JP2015231738A - ポリイミド積層体、及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミド積層体、及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基材上に、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、寸法安定性、機械的性質などの特性が優れ、且つ特に500℃〜650℃の温度領域において熱分解が抑制され、さらに、基材との接着強度にも優れた高耐熱性のポリイミド層を有するポリイミド積層体を提供すること。【解決手段】3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上含むテトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とから得られるポリイミド層を基材上に有するポリイミド積層体であって、ポリイミド層が特定のリン化合物を含有することを特徴とするポリイミド積層体。【選択図】なし

Description

本発明は、特定のリン化合物を含有し、500℃以上の温度領域における熱分解が抑制され、且つ基材との接着強度にも優れたポリイミド層を有するポリイミド積層体に関するものである。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を主成分とする芳香族テトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンを主成分とする芳香族ジアミンとの略等モルをジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒中で比較的低温で反応させて得られるポリアミック酸溶液を基材に塗布し、得られた塗膜を加熱乾燥して自己支持性フィルムとし、次いで自己支持性フィルムを基材から剥がした後にさらに加熱イミド化処理することによって、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、寸法安定性、機械的性質などの性質が特に優れたポリイミドフィルムを製造できることは公知である。
特許文献1には、前記の方法により製造される、フィルム表面における炭素、酸素、窒素元素が特定の割合であって、かつ全フィルム中のリンの含有率が5〜500ppmである、接着性が改善されたポリイミドフィルムが開示されている。このポリイミドフィルムには、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとから得られるものも含まれている。
特許文献2には、前記の方法により製造される、有機リン化合物をポリイミドに対して0.5〜5重量%の量で含有する、機械的強度が改良されたポリイミドフィルムが提案されている。このポリイミドは、非常に幅広い範囲のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とから構成されてよく、好ましくはピロメリット酸二無水物と4,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを主成分とするものであるが、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とp−フェニレンジアミンとから得られるものも含まれる。
特許文献3には、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を主成分として含むテトラカルボン酸成分と、p−フェニレンジアミンを主成分として含むジアミン成分とから得られるポリアミック酸と、リン化合物とを含むポリアミック酸溶液組成物を基材上にキャストし、加熱処理して、基材上に厚みが50μm未満のポリイミド層を形成することによって得られるポリイミド積層体が開示されている。ここで用いるリン化合物としては、リン酸エステルが好ましいことが開示されている。
特開平8−143688号公報 特開平2−28257号公報 国際公開第2012/173204号
本発明は、基材上に、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、寸法安定性、機械的性質などの特性が優れ、且つ特に500℃〜650℃の温度領域において熱分解が抑制され、さらに、基材との接着強度にも優れた高耐熱性のポリイミド層を有するポリイミド積層体を提供することを目的とする。
本発明は、以下の各項に関する。
1. 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上含むテトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とから得られるポリイミド層を基材上に有するポリイミド積層体であって、
ポリイミド層が下記化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で表されるリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含有することを特徴とするポリイミド積層体。
Figure 2015231738
(式中、R1は、炭素数が1〜6のアルキル基であり、R2はフェニル基又はシクロヘキシル基である。)
Figure 2015231738
(式中、R3は、フェニル基又はシクロヘキシル基であり、R4は、シクロヘキシル基である。)
Figure 2015231738
