持体フィルムを剥離する場合は剥離し、乾燥機中に投入して熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させる。熱硬化の条件は加熱温度が好ましくは120〜230℃、加熱時間が好ましくは30〜120分がよい。支持体フィルムは硬化後に取り除いてもかまわない。
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げ、更に図1を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
支持体フィルム1として、厚さ38μmのPETフィルムG2−38(帝人・デュポンフィルム社製、商品名)を用意し、ロードロック式スパッタリング装置型式SIH−350−T08(アルバック社製、商品名)を用いて第1の金属層として、Cr層を20nmの厚みで形成した。第1の金属層(Cr層)の形成条件は下記のとおりである。
(Cr層形成条件)
パワー:500W
アルゴン流量:100SCCM
真空度:7.0×10-1Pa
基板温度:室温(25℃)
成膜レート:34nm/min
次に、第1の金属層を酸化し、金属酸化膜層3を形成した。
酸化方法としては、真空槽を酸素で置換することにより形成した。この際の金属酸化膜3の膜厚は10nmであり、第1の金属層の膜厚は、5nmであった。
次に、金属酸化膜の表面にロードロック式スパッタリング装置型式SIH−350−T08(アルバック社製、商品名)を用いて、Cu層を200nm、Cu層上にCr層を10nmの厚みで成膜し、第2の金属層(Cu層上にCr層が形成された2層構成)を形成した。第2の金属層の形成条件は、下記の通りである。
(Cu層)
パワー:500W
アルゴン流量:100SCCM
真空度:7.0×10-1Pa
基板温度:室温(25℃)
成膜レート:52nm/min
(Cr層)
パワー:500W
アルゴン流量:100SCCM
真空度:7.0×10-1Pa
基板温度:室温(25℃)
成膜レート:34nm/min
次に、第2の金属層の上に接着剤層を形成した。接着剤としては、エポキシ樹脂を用い、コンマコーターを用いて乾燥によって、10μmの膜厚に設定するように塗工した。なお、接着剤の組成は以下のとおりである。
・ビフェニル構造を有するノボラック型エポキシ樹脂、NC−3000−H(日本化薬社製、エポキシ当量;289)を80重量部
・カルボン酸変性アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、XER−91SE−15(JSR株式会社製)を5重量部
・トリアジン含有クレゾールノボラック型フェノール樹脂、LA−3018−50P(DIC株式会社製、水酸基当量;151)9重量部
・フェノール性水酸基含有リン化合物、HCA−HQ(三光社製、水酸基当量;162)26重量部
・硬化促進剤として2PZ−CNS(四国化成工業社製)0.24重量部
・溶剤;メチルエチルケトン
以上の方法によって、250mm×250mmサイズの接着剤付き金属薄膜フィルムを作製した。
(実施例2)
第1の金属層として、NiとCrとの合金(モル比(Ni/Cr)=1/1)とし、他の構成を全て実施例1と同じにして、接着剤付き金属薄膜フィルムを作製した。第1の金属層の形成条件は、下記の通りである。
(Ni)
パワー:500W
アルゴン流量:100SCCM
真空度:7.0×10-1Pa
基板温度:室温(25℃)
成膜レート:30nm/min
(Cr)
パワー:500W
アルゴン流量:100SCCM
真空度:7.0×10-1Pa
基板温度:室温(25℃)
成膜レート:34nm/min
(実施例3)
第2の金属層として、CuとNiの合金(モル比(Cu/Ni)=9/1)を200nmの厚みで形成し、他の構成を全て実施例1と同じにして、接着剤付き金属薄膜フィルムを作製した。
(Cu)
パワー:500W
アルゴン流量:100SCCM
真空度:7.0×10-1Pa
基板温度:室温(25℃)
成膜レート:52nm/min
(Ni)
パワー:50W
アルゴン流量:100SCCM
真空度:7.0×10-1Pa
基板温度:室温(25℃)
成膜レート:3nm/min
(実施例4)
実施例1の金属酸化膜の形成方法として、ロードロック式スパッタリング装置型式SIH−350−T08(アルバック社製、商品名)に付属の酸素のリニアソースイオンガンLIS−38(AE社製、商品名)を用いて形成した。条件を下記に示す。他は、実施例1と同じにして、接着剤付き金属薄膜フィルムを作製した。
パワー:100W
酸素流量:100SCCM
真空度:1.0Pa
基板温度:室温(25℃)
搬送回数:10回
(実施例5)
実施例1の金属薄膜の形成前に、クリーニング処理として、逆スパッタリング処理を下記条件により形成した。他は、実施例1と同じにして、接着剤付き金属薄膜フィルムを作製した。
パワー;50W
