JP5287658B2 - セラミック電子部品 - Google Patents

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Description

この発明は、セラミック電子部品に関するもので、特に、セラミック電子部品に備える外部端子電極構造に関するものである。
近年、携帯電話機や携帯音楽プレイヤなどの電子機器の小型化や薄型化に伴い、電子機器に搭載されるセラミック電子部品の小型化や薄型化が急速に進んでいる。通常、セラミック電子部品は電子機器内部に搭載される配線基板上に実装されるが、セラミック電子部品の小型化や薄型化に伴って、セラミック電子部品自体の強度は低下する傾向にあり、実装時や使用時にセラミック電子部品にクラックが生じる場合がある。以下、このことを詳しく説明する。
図16は、従来のセラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を示す平面図であり、図17は、図16に示した積層セラミックコンデンサ1の断面図であり、実装時または実装状態において加わる応力によって引き起こされる問題を説明するためのものである。
積層セラミックコンデンサ1に備えるセラミック素体2は、互いに対向する第1の主面3および第2の主面4を有するが、図16では、実装面側に向く第2の主面4が示されている。図16に示すように、第2の主面4において対向する第1および第2の外部端子電極5および6の各端部は直線状に形成されている。
たとえば、この積層セラミックコンデンサ1を配線基板(図示せず。)上に実装する際には、実装機の吸着ヘッド(図示せず。)により第1の主面3を吸着し、配線基板のランド上にマウントするが、図17に示すように、第1の主面3にはマウント時の慣性による応力が加わり、力点7が形成される。そして、積層セラミックコンデンサ1の両端に形成された第1および第2の外部端子電極5および6と配線基板との接点が支点8および9となる。この結果、実装面における外部端子電極5および6の各々の主面4上への回り込み部の端部(点線で囲んだ部分)が作用点10および11となり、この部分を起点として、セラミック素体2の内部にクラックが生じやすくなる。
なお、力点7を与える応力は、上述したような実装時のものだけでなく、使用時の配線基板のたわみなどによるものも含まれる。
この現象は、セラミック素体2の主面3および4と実装面とが平行になる場合に生じやすく、中でも、積層セラミックコンデンサ1の高さ方向の寸法が薄くなるほど生じやすい。
上述した問題を解決するため、たとえば特開2001−126950号公報(特許文献1)には、図18に示すように、セラミック電子部品14に備えるセラミック素体15の実装面側に向く主面16に三角形状の外部端子電極17および18を形成することにより、応力を分散することが提案されている。
しかし、上記特許文献1に記載のような電極形状には、以下のような問題がある。
(1)実装面側に向く主面16における外部端子電極17および18の面積が小さくなるため、外部端子電極17および18のセラミック素体15に対する固着力が低下する。
(2)実装面側に向く主面16における外部端子電極17および18の面積が小さくなるため、はんだなどの接合材との接触面積が小さくなり、セラミック電子部品14の配線基板に対する接続信頼性が低下する。
(3)たとえば特開2003−309373号公報(特許文献2)に記載されるように、近年では、電子部品を配線基板に埋め込んで実装を行なうことが提案されている。この技術が適用されると、配線基板側から電子部品の外部端子電極を狙ってレーザ光を照射するによりビアホールを形成し、ビアホール内部に導電体を充填して配線基板の回路と接続することが行なわれる。この場合、図18に示したセラミック電子部品14のように、実装面側に向く主面16における外部端子電極17および18の面積が小さいと、レーザ光を精度良く外部端子電極17および18に到達させることが困難となる。
特開2001−126950号公報 特開2003−309373号公報
そこで、この発明の目的は、上述したような問題を解決し得るセラミック電子部品の外部電極構造を提供しようとすることである。
