JP4324558B2 - イソシアネートの連続製造方法 - Google Patents

イソシアネートの連続製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4324558B2
JP4324558B2 JP2004561288A JP2004561288A JP4324558B2 JP 4324558 B2 JP4324558 B2 JP 4324558B2 JP 2004561288 A JP2004561288 A JP 2004561288A JP 2004561288 A JP2004561288 A JP 2004561288A JP 4324558 B2 JP4324558 B2 JP 4324558B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stage
phosgene
reaction
pressure
reactor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004561288A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006510692A (ja
Inventor
ゾーン,マルティン
シュトレファー,エックハルト
ネフェヤンス,フィリップ
ペンツェル,ウルリヒ
パラシュ,ハンス−ユルゲン
ロイトホルト,レーネ
ブロトハーゲン,アンドレアス
ヴェルフェルト,アンドレアス
マケンロト,ヴォルフガング
マウラー,マルクス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=32404069&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP4324558(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2006510692A publication Critical patent/JP2006510692A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4324558B2 publication Critical patent/JP4324558B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/10Preparation of derivatives of isocyanic acid by reaction of amines with carbonyl halides, e.g. with phosgene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/18Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C263/20Separation; Purification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C265/00Derivatives of isocyanic acid
    • C07C265/14Derivatives of isocyanic acid containing at least two isocyanate groups bound to the same carbon skeleton

