JP2014069509A - 銅張積層体及び回路基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】銅張積層体は、絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも片側の面に積層された銅箔と、を有し、硫黄含有有機化合物を含有するオイル中で使用される。この銅張積層体の銅箔における絶縁層と接する面に付着したコバルト元素の量は、2mg/dm2以下である。絶縁層としては、硫黄含有有機化合物をトラップする機能を有するポリイミドとして、重量平均分子量が10,000〜150,000の範囲内にあるポリアミド酸とアクリル化合物を含有するポリアミド酸組成物をイミド化して得られたポリイミドや、炭素数2〜6の範囲内のラジカル重合性の不飽和結合の量が、前記ポリアミド酸の1g当たり0.096mmol〜3mmolの範囲内にある熱可塑性ポリイミドを用いることが好ましい。
【選択図】なし
Description
(A)重量平均分子量が10,000〜150,000の範囲内にあるポリアミド酸、
及び
(B)アクリル化合物、
を含み、前記(A)成分100重量部に対して、前記(B)成分を0.1〜60重量部の範囲内で含有するポリアミド酸組成物を熱処理してイミド化することにより得られたポリイミド組成物の樹脂層を含むものであってもよい。
前記(B)成分は、[1分子中の(メタ)アクリロイル基の数/分子量]の値が0.001以上であってもよい。
(A)重量平均分子量が10,000〜150,000の範囲内にあるポリアミド酸、
及び
(B)アクリル化合物、
を含み、前記(A)成分100重量部に対して、前記(B)成分を0.1〜60重量部の範囲内で含有するポリアミド酸組成物を熱処理してイミド化することにより得られたポリイミド組成物の樹脂層を含むものであってもよい。
前記(B)成分は、[1分子中の(メタ)アクリロイル基の数/分子量]の値が0.001以上であってもよい。
本実施の形態の銅張積層体は、絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも片側の面に積層された銅箔と、を有し、硫黄含有有機化合物を含有するオイル中で使用される。また、本実施の形態の回路基板は、絶縁層と、前記絶縁層上に形成された銅配線層と、を有し、硫黄含有有機化合物を含有するオイル中で使用される。
本実施の形態の銅張積層体及び回路基板において、銅箔及び銅配線層は、絶縁層と接する面に付着したコバルト元素の量が2mg/dm2以下であり、好ましくは1mg/dm2以下、より好ましくは0.5mg/dm2以下である。銅箔及び銅配線層の表面におけるコバルト元素の量は少ない程よく、実質的にコバルト元素を含有しないことが最も好ましい。コバルト元素の量が2mg/dm2を超えると、コバルトは硫黄化合物と反応性が高いことにより、硫化銅層形成のトリガーになって銅箔と絶縁層との接着力の低下を引き起こす要因となる。なお、銅箔には、銅合金も使用できる。
絶縁層としては、例えばポリイミド、エポキシ樹脂等の樹脂を用いることができる。これらの中でも、優れた耐熱性を有するポリイミドが好ましい。また、本実施の形態では、ポリイミドとして、硫黄含有有機化合物をトラップする機能を有するポリイミドを用いることが好ましい。そこで、硫黄含有有機化合物をトラップする機能を有するポリイミドについて、2つの好ましい態様を例示して説明する。
硫黄含有有機化合物をトラップする機能を有するポリイミドの第1の態様として、下記の成分(A)及び(B);
(A)重量平均分子量が10,000〜150,000の範囲内にあるポリアミド酸、
及び
(B)アクリル化合物、
を含み、前記(A)成分100重量部に対して、前記(B)成分を0.1〜60重量部の範囲内で含有するポリアミド酸組成物を熱処理してイミド化することにより得られたポリイミド組成物を用いることができる。
第1の態様において、(A)成分のポリアミド酸は、ポリイミドの前駆体である。そこで、前駆体であるポリアミド酸と、イミド化後のポリイミドについてまとめて説明する。
第1の態様において、アクリル化合物は、硫黄含有有機化合物を捕捉するトラップ手段として作用するものである。アクリル化合物には、メタアクリル化合物を含む。アクリル化合物としては、金属を硫化(酸化)させる硫黄含有基を持たないものが好ましい。より具体的には、例えばチオール基のように、金属に対して酸化剤として作用する(硫化する)官能基は含まないことが好ましい。ただし、主鎖中に−SO2−のように存在する硫黄含有基は、酸化剤としての機能を持たないため使用しても差し支えない。
第2の態様の熱可塑性ポリイミドは、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との反応によって得られるポリアミド酸を熱処理し、イミド化して得られる熱可塑性ポリイミドである。ここで、芳香族ジアミンは、炭素数2〜6の範囲内のラジカル重合性の不飽和結合を有する芳香族ジアミンを含有し、ラジカル重合性の不飽和結合の量が、ポリアミド酸の1g当たり0.096mmol〜3mmolの範囲内である。
本実施の形態の回路基板の使用方法は、上記回路基板を、硫黄含有有機化合物を含有するオイル中で使用する。ここで、硫黄含有有機化合物を含有するオイルとしては、例えばエンジンオイル、トランスミッションオイルなどを挙げることができる。また、硫黄含有有機化合物としては、例えば、ベンゾチアゾールなどのチオール化合物を挙げることができる。上記オイル中における本実施の形態の回路基板の使用温度は、例えば常温から200℃程度である。
本実施の形態において、絶縁層と接する面に付着したコバルト元素の量が2mg/dm2以下の銅箔を使用する以外、回路基板を作成する方法は問われない。例えば、ポリイミドの樹脂層と銅箔で構成される積層体を用意し、この銅箔をエッチングして配線を形成する方法(サブトラクティブ法)でもよい。
(1)銅箔上に、ポリアミド酸を含有する樹脂溶液を塗布し、塗布膜を形成する工程と、
(2)塗布膜を熱処理して、ポリアミド酸をイミド化することによりポリイミドの樹脂層を形成する工程と、を含むことができる。
また、回路基板の製造は、上記(1)、(2)の工程に加え、さらに、
(3)積層体の銅箔をパターニングして配線層を形成する工程と、を含むことができる。
基材としての銅箔は、カットシート状、ロール状のもの、又はエンドレスベルト状などの形状で使用できる。生産性を得るためには、ロール状又はエンドレスベルト状の形態とし、連続生産可能な形式とすることが効率的である。さらに、回路基板における配線パターン精度の改善効果をより大きく発現させる観点から、銅箔は長尺に形成されたロール状のものが好ましい。
イミド化の方法は、特に制限されず、例えば、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜60分間の範囲内の時間加熱するといった熱処理が好適に採用される。銅箔の酸化を抑制するため、低酸素雰囲気下での熱処理が好ましく、具体的には、窒素又は希ガスなどの不活性ガス雰囲気下、水素などの還元ガス雰囲気下、あるいは真空中で行うことが好ましい。熱処理により、塗布膜中のポリアミド酸がイミド化し、ポリイミドが形成される。このようにして、ポリイミドの樹脂層(単層又は複数層)と銅箔とを有する積層体を製造することができる。
本工程では、銅箔を所定形状にエッチングすることによってパターン形成し、配線層に加工する。エッチングは、例えばフォトリソグラフィー技術などを利用する任意の方法で行うことができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種測定、評価は下記によるものである。
接着強度は、幅10mm、長さ100mmに切り出した評価サンプルを、引張試験機(東洋精機株式会社製、ストログラフ−M1)を用いて、180°方向に50mm/分の速度で、銅箔とポリイミド間を引き剥がす時の力を接着強度とした。
硫黄濃度(以下、「S濃度」と記すことがある)は、評価サンプルの銅とポリイミド間を引き剥がした後の銅箔側の剥離面のエネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)分析により、得た。
BAPP:2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン
VAB:2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノビフェニル
m−TB:2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル
TPE−R:1,3’−ビスアミノフェノキシベンゼン
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
ポリアミド酸A、Bを合成するため、窒素気流下で、表1に示したジアミンを、200mlのセパラブルフラスコの中で攪拌しながら溶剤DMAcに溶解させた。次いで、表1に示したテトラカルボン酸二無水物を加えた。その後、溶液を室温で5時間攪拌を続けて重合反応を行い、一昼夜保持した。粘稠なポリアミド酸溶液が得られ、高重合度のポリアミド酸が生成されていることが確認された。得られたポリアミド酸A、Bの溶液(以下、ポリアミド酸溶液A、Bという)の固形分と溶液粘度を表1に示した。
合成例1−1で得られたポリアミド酸溶液Aの固形分100重量部に対し、アクリル化合物(日本化薬株式会社製、商品名;KAYARAD PET−30)を5重量部相当(アクリロイル基として0.56mmol/g)の0.63gを混合し、2時間室温にて攪拌させて、ポリアミド酸組成物1−1を調製した。銅箔A(Co量;2.68mg/dm2、Zn量;0.13mg/dm2、Cr量;0.08mg/dm2、Ni量;0.76mg/dm2)上にポリアミド酸組成物1−1を硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した後、その上に合成例1−2で得られたポリアミド酸溶液Bを硬化後の厚みが21μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。この後、130℃、145℃、160℃、210℃、280℃、320℃、360℃で各1〜15分間段階的な熱処理を行って、銅箔上に3層のポリイミド層からなる配線基板用積層体1−1を作製した。銅箔上のポリイミド層の厚みは、銅箔側から順に2μm/21μm/2μmである。配線基板用積層体1−1を10cm×3cmにカットした後、銅箔が9cm×2cmとなるように銅箔をエッチングし、銅箔側に10cm×3cmのカバーレイ(新日鐵化学株式会社製、商品名;エスパネックスSPC)を熱圧着して評価サンプル1−1を作製した。評価サンプル1−1の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は1.3kN/mであった。なお、ポリアミド酸溶液Aをイミド化して得られるポリイミドは熱可塑性であり、ポリアミド酸Bをイミド化して得られるポリイミドは非熱可塑性である。
ポリアミド酸溶液Aの固形分100重量部に対して、アクリル化合物を10重量部相当(アクリロイル基として1.17mmol/g)の1.25gを混合したこと以外、参考例1−1と同様の方法でポリアミド酸組成物1−2を得た後、配線基板用積層体1−2を得、評価サンプル1−2を得た。評価サンプル1−2の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は1.3kN/mであった。また、マツダ社製オートマチックトランスミッション用オイル(商品名;ATF M−III)中、150℃、250時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度2)は0.56kN/mであった。このときの銅箔側の剥離面のS濃度は5%であった。そして、150℃、1,000時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度3)を測定したところ、0.11kN/mであった。結果を表2に示す。
ポリアミド酸溶液Aの固形分100重量部に対して、アクリル化合物を20重量部相当(アクリロイル基として2.34mmol/g)の2.50gを混合したこと以外、参考例1−1と同様の方法でポリアミド酸組成物1−3を得た後、配線基板用積層体1−3を得、評価サンプル1−3を得た。評価サンプル1−3の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は1.3kN/mであった。また、マツダ社製オートマチックトランスミッション用オイル(商品名;ATF M−III)中、150℃、250時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度2)は0.5kN/mであった。このときの銅箔側の剥離面のS濃度は5%であった。そして、150℃、1,000時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度3)を測定したところ、0kN/mであった。結果を表2に示す。
銅箔1(Co量;0mg/dm2、Zn量;0.04mg/dm2、Cr量;0.10mg/dm2、Ni量;0.22mg/dm2)上にポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した次に、その上に合成例1−2で得られたポリアミド酸溶液Bを硬化後の厚みが21μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。更に、その上にポリアミド酸溶液Aを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。この後、130℃、145℃、160℃、210℃、280℃、320℃、360℃で各1〜15分間段階的な熱処理を行って、銅箔上に3層のポリイミド層からなる配線基板用積層体1−4を作成した。そして、参考例1−1と同様に配線基板用積層体1−4から評価サンプル1−4を得た。評価サンプル1−4の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は2kN/mを上回っていた。また、マツダ社製オートマチックトランスミッション用オイル(商品名;ATF M−III)中、150℃、250時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度2)は2kN/mを上回っていた。そして、150℃、1,000時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度3)を測定したところ、2kN/mを上回っていた。結果を表3に示す。