Ar流量;100sccm
真空度;7.0×10-1Pa
基板温度:室温(25℃)
処理時間;10秒
(実施例6)
金属酸化膜上に形成する第2の金属層のCuとCrを、蒸着法を用いて形成した。蒸着法は一般的な蒸着方法である抵抗加熱方式蒸着装置SVC−700(サンユー電子社製)を用いて実施例1と同じ膜厚だけ形成し、接着剤付き金属薄膜フィルムを作製した。
(比較例1)
金属酸化膜を形成せず、その他については実施例1と同様にして、接着剤付き金属薄膜フィルムを作製した。
(比較例2)
第1の金属層をCuのみにし、その他については実施例1と同様にして、接着剤付き金属薄膜フィルムを作製した。
(比較例3)
第1の金属層を形成せず、したがって、金属酸化膜も形成することなく、その他については実施例1と同様にして、接着剤付き金属薄膜フィルムを作製した。
(比較例4)
接着剤層を形成することなく、その他については実施例1と同様にして、金属薄膜フィルムを作製した。
<加熱圧着後の剥離試験試料作製方法>
実施例1〜6及び比較例1〜4の接着剤付き金属薄膜フィルムを用いて、接着剤層側(比較例4は第2の金属層側)を内側にして、プリプレグGEA−679F(日立化成工業社製、商品名)と150℃、40kgf/cm2で30分間加熱圧着した。これらの試料を室温に冷却した。これによって、実施例1〜6及び比較例1〜4に係る金属張り積層板を作製した。
<接着強度測定試料作製方法>
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る金属張り積層板のうち、支持体フィルムを剥離できたものについて、N2雰囲気中で180℃60分間、加熱硬化した。その後、金属薄膜を給電層として電解めっき法を用いて25μmめっきCuを形成した。その後、エッチングによって、めっきCuおよび給電層の一部を除去し、接着強度測定用に10mmの短冊状の配線を形成し、実施例1〜6及び比較例1〜4に係る接着強度測定試料とした。
<表面粗さの測定>
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る金属張り積層板のうち、エッチングによってめっきCuおよび給電層の一部を除去した部分(樹脂が露出している部分)について、表面粗さを測定した。
測定には簡易型AFMであるナノピクス2100(SIIナノテクノロジーズ社製、商品名)を用いて、100μm×100μmのスケールで表面粗さの測定を行った。試験はN=5で行い、100μm×100μmのスケールでのRaを算出し、その平均値を下記表1−1及び表1−2に示した。また、10個の試験試料が得られなかったものについては、表中に「−」を示した。単位はnmである。
(試験の方法)
以上のように作製した各種の評価用試料を用いて、以下の試験を行った。
<加熱圧着後の剥離試験方法>
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る金属張り積層板を用いて、加熱圧着後の支持体フィルムを手によって剥離した。剥離できなかったもの、第2の金属層が支持体フィルムと共に剥離してしまったもの、試験試料の金属層ならびに金属酸化膜層(一部の試料はこれらが形成されていないものもある)が支持体フィルムから剥離してしまい、試料側に残ってしまったものをNGとした。それぞれの試料について10個試行し、NG数/試行回数の結果を下記表1−1及び表1−2に示した。
<金属薄膜ならびにめっきCuと接着剤層のピール強度測定方法>
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る接着強度測定試料を用いて、接着強度測定用に形成した短冊状の配線を、一端を回路層/樹脂界面で剥がし、つかみ具でつかみ、垂直方向に引張り速度約50mm/分で室温中で引き剥がして得た値をピール強度とした。結果を下記表1−1及び表1−2に示した。
なお、10回の試験を行い、その平均を示した。また、10個の試験試料が得られなかったものについては、表中に「−」を示した。単位はkN/mである。
<加熱処理後のピール強度測定方法>
実施例1〜6及び比較例1〜4に係る接着強度測定試料を150℃雰囲気下に240時間(10日間)放置した。その後、金属薄膜ならびにめっきCuと接着剤のピール強度測定方法と同様の試験を行い、加熱処理後のピール強度測定試験を行った。それぞれの試験について、ピール強度が0.4kN/mを下回ったものをNGとした。それぞれの試料について、10回の試験を行い、NG数/試験数の結果を下記表1−1及び表1−2に示した。
Figure 2013006278
表1−1及び表1−2から、本発明の接着剤付き金属薄膜フィルムを適用した金属張り積層板は、加熱圧着に支持体フィルムを剥離でき、第2の金属層ならびにそれを給電層として形成した電解めっきCu層と接着剤層の接着力(ピール強度)が加熱処理後においても良好な試験結果を示した。また、表面粗さも小さく、微細配線が形成できることがわかった。