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、芳香族または脂肪族イソシアネートを製造する方法に関する。芳香族イソシアネートの中では、メチレンジ(フェニルイソシアネート)(MDI)およびトリレンジイソシアネート(TDI)が好適であり、一方、脂肪族イソシアネートの場合には、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)およびイソホロンジイソシアネート(IPDI)およびその他が好適である。
本発明の目的は、低いホスゲン滞留量で、非常に高い化学収率と高い時空収率とでイソシアネートを得られる、2段階または多段階製造方法を提供することにある。
本発明の製造方法において、有機アミンとホスゲンとの反応は、不活性溶媒中、好ましくはトルエン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、または後者2種の混合物中で、過剰量のホスゲンを使用して、2以上の段階で行われ、
各段階間で圧力が減圧され、第1ホスゲン化段階は静的混合装置、好ましくはノズルを含み、第2段階は滞留装置を含み、第3段階は、反応塔を含むことを特徴とする。前記ノズルの上流の圧力は、好ましくは3〜70bar、より好ましくは15〜45barである。第2段階の滞留装置は、2.5〜35bar、好ましくは15〜35barの圧力で操作される。ノズルの下流で、圧力は、制御バルブまたはこの目的に適したその他のデバイスによって、第2段階の圧力へと減圧される。減圧用のノズルでの自然減圧を使用することも可能である。第1段階の反応装置、通常は静的混合装置(スタティックミキサー)は、第2段階の反応装置、すなわち滞留装置へと、一体化することも可能である。第3ホスゲン化段階の反応装置、通常は塔、好ましくは反応塔は、好ましくは2〜20bar、好ましくは3.5〜16barの圧力で操作される。第2段階の反応装置の下流で、圧力は、制御バルブまたはこの目的に適したその他のデバイスによって、第3段階の反応装置の圧力へと減圧される。自然減圧でも、減圧を達成するためには十分である。例えばWO99/54289(DE19817691)に記載されているように、第3段階の反応装置として、塔(反応塔)を使用することが好適である。
アミンとホスゲンとからイソシアネートを製造することは公知である。この反応は、アミンの種類に依存して、気相中でまたは液相中で、バッチ法または連続法で行われる(W.Siefken. Liebigs Ann.562、75(1949年))。有機第1アミンとホスゲンとの反応により、有機イソシアネートを連続的に製造することは、数多くの記載があり、巨大な工業規模でも実施されている(例えば、ウルマン工業化学エンサイクロペディア(Ullmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie)、第7巻(ポリウレタン)、第三版、カールハンザー出版(Carl Hanser Verlag)、ミュンヘン−ウイーン(
Munich-Vienna)、頁76ff(1993年)参照)。芳香族イソシアネート TDI(トリレンジイソシアネート)及びMDIメチレンジ(フェニルイソシアネート)及びPMDI(ポリメチレン−ポリフェニレンポリイソシアネート)及び後者2種の混合物及び脂肪族イソシアネートHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)は特に世界中で工業規模で製造されている。
芳香族イソシアネートMDI及びTDI及び脂肪族ジイソシアネートHDI及びIPDIの現在の工業的合成は、実質的にはもっぱら連続法で行われている。この反応を実施するための連続法は、反応混合物が連続的に通過する多数の容器中で反応が行われることが、例えばDE844896に記載されている。一般に、この方法の連続的な実施の態様は、2段階で行われる。ホスゲン化の第1段階では、アミンがホスゲンと反応して、対応するカルバモイルクロリドと塩化水素とアミンヒドロクロリドが形成される。アミンとホスゲンとの反応は極めて速く、強い発熱反応であり、極めて低い温度でも進行する。副生成物と固体形成を最小にするために、アミンとホスゲンは、所望によりいずれも有機溶媒中で、迅速に混合する必要があり、これが、第1ホスゲン化段階が一般に混合装置中で、好ましくはノズルで行われることの理由である。ホスゲン化の第2段階は、カルバモイルクロリドの分解で所望のイソシアネート及び塩化水素を形成すること、及びアミンヒドロクロリドのホスゲン化でカルバモイルクロリドを形成することの両方を含む。第2ホスゲン化段階の温度は、一般には第1段階よりも高い。
液相中でのアミンとホスゲンの反応は、工業的な通常のあらゆる温度及び圧力で、非常に速い。この理由により、第2反応(副反応)を抑制するために、反応物の良好な混合が求められている。ホスゲン化の第1段階として、混合反応装置中での第1アミンのホスゲン化は、数多く記載されてきた。
混合装置は、基本的には、動的混合装置(ダイナミックミキサー)、例えばスターラー及びタービン、および静的混合装置(スタティックミキサー)、ローター−スターターシステム(回転子−固定子装置)、例えばケニックスミキサー、シャシュリックミキサー、SMVミキサー、及びジェットミキサー、例えばノズルまたはT−ミキサーに分類することができる(Chem.Ing.Tech.MS1708/88、Fortschr.Verf.Technik 23、1985年、373頁、Ind.Eng.Chem.Res.26、1987年、1184頁)。
公知の混合装置には、特に、ノズル、例えば環状スリットノズル(DE1792660)、環状ホールノズル(DE3744001)、スムースジェット混合ノズル(EP0065727)、ファンジェットノズル(DE2950216)、アングルドジェットチェンバーノズル(DD300.168)、3流ノズル(DD132340)、向流混合チェンバー(DE−C1146872)、流体バックアップノズル(FR69428)、ベンチュリ混合ノズル(DE−B1175666)が含まれる。インラインミキサー(US3321283)、遠心混合ポンプまたは反応混合ポンプ(EP0291819)、管状反応装置(US3226410)またはマイクロストラクチャーミキサー(EP0928785)も公知である。CA832432は、混合のための超音波の使用を記載している。
EP0830894は、第1アミンのホスゲン化のための混合反応装置を記載しており、ここでは1物質の導入口が混合チャンバーの軸上に設けられており、他の物質の導入口が混合チャンバーの軸の周囲に回転対称状に配置された多数のノズルとして設置されており、これらの各ノズルはピンを有し、このピンはノズルの軸の方向に可動であり、ノズルに固体を接着させないようにできる。
DD132340は、過大気圧下、高温下で、均一溶媒の存在下で、モノイソシアネート、ジイソシアネートおよびポリイソシアネートを形成するアミンのホスゲン化の方法を記載しており、ここではアミン/モノクロロベンゼン混合物およびホスゲン/モノクロロベンゼン混合物が、並列に、多数の部分流(サブストリーム)として反応装置に供給され、ホスゲン/モノクロロベンゼン混合物の一部が中央部に導入され、アミン/モノクロロベンゼン混合物がこの中央流の周りに導入され、アミン/モノクロロベンゼン混合物がさらにホスゲン/モノクロロベンゼン混合物に囲まれている。ポリアミン/モノクロロベンゼン混合物は、例えば、環状流としてホスゲン反応装置へ150℃で導入される。反応装置へのエントリーの前に、適当な旋回誘導デバイスによって混合物に回転運動が付与される。ポリアミン/モノクロロベンゼン混合物の中および周囲に、150℃に加熱されたホスゲン/モノクロロベンゼン混合物が、反応物として反応装置中へ供給される。2種の反応物の相対速度は約15m/sである。
第2ホスゲン化段階のために、これは相分離容器としても同時に使用され、多数の装置がまた確立されてきた。対応するアミンのホスゲン化によるイソシアネートの製造は、攪拌容器中で(例えばDE−A1468445)、攪拌容器のカスケードで(DE−C844896)、充填反応塔で(例えばWO99/54289)、または非充填塔で(例えばウルマン工業化学エンサイクロペディア(Ullmanns Enzyklopaedie der Technischen Chemie)、第四版(1977年)、頁351ff)行うことができる。さらに、限定された反応体積(および滞留量)で完全な転化に十分な滞留時間を提供するために、操作の循環モードもまた、ループ式反応装置を使用することにより実現されている。
イソシアネート合成の第1段階は、しばしば非常に低い温度で、第2段階はこれより十分に高い温度で、滞留装置中で行われる。この操作のモードは、しばしば冷熱ホスゲン化として記載されており、例えばW.Siefken著、Liebigs Analen der Chemie 562(1949年)、96頁に記載されている。最初に、中間体カルバモイルクロリドとアミンヒドロクロリドの懸濁物が、低温、特に0℃または室温で、但し高くとも60℃までで製造され、次にこれが、滞留装置中で、より高い温度で、特に100〜200℃の範囲の温度でイソシアネートへ転化される。このような二段階法は、Kunststoffhandbuch、第7巻(ポリウレタン)、第三版、カールハンザー出版(Carl Hanser Verlag)、ミュンヘン−ウイーン(Munich-Vienna)、頁76ff(1993年)、及び例えば、DE2058032、DE2153268、DE2908703、DE1233854に記載されている。
DE949227は、溶媒の存在下の液相中でアミンとホスゲンを反応させることによりイソシアネートを連続的に製造するための冷熱ホスゲン化法を記載しており、ここでは不活性溶媒中のアミンの溶液またはスラリーが、液体ホスゲンまたは不活性溶媒中のホスゲン溶液と、混合装置中で強く撹拌されつつ低温ホスゲン化での外部冷却なしで連続的に混合され、この方法で得られた反応混合物は次に高温ホスゲン化を受ける。反応装置として、ターボミキサーと遠心ポンプと機械的可動部材を有する混合装置とが概ね特許請求されている。混合装置中の滞留時間は数秒から1分間の範囲である。
DE949228は、単環式芳香族ジイソシアネート(例えばトリレンジイソシアネート)の連続的製造のための冷熱ホスゲン化法を記載しており、ここではホスゲン化に使用される溶媒の全量とイソシアネートの基になるアミンとから、懸濁液が連続的に製造され、懸濁液は低温下でホスゲンと連続的に反応し、反応生成物は次に、ホスゲン化塔として知られる1以上の垂直なまたは傾斜した管に連続的に押し込まれ、ここでは材料は、所望により気体状ホスゲンの導入を受けつつ、ホスゲン化温度へと加熱され、溶液は続けて塔中で乾燥した不活性気体流でストリッピングされて溶解したホスゲンを取り除かれる。o−ジクロロベンゼンが溶媒として使用されている。低温ホスゲン化は、0℃で攪拌容器中で行われ、反応混合物は次に30℃に予熱され、最終的に直列に接続されたホスゲン化塔中で170℃での高温ホスゲン化反応を受けてイソシアネートを得る。気体状のホスゲンは、第2ホスゲン化塔の底部に導入される。2個のホスゲン化塔の頂部から取り出された塩化水素/ホスゲン/溶媒混合物が、各ホスゲン化塔の頂部の各凝縮装置中で部分的に凝縮され、底部に再循環される。ホスゲンと塩化水素を含む非凝縮性気体は、ホスゲン/塩化水素分離ユニットへ搬送され、あるいは排出される。第2ホスゲン化塔を離れた液体および完全にホスゲン化された反応生成物は、バブルキャップトレイ塔へと搬送されて、そこで窒素流での向流によりストリッピングされて溶解したホスゲンを取り除かれる。頂部から取り出された蒸気は、凝縮装置へと搬送されて、凝縮した溶媒は塔頂へと再循環される。塔底部で、溶媒中の反応生成物が取り出されて、蒸留へと搬送される。
DE952086もまた冷熱(低温−高温)ホスゲン化を記載している。高温ホスゲン化は、ラシヒリングまたはその他の充填要素で満たされた直立型反応塔で行われる。低温ホスゲン化は0℃で行われ、高温ホスゲン化は120℃から160℃に上昇させる温度プロファイルを使用して行われた。
DE958558では、循環される溶媒は、反応塔の底部末端ではなく低温ホスゲン化段階に導入される。低温ホスゲン化からの反応生成物の希釈が、カルバモイルクロリドとアミンヒドロクロリドの粘性懸濁液に代えた、相対的に低い粘度を有する溶液の利点をもたらす。
DE2058032もまた冷熱ホスゲン化を記載している。高温ホスゲン化は、約200℃以下の垂直管型反応装置中で行われ、低温ホスゲン化からの反応混合物は、高温ホスゲン化段階で継続的な機械的混合と緩やかな温度上昇プロファイルとによって完全に反応する。低温ホスゲン化は0℃で行われる。
US2908703は、芳香族イソシアネートを製造するための2段階法を記載しており、ここでは第1反応段階が60〜90℃、好ましくは70〜85℃で、溶媒としてクロロベンゼンを使用して行われ、第2反応段階が、イソシアネートを形成する中間体が分解するほどに十分に高い温度で行われる。有機溶媒、好ましくはクロロベンゼンまたはo−ジクロロベンゼン中のアミン溶液と、気体状ホスゲンとが、飽和ホスゲン溶液が形成されるように、撹拌され加熱された反応装置中へと同時に導入され、過剰量のホスゲンがアミン/ホスゲン反応のためのホスゲンの化学量論量を50%以上超えていた。反応混合物は、続けて、カルバモイルクロリドとアミンヒドロクロリドの分解温度へと加熱される。形成されたイソシアネートは、最終的に、分留またはその他の方法によって分離除去される。このバッチ法に代わるものとして、記載された方法を、第1反応段階を第1反応装置で、第2反応段階を第2反応装置で行うことにより連続的に実施することも可能である。反応は一般に大気圧下で行われる。有機溶媒中のアミンの濃度は、2〜20質量%、好ましくは5〜10質量%である。より高い濃度は、副生成物、特に尿素(ウレア)およびポリウレアの形成を導く。
US3381025では、対応するイソシアネートを形成するための有機第1アミンのホスゲン化が、60℃未満での第1段階と100〜190℃での第2段階との2段階で行われている。不活性溶媒、過剰のホスゲンおよび形成される塩化水素の混合物が、第2反応段階から取り出され、この混合物を−20℃に冷却することにより塩化水素がこの混合物から分離除去される。得られたホスゲンと溶媒の低温液体混合物は、第1反応段階へと再循環される。
DE2153268は、多段階において、但しセルフプライミング遠心ポンプではなく、不活性溶媒のホスゲン溶液との反応による有機第1アミンの連続的低温ホスゲン化法が記載されている。同時に遠心ポンプは、得られた反応混合物を続く高温ホスゲン化段階へと搬送する。ホスゲン溶液は、−105℃〜+25℃でポンプに入り、アミン溶液は50〜100℃でポンプに入る。反応混合物は、50〜100℃でポンプを離れる。アミン溶液の濃度は、5〜40質量%であり、ホスゲン溶液の濃度は、20〜65質量%である。ホスゲンの量は、アミン基1モルあたり1モル以上、好ましくは1.5〜3モルである。
第1段階で低温、第2段階で高温とする2段階法(冷熱ホスゲン化)の利点は、第1ホスゲン化段階での低温に起因する低い反応速度とそれによる低い時空収率である。低い温度(ホスゲンの高い溶解度)と長い反応時間(巨大な反応装置)は、さらに高いホスゲン滞留量を意味し、これは安全性の観点から望ましくない。低温では、中間体として形成され高温では速やかに分解するカルバモイルが大量に沈殿するために、さらに問題を含む。このために、堆積物質の形成と封鎖のリスクが生じる。さらに、反応物質の冷却と、反応混合物のその後の加熱とは、エネルギー的に不利である。経済的な時空収率を達成するために、全ての段階で高温での操作が、有機第1アミンのホスゲン化による有機イソシアネートの工業的製造方法において必要である。しかし、反応混合物におけるホスゲンの溶解度と、そのための反応用のホスゲン過剰量とは、高温で減少し、これは反応が一般に液相で起こるためである。にもかかわらず、ホスゲンの高度な過剰は、イソシアネートの高い収率を得るためには必要である。EP0716079は、反応における圧力と温度の影響とホスゲン過剰量を記載している。高温下でホスゲン過剰量を低下させると、一般に、増大する反応圧力によって相殺される。DE−A1768439は、有機イソシアネートの連続的な製造方法を記載しており、ここでは180℃を超える高温と20〜150atmの高圧との組み合わせを、反応領域における高いホスゲン濃度で採用している。導入されたアミンの量は、化学量論量の2.5〜5.5倍である。過度の高圧と非常な高温の結果として、許容可能な時空収率が達成できる。反応領域における反応物質の滞留時間は、5〜60秒である。好ましい溶媒はクロロベンゼンである。この方法の欠点は、高温の結果として生じる副生成物、特に尿素の形成の増大により引き起こされる収率と品質の低下である。さらに、工業的圧力装置は、非常に高価であり、ホスゲンの高い毒性のために問題を生じやすい。高圧下でアミンとホスゲンを反応させることは、ヘンリーの法則に従って、ホスゲン濃度だけでなく、液相中の塩化水素濃度をも増大させるという欠点をも有する。しかし、アミン塩酸塩の形成の増大は好ましくなく、これはこれらのホスゲン化反応が、通説に拠れば、非常に遅く、またそのために、反応全体の律速段階となるからである。このために、非常に長い滞留時間と大きなホスゲン滞留量が生じる。
EP0065727は、ノズルと管型反応装置を使用した方法を記載している。1段階反応での有機モノイソシアネートとポリイソシアネートの連続的な製造方法が記載されており、これは、不活性有機溶媒での第1モノアミンまたはポリアミンの溶液と、不活性有機溶媒に溶解した過剰量のホスゲンとを、10〜1000bar、好ましくは25〜150barの圧力で、120〜300℃、好ましくは150〜250℃の温度で、混合領域において、所望により下流反応領域おいて、連続的に混合することによるものであり、所望により連続的後処理がなされ、過剰量で使用されるホスゲン溶液が混合領域中に連続的におかれ、不足量で使用されるアミン成分がスムースジェットノズルを使用して導入される。この方法に本質的であるスムースジェットノズルは、内部直径0.1〜30mmを有する。0.5bar以上、好ましくは1〜200bar、特に3〜50barの圧力差が、導入されるホスゲン溶液で維持される。ホスゲンとアミノ基とのモル比(ホスゲン:アミノ基)は、2:1〜30:1、好ましくは3:1〜18:1である。反応後領域は、管型反応装置、円筒多管型(シェルアンドチューブ)装置、または例えば攪拌容器のカスケードであってもよい。混合容器中のおよび下流反応領域での平均滞留時間は、5秒〜5分間である。反応後領域を離れた反応混合物は、減圧容器中の1以上の段階で大気圧へと減圧され、50〜150℃へと温度降下する。気相および液相は、減圧容器中で分離される。溶媒として、クロロベンゼンまたはo−ジクロロベンゼンの使用が好ましい。
