JP5388427B2 - イソシアネートの連続的な製造方法 - Google Patents

イソシアネートの連続的な製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5388427B2
JP5388427B2 JP2007167869A JP2007167869A JP5388427B2 JP 5388427 B2 JP5388427 B2 JP 5388427B2 JP 2007167869 A JP2007167869 A JP 2007167869A JP 2007167869 A JP2007167869 A JP 2007167869A JP 5388427 B2 JP5388427 B2 JP 5388427B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stage
phosgene
reactor
reaction
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007167869A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008007506A (ja
Inventor
ポール フリッツ
セラ リカルド
エーラース マティアス
エス ボルトン ジェフリー
ビー ソラク ゲイリー
ジェイ ブルジョワ カーク
エル マッカロー グレゴリー
アール ヒックス アンバー
ジー ヒルマン リチャード
イー セイガー ジェームズ
ワン シャオヤン
ミラー スポッツウッド
オケル ラルフ
デルシア サラ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Covestro Deutschland AG
Original Assignee
Bayer MaterialScience AG
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bayer MaterialScience AG filed Critical Bayer MaterialScience AG
Publication of JP2008007506A publication Critical patent/JP2008007506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5388427B2 publication Critical patent/JP5388427B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/18Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C263/00Preparation of derivatives of isocyanic acid
    • C07C263/10Preparation of derivatives of isocyanic acid by reaction of amines with carbonyl halides, e.g. with phosgene

