JP2004055618A - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法 Download PDF

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Masaru Nishinaka
西中賢
Taku Ito
伊藤卓
Mutsuaki Murakami
村上睦明
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Abstract

【課題】RCCを用いたビルドアップ多層プリント配線板の製造方法において、積層、デスミアあるいは無電解銅めっき工程で受ける熱、圧力、酸、アルカリなどによって、表面金属層が劣化する。
【解決手段】金属表面に保護層を設けたRCCを用い、表面金属保護層をつけたまま積層、デスミアあるいは無電解銅めっき工程を通すことによって、これらの工程で表面金属層が劣化することなく、高密度回路の形成が可能なビルドアップ多層プリント配線板を製造できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は多層プリント配線板の製造方法に関するものであり、更に詳しくはビルドアップ工法による多層プリント配線板の製造方法およびこれに使用される積層体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
表面に回路を形成したプリント配線板が、電子部品や半導体素子等を実装するために広く用いられている。近年の電子機器の小型化、高機能化の要求に伴い、プリント配線板には多層化、回路の高密度化が強く望まれており、多層プリント配線板が広く用いられている。多層プリント配線板の製造方法において、回路を形成した内層基板に絶縁層、導体層を順次積み上げていくビルドアップ工法は、ブラインドビア、ベリードビアの形成が可能であり、回路の高密度化に適している。このビルドアップ工法の1つに、ビルドアップ層に金属層/樹脂層の積層体、いわゆるRCCを用いる工法があり、生産性が良いことなどから広く用いられている。
【0003】
しかし、一般にRCCは銅箔に樹脂を塗布する事によって製造されるため、銅箔が一定以上の厚みを持つことが必要で、一般にはこの様な方法では3μm以下の金属層を持つRCCの作製は困難である。そのため、この様な方法で開発されたRCCによる回路の高密度化は困難である。一般的にこの様な手法で得られるRCCではライン/スペース(L/S)が20μm以下の高密度回路の形成は困難であると考えられている。
【0004】
これに対し、本発明者らは、乾式めっき法による厚み1μm以下の金属層を有するRCCを開発した。これによって、上記の銅箔への樹脂を塗布法の欠点を改良し、L/Sが20μm以下の高密度な微細回路を形成する事ができる(特願2001−206862)。
本発明者らは、さらに、実際に多層プリント配線板の製造工程において想定される、さまざまな条件にも耐えうる材料の検討を行った結果、このようなRCCにおいては、高密度に微細回路を形成することはできるものの、特に、金属層が薄くなる場合において、積層、穴開け、デスミア、めっきなどのビルドアップ多層基板の製造工程で、金属層が劣化する場合があることがわかった。この金属層の劣化は、熱、圧力、酸、アルカリなどによって様々なダメージを受けることが原因と考えられ、穴開け、デスミアなどの工程を経ると、金属層の酸化、剥離あるいは金属層と樹脂層の密着性の低下という現象となって現れる場合があることがわかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、RCCを用いたビルドアップ多層プリント配線板の製造方法であって,高密度回路の形成が可能なビルドアップ多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的としている。特に、金属層と樹脂層を有する積層体であって、例えば金属層が3μm以下と薄い積層体を用いて多層化する際に、積層、穴開け、デスミア、めっき等の製造工程を経た後にも、金属層の劣化がほとんど無く樹脂層との密着性も良好であるような、ビルドアップ多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の新規な製造方法によって上記課題を解決しうる。
1)金属層、樹脂層および金属層上に保護層を有する積層体を用いて多層化する多層プリント配線板の製造方法であって、保護層、金属層および樹脂層を貫通させるビアホール形成工程を含むことを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