GB827376は、溶媒中の遊離の形態のアミン、または容易に分解してアミンを生じる塩を溶媒中に懸濁させたものを、不活性溶媒でのホスゲン溶液と、3×105Paより大きい圧力下で、反応させることにより、芳香族イソシアネートを連続的に製造する方法を記載しており、ここで反応物質は垂直管型反応装置の底部末端へ同時に混合しつつ導入され、前記装置中では反応生成物が上方末端へと速やかに上昇する。液相は容器中に集められ、そこからイソシアネートが単離のために取り出される。この容器は相分離装置であって、同じ圧力下で操作され、オーバーフロー管を介して液体取りだし口へと接続され、液体取りだし口の絞り弁(スロットルバルブ)を有している。容器中に集められた液体は、大気圧下または過大気圧下でおよび高温で操作されている塔へと供給され、残余のホスゲンと塩化水素は、頂部で気体状態で分離除去される。過剰量のホスゲンは、容器中で分離除去された塩化水素/ホスゲン混合物から(好ましくは冷却水により)凝縮除去され、このやり方で分離除去された塩化水素は減圧されて放出される。反応物質は、1個のジョイントポンプまたは2個の分離ポンプによって、管型反応装置へと供給され、あるいはベンチュリ混合ノズル中で、好ましくは2種の反応物質に対して別々な導入口を有するものの中で混合され、そこから管型反応装置へと導入される。管型反応装置中の温度は、80〜200℃とされ、圧力は3×105Paより大きく、ほぼ反応混合物の蒸気圧で、好ましくは15〜20×105Paである。
US3226410は、2100より大きい(好ましくは5000〜2000000の)レイノルズ数と、60〜90℃、好ましくは80〜85℃の温度下で、管型反応装置中で、芳香族アミンの流れをホスゲンの流れへと混合することにより、芳香族イソシアネートを連続的に製造する方法を記載している。ホスゲンの量は、アミンの1モルあたり1モル以上、好ましくは6〜12モルである。反応溶液はつぎに、所望により予熱した後に、第2反応装置、特に容器または塔へと供給され、そこでの温度は110〜135℃、好ましくは110〜120℃である。アミン濃度は、2〜25質量%、好ましくは5〜10質量%であり、ホスゲン濃度は10〜100質量%、好ましくは10〜60質量%である。ホスゲン流が管型反応装置へと導入される圧力は、50〜170psigであり、アミン流の圧力は、逆混合を避けるためにより大きい必要がある。イソシアネート、溶媒、相対的に少量の副生成物、塩化水素、および溶媒中に溶解したホスゲンを含む液相は、塩化水素、溶媒、ホスゲン、および痕跡量のイソシアネートを含む気相から分離して第2反応装置から取り出される。使用される溶媒は、不活性で、イソシアネートよりも低い沸点を有する塩素化炭化水素である。クロロベンゼンが特に好適である。
45psigまたはこれよりも大きい圧力を有する第2反応装置は、この後ろに滞留容器と緩衝容器が設けられ、ここからは液相が過剰なホスゲンを除去するための塔へレベル制御されつつ搬送される。ホスゲン、塩化水素、および溶媒は、蒸留、好ましくは1段階蒸留へと搬送されて、溶媒が分離除去される。イソシアネートから分離された溶媒は、塩化水素流からの残余のホスゲンの吸収に使用される。第2反応装置および緩衝容器中で除去されたホスゲンは、2段階で凝縮され、ホスゲン容器へと再循環される。凝縮されなかったホスゲン/塩化水素混合物は、ホスゲン吸収装置(アブソーバー)へと運ばれて、その中で溶媒分離において回収された溶媒が供給される。吸収されなかった気体は、主に塩化水素であり、これは続けて吸収装置中の水と反応させられて塩酸を形成する。
管型反応装置は、固体の沈殿が妨げられるように、偏向板(デフラクションプレート)、ポケット、またはその他のデッドゾーンを形成するような内部構造を備えていない、プラグフロー型反応装置として構築されるべきである。高いレイノルズ数と、直立管として設計された反応装置は、液体が壁に堆積物質を生じないように常に保つ意図である。
DE952086は、第1アミンまたはその塩とホスゲンとからイソシアネートを製造する方法を記載しており、ここでは、反応物質は、溶媒または希釈剤の存在下での高温ホスゲン化において、垂直なまたは傾斜した加熱管を通過して底部から上方へ連続的に搬送される。この第1の反応管を反応物質が通過した後に、これらは、場合により、反応を完全にするためにさらにホスゲンを添加して、第2の、同様な垂直反応塔へと運ばれる。迅速なガス抜きを妨げるためのラシヒリングやその他の充填要素で満たされた垂直反応塔の利点は、液体の塔の静水圧のために、底部に位置する反応物質の投入点で、ホスゲン濃度の増加の結果として、イソシアネート形成の速度が増大することである。o−ジクロロベンゼンが溶媒として指名されている。この方法は、第1段階として低温ホスゲン化、第2段階として高温ホスゲン化を備えた2段階法である。低温ホスゲン化は、0℃で行われ、高温ホスゲン化は、120〜160℃へ上昇させる温度プロファイルで行われる。
この方法の欠点は、冷熱(高温−低温)ホスゲン化と、さらに低い到達圧力との原理的な弱点である。相当に高い圧力と、それによる液相中のホスゲン濃度とを、圧力容器と制御バルブによって得ることができる。別な欠点は、管型反応装置で使用される充填要素であり、これは固体中間体カルバモイルクロリドおよび低温ホスゲン化において形成され、沈殿するアミン塩酸塩が、容易に封鎖を生じ得て、これによりプラントの有用性が低下するためである。
DE2058032は、不活性溶媒の存在下でアミンとホスゲンの反応からイソシアネートを製造する方法を記載しており、ここでは、反応混合物は、低温ホスゲン化において0℃に保たれ、続けて高温ホスゲン化において約200℃以下で完全に反応を受け、低温ホスゲン化からの反応混合物は、継続的に機械的に混合されつつ、緩やかに上昇する温度プロファイルで、垂直反応領域を通過して高温ホスゲン化反応へ搬送される。高温ホスゲン化のための加熱可能反応装置として、管状デバイスを備えたシャフトが長さ方向に伸び、壁加熱用の加熱可能区域が分離して備えられている垂直管が、特許請求されている。自然対流蒸発装置(熱サイホン)が、管型反応装置の末端に設けられている。U字型に互いに連結された3つの反応管の配置(連結管システム)がさらに記載されている。低温ホスゲン化が第1の、垂直管で行われ、高温ホスゲン化が垂直管で行われ、脱ガス化、すなわち反応混合物からの塩化水素ホスゲンの除去が、第2垂直管で行われる。移送ポンプおよび制御バルブは、このようなシステムでは省くことができ、これは生成物流が流入速度に従って確立されるためである。
DE2747524は、芳香族イソシアネートを連続的に製造する方法を記載しており、ここでは熱は、添加するホスゲンが冷却されないような、そして反応装置の壁でカルバモイルクロリド中間体の沈積をしないような速度で、反応装置中へ導入される。2個の同軸管を含むプラグフロー反応装置が記載されており、その中には不活性有機溶媒中の2種の反応物質アミンとホスゲンが向流で導入され、それぞれ互いから分離され、内部管の末端で混合されている。供給領域中への逆混合は、副生成物形成を最小にするために避けるべきであると言われている。カルバモイルクロリド中間体による混合領域の封鎖を避けるために、加熱はスチームジャケットの使用による。90〜140℃の温度が、一般に必要であるとされており、90〜200℃の温度が示されている。しかし、初期温度は、60〜90℃である。温度の上限は、実用的な考慮により決定される。好適な圧力として、2大気圧ゲージが示されている。不活性溶媒中のアミン濃度は、2〜20%、好ましくは5〜10%とされている。ジクロロベンゼンが、不活性溶媒として好ましい。
管型反応装置は、溶媒としてイソシアネートを使用するイソシアネート製造のためのWO96/16028に記載の方法において好ましい装置である。WO96/16028は、連続的な1段階法を記載しており、そこでは場合により不活性有機溶媒に溶解した第1アミンを、イソシアネート/ホスゲン溶液に対して10〜60質量%の濃度でイソシアネート中に溶解したホスゲンと、60〜180℃および1〜30barの圧力で反応させて、対応するイソシアネートを形成させ、使用されるホスゲンとアミンのモル比(ホスゲン:アミン)は4:1〜1:1で、使用されるイソシアネートは固体を含まず2%未満の加水分解性塩素含有量を有する。
DE19817691は、塩素化された副生成物の含有量が低減され、低いヨウ素色価を有するジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)およびポリフェニレン−ポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)の混合物を製造する2段階方法を記載しており、ここでは、それらに対応するジフェニルメタンジアミン(MDA)およびポリフェニレン−ポリメチレン−ジアミン(PMDA)の混合物と、ホスゲンとを、1種以上の有機溶媒の存在下で高温で反応させ、ホスゲン化の後に過剰のホスゲンと溶媒との除去が完全に行われ、ホスゲン化の第2段階の滞留装置中でのホスゲンと塩化水素のモル比(ホスゲン:塩化水素)が、液相中で10〜30:1、同時に気相中で1〜10:1である。ホスゲン化の第1段階、すなわち静的混合装置で形成されるカルバモイルクロリドおよびアミン塩酸塩は、ホスゲン化の第2段階にある滞留装置へと搬送され、そこではアミン塩酸塩が対応するカルバモイルクロリドへとホスゲン化され、このカルバモイルクロリドは対応するイソシアネートと塩化水素中へ溶解される。第1段階の温度は通常、40〜150℃、好ましくは60〜130℃、特に好ましくは90〜120℃である。第1段階の静的混合装置(スタティックミキサー)は、特にノズルである。第2段階の滞留装置としては、撹拌装置、攪拌容器カスケード、特に好ましくは塔、特に10未満の理論段を有する反応塔が使用される。この塔は向流で操作されることが特に好適である。塔の底部の温度は、好ましくは80〜120℃、特に好ましくは90〜110℃である。塔の頂部の圧力は好ましくは1.0〜4.7atm(ゲージ)、特に好ましくは2.0〜3.7atm(ゲージ)である。
この方法の欠点は、アミン塩酸塩のホスゲン化とカルバモイルクロリドの分解が、1つの同じ反応装置中で行われ、これが滞留時間を長くしてホスゲン滞留量を上昇させることにある。
US3544611は、有機イソシアネートを10〜50barの高圧で製造する方法を記載している。驚くべきことに、10atmゲージ以上の相対的に高い圧力で反応が行われると、イソシアネートの収率がより高くなる。さらにより高い圧力は、塩化水素/ホスゲンの分離を促進する。イソシアネート製造の第1反応段階は、すなわちアミンとホスゲンからカルバモイルクロリド中間体を形成する反応は、環状(ループ式)反応装置(混合回路)で行われる。第2反応段階、すなわちカルバモイルクロリドからイソシアネートを形成する分解は、混合回路の下流に位置する反応塔中で行われる。塩化水素−ホスゲン混合物がこの塔の頂部から得られる。ホスゲンはこの混合物から2段階で凝縮される。凝縮して取り出されたホスゲンは、塔の頂部へと再循環される。塔の濃縮区画での液体放出において、ホスゲンが放出されて反応(混合回路)へと再循環される。
残余のホスゲンは、反応塔の底部で放出された反応混合物から、別な塔で分離除去される。後者において、ホスゲンが塔の頂部で放出され、第1塔に類似した方法での2段階で凝縮され、混合回路中の反応へ再循環される。イソシアネートを得る反応は、反応塔で完了する。
DE3736988は、有機溶媒中に溶解したアミンが有機溶媒中に溶解したホスゲンと、反応塔中で150℃未満で反応させることにより、有機モノイソシアネートまたはポリイソシアネートを1段階反応で連続的に製造する方法を記載している。反応混合物は、反応塔を通じて底部から上方へ連続的に通過することができるようになっている。反応塔は、穿孔板によって互いに分離された10以上のチャンバーを有する。有機溶媒中のアミンの濃度は、5〜40質量%、好ましくは7〜20質量%である。好ましい溶媒は、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンまたはそれらの混合物である。ホスゲンは、30〜65質量%濃度、好ましくは40〜65質量%濃度の不活性溶媒溶液で使用される。アミンとホスゲンの当量比(アミン:ホスゲン)は、1:1.5〜1:7、好ましくは1:2〜1:5である。塔の頂部の温度は、好ましくは70〜130℃、特に好ましくは90〜125℃で、150℃を超えない。反応塔の平均滞留時間は、120分間以下、好ましくは60分間以下である。塔の圧力は1.2〜3bar(絶対圧力)、好ましくは1.5〜2.5bar(絶対圧力)である。
DE3744001は、同様に滞留装置として、10未満の穿孔板、好ましくは20〜50の穿孔板を有する穿孔板塔を提示しており、これを通じて反応混合物は底部から上方へ0.05〜0.4m/s、好ましくは0.1〜0.4m/sの液体流速で、2〜20m/s、好ましくは3.5〜10m/sの気体流速で流れ、滞留時間は120分間以下、好ましくは60分間以下である。水平方向に取り付けられた穿孔板は、10〜50のチャンバーを形成する。反応塔の頂部の温度は、150℃未満、好ましくは70〜130℃、特に好ましくは90〜125℃である。塔の頂部の圧力は、1.2〜3bar(絶対圧力)、好ましくは1.5〜2.5bar(絶対圧力)である。混合ノズルは、第1ホスゲン化段階用として特許請求されている。
EP0291819は、冷熱(高温−低温)ホスゲン化によってイソシアネートを製造する2段階法を記載しており、ここでは回転ディスクを有する混合装置が低温ホスゲン化に使用され、ホスゲン化塔は好ましくは高温ホスゲン化に使用される。ホスゲン化塔は、大気圧または1.5atmゲージ以下のわずかに過大気圧下で操作される。混合装置を離れた低温ホスゲン化からの反応混合物を、加熱可能な塔に頂部または底部から連続的に投入して、加熱により反応を完了させることが特に好適である。特に好適に温度プロファイルを設定するために、多数の塔を直列に連結して使用することができ、あるいは塔と容器の組み合わせを使用することができる。
DE2112181(US3829458)では、1以上の反応容器中で、有機第1アミンと不活性有機溶媒中のホスゲンから有機イソシアネートが連続的に製造されており、ここで容器は充填を含み、これを通じて反応物質が遷移流中に向流で流れる。この遷移流は、アミンを含む液体有機相、およびホスゲンを含む気相からなっている。この反応は、50〜220℃の範囲の反応温度で起こる。反応が不完全である場合には、反応混合物は充填塔を通じて何度も循環される。この方法の欠点は、充填塔が、固体、例えばカルバモイルクロリド、アミン塩酸塩、尿素、その他充填要素状に沈積するものによって、封鎖を非常に受けやすいことにある。さらに、高い圧力降下を有する充填塔は、底部が高温になり、そのために反応混合物と形成されるイソシアネートに高い熱ストレスをもたらし、これが副生成物形成の増大と収率低下を生じる。
多くの処理方法において、ホスゲンとアミンの反応は、環状反応装置(ループリアクター)または循環型反応装置で行われ、そこではアミンとホスゲンの供給流のみならず、所望により溶媒中で、反応混合物の少なくとも一部が再循環される。形成される反応混合物の再循環によるこの希釈は、主に、温度を制御するために、および低温を保つようにより優れた放熱を達成するために役立つ。アミンとホスゲンの反応は強い発熱性である。好ましくない反応条件および装置の配置である場合に、より高い温度が副生成物形成を増大させ、例えばトリレンジイソシアネート(TD)の場合に、収率低下とタールの形成をもたらす。形成される主な副生成物は、尿素である。
DE2624285(BASF)は、有機溶媒の存在下で、有機アミンとホスゲンとから有機イソシアネートを連続的に製造するための混合回路(ミキシングサーキット)法を記載しており、ここではホスゲンが循環される反応溶液中へ混合され、得られた反応混合物およびアミンまたはアミン溶液が混合および反応領域へと供給され、これは再循環された反応混合物に加えて導入されたアミン溶液のエネルギー消費密度が5〜1000kJ/m3で産生されるように行われる。反応は、90〜220℃、好ましくは120〜180℃で、1〜10bar、好ましくは1〜3barの圧力範囲で行われる。滞留時間は10〜180分間である。アミンとホスゲンのモル比は、アミノ基あたり1〜10モル、好ましくは1.3〜4モルのホスゲンが反応混合物中に存在するようにされる。収率は、使用されるアミンに対して88〜98質量%である。
DE2624285に記載されている混合回路法は、さらにEP0150435で発展されている。塩化水素を分離除去し反応混合物を部分的に循環して、有機溶媒の存在下で有機アミンとホスゲンとを反応させることにより有機イソシアネートを連続的に製造する方法において、塩化水素が分離除去された後にアミンの添加へと再循環される反応混合物の塩化水素含有量は、アミンの添加に先立って、反応混合物の全質量に対して、0.5質量%以下、好ましくは0.01〜0.4質量%であり、ホスゲンと有機アミンのアミン基とのモル比(ホスゲン:アミン基)が、12〜200:1である。反応は、100〜220℃、好ましくは120〜180℃で、5〜100bar、好ましくは15〜50barの範囲の圧力で行われる。
DE3403204は、有機アミン、好ましくはポリアミンと、ホスゲンとを、有機溶媒の存在下で、過大気圧下、例えば5〜100barで、さらに高温、例えば100〜220℃で反応させることにより有機イソシアネート、好ましくはポリイソシアネートを、連続的に製造する方法を記載しており、ここで反応混合物は部分的に循環され、好ましくは自然対流原理によって循環され、アミンの添加前の反応混合物の塩化水素含有量は反応混合物の全質量に対して0.5質量%未満であり、ホスゲンと有機アミンのアミノ基のモル比(ホスゲン:アミノ基)は、12〜200:1である。
