JP2011129685A - 環境配慮型プリント配線板用銅箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 プリント配線板用銅箔は、銅箔基材と、該銅箔基材表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを備え、被覆層には、Coが25〜900μg/dm2の被覆量で存在し、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のコバルトの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が10%以下で、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が20%以上を満たす。
【選択図】なし
Description
本発明に用いることのできる銅箔基材の形態に特に制限はないが、典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で用いることができる。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。屈曲性が要求される用途には圧延銅箔を適用することが多い。
銅箔基材の材料としてはプリント配線板の導体パターンとして通常使用されるタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
銅箔基材の表面の少なくとも一部には被覆層が形成されている。被覆する箇所には特に制限は無いが、絶縁基板との接着が予定される箇所とするのが一般的である。被覆層の存在によって絶縁基板との接着性が向上する。被覆層は、Co単層又は銅箔基材表面から順に積層した中間層及びCo層で構成されている。中間層は、Ni、Mo、Zn、Ti、V、Sn、Mn及びCrの少なくともいずれか1種を含むのが好ましい。中間層は、金属の単体で構成されていてもよく、例えば、Ni、Mo、Zn及びTiのいずれか1種で構成されるのが好ましい。中間層は、合金で構成されていてもよく、例えば、Ni、Zn、V、Sn、Cr、Mn及びCuの少なくともいずれか2種の合金で構成されるのが好ましい。また、中間層は、Niと、Zn、V、Sn、Mn及びCrのいずれか1種とからなるNi合金で構成されていてもよく、Cuと、Zn及びNiのいずれか1種又は2種とからなるCu合金で構成されていてもよい。一般に、銅箔と絶縁基板の間の接着力は高温環境下に置かれると低下する傾向にあるが、これは銅が表面に熱拡散し、絶縁基板と反応することにより引き起こされると考えられる。本発明では、予め銅の拡散防止に優れる上記中間層を銅箔基材の上に設けたことで、銅の熱拡散が防止できる。ここで、銅の拡散防止のために設ける種々の中間層の中で、Cu合金層には、表面へ拡散させたくない銅が含まれているが、銅を合金化しているため、表面への拡散は無く、良好な接着性を有すると共に、エッチング性にも悪影響を及ぼさない。
また、上記中間層よりも絶縁基板との接着性に優れたCo層を該中間層の上に設けることで更に絶縁基板との接着性を向上することができる。Co層の厚さは中間層の存在のおかげで薄くできるので、エッチング性への悪影響を軽減することができる。なお、本発明でいう接着性とは常態での接着性の他、高温下に置かれた後の接着性(耐熱性)及び高湿度下に置かれた後の接着性(耐湿性)も指す。
本発明においては、銅箔素材の表面の少なくとも一部は中間層及びCo層の順に被覆される。これら被覆層の同定はXPS、若しくはAES等表面分析装置にて表層からアルゴンスパッタし、深さ方向の化学分析を行い、夫々の検出ピークの存在によって中間層及びCo層を同定することができる。また、夫々の検出ピークの位置から被覆された順番を確認することができる。
一方、これら中間層及びCo層は非常に薄いため、XPS、AESでは正確な厚さの評価が困難である。そのため、本願発明においては、中間層及びCo層の厚さは単位面積当たりの被覆金属の重量で評価することとした。本発明に係る被覆層には、Co層が25〜900μg/dm2の被覆量で存在する。Coが25μg/dm2未満だと十分なピール強度が得られず、Coが900μg/dm2を超えるとエッチング性が有意に低下する傾向にある。Coの被覆量は好ましくは40〜500μg/dm2、より好ましくは80〜360μg/dm2である。