この発明は、互いに対向する第1の主面および第2の主面と、互いに対向する第1の側面および第2の側面と、互いに対向する第1の端面および第2の端面とを有し、第2の主面が実装面側に向けられる、セラミック素体と、セラミック素体の少なくとも第2の主面上に配置された、第1の外部端子電極と、セラミック素体の少なくとも第2の主面上において、所定のギャップ領域を挟んで第1の外部端子電極から隔離されるように配置され、互いに直交する長さ方向および幅方向のうちいずれか一方において第1の外部端子電極と対向し、いずれか他方において第1の外部端子電極と対向しない、第2の外部端子電極とを備える、セラミック電子部品に向けられるものであって、上述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
すなわち、第1の外部端子電極および第2の外部端子電極は、第2の主面上において、ともに実質的に方形状の領域を有し、かつ、第2の主面と第1の側面および第2の側面の各々とが交わる稜線にまで届くように形成され、第2の主面上において、第1の外部端子電極のギャップ領域と接する端部、および第2の外部端子電極のギャップ領域と接する端部が、ともに凹凸状に形成されていることを特徴としている。
好ましい実施態様では、上記と同様の構成が第1の主面上でも採用される。より詳細には、第1の外部端子電極は、第1の主面上において、実質的に方形状の領域をさらに有し、第2の外部端子電極は、第1の主面上において、所定のギャップ領域を挟んで第1の外部端子電極から隔離されるように配置され、互いに直交する長さ方向および幅方向のうちいずれか一方において第1の外部端子電極と対向し、いずれか他方において第1の外部端子電極と対向しない、実質的に方形状の領域をさらに有し、第1の主面上において、第1の外部端子電極のギャップ領域と接する端部、および第2の外部端子電極のギャップ領域と接する端部が、ともに凹凸状に形成される。
第1の外部端子電極は、第1の端面に回り込むようにして形成され、第2の外部端子電極は、第2の端面に回り込むようにして形成されてもよい。
この発明に係るセラミック電子部品は、セラミック素体の内部に形成される第1および第2の内部電極をさらに備えていてもよい。この場合、第1の内部電極は、第1の外部端子電極と電気的に接続され、第2の内部電極は、第2の外部端子電極と電気的に接続される。
上記の実施態様において、セラミック素体は、積層された複数のセラミック層をもって構成される積層構造を有し、第1の内部電極と第2の内部電極とは、特定のセラミック層を介して対向するように配置されていると、積層型のセラミック電子部品を構成することができる。
また、前述のように、第1の外部端子電極が第1の端面に回り込むようにして形成され、第2の外部端子電極が第2の端面に回り込むようにして形成されている場合、第1の内部電極は、第1の外部端子電極と第1の端面上において電気的に接続され、第2の内部電極は、第2の外部端子電極と第2の端面上において電気的に接続されることが好ましい。
また、セラミック素体の内部において、第1および第2の内部電極に加えて、第1の内部電極と第1の外部端子電極とを電気的に接続するように少なくとも第2の主面にまで達する第1のビアホール導体と、第2の内部電極と第2の外部端子電極とを電気的に接続するように少なくとも前記第2の主面にまで達する第2のビアホール導体とがさらに形成されていてもよい。この場合、第1の外部端子電極および第2の外部端子電極は、第1の側面および第2の側面ならびに第1の端面および第2の端面のいずれ上にも回り込まないように形成されていることが好ましい。
セラミック素体が、第1の側面と第2の側面とを結ぶ方向に測定した寸法をWとし、第1の主面と第2の主面とを結ぶ方向に測定した寸法をTとしたとき、W>Tである場合、この発明が特に有利に適用される。
前述した凹凸状は、不規則なギザギザ状であっても、実質的に三角波状であっても、実質的に正弦波状であってもよい。
凹凸状における複数の凸部の配列ピッチをD1とし、セラミック素体の第1の側面と第2の側面とを結ぶ方向に測定した寸法をWとしたとき、1/50W≦D1≦1/10Wであるとき、この発明が特に有利に適用される。
第1および第2の外部端子電極は、各々の厚みの少なくとも一部がセラミック素体の内部に埋没した状態で形成されていることが好ましい。
この発明によれば、セラミック素体の実装面側に向く第2の主面において、外部端子電極の端部が凹凸状に形成されているので、外部端子電極の端部に加わる応力が分散され、クラック発生を抑制することができる。
また、実装面側に向く第2の主面において、外部端子電極が実質的に方形状の領域を有するため、セラミック素体や配線基板との接触面積を増やすことができるとともに、配線基板にセラミック電子部品を埋め込む場合、レーザ光の照準面積を増やすことができる。その結果、外部端子電極の固着力が向上し、かつ配線基板に対する接続信頼性が向上するとともに、レーザ光照射によって形成されたビアホールを外部端子電極に精度良く到達させることが容易になる。