DE3212510は、有機イソシアネートの連続的な製造方法を記載している。第1有機アミンは、実質的に分散状態で、過剰のホスゲンと、ゲージ圧10kg/cm2で、約10barで、60〜100℃の温度で接触させられて、有機アミンと中間体として形成された塩酸塩から、対応する有機カルバモイルクロリドが形成される。塩化水素は副生成物として形成される。反応のこの最初の段階では、30〜70%のカルバモイルクロリドがイソシアネートへ転化される。塩化水素がカルバモイルクロリドへ転化されるように、そしてイソシアネートへのカルバモイルクロリドの転化が完了するように、反応混合物は、10kg/cm2のゲージ圧と120〜160℃の温度に維持される。この反応は循環型反応装置(循環ライン)中で、あるいはタンク型反応容器中で行われる。第1の場合には、ホスゲンは管状循環ライン中の溶媒と共に循環され、アミンはこの中(混合回路)で混合される。第1段階の滞留時間は、30〜120分間で、第2段階は10〜120分間である。オルト−ジクロロベンゼンが溶媒として選択される。
GB763535およびDE1811609は同様に、環状反応装置(ループリアクター)または循環型反応装置(反応システムとしての混合回路)を記載している。イソシアネート、溶媒および未反応のホスゲンを循環させて、アミンとホスゲンとを1段階連続反応で反応させることにより有機イソシアネートが製造される。GB763535に記載されている方法において十分であるとされている圧力は、5〜20ポンド/平方インチであり、反応温度は90〜180℃であり、溶媒中のTDA濃度は5〜30%、ホスゲンの化学量論的過剰量は、25%以上、好ましくは70〜110%であり、使用される溶媒は、塩素化芳香族炭化水素、好ましくはo−ジクロロベンゼンである。DE1811609において、所望によりオルト−ジクロロベンゼンまたはその他の溶媒中で、有機アミンおよびホスゲンの過剰量が、高いせん断応力下で、循環される反応混合物中へ混合され、そのようにしてGB763535から離れた有利な条件が混合のために設定可能である。反応圧力は、好ましくは1.8〜14×105Pa、好ましくは4.2×105Paまたは3.5×105Paである。反応温度は、好ましくは102〜130℃、トルエンジアミンの場合に、好ましくは90〜120℃とすべきだと記載されている。ホスゲン過剰量は、50〜200%、好ましくは70%である。
DE1037444(US2822373)は、有機イソシアネートの連続的製造方法を記載しており、ここでは不活性溶媒中の有機アミンの溶液が、不活性溶媒中のホスゲンの溶液と、90〜180℃で、過大気圧の圧力と乱流に覆われた反応領域中で反応させられる。反応溶液はつぎに低圧の、通常は大気圧の領域で減圧され、塩化水素とホスゲンが気体状混合物として取り出される。イソシアネートは、蒸留によって溶媒から分離される。記載されている方法において、アミン水溶液はポンプ循環ラインへと導入され、循環される混合物は反応領域の下流で熱交換器によって加熱され、次にスロットルバルブを通じてタンク型滞留容器へと移されて減圧される。ここから、反応混合物は、ポンプ循環用に取り出され、あるいは溶媒の除去とイソシアネートの回収のために部分的に放出される。溶媒は、凝縮装置のリザーバーから取り出された塩化水素、過剰のホスゲンおよび溶媒の気体状混合物から凝縮されて、リザーバーに戻される。ポンプ循環ライン中の好ましい圧力は、5〜10ポンド/平方インチとされている。溶媒中のアミン濃度は、5〜30質量%であり、ホスゲンの量はアミンのアミノ基あたり1.25モル以上である。好ましい溶媒は、オルト−ジクロロベンゼンと述べられている。
US3574695は、有機イソシアネートの改良された連続的製造方法を記載している。第1反応領域からの生成物を、第2反応領域において、第1反応領域で添加された有機アミンの当量あたり0.75モル以上のホスゲンで処理することにより、滞留時間が短縮可能である。この第2反応領域中の滞留時間は、130℃以上の温度で、5〜45分間である。塩化水素およびホスゲンの気体状混合物と、溶媒中の有機イソシアネートの溶液は、第2反応領域から連続的に取り出される。
GB1034285は、不活性有機溶媒の存在下で、ホスゲンと第1アミンとを反応させて有機イソシアネートを連続的に製造する方法を記載しており、反応物質は管型反応装置へ分離して供給され、そのなかで接触し、同じ溶媒、反応混合物およびホスゲンの混合物は、この管型反応装置を通じて再循環される。反応装置として、反応混合物がその間を循環する2つの円筒状容器の集合物あるいは環状管型反応装置を使用可能である。反応混合物は、スターラーを使用して撹拌可能である。管型反応装置の温度は8〜50℃である。圧力は、大気圧またはこれよりやや上である。導入される第1アミンの溶媒中の濃度は、2〜20質量%である。ポンプにより循環される流れに添加されるホスゲンの量は、添加されるポリアミン溶液中のアミノ基あたりホスゲン5〜20モルである。不活性溶媒として、クロロベンゼンまたはオルト−ジクロロベンゼンが使用される。
GB1212249は、イソシアネートの製造方法を記載しており、ここでは過剰量のホスゲンが、第1段階で不活性溶媒中でアミンの順方向混合薄膜と反応させられる。円筒状の管が、この薄膜を製造するために適するとされている。
JP57−048954は、有機イソシアネートの製造方法を記載しており、ここでは第1アミンの溶液が、循環型反応装置中に設けられた静的混合装置(スタティックミキサー)の供給点のちょうど上流に導入される。有機イソシアネートによるホスゲンの溶液は、循環型反応装置中を循環する。
環型反応装置(ループリアクター)でのホスゲン化は、JP60−10774にも記載されており、ここではイソシアネートを含有する反応混合物がポンプによって循環している。しかし、高い収率は、5〜10%のアミン濃度でのみ達成される。
第1段階での低い温度と、環型反応装置または混合回路法の第2段階での高い温度とは、エネルギー的に不利である。有機アミンとホスゲンとの反応が、強い発熱性であるために、強い冷却が、所望の反応温度を維持するために第1段階で行われなければならない。第2反応、すなわちカルバモイルクロリドからイソシアネートを形成する分解は、有意に吸熱性であり、反応混合物は第2段階で再び加熱しなければならない。
さらに、単一経路で行われる方法と比較して、有意に低い化学収率は、特に不利であり、これは逆混合のために混合回路においてすでに形成されたイソシアネートがアミンと反応して尿素を形成するからである。この第2反応を抑制するために、最大値の低い定常状態のイソシアネート濃度が、しばしば許容されるが、今度はこれが低い時空収率をもたらす。
EP0716079に記載されている有機イソシアネートの連続製造方法において、反応混合物は、気泡塔中で60〜100℃で循環される。記載されているこの方法は、やや大気圧より高いまたは低い圧力下で、一般に0.5〜5bar、好ましくは1〜3barで行われる。
EP0570799は、アミンとホスゲンとからイソシアネートを形成する反応が、気相で行われる方法を記載している。気相ホスゲン化は、脂肪族ジイソシアネート(EP0289840)、芳香族ジイソシアネート(EP0570799)、環状ジイソシアネート(EP1078918)およびトリイソシアネート(EP0749958)の製造用として公知である。EP0749958、EP0676392およびEP0289840は、脂肪族ジイソシアネートおよびトリイソシアネートを、気相ホスゲン化によって製造する方法を記載しており、ここでは反応物質は、ノズルまたはノズルと環状ギャップの組み合わせを通って、記載された管型反応装置に入ると、ノズルと管の間で混合される。管において、4700より大きいレイノルズ数REが、混合の本質的な特徴として示されている。ジェットミキサーが、EP0570799において、気相ホスゲン化による芳香族ジイソシアネートの製造用途に提示されている。
DE1192641は、芳香族第1アミンまたはアリール脂肪族アミンとホスゲンとを、溶媒の存在下で反応させて、続けて反応混合物を加熱することによりイソシアネートを製造する方法が記載されており、この反応で製造されるイソシアネートは溶媒として使用される。
DE10027779は、アミンをホスゲンと反応させることによりイソシアネートを製造する方法を特許請求しており、ここではイソシアネートは溶媒として使用され、反応は反応塔中で行われ、反応塔の底部での凝縮相は、その全てがまたは一部が反応塔の濃縮区画へと再循環される。反応塔の理論段数は5〜60である。温度は−20〜300℃で、絶対圧力は0.2〜60barである。
US2683160は、芳香族イソシアネートの製造方法を記載しており、ここでは気体状ホスゲンと、塩素化芳香族炭化水素を溶媒とする芳香族アミン溶液とが、上述の溶媒での所望のイソシアネート溶液へと同時に導入される。この溶媒での所望のイソシアネート溶液は、還流下で、溶媒の沸点、すなわち130〜300℃に維持される。副生成物である塩化水素および過剰の未反応のホスゲンは、還流凝縮器を通じて連続的に取り出される。ホスゲンの過剰量は、化学量論量の50%以上、好ましくは80〜100%である。溶媒中のアミン濃度は、5〜30%、好ましくは8〜12%である。反応は、よく撹拌され十分に加熱された単一の装置で行われる。
DE2252068は、アミンとホスゲンから有機イソシアネートを製造する方法を記載しており、ここでは、過大気圧下でその分解温度よりも下の温度に予熱されたアミンを、予熱されたホスゲンと、溶媒として過剰量の有機イソシアネートの存在下で、反応が均一な液相中で進行するような温度と圧力下で最初に反応させ、中間体として形成された有機カルバモイルクロリドを、第2段階で続けてより低い圧力下で熱的に分解させる。好ましい実施の態様において、第1反応段階は、断熱的に行われる。反応成分は、120〜180℃の範囲の温度で供給される。取りだし口での反応混合物の温度は、180〜250℃に維持され、圧力は100〜300atmに維持される。第1反応領域での成分の滞留時間は5〜150秒としなければならない。第2反応段階は、等温的に行われる。供給温度は120〜250℃で、圧力は3〜30atmである。滞留時間は、3〜30分間である。第2段階から取り出されたイソシアネートは、再循環の前に、50〜80℃に冷却される。
US3801518は、0.03〜0.3質量%の大きな酸性度を有するトリレンジイソシアネートを製造する方法を記載している。これは、トルエンジアミンのホスゲン化と、これに続く0.08時間以上、好ましくは0.08時間〜2時間の間、100〜200℃で、ホスゲン雰囲気中で反応生成物を滞留することによって行われる。
US3912600は、酸性度と、ポリメチレン−ポリフェニレンポリイソシアネート(PMDI)中の加水分解性塩素の含有量とを、これを不活性有機溶媒中で20〜60psiaの圧力と150〜230℃の温度で処理して、低沸点物質として知られる揮発性化合物を除去することにより、低減させることを記載している。
GB1196008は、芳香族モノイソシアネートまたはジイソシアネートを、対応するアミンを、互いに連結した2個の反応容器において有機溶媒中で120〜200℃でホスゲン化することにより、連続的に製造する方法を記載しており、ここでホスゲンの過剰量は算出される化学量論量に対して5〜20%を超えている。
本発明の目的は、極めて高い化学収率で、且つ低いホスゲン滞留量で高い時空収率によってイソシアネートを得られる2段階または多段階法を提供することにある。
驚くべきことに、流布している通説に反して、第2反応、すなわちアミン塩酸塩のホスゲン化は、高い反応速度で、高いホスゲン濃度と高温で、進行することが見いだされた。そのために高圧はこの反応に有利であり、これは高圧が液相での高いホスゲン濃度を意味するからである。さらに、高温は高い時空収率(space-time yield)を達成するのに有利である。I.I.Konstantinov、A.I.Kormuchesnkina、Zhurnal Prikiladnoi Khimii、49(3)、596〜599頁、1976年は、アミン塩酸塩のホスゲン化は、非常に遅く、イソシアネートへの反応サイクル全体の律速段階であることを述べている。Konstantinov等は、動力学的測定と、反応速度の定量化を提示している。彼らによれば、塩酸塩のホスゲン化の反応速度は、遊離のアミンと比較して明らかに低い。GB1212249に記載されているように、アミン塩酸塩の形成もまた、尿素形成によるイソシアネート収率の損失をもたらす。対応する反応混合物中での、さらにほとんどの市販の溶媒でのアミン塩酸塩の溶解度は非常に低いために、塩酸塩形成もまた固体形成の問題を劇的に増大させる。
DE3323882は、80〜200℃、好ましくは100〜180℃にて、過剰量のホスゲンによって、溶媒中に懸濁されたカルバモイルクロリドで、アミン塩酸塩またはそれらの混合物を高温ホスゲン化する連続的方法を記載している。この方法において、固体は、適当な分離デバイスによって反応装置中へ保持され、反応の間に形成されて溶媒中に溶液として存在するイソシアネートは、反応装置から連続的に取り出される。固体は好ましくはフィルターによって分離除去される。この塩酸塩のホスゲン化法の欠点は、固体の取り扱いが複雑であること、パイプの封鎖のリスクがあること、特に制御バルブとフローメーターの封鎖のリスクがあること、およびさらに大規模な装置を必要とし、高いホスゲン滞留量をもたらす長い滞留時間と、さらに厳密な反応条件と相対的に低い収率である。
DE2402773は、有機第1アミンとホスゲンとからのモノイソシアネート、ジイソシアネート、及び/又はポリイソシアネートの製造方法を記載しており、ここでは第1アミンは溶媒の不存在下で、アミノ基あたり3モル以上のホスゲンと混合され、反応混合物は、同時に平均粒径1〜100μmにまで同時に破砕され、得られたホスゲン中のカルバモイルクロリドとアミン塩酸塩の懸濁物は、100〜180℃、好ましくは120〜160℃で、および14〜55bar、好ましくは21〜41barの圧力で、対応するイソシアネートへ転化される。この方法は2段階法であり、ここでは出発材料の第1アミンとホスゲンが、第1段階で−30〜60℃、好ましくは0〜50℃で、大気圧下または好ましくは過大気圧下、特に14〜55barで、混合され、同時に粒子は、平均粒径1〜100μm、好ましくは1〜50ミクロンへと粉砕される。アミンは、液体、溶融体、または場合により粉末としてホスゲンへと添加される。種々の混合および粉砕デバイスが記載されている。第2段階は、アミン塩酸塩とホスゲンの反応によるカルバモイルクロリドの形成と、圧力容器中での100〜180℃、好ましくは120〜160℃で、14〜55bar、好ましくは21〜41barでのイソシアネートと塩化水素への分解とを含む。この方法は技術的に非常に複雑で経済的ではない。
DE−A156844は、同様にアミン塩酸塩懸濁物のホスゲン化を記載しており、これは高温下で攪拌容器の多段階カスケードにおいて行われる。攪拌容器のカスケードの特別な欠点は、高いホスゲン滞留量である。
今回、驚くべきことに、アミン塩酸塩のホスゲン化が、高いホスゲン濃度と高温では迅速な反応であることが、見いだされた。
さらに、驚くべきことに、インサイチューで(原位置で)形成されるアミン塩酸塩とカルバモイルクロリドは、静的混合装置(スタティックミキサー)、好ましくはノズル、が第1段階の反応装置として使用される場合には、反応混合物中で高いレベルの過飽和を示すことが、見いだされた。アミン塩酸塩及び/又はカルバモイルクロリドが沈殿する場合であっても、特許請求されているこの方法は顕著に有利であり、これは、静的混合装置、好ましくはノズルを第1段階の反応装置として用いた場合に、高い混合エネルギーの導入の結果として、通常はナノメートルからミクロンの範囲にある非常に小さな平均粒径を有する非常に狭いアミン塩酸塩粒子径分布が得られるからである。しかし、固体アミン塩酸塩またはカルバモイルクロリドが相対的に大量に沈殿する前に、アミン塩酸塩のホスゲン化における高率の転化あるいは可能ならば完全な転化を達成することが、より有利であり、これは固体の取り扱いが、プロセスエンジニアリングの観点から複雑であって、堆積物質と封鎖とを生じ得るためであり、さらに第二に、大きな凝集したアミン塩酸塩粒子のホスゲン化は文献的に記載されているように非常に遅いからである。
したがって、本発明は、有機アミンとホスゲンとを反応させることによりポリイソシアネート製造する方法であって、該反応が、3段階以上の段階で行われ、第1段階が混合装置中で、第2段階が1以上の滞留装置中で、さらに第3段階が1以上の分離装置中で行われ、連続する各段階での圧力がそれ以前の段階よりも低い方法を提供する。
本発明の製造方法の第1段階は、アミンからカルバモイルクロリドおよびアミン塩酸塩への反応を主なものとして含み、第2段階は、第1段階で形成されたアミン塩酸塩からカルバモイルクロリドを得る反応を主なものとして含み、第3段階は、カルバモイルクロリドからイソシアネートおよび塩化水素への分解を主なものとして含む。
本発明の方法において、有機アミンとホスゲンとの反応は、3段階以上の段階で、不活性溶媒、好ましくはトルエンまたはクロロベンゼン、ジクロロベンゼンまたはそれらの混合物中で、過剰量のホスゲンを用いて、圧力を各段階から次の段階へと減少させつつ、行われる。第1ホスゲン化段階は、静的混合装置、好ましくはノズルを含む。ノズルの圧力上流は、好ましくは3〜70bar、特に15〜45barである。ノズルにかかる圧力差は、0.5bar以上である。第1段階の温度は、好ましくは80〜190℃、特に90〜150℃である。第2段階は、1以上の滞留装置、好ましくは1の滞留装置を含み、これは2.5〜35bar、好ましくは15〜35barの圧力で操作される。ノズルの下流では、反応混合物は、制御バルブまたはこの目的に適したその他のデバイスによって、第2段階の滞留装置の圧力にまで減圧される。しかし、ノズルの自然減圧を、減圧に使用することもできる。
第1段階の反応装置は、第2段階の反応装置へと一体化することもできる。特に、混合ノズルは、気相へと、あるいは好ましくは第2反応装置の液相へと、わずかに浸からせることができ、すなわち完全にまたは部分的にその中へ設けることができる。ノズルからの放出は、パイプ、埋没管、またはプラグインチューブによって、気相へとあるいは好ましくは第2段階の反応装置の液相へと搬送することもできる。