また、中間層が、Ni、Mo、Zn及びTiのいずれか1種で構成されているとき、該中間層には、Ni、Mo、Zn及びTiのいずれか1種が15〜1030μg/dm2の被覆量で存在することが好ましい。このとき、被覆量が15μg/dm2未満だと十分なピール強度が得られず、1030μg/dm2を超えるとエッチング性が有意に低下する傾向にある。さらに、この場合、中間層にはNiが15〜440μg/dm2、Moが25〜1030μg/dm2、Znが15〜750μg/dm2、又は、Tiが15〜140μg/dm2の被覆量で存在するのがより好ましい。
また、中間層が、Ni、Zn、V、Sn、Cr、Mn及びCuの少なくともいずれか2種の合金で構成されているとき、該中間層には、Ni、Zn、V、Sn、Cr及びMnのいずれか2種が20〜1700μg/dm2の被覆量で存在するのが好ましい。このとき、被覆量が20μg/dm2未満だと十分なピール強度が得られず、1700μg/dm2を超えるとエッチング性が有意に低下する傾向にある。
また、中間層が、Niと、Zn、V、Sn、Mn及びCrのいずれか1種とからなるNi合金で構成されているとき、該中間層が、被覆量が15〜1000μg/dm2のNi及び5〜750μg/dm2のZnからなるNi−Zn合金、合計被覆量が20〜600μg/dm2のNi及びVからなるNi−V合金、合計被覆量が18〜450μg/dm2のNi及びSnからなるNi−Sn合金、被覆量が20〜440μg/dm2のNi及び5〜200μg/dm2のMnからなるNi−Mn合金、被覆量が15〜440μg/dm2のNi及び5〜110μg/dm2のCrからなるNi−Cr合金で構成されているのが好ましい。
また、中間層が、Cuと、Zn及びNiのいずれか1種又は2種とからなるCu合金で構成されているとき、該中間層が、Znの被覆量が15〜750μg/dm2であるCu−Zn合金、Ni被覆量が15〜440μg/dm2であるCu−Ni合金、又は、Ni被覆量が15〜1000μg/dm2且つZn被覆量が5〜750μg/dm2であるCu−Ni−Zn合金で構成されているのが好ましい。
本発明に係る被覆層の断面を透過型電子顕微鏡によって観察したとき、最大厚さは0.5nm〜12nm、好ましくは1.0〜2.5nmであり、最小厚さが最大厚さの80%以上、好ましくは85%以上で、非常にばらつきの少ない被覆層である。被覆層厚さが0.5nm未満だと耐熱試験、耐湿試験において、ピール強度の劣化が大きく、厚さが12nmを超えると、エッチング性が低下するためである。厚さの最小値が最大値の80%以上である場合、この被覆層の厚さは、非常に安定しており、耐熱試験後も殆ど変化がない。TEMによる観察では被覆層中の中間層及びCo層の明確な境界は見出しにくく、単層のように見える(図1参照)。本発明者の検討結果によればTEM観察で見出される被覆層はCoを主体とする層と考えられ、中間層はその銅箔基材側に存在するとも考えられる。そこで、本発明においては、TEM観察した場合の被覆層の厚さは単層のように見える被覆層の厚さと定義する。ただし、観察箇所によっては被覆層の境界が不明瞭なところも存在し得るが、そのような箇所は厚さの測定箇所から除外する。
まず、被覆層最表面(表面から0〜1.0nmの範囲)には内部の銅が拡散していないことが、接着強度を高める上では望ましい。従って、本発明に係るプリント配線板用銅箔では、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のコバルトの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が10%以下とするのが好ましい。
本発明に係るプリント配線板用銅箔は、スパッタリング法により形成することができる。すなわち、スパッタリング法によって銅箔基材表面の少なくとも一部を、0.5〜5.8nmのCo層で被覆することでも製造することができる。または、厚さ0.25〜5.0nm、好ましくは0.3〜4.0nm、より好ましくは0.5〜3.0nmの中間層及び厚さ0.25〜2.5nm、好ましくは0.4〜2.0nm、より好ましくは0.5〜1.0nmのCo層で順に被覆することにより製造することができる。電気めっきでこのような極薄の被膜を積層すると、厚さにばらつきが生じ、耐熱・耐湿試験後にピール強度が低下しやすい。
ここでいう厚さとは上述したXPSやTEMによって決定される厚さではなく、スパッタリングの成膜速度から導き出される厚さである。あるスパッタリング条件下での成膜速度は、0.1μm(100nm)以上スパッタを行い、スパッタ時間とスパッタ厚さの関係から計測することができる。当該スパッタリング条件下での成膜速度が計測できたら、所望の厚さに応じてスパッタ時間を設定する。なおスパッタは、連続又はバッチ何れで行っても良く、被覆層を本発明で規定するような厚さで均一に積層することができる。スパッタリング法としては直流マグネトロンスパッタリング法が挙げられる。
