JP4311144B2 - カット装置およびカット方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カット装置およびカット方法に関する。
積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品の製造は、複数の内部電極をマザーのセラミックグリーンシートの表面に印刷する工程と、このマザーのセラミックグリーンシートを複数枚積層し、これを加圧密着させて未焼成のセラミック積層ブロックを形成するプレス成形工程と、セラミック積層ブロックを内部電極の配置に合わせてカットし、個々の積層セラミックチップを切り出すカット工程と、カットした積層セラミックチップを焼成する工程と、焼成した積層セラミックチップに外部電極を形成する工程とを順次経て行われる。
ところで、セラミック積層ブロックを所定の位置でカットして積層セラミックチップを切り出すために、セラミックグリーンシートに複数の内部電極を印刷する工程で、カットの位置決め用の印刷マークも印刷している。そして、このセラミックグリーンシートを複数枚積層、圧着して、複数の印刷マークからなる位置決めマークを端面に露出させたセラミック積層ブロックを形成する。次に、この位置決めマークをCCDカメラなどで撮像して検出することにより、位置決めマークの位置データを得る。この位置データに基づいてカット装置のテーブルの移動距離を演算し、カットの位置を正確に決め、個々の積層セラミックチップを切り出している(例えば特許文献1参照)。
特開2000−357628号公報
ところで、従来のカット装置は、カット刃によるカット動作と、CCDカメラによる位置決めマーク検出動作と、テーブルの移動動作とを時系列的に直列に実行する。一方、カット刃によるカット動作からCCDカメラによる位置決めマーク検出動作に移行する際、上昇中のカット刃の刃先がセラミック積層ブロックから出た瞬間が、位置決めマーク検出動作を開始できるタイミングとなる。
しかし、従来のカット装置は、このタイミングを検出することができる構成を有しておらず、カット刃が上下運動の最上点に達したのを確認してから、位置決めマーク検出動作を開始していた。従って、カット動作から位置決めマーク検出動作への移行の際に、無駄な時間が発生してしまうという問題があった。
また、従来のカット装置は、前記タイミングを検出することができる構成を有していないので、カット動作、位置決めマーク検出動作およびテーブル移動動作の一連の動作を順に実行せざるを得ない。順に実行するため、位置決めマーク検出動作およびテーブル移動動作が完了するまで、次のカット動作が行えない。よって、カット動作が間欠動作となり、処理スピードを高速化できないという問題があった。
そこで、本発明の目的は、従来と比べて作業効率が高く、かつ、高速処理が可能なカット装置およびカット方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係るカット装置は、
(a)セラミック積層ブロックを載置するためのテーブルと、
(b)テーブルの上方に配置されたカット手段と、
(c)カット手段を上下運動させるカット駆動部と、
(d)カット手段の位置を検出するカット手段位置検出部と、
(e)セラミック積層ブロックのカット跡と次のカット予定位置を同一視野に含む撮像画像を得るカメラと、
(f)撮像画像に基づいて、カット予定位置の中心線を算出し、中心線からカット跡までの距離を算出して、セラミック積層ブロックのカット予定位置を検出するカット予定位置検出部と、
(g)テーブルとカット手段を相対的に平行移動させる平行駆動部と、
(h)カット手段位置検出部により検出する上昇中のカット手段の刃先が前記セラミック積層ブロックから出る位置に達すると、セラミック積層ブロックの撮像及びカット予定位置の検知を行った後、テーブルとカット手段の相対的な平行移動を行う制御部と、
を備えたことを特徴とする。
より具体的には、カット駆動部は回転運動を上下運動に変換するカム機構を有している。これにより、カット動作からカット予定位置検出動作などへの移行開始タイミングがとり易くなるとともに、カット手段を一定のリズムで上下運動させることができる。また、カット位置検出部は、カム機構の回転角度を計測するエンコーダであってもよい。