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、有機アミンとホスゲンとを反応させることによってイソシアネートを製造する方法において、該反応を少なくとも3段階で実施する方法に関する。第一段階は、ダイナミックミキサ中で実施される。第二段階は、少なくとも1つの反応器中で実施される。第三段階は、少なくとも1つの材料分離装置中で実施される。第二段階の反応器中の圧力は、ダイナミックミキサ中の圧力より大きいか又は等しく、かつ少なくとも1つの材料分離装置中の圧力は、第二段階の反応器中の圧力より小さい。
アミンとホスゲンからイソシアネートを製造することは知られている。アミンの種類に応じて、該反応は、気相又は液相のいずれかで、そして回分式又は連続式のいずれかで実施される(W.Siefken,Liebigs Ann.562,75(1949))。
第一級有機アミンの反応による有機イソシアネートの連続的製造は、数多く記載されており、工業的規模で実施される。例えばプラスチックハンドブック、第7巻(ポリウレタン)、第三改訂版;Carl Hanser出版、ミュンヘン−ウィーン、第76頁以降(1993年)(Kunstostoffhandbuch,volume 7(Polyurethane),3rd revised edition;and Carl Hanser Verlag,Munich−Vienna,p.76 et seq.(1993))を参照のこと。特に、芳香族イソシアネート類のTDI(トルエンジイソシアネート);MDI(メチレンジフェニルジイソシアネート)、PMDI(ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート)及び最後の2つの混合物;並びに脂肪族イソシアネート類のHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)は、世界的に工業的規模で製造されている。
芳香族ジイソシアネート類のMDI及びTDIと脂肪族ジイソシアネート類のHDI及びIPDIの近代の工業的合成は、ほとんど専ら、連続的方法によって実施される。幾つかの連続流動容器中で反応を実施するための連続的方法は、例えばDE−A−844896号に見受けられる。
該方法の連続的な実施態様は、通常は、2段階で実施される。ホスゲン化の第一段階において、アミンとホスゲンとが反応されて、相応の塩化カルバモイル、塩化水素及びアミン塩酸塩が得られる。アミンとホスゲンとの間の反応は、非常に迅速であり、極めて発熱的で、非常に低温でさえも進行する。副生成物と固体形成を最小限にするために、従って、アミンとホスゲンの両者を、場合により有機溶剤中で迅速に混合せねばならないため、第一のホスゲン化段階は、通常はミキサ、しばしばノズルであるミキサ中で実施される。ホスゲン化の第二段階において、塩化カルバモイルが分解して、所望のイソシアネートが形成され、そして塩化水素とアミン塩酸塩とがホスゲン化されて、塩化カルバモイルが形成される。第二のホスゲン化段階の温度は、通常は、第一の段階の温度より高い。
液相中でのアミンとホスゲンとの反応は、全ての工業的に慣用のあらゆる温度及び圧力で非常に迅速であるため、二次反応の抑制のためには反応物の良好な混合が要求される。ホスゲン化の第一段階としての混合反応器中での第一級アミンのホスゲン化は、従って多くに記載がなされてきている。
ミキサは、基本的に、ダイナミックミキサ(例えば撹拌機、タービン又はロータ・ステータシステム)とスタティックミキサ(例えばKenics型ミキサ、Schaschlik型ミキサ又はSMV型ミキサ並びにジェットミキサ、例えばノズル又はT型ミキサ(Fortschr.Verf.Technik 23,1985,373;Ind.Eng.Chem.Res.26,1987,1184))とに区別することができる。
係る方法で有用であることが知られるミキサは、ノズル、例えば環状スロットノズル(DE−A−1792660号)、環状ダイノズル(DE−A−3744001号)、スムースジェット混合ノズル(EP−A−0065727号)、ファンジェットノズル(DE−A−2950216号)、アングルジェットチャンバノズル(DD−A−300168号)、トリプルストリームノズル(DD−A−132340号)、対向流混合チャンバ(DE−PS1146872号)、パイロットノズル(FR−A−69428号)及びベンチュリ型混合ノズル(DE−AS1175666号)を含む。インラインミキサ(US−A−3321283号)、遠心又は反応混合ポンプ(EP−A−0291819号)、管形反応器(US−A−3226410号)又は微細構造ミキサ(EP−A−0928785号)も知られている。
DD−A−132340号は、アミンを、圧力下及び高められた温度下で均質な溶剤の存在下でホスゲン化させて、モノイソシアネート、ジイソシアネート及びポリイソシアネートを得る方法を記載している。前記方法では、アミン/モノクロロベンゼン混合物及びホスゲン/モノクロロベンゼン混合物は、幾つかの部分流に分けられ、それらは並行して1つの反応器中に導入される。ホスゲン/モノクロロベンゼン混合物の一部は、中央に導入され、そしてアミン/モノクロロベンゼン混合物は、この中央流の周りに導入される。結果として、アミン/モノクロロベンゼン混合物は、ホスゲン/モノクロロベンゼン混合物によって取り囲まれる。例として、ポリアミン/モノクロロベンゼン混合物は、環状でホスゲン化反応器中に150℃で供給される。反応器に入る前に、該混合物には、好適な渦動装置によって回転運動が加えられる。150℃に加熱されたホスゲン/モノクロロベンゼンは、共反応物として反応器中に、ポリアミン/モノクロロベンゼン混合物中とその周りで導入される。2つの共反応物の相対速度は、約15m/sである。
EP−A−0830894号は、第一級アミンのホスゲン化のための混合反応器であって、1つの材料用の入口は、混合チャンバの軸中に形成され、かつ(少なくとも1つの)他の材料用の入口は、その混合チャンバの軸に対して回転対称で配置された多数のノズルの形をとっている混合反応器を記載している。各ノズルは、ノズル軸の方向に取り外し可能なボルトを有する。そのボルトは、ノズルから粘着性固体を除去することが可能である。
多くの装置が、第二のホスゲン化段階についても定着しており、それは場合により同時に相分離槽として使用される。ホスゲン化により相応のアミンからイソシアネートを製造することは、撹拌槽反応器(例えばDE−OS1468445号)、撹拌槽反応器列(DE−PS844896号)、充填反応塔(例えばWO−A−99/54289号)又は非充填塔(例えばウールマンの工業化学事典、第4版(1977年)、第13巻、第351頁以降(Ullmanns Encyklopadie der technischen Chemie,4th edition(1977),volume 13,page 351 et seq.))中で実施される。またループ型反応器を用いて再循環系がもたらされ、そうして限られた反応容量(又は滞留量)の場合にも完全な転化に十分な滞留時間が可能となる。
イソシアネート合成は、一般に、第一段階において非常に低温で実施され、そして第二段階において顕著に高い温度で保持装置中で実施される。この手順は、しばしば冷間−熱間ホスゲン化と呼称され、例えばW.Siefken著のLiebigs Annalen der Chemie 562(1949),第96頁に記載されている。まず、塩化カルボニル及びアミン塩酸塩中間体の懸濁液を、低温で、特に0℃又は室温であるが60℃を超えない温度で製造し、そして次いで前記懸濁液を、より高温で、特に100〜200℃の範囲の温度で保持装置中でイソシアネートに転化させる。係る二段階法は、プラスチックハンドブック、第7巻、Carl Hanser出版、ミュンヘン−ウィーン、第76頁以降(1993)及び、例えば特許のDE−A−2058032号、DE−A−2153268号及びDE−A−1233854号に記載されている。
第一段階を低温で行い、第二段階を高温で行う二段階法(冷間−熱間ホスゲン化)の欠点は、低い反応速度であり、従って第一の反応段階における低温のためにもたらされる低い空時収量である。更に、低温(ホスゲンの高い溶解度)及び長い反応時間(大きな反応器)は、高いホスゲン滞留量を意味し、それは安全的理由から望ましくない。また低温が問題となるのは、中間体として形成される塩化カルバモイルが大量に沈殿することであり、それは高められた温度で迅速に分解する。これは、閉塞及び固まった沈積物の危険を伴う。更に、反応物の冷却と引き続いての反応混合物の加熱は、エネルギーの観点からも欠点である。経済的な空時収量を達成するために、第一級有機アミンのホスゲン化による有機イソシアネートの製造のための工業的方法の全ての段階において高められた温度で作業する必要がある。しかしながら、高温では、反応混合物中でのホスゲンの溶解度が低下し、それにより反応のために使用されるホスゲンが過剰となる。それというのも、該反応は、通常は液相中で実施されるが、イソシアネートの高い収率を得るために大きなホスゲン過剰が必要となるからである。EP−A−0716079号は、反応における圧力と温度及びホスゲン過剰の影響を記載している。より高い温度でホスゲン過剰を低下させることは、一般に反応圧を高めることによって対処される。
DE−OS1768439号は、有機イソシアネートの連続的な製造のための方法において、180℃より高い高温と20〜150atmの高い圧力とを組み合わせて、それと共に反応の帯域における高いホスゲン濃度を特徴とする方法を記載している。導入されるホスゲンの量は、化学量論的量の2.5〜5.5倍である。極めて高い圧力及び非常に高い温度が許容可能な空時収量をもたらすことを可能にする。反応帯域における反応物の滞留時間は、5〜60秒である。有利な溶剤は、クロロベンゼンである。該方法の欠点は、高い温度のゆえの副生成物、特に尿素の形成増大によって引き起こされる収率及び品質の低下である。
EP−A−0065727号は、ノズル及び管形反応器を使用する方法を記載している。前記方法において、有機モノイソシアネート及びポリイソシアネートは、連続的に一段階反応で製造され、該反応は、第一級モノアミン又はポリアミンを、過剰量のホスゲンが溶解された不活性有機溶剤中に溶かした溶液に、10〜1000バールの圧力、有利には25〜150バールの圧力で、かつ120〜300℃の温度で、有利には150〜250℃の温度で、混合チャンバにおいて、場合により下流の反応帯域で連続的に合し、連続的に後処理することによって行われる。過剰に使用されるホスゲン溶液は、連続的に、混合チャンバ中に導入され、そして化学量論的割合で使用されるアミン成分は、スムースジェットノズルによって導入される。該方法に必須のスムースジェットノズルは、0.1〜30mmの内径を有する。少なくとも0.5バール、有利には1〜200バール、最も有利には3〜50バールの差圧が、ノズルを通じて導入されるアミン溶液で維持される。ホスゲンとアミノ基とのモル比は、2:1〜30:1、有利には3:1〜18:1である。後続の反応帯域は、管形反応器、多管型固定床反応器又は、例えば撹拌槽反応器列であってよい。混合容器中と下流の反応帯域における平均滞留時間は、5秒〜5分である。後続の反応帯域を出て行く反応混合物は、膨張容器中に常圧で1もしくはそれより多くの段階において、50〜150℃だけ温度を低下しつつ膨張される。気相と液相は、膨張容器中で分離される。使用される溶剤は、有利にはクロロベンゼン又はo−ジクロロベンゼンである。
GB−A−827376号は、芳香族イソシアネートの製造のための連続的な方法を記載しており、該方法は、アミンを、溶剤中で遊離形で又は溶剤中に懸濁された容易にアミンへと分解可能な塩として、ホスゲンの溶液と不活性溶剤中で3・105Paより高い圧力下で反応させることによって行われる。前記に開示した方法では、反応物は、混合しつつ同時に、垂直管形反応器の底端部に導入される。反応生成物は、迅速に該管形反応器の頂端部に上昇する。液相は、槽中で回収され、そこから液相がイソシアネートの単離のために取り出される。前記の槽は、同じ圧力下で運転される相分離装置であってよく、溢出管を介して液体出口と通じており、その液体出口中にバタフライ弁を有する。該槽中で分離された液体は、大気圧又は過圧及び高められた温度で運転される塔中に導入され、その際、残留ホスゲンと塩化水素は、頂部で気体形で分離される。過剰のホスゲンは、(有利には冷却水で)該槽中で分離された塩化水素/ホスゲン混合物から凝縮され、そして前記のようにして分離された塩化水素は膨張されて、排出される。反応物は、管形反応器中に1つの共通のポンプ又は2つの別個のポンプによって導入されるか、又はベンチュリ型混合ノズル、有利には2つの反応物について別個の入口を有するベンチュリ型混合ノズル中で混合され、そしてそこから管形反応器に移送される。管形反応器中の温度は、80〜200℃として記載されており、そして圧力は、3・105Paより高い圧力であり、高くても反応混合物の蒸気圧、有利には15〜20・105Paである。
US−A−3226410号は、芳香族イソシアネートの製造のための連続的な方法を記載しており、該方法は、芳香族アミンの流をホスゲンの流中に、管形反応器において、レイノルズ数2100より高く(有利には5000〜2000000)で、かつ60〜90℃の温度で、有利には80〜85℃の温度で混合することによって行われる。ホスゲンの量は、アミン1モル当たり、少なくとも1モル、有利には6〜12モルである。予熱後に、適宜、反応溶液を次いで第二の反応器、特に槽又は塔に移送し、そこは110〜135℃、有利には110〜120℃の温度である。アミン濃度は、2〜25質量%であり、有利には5〜10質量%であり、かつホスゲン濃度は、10〜100質量%、有利には10〜60質量%である。ホスゲン流が管形反応器に移送されるときの圧力は、50〜170psigである;アミン流の圧力は、逆混合を回避するためにより高い必要がある。イソシアネートと、溶剤と、比較的少量の副生成物と、塩化水素と、ホスゲンとが溶剤中に溶解されて含まれる液相は、第二の反応器から、塩化水素と溶剤とホスゲンと微量のイソシアネートとを含有する気相とは別個に取り出される。使用される溶剤は、不活性であり、かつイソシアネートより低沸点を有する塩素化された炭化水素である。クロロベンゼンが特に好ましい。
45psig又はそれより高い圧力下で、第二の反応器に引き続き、保持槽及び緩衝容器があり、そこから材料は、連続的に調節しながら過剰のホスゲンの除去用の塔に移送される。ホスゲンと塩化水素と溶剤は、頂部で排出され、そしてホスゲン槽中に再循環される。イソシアネート及び溶剤からなる底部生成物は、蒸留による溶剤の分離のために、有利には1段階で通過する。イソシアネートから分離された溶剤を使用して、塩化水素流から残留ホスゲンが吸収される。第二の反応器及び緩衝槽から排出されたホスゲンは、2段階で凝縮され、そしてホスゲン槽中に再循環される。凝縮できないホスゲン/塩化水素混合物は、ホスゲン吸収器に移送され、その中に溶剤分離から得られた溶剤が導入される。
吸収されない気体、原則的に塩化水素は、次いで吸収器中で水と反応して、水性塩酸を生成する。
該管形反応器は、固体の沈降を回避するために、不感帯をもたらしうるキンク、ポケット又は他の内部取付物を有さないプラグフロー型反応器として構成されることが望ましい。高いレイノルズ数及び直管としての反応器の設計は、液体が一定に固まった沈殿物を壁から洗い流すことを可能にすることが望ましい。
DE−A−2747524号は、芳香族イソシアネートの製造のための連続的な方法を記載しており、該方法では、反応器は、添加されたホスゲンが冷却をもたらすことを回避するために、従って反応壁上に塩化カルバモイル中間体の固まった沈殿物が形成するのを回避するために十分に加熱されている。2つの同軸管から構成されるプラグフロー型反応器であって、アミン及びホスゲンといった2つの反応物が不活性有機溶剤中で、別々に対向流で導入され、かつ内管の端部で混合される反応器が記載されている。供給帯域中への逆混合は、排除されると考えられ、それにより副生成物の形成が最小限となる。スチームジャケットを使用して、温度が調節され、そして塩化カルバモイル中間体での混合帯域の閉塞が回避される。必要とされる温度は、90〜140℃であるとされ、そして指摘された温度は、一般に90〜200℃である。しかしながら、出発温度は、60〜90℃である。圧力の上限は、実際的な考慮によって決定される。2atmが、適した圧力として示される。不活性溶剤中のアミン濃度は、2〜20%、有利には5〜10%として示される。ジクロロベンゼンが、不活性溶剤として好ましい。