2)さらにデスミアする工程を含むことを特徴とする1)記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
3)さらに、ビアホールに導電性を付与する工程、および、その後保護層を取り除く工程を含むことを特徴とする2)記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
4)さらに、保護層を取り除く工程、および、その後ビアホールに導電性を付与する工程を含むことを特徴とする2)記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
5)前記金属層の厚みが3μm以下であることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
6)前記金属層が乾式めっき法で形成されたものであることを特徴とする5)記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
7)前記保護層がポリエステル系高分子フィルム、フッ素系高分子フィルム、ポリイミド系高分子フィルム、あるいは金属箔のいずれかであることを特徴とする1)〜6)のいずれかに記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
8)前記保護層が、再剥離できる保護層であることを特徴とする1)〜7)のいずれかに記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
9)前記保護層が、粘着成分によって張り合わされている8)記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
10)前記樹脂層が、コアフィルム層と接着層を有することを特徴とする1)〜9)のいずれか一項に記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
11)リント配線板に用いるための、金属層、樹脂層および金属層上に保護層を有する積層体であって、金属層が3μm以下であり、かつ、多層プリント配線板のビアホール形成工程において、保護層、金属層および樹脂層が貫通されて使用される保護層付き積層体。
【0007】
金属表面に保護層を設ける事により金属層を劣化させることなく回路形成を行なう事ができる。
【0008】
また、金属表面保護層をつけたままビアホールの穴開け、デスミアを行なう事により金属層に悪影響をあたえる事なく、回路形成を行なう事が出来る。
【0009】
また、金属層が3μm以下と薄い金属層を用いる事により、本発明の方法により高密度の回路基板の形成が可能となる。また、乾式めっき法を用いることにより樹脂層に3μm以下の金属層を容易に形成することができる。
【0010】
保護層として、ポリエステル系高分子フィルム、フッ素系高分子フィルム、ポリイミド系高分子フィルム、あるいは金属箔のいずれかを用いる事により、ビアホール穴開け工程、デスミア工程、保護フィルムの剥離工程を、金属層に影響を与える事無く実施する事が出来る。
【0011】
また、保護層が、再剥離可能で、かつ粘着成分で貼りあわされているために、金属表面保護層を容易に剥離できる。
【0012】
また、樹脂層にコア層を設ける事により表面平滑性に優れた金属層の形成が可能で本発明のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法との組合せにより高密度回路形成が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図を用いて説明する。
図1は本発明に用いる保護層付きRCCを示した図であり、RCCは金属層2と樹脂層3の積層体となっている。そして、RCCの金属層2の表面に保護層1を設けた構造となっている。
【0014】
RCCは公知の製造方法が適用可能である。RCCにおける金属層2の形成方法は特に制限はないが、接着剤を用いて金属箔と樹脂層3とを貼り合わせる方法、金属箔に樹脂を塗布・乾燥する方法、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの方法で、樹脂層3に直接形成する方法が挙げられる。また、無電解めっきや電気めっき等の方法も適用可能である。回路の高密度化のためには、金属層2は薄い方が良く、3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が最も好ましい。また、金属層は、電気伝導性などの観点から銅または銅合金が好ましい。
【0015】
