JP2006140524A - 二層フレキシブルプリント基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】力学的特性及び耐熱性に優れたポリイミド層を有し、しかも、高い剥離強度を有する二層フレキシブルプリント基板を効率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】特定ジアミン1モルあたり、テトラカルボン酸を0.95〜1.05モル反応させて得られる塩を溶質として含有し、溶質濃度が20重量%以上であり、かつ粘度が50ポイズ以下であるポリイミド前駆体溶液を、銅箔上に塗布し、次いで上記ポリイミド前駆体をイミド転化させることを特徴とする二層フレキシブルプリント基板の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】特定ジアミン1モルあたり、テトラカルボン酸を0.95〜1.05モル反応させて得られる塩を溶質として含有し、溶質濃度が20重量%以上であり、かつ粘度が50ポイズ以下であるポリイミド前駆体溶液を、銅箔上に塗布し、次いで上記ポリイミド前駆体をイミド転化させることを特徴とする二層フレキシブルプリント基板の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリイミドの層と銅の層からなる二層フレキシブルプリント基板の製造方法に関するものである。
ポリイミドはエレクトロニクス分野への応用に有用なものであり、半導体デバイス上への絶縁フィルムや保護コーティングとして用いられている。特に全芳香族ポリイミドは、その優れた耐熱性、機械的特性、電気的特性から、フレキシブルプリント基板や集積回路等に多用されている。フレキシブルプリント基板の製造方法としては、銅箔とポリイミドフィルムを接着層を介して接着して製造する方法、銅箔にポリイミド前駆体を塗布しこれをイミド転化することによって基板を得る方法、ポリイミドフィルム上にメッキあるいはスパッタなどの方法で銅の層を形成することにより基板を得る方法などがある。現在、集積回路の高密度化に伴い、フレキシブル基板に関してもより低容量化することが必要となり、フレキシブル基板は二層から形成されることが主流となっている。
フレキシブルプリント基板の製造に用いられているポリアミド酸溶液は、溶媒中で芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させることにより製造されるもので、例えば特公昭36−10999号公報、特開昭62−275165号公報、特開昭64−5057号公報、特公平2−38149号公報、特公平2−38150号公報、特開平1−299871号公報、特開昭58−122920号公報、特公平1−34454号公報、特開昭58−185624号公報、Journal of Polymer Science, Macromolecular Reviews Vol.11 P.199 (1976)、米国特許第4238528号明細書、特公平3−4588号公報、特公平7−30247号公報、特開平7−41556号公報、特開平7−62095号公報、特開平7−133349号公報、特開平7−149896号公報、特開平6−207014号公報、特公平7−17870号公報、特公平7−17871号公報、IBM Technical Disclosure Bulletin Vol.20 No.6 P.2041 (1977)等に記載されているような非プロトン性極性溶媒を用いるものや、特開平6−1915号公報に記載されているような水溶性エーテル系化合物、水溶性アルコール系化合物、水溶性ケトン系化合物及び水から選ばれる混合溶媒を用いるものなど、種々の溶液が提案されている。
また、ポリイミド前駆体溶液における溶質としてのポリイミド前駆体はポリアミド酸以外にも種々のポリマーが知られている。例えば、Macuromolecules Vol.22 P.4477 (1989)やPolyimides and Other High Temperature Polymers.P.45 (1991)には、下記一般式からなるポリアミド酸エステルが開示されている。
また、Macuromolecules Vol.24 P.3475 (1991)には、下記一般式からなるポリアミド酸トリメチルシリルエステルが開示されている。