管形反応器は、溶剤としてイソシアネートを用いてイソシアネートを製造するためのWO−A−96/16028号に記載される方法に好ましい装置でもある。WO−A−96/16028号は、連続的な一段階法を記載しており、該方法では、場合により不活性有機溶剤中に溶解された第一級アミンと、イソシアネート/ホスゲン溶液に対して10〜60質量%でイソシアネート中に溶解されたホスゲンとを、60〜180℃の温度で、かつ1〜30バールの圧力で反応させて、相応のイソシアネートが得られる。使用されるホスゲンとアミンとのモル比は、4:1〜1:1であり、かつ溶剤として使用されるイソシアネートは、固体を含まず、そして2%未満の加水分解可能な塩素値を有する。
DE−A−19817691号は、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及びポリフェニレンポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)の混合物であって、塩素化された副生成物の含量が低減され、かつヨウ素色指数が低減された混合物を製造するための二段階法を開示している。前記の開示された方法では、ジフェニルメタンジアミン(MDA)とポリフェニレンポリメチレンジアミン(PMDA)との相応の混合物と、ホスゲンとを、少なくとも1つの有機溶剤の存在下で、高められた温度で反応させ、ホスゲン化が完了したら過剰のホスゲンと溶剤を分離し、そして反応生成物が熱処理される。ホスゲン化の第二段階の保持装置中でのホスゲンと塩化水素とのモル比は、同時に、液相中で10〜30:1であり、かつ気相中で1〜10:1である。ホスゲン化の第二段階において、ホスゲン化の第一段階で形成される、すなわちスタティックミキサ中で形成される塩化カルバモイル及びアミン塩酸塩が保持装置を通過し、そこでアミン塩酸塩がホスゲン化されて相応の塩化カルバモイルとなり、そして塩化カルバモイルが開裂して、相応のイソシアネートと塩化水素となる。第一段階の温度は、慣用には、40〜150℃、有利には60〜130℃、最も有利には90〜120℃である。第一段階のために使用されるスタティックミキサは、有利にはノズルである。機械的撹拌機及び撹拌槽反応器列とは別に、第二段階のために使用される保持装置は、最も有利には塔、特に優勢的に10未満の理論段を有する反応塔である。該塔を対向流で運転させることが特に好ましい。該塔の底部温度は、有利には80〜120℃、最も有利には90〜110℃である。該塔の頂部圧力は、1.0〜4.7atm、最も有利には2.0〜3.7atmである。
US−A−3544611号は、また、10〜50バールの高圧下で反応塔を用いて有機イソシアネートを製造するための方法を記載している。イソシアネートの製造における第一の反応段階、すなわちアミンとホスゲンとを反応させて塩化カルバモイル中間体を得ることは、ループ型反応器(混合回路)中で実施される。第二の反応段階、すなわち塩化カルバモイルのイソシアネートへの分解は、混合回路の下流にある反応塔中で行われ、その際、該塔の頂部で塩化水素/ホスゲン混合物が得られる。ホスゲンは、この混合物から二段階で凝縮される。得られたホスゲンは、塔の頂部に再循環される。ホスゲンは、該塔の精留帯域にある液体出口から排出され、そして反応(混合回路)中に再循環される。
反応塔の底部から排出された反応混合物からの残留ホスゲンの分離は、他の塔中で行われ、その際、ホスゲンは頂部から排出され、第一の塔と同様に二段階で凝縮され、そして反応の混合回路中に再循環される。イソシアネートを得る反応は、反応塔中で完結される。驚くべきことに、少なくとも10atmのより高い圧力で反応を実施することによって、より高収率のイソシアネートが得られることが述べられている。
反応塔は、DE−A−3736988号でも使用されており、該文献は、有機溶剤中に溶解されたアミンと、有機溶剤中に溶解されたホスゲンとを、反応塔中で150℃未満の温度で反応させることによって、1段階反応において有機モノイソシアネート又はポリイソシアネートを製造するための連続的な方法を記載している。該反応混合物は、反応塔を、連続的に底部から頂部へと通過する。該反応塔は、多孔板によって互いに分離された少なくとも10個のチャンバを有する。不活性溶剤中のアミンの濃度は、5〜40質量%、有利には7〜20質量%である。有利な溶剤は、クロロベンゼン又はジクロロベンゼン又はそれらの混合物である。ホスゲンは、不活性溶剤中で、30〜65質量%の溶液として使用されるか、又は有利には40〜65質量%の溶液として使用される。アミンとホスゲンとの当量比は、1:1.5〜1:7、有利には1:2〜1:5である。塔の頂部の温度は、有利には70〜130℃、より有利には90〜125℃、高くとも150℃である。反応塔中の平均滞留時間は、長くても120分、有利には長くても60分である。該塔中の圧力は、1.2〜3バール(絶対圧力)であり、有利には1.5〜2.5バール(絶対圧力)である。
保持装置としては、DE−A−3744001号は、多孔板塔であって、該塔を通じて材料が底部から頂部へと流動し、かつ10個より多い多孔板、有利には20〜50個の多孔板を有し、最大120分、有利には最大60分の滞留時間を有し、0.05〜0.4m/s、有利には0.1〜0.4m/sの液体速度を有し、かつ2〜20m/s、有利には3.5〜10m/sの気体速度を有する塔を提案している。水平に組み込まれた多孔板は、10〜50個のチャンバを形成する。反応塔の頂部温度は、150℃未満、有利には70〜130℃、最も有利には90〜125℃である。該塔中の頂部圧力は、1.2〜3バール(絶対圧力)であり、有利には1.5〜2.5バール(絶対圧力)である。第一のホスゲン化段階のためにノズルが使用される。
前記の方法は、慣用の冷間−熱間ホスゲン化よりも顕著に高い空時収量で進行する。その冷間−熱間ホスゲン化に関するこれらの方法の欠点は、アミン塩酸塩ホスゲン化と塩化カルバモイル分解とが、1つの同じ反応器中で実施されることであり、それにより、より長い滞留時間とより高いホスゲン滞留量がもたらされ、そして既に形成したイソシアネートとアミンとの二次反応が加速され、尿素が生ずることである。
多くの方法において、ホスゲンとアミンとの反応は、ループ型反応器又は循環型反応器中で実施され、その中に、アミンとホスゲンの、場合により溶剤中での供給流に加えて、反応混合物の少なくとも一部が再循環される。形成された反応混合物の再循環による前記の希釈は、一方で、反応混合物の取り扱いの容易さを向上させ、製造されるべきイソシアネートの溶剤作用に寄与することができ(DE−A−1192641号)、そして主に、温度を制御するか又はより低い温度を得るために熱の放散の向上に寄与することができる。アミンとホスゲンとの間の反応は、激しく発熱的である。反応過程と装置設計が好ましくなければ、より高い温度は、副生成物形成の増大をもたらし、それはトルエンジイソシアネート(TDI)の場合には、収率の損失とタールの生成を引き起こす。得られる副生成物の主要なものは尿素である。
DE−A−2624285号は、有機溶剤の存在で有機アミンとホスゲンとから有機イソシアネートを連続的に製造するための混合回路法において、ホスゲンを循環された反応溶液と混合する方法を記載している。得られた反応混合物とアミン又はアミン溶液は、混合帯域及び反応帯域に、再循環された反応混合物と導入されたアミン溶液との1m3あたりに、5〜1000kJのエネルギー放散密度が生ずるように導入される。該反応は、90〜220℃、有利には120〜180℃の温度で、かつ1〜10バール、有利には1〜3バールの圧力範囲で実施される。滞留時間は、10〜180分である。アミンとホスゲンとのモル比は、反応混合物中に1アミノ基あたり1〜10モル、有利には1.3〜4モルのホスゲンが存在するように計算される。収率は、使用されるアミンに対して、88〜98質量%である。
DE−A−2624285号に記載される混合回路法は、更に、EP−A−0150435号に開示される方法で発達している。EP−A−0150435号は、有機溶剤の存在下で有機アミンとホスゲンとを反応させることによって有機イソシアネートを連続的に製造するための方法を記載しており、該方法では、塩化水素が分離除去され、そして反応混合物の一部が循環され、その際、塩化水素の分離後にアミンの添加のために再循環される反応混合物の塩化水素含量は、アミンの添加前の反応混合物の全質量に対して、0.5質量%以下、有利には0.01〜0.4質量%であり、かつホスゲンと有機アミン中のアミノ基とのモル比は、12〜200:1である。該反応は、100〜220℃、有利には120〜180℃の温度で、かつ5〜100バール、有利には15〜50バールの圧力範囲で実施される。
同様に、DE−A−3403204号は、DE−A−2624285号の更なる発達型である。有機イソシアネート、有利にはポリイソシアネートを連続的に製造するにあたり、有機アミン、有利にはポリアミンとホスゲンとを、有機溶剤の存在下で、例えば5〜100バールの圧力下で、例えば100〜220℃の高められた温度で反応させ、その際、反応混合物の一部は、有利には自然循環原理に従って再循環され、アミンの添加前の反応混合物の塩化水素含量が、該反応混合物の全質量に対して0.5質量%未満であり、かつホスゲンと有機アミン中のアミノ基とのモル比が12〜200:1である方法が記載されている。
DE−A−3212510号は、また、再循環反応器を用いた有機イソシアネートの連続的な製造方法を記載している。事実上分散された状態の第一級有機アミンを、過剰のホスゲンと、10kg/cm2の示圧又は過圧で、すなわち10バール及び60〜100℃の温度で接触させ、それにより相応の有機塩化カルバモイルが有機アミンと中間体の塩酸塩から形成され、そして塩化水素が副生成物として形成される。前記の第一段階における転化は、30〜70%の塩化カルバモイルがイソシアネートに転化されるように行われる。該反応混合物を、10kg/cm2の示圧又は過圧及び120〜160℃の温度で保持し、それにより、該塩酸塩の塩化カルバモイルへの転化が達成され、そして塩化カルバモイルのイソシアネートへの転化が完了する。該反応は、再循環反応器(再循環ライン)又は槽状反応容器中で行われる。第一の事例においては、ホスゲンと一緒に溶剤を管形の再循環ライン中で再循環させ、そしてアミンを混加する(混合回路)。滞留時間は、第一段階においては30〜120分であり、第二段階においては10〜120分である。選択される溶剤は、o−ジクロロベンゼンである。
GB−A−763535号及びDE−A−1811609号は、同様に、ループ型反応器又は再循環反応器(反応システムとしての混合回路)を記載している。有機イソシアネートは、アミンとホスゲンとを一段階の連続反応においてイソシアネート、溶剤及び未反応のホスゲンを再循環させつつ反応させることによって製造される。GB−A−763535号に記載される方法における十分な圧力は、1平方インチあたり5〜20ポンドであり、反応温度は90〜180℃であり、溶剤中のTDA濃度は、5〜30%であり、化学量論的なホスゲン過剰率は、少なくとも25%、有利には70〜110%であり、かつ使用される溶剤は、塩素化された芳香族炭化水素、有利にはo−ジクロロベンゼンである。DE1811609号においては、場合によりo−ジクロロベンゼン又は他の溶剤中の有機アミン及び過剰のホスゲンが、高い剪断応力下で循環している反応混合物中で混合され、その際、有利には、混合のため、GB763535号とは異なる条件を選択できる。その反応圧力は、有利には少なくとも1.8〜14・105Pa、有利には4.2・105Pa又は3.5・105Paである。好ましい反応温度は、102〜130℃であると示され、トルエンジアミンについては、90〜120℃であると示される。ホスゲン過剰率は、50〜200%、有利には70%である。
また再循環がGB−A−1034285号で使用され、前記文献は、有機イソシアネートの製造のための連続的な方法を記載しており、該方法は、ホスゲンと第一級ポリアミンとを、不活性有機溶剤の存在下で反応させることによって行われ、その際、反応物は、別々に管形反応器中に供給され、そこでそれらは接触し、そして同じ溶剤と反応混合物とホスゲンとの混合物がこの管形反応器を通じて再循環される。使用される反応器は、2つの円筒状の槽の回路であってその間を反応混合物が循環する回路又は環状の管形反応器であってよい。反応混合物は、撹拌機によって撹拌されてよい。管形反応器中の温度は、8〜50℃である。圧力は、大気圧であるか又はそれより僅かに高い。溶剤中の計量された第一級ポリアミンの濃度は、2〜20質量%である。強制循環流に添加されたホスゲンの量は、添加されたポリアミン溶液中のアミノ基1モル当たり5〜20モルのホスゲンである。使用される不活性有機溶剤は、クロロベンゼン又はo−ジクロロベンゼンである。
JP−A−57048954号は、有機イソシアネートの製造方法において、第一級アミンの溶液を、再循環反応器中に配置されたスタティックミキサ又はプロペラ型ミキサのちょうど上流に導入する製造方法を記載している。ホスゲンが有機イソシアネート中に溶けた溶液は、再循環反応器中で循環する。
DE−A−10027779号の特許請求の範囲には、アミンとホスゲンとの反応によりイソシアネートを製造する方法において、イソシアネートを溶剤として使用し、そして該反応を反応塔中で実施し、その際、反応塔の底部で凝縮された相の全て又は一部を、反応塔の精留帯域中に再循環させる製造方法が記載されている。該反応塔中の理論分離段数は、5〜60である。温度は、−20℃〜300℃であり、絶対圧力は、0.2〜60バールである。
エネルギーの観点におけるループ型反応器又は混合回路法の欠点は、第一段階における低温と、第二段階における高温である。有機アミンとホスゲンとの間の反応は極めて発熱的なので、所望の反応温度を維持するためには第一段階において強力な冷却が必要となる。第二の反応、つまり塩化カルバモイルをイソシアネートへと分解させることは、著しく吸熱的なので、該反応混合物を、第二段階において再び加熱する必要がある。
しかしながら、一つの特定の欠点は、殊に一段階法における欠点は、直流法と比較して顕著に低い化学的収率である。それというのも既に形成されたイソシアネートがアミンと反応して、混合回路において逆混合の結果として尿素を生ずるからである。この二次反応を抑制するために、最大定常状態イソシアネート濃度が低いことがしばしば課され、それはまた低い空時収量をも意味する。
EP−A−0570799号は、アミンとホスゲンとを反応させてイソシアネートを得るのに、気相中で実施する方法を記載している。気相ホスゲン化は、脂肪族ジイソシアネートの製造(EP−A−0289840号)について、芳香族ジイソシアネートの製造(EP−A−0570799号)について、環状のジイソシアネートの製造(EP−A−1078918号)について、かつトリイソシアネートの製造(EP−A−0749958号)について知られている。EP−A−0749958号、EP−A−0676392号及びEP−A−0289840号は、気相ホスゲン化による脂肪族のジイソシアネート及びトリイソシアネートの製造方法において、前記の管形反応器への入口での反応物の混合を、ノズルによって又はノズル及びノズルと管との間の環状間隙の組み合わせによって実施する製造方法を記載している。ここで混合するために必須の条件は、管中のレイノルズ数RE>4700とされている。EP−A−0570799号において、気相ホスゲン化による芳香族ジイソシアネートの製造のためにジェットミキサが指摘されている。
気相ホスゲン化の欠点は、反応成分を蒸発させる必要があること、反応を非常に高温で実施するため、気相ホスゲン化は、分解なく蒸発しうるアミンの転化に限定されること、そして反応混合物と形成されたイソシアネートが熱ストレスに供され、こうして高められた副生成物形成と低減された収率とが引き起こされることである。
また、前記に概説した液相ホスゲン化法の基礎的な欠点を最小限にするために、好適な塩化カルバモイルを第一段階でこの反応に最適な条件下で製造し、次いでそれらを第二段階又は更なる段階において分解させて、製造すべきイソシアネートを得ることによる多くの試みもなされている。
DE−A−2252068号は、アミンとホスゲンから有機イソシアネートを製造するための方法において、大気圧より高い圧力でその分解点未満の温度に予熱されたアミンと予熱されたホスゲンとを溶剤としての過剰の有機イソシアネートの存在下で、反応が均質な液相中で進行する温度及び圧力で反応させ、そして次いで、第二段階で、中間的な有機塩化カルバモイルをより低い圧力で熱的に開裂させる製造方法を記載している。好ましい一実施態様においては、第一段階は、断熱的に実施される。反応成分は、120〜180℃の範囲の温度で供給される。反応混合物の出口での温度は、180〜250℃に保たれ、そして圧力は100〜300atmで保たれる。第一反応帯域中でのそれらの成分の滞留時間は、5〜150秒であることが望ましい。第二の反応段階は、等温的に実施される。入口温度は、120〜250℃であり、圧力は3〜30atmである。滞留時間は、3〜30分である。第二段階から排出されたイソシアネートは、50〜80℃に冷却してから、再循環される。