この範囲の厚みの金属層を形成するには蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法が好ましい。樹脂層3との密着性、生産性、等の点からスパッタリングが特に好ましい。樹脂層3との密着性を向上する目的で樹脂上に2種類以上の異種金属を積層しても良い。具体的には、ニッケル、クロム、チタンおよびそれらの合金を下地金属として樹脂上に積層しその後に銅または銅合金を用いることが好ましい。接着性、加工性からニッケルを下地金属とすることが好ましい。
【0016】
無論、本発明の方法は銅箔に樹脂を塗布する事によって製造される一般的なRCCにも適応可能である。しかし、一般にはこの様な方法では3μm以上の銅金属箔が用いられ、金属層自体が比較的厚い事と、アンカー効果によって樹脂層との強固な接合がなされているために、ビアホール形成工程、ビアホールクリーニング工程などによって金属層劣化する事が少ない。従って、金属層2は、薄い金属層を直接形成した場合や、銅箔を用いた場合でもより薄い金属層とした場合に、より本発明の効果を発揮する。
【0017】
保護層1は金属層表面保護の目的をもつ。フィルム状のものを貼り合わせる方法、樹脂などを塗布、乾燥する方法等があるが、生産性を考慮するとフィルム状の保護層を用いることが好ましい。
【0018】
本発明においては金属表面保護層は、ビルドアップ多層基板形成プロセスにおける、ビアホール穴開け工程、デスミヤ工程において金属層の保護をする目的をもち、しかる後に行なわれる無電解メッキ等のビアホールに導電性を付与する工程の前、あるいは該工程の後に取り除かれる。したがってこの金属表面保護層は少なくとも上記のプロセスにおいて金属表面を保護する役目を果たさねばならす、一方で金属表面保護層は必要に応じて金属層表面から除去しうるものでなければならない。
【0019】
したがって、フィルム状の保護層(保護フィルム)としては、耐熱性フィルムの片面に易剥離性、耐熱性を兼ね備えた粘着成分を塗布したものが好ましい。耐熱性フィルムとしては、PET等のポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド系樹脂や金属箔も使用可能である。易剥離性かつ耐熱性の粘着剤としては特に限定されるものではなく、一般にシリコン系、アクリル系、フッ素系等の樹脂が好ましく用いられる。樹脂成分が転写しにくく、回路形成その他に影響しないことから、アクリル系樹脂がより好ましい。アクリル系樹脂の重合成分としては、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−メチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレートなどがあげられる。
【0020】
RCCの樹脂層3は内層基板との接着性を有するものであれば、特に種類を制限されるものでなく、公知の多くの樹脂を適用でき、大きくは(A)熱可塑性樹脂を用いた熱融着性の樹脂、(B)熱硬化樹脂の硬化反応を利用した硬化型の樹脂に分けることができる。(A)熱融着性を与える熱可塑性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、フッ素樹脂、ポリアリレート樹脂、液晶ポリマー樹脂等が挙げられ、これらの1種または2種以上を適宜組合わせて本発明の積層体の接着層として用いることができる。中でも優れた耐熱性、電気信頼性等の観点より熱可塑性ポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
【0021】
次に(B)熱硬化樹脂の硬化反応を利用した硬化型の樹脂に関して説明する。熱硬化型樹脂としてはビスマレイミド樹脂、ビスアリルナジイミド樹脂、フェノール樹脂、シアナート樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、トリアジン樹脂、ヒドロシリル硬化樹脂、アリル硬化樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができ、これらを単独または適宜組み合わせて用いることができる。また、上記熱硬化性樹脂以外に高分子鎖の側鎖または末端にエポキシ基、アリル基、ビニル基、アルコキシシリル基、ヒドロシリル基,水酸基等の反応性基を有する側鎖反応性基型熱硬化性高分子を熱硬化成分として使用することも可能である。
【0022】
加熱接着時の接着剤の流れ性を制御する目的で、前記熱可塑性樹脂に熱硬化性樹脂を混合することも可能である。このためには、熱可塑性樹脂100重量部に対して、熱硬化性樹脂を1〜10000重量部、好ましくは5〜2000重量部加えるのが望ましい。熱硬化性樹脂が多すぎると接着層が脆くなるおそれがあり、逆に少なすぎると接着剤のはみ出しが生じたり、接着性が低下するおそれがある。本発明の積層体に用いる樹脂として、熱可塑性ポリイミド樹脂とエポキシ樹脂を混合したものが接着性、加工性、耐熱性などのバランスがよく好適である。