さらに、Journal of Polymer Science Part B Vol.8 P.29 (1970) 、Journalof Polymer Science Part B Vol.8 P.559 (1970)、日本化学会誌 Vol.1972 P.1992、Journal of Polymer Science Polymer Chemistry Edition Vol.13 P.365 (1975)には、下記式からなるポリアミド酸ビス(ジエチルアミド)が記載されている。
上述したこれらポリイミド前駆体はいずれも高重合度のポリマーの溶液である。これらポリマー溶液からポリイミド塗膜を得る際は、一般的にはこのポリマー溶液を銅、ガラス等の基材上にコーティングし、加熱することにより溶媒の除去及びイミド化を行いポリイミド塗膜を得る。しかしながら、この高重合度のポリマー溶液をコーティングする場合には、その重合度故に塗工可能な溶液の粘度とするためには、溶質濃度を低くしなければならないという問題があった。また、生産性を高めるために、溶質濃度を高めると溶液の粘度が高くなり、塗工できなくなるという問題点もある。また、たとえ塗工できたとしてもその粘度の高さのため、二層フレキシブルプリント基板を製造する際には粗面化処理を施した銅箔の粗面化面に塗工しても、その奥部まで十分にポリイミド前駆体が侵入せず、剥離強度がフレキシブルプリント基板に一般に求められる1.0kg/cmに満たないという問題点があった。
また、特開平5−259595公報等に示されるように粗面化処理を施したポリイミドフィルム上に金属層を蒸着して二層フレキシブルプリント基板を形成する方法では、金属層の厚みの制御が困難であって、電気回路としての信頼性に問題が出るおそれがある上、製造には多くの工程と大規模な設備を要する。これら問題を克服するために、特開平4−274382号公報に示されるようにポリイミド中に官能基を導入して接着性を改善するなどの試みがなされているが、これは接着性を増す反面、ポリイミド層の耐熱性ならびに力学特性を損なうという問題がある。さらには、ポリマー溶液を用いて二層フレキシブルプリント基板を製造する場合、ポリマー溶液は長期の保存に耐え難く、その重合度を維持しつつ長期間保存することは極めて困難であった。
Macuromolecules Vol.22 P.4477 (1989)
Polyimides and Other High Temperature Polymers.P.45 (1991)
Macuromolecules Vol.24 P.3475 (1991)
Journal of Polymer Science Part B Vol.8 P.29 (1970)
Journalof Polymer Science Part B Vol.8 P.559 (1970)
日本化学会誌 Vol.1972 P.1992
Journal of Polymer Science Polymer Chemistry Edition Vol.13 P.365 (1975)
特開平5−259595公報
特開平4−274382号公報
上記状況に鑑み、本発明の課題は、力学的特性及び耐熱性に優れたポリイミド層を有し、しかも、高い剥離強度を有する二層フレキシブルプリント基板を効率良く製造する方法を提供するにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の構造を有するポリイミドの層が粗面化処理を施した銅箔の粗面化面の奥部まで十分に浸透した二層フレキシブルプリント基板が高い剥離強度を有することを見出し、また、そのような二層フレキシブルプリント基板は、特定の構造を有するジアミンと特定の構造を有するテトラカルボン酸からなる塩を溶質として含有する高濃度、低粘度のポリイミド前駆体溶液を銅箔上に塗布し、これをイミド転化させることによって得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、下記構造式(2)を有するジアミンとこのジアミン1モルあたり0.95〜1.05モルの下記構造式(3)で示されるテトラカルボン酸とから得られる塩を溶質として含有し、溶質濃度が20重量%以上であり、かつ粘度が50ポイズ以下であるポリイミド前駆体溶液を、銅箔上に塗布し、次いで上記ポリイミド前駆体をイミド転化させることを特徴とする二層フレキシブルプリント基板の製造方法であり、好ましくは構造式(2)を有するジアミンが、下記構造式(5)で示される芳香族ジアミン1モルに対して下記構造式(4)で示される芳香族テトラカルボン酸無水物0.4〜0.9モルを反応させて得られたものである。