第2段階の温度は、80〜190℃、好ましくは90〜150℃である。第2段階のために使用可能な種類の反応装置には、管型反応装置(チューブリアクター)、攪拌容器、非撹拌滞留容器、相分離装置、およびその他の装置がある。反応装置は、ポンプ回路を使用することもでき、このポンプ回路は反応温度の設定のためにさらに熱交換器を有していてもよい。攪拌容器、非撹拌滞留装置の場合に、あるいはおそらく相分離装置の場合にも、液相は好ましくはレベル制御下で減圧され、気相は圧力制御下で減圧されて第3段階の反応装置へと送られる。しかし、気相は、主にホスゲン、塩化水素および場合により溶媒からなり、直接に後処理へ、例えばホスゲン、塩化水素および溶媒へ、またはそれらの混合物への分画へと送ることも可能である。第2段階の滞留反応装置は、所望の滞留時間およびプラント容量に依存して、相対的に大きな寸法と容積を有し、これは費用および安全性、すなわち高圧下のホスゲン滞留量の観点から、欠点として考えられる。この場合に、第2段階の反応装置は、2以上の同一のまたは異なった反応装置および反応装置の種類として実現することができ、これは並列に、あるいは滞留量スペクトルに影響することが適切であれば、直列に連結することもできる。
本発明の方法の第3段階の反応装置は、2〜20bar、好ましくは3.5〜16barの圧力で操作される。第2段階の滞留反応装置の下流では、反応混合物は、制御バルブまたはこの目的に適したその他のデバイスによって、第3段階の圧力へと減圧される。自然減圧を使用することもできる。
いずれの場合でも、それ以降の段階の圧力は、上述したように、その前の段階よりも低くなるように選択される。
第3段階の温度は、80〜190℃である。第3段階で使用される反応装置は、塔、特に反応塔であり、これは例えばWO99/54289に記載されている。底部の温度は、80〜190℃であり、頂部の温度は50〜120℃である。第3段階の反応装置として使用される塔は、反応混合物からの過剰のホスゲンを除去するためにも使用可能である。第3段階の反応装置は、第2段階の反応装置と同様に、不都合に大きい。この場合に、第3段階の反応装置は、直列に連結された2以上の同一のまたは異なった反応装置として、実現することもできる。
反応塔の底部の取りだしは、なお残存する全てのホスゲンを除去し、溶媒から分離除去するための通常の方法によって、後処理される。TDIの製造の場合には、粗製TDIは続けて高沸点物質の除去および蒸留による精製を受ける。ホスゲン、塩化水素、および場合により溶媒は、反応塔を、および適切な場合には第2段階の反応装置を離れた蒸気から、公知の方法で分離除去することができ、適切な場合には再循環することができる。
溶媒としては、塩素化芳香族炭化水素、例えばジクロロベンゼン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼン、またはそれらの混合物、芳香族または脂肪族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ビフェニル、ケトン、例えば2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、エステル、例えばジエチルイソフタレート、エチルアセテート、ブチルアセテート、ニトリル、例えばアセトニトリル、およびスルホラン等を、好適に使用することができる。
先行技術の通常の方法と比較して、本発明の方法の特に有利な点は、2段階反応 1)アミン塩酸塩のホスゲン化によるカルバモイルクロリドの形成、および2)カルバモイルクロリドからイソシアネートおよび塩化水素への分解、が、部分的にまたは完全に分離した段階または反応装置で行われ、非常に高い化学収率、非常に高い時空収率、および同時に非常に低いホスゲン滞留量が、各反応に最適な圧力と最適な温度の独立した設定と、各場合に最も好ましい反応装置設計の選択の結果として、達成可能であることである。合成は、断熱的にまたは等温的に行うことができる。異なった装置設計は、2つの反応の条件を最適に考慮する。アミン塩酸塩のホスゲン化が高い圧力を要求する一方で、低い圧力はカルバモイルクロリドの分解に有利である。さらに、アミン塩酸塩のホスゲン化の反応のために選択された滞留時間は、カルバモイルクロリドの分解のための時間よりも短くすることができ、これはホスゲン滞留量全体を顕著に減少させる。さらに、特にストリッピングによって、形成される気体状塩化水素の除去は、カルバモイルクロリドの分解に有利であり、これはカルバモイルクロリド/イソシアネート平衡が、この方法で所望されるイソシアネート側に好適に移動するためである。このことは、最適な反応装置設計としての(反応)塔の選択によって考慮に入れることができる。このことはこの段階では絶対には必要ではなく、別な段階でも行うことができる。他方、第2段階の滞留反応装置中の塩化水素の除去は、非常に不利であり、これはアミン塩酸塩のホスゲン化のために必要なホスゲンが、そのような場合には塩化水素とともに除去可能でもあるからである。ホスゲンの蒸発は、反応混合物の冷却をも生じ、これは固体のカルバモイルクロリドとアミン塩酸塩の大量の沈殿をもたらし得る。
アミンとホスゲンとからカルバモイルクロリドと塩化水素さらにアミン塩酸塩を生じる迅速な反応は、液相中の高いホスゲン濃度と、これにより低い副生成物形成の結果として良好な化学収率が求められる場合にはホスゲンの高度な過剰とを達成するために、第1段階および第2段階の両方において高い圧力が必要である。さらに、良好な混合が必要であり、例えば静的混合装置、好ましくはノズルが装置として使用されるべきである。ノズルの上流の高い導入圧力は、ノズルでの大きな減圧と、それによる高い混合エネルギーの導入とを可能にする。
溶解したアミン塩酸塩と非常に小さなアミン塩酸塩粒子は、第2段階の滞留反応装置中で、驚くべきことに非常に迅速にホスゲンと反応し、そのために長い滞留時間を必要としない。高いホスゲン濃度は、ここでは有利である。相対的に高い圧力は、アミン塩酸塩のホスゲン化に悪影響を持たず、そのために液相中の高いホスゲン濃度を相対的に高い圧力によって有利に設定することができる。適した装置は、特に管型反応装置、攪拌容器、非撹拌滞留装置、相分離装置、またはその他の滞留装置である。さらに、これらの装置の加熱可能な態様は、場合により、カルバモイルクロリドの吸熱性分解によって生じる温度降下を保証するために有利である。第3段階の反応、すなわちカルバモイルクロリドからイソシアネートおよび塩化水素への分解は、圧力依存性の平衡反応である。低圧によって所望されるイソシアネート側に移動させることが好ましい。この反応はホスゲンを全く必要としないために、低圧の特徴である液相中の低いホスゲン濃度は、妨げにはならず、実際には第3段階の反応装置中の低いホスゲン滞留量をもたらし、これは安全性の観点から有利である。このようにして、この方法におけるホスゲン全体の滞留量は、攪拌容器のカスケードまたは反応塔と比較して有意に減少可能である。対照的に、高い圧力は、カルバモイルクロリドの解離に非常に好ましくなく、長い滞留時間、高い温度およびエネルギー消費を必要とし、これは高圧では平衡がカルバモイルクロリド側から遠くにあるためである。長い滞留時間は今度は、高いホスゲン滞留量をもたらす。例えばWO99/54289(DE19817691)に記載されているような(反応)塔は、第3段階の装置として特に有用である。さらに、ストリッピング効果は、カルバモイルクロリド/イソシアネート平衡を、所望されるイソシアネートの側に好適に移動する。
アミン塩酸塩のホスゲン化は、第2段階で完了される必要は無く、同様にカルバモイルクロリドの分解は第2段階で開始することもできる。しかし、アミン塩酸塩のホスゲン化が実質的に完了し、カルバモイルクロリドの分解がそれ以上に進行しないような、滞留時間とその他のプロセスエンジニアリングパラメータの観点での、第2段階の反応装置の設計が、好適である。
アミン塩酸塩のホスゲン化と、カルバモイルクロリドの分解が、先行技術に記載されているように、1段階で、または1個の反応装置で行われる場合には、アミン塩酸塩のホスゲン化に必要な高い圧力は、カルバモイルクロリドからイソシアネートへの転化の低さと、それによる長い滞留時間とをもたらす。高いホスゲン濃度と長い滞留時間(大きな反応容積)は、今度は、非常に大きなホスゲン滞留量をもたらす。これは高い圧力と温度で存在し、これは安全性の観点から重大である。2つの反応、すなわち、第2ホスゲン化段階における高温でのアミン塩酸塩のホスゲン化と、第3ホスゲン化段階における低圧でのカルバモイルクロリドの分解との物理的な分離は、達成されるべき高い化学収率、高い時空収率、および特に低いホスゲン滞留量を、処理全体にわたって、さらに個々の装置中においても可能にする。
第1段階および第2段階の物理的分離は完全には必要なく、これは高圧が液相中のホスゲン濃度を増大させ、アミンとホスゲンとの第1反応、およびアミン塩酸塩とホスゲンとの第2反応の両方に有利であるからである。
さらに、この方法は高温で行うことができ、所望により全ての段階で等温的に行うこともできる。これによって、特に、高い時空収率とそれによる低いホスゲン滞留量、およびより小規模な装置を特に従来の冷熱(低温/高温)ホスゲン化と比較した高い化学収率と同時に、実現することができる。さらに、第1段階での反応混合物の冷却と、それに続く第2段階および以後の段階での再加熱とを省くことが、エネルギー量の顕著な節約をもたらす。固体としてアミン塩酸塩が沈殿しないようにすることは、長い滞留時間を可能にし、しばしば操作の循環モード(循環型反応装置)によってのみこの長い滞留時間は実現されるが、これが不用になる。操作の循環モードは同様に、例えば攪拌容器カスケードと比較して低いホスゲン滞留量を有し、副生成物、特に尿素の形成の増大を被ってしまう。尿素形成の回避のため、アミンまたはイソシアネート濃度は、低く維持しなければならず、これが非常に低い時空収率をもたらす。
使用される温度と圧力はある程度は使用されるアミンに依存する。同様に各装置中で使用されるべきホスゲン過剰量と滞留時間も、使用されるアミンに依存する。ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び/又はポリフェニレン−ポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)またはこれら2者の混合物の場合には、ホスゲンの過剰量は、化学量論量の100%以上とすべきであり、一方でトリレンジイソシアネート(TDI)の場合には、化学量論量の300%以上とすべきであり、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)の場合には、同様に化学量論量の300%以上とすべきである。第1段階(静的混合装置)での滞留時間は、当然に非常に短く、装置設計によって決定される。第2段階の滞留装置中の平均滞留時間は、1秒から30分間とすることができる。30秒から10分間の平均滞留時間が好ましく、2〜7分間が特に好ましい。第3段階の装置(反応塔)の平均滞留時間は、理論段数、ウェア(堰)の高さ、液相の体積、塔のスループット、その他のプロセスエンジニアリングパラメータに依存する。1時間を超えないことが好ましい。
不活性溶媒中のアミン濃度は同様に、使用されるアミンと溶媒に依存する。ジフェニルメタンジアミン(MDA)及び/又はポリフェニレン−ポリメチレンポリアミン(PMDA)またはこれら2者の混合物の場合には、5〜50質量%、好ましくは25〜40質量%とすることができ、トルエンジアミン(TDA)の場合には、5〜50質量%、好ましくは15〜30質量%とすることができ、ヘキサメチレンジアミン(HDA)の場合には、5〜50質量%、好ましくは15〜30質量%とすることができ、イソホロンジアミン(IPDA)の場合には5〜50質量%、好ましくは15〜30質量%とすることができる。不活性溶媒中のホスゲン濃度は、0〜70質量%、好ましくは10〜50質量%とすることができる。アミン用と同じ溶媒を使用することが好ましい。溶媒を全く使用しないことも好ましい。
本発明を以下の実施例によって詳細に説明する。
[実施例]:
1a)滞留装置として管型反応装置(I)
3.3kg/hのクロロベンゼン中の0.73kg/hのトルエンジアミン(TDA)の溶液を、混合ノズルにおいて110℃で、6.2kg/hのホスゲンと反応させた。ノズルによる減圧(圧力降下)は、6barであった。反応混合物を、二重壁により加熱された管型反応装置中に直接に移送して減圧し、これは滞留装置として110℃で2分間の滞留時間と絶対圧力15barを有していた。管型反応装置からの出力を制御バルブを通じて減圧しバブルキャップトレイ塔(反応塔)へと導いた。反応塔の底部の温度は150℃で頂部の圧力は絶対圧力3.5barであった。塔の頂部では、ホスゲン(4.8kg/h、82質量%)、塩化水素(0.85kg/h、15質量%)およびクロロベンゼン(0.19kg/h、3質量%)、および少量の種々の低沸点物質(CCl4、CHCl3、N2、CO、CO2)の混合物(5.8kg/h)を取りだし、部分凝縮し、公知の方法による塩化水素/ホスゲン分離へと搬送した。凝縮物の一部は、ランバックとして塔に戻した。頂部の温度は71℃であった。塔の底部では、トリレンジイソシアネート(1.0kg/h、23質量%)、クロロベンゼン(3.1kg/h、70質量%)、ホスゲン(0.27kg/h、6質量%)、塩化水素(0.02kg/h、0.5質量%)、および少量の高沸点物質(0.04kg/h、1質量%)の混合物(4.4kg/h)を取り出した。13の管を有するシェルアンドチューブ装置(円筒多管式装置)を、底部循環蒸発装置として使用した。
1b)滞留装置として管型反応装置(II)
3.2kg/hのクロロベンゼン中の0.73kg/hのトルエンジアミン(TDA)の溶液を、混合ノズルにおいて6.2kg/hのホスゲンと反応させた。ノズルによる減圧(圧力降下)は、8barであった。反応混合物は、管型反応装置へと直接に移送して減圧し、これは滞留装置として120℃で10秒間の滞留時間と絶対圧力15barを有していた。管型反応装置からの出力は、バブルキャップトレイ塔へと直接に流入させた。反応塔の底部の温度は150℃であり、頂部の圧力は絶対圧力15barであった。塔の頂部では、ホスゲン(2.1kg/h、71質量%)、塩化水素(0.85kg/h、29質量%)および少量のクロロベンゼンと種々の低沸点物質(CCl4、CHCl3、N2、CO、CO2)の混合物(3.0kg/h)を取りだし、部分凝縮し、公知の方法による塩化水素/ホスゲン分離へと搬送した。凝縮物の一部は、ランバックとして塔に戻した。塔の底部では、トリレンジイソシアネート(1.0kg/h、14質量%)、クロロベンゼン(3.2kg/h、45質量%)、ホスゲン(2.9kg/h、41質量%)、および少量の高沸点物質(0.05kg/h、1質量%)の混合物(kg/h)を取り出した。13の管を有するシェルアンドチューブ装置(円筒多管式装置)を、底部循環蒸発装置として使用した。
2)滞留装置として攪拌容器
3.3kg/hのクロロベンゼン中の0.73kg/hのトルエンジアミン(TDA)の溶液を、混合ノズルにおいて140℃で、6.2kg/hのホスゲンと反応させた。ノズルによる減圧(圧力降下)は、4barであった。ノズルは滞留装置である管型反応装置へと一体化され、反応混合物はこの中へ移されて減圧された。滞留装置は、二重壁を通じて140℃にされた攪拌容器であった。撹拌速度は1000回転毎分であった。代わりに、ノズルを滞留反応装置の外側に設けて、ノズルからの出力をプラグインチューブを通じて直接に液相へと供給した。気相中への減圧は、トリレンジイソシアネート(TDI)のいくらか低い収率をもたらした。液相は、レベル制御下で放出され、気相は圧力制御下で、滞留反応装置からバブルキャップトレイ塔(反応塔)へと放出された。攪拌容器は絶対圧力2.5〜35barの範囲の圧力で操作された。(レベルを介して制御された)液相の平均滞留時間は30分間以下であった。さらに攪拌容器は、熱交換器により提供される外部ループ(ギアポンプによるポンプ循環)によっても操作された。反応塔の底部の温度は110℃であり、頂部の圧力は絶対圧力3.5barであった。塔の頂部では、ホスゲン(4.0kg/h、20質量%)、塩化水素(0.85kg/h、17質量%)およびクロロベンゼン(0.16kg/h、3質量%)、および種々の低沸点物質(CCl4、CHCl3、N2、CO、CO2)の混合物(5.0kg/h)を取りだし、部分凝縮し、公知の方法による塩化水素/ホスゲン分離へと搬送した。凝縮物の一部は、ランバックとして塔に戻した。頂部の温度は70℃であった。塔の底部では、トリレンジイソシアネート(1.0kg/h、19質量%)、クロロベンゼン(3.1kg/h、59質量%)、ホスゲン(1.15kg/h、22質量%)、塩化水素(0.02kg/h、0.3質量%)および少量の高沸点物質(0.02kg/h、0.4質量%)の混合物(5.2kg/h)を取り出した。13の管を有するシェルアンドチューブ装置(円筒多管式装置)を、底部循環蒸発装置として使用した。
3)相分離装置
1.6kg/hのクロロベンゼンでの0.74kg/hのジアミノジフェニルメタン(MDA)の溶液を、2.1kg/hのクロロベンゼンでの1.9kg/hのホスゲンの溶液と、混合ノズル中で反応させた。ノズルにわたる減圧は、5barであた。ノズルは、減圧を受けてプラグインチューブを介して相分離装置の液相へと通じている。ノズルの下流の圧力は12barであり、温度は115℃であった。液相と気相が、分離されてバブルキャップトレイ塔(反応塔)へと搬送された。液相の平均滞留時間は、約3分間であった。反応塔の底部の温度は、115℃であり、頂部の圧力は絶対圧力5barであった。塔の頂部では、ホスゲン(0.73kg/h、50質量%)、塩化水素(0.50kg/h、33質量%)およびクロロベンゼン(0.24kg/h、16質量%)、および種々の低沸点物質(CCl4、CHCl3、N2、CO、CO2)の混合物(1.5kg/h)を取りだし、部分凝縮し、公知の方法による塩化水素/ホスゲン分離へと搬送した。凝縮物の一部は、ランバックとして塔に戻した。頂部の温度は110℃であった。塔の底部では、メチレンジ(フェニルイソシアネート)(MDI、0.93kg/h、19質量%)、クロロベンゼン(3.5kg/h、71質量%)、ホスゲン(0.43kg/h、9質量%)および塩化水素(0.05kg/h、1.0質量%)の混合物(4.9kg/h)を取り出した。13の管を有するシェルアンドチューブ装置(円筒多管式装置)を、底部循環蒸発装置として使用した。