一方、本発明の接着剤付き金属薄膜フィルムを適用しなかった場合、加熱圧着後に支持体フィルムが上手く剥離できなかったり、加熱処理後のピール強度が不十分であったりする結果を確認できた。
1・・・支持体フィルム
2・・・第1の金属層
3・・・第1の金属層の表面ならびに一部を酸化して形成される金属酸化膜層
4・・・第2の金属層
5・・・接着剤層

Claims (14)

  1. 支持体フィルム上に、第1の金属層と第2の金属層と厚みが1〜20μmの接着剤層とをこの順に有し、
    前記第1の金属層のうち前記第2の金属層と接触する側が金属酸化膜となっており、当該金属酸化膜と前記第2の金属層との間で剥離可能である接着剤付き金属薄膜フィルム。
  2. 前記第1の金属層が、Al、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Mo、Pd、及びWからなる群から選択される少なくとも1種の金属を含む請求項1に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
  3. 前記第1の金属層が、スパッタリング法を用いて形成されている請求項1又は2に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
  4. 前記第1の金属層の厚さが、1〜500nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
  5. 第2の金属層が、Cu、又はCuとAl、Si、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Zr、Mo、Pd、及びWからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含んでいる請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
  6. 前記支持体フィルムの材質が、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、又はポリエチレンナフタレートである請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
  7. 前記接着剤層を構成する接着剤がその構成成分としてエポキシ樹脂を含む請求項1〜6に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
  8. 前記第2の金属層の膜厚が50〜1000nmである請求項1〜7のいずれか1項に記載の接着剤付き金属薄膜フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の接着剤付き金属薄膜フィルムとプリプレグとを、前記接着層が内側になるように重ね合わせ、加熱圧着することで一体化し、前記支持体フィルム上の金属酸化膜とその上の第2の金属層との間で剥離して得られる金属張り積層板。
  10. (1)支持体フィルム上に第1の金属層を形成する工程と、
    (2)前記第1の金属層の表面を酸化して金属酸化膜を形成する工程と、
    (3)前記金属酸化膜層上にスパッタリング法によって第2の金属層を形成する工程と、
    (4)前記第2の金属層上に接着剤からなる接着剤層を1〜20μmの厚みで形成する工程と、を順次含む接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法。
  11. 前記(1)〜(4)の工程がロール・ツー・ロールプロセスで進行する請求項10に記載の接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法。
  12. 前記(1)の工程において、第1の金属層を形成する前に、前記支持体フィルムの表面をクリーニング処理する請求項10又は11に記載の接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法。
  13. 前記(2)の工程において、前記金属酸化膜層を形成する際の雰囲気を酸素雰囲気とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の接着剤付き金属薄膜フィルムの製造方法。
  14. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の接着剤付き金属薄膜フィルムとプリプレグとを、前記接着層が内側になるように重ね合わせ、加熱圧着することで一体化し、前記支持体フィルム上の金属酸化膜とその上の第2の金属層とを剥離する金属張り積層板の製造方法。
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