WO−A−2004/056756号は、非常に高い化学的収率及び高い空時収量でかつ低いホスゲン滞留量でイソシアネートを製造する二段階又は多段階の方法を記載しており、その際、これは、その文献の特許請求の範囲によれば、塩化カルバモイルの意図的な形成と同様に、当該発明による方法は、特にアミンとホスゲンとの反応における二次反応として起こるアミン塩酸塩の形成を考慮に入れるという事実が直接的な原因である。
WO−A−2004/056756号は、I.I.Konstantinov、A.I.Kormucheshkina、Zhurnal Prikladnoi Khimii,49(3)、596〜599頁(1976年)を引用しており、その著者は、アミン塩酸塩のホスゲン化は非常に遅く、かつイソシアネートに導く全体の反応サイクルの速度を決定する段階を表すと教示している。Konstantinov氏は、また運動学的測定法を紹介しており、そして反応速度を定量しており、それによれば塩酸塩ホスゲン化反応の速度は、遊離アミンのそれよりかなり遅い。
WO−A−2004/056756号は、またGB−A−1212249号を参照しており、それによればアミン塩酸塩の形成はまた尿素形成のためイソシアネートの収率の損失を引き起こし、そして相応の反応混合物でも大部分の市販の溶剤中でもアミン塩酸塩の可溶性は非常に低いため、固体生成の問題は塩酸塩形成によって更に劇的に悪化したままである。
WO−A−2004/056756号は、同様にDE−A−3323882号を参照しており、前記文献は、アミン塩酸塩又はそれと塩化カルバモイルとの混合物を、溶剤中に懸濁させた状態で過剰のホスゲンと80℃〜200℃、有利には100℃〜180℃の温度で高温ホスゲン化するための連続的な方法を記載している。該方法は、好適な分離装置によって固体を反応器中に保持し、そして該反応の間に形成されたイソシアネートを、溶剤中の溶液において該反応器から連続的に排出することを特徴としている。その固体は、有利にはフィルタで分離除去される。WO−A−2004/056756号において適切に維持されるように、DE3323882号に記載される塩酸塩ホスゲン化法の欠点は、固体の研究室での取り扱いと、配管、特に調節弁及び流量計の閉塞の危険性と、高いホスゲン滞留量を伴う大規模な装置が要求される長い滞留時間と、激しい反応条件及び低い収率である。
WO−A−2004/056756号は、更に、DE−A−2404773号を参照しており、該文献は、有機第一級アミンとホスゲンとからモノイソシアネート、ジイソシアネート及び/又はポリイソシアネートを製造する方法において、第一級アミンを、アミノ基当たり少なくとも3モルのホスゲンと溶剤の不在下で混合し、その際、該反応混合物は同時に平均粒度1〜100μmに微粉砕され、そして塩化カルバモイルとアミン塩酸塩とのホスゲン中の得られた懸濁液を、100〜180℃、有利には120〜160℃の温度で、かつ14〜55バール、有利には21〜41バールの圧力で相応のイソシアネートへと転化させる製造方法を記載している。前記方法は二段階法であって、その際、第一段階において、第一級アミンとホスゲンである出発材料を−30〜60℃で、有利には0〜50℃で、常圧又は、有利には高められた圧力で、特に14〜55バールの圧力で混合し、その際、同時に粒子は、1〜100μm、有利には1〜50μmの平均粒度にまで微粉砕される。アミンはホスゲン中に、液体、溶融物又は場合により粉末として導入される。種々の混合装置及び微粉砕装置が記載されている。その第二段階は、アミン塩酸塩とホスゲンとを反応させて、塩化カルバモイルを生成することと、それを圧力容器中で100〜180℃、有利には120〜160℃の温度で、かつ14〜55バール、有利には21〜41バールの圧力で分解して、イソシアネートを得ることを含む。WO−A−2004/056756号において適切に維持されるように、前記方法は、工業的規模では非常に高価であり、かつ非経済的である。
WO−A−2004/056756号に記載される方法の基礎は、一般的な教示に反して、第二反応、すなわちアミン塩酸塩のホスゲン化を、高いホスゲン濃度と高められた温度で高い反応速度で行うことである。従って高い圧力がこの反応には好ましく、それは該圧力が液相中に高いホスゲン濃度を意味するからである。更に、高められた温度が高い空時収量の達成に好ましい。
有機アミンとホスゲンとを反応させることによってポリイソシアネートを製造するためのWO−A−2004/056756号に記載される方法は、該反応を、少なくとも3段階で実施し、その際、第一段階をミキサ中で実施し、第二段階を少なくとも1つの保持装置中で実施し、そして第三段階を少なくとも1つの材料分離装置中で実施することと、各後続段階での圧力がその前の段階よりも低いことを特徴としている。
WO−A−2004/056756号に記載される方法の第一段階において、基本的にアミンは、塩化カルバモイル及びアミン塩酸塩に転化される。第二段階においては、基本的に、第一段階で形成されたアミン塩酸塩は、塩化カルバモイルに転化される。第三段階において、基本的に、塩化カルバモイルは、イソシアネートと塩化水素とに分離される。前記の方法において、有機アミンとホスゲンとの反応は、三段階又は多段階において不活性溶剤、有利にはトルエン又はクロロベンゼン、ジクロロベンゼン又はそれらの混合物中で、かつ過剰のホスゲンをもって実施され、その際、圧力は各段階で低減される。第一のホスゲン化段階は、スタティックミキサ、有利にはノズルが必要となる。ノズルの上流の圧力は、有利には3〜70バール、より有利には15〜45バールである。ノズルをまたがる圧力差は、少なくとも0.5バールである。第一段階における温度は、有利には80〜190℃、より有利には90〜150℃である。第二段階は、1つもしくはそれより多くの保持装置、有利には2.5〜35バール、有利には15〜35バールの圧力でかつ80〜190℃、有利には90〜150℃の温度で作動される1つの保持装置を必要とし、その際、ノズルの下流の圧力は、弁又はその目的に適した他の装置を介して第二段階の保持装置の圧力に膨張される。前記の方法の第三段階の反応器は、2〜20バール、有利には3.5〜16バールの圧力で、かつ80〜190℃の温度で運転され、その際、第二段階の保持反応器の下流の圧力は、弁又はその目的に適した他の装置を介して第三の反応器の圧力に膨張される。
WO−A−2004/056756号による方法の利点は、それとは異なる記載による技術常識の慣用の方法とは反して、2つの反応段階、つまりアミン塩酸塩の塩化カルバモイルへのホスゲン化及び塩化カルバモイルの分解によるイソシアネートと塩化水素の生成が、部分的に又は完全に別個の段階又は反応器中で実施されることと、またアミンとホスゲンとの反応における二次反応として起こるアミン塩酸塩の形成が、反応条件の調整において特に考慮されることである。従って、各特定反応について最適な圧力と最適な温度を互いに無関係に調整することと、それぞれの場合に最も好ましい反応器設計を選択することによって、非常に高い化学的収率と、非常に高い空時収量と、同時に非常に低いホスゲン滞留量を達成することが可能である。
WO−A−2004/056756号は、幾度か、それぞれの場合において後続段階の圧力は、事前段階のそれより低く選択すべきであるという事実を言及している。従って、WO−A−2004/056756号による方法は、必ず少なくとも3つの異なる圧力段階を有する。
DE−A−844896号 DE−A−1792660号 DE−A−3744001号 EP−A−0065727号 DE−A−2950216号 DD−A−300168号 DD−A−132340号 DE−PS1146872号 FR−A−69428号 DE−AS1175666号 US−A−3321283号 EP−A−0291819号 US−A−3226410号 EP−A−0928785号 EP−A−0830894号 DE−OS1468445号 DE−PS844896号 WO−A−99/54289号 DE−A−2058032号 DE−A−2153268号 DE−A−1233854号 EP−A−0716079号 DE−OS1768439号 GB−A−827376号 DE−A−2747524号 WO−A−96/16028号 DE−A−19817691号 US−A−3544611号 DE−A−3736988号 DE−A−1192641号 DE−A−2624285号 EP−A−0150435号 DE−A−3403204号 DE−A−3212510号 GB−A−763535号 DE−A−1811609号 DE1811609号 GB−A−1034285号 JP−A−57048954号 DE−A−10027779号 EP−A−0570799号 EP−A−0289840号 EP−A−1078918号 EP−A−0749958号 EP−A−0676392号 EP−A−0570799号 DE−A−2252068号 WO−A−2004/056756号 GB−A−1212249号 DE−A−3323882号 DE−A−2404773号 W.Siefken著のLiebigs Ann.562,75(1949) プラスチックハンドブック、第7巻(ポリウレタン)、第三改訂版;Carl Hanser出版、ミュンヘン−ウィーン、第76頁以降(1993年) Fortschr.Verf.Technik 23,1985,373;Ind.Eng.Chem.Res.26,1987,1184 ウールマンの工業化学事典、第4版(1977年)、第13巻、第351頁以降W.Siefken著のLiebigs Annalen der Chemie 562(1949),第96頁 プラスチックハンドブック、第7巻、Carl Hanser出版、ミュンヘン−ウィーン、第76頁以降(1993) I.I.Konstantinov、A.I.Kormucheshkina著のZhurnal Prikladnoi Khimii,49(3)、596〜599頁(1976年)
本発明の課題は、イソシアネートを非常に高い化学的収率でかつ高い空時収量で、そして低いホスゲン滞留量をもって製造する多段階法を開発することである。出発材料であるアミンとホスゲンとの混合が、該方法の収率と、不所望の固体形成の回避に非常に重要であることが判明した。従って、イソシアネートの製造方法において、混合を、スループットとは無関係に最適化できる方法を提供することが必須である。それというのも幾つかの工業法は、スループットに相当の幅があるからである。
驚くべきことに、第二段階の圧力が第一段階のそれと等しい又はそれより高い場合に、WO−A−2004/056756号に記載されるようにして、部分反応を大幅に別々に実施することもできると判明した。更に、ダイナミックミキサを用いることによって、有利にはWO−A−2004/056756号とは異なる条件を選択して、機械的に駆動する混合装置を、意図する目的の観点で、すなわち常に第一段階の反応物に最適な混合条件がもたらされる点で、効率の損失なくして非常に広い限界内で負荷できるということがもたらされることが判明した。このように、ダイナミックミキサを使用することによって、スループットが変化するか又は故意に変更されたとしても、常に最適な混合条件が保証される。これは、ノズル又はスタティックミキサを使用した場合には不可能である。
本発明は、有機アミンとホスゲンとを反応させることによってイソシアネートを製造する方法において、該反応を少なくとも3段階で実施する方法に関する。第一段階は、ダイナミックミキサ中で実施される。第二段階は、少なくとも1つの反応器中で実施される。第三段階は、少なくとも1つの材料分離装置中で実施される。第二段階の反応器中の圧力は、ダイナミックミキサ中の圧力より高いか又はそれと等しい。少なくとも1つの材料分離装置中の圧力は、第二段階の反応器中の圧力より低い。
本発明による方法の第一段階において、基本的にアミンは、塩化カルバモイル及びアミン塩酸塩に転化される。第二段階においては、基本的に、第一段階で形成されたアミン塩酸塩は、塩化カルバモイルに転化される。第三段階において、基本的に、塩化カルバモイルは、イソシアネートと塩化水素とに分離される。本発明による方法において、有機アミンとホスゲンとの反応は、三段階又は多段階において不活性溶剤、有利にはトルエン又はクロロベンゼン、ジクロロベンゼン又はそれらの混合物中で、かつ過剰のホスゲンをもって実施される。本発明の必須の特徴は、混合をダイナミックミキサ中で実施し、第二段階の反応器中の圧力がダイナミックミキサ中の圧力より高い又はそれと等しいことと、分離装置中の圧力が、第二段階の反応器中の圧力より低いことである。
第一のホスゲン化は、ダイナミックミキサ中で、有利には例えばEP0291819号B1の第1欄/第44行〜第2欄/第49行に記載され、かつその詳細な構成が図1及び2に関連して第4欄/第34行〜第5欄/第46行に記載されている混合反応器中で、有利にはEP0830894号B1の段落0005〜0011/0012〜0014に記載され、かつその詳細な構成が図1〜4に関連して段落0016〜0022に記載されている混合反応器中で実施される。
好適な混合反応器は、
− (1)混合チャンバと上流の分配チャンバをそれらの実質的に回転対称のケーシング中に有し;
− (2)少なくとも第一の材料を、混合チャンバの軸内において、例えば分配チャンバ壁の側方に入る曲管を介して導入することが可能であり;
− (3)少なくとも第二の材料流が、分配チャンバ中に流入することが可能であり、そして混合反応器の軸と同軸の多数の平行な孔を介して混合チャンバに至ることが可能であり;
− (4)軸を介して駆動するロータ要素とケーシングに連結されたステータ要素とを有する混合チャンバを有し;
− (5)反応混合物を撹拌槽反応器の出口管中に移送するインペラを形成しうる混合チャンバ出口を有し;かつ
− (6)それらの成分を、最適な条件下でスループットとは無関係に、外部機械駆動の手段によって混合することを可能にする
混合反応器である。
EP0830894号B1に開示される混合反応器は、有利にはEP0291819号B1に開示される混合反応器とは異なり、その際、
− a)ボルトが、混合チャンバの軸に対して回転対称に配置されたそれらの孔のそれぞれに割り当てられており;
− b)これらのボルトは、共通の支持リングと分配チャンバのケーシングを通して挿入された軸とによって変位させることができ;
− c)固まった堆積物及び/又は閉塞物が該孔中に形成された場合に、該孔はボルトの軸置換によって清掃することができ;かつ
− d)孔の清掃のための非生産時間をこうして数秒にまで低減することができる。
しかしながら、基本的に、機械的に駆動する部品、例えば回転混合装置及び特に多段階遠心ポンプによって均質な混合を保証する任意のダイナミックミキサが、本発明の方法の第一段階で使用するために適している。
第一段階のダイナミックミキサ中の圧力は、有利には3〜70バール、特に有利には3〜35バールである。第一段階での温度は、有利には80〜220℃、特に有利には90〜180℃である。
第二段階は、少なくとも1つの反応器中で、すなわち化学反応を実施するのに適した保持装置中で実施され、該反応器は、第一段階のダイナミックミキサに液圧的に連結されている。運転において2つもしくはそれより多い反応器が存在する場合に、これらは互いに並列に又は直列に連結されていてよい。第二段階における圧力は、有利には3〜70バール、特に有利には3〜37バールである。第二段階での温度は、有利には80〜220℃、特に有利には90〜180℃である。
第二段階に適した反応器型は、管形反応器、撹拌槽反応器及び非混合型保持装置である。該反応器には、また圧送回路が設けられていてもよく、該回路はまた反応器温度の調整のために熱交換器を有していてよい。管形反応器が特に好ましい。
第三段階の材料分離装置において、塩化カルバモイルがイソシアネートに転化され、そして該反応混合物は、気相と液相とに分離される。気相は、実質的に、塩化水素から構成され、かつ圧力と温度に応じて場合により、使用される過剰のホスゲンの一部と溶剤蒸気の一部から構成される。本発明による方法の第三段階の材料分離装置は、0.5〜20バールの圧力で、有利には0.5〜16バールの圧力で運転される。第二段階の反応器の下流で、その圧力は、弁又はその目的に適した他の装置を介して、第三段階の材料分離装置の圧力に膨張される。第三段階の温度は、80〜220℃である。別個の排気路を有する熱交換器、撹拌槽反応器、撹拌槽反応器列、多孔板塔又は材料分離のための他の装置の他に、特に第三段階の材料分離装置のために好適な型の反応器は、(反応)塔、例えばDE−3736988号C1の第3欄の第2〜64行に開示されるような(反応)塔である。第三段階の材料分離装置は、また反応混合物から過剰のホスゲンを除去するために用いることもできる。第二段階の反応器と同様に、第三段階の材料分離装置は、また不利にであるが大規模であってよい。前記の場合に、それは選択的に2つもしくはそれより多い同一もしくは異なる装置の形、有利には別個の排気路を有する熱交換器と(反応)塔とを組み合わせた形又は1つもしくはそれより多い(反応)塔と(反応)カラムとを組み合わせた形をとり、両者の場合においてそれらは直列接続されていることが好ましい。