実施例1の銅箔1に代えて、銅箔2(Co量0mg/dm2、Zn量;0.08mg/dm2、Cr量;0.10mg/dm2、Ni量;0.13mg/dm2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、配線基板用積層体1−5を作成した。そして、参考例1−1と同様に配線基板用積層体1−5から評価サンプル1−5を得た。評価サンプル1−5の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は1.4kN/mであった。また、マツダ社製オートマチックトランスミッション用オイル(商品名;ATF M−III)中、150℃、250時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度2)は1.4kN/mであった。このときの銅箔側の剥離面のS濃度は0%であった。そして、150℃、1,000時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度3)を測定したところ、1.4kN/mであった。結果を表3に示す。
実施例1の銅箔1に代えて、銅箔3(Co量0.42mg/dm2、Zn量;0.10mg/dm2、Cr量;0.05mg/dm2、Ni量;0.43mg/dm2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、配線基板用積層体1−6を作成した。そして、参考例1−1と同様に配線基板用積層体1−6から評価サンプル1−6を得た。評価サンプル1−6の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は2kN/mを上回っていた。また、マツダ社製オートマチックトランスミッション用オイル(商品名;ATF M−III)中、150℃、250時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度2)は2kN/mを上回っていた。そして、150℃、1,000時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度3)を測定したところ、2kN/mを上回っていた。結果を表3に示す。
実施例1の銅箔1に代えて、銅箔Aを用いた以外は、実施例1と同様にして、配線基板用積層体1−7を作成した。そして、参考例1−1と同様に配線基板用積層体1−7から評価サンプル1−7を得た。評価サンプル1−7の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は1.3kN/mであった。また、マツダ社製オートマチックトランスミッション用オイル(商品名;ATF M−III)中、150℃、250時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度2)は0.12kN/mであった。このときの銅箔側の剥離面のS濃度は7%であった。そして、150℃、1,000時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度3)を測定したところ、0kN/mであった。結果を表3に示す。
表4に示す原料組成とした他は、合成例2−1と同様にしてポリアミド酸溶液b、c、d、eを調製した。
銅箔A上に合成例2−1で重合したポリアミド酸溶液aを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した後、その上に合成例2−5で得られたポリアミド酸溶液eを硬化後の厚みが21μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。更に、その上に合成例2−4で得たポリアミド酸溶液dを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布し、125℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。この後、130℃、145℃、160℃、210℃、280℃、320℃、360℃で各1〜15分段階的な熱処理を行って、銅箔上に3層のポリイミド層からなる配線基板用積層体2−1を作製した。銅箔上のポリイミド層の厚みは、銅箔側から順に2μm/21μm/2μmである。次に、配線基板用積層体2−1を10cm×3cmにカットした後、銅箔が9cm×2cmとなるように銅箔をエッチングし、銅箔側に10cm×3cmのカバーレイ(新日鐵化学株式会社製、商品名;エスパネックスSPC)を熱圧着して評価サンプル2−1を作製した。評価サンプル2−1の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は1.3kN/mであった。
銅箔A上に合成例2−2で重合したポリアミド酸溶液bを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布したこと以外、参考例2−1と同様の方法で配線基板用積層体2−2を得た後、評価サンプル2−2を得た。評価サンプル2−2の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は1.3kN/mであった。また、マツダ社製オートマチックトランスミッション用オイル(商品名;ATF M−III)中、150℃、250時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度2)は0.76kN/mであった。このときの銅箔側の剥離面のS濃度は1%であった。そして、150℃、1,000時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度3)を測定したところ、0.18kN/mであった。結果を表5に示す。
銅箔A上に合成例2−3で重合したポリアミド酸溶液cを硬化後の厚みが2μmとなるように塗布したこと以外、参考例2−1と同様の方法で配線基板用積層体2−3を得た後、評価サンプル2−3を得た。評価サンプル2−3の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度1)は1.3kN/mであった。また、マツダ社製オートマチックトランスミッション用オイル(商品名;ATF M−III)中、150℃、250時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度2)は0.55kN/mであった。このときの銅箔側の剥離面のS濃度は5%であった。そして、150℃、1,000時間熱処理後の銅箔とポリイミド間の接着強度(接着強度3)を測定したところ、0.05kN/mであった。結果を表5に示す。
Claims (12)
- 絶縁層と、前記絶縁層の少なくとも片側の面に積層された銅箔と、を有し、硫黄含有有機化合物を含有するオイル中で使用される銅張積層体であって、
前記銅箔における前記絶縁層と接する面に付着したコバルト元素の量が2mg/dm2以下であることを特徴とする銅張積層体。 - 前記絶縁層は、下記の成分(A)及び(B);
(A)重量平均分子量が10,000〜150,000の範囲内にあるポリアミド酸、
及び
(B)アクリル化合物、
を含み、前記(A)成分100重量部に対して、前記(B)成分を0.1〜60重量部の範囲内で含有するポリアミド酸組成物を熱処理してイミド化することにより得られたポリイミド組成物の樹脂層を含む請求項1に記載の銅張積層体。 - 前記(A)成分は、重量1g当たりに存在するラジカル重合性の不飽和結合の量が3mmol以下であり、
前記(B)成分は、[1分子中の(メタ)アクリロイル基の数/分子量]の値が0.001以上である請求項2の記載の銅張積層体。 - 前記ポリイミド組成物の樹脂層が、前記銅箔に接して積層されてなる請求項2又は3に記載の銅張積層体。
- 前記絶縁層は、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との反応によって得られるポリアミド酸を熱処理し、イミド化して得られる熱可塑性ポリイミドであって、前記芳香族ジアミンが、炭素数2〜6の範囲内のラジカル重合性の不飽和結合を有する芳香族ジアミンを含有し、前記炭素数2〜6の範囲内のラジカル重合性の不飽和結合の量が、前記ポリアミド酸の1g当たり0.096mmol〜3mmolの範囲内にある熱可塑性ポリイミドの樹脂層を含む請求項1に記載の銅張積層体。
- 前記熱可塑性ポリイミドの樹脂層が、前記銅箔に接して積層されてなる請求項5に記載の銅張積層体。
- 絶縁層と、前記絶縁層上に形成された銅配線層と、を有し、硫黄含有有機化合物を含有するオイル中で使用される回路基板であって、
前記銅配線層は、前記絶縁層と接する面に付着したコバルト元素の量が2mg/dm2以下であることを特徴とする回路基板。 - 前記絶縁層は、下記の成分(A)及び(B);
(A)重量平均分子量が10,000〜150,000の範囲内にあるポリアミド酸、
及び
(B)アクリル化合物、
を含み、前記(A)成分100重量部に対して、前記(B)成分を0.1〜60重量部の範囲内で含有するポリアミド酸組成物を熱処理してイミド化することにより得られたポリイミド組成物の樹脂層を含む請求項7に記載の回路基板。 - 前記(A)成分は、重量1g当たりに存在するラジカル重合性の不飽和結合の量が3mmol以下であり、
前記(B)成分は、[1分子中の(メタ)アクリロイル基の数/分子量]の値が0.001以上である請求項8の記載の回路基板。 - 前記ポリイミド組成物の樹脂層が、前記銅配線層に接して積層されてなる請求項8又は9に記載の回路基板。
- 前記絶縁層は、芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との反応によって得られるポリアミド酸を熱処理し、イミド化して得られる熱可塑性ポリイミドであって、前記芳香族ジアミンが、炭素数2〜6の範囲内のラジカル重合性の不飽和結合を有する芳香族ジアミンを含有し、前記炭素数2〜6の範囲内のラジカル重合性の不飽和結合の量が、前記ポリアミド酸の1g当たり0.096mmol〜3mmolの範囲内にある熱可塑性ポリイミドの樹脂層を含む請求項7に記載の回路基板。
- 前記熱可塑性ポリイミドの樹脂層が、前記銅配線層に接して積層されてなる請求項11に記載の回路基板。
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