(式中、R5は、炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数3〜12の炭化水素基である。)
2. 芳香族ジアミン成分が、p−フェニレンジアミン若しくは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、又はこれらの混合物を50モル%以上含むことを特徴とする前記項1に記載のポリイミド積層体。
3. 基材上にポリイミド層を有するポリイミド積層体を製造する方法であって、
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上含むテトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とから得られるポリアミック酸と、下記化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で表されるリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のリン化合物とを含むポリアミック酸溶液組成物を基材上にキャストし、加熱処理して、前記基材上にポリイミド層を形成することを特徴とするポリイミド積層体の製造方法。
Figure 2015231738
(式中、R1は、炭素数が1〜6のアルキル基であり、R2はフェニル基又はシクロヘキシル基である。)
Figure 2015231738
(式中、R3は、フェニル基又はシクロヘキシル基であり、R4は、シクロヘキシル基である。)
Figure 2015231738
(式中、R5は、炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数3〜12の炭化水素基である。)
4. 芳香族ジアミン成分が、p−フェニレンジアミン、若しくは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、又はこれらの混合物を50モル%以上含むことを特徴とする前記項3に記載のポリイミド積層体の製造方法。
5. 加熱処理における最高温度が、400℃〜550℃であることを特徴とする前記項3又は4に記載のポリイミド積層体の製造方法。
6. 前記項3〜5のいずれかに記載の方法によって得られるポリイミド積層体。
本発明により、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、寸法安定性、機械的性質などの特性が優れ、且つ、特に500℃〜650℃の温度領域において熱分解が抑制され、さらに、基材との接着強度にも優れた高耐熱性のポリイミド層を基材上に有するポリイミド積層体を提供することができる。このポリイミド積層体は高温における熱分解が抑制されており、高温の熱処理工程においても揮発成分(アウトガス)が発生しない、あるいは揮発成分(アウトガス)の発生が抑制されているため、例えば、薄膜太陽電池などのベース基板材料として有用である。
本発明のポリイミド積層体は、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上含むテトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とからなるポリイミド層を基材上に積層したポリイミド積層体であって、ポリイミド層が特定のリン化合物、すなわち上記の化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で表されるリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含有することを特徴とする。
(ポリイミド積層体の製造方法)
本発明のポリイミド積層体は、例えば、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上含むテトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とから得られるポリアミック酸と、特定のリン化合物とを含むポリアミック酸溶液組成物を、基材上にキャストし、加熱処理することによって製造することができる。
本発明において、ポリアミック酸は、略等モル量のテトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、溶媒中で、イミド化反応を抑制できる100℃以下、好ましくは80℃以下の比較的低温で撹拌混合して反応させることによって、溶媒中に均一に溶解したポリアミック酸溶液として好適に得ることができる。リン化合物は、重合前に添加して、リン化合物の存在下でテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させてもよいし、重合後に得られたポリアミック酸溶液にリン化合物を添加してもよい。得られたポリアミック酸溶液はそのまま、あるいは必要であれば所望の成分を添加して、ポリイミド層の形成に使用することができる。
