JPH08332697A - 金属ポリマーフィルム - Google Patents

金属ポリマーフィルム

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JPH08332697A
JPH08332697A JP14182795A JP14182795A JPH08332697A JP H08332697 A JPH08332697 A JP H08332697A JP 14182795 A JP14182795 A JP 14182795A JP 14182795 A JP14182795 A JP 14182795A JP H08332697 A JPH08332697 A JP H08332697A
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cobalt
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JP14182795A
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Inventor
Akira Iwamori
暁 岩森
Takehiro Miyashita
武博 宮下
Masami Gotou
優実 後藤
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 プラスチックフィルムの片面上または両面上
に、チタン、コバルト、モリブテン、及びニッケルのう
ち、少なくとも2種以上含む合金層を形成し、該合金層
上に銅層を形成することを特徴とする金属ポリマーフィ
ルム。 【効果】 本発明の金属ポリマーフィルムは高温耐久性
が良好で、二次加工性時の性能劣化が、大幅に緩和され
たフレキシブル基板材料であり、半導体産業にとって、
極めて有用な発明である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチックフィルムと
りわけポリイミドフィルムに合金層を形成させた後、銅
層を形成させた金属ポリマーフィルムに関し、特に銅層
と合金層あるいは合金層とプラスチックフィルムの接着
性において高温耐久性の良好な金属ポリマーフィルムに
関する。このような金属ポリマーフィルムは主としてフ
レキシブル回路基板として用いられる。
【0002】
【従来の技術】絶縁性ポリマーフィルム上に金属フィル
ムが形成されたフレキシブル回路基板は膜厚約10μm
以上の金属フィルムとポリマーフィルムとを接着剤で接
合したものがあるが、接着剤の熱的特性がポリマーフィ
ルムの性能に劣ることや金属フィルムの膜厚が10μm
以上と厚いために、数10μmの微細加工が困難である
等の理由から半導体産業における高密度配線に対応でき
ない、寸法安定性が悪い、製品にそりがある等の問題が
あった。これを解決するために接着剤なしで金属フィル
ムを形成する技術が検討されてきた。これは、真空蒸
着、スパッタリング等の薄膜形成方法により金属薄膜を
形成した後、回路パターンの形成を行うものである。こ
の材料においては金属薄膜の膜厚が1μm以下と薄いた
め数10μm幅の微細加工も容易である。
【0003】すなわち、上記のごとくして形成された回
路パターンを基にして電解メッキ等によりさらに金属を
堆積、成長させることにより、微細加工された導電体を
形成する技術である。なお、後者の技術は半導体産業に
おける高密配線を可能にする技術であるが、回路形成工
程や電解メッキ工程等の後工程において接着力の低下が
問題となっていた。特開平02−98994号公報には
0.01〜5μmのクロム層をスパッターで形成するこ
と、特開昭62−181488号公報には5〜1000
nmのニッケル層やニッケル−クロム層を蒸着で形成す
ること、特開昭62−62551号公報にはクロム層を
蒸着で形成するすること、特公昭57−18357号公
報にはニッケル、コバルト、ジルコニウム、パラジュウ
ム等の金属層をイオンプレーティング法で形成するこ
と、特公昭57−18356号公報にはニッケル、ニッ
ケル含有合金層をインオプレーティング法で形成するこ
とを等の技術がすでに開示されている。
【0004】しかしながら、これらの公知の技術は一部
成功をおさめているものの、半導体産業における高密度
配線を可能にするための材料としては、未だ満足される
性能にはなく実用化の足かせになっていた。すなわち、
リソグラフィー技術を用いる回路パターン形成工程や通
電抵抗の低下や機械的強度向上のための形成パターン上
に金属層を積層する電解メッキ工程等において金属層が
ポリイミドフィルムから剥離する問題は一部解決された