第三段階から排出される反応混合物を、次いで慣用の方法によって後処理して、依然として存在する全てのホスゲンを除去し、そして溶剤を分離除去することが好ましい。これに引き続き、他の後処理工程を行ってよい;例えばTDIの製造の場合には、粗製TDIを、高沸点物の分離に供し、そして蒸留による精製に供する。ホスゲンと塩化水素と、場合により溶剤は、公知のようにして、第三段階の材料分離装置と、適宜、第二段階の反応器とからの蒸気から分離し、場合により再循環させる。
使用される溶剤は、有利には塩素化芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン又はそれらの混合物、芳香族又は脂肪族の炭化水素、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン又はビフェニル;ケトン、例えば2−ブタノン又はメチルイソブチルケトン;エステル、例えばジエチルイソフタレート、酢酸エチル又は酢酸ブチル又はニトリル、例えばアセトニトリル及びスルホランである。
本発明による方法の利点は、技術水準による慣用の方法に対して以下のことを含む:
1. 2つの反応工程、つまりアミン塩酸塩の塩化カルバモイルへのホスゲン化と、塩化カルバモイルのイソシアネート及び塩化水素への分解は、別々の段階又は反応器において部分的にもしくは完全に実施され、その際、非常に高い化学的収率、非常に高い空時収量及び同時に非常に低いホスゲン滞留量を、それぞれの特定の反応について最適な圧力及び最適な温度の互いに無関係の調整によって、かつそれぞれの場合に最も好ましい反応器設計の選択によって達成することが可能である。
2. アミンとホスゲンとを迅速に反応させて、塩化カルバモイル及び塩化水素を得て、非常に少量のアミン塩酸塩粒子が生ずるのに必要な第一の反応段階における反応物の良好な混合は、この段階において常に、負荷とは大幅に無関係に、ダイナミックミキサの使用によって保証されるが、それというのも機械的に駆動する混合装置は、非常に広い限界内で、第一段階の反応物について最適な混合条件を生ずる能力を失うことなく負荷可能であるからである。
本発明の方法は、断熱的に又は等温的に実施することができる。装置設計における差異は、全ての反応の条件、特にアミン塩酸塩の塩化カルバモイルへのホスゲン化と、塩化カルバモイルのイソシアネート及び塩化水素への分解の条件に基づいて規定される。高い圧力がアミン塩酸塩のホスゲン化に必要とされるが、一方で低い圧力が、塩化カルバモイルの分解のためには好ましい。アミン塩酸塩のホスゲン化用の反応器については、塩化カルバモイル分解用の反応器よりも短い滞留時間を選択することができ、その際、全体のホスゲン滞留量が顕著に低減される。形成される塩化水素の除去は、塩化カルバモイルの分解のために好ましい。それというのも塩化カルバモイル/イソシアネートの平衡は、それにより所望のイソシアネート側にシフトするからである。前記のことに対して、別個の排気路を有する熱交換器又は1つもしくはそれより多い(反応)塔と(反応)カラムとの直列接続された組み合わせを、第三段階のための装置として選択することによって特別な注意を払うことができる。過剰のホスゲンは、同時に除去することもできる。しかしながら、第三段階における過剰のホスゲンの除去は、義務的でなく、後続段階で実施してもよい。
反対に、第二段階の反応器からの塩化水素の除去は、非常に不利である。それというのも
(1)イソシアネートとアミン塩酸塩とによる副生成物形成は、塩化カルバモイル/イソシアネート平衡がイソシアネート側にシフトすることによって優勢となる;
(2)アミン塩酸塩のホスゲン化に必要なホスゲンは、塩化水素と一緒にも除去される;及び
(3)反応混合物から放出される塩化水素ガスと、特に蒸発したホスゲンは、反応混合物の冷却をもたらし、それは固体の塩化カルバモイルとアミン塩酸塩の大量の沈殿を引き起こすことがある
からである。
低い副生成物形成によって得られる良好な化学的収率について、アミンとホスゲンとを迅速に反応させて、塩化カルバモイル及び塩化水素を得るために、かつ塩化水素とアミンとを反応させてアミン塩酸塩を得るために、並びにアミン塩酸塩とホスゲンとを反応させて、塩化カルバモイルを得るために必要な第一及び第二段階の反応条件は、高い圧力であり、それにより液相における高いホスゲン濃度を達成でき、従ってホスゲンの大過剰を達成することが可能である。また第一段階における反応物の良好な混合は、常に、非常に少量のアミン塩酸塩粒子の生成に必要であり、その理由から本発明による方法は、負荷とは大幅に無関係に大きな混合エネルギーの導入を可能にするためにダイナミックミキサを使用する。
WO−A−2004/056756号に最初に示されたように、溶解されたアミン塩酸塩及び非常に少量のアミン塩酸塩粒子は、従来技術の一般的な教示とは正反対に、非常に迅速にホスゲンと、高いホスゲン濃度で及び高められた温度において反応する。しかしながら驚くべきことに、WO−A−2004/056756号とは反対に、相応して、反応性のアミン塩酸塩粒子が生成し、そして第二段階の反応器中の圧力が、ダイナミックミキサ中の圧力より高いもしくはそれと等しく、かつ第三段階の少なくとも1つの材料分離装置中の圧力が第二段階の反応器中の圧力より低い場合に反応する。溶解されたアミンとそこから得られるアミン塩酸塩粒子は、第二段階の反応器中で非常に迅速にホスゲンと反応し、従って長い滞留時間は必要ない。高いホスゲン濃度は、ここでは好ましい。より高い圧力は、アミン塩酸塩のホスゲン化に対して不利な影響を有さないので、液相におけるより高いホスゲン濃度が有利には、より高い圧力によって得ることができる。第二段階のための加熱可能な反応器が好ましい。それというのも該反応器は、塩化カルバモイルの吸熱分解のため、温度のいかなる低下について補償可能だからである。
第三段階における主反応、すなわち塩化カルバモイルのイソシアネート及び塩化水素への分解は、圧力依存性の平衡反応である。その反応は、低い圧力によって所望のイソシアネート側にシフトする。前記反応はホスゲンを必要としないので、低い圧力の特徴である液相中の低いホスゲン濃度は妨害を与えない。その反対に、第三段階の材料分離装置における低いホスゲン滞留量がもたらされ、それは安全面で好ましい。全工程にけるホスゲン滞留量、場合によりまた個々の装置中でのホスゲン滞留量は、このように撹拌槽反応器又は反応塔の列における慣用の方法と比較して顕著に減らすことができる。
アミン塩酸塩のホスゲン化は、第二段階において完了する必要はない。同様の理由で、塩化カルバモイルの分解は、第二段階で開始することができる。しかしながら有利には、滞留時間と他のプロセス工学的パラメータとに関する第二段階の反応器の設計は、アミン塩酸塩のホスゲン化ができる限り完全であり、かつ塩化カルバモイルの分解ができる限り少なく進展するようなものである。
アミン塩酸塩のホスゲン化と塩化カルバモイルの分解とを、技術水準に従って1段階又は1反応器中で実施するのであれば、アミン塩酸塩のホスゲン化に必要な圧力は、塩化カルバモイルのイソシアネートへの低い転化率をもたらし、従って長い滞留時間をもたらす。また高いホスゲン濃度と長い滞留時間(大きな反応容量)は、非常に大きなホスゲン滞留量を意味する。またこのことは、高い圧力と温度で生じ、これは安全性の問題をもたらす。2つの反応、つまり第二のホスゲン化段階における高圧でのアミン塩酸塩のホスゲン化と第三のホスゲン化段階での低圧での塩化カルバモイルの分解を空間的に分離することで、高い化学的収率と、高い空時収量と、特に低いホスゲン滞留量とが、全体の工程において、かつ場合により個々の装置においても得られる。
第一段階と第二段階を空間的に分離することは、必ず必要ではない。それというのも、高い圧力は液相中のホスゲン濃度を高め、それはアミンとホスゲンとの第一反応及びアミン塩酸塩とホスゲンとの第二反応の両者のためになるからである。更に、反応物の混合は、ダイナミックミキサ中で非常に迅速に行われるため、方法の第一段階と第二段階を共通の装置中で実施するとしても、まず反応物の混合は、ダイナミックミキサの領域で行われ、次いで後続反応は、共通の装置の保持領域で行われる。
更に、該方法は、全ての段階において、高められた温度で、かつ場合によりまた等温的に行うことができる。特に、慣用の冷間−熱間ホスゲン化と比較して、これにより高い空時収量が達成され、従って低いホスゲン滞留量が得られ、そしてより小さい装置が使用されることと共に、より高い化学的収率となる。また、相当量のエネルギーは、第一段階における反応混合物を冷却し、次いで第二段階及び後続段階において再加熱される必要性を回避したことによって削減される。アミン塩酸塩を固体として沈殿することを回避することによって、若干の事例において循環システム(ループ型反応器)によってのみ達成できるに過ぎない長い滞留時間を回避することが可能である。再循環システムは、また低いホスゲン滞留量を、例えば撹拌槽反応器列として有するが、それは副生成物、特に尿素の高められた形成を特徴としている。尿素形成を回避するために、アミン又はイソシアネートの濃度は、低く保つ必要があり、それにより非常に低い空時収量が得られる。
使用される温度と圧力は、若干の程度までは使用されるアミンに依存する。有利には、ホスゲン過剰率は、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)及び/又はポリフェニレン−ポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)又はそれら2つの混合物の場合には化学量論的入力の少なくとも70%であり、トルエンジイソシアネート(TDI)及びイソホロンジイソシアネート(IPDI)の場合には化学量論的入力の少なくとも150%であり、かつヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の場合には化学量論的入力の少なくとも250%であることが望ましい。
第一段階(ダイナミックミキサ)中の滞留時間は、慣例では、非常に短く、装置設計によって定義される。その範囲は、0.1〜60秒、有利には0.1〜10秒である。第二段階の反応器中での平均滞留時間は、有利には1秒〜30分であってよい。5秒〜10分の平均滞留時間は、特に好ましく、10秒〜5分の平均滞留時間は、非常に特に好ましい。材料分離装置又は第三段階の相応の組み合わされた装置、例えば別個の排気路を有する熱交換器、(反応)塔又は(反応)塔と(反応)カラムとの直列接続された組み合わせにおける反応混合物の平均滞留時間は、またそれらの設計及び負荷に依存する。有利には液相については多くても60分である。
不活性溶剤中のアミン濃度は、またアミンと使用される溶剤とに依存する。該濃度は、ジフェニルメタンジアミン(MDA)及び/又はポリフェニレンポリメチレンポリアミン(PMDA)又はそれら2つの混合物の場合に5〜60質量%、有利には25〜50質量%であり、トルエンジアミン(TDA)の場合に5〜30質量%、有利には15〜30質量%であり、ヘキサメチレンジアミン(HDA)の場合に5〜50質量%、有利には15〜30質量%であり、かつイソホロンジアミン(IPDA)の場合に5〜30質量%、有利には10〜20質量%であり、それらはそれぞれの場合に溶液の質量に対するものである。不活性溶剤中のホスゲン濃度は、溶液の質量に対して、5〜70質量%、有利には30〜70質量%であってよい。アミン用の溶剤と同じ溶剤を使用することが好ましい。また溶剤を全く省くことも可能である。
本発明を、以下の実施例によってより詳細に記載する。
実施例1
EP−A−0830894号に記載されるものに相応する混合反応器において、トルエンジアミン(TDA)をオルト−ジクロロベンゼン中に80℃の温度で溶かした18.0質量%の溶液10t/時間と、ホスゲンをオルト−ジクロロベンゼン中に−10℃の温度で溶かした61.9質量%の溶液17t/時間とを混合し、そして連続的に35kWの入力下で反応させた。反応器中の圧力は7.6バールであり、かつ反応器出口における温度は、96.3℃であった。
反応器中での2.1秒の平均滞留時間後に、反応混合物を、反応器インペラを介して、加熱ジャケットを有し7.7バールで運転される下流の管形反応器中に移送し、そこで14秒の滞留時間にわたり>95℃で保持し、その後に調節弁を介して、多孔板によって複数のチャンバに分割され1.7バールの頂部圧で運転される加熱可能な反応塔(これが相分離装置である)中に膨張させた。
該反応混合物を、反応塔の底部に供給し、そして装置を通過するときに、セグメントヒータによって均一に加熱し、そうして別々に排出された気相と液相は、125℃の温度で装置を出た。
排出された気相は、ホスゲン(7.2t/時間;64.3質量%)、塩化水素(2t/時間;17.8質量%)、オルト−ジクロロベンゼン(2t/時間;17.8質量%)及び少量の異なる低沸点物(四塩化炭素、クロロホルム、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素)の混合物(11.2t/時間)を含有していた。この混合物を、公知のようにして塩酸/ホスゲン分離のために通過させた。
塔から溢出する液相(15.8t/時間)は、トルエンジイソシアネート(2.48t/時間;15.7質量%)、オルト−ジクロロベンゼン(12.6t/時間;81質量%)、ホスゲン(0.4t/時間;2.6質量%)、塩化水素(<20kg/時間;0.1質量%)及び少量の高沸点物(<100kg/時間;0.6質量%)を含有していた。
使用されたTDAに対して96.7%のTDI収率が得られた。
実施例2
EP−A−0830894号に記載されるものに相応する混合反応器中において、MDA(平均分子量:242g/モル)をモノクロロベンゼン中に106℃の温度で溶かした30.0質量%の溶液76.5kg/時間と、ホスゲンをモノクロロベンゼン中に4℃の温度で溶かした45質量%の溶液88.3kg/時間とを混合し、そして0.75kWの入力下で連続的に反応させた。反応器中の圧力は18.5バールであり、かつ反応器出口における温度は、128℃であった。
反応器中での3秒の平均滞留時間後に、該反応混合物を、反応器インペラを介して、19バールで運転される下流のよく断熱された管形反応器中に移送し、そこで、反応器出口温度の範囲に滞留時間99秒間にわたり保持し、その後に、123℃の温度で、調節弁を介して、0.5バールの頂部圧力で運転される加熱可能な熱交換器(これが塩化カルバモイル分解用の相分離装置である)中に膨張させた。
該反応混合物を、熱交換管の底部に供給し、そこで、膨張と吸熱的な塩化カルバモイル分解とにより97℃に冷却し、そして次いで管を通過するときに、それを加熱し、そうして別々に排出された気相と液相とは、130℃の温度で装置を出た。
排出された気相は、ホスゲン(17.5kg/時間;17.4質量%)、塩化水素(15.7kg/時間、15.6質量%)、モノクロロベンゼン(67.3kg/時間;67.0質量%)及び少量の様々な低沸点物(四塩化炭素、クロロホルム、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素)の混合物(100.5kg/時間)を含有しており、それを公知のようにして塩化水素/ホスゲン分離のために通過させた。
平均滞留時間162秒を有する熱交換管から溢出する液相(64.4kg/時間)は、MDI(28.7kg/時間;44.6質量%)、モノクロロベンゼン(34.9kg/時間;54.2質量%)、ホスゲン(0.4kg/時間;0.6質量%)及び少量の溶解された塩化水素(0.4kg/時間;0.6質量%)を含有していた。
熱交換管から排出された液相から、技術水準による塩化水素、ホスゲン、そしてモノクロロベンゼンを除去し、それを熱的な後処理に供した。前記のようにして製造されたジフェニルメタンジイソシアネート及びポリフェニレンポリメチレンジイソシアネートの混合物は、以下の生成物特性を特徴としている:
− 25℃での粘度 193mPas
− NCO含有率 31.0%
− 色E430 0.0931)
− 色E520 0.0161)
1)得られたイソシアネート1.0gを、クロロベンゼン中に溶解させ、そしてクロロベンゼンで50mlに希釈した。得られた溶液の吸光度を、波長430nm及び520nmにおいて、Dr.Lange LICO 300型光度計で測定した。
本発明を、説明を目的として前記において詳説したが、このような詳細は単にこの目的のためだけものであり、請求項により限定され得るものを除き、当業者によって本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく変法が作られることができると理解すべきである。