Claims (13)

  1. 有機アミンをホスゲンと反応させることによりポリイソシアネートを製造する方法であって、
    前記反応を、3段階以上で行い、
    第1段階を混合装置中で、第2段階を1以上の滞留装置中で、且つ第3段階を1以上の反応塔中で行い、且つ
    連続する各段階での圧力を、それ以前の段階よりも低くすることを特徴とする製造方法。
  2. 前記ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニレン−ポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)、またはこれらの2種の混合物、トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、またはイソホロンジイソシアネート(IPDI)である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記第1段階のための装置としてノズルが使用される請求項1に記載の製造方法。
  4. 前記第2段階のための装置として、管型反応装置、撹拌容器、非撹拌滞留装置、または気相と液相の相分離装置が使用される、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記第2段階の滞留装置中の滞留時間が、1秒〜30分間である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記第2段階の滞留反応装置が、並列または直列に接続された同種または異種の2基以上の反応装置である、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記第3段階の1以上の反応塔中、前記ホスゲンを分離除去する請求項1に記載の製造方法。
  8. 制御バルブまたは圧力降下を特徴とするその他のデバイスを使用することによって、圧力を、前記第1段階の反応装置の圧力から、前記第2段階の反応装置の圧力へと、減圧する、請求項1に記載の製造方法。
  9. 制御バルブまたは圧力降下を特徴とするその他のデバイスを使用することによって、圧力を、第2段階の反応装置の圧力から、前記第3段階の反応装置の圧力へと、減圧する、請求項1に記載の製造方法。
  10. 第1段階の反応装置が、第2段階の反応装置と一体化されている、請求項1に記載の製造方法。
  11. 静的混合装置の上流圧力が、3〜70barであり、第2段階の反応装置の圧力が、2.5〜35barであり、第3段階の反応装置の圧力が、2〜20barである、請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  12. 第1、第2および第3段階の温度が、それぞれ80〜190℃である、請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  13. 芳香族炭化水素またはそれらの混合物が、不活性溶媒として使用される、請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
JP2004561288A 2002-12-19 2003-12-13 イソシアネートの連続製造方法 Expired - Fee Related JP4324558B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE10260082A DE10260082A1 (de) 2002-12-19 2002-12-19 Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von Isocyanaten
PCT/EP2003/014185 WO2004056756A1 (de) 2002-12-19 2003-12-13 Verfahren zur kontinuierlichen herstellung von isocyanaten