本発明の製造方法によると、力学的特性及び耐熱性に優れたポリイミドの層を有し、しかも、高い剥離強度を有する二層フレキシブルプリント基板を効率良く製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明で用いる用語について説明する。
(1)ポリイミド
ポリマー鎖の繰り返し単位の80モル%以上がイミド構造を有する有機ポリマーをいう。そして、この有機ポリマーは耐熱性を示す。
(2)ポリイミド前駆体
加熱又は化学的作用により閉環してポリイミドとなる有機化合物をいう。ここで、閉環とはイミド環構造が形成されることをいう。
(3)ポリイミド溶液
ポリイミド前駆体が溶媒に溶解しているものである。ここで、溶媒とは25°Cで液状の化合物をいう。
(4)粘度
(株)トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計(B型粘度計)を用い、20°Cにおける回転粘度を測定したものである。
(5)溶質濃度
溶液中に占めるポリイミド前駆体の重量割合を百分率で表した数値である。
(6)剥離強度
JIS C6481(180度ピール)に準じて測定したものである。
(7)耐熱性
耐熱性を示すとは、高温での高度の寸法安定性を示し、具体的には250℃までの線熱膨張係数が50ppm以下であり、高温での化学的安定性、具体的には400
℃までの加熱により一切の化学的変性を示さないことを言う。
(1)ポリイミド
ポリマー鎖の繰り返し単位の80モル%以上がイミド構造を有する有機ポリマーをいう。そして、この有機ポリマーは耐熱性を示す。
(2)ポリイミド前駆体
加熱又は化学的作用により閉環してポリイミドとなる有機化合物をいう。ここで、閉環とはイミド環構造が形成されることをいう。
(3)ポリイミド溶液
ポリイミド前駆体が溶媒に溶解しているものである。ここで、溶媒とは25°Cで液状の化合物をいう。
(4)粘度
(株)トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計(B型粘度計)を用い、20°Cにおける回転粘度を測定したものである。
(5)溶質濃度
溶液中に占めるポリイミド前駆体の重量割合を百分率で表した数値である。
(6)剥離強度
JIS C6481(180度ピール)に準じて測定したものである。
(7)耐熱性
耐熱性を示すとは、高温での高度の寸法安定性を示し、具体的には250℃までの線熱膨張係数が50ppm以下であり、高温での化学的安定性、具体的には400
℃までの加熱により一切の化学的変性を示さないことを言う。
まず、本発明の製造方法により得られる二層フレキシブルプリント基板について説明する。
本発明の製造方法により得られる二層フレキシブルプリント基板は、構造式(1)を有する芳香属ポリイミドの層と銅の層の二層からなり、芳香属ポリイミドの層と銅の層とは直接接しており、二層間の剥離強度は1kg/cm以上である。銅の層の層厚は1ミクロン以上が好ましく、2から100ミクロンの範囲がより好ましい。層厚が1ミクロン未満ではプリント基板に配線を形成した場合の各種性能が低下することがある。
ポリイミドの層の層厚は1ミクロン以上が好ましく、5ミクロン以上がより好ましい。層厚が1ミクロン未満では基板としての強度が不十分なことがある。
次に、本発明の二層フレキシブルプリント基板の製造方法を説明する。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液は、構造式(2)からなるジアミンと構造式(3)からなるテトラカルボン酸とからなる塩が溶質として溶媒中に溶解しているものである。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液において、溶媒としては構造式(2)からなるジアミンと構造式(3)からなるテトラカルボン酸からなる塩を溶解する溶媒であればいかなる溶媒でもよい。
溶媒としては、例えば、非プロトン性極性溶媒である、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルフォスフォラアミド等が挙げられ、エーテル系化合物である、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、水溶性アルコール系化合物である、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ジアセトンアルコール等を挙げることができ、これらの二種以上を混合したものを用いることができる。