Claims (7)

  1. 有機アミンとホスゲンとを反応させることによって:
    a)ダイナミックミキサ中で実施される、アミンを塩化カルバモイル及びアミン塩酸塩に転化させるための第一段階と、
    b)少なくとも1つの反応器中で実施される、第一段階により形成されたアミン塩酸塩を塩化カルバモイルに転化させるための第二段階と、
    c)少なくとも1つの材料分離装置中で実施される、塩化カルバモイルをイソシアネートと塩化水素とに分離させるための第三段階と
    を含む少なくとも3段階でイソシアネートを製造する方法において、
    (1)第二段階の反応器圧力は、第一段階のダイナミックミキサの圧力より高いか又はそれと等しく、かつ(2)第三段階の材料分離装置の圧力は、第二段階の反応器における圧力より低いイソシアネートを製造する方法。
  2. 製造されたイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニレン−ポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)とポリフェニレン−ポリメチレンポリイソシアネート(PMDI)の混合物、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)である請求項1に記載の方法。
  3. 管形反応器、撹拌槽反応器又は可動内部取付物を有さない保持装置が、第二段階の反応器として使用される請求項1に記載の方法。
  4. 第二段階の反応器中での滞留時間が、1秒〜30分である請求項1に記載の方法。
  5. 別個の排気路を有する熱交換器、反応カラム、反応塔、又は少なくとも1つの反応塔と少なくとも1つの反応カラムとの直列接続された組み合わせが、第三段階の材料分離装置として使用される請求項1に記載の方法。
  6. 有機アミンとホスゲンとの反応が、不活性溶剤中で、かつ過剰のホスゲンをもって実施される請求項1に記載の方法。
  7. 第二段階の反応器圧力が、第一段階のダイナミックミキサの圧力より高い請求項1〜6までのいずれか1項記載の方法。
JP2007167869A 2006-06-26 2007-06-26 イソシアネートの連続的な製造方法 Active JP5388427B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US11/474,795 US7547801B2 (en) 2006-06-26 2006-06-26 Process for the continuous preparation of isocyanates
US11/474795 2006-06-26