本発明で使用するポリアミック酸は、テトラカルボン酸成分の50モル%以上が、好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは100モル%が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、芳香族ジアミン成分の好ましくは50モル%以上が、より好ましくは80モル%以上、より好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは100モル%が、p−フェニレンジアミン若しくは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、又はこれらの混合物である。このような化学組成のポリアミック酸を用いることによって、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、寸法安定性、機械的性質などの特性が特に優れたポリイミド層を得ることができ、また、特に500℃〜650℃の温度領域において熱分解が抑制された高耐熱性のポリイミド層を形成することができる。
本発明において、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と併用可能なテトラカルボン酸成分としては、p−ターフェニル−3,3’’,4,4’’−テトラカルボン酸二無水物、5,5’−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジイルビス−1,3−イソベンゾフランジオン、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。また、その他の芳香族ジアミン成分としては、4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’’−ジアミノ−p−ターフェニル、4,4’’’−ジアミノ−p−クウォーターフェニルなどが挙げられる。
本発明で使用する溶媒としては、ポリアミック酸を重合可能であればいずれの溶媒でもよく、例えば非プロトン性極性溶媒などを好適に用いることができる。本発明で使用する溶媒としては、特に限定しないが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセトアミドなどのN,N−ジ低級アルキルカルボキシルアミド類、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、γ−ブチロラクトン、ジグライム、m−クレゾール、ヘキサメチルホスホルアミド、N−アセチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミド、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、スルホラン、p−クロロフェノール、シクロヘキサノンなどを好適に例示できる。なお、溶媒は2種以上の混合物であってもよい。
本発明においては、無水化剤として無水酢酸など、イミド化触媒として1,2−ジメチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、イソキノリンなどの窒素原子を含有した複素環化合物、トリエチルアミンやトリエタノールアミンなどの塩基性化合物を、本発明の効果が得られる範囲内で使用しても構わない。しかし、無水化剤やイミド化触媒を使用すると、ポリアミック酸溶液の安定性が低下し、基材へキャストするのが難しくなり、さらに500℃〜650℃の温度領域において熱分解が抑制された高耐熱性のポリイミド層を形成するのが困難になる場合があるので、これらは使用しないことが好ましい。
本発明では、水、または水と有機溶媒の混合溶媒、好ましくは水を主成分とする溶媒も好適に用いることができる。その場合、水以外の有機溶媒は、全溶媒中50質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは10質量%以下の割合で用いることが好ましい。環境適応性の観点からは、有機溶媒の含有量が5質量%未満であることが好ましく、水以外の有機溶媒を含まない水溶媒であることが特に好ましい。
なお、ここで言う有機溶媒には、テトラカルボン酸二無水物等のテトラカルボン酸成分、ジアミン成分、ポリアミック酸等のポリイミド前駆体、及びイミダゾール類(後述するが、水、または水を主成分とする溶媒を用いる場合、通常、イミダゾール類が溶媒に添加される。)は含まれない。
水を主成分とする溶媒において使用する有機溶媒としては、例えば上記の非プロトン性極性溶媒などの溶媒が挙げられ、その他に、N−メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホロトリアミド、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、テトラヒドロフラン、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1,4−ジオキサン、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、アニソール、フェノールなどが挙げられる。
水、または水を主成分とする溶媒を用いる場合、イミダゾール類を溶媒に添加して、イミダゾール類の存在下にテトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させて、ポリアミック酸水溶液組成物を製造する。
本発明で用いるイミダゾール類としては、25℃における水に対する溶解度が0.1g/L以上、特に1g/L以上であることが好ましい。ここで、25℃における水に対する溶解度は、当該物質が、25℃の水1L(リットル)に溶解する限界量(g)を意味する。この値は、ケミカル・アブストラクトなどのデータベースに基づいた検索サービスとして知られるSciFinder(登録商標)によって容易に検索することができる。ここでは、種々の条件下での溶解度のうち、Advanced Chemistry Development(ACD/Labs)Software V11.02(Copyright 1994−2011 ACD/Labs)によって算出されたpHが7における値を採用した。