ものの、金属層/ポリイミドフィルムからなるフレキシ
ブル回路基板のめざす本来の特徴である耐熱性において
充分な性能が達成できなかった。例えば、空気中で15
0℃程度の温度に24時間保持するだけで、金属層とポ
リイミドフィルムの接着性が著しく低下するという問題
が発生していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、プラスチック
フィルムにポリイミドフィルムを用い、本発明者等が接
着性低下の原因を鋭意調査したところ、ポリイミドフィ
ルムを通して透過する空気や酸素等反応性の気体が接着
性に影響を与えるていることを見いだし、さらに、通過
する気体を遮断するためのガスバリヤー性の層を設ける
ことで接着性の低下を防ぎ得ることを見いだした(特開
平06−29634号公報)。この結果、金属層/ポリ
イミドフィルムからなるフレキシブル回路基板材料を前
述のごとき過酷なプロセスをもつ半導体産業において実
用に供することが可能なものを得ることができた。具体
的な例を示せば、ガスバリヤー層としてポリイミドフィ
ルムの片面に、テトラメチルジシロキサンと酸素を原料
としたプラズマ化学気相蒸着法(P−CVD法)によ
り、実質的に酸化珪素層を30〜300nm厚みで形成
する方法を開示した。かかる方法は、フィルムのガスバ
リヤー性を飛躍的に向上させ、従って、高温強度の劣化
をも抑制することを見いだした。しかしながら、かかる
フィルムに対し曲げや切断といった2次加工を施した試
料の中には加熱試験を行うと接着性の低下が見られるも
のがあるという問題に遭遇した。
【0006】上記問題は、ポリイミドフィルムを通して
透過する反応性の気体が、ポリイミド面に接する金属層
と反応し、部分的に金属酸化物が生じる物と考えられ
る。この金属酸化物が剥離の主たる原因であると推定
し、また、金属層と接したポリイミド側も金属層が触媒
となって酸化されることも見いだした。
【0007】フレキシブル回路基板として金属層に銅層
を用いることが多いが、この場合、加熱後の接着性の低
下が特に問題となる。銅層を形成させたポリイミドフィ
ルムをスパッタ法により形成し、更にメッキ法により銅
層の厚みを厚くして形成した銅/ポリイミドフィルムに
おいて、150℃にて24時間処理すると接着強度が3
0%程度にまで下がる。この接着強度の下がった銅/ポ
リイミドフィルムを我々が解析したところ、ポリイミド
フィルム内に銅が拡散、酸化されて存在していることが
分かった。このため、この銅の拡散、酸化を防止するた
めに、銅層とポリイミド層の間に種々の金属中間層をス
パッタリング法により形成させ、銅のポリイミド層への
拡散を防止することを検討してきた。
【0008】この結果で、チタン、コバルト、モリブデ
ン、ニッケルを中間層として用いた場合、銅のポリイミ
ド層への拡散防止に効果があることを見いだした。しか
しながら、コバルトを中間層として用いた場合、150
℃、24時間の加熱処理によるコバルト層とポリイミド
層の接着強度の低下は抑えられ、接着強度の低下防止に
効果を有していたものの、銅層−コバルト層間、或いは
コバルト−コバルト層間で剥離し易くなっていることが
わかった。また、モリブデンを中間層として用いた場
合、モリブデン層とポリイミド層の接着強度の低下は、
殆ど見られなかったものの、充分な耐熱性効果を出すた
めにはある程度の厚みでモリブデン層を形成させる必要
があり、モリブデンは高価な金属であるため工業的生産
を考えるとコスト面で問題が残ることがわかった。
【0009】また、ニッケルを中間層として用いた場
合、ニッケル層とポリイミド層の接着強度の低下は、7
0%程度で、一定の効果を有していたものの、完全に接
着強度の低下を防止するには至らなかった。更に、チタ
ンを中間層として用いた場合、チタン層とポリイミド層
の接着強度の低下は99%で殆ど見られなかったが、回
路基板のエッチング工程、即ち塩化第二鉄溶液によるエ
ッチングが困難であるといった新たな問題に直面した。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を鋭意検討した
結果、中間層としてチタン、コバルト、ニッケル、モリ
ブデンから選ばれる、少なくとも2種以上の金属からな
る合金を中間層として用いることにより前述の問題が解
決されることを本発明者らは見いだした。即ち、コバル
ト系合金を中間層として用いた場合、銅層−コバルト層
間、コバルト−コバルト層間での接着強度が向上し、モ
リブデン系合金を中間層とした場合、加熱処理後の接着
強度を低下させることなくモリブデン使用量を削減で
き、ニッケル系合金を中間層とした場合、加熱処理後の
接着強度が向上し、チタン系合金を中間層として用いた