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008007506A JP2008007506A (ja) 2008-01-17
JP5388427B2 true JP5388427B2 (ja) 2014-01-15

Family

ID=38462382

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007167869A Active JP5388427B2 (ja) 2006-06-26 2007-06-26 イソシアネートの連続的な製造方法

Country Status (11)

Country Link
US (1) US7547801B2 (ja)
EP (1) EP1873142B1 (ja)
JP (1) JP5388427B2 (ja)
KR (1) KR101385809B1 (ja)
CN (1) CN101100447B (ja)
AT (1) ATE447549T1 (ja)
DE (1) DE602007003049D1 (ja)
ES (1) ES2334520T3 (ja)
PL (1) PL1873142T3 (ja)
PT (1) PT1873142E (ja)
RU (1) RU2445155C2 (ja)

Families Citing this family (42)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006060181A1 (de) * 2006-12-18 2008-06-19 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Toluylendiisocyanat
DE102008012037A1 (de) 2008-03-01 2009-09-03 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Methylen-diphenyl-diisocyanaten
EP2128127A1 (de) * 2008-05-31 2009-12-02 Bayer MaterialScience AG Ammoniumchloridabtrennung aus der Gasphase
DE102008063728A1 (de) * 2008-12-18 2010-06-24 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten in der Gasphase
CN101612547B (zh) * 2009-07-28 2012-05-30 赛鼎工程有限公司 生产甲苯二异氰酸酯的列管式撞击流反应器及操作系统
CN101698652B (zh) * 2009-11-05 2012-12-26 甘肃银达化工有限公司 一种tdi生产中循环溶剂的净化方法
CN101805272B (zh) * 2010-04-21 2013-08-28 万华化学集团股份有限公司 一种通过界面光气化反应制备异氰酸酯的方法
FR2965490B1 (fr) 2010-09-30 2013-01-11 Aet Group Dispositif et procede pour la phosgenation en continu
ES2908060T3 (es) * 2010-10-14 2022-04-27 Basf Se Procedimiento para la preparación de isocianatos
US9321720B2 (en) 2010-10-14 2016-04-26 Basf Se Process for preparing isocyanates
CN102070491B (zh) * 2010-11-26 2013-12-18 万华化学集团股份有限公司 基于成盐光气化反应制备苯二亚甲基二异氰酸酯的方法
JP5861060B2 (ja) 2010-12-27 2016-02-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 無線基地局、無線通信端末、無線通信システム及び方法
DE102011087654A1 (de) 2011-12-02 2013-06-06 Bayer Materialscience Aktiengesellschaft Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
JP6113824B2 (ja) 2012-03-19 2017-04-12 バイエル・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングBayer Intellectual Property GmbH イソシアネートの製造方法
BR112015008481A2 (pt) * 2012-10-24 2017-07-04 Basf Se processo para a preparação de isocianatos pela reação de aminas com fosgênio na fase líquida.
CN103214397B (zh) * 2013-04-15 2015-02-25 湘潭大学 连续制备1,5-萘二异氰酸酯的方法
PT3122718T (pt) * 2014-03-27 2018-03-27 Covestro Deutschland Ag Processo para a produção de isocianatos
JP6640125B2 (ja) 2014-06-24 2020-02-05 コベストロ、ドイチュラント、アクチエンゲゼルシャフトCovestro Deutschland Ag 運転の中断を伴う化学製品の製造方法
EP3194363A1 (de) * 2014-09-19 2017-07-26 Covestro Deutschland AG Verfahren zur herstellung von isocyanaten in der gasphase
HUE047167T2 (hu) 2015-09-24 2020-04-28 Covestro Deutschland Ag Eljárás izocianátok elõállítására
EP3356324B1 (de) 2015-09-30 2022-10-05 Covestro Intellectual Property GmbH & Co. KG Verfahren zur herstellung von isocyanaten
KR20180077191A (ko) 2015-11-20 2018-07-06 코베스트로 도이칠란트 아게 아미노벤조산 또는 아미노벤조산 유도체의 제조 방법
CA3029325A1 (en) 2016-06-29 2018-01-04 Covestro Deutschland Ag Method for producing aniline or an aniline derivative
HUE055741T2 (hu) 2016-08-17 2021-12-28 Covestro Intellectual Property Gmbh & Co Kg Eljárás és berendezés különféle vegyi termékek elõállítására
CN109641175B (zh) 2016-09-01 2021-07-30 科思创德国股份有限公司 制备异氰酸酯的方法
CN110088080A (zh) 2016-12-20 2019-08-02 科思创德国股份有限公司 制备氨基苯甲酸或氨基苯甲酸后续产物的方法
KR102596786B1 (ko) 2016-12-21 2023-11-02 코베스트로 도이칠란트 아게 이소시아네이트를 제조하는 방법
WO2018164894A1 (en) * 2017-03-06 2018-09-13 Dow Global Technologies Llc Process for preparing isocyanates
US11365172B2 (en) 2017-07-03 2022-06-21 Covestro Deutschland Ag Production plant for producing a chemical product by reacting H-functional reactants with phosgene, and method for operating same with an interruption to production
CN109748822B (zh) * 2017-11-08 2022-01-07 万华化学集团股份有限公司 一种制备异氰酸酯单体的方法和系统
CN108147979B (zh) * 2017-12-25 2020-07-28 万华化学集团股份有限公司 一种制备二苯基甲烷二异氰酸酯和/或多苯基多亚甲基多异氰酸酯的方法
HUE057045T2 (hu) 2018-01-05 2022-04-28 Covestro Intellectual Property Gmbh & Co Kg Eljárás metilén-difenilén-diizocianátok és polimetilén-polifenilén-poliizocianátok elõállítására
CN112534057A (zh) 2018-06-07 2021-03-19 科思创知识产权两合公司 制备氨基苯甲酸或氨基苯甲酸反应产物的方法
ES2931450T3 (es) 2018-07-27 2022-12-29 Covestro Intellectual Property Gmbh & Co Kg Procedimiento para la preparación de anilina o de un producto derivado de la anilina
US10851048B2 (en) * 2018-11-13 2020-12-01 Covestro Deutschland Ag Process for preparing an isocyanate by partly adiabatically operated phosgenation of the corresponding amine
US10875827B2 (en) 2018-11-13 2020-12-29 Covestro Deutschland Ag Process for preparing an isocyanate by partly adiabatic phosgenation of the corresponding amine
WO2021052894A1 (de) 2019-09-17 2021-03-25 Covestro Deutschland Ag Verfahren zur herstellung von isocyanaten
EP4077274B1 (de) 2019-12-18 2024-08-07 Covestro Deutschland AG Verfahren zur herstellung von di- und polyisocyanaten der diphenylmethanreihe
KR20230011290A (ko) * 2020-05-15 2023-01-20 코베스트로 도이칠란트 아게 이소시아네이트를 연속적으로 제조하기 위한 플랜트를 작동시키는 방법
CN117396459A (zh) 2021-06-02 2024-01-12 科思创德国股份有限公司 制备苯胺或苯胺衍生物的方法
CN113666844A (zh) * 2021-09-22 2021-11-19 德州绿霸精细化工有限公司 一种连续生产2,6-二氟苯甲酰基异氰酸酯的方法
WO2023194110A1 (de) 2022-04-06 2023-10-12 Covestro Deutschland Ag Verfahren zur herstellung von anilin oder eines anilinfolgeproduktes