本発明に係る銅箔を用いてプリント配線板(PWB)を常法に従って製造することができる。以下に、プリント配線板の製造例を示す。
実施例1〜6及び8〜44の銅箔基材として、厚さ18μmの圧延銅箔(日鉱金属製C1100)を用意した。圧延銅箔の表面粗さ(Rz)は0.7μmであった。また、実施例7の銅箔基材として、厚さ18μmの無粗化処理の電解銅箔を用意した。電解銅箔の表面粗さ(Rz)は1.5μmであった。
各種合金(f〜l)を以下の手順で作製した。まず、電気銅またはニッケルに表1(スパッタリングターゲットの合金成分〔質量%〕)に示す組成の元素をそれぞれ添加して高周波溶解炉でインゴットを鋳造し、これに600〜900℃で熱間圧延を施した。さらに500〜850℃で3時間均質化焼鈍した後、表層の酸化層を取り除き、スパッタリング用のターゲットとして使用した。
・装置:バッチ式スパッタリング装置(アルバック社、型式MNS−6000)
・到達真空度:1.0×10-5Pa
・スパッタリング圧:0.2Pa
・逆スパッタ電力:100W
・ターゲット:
中間層=a〜d、f〜l
Co層用=Co(純度3N)
・スパッタリング電力:50W
・成膜速度:各ターゲットについて一定時間約0.2μm成膜し、3次元測定器で厚さを測定し、単位時間当たりのスパッタレートを算出した。
キャスティング法としては、被覆層を設けた銅箔に対して、以下の手順により、ポリイミドフィルムを接着した。
(1)7cm×7cmの銅箔に対しアプリケーターを用い、宇部興産製Uワニス−A(ポリイミドワニス)を乾燥体で25μmになるよう塗布。
(2)(1)で得られた樹脂付き銅箔を空気下乾燥機で130℃30分で乾燥。
(3)窒素流量を10L/minに設定した高温加熱炉において、350℃30分でイミド化。
ラミネート法は、Co単層を被覆層として有する銅箔に対して行った。具体的には、Co単層(被覆層)側に接着剤付ポリイミドシート、ニッカン工業(株)製ニカフレックスCISVを、160℃、40分間、3MPaの条件で貼り合わせた。
50mm×50mmの銅箔表面の被膜をHNO3(2重量%)とHCl(5重量%)を混合した溶液に溶解し、その溶液中の金属濃度をICP発光分光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SFC−3100)にて定量し、単位面積当たりの金属量(μg/dm2)を算出した。なお、本発明において、Cu合金をターゲットとした場合のCuとその他の金属の付着量は同条件でCo箔上に成膜した場合の分析値を用いた。
被覆層のデプスプロファイルを作成した際のXPSの稼働条件を以下に示す。
・装置:XPS測定装置(アルバックファイ社、型式5600MC)
・到達真空度:3.8×10-7Pa
・X線:単色AlKαまたは非単色MgKα、エックス線出力300W、検出面積800μmφ、試料と検出器のなす角度45°
・イオン線:イオン種Ar+、加速電圧3kV、掃引面積3mm×3mm、スパッタリングレート2.0nm/min(SiO2換算)
・接着強度測定時のポリイミド硬化条件(350℃×30分)よりも過酷な条件の熱履歴(350℃×120分)を施した被膜を分析した。
被覆層をTEMによって観察したときのTEMの測定条件を以下に示す。後述の表中に示した厚さは、観察視野中に写っている被覆層全体の厚さを1視野について50nm間の厚さの最大値、最小値を測定し、任意に選択した3視野の最大値と最小値を求め、最大値、及び、最大値に対する最小値の割合を百分率で求めた。また、表中の「耐熱試験後」のTEM観察結果とは、試験片の被覆層上に上記手順によりポリイミドフィルムを接着させた後、試験片を下記の高温環境下に置き、得られた試験片からポリイミドフィルムを90°剥離法(JIS C 6471 8.1)に従って剥離した後のTEM像である。図1に、実施例1のTEMによる成膜後の観察写真を例示的に示す。中間層は図1からは確認できない。これは該当部が銅合金層になっていて母材の銅箔と区別がつかなくなっているためである。図1で確認されるのはCo層であると推定される。本発明では母材との境界が明瞭である層のみの厚みを計測した。
・装置:TEM(日立製作所社、型式H9000NAR)
・加速電圧:300kV
・倍率:300000倍
・観察視野:60nm×60nm