場合、塩化第二鉄溶液によるエッチングの容易さの面で
効果があるのである。
【0011】すなわち、本発明は、(1)プラスチック
フィルムの片面上または両面上に、チタン、コバルト、
モリブテン、及びニッケルのうち、少なくとも2種以上
含む合金層を形成し、該合金層上に銅層を形成すること
を特徴とする金属ポリマーフィルムであり、また、
(2)チタン、コバルト、モリブデン、及びニッケルの
うち、少なくとも2種以上含む合金層において、これら
の金属の含量が50wt%以上で、かつチタンを含む場
合は、チタンの割合が10〜40wt%の範囲であるこ
とを特徴とする81)記載の金属ポリマーフィルムであ
り、また、(3)プラスチックフィルムがポリイミドフ
ィルムであることを特徴とする(1)または(2)記載
の金属ポリマーフィルムであり、また、(4)合金層を
スパッタリング法で形成することを特徴とする(1)〜
(3)のいずれかに記載の金属ポリマーフィルムであ
り、また、(5)銅層をスパッタリング法で形成した
後、該銅層上にメッキ法により更に銅層を形成すること
を特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の金属ポ
リマーフィルムであり、また、(6)銅層をメッキ法の
みにて形成することを特徴とする(1)〜(4)のいず
れかに記載の金属ポリマーフィルムに関するものであ
る。
【0012】本発明により形成された金属ポリマーフィ
ルムは、高温試験時の特性を劣化のみならず二次加工時
の性能劣化が大幅に緩和されたフレキシブル回路基板材
料を提供するものである。
【0013】以下、具体的に説明する。本発明に用いる
プラスチックフィルムとは、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミ
ド、ポリアラミドイミド等のいわゆる耐熱性を有するフ
ィルムなら何れを用いても良いが、寸法安定性や、強度
の面で特にポリイミドフィルムが好ましい。ポリイミド
フィルムとして具体的な例を示すとすれば、カプトン、
ユーピレックス、アピカル等の商品名として、市場で入
手できるポリイミドフィルムを有効に用いることができ
る。プラスチックフィルムの厚みは特に制限はないが、
通常10〜1000μm程度である。
【0014】本発明で用いる中間層としての合金層とし
ては、チタン−コバルト系合金、コバルト−モリブデン
系合金、モリブデン−ニッケル系合金、ニッケル−チタ
ン系合金、ニッケル−コバルト系合金、チタン−モリブ
デン系合金、チタン−ニッケル−コバルト系合金、チタ
ン−ニッケル−モリブデン系合金、チタン−コバルト−
モリブデン系合金、モリブデン−ニッケル−コバルト系
合金、チタン−ニッケル−コバルト−モリブデン系合金
などを用い、これら合金には銅、ニオブ、タンタル、パ
ラジウムなどの金属を加えたものを用いても良い。
【0015】また、合金中におけるコバルト、及び/ま
たはモリブデン及び/またはニッケル及び/またはチタ
ンの含量としては、それぞれ少なくとも5wt%、好ま
しくは10wt%であり、これら全体(合計含量)で5
0wt%以上が好ましい。更に、チタンの含量は塩化第
二鉄溶液によるエッチング性の観点から10〜40wt
%程度がよい。その他の金属の添加量は0〜50%とな
る。コバルト、及び/またはモリブデン及び/またはニ
ッケル、及び/またはチタンの含量が50%より低い
と、加熱処理後の接着性の低下防止に効果がない。なお
チタンを用いた場合、チタン含量が10%よりあまりに
少ないと、チタンの加熱処理後の接着性の低下防止効果
がなく、40%を超えるとエッチングに難が残る。ま
た、これら金属ポリマーフィルムを工業的に製造する際
には、これら金属の中でもコストの高いモリブデンはそ
の含量をできるだけ抑えた方が望ましい。
【0016】合金層の製造方法は、例えば、真空蒸着
法、イオンプレティーング法、スパッタリング法、CV
D法等乾式の形成方法はもちろん、浸漬法、印刷法等の
湿式の薄膜形成方法も利用することができる。中でも薄
膜の接着性や薄膜の制御性に優れたスパッタリング法
が、特に用いるに好ましい方法である。スパッタリング
の方法において、特に限定される条件はなく、DCマグ
ネトロンスパッタリング、高周波マグネトロンスパッタ
リング、イオンビームスパッタリング等の方法が有効に
用いられる。形成すべき薄膜に対応させて適宜ターゲッ
トを選択して用いることは当業者の理解するところであ
る。
【0017】これら合金のスッパッタリング用ターゲッ
トの製造方法は、原料となる金属を湿式精錬後、還元
し、高純度粉末を製造する。その後、真空誘導溶解炉、
電子ビーム溶解炉、或いは真空ア−ク溶解炉等で溶解、