Family Cites Families (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE132340C (ja)
DE276614C (ja) 1912-02-24
DE844896C (de) 1944-04-04 1952-09-15 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von organischen Isocyanaten
GB763535A (en) 1954-03-15 1956-12-12 Du Pont Preparation of organic isocyanates
GB827376A (en) 1955-03-17 1960-02-03 France Etat Improvements in the manufacture of isocyanates
FR69428E (fr) 1955-03-17 1958-11-06 Le Ministre De La Defense Nationale Perfectionnements à la fabrication des isocyanates
DE1175666B (de) 1955-03-17 1964-08-13 Toulousaine De Prod Chim Iatol Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von Isocyanaten
DE1146872B (de) 1959-01-29 1963-04-11 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von organischen Isocyanaten
US3226410A (en) * 1962-07-20 1965-12-28 Fmc Corp Continuous method of preparing aromatic isocyanates
US3287387A (en) * 1963-07-29 1966-11-22 Olin Mathieson Process for the production of aromatic isocyanates
DE1192641B (de) 1963-10-09 1965-05-13 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
US3321283A (en) * 1963-12-23 1967-05-23 Mobay Chemical Corp Apparatus for conducting rapid chemical reactions
GB1034285A (en) 1964-05-29 1966-06-29 Ici Ltd Organic isocyanates
DE1233854B (de) 1965-03-03 1967-02-09 Bayer Ag Verfahren zum Herstellen von Isocyanaten
FR1469105A (fr) * 1965-12-27 1967-02-10 Toulousaine De Prod Chim Toloc Procédé de fabrication d'esters isocyaniques
GB1255637A (en) 1967-12-01 1971-12-01 Du Pont Manufacture of organic isocyanates
BE711392A (ja) 1968-02-28 1968-07-01 Gnii Pi Azotnoj
GB1238669A (ja) 1968-03-12 1971-07-07
GB1212249A (en) 1968-10-08 1970-11-11 Ici Ltd Production of isoctanates
DE2058032A1 (de) 1970-11-25 1972-05-31 Zimmer Ag Ind Anlagen Verfahren und Vorrichtung zur kontinuierlichen Herstellung von Isocyanaten
BE790461A (fr) 1971-10-25 1973-02-15 Quimco Gmbh Procede de production d'isocyanates organiques
US3947484A (en) * 1971-10-26 1976-03-30 Bayer Aktiengesellschaft Continuous prephosgenation process for the production of organic isocyanates
DE2404773A1 (de) * 1974-02-01 1975-08-21 Basf Ag Verfahren zur herstellung von organischen isocyanaten
DE2624285C2 (de) * 1976-05-31 1987-03-12 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von organischen Isocyanaten
US4096165A (en) * 1976-11-01 1978-06-20 Allied Chemical Corporation Method of manufacturing aromatic isocyanates
US4289732A (en) * 1978-12-13 1981-09-15 The Upjohn Company Apparatus for intimately admixing two chemically reactive liquid components
JPS5748954A (en) 1980-09-10 1982-03-20 Mitsui Toatsu Chem Inc Preparation of organic isocyanates
DE3121036A1 (de) * 1981-05-27 1982-12-16 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur kontinuierlicehn herstellung von organischen mono- oder polyisocyanaten
DE3323882A1 (de) * 1982-10-09 1984-04-12 Chemische Werke Hüls AG, 4370 Marl Verfahren zur kontinuierlichen heissphosgenierung von aminen
DE3403204A1 (de) * 1984-01-31 1985-08-14 Basf Ag, 6700 Ludwigshafen Verfahren zur kontinuierlichen herstellung von organischen mono- und/oder polyisocyanaten
DE3714439A1 (de) * 1987-04-30 1988-11-10 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von (cyclo)aliphatischen diisocyanaten
DE3717057A1 (de) * 1987-05-21 1988-12-01 Bayer Ag Verfahren zur herstellung von isocyanaten
DE3736988C1 (de) * 1987-10-31 1989-03-23 Bayer Ag Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von organischen Mono- und Polyisocyanaten
DE3744001C1 (de) * 1987-12-24 1989-06-08 Bayer Ag Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von Mono- oder Polyisocyanaten
SU1650581A1 (ru) * 1989-05-12 1991-05-23 Институт органического катализа и электрохимии им.Д.В.Сокольского Способ получени жидкой изоциановой кислоты и устройство дл его осуществлени
DE4217019A1 (de) * 1992-05-22 1993-11-25 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von aromatischen Diisocyanaten
DE4412327A1 (de) * 1994-04-11 1995-10-12 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Diisocyanaten
BR9510351A (pt) * 1994-11-17 1997-12-23 Bayer Ag Processo para a preparação de isocianatos
DE4443642A1 (de) * 1994-12-08 1996-06-13 Bayer Ag Kontinuierliches Verfahren zur Herstellung von organischen Isocyanaten
DE19523385A1 (de) * 1995-06-23 1997-01-09 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung von Triisocyanaten
DE19638567A1 (de) * 1996-09-20 1998-03-26 Bayer Ag Mischer-Reaktor und Verfahren zur Durchführung von Reaktionen, insbesondere die Phosgenierung von primären Aminen
DE19800529A1 (de) * 1998-01-09 1999-07-15 Bayer Ag Verfahren zur Phosgenierung von Aminen in der Gasphase unter Einsatz von Mikrostrukturmischern
DE19817691A1 (de) * 1998-04-21 1999-10-28 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Mischungen aus Diphenylmehandiisocyanaten und Polyphenylen-polymethylen-polyisocyanaten mit vermindertem Gehalt an chlorierten Nebenprodukten und verminderter Jodfarbzahl
DE10008635A1 (de) * 2000-02-24 2001-09-06 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Polyetherpolyolen
DE10027779A1 (de) 2000-06-07 2001-12-13 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Isocyanaten
DE10260082A1 (de) * 2002-12-19 2004-07-01 Basf Ag Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von Isocyanaten
DE102004032871A1 (de) * 2004-07-07 2006-02-09 Bayer Materialscience Ag Verfahren zur Herstellung von Polyisocyanaten durch adiabate Phosgenierung von primären Aminen

Also Published As

Publication number Publication date
RU2445155C2 (ru) 2012-03-20
ES2334520T3 (es) 2010-03-11
CN101100447A (zh) 2008-01-09
KR20070122404A (ko) 2007-12-31
EP1873142B1 (en) 2009-11-04
ATE447549T1 (de) 2009-11-15
JP2008007506A (ja) 2008-01-17
US20070299279A1 (en) 2007-12-27
US7547801B2 (en) 2009-06-16
PT1873142E (pt) 2010-01-06
KR101385809B1 (ko) 2014-04-16
EP1873142A1 (en) 2008-01-02
DE602007003049D1 (de) 2009-12-17
CN101100447B (zh) 2012-06-13
RU2007123665A (ru) 2008-12-27
PL1873142T3 (pl) 2010-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5388427B2 (ja) イソシアネートの連続的な製造方法
JP4324558B2 (ja) イソシアネートの連続製造方法
US7915444B2 (en) Method for producing diisocyanates
JP4833966B2 (ja) イソシアナートの製造方法
KR101602495B1 (ko) 엷게 착색된 이소시아네이트의 제조
JPH0641046A (ja) 芳香族ジイソシアネートの製造方法
KR20080055662A (ko) 이소시아네이트의 기상 제조 방법
KR20080055661A (ko) 이소시아네이트의 기상 제조 방법
KR20100067626A (ko) 기체상에서의 이소시아네이트의 제조 방법
US10112892B2 (en) Process for preparing polyisocyanates
CN111170891B (zh) 通过相应胺的部分绝热运行的光气化制备异氰酸酯的方法
US7112694B2 (en) Method for producing isocyanates
JP5717735B2 (ja) 気相におけるイソシアネートの調製方法
KR101021208B1 (ko) 이소시아네이트의 제조 방법
US20060041166A1 (en) Process for the continuous preparation of organic monoisocyanates and polyisocyanates
US8546606B2 (en) Method for producing polyisocyanates
US20120289746A1 (en) Process for working up an isocyanate-comprising stream
JPS638098B2 (ja)
CN115397808A (zh) 运行用于连续制备异氰酸酯的装置的方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100618

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101227

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121005

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130909

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131008

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5388427

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250