【0023】
樹脂層3として加工時に流動性を示さないコアフィルムを用い、コアフィルム層/接着層の2層構成とすることは、本発明のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法に取って好ましい。表面平滑性にすぐれたコアフィルムを用いる事により、コアフィルム上に設けられる金属層の表面平滑性を高める事が可能で、この事は高密度回路の形成には有利に働く事になる。さらにコアフィルム層を設ける事により積層時の内層回路と外層回路の間の絶縁層厚みを均一にすることができるのでインピーダンス制御の面からも好ましい。
【0024】
コアフィルムとしては特に制限はなく、加工時に流動性を示さないものであれば広く高分子樹脂フィルムを用いる事が出来るが、耐熱性、電気特性からポリイミドフィルムは特に好ましい。厚みは10〜75μm、好ましくは10〜50μm、引張り弾性率は4GPa以上、好ましくは6GPa以上、より好ましくは10GPa以上、線膨張係数は17ppm以下、好ましくは12ppm以下、より好ましくは10ppm以下、吸水率は2%以下、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1%以下のものが好適である。
【0025】
図2から図7は、本発明の保護層つきRCCを用いた多層プリント配線板の製造方法の1例を示したものである。
【0026】
まず、図2に示す様に内層基板の回路4上に保護層つきRCCを積層する。積層には、単板プレス、真空プレス、熱ロールラミネート、真空ラミネート等が適用できる。ロール状のRCCを用いて効率よく生産するには、真空ラミネートを用いて、内層基板に仮圧着した後、プレス、真空プレス等で加熱加圧して接着・積層するのが好ましい。
【0027】
次いで図3に示すように、金属層2上に保護層1をつけた状態で内層回路4と外層の金属層2を接続するビアホール7を穴開けする。穴開けには、パンチング加工、ドリル加工、レーザー加工、感光性樹脂を用いる方法、湿式のエッチングによる方法、プラズマ等の乾式エッチングによる方法などを単独であるいはこれらの方法を組み合わせて適用できる。微細加工、生産性、等の観点からレーザー加工法が最も一般的に用いられ、炭酸ガスレーザー、UV−YAGレーザー、エキシマレーザーが好ましく用いられる。特にUV−YAGレーザーは微細加工の観点からより好ましい。通常ビアホール内部には穴開け加工時の熱その他によりスミア8が残存する。本発明においてはこのビアホールの形成工程は保護フィルムを付けたままで行なうので保護フィルムはレーザー加工性に優れたものでかつ出来る限り薄い方が好ましい。先に述べたアクリル樹脂系フィルムはそのような目的には適当であった。また厚さは20μm以下が好ましく、10μm以下はより好ましい。
【0028】
図4は、デスミア処理によりビアホール7をクリーニングした状態示している。デスミアは、公知のデスミア処理が適用できる。一般にアルカリ性の水溶液あるいは溶剤を用いた膨潤工程、過マンガン酸を用いたエッチング工程、酸を用いた還元工程の3段階からなる湿式プロセスや、プラズマを用いるドライプロセスがある。装置の簡便さ、生産性等から湿式プロセスが一般的である。用いる樹脂、穴開け条件によって適正なデスミア液、条件が変化するために随時条件の適正化が必要である。
【0029】
図5は、内層回路4と外層の金属層2を導通する為に無電解めっき処理をした状態を示している。ビアホール内に無電解めっき層9を形成する。無電解銅めっきが電気伝導性などの点で優れているが、無電解銀めっき、無電解ニッケルめっき、無電解金めっきなども公知のめっき技術を適用できるほか、導電性ペースト、導電性粒子等の埋め込み等、公知の技術を適用できる。なおこのプロセスは図5に示すように保護フィルムを設けた状態で実施しても良く、保護フィルムを取り除いた後に実施しても良い。すなわち、本発明の保護層つきRCCを用いた多層プリント配線板の製造方法の他の例は、図4で示すデスミア工程の後、保護層1を剥離し、無電解めっき、電気めっきを行う方法である。この場合、保護層1剥離時にビアホール内の無電解めっき9に余分な力がかからない為、ビアの導通の欠陥を低減できる、と言う特徴がある。
【0030】
図6は、保護層1を除去した状態を示している。保護層1は、手その他の方法で容易に剥離できるものである。なお、熱プレスなどの工程で保護フィルムの剥離後、金属層表面に粘着剤が転写することがあれば、金属層2表面を溶剤などで洗浄しても良い。
【0031】