これらの溶媒のうち、特に好ましい例としては、単独溶媒としてはN、N−ジメチルアセトアミド、混合溶媒としてはN−メチルピロリドンとジエチレングリコールモノメチルエーテル、N−メチルピロリドンとメタノール、N−メチルピロリドンと2―メトキシエタノール等の組み合わせが挙げられる。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液のポリイミド前駆体の濃度は、20重量%以上が好ましい。25重量%以上がより好ましく、30重量%以上がさらに好ましい。また、ポリイミド前駆体溶液の粘度は、50ポイズ以下が好ましく、35ポイズ以下がより好ましく、20ポイズ以下がさらに好ましい。
本発明におけるポリイミド前駆体溶液は、構造式(2)からなるジアミン溶液に、構造式(3)からなるテトラカルボン酸を添加することにより製造することができる。
ここでは、好ましい例として、非プロトン性極性化合物とエーテル系化合物の混合物中で、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを反応させることにより、構造式(2)を有するジアミンの溶液を製造した後、構造式(3)を有するテトラカルボン酸を添加するポリイミド前駆体溶液の製造方法について説明する。
まず、構造式(4)の芳香族テトラカルボン酸二無水物と構造式(5)の芳香族ジアミンとを、非プロトン性極性化合物とエーテル系化合物の混合物中で反応させ、構造式(2)を有するジアミンの溶液を製造する。
この反応の温度は、−30〜60℃が好ましく、−20〜40℃がより好ましい。構造式(2)で示されるジアミンを得るためのテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応は、ジアミン1モルに対しテトラカルボン酸二無水物0.4〜0.9モルが好ましく、より好ましくはジアミン1モルに対しテトラカルボン酸二無水物が0.45〜0.8モルである。ジアミン1モルに対しテトラカルボン酸二無水物が0.4〜0.9モルの範囲外では構造式(2)で示されるジアミンが得にくくなる傾向にある。
次いで、上記構造式(2)のジアミンの溶液に構造式(3)の芳香族テトラカルボン酸を添加する。構造式(3)の芳香族テトラカルボン酸の添加割合は構造式(2)のジアミ
ン1モルに対して0.95〜1.05モルが好ましく、より好まくは0.97〜1.03モルである。構造式(3)の芳香族テトラカルボン酸の添加割合が0.95〜1.05モルの範囲外では目的とする塩が得られにくくなる傾向にある。
ン1モルに対して0.95〜1.05モルが好ましく、より好まくは0.97〜1.03モルである。構造式(3)の芳香族テトラカルボン酸の添加割合が0.95〜1.05モルの範囲外では目的とする塩が得られにくくなる傾向にある。
構造式(2)からなるジアミン溶液を合成する際には、モノマー及び溶媒の混合順序は特に制限はなくいかなる順序でもよい。溶媒として、混合溶媒を用いる場合は、個々の溶媒に別々のモノマーを溶解又は懸濁させておき、それらを混合し、撹拌下、所定の温度と時間で反応させることによっても、構造式(2)からなるジアミン溶液が得られる。
また、構造式(3)からなるテトラカルボン酸を添加する方法は、前記ジアミン溶液に撹拌下、固体のままか、もしくは溶液にして添加する。または、構造式(2)からなるジアミンを合成する際に、テトラカルボン酸二無水物と同時に加えてもよい。
以上の方法により得られたポリイミド前駆体溶液を、バーコーター等により銅箔の粗面に塗布し、乾燥して溶媒を除去した後、不活性ガス雰囲気下において焼成してイミド転化させることによって二層フレキシブル基板を得る。
上記の銅箔は特に制限はないが、高純度である点及びその製造過程においてポリイミドの層との接着に適した粗面が形成される点から、特に電解銅箔が好ましく用いられる。
ポリイミド前駆体溶液の塗布厚は、溶液の濃度及び粘度によって好適値が異なる。また、塗布後の乾燥温度は溶媒や溶質濃度によって好適値が異なる。
焼成温度は250°C以上が好ましく、300°C以上がより好ましい。250°C未満ではイミド転化が不十分になり、各種特性が低下することがある。
塗布、乾燥、イミド転化の操作は2回以上くり返し行ってもよく、その際、別組成のポリイミド前駆体溶液を用いてもよい。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
〔実施例1〕