セラミック素体の第2の主面上において実現される外部端子電極の特徴的構成が第1の主面上においても採用されると、セラミック電子部品の実装にあたって、第1の主面と第2の主面との間で方向性をなくすことができ、実装工程を能率的に進めることができる。
この発明の第1の実施形態による積層セラミックコンデンサ21の第2の主面28側を示す底面図である。 図1に示した積層セラミックコンデンサ21の第1の側面29側を示す側面図である。 図1の線A‐Aに沿う断面図である。 図1に示した積層セラミックコンデンサ21に備えるセラミック素体22の内部構造を示す平面図である。 この発明の第2の実施形態を説明するためのもので、外部端子電極23の方形状の領域35の端部37を拡大して示す図である。 この発明の第3の実施形態を説明するためのもので、外部端子電極23の方形状の領域35の端部37を拡大して示す図である。 図5に示した実施形態について、外部端子電極23の凹凸状の端部37が占める好ましい面積割合を説明するためのものである。 図1に示した積層セラミックコンデンサ21の製造方法を説明するためのもので、内部電極パターン42および43がそれぞれ形成された状態にあるセラミックグリーンシート41を示す平面図である。 図1に示した積層セラミックコンデンサ21の製造方法を説明するためのもので、外部端子電極パターン45が形成された状態にあるマザー積層体44を示す平面図である。 この発明の第4の実施形態を説明するための図3に対応する図である。 この発明の第5の実施形態を説明するための図3に対応する図である。 この発明の第6の実施形態を説明するための図2に対応する図である。 この発明の範囲外の第1の参考例を説明するための図1に対応する図である。 この発明の範囲外の第2の参考例を説明するための図1に対応する図である。 上記第2の参考例を説明するための図3に対応する図である。 従来の積層セラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ1を示す平面図である。 図16に示した積層セラミックコンデンサ1の断面図であり、実装時または実装状態において加わる応力によって引き起こされる問題を説明するためのものである。 この発明にとって興味ある従来の積層セラミック電子部品14を主面16側から示す底面図である。
図1ないし図4は、この発明の第1の実施形態を説明するためのものである。ここで、図1は、この発明に係るセラミック電子部品の一例としての積層セラミックコンデンサ21を示す底面図であり、図2は同じく側面図であり、図3は図1の線A‐Aに沿う断面図である。積層セラミックコンデンサ21はセラミック素体22を備えるが、図4は、セラミック素体22の内部状態を示す平面図である。
積層セラミックコンデンサ21は、上述したセラミック素体22に加えて、第1および第2の外部端子電極23および24ならびに第1および第2の内部電極25および26を備えている。
セラミック素体22は、互いに対向する第1の主面27および第2の主面28と、互いに対向する第1の側面29および第2の側面30と、互いに対向する第1の端面31および第2の端面32とを有している。また、セラミック素体22は、積層された複数のセラミック層33をもって構成される積層構造を有している。
積層セラミックコンデンサ21において、セラミック素体22の第1の端面31と第2の端面32とを結ぶ方向に測定した寸法をL(図1参照)とし、同じく第1の側面29と第2の側面30とを結ぶ方向に測定した寸法をW(図1参照)とし、同じく第1の主面27と第2の主面28とを結ぶ方向に測定した寸法をT(図2参照)としたとき、L>W>Tとなっている。より具体的には、T≦0.3mmといった小型のセラミック素体22や、1/5W≦T≦2/3Wといった薄型のセラミック素体22を有する場合において、この発明の効果が顕著に発揮され得る。
セラミック素体22は、図1ないし図4に示されるように、コーナー部および稜部において丸みが付与されていることが好ましい。
セラミック層33を構成するセラミック材料としては、たとえば、BaTiO、CaTiO、SrTiO、CaZrOなどを主成分とする誘電体セラミックを用いることができる。また、これら主成分に、Mn化合物、Fe化合物、Cr化合物、Co化合物、Ni化合物などの副成分を添加したものを用いてもよい。