上記のようにしてポリイミドを積層した銅箔について、ピール強度を積層直後(常態)、温度150℃で空気雰囲気下の高温環境下に168時間放置した後(耐熱性)、及び温度40℃°相対湿度95%空気雰囲気下の高湿環境下に96時間放置した後(耐湿性)の三つの条件で測定した。ピール強度は90°剥離法(JIS C 6471 8.1)に準拠して測定した。
上記のようにして作製した銅箔の該被覆層に白いテープを貼り付け、エッチング液(塩化銅二水和物、塩化アンモニウム、アンモニア水、液温50℃)に7分間浸漬させた。その後、テープに付着したエッチング残渣の金属成分をICP発光分光分析装置により定量し、以下の基準で評価した。
×:エッチング残渣が180μg/dm2以上
△:エッチング残渣が90μg/dm2以上180μg/dm2未満
〇:エッチング残渣が90μg/dm2未満
例1で使用した圧延銅箔基材の片面にスパッタ時間を変化させ、後述の表の厚さの被膜を形成した。被覆層を設けた銅箔に対して、例1と同様の手順により、ポリイミドフィルムを接着した。
例1で使用した圧延銅箔基材の片面に、特開2008−132757号公報に教示された方法をもとにCoめっきを施した。例1と同様の手順により、この処理面にポリイミドフィルムを接着した。
・硫酸コバルト 2g/l(Co換算)
・りん酸カリウム 80g/l
・pH 10
・浴温 40℃
・電流密度 8A/dm2
Co単層を被覆層とした場合、熱履歴が比較的軽度であるラミネート法によりCCLを製造すると、常態ピール強度からの耐熱ピール強度及び耐湿ピール強度の低下は小さかった(実施例2)。一方、ラミネート法に比べると熱履歴が過酷であるキャスティング法によりCCLを製造すると、常態ピール強度からの耐熱ピール強度及び耐湿ピール強度の低下は大きかった(実施例3)。なお、樹脂によっては本実施例で採用した熱履歴よりも過酷な条件でポリイミドの硬化が行われるので、耐熱ピール強度及び耐湿ピール強度がさらに低下することも有りうる。
図2に実施例3の銅箔(Co層成膜後)のXPSによるデプスプロファイルを示す。表層はCoで覆われており、接着界面にはCuが存在せず、表層から1nmの範囲内では、電気めっきとは異なり、Coの原子濃度比は60%を超えていた。ポリイミド加熱相当の熱処理後でも接着界面へのCuの拡散は認められなかった。
比較例2は、Coの被覆量が900μg/dm2超であり、エッチング性が不良であった。
比較例3〜28は、Coの被覆量が25〜900μg/dm2の範囲内であったが、中間層に用いた各種元素に係る被覆量に起因して、各種ピール強度又はエッチング性が不良であった。
比較例29は、Coの付着量が25〜900μg/dm2の範囲内であったにもかかわらず、耐熱及び耐湿ピール強度が不良であった。これは、電気めっきで形成されたCo層は接着界面のCo原子濃度が低く、また、被覆層が欠陥を含むため、銅箔からのCu原子の拡散が起こったためであると推定される。
Claims (20)
- 銅箔基材と、該銅箔基材表面の少なくとも一部を被覆する被覆層とを備えたプリント配線板用銅箔であって、
被覆層には、Coが25〜900μg/dm2の被覆量で存在し、
XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のコバルトの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が10%以下で、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が20%以上を満たすプリント配線板用銅箔。 - Coが40〜500μg/dm2の被覆量で存在する請求項1に記載のプリント配線板用銅箔。
- Coが80〜360μg/dm2の被覆量で存在する請求項2に記載のプリント配線板用銅箔。
- 被覆層が、銅箔基材表面から順に積層した、金属の単体又は合金からなる中間層及びCo層で構成され、該中間層が、Ni、Mo、Zn、Ti、V、Sn、Mn及びCrの少なくともいずれか1種を含む請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
- 被覆層が、銅箔基材表面から順に積層した、Ni、Mo、Zn及びTiのいずれか1種で構成された中間層、及び、Co層で構成され、該中間層には、Ni、Mo、Zn及びTiのいずれか1種が15〜1030μg/dm2の被覆量で存在する請求項4に記載のプリント配線板用銅箔。
- 中間層にはNiが15〜440μg/dm2、Moが25〜1030μg/dm2、Znが15〜750μg/dm2、又は、Tiが15〜140μg/dm2の被覆量で存在する請求項5に記載のプリント配線板用銅箔。