焼結させ、加工して行うが、市販のターゲットを購入す
るのが便利である。このような合金層の厚さは、ポリイ
ミド層との密着性を保てる厚さであればよく、10〜3
000nmが好ましい。膜厚があまりに薄すぎると金属
の積層されている部分と積層されていない部分が生じる
可能性があり、即ち合金薄膜の均一性で問題があり、逆
にあまり厚すぎると合金薄膜層の形成に時間を要し、生
産効率の面で好ましくない。
【0018】本発明は、前記合金層/プラスチックフィ
ルムから構成されるフィルムにおいて、該合金層の上に
さらに銅層を形成させることによって、フレキシブル回
路基板材料として好適に使用しうる金属ポリマーフィル
ムを提供するものである。本発明における金属ポリマー
フィルムの製造方法は、まず、好ましくはプラスチック
フィルムの表面を金属との密着性を上げるために前処理
行う。その方法は、金属ポリマーフィルムの主な用途が
回路基板であることを考えると、コロナ放電処理、プラ
ズマ処理、紫外線照射処理が好ましく、中でもプラズマ
処理は合金層の形成に用いられるスパッタリングと同一
装置で行える場合が多く、特に好ましい。そして、該プ
ラスチックフィルム上に合金層を前記方法で形成し、次
に、該合金層の上にスパッタリング法により銅薄膜を形
成させ、その後、メッキ法で銅層の厚みを厚くする方法
が好ましいが、合金層上に直接銅メッキしても良い。銅
薄膜の厚さは、通常5〜500nm程度であり、銅メッ
キの厚さは、通常5〜50μm程度である。
【0019】次に、本発明により製造される金属ポリマ
ーフィルムについて、プラスチックフィルムにはポリイ
ミドを用いて、より具体的に説明する。まず、図面につ
いて説明すると、図1は本発明の金属ポリマーフィルム
で、図2及び3は本発明の金属ポリマーフィルムを用い
て作ったフレキシブル回路基板用材料の一実施例を示す
ものである。1はポリイミドフィルム、2および2’は
合金層、3及び3’は銅薄膜、4、4’は回路用銅膜層
を示すものである。
【0020】本発明の基本となるのは、図1に示すよう
に、ポリイミドフィルム1と、該ポリイミドフィルムの
主面上に金属の合金層2、銅薄膜3が形成されてなる金
属ポリマーフィルムである。図2に示すように、該金属
ポリマーフィルムの銅薄膜3の上に回路用銅膜層4を形
成させて、フレキシブル回路基盤用材料とする。また、
本発明における金属ポリマーフィルムは、図3に示すよ
うに、上述の如くポリイミドフィルム1の一方の面に合
金層2を積層したもののみならず、合金層2’、ポリイ
ミドフィルム1、合金層2、といった両面に積層した多
層薄膜も含まれることは言うまでもない。ここで、2及
び2’の合金層はそれぞれ異なる合金を用いても良いこ
とも改めて言うまでもないことである。
【0021】合金層にコバルト−チタン系合金を用いた
場合について更に詳しく述べると、アルゴンガスによる
DCマグネトロンスパッタ法により、ポリイミドの主面
上にコバルト−チタン薄膜を形成させる。例えば、コバ
ルト85%−チタン15%の合金が用いられる。
【0022】本発明の金属ポリマーフィルムが、フレキ
シブル回路基板の製造を目的とした場合は、合金薄膜層
の厚みは銅層を形成させる方法に依存するところがあ
る。スパッタリングにより銅薄膜を50〜200nm程
度形成させた後、銅メッキを行う場合は合金薄膜の厚み
は50〜200nm程度で充分であるが、図3に示すよ
うに直接銅メッキを行う場合は、これより厚い方が良
く、200nm以上が望ましい。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例になんら制限される
ものではない。 (実施例1)膜厚が50.0μmのポリイミドフィルム
(カプトンV)を用い、この片面上に、酸素のグロー放
電でポリイミドフィルムの表面を処理した後、チタン−
コバルト合金[チタン15wt%,コバルト85wt
%]をターゲットとしてアルゴンガスによるDCマグネ
トロンスパッタリング法により厚さ50nmのチタン−
コバルト合金層を形成させた。その後、直ちに銅をター
ゲットとして、アルゴンガスによるDCマグネトロンス
パッタリング法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成
させた。次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施す
ことにより回路用の銅膜の厚みを20μmとした。
【0024】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力をピール強度測定法(IPC
TEST METHODS MANUAL No.2.
4.9 SUBJECT Peel Strengt
h,Flexible Printed Wiring
Materials)により測定したところ、常態強
度で平均1.2kg/cmであった。これを、150℃
のオーブンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力
を測定したところ、平均1.2kg/cmであり、接着
力の低下は見られなかった。また、150℃のオーブン
に入れる前に、当該フィルムを直径10mmのステンレ
ス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付けたのち、1
50℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、同様に
接着力を測定したところ、平均1.2kg/cmであ
り、この場合においても、接着力の低下はみられなかっ
た。
【0025】(実施例2)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、コバルトターゲット[純度99.9%]上にモリブ
テン板[純度99.9%]を面積比でコバルト:モリブ
デンが70:30になるようにセットして、アルゴンガ
スによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ
50nmのコバルト−モリブデン合金層を形成させた。
その後、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスに
よるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ25
0nmの銅薄膜層を形成させた。次に、当該銅薄膜の上
に銅の電解メッキを施すことにより回路用の銅膜の厚み
を20μmとした。
【0026】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.5kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.4kg/cm
であり、接着力の低下は6.7%であり、実用性能上、
何等問題はなかった。また、150℃のオーブンに入れ
る前に、当該フィルムを直径10mmのステンレス製の
丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃
のオーブンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力
を測定したところ、平均1.3kg/cmであり、接着
力の低下は13.3%であり、同様に実用性能上、何等
問題はなかった。
【0027】(実施例3)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、ニッケル−コバルト合金[ニッケル20wt%,コ
バルト80wt%]をターゲットとしてアルゴンガスに
よるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ50
nmのニッケル−コバルト合金層を形成させた。その
後、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスによる
DCマグネトロンスパッタリング法により厚さ250n
mの銅薄膜層を形成させた。次に、当該銅薄膜の上に銅
の電解メッキを施すことにより回路用の銅膜の厚みを2
0μmとした。
【0028】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.3kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.1kg/cm
であり、接着力の低下は15.4%であり、実用性能
上、何等問題はなかった。また、150℃のオーブンに
入れる前に、当該フィルムを直径10mmのステンレス
製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付けたのち、15
0℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、同様に接
着力を測定したところ、平均1.1kg/cmであり、
接着力の低下は15.4%であり、同様に実用性能上、
何等問題はなかった。
【0029】(実施例4)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、チタン−ニッケル合金[チタン20wt%,ニッケ
ル80wt%]をターゲットとしてアルゴンガスによる
DCマグネトロンスパッタリング法により厚さ50nm
のチタン−ニッケル合金層を形成させた。その後、直ち
に銅をターゲットとして、アルゴンガスによるDCマグ
ネトロンスパッタリング法により厚さ250nmの銅薄
膜層を形成させた。次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メ
ッキを施すことにより回路用の銅膜の厚みを20μmと
した。
【0030】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.1kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.0kg/cm
であり、接着力の低下は9.1%であり、実用性能上、
何等問題はなかった。また、150℃のオーブンに入れ
る前に、当該フィルムを直径10mmのステンレス製の
丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃
のオーブンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力
を測定したところ、平均1.0kg/cmであり、接着
力の低下は9.1%であり、同様に実用性能上、何等問
題はなかった。
【0031】(実施例5)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、チタンターゲット[純度99.9%]上にモリブデ
ン板[純度99.9%]を面積比でチタン:モリブデン
が35:65になるようにセットし、アルゴンガスによ
るDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ50n
mのチタン−モリブデン合金層を形成させた。その後、
直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスによるDC
マグネトロンスパッタリング法により厚さ250nmの
銅薄膜層を形成させた。次に、当該銅薄膜の上に銅の電
解メッキを施すことにより回路用の銅膜の厚みを20μ
mとした。
【0032】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.5kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.5kg/cm
であり、接着力の低下は認められなかった。また、15
0℃のオーブンに入れる前に、当該フィルムを直径10
mmのステンレス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き
付けたのち、150℃のオーブンに入れ、10日間保持
した後、同様に接着力を測定したところ、平均1.4k
g/cmであり、接着力の低下は6.7%であり、同様
に実用性能上、何等問題はなかった。
【0033】(実施例6)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、ニッケルターゲット[純度99.9%]上にモリブ
デン板[純度99.9%]を面積比でニッケル:モリブ
デンが50:50になるようにセットし、アルゴンガス
によるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ5
0nmのコバルト−ニッケル合金層を形成させた。その
後、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスによる
DCマグネトロンスパッタリング法により厚さ250n
mの銅薄膜層を形成させた。次に、当該銅薄膜の上に銅
の電解メッキを施すことにより回路用の銅膜の厚みを2
0μmとした。
【0034】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.1kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.0kg/cm
であり、接着力の低下は9.1%であり、実用性能上、
何等問題はなかった。また、150℃のオーブンに入れ
る前に、当該フィルムを直径10mmのステンレス製の
丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃
のオーブンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力
を測定したところ、平均1.0kg/cmであり、接着
力の低下は9.1%であり、同様に実用性能上、何等問
題はなかった。
【0035】(実施例7)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、チタン−コバルト合金[チタン15wt%,コバル
ト85wt%]ターゲット上にモリブデン板[純度9
9.9%]を面積比でチタン−コバルト合金:モリブデ
ンが70:30になるようにセットし、アルゴンガスに
よるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ50
nmのチタン−コバルト−モリブデン合金層を形成させ
た。その後、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガ
スによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ
250nmの銅薄膜層を形成させた。次に、当該銅薄膜
の上に銅の電解メッキを施すことにより回路用の銅膜の
厚みを20μmとした。
【0036】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.4kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.2kg/cm
であり、接着力の低下は14.3%であり、実用性能
上、何等問題はなかった。また、150℃のオーブンに
入れる前に、当該フィルムを直径10mmのステンレス
製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付けたのち、15
0℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、同様に接
着力を測定したところ、平均1.2kg/cmであり、
接着力の低下は14.3%であり、同様に実用性能上、
何等問題はなかった。
【0037】(実施例8)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、ニッケル−コバルト合金[ニッケル20wt%,コ
バルト80wt%]ターゲット上にチタン板[純度9
9.9%]を面積比でニッケル−コバルト合金:チタン
が80:20になるようにセットし、アルゴンガスによ
るDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ50n
mのチタン−コバルト−ニッケル合金層を形成させた。
その後、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガスに
よるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ25
0nmの銅薄膜層を形成させた。次に、当該銅薄膜の上
に銅の電解メッキを施すことにより回路用の銅膜の厚み
を20μmとした。
【0038】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.5kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.4kg/cm
であり、接着力の低下は6.7%であり、実用性能上、
何等問題はなかった。また、150℃のオーブンに入れ
る前に、当該フィルムを直径10mmのステンレス製の
丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃
のオーブンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力
を測定したところ、平均1.3kg/cmであり、接着
力の低下は13.3%であり、同様に実用性能上、何等
問題はなかった。
【0039】(実施例9)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、チタン−ニッケル合金[チタン20wt%,ニッケ
ル80wt%]ターゲット上にモリブデン板[純度9
9.9%]を面積比でチタン−ニッケル合金:モリブデ
ンが50:50になるようにセットし、アルゴンガスに
よるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ50
nmのチタン−モリブデン−ニッケル合金層を形成させ
た。その後、直ちに銅をターゲットとして、アルゴンガ
スによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ
250nmの銅薄膜層を形成させた。次に、当該銅薄膜
の上に銅の電解メッキを施すことにより回路用の銅膜の
厚みを20μmとした。