セラミック素体22は、焼成工程を経て得られるものであるが、各セラミック層の焼成後の厚みは0.5〜10μmであることが好ましい。
なお、この実施形態では、セラミック電子部品として、積層セラミックコンデンサ21を採り上げたため、セラミック層33を構成するセラミックとして、誘電体セラミックを用いたが、PZT系セラミックなどの圧電体セラミックを用いと、圧電部品として機能するセラミック電子部品を得ることができ、スピネル系セラミックなどの半導体セラミックを用いると、サーミスタとして機能するセラミック電子部品を得ることができる。
また、この実施形態では、セラミック素体22が複数のセラミック層33をもって構成される積層構造を有していたが、積層型のセラミック電子部品を構成しない場合には、セラミック素体は積層構造を有していなくてもよい。
次に、外部端子電極23および25について説明する。
第1の外部端子電極23は、第1の主面27、第1の端面31および第2の主面28にわたって形成され、第1の端面31上において第1の内部電極25と電気的に接続されている。他方、第2の外部端子電極24は、第1の主面27、第2の端面32および第2の主面28にわたって形成され、第2の端面32上において第2の内部電極26と電気的に接続されている。
この実施形態において、好ましくは、図1および図2からわかるように、第1および第2の外部端子電極23および24は、第1および第2の側面29および30上には実質的に形成されない。このため、図1に示したW方向に関して、積層セラミックコンデンサ21の小型化を図ることができる。
なお、セラミック素体22の端面31および32の各々と側面29および30の各々との間のコーナー部に丸みをつける場合、これらコーナー部に第1および第2の外部端子電極23および24が回り込むことがある。図2には、上記のような場合の外部端子電極23および24の形成状態が図示されている。また、導電性ペーストを用いて外部端子電極23および24を形成する場合、端面31および32に付与される導電性ペーストがセラミック素体22の長手方向にそれぞれ50μm以下程度回り込むことがあり、場合によっては、側面29および30の平坦な面にまで達することがある。
実装面側に向く第2の主面28に注目すると、第1および第2の外部端子電極23および24は、所定のギャップ領域34を挟んで対向するように配置されているが、L方向において互いに対向し、W方向において互いに対向しないようにされている。図2および図3からわかるように、第1および第2の外部端子電極23および24は、第1の主面27側においても、第2の主面28側と同様、L方向において互いに対向し、W方向において互いに対向しないようにされている。そして、第1および第2の外部端子電極23および24は、第2の主面28上において、ともに実質的に方形状の領域35および36を有している。ここで、「実質的」としたのは、後述するように、端部が凹凸状であることに関係するが、そのほかにも、セラミック素体22の丸みを受けてコーナー部が丸くなる場合がある、といった事情を考慮している。
上述の方形状の領域35および36は、この実施形態では、第2の主面28と第1および第2の側面29および30の各々とが交わる稜線にまで届くように形成されている。また、第2の主面28における方形状の領域35および36の各々が占める割合は、W方向で見て80%以上、L方向で見て20%以上であることが好ましい。
第1および第2の外部端子電極23および24の各々の端部37および38は、ともに凹凸状に形成されている。この第1の実施形態では、凹凸状は、図1によく示されているように、不規則なギザギザ状である。
図5および図6は、それぞれ、この発明の第2および第3の実施形態を説明するためのものであり、第1の外部端子電極23の端部37を拡大して示している。凹凸状は、図5に示すように、実質的に三角波状であっても、図6に示すように、実質的に正弦波状であってもよい。
応力分散の観点からすると、図5に示すような三角波状の場合は、各凸部の形状が正三角形であることが好ましい。また、図6に示すような正弦波状も、応力分散の観点から好ましい。また、外部端子電極23上にめっき膜が形成される場合、過度のめっき成長を抑制する観点からすると、凹凸状の各凸部の先端が鋭利にならないようにすることが好ましい。また、外部端子電極23の凹凸状の端部37において、凸部の個数は10〜50個であることが好ましい。