以上の構成により、カット手段が上下運動の最上点に達する前に、カット予定位置検出部の検出動作や平行駆動部の平行移動動作が開始するため、カット動作からカット予定位置検出動作などへの移行の際に、無駄な時間が発生しない。特に、上昇中のカット手段の刃先がセラミック積層ブロックから出る位置に達すると、少なくともカット予定位置検出部の検出動作および平行駆動部の平行移動動作のいずれか一方の動作を開始し、再び刃先がセラミック積層ブロックに入るまでに、検出動作と平行移動動作を完了させるようにすれば、カット動作と他の動作を並列に実行でき、より一層処理スピードを速くすることができる。
また、本発明に係るカット装置は、カット手段位置検出部により検出する下降中のカット手段の位置が、該カット手段の刃先がセラミック積層ブロックに入る前の所定の位置に達すると、制御部がテーブルとカット手段の相対的平行移動が完了しているかどうかを確認し、完了していない場合にはカット駆動部を一時停止させることを特徴とする。
以上の構成により、カット装置の破損やセラミック積層ブロックのカット不良が防止できる。
なお、「カット」には、セラミック積層ブロックをカット線に沿って2分割する場合(フルカット)はもちろんであるが、カット線に沿ってブレイク用溝を形成する場合(ハーフカット)も含まれる。
本発明によれば、カット手段が上下運動の最上点に達する前に、カット予定位置検出動作やテーブルの平行移動動作などを開始できるので、カット動作(カット刃の上下運動)と並行してカット予定位置検出動作やテーブルの平行移動動作などが実行される。従って、カット動作からカット予定位置検出動作などへの移行の際に、無駄な時間が発生しない。この結果、従来と比べて作業効率を高くでき、かつ、高速処理が可能となる。
以下、本発明に係るカット装置およびカット方法の実施例について添付図面を参照して説明する。本実施例では、積層コンデンサを例にして説明するが、積層インダクタ、積層LC複合部品、多層デバイス、多層基板などの積層セラミック電子部品であってもよいことは言うまでもない。
[装置の概略構成、図1および図2]
積層セラミックコンデンサの製造は、一般に、多数の内部電極を表面に設けたマザーのセラミックグリーンシートを複数枚積層し、これを加圧密着させて未焼成のセラミック積層ブロックを形成するプレス成形工程と、セラミック積層ブロックを内部電極の配置に合わせてカットし、個々の積層セラミックチップを切り出すカット工程と、カットした積層セラミックチップを焼成する工程と、焼成した積層セラミックチップに外部電極を形成する工程とを順次経て行われる。
ここに、カット工程は、図1にシステム構成が示され、図2に機械構成が示されているカット装置1を用いて行う。カット装置1は、メモリ2と、演算部(CPU)3と、画像処理部4と、CCDカメラ5a,5bと、表示部(CRTなどのディスプレイ)6と、データ入力部(キーボードやマウス)7と、モータ制御部8と、カット手段駆動用モータ9およびエンコーダ13と、テーブル平行駆動用モータ10と、テーブル回転駆動用モータ11と、トリガ信号発生部12と、カット刃23と、テーブル21などにて構成されている。
メモリ2は、被カット部材であるセラミック積層ブロックをカットするためのデータを主として登録するためのものである。演算部(CPU)3は、メモリ2に登録しておいたデータを用いて算出することにより、カット跡から次のカット予定位置までの距離を求める。
画像処理部4は、CCDカメラ5a,5bとトリガ信号発生部12に接続されており、CCDカメラ5a,5bにより同一視野で撮像されたカット跡とカット予定位置に基づいて距離検出を行う。検出データはメモリ2や演算部3に送られる。
CCDカメラ5a,5bはセラミック積層ブロック30の対向する両端面を撮像できるように相対向して配置されている。これにより、セラミック積層ブロック30の回転方向のずれが演算部3で算出でき、回転補正できる。特に、製造時のばらつきが原因で、セラミック積層ブロック30内の積層セラミックチップの位置が歪んでいる(平行でない)場合には有効である。
オペレータは、表示部(CRT)6に映し出された画面を見ながら、データ入力部(キーボードやマウス)7によって所定のデータを入力する。
モータ制御部8は、モータ9,10,11に接続しており、演算部3からの指令により適当なモータ9,10,11を駆動する。カット手段駆動用モータ9はカット刃23を矢印K1方向に上下運動させる。
カット刃23はホルダ22に把持され、該ホルダ22には一組のシリンダ14により常に上に押し上げる力が働いている。ホルダ22の上面は、円板状カム15の外周面に押し当てられている。円板状カム15は、その中心軸から偏心した位置に取り付けられているシャフト16を介して、カット手段駆動用モータ9とエンコーダ13とに連結されている。円板状カム15は、モータ9の回転運動を上下運動に変換してホルダ22に伝える。そして、モータ9とエンコーダ13は協働して円板状カム15の回転角度を常時計測する。
カット刃23の位置を検出するエンコーダ13は、計測した円板状カム15の回転角度データをトリガ信号発生部12に送る。トリガ信号発生部12は、円板状カム15の回転角度が予め設定された角度になると、トリガ信号を画像処理部4に送る。トリガ信号を受けた画像処理部4は、CCDカメラ5a,5bを使ってセラミック積層ブロック30の端面に形成されているカット跡やカット予定位置検出用電極を撮像し、そのデータを演算部3に送る。テーブル平行駆動用モータ10はテーブル21を矢印K2方向に平行移動させる。テーブル回転駆動用モータ11はテーブル21を矢印K3方向に回転移動させる。
[カット方法およびカット装置の動作、図3〜図16]
次に、カット装置1の動作をセラミック積層ブロックのカット手順とともに説明する。図3は積層セラミック電子部品(本実施例では、積層セラミックコンデンサ)製造用のマザーのセラミックグリーンシートの一例を示す平面図である。このマザーのセラミックグリーンシート25には、後の工程で切り出される複数の積層セラミックコンデンサ用内部電極26と、カット予定位置検出用電極28が印刷されている。図3におけるグリーンシート25の上下端縁に形成されている電極28は、Y方向にカット刃22を移動させる際の予定位置検出用のものである。X方向にカット刃22を移動させる際の予定位置検出用には、グリーンシート25の左右端縁に形成されているコンデンサ用内部電極26が利用される。この内部電極26は左右端縁においてその長手方向端部をカットされた状態で左右端縁に露出している。
カット予定位置検出用電極28はY方向が短辺方向(幅方向)となる矩形状を有し、短辺方向の寸法は一つの内部電極26の長手方向の寸法よりも小さく、Y方向において、カット予定位置検出用電極28は内部電極26の間に位置するように設けられている。
X方向については左右端縁に形成した内部電極26がカット予定位置検出用電極となっているが、X方向においても別途カット予定位置検出用電極を設けてもよい。
図4に示すように、このセラミックグリーンシート25をY方向に交互にずらしながら複数枚積み重ね、圧着して、図5に示すようなセラミック積層ブロック30を形成する(上下には内部電極の形成されていないセラミックグリーンシートが積層されている)。セラミック積層ブロック30の左右端面には、コンデンサ用内部電極26が帯状にかつ厚み方向に並設された状態で露出している(図5のM1の部分参照)。そして、コンデンサ用内部電極26が帯状に露出している部分M1に挟まれた部分、すなわちコンデンサ用内部電極26の露出していない部分27の厚み方向の中心線27aがX方向のカット予定位置の中心線となる。なお、中心線27aの決定方法は、2値化処理法、パターンマッチング法などの種々の方法が用いられる。
セラミック積層ブロック30の手前側および奥側の端面には、カット予定位置検出用電極28が厚み方向に千鳥状に配列された状態で露出している(図5のM2の部分参照)。そして、千鳥状に配列されたカット予定位置検出用電極28の間、すなわちカット予定位置検出用電極28の非露出部分29の厚み方向の中心線29aがY方向のカット予定位置の中心線となる。なお、カット予定位置検出用電極28が厚み方向に重なるようにして、カット予定位置検出用電極28を直接カットするようにしてもよい。中心線29aの決定方法は、上記中心線27aと同様である。
カットされるセラミック積層ブロック30は、図2に示されているカット装置1のテーブル21上に紙や多孔質樹脂などのシートを介して配置され、テーブル21に設けた吸引装置や粘着シートによってその下面が固定される。そして、必要に応じて図示しない基準ガイドによりセラミック積層ブロック30の端面が固定される。
さて、カット装置1のテーブル21上にセラミック積層ブロック30が固定されると、最初のカットを行う際には、演算部3は、メモリ2に登録されたカット開始位置のデータに基づいて、モータ制御部8に指令を出す。指令を受けたモータ制御部8は、テーブル平行駆動用モータ10およびテーブル回転駆動用モータ11を稼動させ、テーブル21を所望の位置に移動させる。演算部3は、テーブル21の移動完了信号をモータ制御部8から受け取ると、画像処理部4に指令を出す。画像処理部4はCCDカメラ5a又は5bでカット装置1のテーブル21上に固定されたセラミック積層ブロック30の対向する両端面をそれぞれ撮像する。