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006510692A JP2006510692A (ja) 2006-03-30
JP4324558B2 true JP4324558B2 (ja) 2009-09-02

Family

ID=32404069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004561288A Expired - Fee Related JP4324558B2 (ja) 2002-12-19 2003-12-13 イソシアネートの連続製造方法

Country Status (12)

Country Link
US (1) US7851648B2 (ja)
EP (1) EP1575904B2 (ja)
JP (1) JP4324558B2 (ja)
KR (1) KR101032936B1 (ja)
CN (1) CN1312123C (ja)
AT (1) ATE484492T1 (ja)
AU (1) AU2003293871A1 (ja)
DE (2) DE10260082A1 (ja)
ES (1) ES2353005T5 (ja)
MX (1) MXPA05006058A (ja)
PT (1) PT1575904E (ja)
WO (1) WO2004056756A1 (ja)

Families Citing this family (48)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004032871A1 (de) * 2004-07-07 2006-02-09 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Polyisocyanaten durch adiabate Phosgenierung von primären Aminen
DE602006003419D1 (de) 2005-04-08 2008-12-11 Huntsman Int Llc Spiralmischerdüse und verfahren zum mischen von zwei oder mehr fluiden und verfahren zur herstellung von isocyanaten
RU2415129C2 (ru) * 2005-05-30 2011-03-27 Хантсмэн Интернэшнл Ллс Процесс получения полиизоцианатов дифенилметанового ряда
DE102005043799A1 (de) * 2005-09-13 2007-04-12 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
CN100339363C (zh) * 2006-05-08 2007-09-26 江苏安邦电化有限公司 一种丁基异氰酸酯的制备方法
DE102006022448A1 (de) * 2006-05-13 2007-11-15 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
US7547801B2 (en) * 2006-06-26 2009-06-16 Bayer Materialscience Llc Process for the continuous preparation of isocyanates
WO2008049783A1 (de) * 2006-10-26 2008-05-02 Basf Se Verfahren zur herstellung von isocyanaten
CN101583594B (zh) * 2006-11-07 2013-06-19 巴斯夫欧洲公司 生产异氰酸酯的方法
US20100048942A1 (en) * 2006-12-11 2010-02-25 Basf Se Process for preparing isocyanates
EP2060560B1 (en) * 2007-11-14 2016-04-13 Covestro Deutschland AG Preparation of light-colored isocyanates
DE102007061688A1 (de) 2007-12-19 2009-06-25 Bayer Materialscience Ag Verfahren und Mischaggregat zur Herstellung von Isocyanaten durch Phosgenierung primärer Amine
DE102008012037A1 (de) 2008-03-01 2009-09-03 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Methylen-diphenyl-diisocyanaten
DE102008000785A1 (de) * 2008-03-20 2009-09-24 Evonik Röhm Gmbh Verfahren zur Herstellung von Methacrylsäure
WO2009151005A1 (ja) * 2008-06-09 2009-12-17 独立行政法人産業技術総合研究所 イソシアナート化合物の製造方法
CN101357898B (zh) * 2008-08-29 2010-12-15 江苏安邦电化有限公司 一种正丁基异氰酸酯的制备方法
DE102008054587A1 (de) * 2008-12-12 2010-06-17 Basf Se Verfahren zur Rückspaltung von in einer Flüssigkeit F enthaltenen Michael-Addukten, die bei der Herstellung von Acrylsäure oder deren Ester gebildet wurde
US8835673B2 (en) 2009-12-04 2014-09-16 Basf Se Process for preparing isocyanates
US20110230679A1 (en) * 2010-03-16 2011-09-22 Dow Global Technologies, Inc. Reactive Static Mixer
US20110228630A1 (en) * 2010-03-16 2011-09-22 Dow Global Technologies, Inc. Reduced Transit Static Mixer Configuration
CN101805272B (zh) * 2010-04-21 2013-08-28 万华化学集团股份有限公司 一种通过界面光气化反应制备异氰酸酯的方法
US9321720B2 (en) 2010-10-14 2016-04-26 Basf Se Process for preparing isocyanates
PT2627629T (pt) * 2010-10-14 2022-03-10 Basf Se Método para a preparação de isocianatos
US8907124B2 (en) 2010-11-17 2014-12-09 Basf Se Process for preparing methylenedi(phenyl isocyanate)
KR101898745B1 (ko) 2010-11-17 2018-09-13 바스프 에스이 메틸렌디(페닐 이소시아네이트)의 제조 방법
US8933262B2 (en) 2011-05-24 2015-01-13 Basf Se Process for preparing polyisocyanates from biomass
KR20140037139A (ko) 2011-05-24 2014-03-26 바스프 에스이 바이오매스로부터 폴리이소시아네이트의 제조 방법
EP2559658A1 (en) * 2011-08-19 2013-02-20 Huntsman International LLC A process to separate phosgene and hydrogen chloride from a fluid stream comprising phosgene and hydrogen chloride
CN110511164A (zh) * 2011-09-02 2019-11-29 巴斯夫欧洲公司 制备异氰酸酯的方法
CN108147980B (zh) 2012-09-24 2020-10-23 科思创德国股份有限公司 通过二胺悬浮体的光气化制备二异氰酸酯的方法
US9126904B2 (en) 2012-10-24 2015-09-08 Basf Se Process for preparing isocyanates by phosgenation of amines in the liquid phase
PT2912010T (pt) * 2012-10-24 2017-03-02 Basf Se Processo para a produção de isocianatos por meio da fosgenação de aminas na fase líquida
CN103214397B (zh) * 2013-04-15 2015-02-25 湘潭大学 连续制备1,5-萘二异氰酸酯的方法
CN106458864B (zh) * 2014-03-27 2020-08-11 科思创德国股份有限公司 运行气相光气化装置的方法
EP3122718B1 (de) 2014-03-27 2018-02-28 Covestro Deutschland AG Verfahren zur herstellung von isocyanaten
HUE043402T2 (hu) * 2014-04-23 2019-08-28 Basf Se Eljárás izocianátok oldószerként dialkil-karbonátokban történõ elõállítására
KR20170058927A (ko) * 2014-09-19 2017-05-29 코베스트로 도이칠란트 아게 이소시아네이트의 기체 상 제조 방법
CN104356028B (zh) * 2014-09-29 2017-10-20 湖南海利常德农药化工有限公司 一种连续化生产制备3,4二氯苯基异氰酸酯的方法
JP6743068B2 (ja) 2015-06-29 2020-08-19 コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトCovestro Deutschland Ag 化学反応用塩化水素製造方法
WO2017001322A1 (de) * 2015-06-29 2017-01-05 Covestro Deutschland Ag Verfahren zur herstellung von polyisocyanaten
CN110382100B (zh) * 2017-03-06 2022-05-24 陶氏环球技术有限责任公司 制备异氰酸酯的方法
US10875827B2 (en) * 2018-11-13 2020-12-29 Covestro Deutschland Ag Process for preparing an isocyanate by partly adiabatic phosgenation of the corresponding amine
US20230027482A1 (en) 2019-12-18 2023-01-26 Covestro Deutschland Ag Method for producing di- and polyisocyanates of the diphenylmethane series
WO2022048930A1 (en) 2020-09-01 2022-03-10 Basf Se Process for producing isocyanates
HUP2300387A1 (hu) * 2021-01-11 2024-01-28 Wanhua Chemical Ningbo Co Eljárás poliizocianát elõállítására és reagáltató berendezés ehhez
CN113666844A (zh) * 2021-09-22 2021-11-19 德州绿霸精细化工有限公司 一种连续生产2,6-二氟苯甲酰基异氰酸酯的方法
CN114685315B (zh) * 2022-05-09 2023-07-21 山东新和成精化科技有限公司 一种异氰酸酯的制备方法及装置
CN114920668B (zh) * 2022-05-13 2023-10-13 万华化学集团股份有限公司 一种制备低氯代杂质异氰酸酯的方法