図5および図6に示すように、外部端子電極23の凹凸状の端部37における複数の凸部の配列ピッチD1は、セラミック素体22の寸法Wに対して、1/50W≦D1≦1/10Wの関係にあることが好ましい。たとえば、Wが0.5mmである場合、10μm≦D1≦50μmであることが好ましい。なお、図1では配列ピッチD1を図示していないが、図1に示した凹凸状の端部37および38についても、凸部の配列ピッチが寸法Wに対して同様の関係にあることが好ましい。
上述の配列ピッチD1を求める際、凸部の頂点が不規則に配置されている場合には、W方向に沿って任意の5箇所(たとえば、側面29から側面30にかけておおよそ均等な間隔をあけて5箇所)を選び、それぞれの箇所において隣り合う頂点同士の距離を求め、その平均値をもって配列ピッチD1とすることが好ましい。このとき、上記頂点同士の距離は、必ずしも頂点間の直線距離ではなく、頂点間のW方向に沿った距離とする。
また、凹凸状の端部37における隣り合う凹部と凸部との高低差、すなわち凹凸差D2を、たとえば図5において図示したような距離であると定義したとき、30μm≦D2≦60μmであることが好ましい。ここで、凹凸の差D2を測定する際、凸部の頂点や凹部の頂点が不規則に配置されている場合には、凸部のうち最も第2の端面32(図1参照)に向かって突出している頂点と凹部のうち最も第1の端面31(図1参照)に向かって陥入している頂点とを見出し、これら頂点間の、L方向(図1参照)に沿った距離を凹凸の差D2と定義する。
図7は、図5に示した実施形態について、外部端子電極23の凹凸状の端部37が占める好ましい面積割合を説明するためのものである。
図7を参照して、セラミック素体22のW方向に延びる辺を長辺、上記D2寸法によって規定される辺を短辺として定義される長方形の領域において、外部端子電極23の凹凸状の端部37が占める面積割合は、40〜60%であることが好ましい。
なお、外部端子電極23が側面29および/または30に至っていない場合は、側面29および30の各々に最も近い凸部あるいは凹部の頂点の間のW方向に沿った距離によって規定される辺をを長辺とし、上記D2寸法によって規定される辺を短辺として定義される長方形の領域に置き換えるものとする。
上述の特に図5および図6を参照しての説明ならびに図7を参照しての説明は、第1の外部端子電極23についてのみ行なったが、同様の構成が第2の外部端子電極24においても採用されている。
また、この実施形態では、上述した第2の主面28上での特徴的構成は、第1の主面27上でも採用されている。
外部端子電極23および24のための導電材料としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag‐Pd合金、Auなどを用いることができる。外部端子電極23および24は、たとえば導電性ペーストの焼き付けによって形成されるものであるが、内部電極25および26と同時焼成するコファイアによるものでも、内部電極25および26の焼成後に導電性ペーストを塗布して焼き付けるポストファイアによるものでもよい。外部端子電極23および24の厚みは、最も厚い部分で10〜50μmであることが好ましい。
外部端子電極23および24上にはめっき膜が形成されてもよい。めっき膜を構成する金属としては、たとえば、Cu、Ni、Ag、Pd、Ag‐Pd合金、Auなどを用いることができる。めっき膜は単層であっても複層であってもよいが、めっき膜の1層あたりの厚みは1〜10μmであることが好ましい。また、外部端子電極23および24の各々とめっき膜との間に、応力緩和用の樹脂層が形成されてもよい。
次に、内部電極25および26について説明する。
図3および図4に示すように、第1の内部電極25は第1の端面31に引き出され、第2の内部電極26は第2の端面32に引き出されている。その結果、前述したように、第1の内部電極25は、第1の外部端子電極23と第1の端面31上において電気的に接続され、第2の内部電極26は、第2の外部端子電極24と第2の端面32上において電気的に接続されている。
第1の内部電極25と第2の内部電極26とは、特定のセラミック層33を介して対向するように配置されている。そして、第1の内部電極25と第2の内部電極26とが対向する部分において所定の電気的特性が発現される。この実施形態のように、積層セラミックコンデンサ21の場合には、第1の内部電極25と第2の内部電極26とが対向する部分に静電容量が形成される。
内部電極25および26を構成する導電材料としては、たとえば、Ni、Cu、Ag、Pd、Ag‐Pd合金、Auなどを用いることができる。