図7は、外層回路10を形成した状態を示している。回路形成には、サブトラクティブ法、アディティブ法、セミアディティブ法等、公知の方法が適用できる。特に本発明の手法は高密度回路の形成法として最も一般的なセミアディティブ法には好ましく用いられる。
【0032】
以上のように本発明の製造方法では、保護層を設けたままで、積層、穴開け、デスミア、無電解めっきの工程を通すことにより、金属層へのダメージを最小限にすることができ、薄い金属層についても樹脂層との密着性を損なうことがない。本発明の方法は特に金属層がスパッタリングやメッキなどの方法で形成された3μm以下の薄膜である場合に好ましく用いられ、本発明の方法によってライン/スぺース(L/S)が20/20  μm以下の高密度回路の形成が可能となる。
【0033】
【実施例1】
(RCCの作製)
(金属層の形成)厚み25μmのポリイミドフィルムの、一方の面にスパッタリングによりニッケル200Å、銅2000Åを積層した。
【0034】
(保護層の形成)厚み50μmのPETフィルムにアクリル系易剥離性粘着剤(厚み7μm)を塗布した保護フィルム( 河村産業製KT508−ZZ)を、上記スパッタリングした銅薄膜表面に、熱ロールラミネーターでラミネートした。
【0035】
(接着剤の合成)セパラブルフラスコにDMFと1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを9当量、3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニル1当量をとり、これらが完全に溶解するまで室温でよく撹拌し、その後氷で冷却した。次に、4、4´―(4、4´―イソプロピリデンジフェノキシ)ビスフタル酸無水物10当量を加え、1時間冷却撹拌し、ポリアミド酸のDMF溶液を得た。なおDMFの使用量はジアミノ化合物および芳香族テトラカルボン酸化合物のモノマー仕込濃度が、30重量%となるようにした。このポリアミド酸溶液を200℃で2時間真空乾燥し、イミド化させた。この熱可塑性ポリイミド樹脂5当量に対してエポキシ樹脂(エピコート1032H60:油化シェル製)を5当量、硬化剤として4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン1.5当量をジオキソランに溶解混合し、固形分濃度10重量%の接着剤溶液を得た。
【0036】
(接着剤の塗布)上記のポリイミドフィルムのスパッタリングしていない面に上記接着剤溶液をスピンコーターで乾燥後の接着剤厚みが9μmとなるように塗布した。
【0037】
以上の方法で、170℃2分間加熱乾燥し、保護フィルム層/スパッタ金属層/ポリイミドコアフィルム層/接着剤層からなるRCCを作製した。
【0038】
(多層プリント配線板の作製)
(積層)上記で得られた保護層付きRCCを、内層基板(回路厚み12μm、ライン幅/スペース幅=50μm/50μm、ランドパターン=直径100μm)に真空プレスを用いて温度180℃、加圧圧力3MPa、加熱加圧時間1時間の条件で積層した。
(穴開け)得られた保護フィルム/スパッタ層/コアフィルム/接着剤/内層基板からなる積層体をesi社製MODEL5310のUV−YAGレーザーを用い、表面と内層を結ぶビアホールを穴径50μmで穴開けした。
【0039】
(デスミア)アトテック社製過マンガン酸法デスミア液(商品名、セキュリガントP)を用い、(表1)記載の条件でデスミア処理した。
【0040】
【表1】
Figure 2004055618
(無電解めっき)アトテック社製無電解めっきプロセス(ノビガントMSK−DK)にしたがって無電解めっき処理した。
【0041】
(剥離)スパッタ層上の保護フィルムを手で剥離した。
【0042】
(回路形成)露出したスパッタ膜をシード層としてセミアディティブ法にて回路形成した。
【0043】
以上の工程により多層プリント配線板を作製した。
【0044】
(ピール強度測定)得られた多層プリント配線板を、JIS C6471(引き剥がし強さ:B法)により、作製した3mm幅のテストパターンのピール強度を測定した。パターン幅1cmあたりに換算したピール強度は5N/cmであった。また、剥離界面はポリイミドフィルムコアフィルムとスパッタニッケルの界面であった。
【0045】
【実施例2】デスミア工程の後保護フィルムを剥離し、無電解めっき、電気めっきと加工する以外は実施例1と同様の方法で得られた多層プリント配線板のピール強度を測定した。ピール強度は5N/cmであり、剥離界面はポリイミドコアフィルムとスパッタニッケル界面であった。
【0046】
【比較例1】
実施例1において、スパッタ層表面に保護フィルム層をラミネートせずにRCCを作製し、実施例1と同様の方法で多層プリント配線板を作製したところ、デスミア工程において、スパッタ層にクラックが入りスパッタ層が部分的に剥離したため回路形成ができなかった。