- 被覆層が、銅箔基材表面から順に積層した、Ni、Zn、V、Sn、Cr、Mn及びCuの少なくともいずれか2種の合金で構成された中間層、及び、Co層で構成され、該中間層には、Ni、Zn、V、Sn、Cr及びMnのいずれか2種が20〜1700μg/dm2の被覆量で存在する請求項4に記載のプリント配線板用銅箔。
- 中間層が、Niと、Zn、V、Sn、Mn及びCrのいずれか1種とからなるNi合金で構成された請求項7に記載のプリント配線板用銅箔。
- 中間層が、被覆量が15〜1000μg/dm2のNi及び5〜750μg/dm2のZnからなるNi−Zn合金、合計被覆量が20〜600μg/dm2のNi及びVからなるNi−V合金、合計被覆量が18〜450μg/dm2のNi及びSnからなるNi−Sn合金、被覆量が20〜440μg/dm2のNi及び5〜200μg/dm2のMnからなるNi−Mn合金、被覆量が15〜440μg/dm2のNi及び5〜110μg/dm2のCrからなるNi−Cr合金で構成された請求項8に記載のプリント配線板用銅箔。
- 中間層が、Cuと、Zn及びNiのいずれか1種又は2種とからなるCu合金で構成された請求項7に記載のプリント配線板用銅箔。
- 中間層が、Znの被覆量が15〜750μg/dm2であるCu−Zn合金、Ni被覆量が15〜440μg/dm2であるCu−Ni合金、又は、Ni被覆量が15〜1000μg/dm2且つZn被覆量が5〜750μg/dm2であるCu−Ni−Zn合金で構成された請求項10に記載のプリント配線板用銅箔。
- 被覆層の断面を透過型電子顕微鏡によって観察すると最大厚さが0.5〜12nmであり、最小厚さが最大厚さの80%以上である請求項1〜11のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
- ポリイミド硬化相当の熱処理を行ったとき、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のコバルトの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が10%以下で、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が20%以上を満たす請求項1〜12のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
- ポリイミド硬化相当の熱処理が行われたプリント配線板用銅箔であって、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のコバルトの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が10%以下で、∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が20%以上を満たす請求項1〜13のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
- 被覆層を介して絶縁基板が形成されたプリント配線板用銅箔に対し、絶縁基板を被覆層から剥離した後の被覆層の表面を分析したとき、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)のコバルトの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とし、コバルトの濃度が最大となる表層からの距離をFとすると、区間[0、F]において、∫g(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx)が10%以下を満たす請求項1〜14のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
- 銅箔基材は圧延銅箔である請求項1〜15のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
- プリント配線板はフレキシブルプリント配線板である請求項1〜16のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
- 請求項1〜17のいずれかに記載の銅箔を備えた銅張積層板。
- 銅箔がポリイミドに接着している構造を有する請求項18に記載の銅張積層板。
- 請求項18又は19に記載の銅張積層板を材料としたプリント配線板。
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