本発明で用いるイミダゾール類(化合物)としては、下記化学式(10)の化合物を好適に挙げることができる。
Figure 2015231738
(式中、X〜Xは、それぞれ独立に、水素原子、或いは炭素数が1〜5のアルキル基を示す。)
さらに、化学式(10)のイミダゾール類においては、X〜Xが、それぞれ独立に、水素原子、或いは炭素数が1〜5のアルキル基であって、X〜Xのうち少なくとも2個が、炭素数が1〜5のアルキル基であるイミダゾール類、すなわち置換基として2個以上のアルキル基を有するイミダゾール類がより好ましい。
置換基として2個以上のアルキル基を有するイミダゾール類は水に対する溶解性が高いので、それらを用いることによって、ポリイミド前駆体水溶液組成物を容易に製造することができる。イミダゾール類としては、1,2−ジメチルイミダゾール(25℃における水に対する溶解度は239g/L、以下同様)、2−エチル−4−メチルイミダゾール(1000g/L)、4−エチル−2−メチルイミダゾール(1000g/L)、及び1−メチル−4−エチルイミダゾール(54g/L)などが好適である。
なお、用いるイミダゾール類は一種であっても、複数種の混合物であってもよい。
本発明で用いるイミダゾール類の使用量は、原料のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって生成するポリアミック酸のカルボキシル基に対して、好ましくは0.8倍当量以上、より好ましくは1.0倍当量以上、さらに好ましくは1.2倍当量以上である。イミダゾール類の使用量がポリアミック酸のカルボキシル基に対して0.8倍当量未満では、均一に溶解したポリイミド前駆体水溶液組成物を得るのが容易でなくなる場合がある。また、イミダゾール類の使用量の上限は、特に限定されないが、通常は10倍当量未満、好ましくは5倍当量未満、より好ましくは3倍当量未満である。イミダゾール類の使用量が多過ぎると、非経済的になるし、且つポリイミド前駆体水溶液組成物の保存安定性が悪くなることがある。
本発明において、イミダゾール類の量を規定するポリアミック酸のカルボキシル基に対する倍当量とは、ポリアミック酸のアミド酸基を形成するカルボキシル基1個に対して何個(何分子)の割合でイミダゾール類を用いるかを表す。なお、ポリアミック酸のアミド酸基を形成するカルボキシル基の数は、原料のテトラカルボン酸成分1分子当たり2個のカルボキシル基を形成するものとして計算される。
したがって、本発明で用いるイミダゾール類の使用量は、原料のテトラカルボン酸二無水物に対して(ポリアミック酸のテトラカルボン酸成分に対して)、好ましくは1.6倍モル以上、より好ましくは2.0倍モル以上、さらに好ましくは2.4倍モル以上である。
ここで用いるイミダゾール類の特徴は、原料のテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応によって生成するポリアミック酸(ポリイミド前駆体)のカルボキシル基と塩を形成して水に対する溶解性を高めるだけでなく、さらにポリイミド前駆体をイミド化(脱水閉環)してポリイミドにする際に、極めて高い触媒的な作用を有することにある。この結果、本発明のポリイミド前駆体水溶液組成物を用いると、例えばより低温且つ短時間の加熱処理によっても、容易に、極めて高い物性を有するポリイミドを製造することが可能になる。
前述の通り、本発明においては、略等モル量のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを、溶媒中で、イミド化反応を抑制できる100℃以下、好ましくは80℃以下の比較的低温で反応させることによって、ポリアミック酸溶液組成物を得ることができる。また、水、または水を主成分とする溶媒を用いる場合は、イミダゾール類の存在下に、好ましくは置換基として2個以上のアルキル基を有するイミダゾール類の存在下に、略等モル量のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを反応させることによって、ポリアミック酸水溶液組成物を得ることができる。
限定するものではないが、通常、反応温度は25℃〜100℃、好ましくは40℃〜80℃、より好ましくは50℃〜80℃であり、反応時間は0.1〜24時間程度、好ましくは2〜12時間程度であることが好ましい。反応温度及び反応時間を前記範囲内とすることによって、効率よく高分子量のポリアミック酸の溶液組成物を得ることができる。なお、反応は、空気雰囲気下でも行うことができるが、通常は不活性ガス雰囲気下、好ましくは窒素ガス雰囲気下で好適に行われる。
また、反応させるテトラカルボン酸成分とジアミン成分のモル比[テトラカルボン酸成分/ジアミン成分]は、好ましくは0.90〜1.10程度、より好ましくは0.95〜1.05程度である。
本発明において、ポリアミック酸溶液組成物のポリアミック酸の固形分(ポリイミド換算)濃度は、特に限定されるものではないが、2〜50質量%、好ましくは5〜40質量%であることが好ましい。また、ポリアミック酸溶液組成物の溶液(回転)粘度は、特に限定されるものではないが、30℃において1〜3000ポイズ、好ましくは5〜2000ポイズであることが好ましい。
本発明において使用するポリアミック酸の分子量は、特に制限されないが、通常は、得られるポリイミド層が十分な特性を達成するために、対数粘度(η)が2.0dL/gを超える比較的高分子量のポリアミック酸が好適に用いられる。本発明においては、通常用いられるよりも低分子量のポリアミック酸、具体的には、対数粘度が2.0dL/g以下の比較的低分子量のポリアミック酸も好適に用いられ、得られるポリイミド層も十分な特性を達成することができる。
本発明において、ポリイミド層を形成するために用いるポリアミック酸溶液組成物は、リン化合物を含む。ポリアミック酸溶液組成物は、特に、下記化学式(1)、及び化学式(2)で表されるリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含むことが好ましい。
Figure 2015231738
(式中、R1は、炭素数が1〜6のアルキル基であり、R2はフェニル基又はシクロヘキシル基である。)
Figure 2015231738
(式中、R3は、フェニル基又はシクロヘキシル基であり、R4は、シクロヘキシル基である。)
化学式(1)のR1としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが好ましく挙げられる。
化学式(1)で表されるリン化合物のうち特に好ましいものとして、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,4−ビス(ジシクロへキシルホスフィノ)ブタンが挙げられる。
また、化学式(2)で表されるリン化合物は、具体的にはトリシクロへキシルホスフィン、ジシクロへキシルフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィンである。
本発明においては、リン化合物として下記化学式(3)で表されるリン酸エステルを用いることもできる。
Figure 2015231738
(式中、R5は、炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数3〜12の炭化水素基である。)
化学式(3)のR5は反応性官能基、具体的には、炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数3〜12の炭化水素基であり、R5としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシエチル基、メタクリロイルオキシエチル基などが挙げられる。
特に好ましい化学式(3)で表されるリン酸エステルとして、リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチル、リン酸ビス(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)が挙げられる。
これらのリン化合物は、1種を用いても、2種以上を併用してもよい。また、前記化学式(1)〜(3)で表されるリン化合物の少なくとも1種と、その他のリン化合物を併用してもよい。
ポリアミック酸溶液組成物中のリン化合物の濃度は、テトラカルボン酸成分100モル%に対して、リン原子の濃度として1〜20モル%、好ましくは1.5〜15モル%、より好ましくは2〜10モル%に相当する濃度が好ましい。
ポリアミック酸溶液組成物中のリン化合物の濃度が少な過ぎると、500℃〜650℃の温度領域において熱分解を抑制する効果を十分に得るのが難しくなる。一方、リン化合物の濃度が多過ぎると、ポリイミド層にリンが多量に残存して、揮発成分(アウトガス)の原因になる場合があるので好ましくない。
リン化合物のポリアミック酸溶液への添加は重合前でも重合後でも構わない。すなわち、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを溶媒中で反応させてポリアミック酸溶液組成物を得た後、これにリン化合物を添加することによって、リン化合物を含むポリアミック酸溶液組成物を得ることができ、また、溶媒にテトラカルボン酸成分とジアミン成分とリン化合物を加え、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを溶媒中、リン化合物の存在下で反応させることによっても、リン化合物を含むポリアミック酸溶液組成物を得ることができる。
なお、本発明のポリアミック酸溶液組成物は、必要に応じて、他の添加成分、例えば、フィラーなどを添加することもできる。
本発明では、上記のようなポリアミック酸とリン化合物とを含むポリアミック酸溶液組成物を基材上にキャストし、加熱処理して、基材上にポリイミド層を形成する。
基材は、その表面にポリイミド膜を形成することが出来るものであれば、特に限定されるものではないが、本発明では、極めて高温で加熱処理するので、高温に耐えうると共に、熱による膨張係数が小さな材料からなることが望ましい。基材の形状は特に限定するものではないが、通常は平面状である。基材として、具体的には、例えば、各種金属からなる金属板、各種セラミックスからなるセラミックス板などでもよいが、特に耐高温性や線膨張係数からガラス板を好適に用いることができる。
ポリアミック酸溶液組成物の基材上へのキャスト方法は、特に限定はないが、例えばスピンコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、電着法などの従来公知の方法を好適に用いることができる。
本発明において、基材は、ガラス板のような実質的にガスを透過しない材料によって形成されている。このため、基材にキャストされたポリアミック酸溶液組成物の層(塗膜層)は、加熱処理される場合に、ポリアミック酸溶液組成物の層(塗膜層)から生じる揮発成分(溶媒や、イミド化の結果生成する水など)は、基材面から蒸発することはできず、他面の空気(或いは他のガス)面からのみ蒸発する。本発明の製造方法においては、ポリアミック酸溶液組成物層を、自己支持性フィルムとして剥がして熱処理することはなく、イミド化が完了する高温での加熱処理まで、前記の揮発成分が片面からのみ蒸発する状態で加熱処理する。
本発明においては、ポリアミック酸溶液組成物を基材上にキャスト等して、基材上にポリアミック酸溶液組成物の膜を形成し、基材とポリアミック酸溶液組成物の膜とからなる積層体を得た後、これを加熱処理してイミド化を完了することにより、基材上にポリイミド層を形成する。この加熱処理条件としては、特に限定されるものではないが、少なくとも150℃超〜200℃未満、下限値の好ましくは155℃超、より好ましくは160℃超、さらに好ましくは165℃超、特に好ましくは170℃超、上限値の好ましくは195℃未満、より好ましくは190℃未満、さらに好ましくは185℃未満、の温度範囲で10分間以上、好ましくは30分間以上、特に好ましくは60分間以上加熱処理した後で、最高温度が400℃〜550℃、好ましくは430℃〜530℃、より好ましくは460℃〜530℃の温度範囲で加熱処理することが好ましい。なお、200℃以上の温度で加熱処理する時間(最高温度で加熱処理する時間も含む)は適宜決めることができ、特に限定されない。
本発明においては、このようにして基材上にポリイミド層を形成して、基材とポリイミド層とからなるポリイミド積層体を得ることができる。
(ポリイミド積層体)
本発明のポリイミド積層体は、前述のとおり、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上含むテトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とからなるポリイミド層を基材上に積層したポリイミド積層体であって、ポリイミド層が上記の化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で表されるリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含有するものである。また、本発明のポリイミド積層体は、前述の製造方法によって得られるものである。
本発明のポリイミド積層体のポリイミド層の厚みは、50μm未満、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下であることが好ましい。ポリイミド層の厚みが前記範囲を超えて厚くなるにつれて、リン化合物由来の分解物などが残存しやすくなり、余分な揮発成分(アウトガス)が発生する原因になる可能性がある。また、形成されるポリイミド層が発泡していて、実用的には使用できないこともある。ポリイミド層の厚みの下限値は、特に限定されるものではないが、0.1μm以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上であることが好ましい。
本発明のポリイミド積層体のポリイミド層は、基材との接着強度にも優れている。ポリイミド積層体における基材とポリイミド層の接着強度は、ポリイミド層を剥離角90度、剥離速度5mm/分の条件で剥離したときの荷重(90°ピール強度)が一つの指標となる。本発明のポリイミド積層体においては、基材としてガラスを用いた場合の90°ピール強度が3mN/mm以上であることが好ましく、5mN/mm以上であることがより好ましい。
(ポリイミド積層体の500℃〜650℃の温度領域における熱分解の抑制)
本発明のポリイミド積層体のポリイミド層は、500℃〜650℃の温度領域において熱分解が抑制されて、高い耐熱性を有する。
ここで、500℃〜650℃の温度領域において熱分解が抑制されることは、ポリイミド層を加熱処理したときの5%重量減少温度(℃)を一つの指標として示した。5%重量減少温度が、600℃以上、好ましくは605℃以上の高い値を示す場合には、熱分解がより高い温度まで抑制されることを示しているのであり、500℃〜650℃の温度領域における熱分解が抑制されたことが分かる。一方で、この温度が600℃未満の低い値の場合には、熱分解が比較的低い温度で起こっていることを示すのであって、500℃〜650℃の温度領域において熱分解が抑制されてはいない。
(さらに他の材料を積層した積層体)
本発明のポリイミド積層体は、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、電気絶縁性、寸法安定性、機械的性質などの特性が特に優れ、且つ特に500℃〜650℃の温度領域において熱分解が抑制された高耐熱性のポリイミド層が形成されたポリイミド積層体である。したがって、例えばポリイミド積層体に対してスパッタリングを行うことにより、ポリイミド層表面にITO、アモルファスシリコン層などの他の材料を好適に積層することができる。そして、得られた基材とポリイミドと他の材料とからなる積層体から、基材を分離することによって、ポリイミドと他の材料とからなる積層体を好適に得ることが出来る。
このようなポリイミドと他の材料とからなる積層体は、例えば、ポリイミド層を基板としたフレキシブルな液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、電子ペーパー、薄膜太陽電池などの用途で好適に利用することが出来る。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下の例で使用した化合物の略号は以下のとおりである。