Family Cites Families (62)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2822373A (en) * 1958-02-04 Amine
CA832432A (en) 1970-01-20 Mobay Chemical Company Phosgenation of amines
DE156844C (ja)
DE276614C (ja) 1912-02-24
DE844896C (de) 1944-04-04 1952-09-15 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von organischen Isocyanaten
US2683160A (en) * 1953-03-19 1954-07-06 Du Pont Preparation of aromatic isocyanates
DE949227C (de) 1953-03-27 1956-09-13 Bayer Ag Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von Isocyanaten
DE952086C (de) 1953-05-08 1956-11-08 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
DE949228C (de) 1953-06-26 1956-09-13 Bayer Ag Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von aromatischen einkernigen Diisocyanaten
DE958558C (de) 1953-06-27 1957-02-21 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
DE1037444B (de) 1954-03-15 1958-08-28 Du Pont Verfahren zur Herstellung organischer Isocyanate
GB763535A (en) 1954-03-15 1956-12-12 Du Pont Preparation of organic isocyanates
DE1175666B (de) 1955-03-17 1964-08-13 Toulousaine De Prod Chim Iatol Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von Isocyanaten
GB827376A (en) 1955-03-17 1960-02-03 France Etat Improvements in the manufacture of isocyanates
DE1146872B (de) 1959-01-29 1963-04-11 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von organischen Isocyanaten
US3226410A (en) * 1962-07-20 1965-12-28 Fmc Corp Continuous method of preparing aromatic isocyanates
DE1192641B (de) 1963-10-09 1965-05-13 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
US3321283A (en) * 1963-12-23 1967-05-23 Mobay Chemical Corp Apparatus for conducting rapid chemical reactions
GB1034285A (en) 1964-05-29 1966-06-29 Ici Ltd Organic isocyanates
US3381025A (en) * 1964-06-29 1968-04-30 Hodogaya Chemical Co Ltd Process for preparing isocyanates
DE1233854B (de) 1965-03-03 1967-02-09 Bayer Ag Verfahren zum Herstellen von Isocyanaten
FR1469105A (fr) * 1965-12-27 1967-02-10 Toulousaine De Prod Chim Toloc Procédé de fabrication d'esters isocyaniques
AT277982B (de) 1966-11-18 1970-01-12 Chemokomplex Vegyipari Gep Es Verfahren zur halbkontinuierlichen oder kontinuierlichen Herstellung von aromatischen Mono- und Diisocyanaten
DE1811609C3 (de) 1967-12-01 1978-06-29 E.I. Du Pont De Nemours And Co., Wilmington, Del. (V.St.A.) Mischvorrichtung zur Herstellung von Isocyanaten
BE711392A (ja) 1968-02-28 1968-07-01 Gnii Pi Azotnoj
GB1238669A (ja) 1968-03-12 1971-07-07
US3574695A (en) * 1968-04-11 1971-04-13 Du Pont Two-stage phosgenation process for producing organic isocyanates
AT278686B (de) 1968-05-29 1970-02-10 Voest Ag Verfahren zum Walzen von im Stranggußverfahren gegossenen Strängen
GB1212249A (en) 1968-10-08 1970-11-11 Ici Ltd Production of isoctanates
DE2058032A1 (de) 1970-11-25 1972-05-31 Zimmer Ag Ind Anlagen Verfahren und Vorrichtung zur kontinuierlichen Herstellung von Isocyanaten
DE2112181A1 (de) 1971-03-13 1972-10-05 Basf Ag Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von organischen Isocyanaten
BE790461A (fr) 1971-10-25 1973-02-15 Quimco Gmbh Procede de production d'isocyanates organiques
US3801518A (en) * 1972-02-28 1974-04-02 Du Pont Flexible polyurethane foam having improved compression set
DE2404773A1 (de) 1974-02-01 1975-08-21 Basf Ag Verfahren zur herstellung von organischen isocyanaten
US3912600A (en) * 1974-05-09 1975-10-14 Upjohn Co Recovery of polymethylene polyphenyl polyisocyanate from a phoshenosed polyamine feed
DD132340B1 (de) 1975-09-23 1983-06-08 Hans Iben Verfahren zur phosgenierung von aminen zu mono-,di-und polyisocyanaten
DE2624285A1 (de) 1976-05-31 1977-12-22 Basf Ag Verfahren zur kontinuierlichen herstellung von organischen isocyanaten
US4096165A (en) 1976-11-01 1978-06-20 Allied Chemical Corporation Method of manufacturing aromatic isocyanates
DE2827979A1 (de) * 1978-06-26 1980-01-17 Henkel Kgaa 13,15-dioxabicyclo eckige klammer auf 10.5.0 eckige klammer zu heptadecane, deren herstellung und verwendung als riechstoff, sowie diese enthaltende riechstoffkompositionen
CA1137076A (en) 1978-12-13 1982-12-07 John R. Bauer Fluid spray mixer - reactor system
DE2908703A1 (de) 1979-03-06 1980-09-11 Heinz Hartmann Vorrichtung zum abfuellen von pastoesen massen in eine quetschtube
JPS5748954A (en) 1980-09-10 1982-03-20 Mitsui Toatsu Chem Inc Preparation of organic isocyanates
US4422976A (en) 1981-04-07 1983-12-27 Mitsui Toatsu Chemicals, Incorporated Continuous preparation of organic isocyanates
DE3121036A1 (de) 1981-05-27 1982-12-16 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur kontinuierlicehn herstellung von organischen mono- oder polyisocyanaten
DE3323882A1 (de) 1982-10-09 1984-04-12 Chemische Werke Hüls AG, 4370 Marl Verfahren zur kontinuierlichen heissphosgenierung von aminen
JPS6010774A (ja) 1983-06-30 1985-01-19 Fujitsu Ltd 半導体装置
DE3403204A1 (de) 1984-01-31 1985-08-14 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur kontinuierlichen herstellung von organischen mono- und/oder polyisocyanaten
DE3714439A1 (de) 1987-04-30 1988-11-10 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von (cyclo)aliphatischen diisocyanaten
DE3717057A1 (de) 1987-05-21 1988-12-01 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von isocyanaten
DE3736988C1 (de) 1987-10-31 1989-03-23 Bayer Ag Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von organischen Mono- und Polyisocyanaten
DE3744001C1 (de) 1987-12-24 1989-06-08 Bayer Ag Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von Mono- oder Polyisocyanaten
DE4217019A1 (de) 1992-05-22 1993-11-25 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von aromatischen Diisocyanaten
DE4412327A1 (de) 1994-04-11 1995-10-12 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Diisocyanaten
BR9510351A (pt) 1994-11-17 1997-12-23 Bayer Ag Processo para a preparação de isocianatos
DE4443642A1 (de) * 1994-12-08 1996-06-13 Bayer Ag Kontinuierliches Verfahren zur Herstellung von organischen Isocyanaten
DE19523385A1 (de) 1995-06-23 1997-01-09 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Triisocyanaten
DE19638567A1 (de) 1996-09-20 1998-03-26 Bayer Ag Mischer-Reaktor und Verfahren zur Durchführung von Reaktionen, insbesondere die Phosgenierung von primären Aminen
DE19800529A1 (de) 1998-01-09 1999-07-15 Bayer Ag Verfahren zur Phosgenierung von Aminen in der Gasphase unter Einsatz von Mikrostrukturmischern
DE19804915A1 (de) * 1998-02-07 1999-08-12 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Methylendi(phenylamin) und Methylendi(phenylisocyanat)
DE19817691A1 (de) 1998-04-21 1999-10-28 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Mischungen aus Diphenylmehandiisocyanaten und Polyphenylen-polymethylen-polyisocyanaten mit vermindertem Gehalt an chlorierten Nebenprodukten und verminderter Jodfarbzahl
DE10027779A1 (de) 2000-06-07 2001-12-13 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
DE10158160A1 (de) * 2001-11-28 2003-06-12 Basf Ag Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase

Also Published As

Publication number Publication date
US7851648B2 (en) 2010-12-14
ES2353005T3 (es) 2011-02-24
ES2353005T5 (es) 2014-01-09
DE50313194D1 (de) 2010-11-25
EP1575904B2 (de) 2013-09-04
JP2006510692A (ja) 2006-03-30
PT1575904E (pt) 2010-11-09
KR20050089055A (ko) 2005-09-07
MXPA05006058A (es) 2005-08-16
WO2004056756A1 (de) 2004-07-08
DE10260082A1 (de) 2004-07-01
ATE484492T1 (de) 2010-10-15
KR101032936B1 (ko) 2011-05-06
CN1312123C (zh) 2007-04-25
US20060252960A1 (en) 2006-11-09
EP1575904A1 (de) 2005-09-21
EP1575904B1 (de) 2010-10-13
CN1729168A (zh) 2006-02-01
AU2003293871A1 (en) 2004-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4324558B2 (ja) イソシアネートの連続製造方法
JP5388427B2 (ja) イソシアネートの連続的な製造方法
JP4833966B2 (ja) イソシアナートの製造方法
US8026387B2 (en) Method for producing isocyanates
JPH0641046A (ja) 芳香族ジイソシアネートの製造方法
US10112892B2 (en) Process for preparing polyisocyanates
CN111170891B (zh) 通过相应胺的部分绝热运行的光气化制备异氰酸酯的方法
US20050222453A1 (en) Method for producing isocyanates
KR101021208B1 (ko) 이소시아네이트의 제조 방법
US10875827B2 (en) Process for preparing an isocyanate by partly adiabatic phosgenation of the corresponding amine
KR20230058164A (ko) 이소시아네이트의 제조 방법
US20120289746A1 (en) Process for working up an isocyanate-comprising stream
CN115397808A (zh) 运行用于连续制备异氰酸酯的装置的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081209

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090302

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090408

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090512

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090608

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120612

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130612

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees