JPH08330693A - 耐熱性フレキシブル回路基板 - Google Patents

耐熱性フレキシブル回路基板

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JPH08330693A
JPH08330693A JP13771295A JP13771295A JPH08330693A JP H08330693 A JPH08330693 A JP H08330693A JP 13771295 A JP13771295 A JP 13771295A JP 13771295 A JP13771295 A JP 13771295A JP H08330693 A JPH08330693 A JP H08330693A
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copper
cobalt
film
polyimide film
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JP13771295A
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Inventor
Akira Iwamori
暁 岩森
Takehiro Miyashita
武博 宮下
Masami Gotou
優実 後藤
Shin Fukuda
福田  伸
Nobuhiro Fukuda
信弘 福田
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 銅または銅合金層、金属中間層、ポリイミド
フィルムの順に構成された銅ポリイミドフィルムにおい
て、150℃で24時間加熱しても、金属層とポリイミ
ド層間での接着強度の低下が5%以内に抑えられる程度
の厚みに、金属中間層としてコバルト層をスパッタリン
グ法により形成することを特徴とする耐熱性フレキシブ
ル回路基板。 【効果】 本発明の耐熱性フレキシブル回路基板は、1
50℃、24時間加熱しても金属層とポリイミド層間で
の接着強度の低下が低い、高温耐久性に優れるばかりで
はなく、二次加工時の性能劣化が大幅に緩和されたもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリイミドフィルムにコ
バルト層を形成した後、銅層を形成した耐熱性フレキシ
ブル回路基板に関し、特に、金属層とポリイミドフィル
ムの接着性において高温耐久性の良好なフレキシブル回
路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁性ポリマーフィルム上に金属フィル
ムが形成されたフレキシブル回路基板は、膜厚約10μ
m以上の金属フィルムとポリマーフィルムとを接着剤で
接合したものがあるが、接着剤の熱的特性がポリマーフ
ィルムの性能に劣ることや金属フィルムの膜厚が10μ
m以上と厚いために、数10μmの微細加工が困難であ
る等の理由から半導体産業における高密度配線に対応で
きない、寸法安定性が悪い、製品にそりがある等の問題
があった。これを解決するために接着剤なしで金属フィ
ルムを形成する技術が検討されてきた。これは、真空蒸
着、スパッタリング等の薄膜形成方法により金属薄膜を
形成した後、回路パターンの形成を行うものである。こ
の材料においては金属薄膜の膜厚が1μm以下と薄いた
め数10μm幅の微細加工も容易である。
【0003】すなわち、上記のごとくして形成された回
路パターンを基にして電解メッキ等によりさらに金属を
堆積、成長させることにより、微細加工された導電体を
形成する技術なのである。なお、後者の技術は半導体産
業における高密配線を可能にする技術であるが、回路形
成工程や電解メッキ工程等の後工程において接着力の低
下が問題となっていた。特開平02−98994号公報
には0.01〜5μmのクロム層をスパッタで形成する
こと、特開昭62−181488号公報には5〜100
0nmのニッケル層やニッケル−クロム層を蒸着で形成
すること、特開昭62−62551号公報にはクロム層
を蒸着で形成すること、特公昭57−18357号公報
にはニッケル、コバルト、ジルコニウム、パラジュウム
等の金属層をイオンプレーティング法で形成すること、
特公昭57−18356号公報にはニッケル、ニッケル
含有合金層をイオンプレーティング法で形成することを
等の技術がすでに開示されている。
【0004】しかしながら、これらの公知の技術は一部
成功をおさめているものの、半導体産業における高密度
配線を可能にするための材料としては、未だ満足される
性能にはなく、実用化の足かせになっていた。すなわ
ち、リソグラフィー技術を用いる回路パターン形成工程
や通電抵抗の低下や機械的強度向上のための形成パター
ン上に金属層を積層する電解メッキ工程等において金属
層がポリイミドフィルムから剥離する問題は一部解決さ
れたものの、金属層/ポリイミドフィルムからなるフレ
キシブル回路基板のめざす本来の特徴である耐熱性にお
いて充分な性能が達成できなかった。例えば、空気中で
150℃程度の温度に24時間保持するだけで、金属層
とポリイミドフィルムの接着性が著しく低下するという
問題が発生していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは接着性低
下の原因を鋭意調査したところ、ポリイミドフィルムを
通して透過する空気、酸素等の反応性の気体が接着性に
大きな影響を与えていることを見いだした。そこで、銅
層とポリイミドフィルムの間に、金属中間層としてチタ
ン層を形成したところ、酸素雰囲気下、150℃、24
時間の加熱処理においても金属層とポリイミド層におけ
る接着強度の低下は認められなかった。一方、アルミニ
ウムを中間層として用いた場合、酸素雰囲気下、150
℃、24時間の加熱処理における接着強度の低下防止に
効果はなかった。
【0006】チタンを中間層に用いた場合と、アルミニ
ウムを中間層に用いた場合とで、加熱処理前後における
剥離界面をオージェ電子分光法(AES)にて解析を行
ったところ、アルミニウム中間層の場合には、加熱処理
後の状態は銅がアルミニウム層を超えてポリイミド内へ
侵入していた。一方、チタン中間層の場合には、加熱処
理しても銅がチタン層を超えてポリイミド内へ侵入する
ことはなかった。即ち、チタン中間層の場合は、銅がポ
リイミド内へ拡散することを防ぐ拡散抑制効果を有して
いることがわかった。しかしながら、チタン中間層の場
合、フレキシブル回路基板のエッチング工程、即ち塩化
第二鉄溶液によるエッチングが困難であるといった新た
な問題に直面した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チタン中
間層以外で銅がポリイミド内へ拡散することを防ぐ拡散
抑制効果を有する中間層に関して、鋭意検討したとこ
ろ、コバルト中間層も有効であることを見いだした。
【0008】特公昭57−33718号公報においても
コバルトを中間層として用い、加熱処理後も接着強度の
低下は殆どないとしているが、加熱処理の温度が130
℃であり、本発明者らの目指す耐熱性より20℃も低
い。即ち、本発明者らは、加熱温度を150℃にするこ
とにより、高い耐熱性を有するフレキシブル回路基板を
提供することが可能になり、本回路基板をより広範囲な
用途に利用できること、更に、コバルト中間層の厚みは
1〜1000nmが良いとしているが、コバルト中間層
は、50nm未満の範囲においては150℃の加熱処理
では拡散抑制防止効果は有さないことを見いだした。
【0009】また、特公昭57−33718号公報の実
施例においては、ニッケル、パラジウム、ジルコニウ
ム、及びコバルトの中間層をイオンプレーティング法に
より蒸着させているが、こと150℃以上の高温耐熱性
に関しては、イオンプレーティング法よりもスパッタリ
ング法により金属中間層を形成させた方が接着強度の低
下防止が実現できることも見いだした。理由は定かでは
ないが、スパッタリングの方が安定して高いイオンエネ
ルギーを与えられることも一つの理由と思われる。
【0010】すなわち、本発明は、(1)銅または銅合
金層、金属中間層、ポリイミドフィルムの順に構成され
た銅ポリイミドフィルムにおいて、150℃で24時間
加熱しても、金属層とポリイミド層間での接着強度の低
下が5%以内に抑えられる程度の厚みに、金属中間層と
してコバルト層をスパッタリング法により形成すること
を特徴とする耐熱性フレキシブル回路基板であり、ま
た、(2)ポリイミドフィルムにプラズマによる表面処
理を施した後、金属中間層であるコバルト層を50〜5
00nmの厚みでスパッタリング法により形成し、その
上に銅または銅合金層を形成する請求項1記載の耐熱性
フレキシブル回路基板に関するものである。
【0011】本発明において金属層とは、銅または銅合
金層と、この上に金属中間層として形成したコバルト層
とからなる金属で形成された層を総称的に指称したもの
である。本発明においては、上記金属層とポリイミド層
間の接着強度をピール強度測定法(IPC TEST
METHODS MANUAL No.2.4.9SU
BJECT Peel Strength,Flexi
ble Printed Wiring Materi
als)により測定し、150℃、24時間加熱した後
も、その接着強度の低下が5%以内に抑えられるもので
ある。このように、本発明により形成される耐熱性フレ
キシブル回路基板は、高温試験時の特性を劣化のみなら
ず二次加工時の性能劣化が大幅に緩和されたフレキシブ
ル回路基板である。
【0012】本発明における銅合金層とは、銅とコバル
トの合金を示し、銅とコバルトの割合は特に限定はされ
ないが、実際上は銅20at%程度以上が好ましい。ま
ず、図面について説明するに、図1〜3は本発明のフレ
キシブル回路基板用材料の一実施例を示すものであっ
て、1はポリイミドフィルム、2、2’はコバルト中間
層、3、3’は銅薄膜、4、4’は回路用銅膜、を示す
ものである。
【0013】以下、これら図面を参照しつつ本発明を具
体的に説明する。本発明は、図1に示すような、ポリイ
ミドフィルム1と、該ポリイミドフィルムの主面上に金
属のコバルト中間層2、その上に銅薄膜層3、更にその
上に回路用銅膜4が形成されてなる耐熱性フレキシブル
回路基板である。
【0014】本発明における耐熱性フレキシブル回路基
板は、図2に示すように、上述の如くポリイミドフィル
ム1の一方の面にコバルト中間層2、その上に銅薄膜層
3、更にその上に回路用銅膜4が形成されて積層された
もののみならず、回路用銅膜4’、銅薄膜層3’、コバ
ルト中間層2’、ポリイミドフィルム1、コバルト中間
層2、銅薄膜層3、回路用銅膜4といった両面に積層さ
れた多層薄膜も含まれることは言うまでもない。更にま
た、図3に示すように、銅薄膜層3、3’の厚みを充分
厚く制御することにより回路用銅膜4、4’は形成させ
ない場合もある。
【0015】本発明に用いられるポリイミドフィルムに
関して、ポリイミドフィルムの膜厚は特に限定される条
件はないが、通常25μm〜125μmの膜厚のポリイ
ミドフィルムが用途に応じて適宜選択されて用いられ
る。ポリイミドフィルムとして具体的な例を示すとすれ
ば、カプトン、ユーピレックス、アピカル等の商品名と
して、市場で入手できるポリイミドフィルムを有効に用
いることができる。
【0016】さらに、ピロメリット酸無水物、ビフタル
酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、オ
キシジフタル酸無水物、ハイドロフランジフタル酸無水
物等の酸無水物と、メトキシジアミノベンゼン、4,
4’−オキシジアニリン、3,4’−オキシジアニリ
ン、3,3’−オキシジアニリン、ビスジアニリノメタ
ン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、p,p−アミ
ノフェノキシベンゼン、p,m−アミノフェノキシベン
ゼン、m,p−アミノフェノキシベンゼン、m,m−ア
ミノフェノキシベンゼン、クロル−m−アミノフェノキ
シベンゼン、p−ピリジンアミノフェノキシベンゼン、
m−ピリジンアミノフェノキシベンゼン、p−アミノフ
ェノキシビフェニル、m−アミノフェノキシビフェニ
ル、p−ビスアミノフェノキシベンジルスルホン、m−
ビスアミノフェノキシベンジルスルフォン、p−ビスア
ミノフェノキシベンジルケトン、m−ビスアミノフェノ
キシベンジルケトン、p−ビスアミノフェノキシベンジ
ルヘキサフルオロプロパン、m−ビスアミノフェノキシ
ベンジルヘキサフルオロプロパン、p−ビスアミノフェ
ノキシベンジルプロパン、o−ビスアミノフェノキシベ
ンジルプロパン、m−ビスアミノフェノキシベンジルプ
ロパン、p−ジアミノフェノキシベンジルチオエーテ
ル、m−ジアミノフェノキシベンジルチオエーテル、イ
ンダンジアミン、スピロビジアミン、ジケトンジアミン
等のアミンとを反応、イミド化して形成されるポリイミ
ドも本発明に効果的に用いることができる。
【0017】本発明におけるフレキシブル回路基板の製
造方法は、まず、ポリイミドフィルムの表面を金属との
密着性を上げるために前処理行うことが好ましい。その
方法は、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処
理が好ましく、中でもプラズマ処理は合金層の形成に用
いられるスパッタリングと同一装置で行える場合が多
く、特に好ましい。
【0018】コバルト中間層の形成は、薄膜の接着性や
薄膜の制御性に優れたスパッタリング法が特に用いるに
好ましい方法である。スパッタリングの方法において、
特に限定される条件はなく、DCマグネトロンスパッタ
リング、高周波マグネトロンスパッタリング、イオンビ
ームスパッタリング等の方法が有効に用いられる。形成
すべき薄膜に対応させて適宜ターゲットを選択して用い
ることは当業者の理解するところであるが、好ましく
は、99.9%以上のスパッタリング用コバルトターゲ
ットを用いる。
【0019】このようなコバルト中間層の厚さは、大気
中、150℃で24時間の加熱処理により銅粒子がポリ
イミド層内へ実質的に侵入しない(拡散抑制効果)程度
の厚みが最低必要で、50〜500nmが好ましい。膜
厚があまりに薄すぎると、このような条件下で銅粒子が
ポリイミド層内へ侵入してしまい拡散抑制層としての効
果を有さない。また、コバルト中間層の膜厚があまり厚
すぎるとコバルト中間層の形成に時間を要し、生産効率
の面で好ましくないばかりか、コバルト−コバルト間、
或いは銅−コバルト間で剥離し易くなる。
【0020】コバルト中間層上に形成される銅薄膜につ
いては、当業者が容易に理解するところの回路形成用の
材料である。本発明においては、それ以上の特に限定さ
れる要件はない。好ましくは純度99.99%以上の銅
が用いられる。銅薄膜は100nm以上の膜厚に形成さ
れるが、本発明はフレキシブル回路基板であり、そのま
まで用いられるよりもメッキ工程、半田工程を経て回路
が形成される。これらの後工程のことを考慮すると回路
加工を容易にするためには膜厚は200nm以上である
ことが望ましい。
【0021】尚、これら金属薄膜の膜厚は、スパッタリ
ング、或いはメッキ時に試料の一部にマスクを設け、そ
の後マスクをはずしてマスクした部分としてない部分と
の段差を段差測定機により測定することにより求めた。
段差部分の長さが装置の測定限界を超える場合は、スパ
ッタリング或いはメッキ時間を測定限界内に収まるよう
に調節して求めた。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例になんら制限される
ものではない。 (実施例1)膜厚が50.0μmのポリイミドフィルム
(カプトンV)を用い、この片面上に、酸素のグロー放
電でポリイミドフィルムの表面を処理した後、コバルト
をターゲットとしてアルゴンガスによるDCマグネトロ
ンスパッタリング法により厚さ100nmのコバルト薄
膜層を形成させた。その後、直ちに銅をターゲットとし
て、アルゴンガスによるDCマグネトロンスパッタリン
グ法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成させた。次
に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施すことにより
回路用の銅膜の厚みを20μmとした。
【0023】その後、当該基板上に2mm幅のマスキン
グテープを張り、塩化第二鉄溶液で不要な金属層を除去
した後、マスキングテープを除去し、金属層とポリイミ
ド層の接着強度をピール強度測定法(IPC No.
2.4.9)により測定したところ、常態強度で平均
1.50kg/cmであった。これを、150℃のオー
ブンに入れ、24時間保持した後、同様に接着力を測定
したところ、平均1.50kg/cmであり、接着力の
低下は認められなかった。更に、150℃のオーブンで
10日間保持した後、同様に接着力を測定したところ、
平均1.45kg/cmであり、接着力の低下は3.3
%であった。
【0024】また、150℃のオーブンに入れる前に、
当該フィルムを直径10mmのステンレス製の丸棒に裏
表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃のオーブ
ンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力を測定し
たところ、平均1.45kg/cmであり、この場合に
おいても、接着力の低下は3.3%であり、実用性能上
問題のないことを確認した。
【0025】(実施例2)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、コバルトをターゲットとしてアルゴンガスによるD
Cマグネトロンスパッタリング法により厚さ50nmの
コバルト薄膜層を形成させた。その後、直ちに銅をター
ゲットとして、アルゴンガスによるDCマグネトロンス
パッタリング法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成
させた。次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施す
ことにより回路用の銅膜の厚みを20μmとした。
【0026】その後、実施例1と同様な方法でピール強
度を測定したところ、常態強度で平均1.50kg/c
mであった。これを、150℃のオーブンに入れ、24
時間保持した後、同様に接着力を測定したところ、平均
1.45kg/cmであり、接着力の低下は3.3%で
あった。更に、150℃のオーブンで10日間保持した
後、同様に接着力を測定したところ、平均1.43kg
/cmであり、接着力の低下は4.7%であった。
【0027】また、150℃のオーブンに入れる前に、
当該フィルムを直径10mmのステンレス製の丸棒に裏
表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃のオーブ
ンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力を測定し
たところ、平均1.43kg/cmであり、この場合に
おいても、接着力の低下は4.7%であり、実用性能上
問題のないことを確認した。
【0028】(比較例1)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、コバルトをターゲットとしてアルゴンガスによるD
Cマグネトロンスパッタリング法により厚さ30nmの
コバルト薄膜層を形成させた。その後、直ちに銅をター
ゲットとして、アルゴンガスによるDCマグネトロンス
パッタリング法により厚さ250nmの銅薄膜層を形成
させた。次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを施す
ことにより回路用の銅膜の厚みを20μmとした。
【0029】その後、実施例1と同様な方法でピール強
度を測定したところ、常態強度で平均1.50kg/c
mであった。これを、150℃のオーブンに入れ、24
時間保持した後、同様に接着力を測定したところ、平均
1.20kg/cmであり、接着力の低下は20%であ
った。更に、150℃のオーブンで10日間保持した
後、同様に接着力を測定したところ、平均1.00kg
/cmであり、接着力の低下は33%であった。
【0030】また、150℃のオーブンに入れる前に、
当該フィルムを直径10mmのステンレス製の丸棒に裏
表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃のオーブ
ンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力を測定し
たところ、平均1.00kg/cmであり、この場合に
おいても、接着力の低下は33%であり、実用性能上問
題が残った。
【0031】(比較例2)膜厚が50.0μmのポリイ
ミドフィルム(カプトンV)を用い、この片面上に、酸
素のグロー放電でポリイミドフィルムの表面を処理した
後、コバルトをターゲットとしてアルゴンガスによるD
Cマグネトロンスパッタリング法により厚さ1000n
mのコバルト薄膜層を形成させた。その後、直ちに銅を
ターゲットとして、アルゴンガスによるDCマグネトロ
ンスパッタリング法により厚さ250nmの銅薄膜層を
形成させた。次に、当該銅薄膜の上に銅の電解メッキを
施すことにより回路用の銅膜の厚みを20μmとした。
【0032】その後、実施例1と同様な方法でピール強
度を測定したところ、常態強度で平均0.50kg/c
mであった。この場合の剥離モードを調べたところ、コ
バルト−コバルト間で剥離しており、ポリイミド層とコ
バルト層は強固に接着していることが分かった。
【0033】更に、これを、150℃のオーブンに入
れ、24時間保持した後、同様に接着力を測定したとこ
ろ、平均0.50kg/cmであり、接着力の低下は認
められなかったが、常態の場合と同様、コバルト−コバ
ルト間で剥離していた。更にまた、150℃のオーブン
で10日間保持した後、同様に接着力を測定したとこ
ろ、平均0.50kg/cmであり、接着力の低下は認
められなかったが、150℃で24時間保持した場合と
同様、実用性能上の問題が残った。
【0034】また、150℃のオーブンに入れる前に、
当該フィルムを直径10mmのステンレス製の丸棒に裏
表5回ずつ計10回巻き付けたのち、150℃のオーブ
ンに入れ、10日間保持した後、同様に接着力を測定し
たところ、平均0.50kg/cmであり、この場合に
おいても、接着力の低下は認められなかったが、実用性
能上問題が残った。
【0035】
【発明の効果】以上の実施例および比較例の示すところ
から明らかなように、本発明は、150℃、24時間加
熱しても金属層とポリイミド層間での接着強度の低下が
低い、高温耐久性に優れたフレキシブル基板を提供する
ものであり、半導体産業にとって、極めて有用な発明で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフレキシブル回路基板用材料の一実施
例の層構成
【図2】本発明のフレキシブル回路基板用材料の一実施
例の層構成
【図3】本発明のフレキシブル回路基板用材料の一実施
例の層構成
【符号の説明】
1 ポリイミドフィルム 2、2’ コバルト中間層 3、3’ 銅薄膜 4、4’ 回路用銅膜
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 すなわち、本発明は、(1)銅または銅
合金層、金属中間層、ポリイミドフィルムの順に構成さ
れた銅ポリイミドフィルムにおいて、150℃で24時
間加熱しても、金属層とポリイミド層間での接着強度の
低下が5%以内に抑えられる程度の厚みに、金属中間層
としてコバルト層をスパッタリング法により形成するこ
とを特徴とする耐熱性フレキシブル回路基板であり、ま
た、(2)ポリイミドフィルムにプラズマによる表面処
理を施した後、金属中間層であるコバルト層を50〜5
00nmの厚みでスパッタリング法により形成し、その
上に銅または銅合金層を形成する(1)記載の耐熱性フ
レキシブル回路基板に関するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 伸 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 福田 信弘 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅または銅合金層、金属中間層、ポリイ
    ミドフィルムの順に構成された銅ポリイミドフィルムに
    おいて、150℃で24時間加熱しても、金属層とポリ
    イミド層間での接着強度の低下が5%以内に抑えられる
    程度の厚みに、金属中間層としてコバルト層をスパッタ
    リング法により形成することを特徴とする耐熱性フレキ
    シブル回路基板。
  2. 【請求項2】 ポリイミドフィルムにプラズマによる表
    面処理を施した後、金属中間層であるコバルト層を50
    〜500nmの厚みでスパッタリング法により形成し、
    その上に銅または銅合金層を形成する請求項1記載の耐
    熱性フレキシブル回路基板。
JP13771295A 1995-06-05 1995-06-05 耐熱性フレキシブル回路基板 Pending JPH08330693A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004092452A1 (ja) * 2003-04-18 2004-10-28 Mitsui Mining & Smelting Co., Ltd. 2層フレキシブル銅張積層板及びその2層フレキシブル銅張積層板の製造方法
JP2008132757A (ja) * 2006-10-27 2008-06-12 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd フレキシブル銅張積層板製造用の表面処理銅箔及びその表面処理銅箔を用いて得られるフレキシブル銅張積層板
JP2011129685A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Jx Nippon Mining & Metals Corp 環境配慮型プリント配線板用銅箔

Cited By (3)

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