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PPD:p−フェニレンジアミン
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
TPP:リン酸トリフェニル
DPPM:ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン
DPPE:1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン
DPPP:1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン
DPPB:1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン
DCHPB:1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン
DPCP:ジフェニルシクロへキシルホスフィン
TCHP:トリシクロへキシルホスフィン
JPA−514:リン酸2−(メタクリロイルオキシ)エチルとリン酸ビス(2−(メタクリロイルオキシ)エチル)の混合物(城北化学工業製)
(固形分濃度)
ポリアミック酸溶液の固形分濃度は、ポリアミック酸溶液を350℃で30分間乾燥し、乾燥前の重量Wと乾燥後の重量Wとから次式によって求めた値である。
固形分濃度(重量%)=W/W×100
(ポリアミック酸の対数粘度)
ポリアミック酸の対数粘度(ηinh)は、ポリアミック酸溶液をポリアミック酸濃度が0.5g/100ミリリットル溶媒となるようにN−メチル−2−ピロリドンに均一に溶解した溶液を調製し、その溶液と溶媒との溶液粘度を30℃で測定して次式で算出した。
Figure 2015231738
(5%重量減少温度の測定[TGA測定方法])
基材からポリイミド層を分離し、TG−DTA2000S(マックサイエンス)を用い、室温(25℃)から700℃まで20℃/minにて昇温を行い、150℃における重量を100%として5%重量減少温度を測定した。
この5%重量減少は、熱分解による揮発成分(アウトガス)の発生に起因すると考えられるので、本発明においては、この5%重量減少温度を500℃〜650℃の温度領域における熱分解の目安として評価した。
(ポリイミド層の外観観察)
加熱処理後のポリイミド層の外観の目視観察を行い、同一条件でリン化合物を添加していないポリイミド層と比較して、透明性がほぼ変わらない場合は○、透明性が部分的に低下した場合は△、透明性が著しく低下した場合は×とした。
(90°ピール強度試験)
ポリイミド積層体を10mm幅に切り出し、ポリイミド層を剥離角90度、剥離速度5mm/分の条件で剥離したときの荷重を測定し、3サンプルの平均値を90°ピール強度とした。
〔参考例1〕
攪拌機、窒素ガス導入・排出管を備えた内容積500mLのガラス製の反応容器に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン360gを加え、これにPPDを24.1921g(0.2237モル)と、s−BPDAを65.8079g(0.2237モル)加え、50℃で撹拌して、固形分濃度18.2%、対数粘度0.65dL/gのポリアミック酸溶液を得た。
〔比較例1〕
参考例1で得られたポリアミック酸溶液を、ガラス板上にスピンコーターによって塗布し、120℃にて10分間、150℃にて10分間、180℃にて60分間保持し、さらに500℃まで昇温する加熱処理を行い、ガラス板上に厚さが10μmのポリイミド膜を形成したポリイミド積層体を得た。得られたポリイミド層の5%重量減少温度、及びポリイミド積層体の接着性の評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
参考例1で得られたポリアミック酸溶液に、リン化合物としてTPPを4.5425g加えて攪拌し、ポリアミック酸溶液組成物を得た。TPPの添加量は0.01386モル、テトラカルボン酸成分100モル%に対するリン原子の量として6.2モル%、テトラカルボン酸成分とジアミン成分の合計質量に対して5.0wt%である。
このポリアミック酸溶液を用いて、比較例1と同様にしてポリイミド積層体を得た。得られたポリイミド層の5%重量減少温度、及びポリイミド積層体の接着性の評価結果を表1に示す。
〔実施例1〕
TPPに代えて、リン化合物としてDPPMを2.6653g(0.00693モル、6.2モル%、3.0wt%)加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
〔実施例2〕
TPPに代えて、リン化合物としてDPPEを2.7626g(0.00693モル、6.2モル%、3.1wt%)加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
〔実施例3〕
TPPに代えて、リン化合物としてDPPEを1.1140g(0.002796モル、2.5モル%、1.2wt%)加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
〔実施例4〕
TPPに代えて、リン化合物としてDPPPを2.8598g(0.00693モル、6.2モル%、3.2wt%)加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
〔実施例5〕
TPPに代えて、リン化合物としてDPPBを2.9570g(0.00693モル、6.2モル%、3.3wt%)加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
〔実施例6〕
TPPに代えて、リン化合物としてDCHPBを3.1248g(0.00693モル、6.2モル%、3.5wt%)加え、シクロヘキサノン36g加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表2に示す。
〔実施例7〕
TPPに代えて、リン化合物としてDPCPを1.8600g(0.00693モル、6.2モル%、2.1wt%)加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。
〔実施例8〕
TPPに代えて、リン化合物としてTCHPを1.9434g(0.00693モル、6.2モル%、2.2wt%)加え、シクロヘキサノン36g加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表3に示す。
〔実施例9〕
TPPに代えて、リン化合物としてJPA−514を4.4688g(5.0wt%)加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表4に示す。
〔実施例10〕
TPPに代えて、リン化合物としてJPA−514を2.8331g(3.2wt%)加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表4に示す。
〔実施例11〕
TPPに代えて、リン化合物としてJPA−514を1.4415g(1.6wt%)加えた以外は比較例2と同様の操作を行った。評価結果を表4に示す。
Figure 2015231738
Figure 2015231738
Figure 2015231738
Figure 2015231738

Claims (6)

  1. 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上含むテトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とから得られるポリイミド層を基材上に有するポリイミド積層体であって、
    ポリイミド層が下記化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で表されるリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のリン化合物を含有することを特徴とするポリイミド積層体。
    Figure 2015231738
    (式中、R1は、炭素数が1〜6のアルキル基であり、R2はフェニル基又はシクロヘキシル基である。)
    Figure 2015231738
    (式中、R3は、フェニル基又はシクロヘキシル基であり、R4は、シクロヘキシル基である。)
    Figure 2015231738
    (式中、R5は、炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数3〜12の炭化水素基である。)
  2. 芳香族ジアミン成分が、p−フェニレンジアミン若しくは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、又はこれらの混合物を50モル%以上含むことを特徴とする請求項1に記載のポリイミド積層体。
  3. 基材上にポリイミド層を有するポリイミド積層体を製造する方法であって、
    3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を50モル%以上含むテトラカルボン酸成分と、芳香族ジアミン成分とから得られるポリアミック酸と、下記化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で表されるリン化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のリン化合物とを含むポリアミック酸溶液組成物を基材上にキャストし、加熱処理して、前記基材上にポリイミド層を形成することを特徴とするポリイミド積層体の製造方法。
    Figure 2015231738
    (式中、R1は、炭素数が1〜6のアルキル基であり、R2はフェニル基又はシクロヘキシル基である。)
    Figure 2015231738
    (式中、R3は、フェニル基又はシクロヘキシル基であり、R4は、シクロヘキシル基である。)
    Figure 2015231738
    (式中、R5は、炭素−炭素不飽和結合を有する炭素数3〜12の炭化水素基である。)
  4. 芳香族ジアミン成分が、p−フェニレンジアミン若しくは4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、又はこれらの混合物を50モル%以上含むことを特徴とする請求項3に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  5. 加熱処理における最高温度が、400℃〜550℃であることを特徴とする請求項3又は4に記載のポリイミド積層体の製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載の方法によって得られるポリイミド積層体。
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