パラフェニレンジアミン10.61gとジメチルアセトアミド120gを三つ口フラスコにとり、これを氷水中で30分間攪拌した後、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物24.53gを加え、室温で1時間攪拌を行った。次いでビフェニルテトラカルボン酸4.86gを加え、室温で2時間攪拌を行い、次いで60°Cの温浴中で3時間攪拌を行い、均一なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体溶液の濃度は25重量%、粘度は6.3ポイズであった。
パラフェニレンジアミン10.61gとジメチルアセトアミド120gを三つ口フラスコにとり、これを氷水中で30分間攪拌した後、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物24.53gを加え、室温で1時間攪拌を行った。次いでビフェニルテトラカルボン酸4.86gを加え、室温で2時間攪拌を行い、次いで60°Cの温浴中で3時間攪拌を行い、均一なポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体溶液の濃度は25重量%、粘度は6.3ポイズであった。
上記のポリイミド前駆体溶液を福田金属箔粉工業(株)製電解銅箔CF−T9の粗面側に塗布し、これを窒素ガス雰囲気下、80°Cで60分間熱処理し、次いで360°Cで120分間熱処理を行い、ポリイミド前駆体をイミド転化し、二層フレキシブルプリント基板を得た。得られた二層フレキシブルプリント基板の剥離強度は1.06kg/cmであった。
〔実施例2〕
ジメチルアセトアミドの量を93.33gとした以外は実施例1と同様にしてポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体溶液の濃度は30重量%、粘度は33.5ポイズであった。
ジメチルアセトアミドの量を93.33gとした以外は実施例1と同様にしてポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体溶液の濃度は30重量%、粘度は33.5ポイズであった。
上記のポリイミド前駆体溶液を用い、以下実施例1と同様にして二層フレキシブルプリント基板を得た。得られた二層フレキシブルプリント基板の剥離強度は1.02kg/cmであった。
〔比較例〕
パラフェニレンジアミン3.0gとジメチルアセトアミド50gを三つ口フラスコにとり、これを氷水中で30分間攪拌した後、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.0gを加え、室温で均一になるまで攪拌を行い、ポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体溶液の濃度は18重量%、粘度は110ポイズであった。
パラフェニレンジアミン3.0gとジメチルアセトアミド50gを三つ口フラスコにとり、これを氷水中で30分間攪拌した後、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物8.0gを加え、室温で均一になるまで攪拌を行い、ポリイミド前駆体溶液を得た。得られたポリイミド前駆体溶液の濃度は18重量%、粘度は110ポイズであった。
上記のポリイミド前駆体溶液を用い、以下実施例1と同様にして二層フレキシブルプリント基板を得た。得られた二層フレキシブルプリント基板の剥離強度は0.75kg/cmであった。
Claims (3)
- 下記構造式(2)を有するジアミンとこのジアミン1モルあたり0.95〜1.05モルの下記構造式(3)で示されるテトラカルボン酸とから得られる塩を溶質として含有し、溶質濃度が20重量%以上であり、かつ粘度が50ポイズ以下であるポリイミド前駆体溶液を、銅箔上に塗布し、次いで上記ポリイミド前駆体をイミド転化させることを特徴とする二層フレキシブルプリント基板の製造方法。
- 構造式(2)を有するジアミンが、下記構造式(5)で示される芳香族ジアミン1モルに対して下記構造式(4)で示される芳香族テトラカルボン酸無水物0.4〜0.9モルを反応させて得られるものである請求項1記載の二層フレキシブルプリント基板の製造方法。
- 銅箔が電解銅箔であることを特徴とする請求項1または2記載の二層フレキシブルプリント基板の製造方法。
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