【0047】
【比較例2】
実施例1と同様の方法でRCCを作製し、内層基板に積層した後、保護フィルムを剥がしてから実施例1と同様の方法で(穴開け)(デスミア)(無電解めっき)(回路形成)の工程を通したところ、デスミア工程において比較例1と同様に、スパッタ層の剥離が起こり、回路形成ができなかった。
【0048】
【発明の効果】
以上、本発明の多層プリント配線板の製造方法は、RCCを用いたビルドアップ工法が有する課題すなわちRCCが積層、穴開け、デスミア、めっきなどの工程で熱、圧力、酸、アルカリなど様々なダメージを受け、金属層と樹脂層の密着が低下するという課題を解決し,特には金属層が薄くすなわち回路の高密度化に適したRCCを用いて、積層、穴開け、デスミア、めっきの後にも金属層と樹脂層の密着が良好である多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の多層プリント配線板製造方法に用いる保護層/金属層/樹脂層の積層体の図である。
【図2】図2は内層基板に本発明の多層プリント配線板製造方法に用いるRCCを積層した図である。
【図3】図3は本発明の多層プリント配線板製造方法により、ビアホールを穴開けした図である。
【図4】図4は本発明の多層プリント配線板製造方法により、ビアホールをデスミアした図である。
【図5】図5は本発明の多層プリント配線板製造方法により、無電解めっきをした図である。
【図6】図6は本発明の多層プリント配線板製造方法により、保護層を剥離した図である。
【図7】図7は本発明の多層プリント配線板製造方法により、外層の金属層に回路形成した図である。
【符号の説明】
1 保護層
1 金属層
1 樹脂層
1 内層回路
1 内層基板
1 内層ランド
1 ビアホール
1 ビアホール内のスミア
1 無電解めっき層
1 フィルドビア
1 外層回路

Claims (11)

  1. 金属層、樹脂層および金属層上に保護層を有する積層体を用いて多層化する多層プリント配線板の製造方法であって、保護層、金属層および樹脂層を貫通させるビアホール形成工程を含むことを特徴とするビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  2. さらにデスミアする工程を含むことを特徴とする請求項1記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  3. さらに、ビアホールに導電性を付与する工程、および、その後保護層を取り除く工程を含むことを特徴とする請求項2記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  4. さらに、保護層を取り除く工程、および、その後ビアホールに導電性を付与する工程を含むことを特徴とする請求項2記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  5. 前記金属層の厚みが3μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  6. 前記金属層が乾式めっき法で形成されたものであることを特徴とする請求項5記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  7. 前記保護層がポリエステル系高分子フィルム、フッ素系高分子フィルム、ポリイミド系高分子フィルム、あるいは金属箔のいずれかであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  8. 前記保護層が、再剥離できる保護層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  9. 前記保護層が、粘着成分によって張り合わされている請求項8記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  10. 前記樹脂層が、コアフィルム層と接着層を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のビルドアップ多層プリント配線板の製造方法。
  11. 多層プリント配線板に用いるための、金属層、樹脂層および金属層上に保護層を有する積層体であって、金属層が3μm以下であり、かつ、多層プリント配線板のビアホール形成工程において、保護層、金属層および樹脂層が貫通されて使用される保護層付き積層体。
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