【0040】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.5kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.4kg/cm
であり、接着力の低下は6.7%であり、実用性能上、
何等問題はなかった。また、150℃のオーブンに入れ
る前に、当該フィルムを直径10mmのステンレス製の
丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃
のオーブンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力
を測定したところ、平均1.4kg/cmであり、接着
力の低下は6.7%であり、同様に実用性能上、何等問
題はなかった。
【0041】(実施例10)膜厚が50.0μmのポリ
イミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、
酸素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理し
た後、ニッケル−コバルト合金[ニッケル20wt%,
コバルト80wt%]ターゲット上にモリブデン板[純
度99.9%]を面積比でニッケル−コバルト合金:モ
リブデンが65:35になるようにセットし、アルゴン
ガスによるDCマグネトロンスパッタリング法により厚
さ50nmのニッケル−コバルト−モリブデン合金層を
形成させた。その後、直ちに銅をターゲットとして、ア
ルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法に
より厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。次に、当
該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施すことにより回路用
の銅膜の厚みを20μmとした。
【0042】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.5kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.5kg/cm
であり、接着力の低下は認められなかった。また、15
0℃のオーブンに入れる前に、当該フィルムを直径10
mmのステンレス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き
付けたのち、150℃のオーブンに入れ、10日間保持
した後、同様に接着力を測定したところ、平均1.4k
g/cmであり、接着力の低下は6.7%であり、同様
に実用性能上、何等問題はなかった。
【0043】(実施例11)膜厚が50.0μmのポリ
イミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、
酸素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理し
た後、ニッケル−コバルト合金[ニッケル20wt%,
コバルト80wt%]ターゲット上にモリブデン板[純
度99.9%]と、チタン板[純度99.9%]を面積
比でニッケル−コバルト合金:モリブデン:チタンが6
0:30:10になるようにセットし、アルゴンガスに
よるDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ50
nmのチタン−モリブデン−ニッケル−コバルト合金層
を形成させた。その後、直ちに銅をターゲットとして、
アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリング法
により厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。次に、
当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施すことにより回路
用の銅膜の厚みを20μmとした。
【0044】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.6kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.6kg/cm
であり、接着力の低下は認められなかった。また、15
0℃のオーブンに入れる前に、当該フィルムを直径10
mmのステンレス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き
付けたのち、150℃のオーブンに入れ、10日間保持
した後、同様に接着力を測定したところ、平均1.5k
g/cmであり、接着力の低下は6.3%であり、実用
性能上、何等問題はなかった。
【0045】(実施例12)膜厚が50.0μmのポリ
イミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、
酸素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理し
た後、ニッケル−コバルト合金[ニッケル20wt%,
コバルト80wt%]ターゲット上にモリブデン板[純
度99.9%]と、チタン板[純度99.9%]、銅−
パラジウム合金板[銅75%,パラジウム25%]、ニ
オブ板[純度99.9%]及びタンタル板[純度99.
9%]を面積比でニッケル−コバルト合金:モリブデ
ン:チタン:銅−パラジウム板:ニオブ板:タンタル板
が50:20:10:10:5:5になるようにセット
し、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリン
グ法により厚さ50nmのチタン−モリブデン−ニッケ
ル−コバルト−銅−パラジウム−ニオブ−タンタル合金
層を形成させた。その後、直ちに銅をターゲットとし
て、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリン
グ法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。次
に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施すことにより
回路用の銅膜の厚みを20μmとした。
【0046】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.6kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.6kg/cm
であり、接着力の低下は認められなかった。また、15
0℃のオーブンに入れる前に、当該フィルムを直径10
mmのステンレス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き
付けたのち、150℃のオーブンに入れ、10日間保持
した後、同様に接着力を測定したところ、平均1.6k
g/cmであり、接着力の低下は認められなかった。
【0047】(実施例13)膜厚が50.0μmのポリ
イミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、
酸素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理し
た後、チタン−コバルト合金[チタン15wt%,コバ
ルト85wt%]をターゲットとしてアルゴンガスによ
るDCマグネトロンスパッタリング法により厚さ200
nmのチタン−コバルト合金層を形成させた。その後、
当該チタン−コバルト薄膜の上に銅の電解メッキを直接
施すことにより回路用の銅膜の厚みを20μmとした。
【0048】かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミド
フィルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したと
ころ、常態強度で平均1.5kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、平均1.5kg/cm
であり、接着力の低下は見られなかった。また、150
℃のオーブンに入れる前に、当該フィルムを直径10m
mのステンレス製の丸棒に裏表5回ずつ計10回巻き付
けたのち、150℃のオーブンに入れ、10日間保持し
た後、同様に接着力を測定したところ、平均1.5kg
/cmであり、この場合においても、接着力の低下はみ
られなかった。
【0049】(比較例1)膜厚が50.0μmのカプト
ンフィルム(デュポン社製)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、銅をターゲットとして、アルゴンガスによるDCマ
グネトロンスパッタリング法により厚さ250nmの銅
薄膜層を形成させた。次に、当該銅薄膜の上に銅の電解
メッキを施すことにより回路用の銅膜の厚みを20μm
とした。かかる方法で得た回路用銅膜のポリイミドフィ
ルムに対する接着力を実施例1と同様に測定したとこ
ろ、常態強度で平均1.2kg/cmであった。これ
を、150℃のオーブンに入れ、10日間保持した後、
同様に接着力を測定したところ、低下が著しく、0.0
1kg/cm以下になってしまった。
【0050】(比較例2)膜厚が50.0μmのカプト
ンフィルム(デュポン社製)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、ニッケル−コバルト合金[ニッケル20wt%,コ
バルト80wt%]ターゲット上にモリブデン板[純度
99.9%]と、チタン板[純度99.9%]、銅−パ
ラジウム合金板[銅75%,パラジウム25%]、ニオ
ブ板[純度99.9%]及びタンタル板[純度99.9
%]を面積比でニッケル−コバルト合金:モリブデン:
チタン:銅−パラジウム板:ニオブ板:タンタル板が1
0:10:10:50:10:10になるようにセット
し、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリン
グ法により厚さ50nmのチタン−モリブデン−ニッケ
ル−コバルト−銅−パラジウム−ニオブ−タンタル合金
層を形成させた。その後、直ちに銅をターゲットとし
て、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリン
グ法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。次
に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施すことにより
回路用の銅膜の厚みを20μmとした。かかる方法で得
た回路用銅膜のポリイミドフィルムに対する接着力を実
施例1と同様に測定したところ、常態強度で平均1.2
kg/cmであった。これを、150℃のオーブンに入
れ、10日間保持した後、同様に接着力を測定したとこ
ろ、0.60kg/cmにまで下がった。
【0051】
【発明の効果】以上の実施例および比較例の示すところ
から明らかなように、本発明は高温耐久性が良好で、二
次加工性時の性能劣化が、大幅に緩和されたフレキシブ
ル基板材料を提供するもので、半導体産業にとって、極
めて有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属ポリマーフィルムの一実施例の層
構成
【図2】本発明のフレキシブル回路基板用材料の一実施
例の層構成
【図3】本発明のフレキシブル回路基板用材料の一実施
例の層構成
【符号の説明】
1 ポリイミドフィルム 2、2’ 合金層 3、3’ 銅薄膜 4、4’ 回路用銅膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/09 7511−4E H05K 1/09 A 3/38 7511−4E 3/38 C (72)発明者 福田 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 福田 信弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックフィルムの片面上または両
    面上に、チタン、コバルト、モリブテン、及びニッケル
    のうち、少なくとも2種以上含む合金層を形成し、該合
    金層上に銅層を形成することを特徴とする金属ポリマー
    フィルム。
  2. 【請求項2】 チタン、コバルト、モリブデン、及びニ
    ッケルのうち、少なくとも2種以上含む合金層におい
    て、これらの金属の含量が50wt%以上で、かつチタ
    ンを含む場合は、チタンの割合が10〜40wt%の範
    囲であることを特徴とする請求項1記載の金属ポリマー
    フィルム。
  3. 【請求項3】 プラスチックフィルムがポリイミドフィ
    ルムであることを特徴とする請求項1または2記載の金
    属ポリマーフィルム。
  4. 【請求項4】 合金層をスパッタリング法で形成するこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属ポ
    リマーフィルム。
  5. 【請求項5】 銅層をスパッタリング法で形成した後、
    該銅層上にメッキ法により更に銅層を形成することを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属ポリマー
    フィルム。
  6. 【請求項6】 銅層をメッキ法のみにて形成することを
    特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属ポリマ
    ーフィルム。
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