内部電極25および26の各々の焼成後の厚みは0.3〜2.0μmであることが好ましい。
なお、この発明が積層セラミックコンデンサ以外のセラミック電子部品に適用される場合、内部電極を備えないものもあり得る。
次に、図8および図9をも参照しながら、上述した積層セラミックコンデンサ21の製造方法について説明する。
まず、セラミック層33となるべきセラミックグリーンシート、内部電極用導電性ペーストおよび外部端子電極用導電性ペーストをそれぞれ準備する。セラミックグリーンシートおよび導電性ペーストには、バインダおよび溶剤が含まれるが、これらについては、公知の有機バインダおよび有機溶剤を用いることができる。
次に、図8(a)および(b)に示すように、セラミックグリーンシート41上に、たとえばスクリーン印刷などにより、所定のパターンをもって導電性ペーストを印刷し、第1および第2の内部電極25および26とそれぞれなるべき第1および第2の内部電極パターン42および43をそれぞれ形成する。
次に、上記内部電極パターン42および43が形成されていない外層用セラミックグリーンシートを所定枚数積層し、その上に、第1の内部電極パターン42が印刷されたセラミックグリーンシート41と第2の内部電極パターン43が印刷されたセラミックグリーンシート41とを交互に所定枚数ずつ積層し、その上に、外層用セラミックグリーンシートを再び所定枚数積層し、マザー積層体を作製する。この時点で、必要に応じて、マザー積層体を静水圧プレスなどの手段により積層方向にプレスしてもよい。
次に、図9に示すように、マザー積層体44の上下面に、スクリーン印刷などにより第1および第2の外部端子電極23および24となるべき外部端子電極パターン45を形成する。
次に、マザー積層体44を、図9において破線で示したカットライン46に沿って所定のサイズにカットし、個々のセラミック素体22となるべき生のセラミック素体47を切り出す。
次に、生のセラミック素体にバレル研磨を施す。このとき、外部端子電極23および24の端部37および38に凹凸状が形成されるように、研磨量を調整する。
次に、生のセラミック素体47の両端面に導電性ペーストを塗布し、外部端子電極23および24の、端面31および32に回り込む部分を形成する。
次に、生のセラミック積層体47を焼成する。焼成温度は、用いられるセラミック材料や導電材料にもよるが、900〜1300℃であることが好ましい。これによって、セラミックグリーンシート、内部電極用導電性ペーストおよび外部端子電極用導電性ペーストが同時焼成され、焼結した状態にある積層セラミックコンデンサ21が得られる。その後、必要に応じて、外部端子電極23および24の表面にめっきを施す。
上述した製造方法においては、バレル研磨により外部端子電極23および24の端部37および38に凹凸形状を付与しているが、このほかにも、印刷版の加工により印刷時に凹凸状を付与することも可能であり、導電性ペーストの溶剤量を増やして印刷図形をにじませることにより凹凸状を付与することも可能である。特に図5および図6にそれぞれ示した外部端子電極23の端部37に備える凹凸状は、印刷版の加工により印刷時に形成することが適している。
以下、この発明のさらに他の実施形態について説明する。
図10は、この発明の第4の実施形態を説明するための図3に対応する図である。図10において、図3に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図10に示した積層セラミックコンデンサ21aでは、外部端子電極23および24は、各々の厚みの少なくとも一部がセラミック素体22の内部に埋没した状態で形成されていることを特徴としている。これにより、積層セラミックコンデンサ21aの薄型化を図ることができる。
なお、上記構造は、前述した第1の実施形態による積層セラミックコンデンサ21の製造方法において、図9に示すように、外部端子電極パターン45を形成した後に、マザー積層体44を積層方向にプレスすることにより実現できる。
図11は、この発明の第5の実施形態を説明するための図3に対応する図である。図11において、図3に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図11に示した積層セラミックコンデンサ21bでは、外部端子電極23および24が第1の主面27上には形成されていないことを特徴としている。これにより、積層セラミックコンデンサ21bの薄型化を図ることができる。
図12は、この発明の第6の実施形態を説明するための図2に対応する図である。図12において、図2に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図12に示した積層セラミックコンデンサ21cでは、外部端子電極23および24が第1および第2の側面29および30上にも形成されていることを特徴としている。実装時において、半田の濡れ上がり面積を増やして、配線基板との接続信頼性を高める場合には、この実施形態を採用すればよい。
図13は、この発明の範囲外であるが、この発明にとって興味ある第1の参考例を説明するための図1に対応する図である。図13において、図1に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図13に示した積層セラミックコンデンサ21dでは、外部端子電極23および24の方形状の領域35および36が、第2の主面28が第1および第2の側面29および30と交わる稜線にまで達しておらず、側面29および30側に向く部分にある端部37および38においても凹凸状に形成されていることを特徴としている
なお、図13では、第2の主面28側を図示したが、図示しない第1の主面27側においても同様に構成されてもよい
図14および図15は、この発明の範囲外であるが、この発明にとって興味ある第2の参考例を説明するためのもので、図14は図1に対応し、図15は図3に対応している。図14および図15において、図1または図3に示す要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図14および図15に示した積層セラミックコンデンサ21eでは、外部端子電極23および24の方形状の領域35および36は、第2の主面28における第1および第2の側面29および30との稜線にまで達していないばかりでなく、第1および第2の端面31および32との稜線にも達していないことを特徴としている。そして、方形状の領域35および36の各々の全周にわたる端部37および38に凹凸状が付与されている。
また、セラミック素体22の内部には、第1の内部電極25と第1の外部端子電極23とを電気的に接続するように第1および第2の主面27および28の各々にまで達する第1のビアホール導体48と、第2の内部電極26と第2の外部端子電極24とを電気的に接続するように第1および第2の主面27および28の各々にまで達する第2のビアホール導体49とが形成されている。
なお、上記第2の参考例の変形例として、外部端子電極23および24が第1の主面27上には形成されず、ビアホール導体48および49が第2の主面28にのみ達するように形成されてもよい。
21,21a,21,21c,21d,21e 積層セラミックコンデンサ
22 セラミック素体
23 第1の外部端子電極
24 第2の外部端子電極
25 第1の内部電極
26 第2の内部電極
27 第1の主面
28 第2の主面
29 第1の側面
30 第2の側面
31 第1の端面
32 第2の端面
33 セラミック層
34 ギャップ領域
35,36 方形状の領域
37,38 端部
48 第1のビアホール導体
49 第2のビアホール導体

Claims (14)

  1. 互いに対向する第1の主面および第2の主面と、互いに対向する第1の側面および第2の側面と、互いに対向する第1の端面および第2の端面とを有し、前記第2の主面が実装面側に向けられる、セラミック素体と、
    前記セラミック素体の少なくとも前記第2の主面上に配置された、第1の外部端子電極と、
    前記セラミック素体の少なくとも前記第2の主面上において、所定のギャップ領域を挟んで前記第1の外部端子電極から隔離されるように配置され、互いに直交する長さ方向および幅方向のうちいずれか一方において前記第1の外部端子電極と対向し、いずれか他方において前記第1の外部端子電極と対向しない、第2の外部端子電極と
    を備え、
    前記第1の外部端子電極および前記第2の外部端子電極は、前記第2の主面上において、ともに実質的に方形状の領域を有し、かつ、前記第2の主面と前記第1の側面および前記第2の側面の各々とが交わる稜線にまで届くように形成され、
    前記第2の主面上において、前記第1の外部端子電極の前記ギャップ領域と接する端部、および前記第2の外部端子電極の前記ギャップ領域と接する端部が、ともに凹凸状に形成されていることを特徴とする、セラミック電子部品。
  2. 前記第1の外部端子電極は、前記第1の主面上において、実質的に方形状の領域をさらに有し、
    前記第2の外部端子電極は、前記第1の主面上において、所定のギャップ領域を挟んで前記第1の外部端子電極から隔離されるように配置され、互いに直交する長さ方向および幅方向のうちいずれか一方において前記第1の外部端子電極と対向し、いずれか他方において前記第1の外部端子電極と対向しない、実質的に方形状の領域をさらに有し、
    前記第1の主面上において、前記第1の外部端子電極の前記ギャップ領域と接する端部、および前記第2の外部端子電極の前記ギャップ領域と接する端部が、ともに凹凸状に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載のセラミック電子部品。
  3. 前記第1の外部端子電極は、前記第1の端面に回り込むようにして形成され、
    前記第2の外部端子電極は、前記第2の端面に回り込むようにして形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のセラミック電子部品。
  4. 前記セラミック素体の内部に形成される第1および第2の内部電極をさらに備え、前記第1の内部電極は、前記第1の外部端子電極と電気的に接続され、前記第2の内部電極は、前記第2の外部端子電極と電気的に接続されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  5. 前記セラミック素体は、積層された複数のセラミック層をもって構成される積層構造を有し、前記第1の内部電極と前記第2の内部電極とは、特定の前記セラミック層を介して対向するように配置されていることを特徴とする、請求項4に記載のセラミック電子部品。
  6. 前記セラミック素体の内部に形成される第1および第2の内部電極をさらに備え、前記第1の内部電極は、前記第1の外部端子電極と前記第1の端面上において電気的に接続され、前記第2の内部電極は、前記第2の外部端子電極と前記第2の端面上において電気的に接続されていることを特徴とする、請求項3に記載のセラミック電子部品。
  7. 前記セラミック素体の内部にそれぞれ形成される、第1および第2の内部電極と、前記第1の内部電極と前記第1の外部端子電極とを電気的に接続するように少なくとも前記第2の主面にまで達する第1のビアホール導体と、前記第2の内部電極と前記第2の外部端子電極とを電気的に接続するように少なくとも前記第2の主面にまで達する第2のビアホール導体とをさらに備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のセラミック電子部品。
  8. 前記第1の外部端子電極および前記第2の外部端子電極は、前記第1の側面および前記第2の側面ならびに前記第1の端面および前記第2の端面のいずれ上にも回り込まないように形成されていることを特徴とする、請求項7に記載のセラミック電子部品。
  9. 前記セラミック素体は、前記第1の側面と前記第2の側面とを結ぶ方向に測定した寸法をWとし、前記第1の主面と前記第2の主面とを結ぶ方向に測定した寸法をTとしたとき、W>Tであることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  10. 前記凹凸状は不規則なギザギザ状であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  11. 前記凹凸状は実質的に三角波状であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  12. 前記凹凸状は実質的に正弦波状であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  13. 前記凹凸状における複数の凸部の配列ピッチをD1とし、前記セラミック素体の前記第1の側面と前記第2の側面とを結ぶ方向に測定した寸法をWとしたとき、1/50W≦D1≦1/10Wであることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  14. 前記第1および第2の外部端子電極は、各々の厚みの少なくとも一部が前記セラミック素体の内部に埋没した状態で形成されていることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれかに記載のセラミック電子部品。
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