なお、テーブル21を移動させる代わりに、カット刃23を移動させてもよく、この両者が相対的に移動可能であればよい。
このとき、セラミックグリーンシート25が薄い場合、コンデンサ用内部電極26やカット位置検出用電極28が帯状に露出している部分M1,M2を通常のCCDカメラ5a,5bで撮像すると、図6に示すような一つの四角形の塊として見える。なお、図6はセラミック積層ブロック30の端面を表示しており、実線Aで囲んだ領域はCCDカメラ5a,5bの視野を表示している。非露出部分29を含む撮像画像はディスプレイ6に表示される。
次に、演算部(CPU)3は、撮像画像に基づいてカット線Cの位置にいる非露出部分29の中心線29aを算出する。この中心線29aに沿って実際にカットすることになる。さらに、この中心線29aのデータ値と予めメモリ2に登録されたカット開始位置のデータ値との差(位置ずれ量)から、テーブル21の移動距離を算出する。
演算部3は、位置ずれ量に基づいて、モータ制御部8に指令を出す。指令を受けたモータ制御部8は、テーブル平行駆動用モータ10およびテーブル回転駆動用モータ11を稼動させ、正確なカット予定位置の中心線へテーブル21を微移動させてカットの位置決め補正を行う。演算部3は、カットの位置決め補正完了信号をモータ制御部8から受け取ると、モータ制御部8に指令を出し、カット手段駆動用モータ9を稼動させてセラミック積層ブロック30の最初のカットを行う。そのときのカット刃23と円板状カム15の動作については後で詳細に説明する。
演算部3は、最初のカット完了信号をモータ制御部8から受け取ると、画像処理部4に指令を出す。画像処理部4は、CCDカメラ5a,5bでセラミック積層ブロック30の両端面をそれぞれ撮像し、図7に示すように、最初のカット跡31と次のカット予定位置を検出するためのカット予定位置29とを同一視野に含む撮像画像を得る。
演算部3は、撮像画像に基づいて、次のカット予定位置の中心線29aを算出する。そして、この中心線29aのデータ値と最初のカット跡31のセラミック積層ブロック30の未カット側31aのデータ値との差、つまり最初のカット跡31から次のカット予定位置までの距離Lを算出する。
演算部3は、距離Lに基づいて、モータ制御部8に指令を出す。指令を受けたモータ制御部8は、テーブル平行駆動用モータ10およびテーブル回転駆動用モータ11を稼動させ、図8に示すように、次の2回目のカット予定位置へテーブル21を移動させる。距離Lには、位置ずれ補正量が既に含まれており、テーブル21は正確なカット予定位置29の中心線29aへ移動される。演算部3は、移動完了信号をモータ制御部8から受け取ると、カット刃23にてセラミック積層ブロック30の2回目のカットを行う。第3回目以降のカットは、第2回目のカットと同様にして行われる。
図9はセラミック積層ブロック30のカット方法を模式的に示したものである。まず、1回目のカットの際には、設計値に基づき、CCDカメラ5a,5bの視野内に位置P1のカット予定位置29が入る位置にテーブル21を移動させる。CCDカメラ5a,5bによって位置P1のカット予定位置29を撮像した後、画像処理によってセラミック積層ブロック30の位置ずれ量を演算し、位置補正後にカットが行われる。
2回目以降のカットは、前のカット直後に、次にカットが行われるべき位置に存在するカット予定位置29をCCDカメラ5a,5bによって撮像し、画像処理によって直前のカット跡31のセラミック積層ブロック30の未カット側31aと次にカットが行われるべき位置29の中心線29aまでの距離Lを算出する。その後、テーブル21を距離Lだけ移動させ、カットする。
こうして、カット装置1は、カット開始位置からカットし始め、カット刃23によってセラミック積層ブロック30を1カットするごとに、1チップ寸法だけテーブル21を移動させる。セラミック積層ブロック30のY方向のカットが終了すると、テーブル回転駆動用モータ11を稼動させてテーブル21を90度回転させた後、X方向のカットを同様にして行う。なお、Y方向とX方向のカットの順序は逆でもよい。
以上のように、カット装置1は、2回目のカット以降、カットごとに、CCDカメラ5a,5bで次のカット予定位置29を撮像し、得られた画像に基づいてカット跡31から次のカット予定位置29の中心線29aまでの距離Lを決定するので、最初に全ての位置決めマークを撮像する必要がない。すなわち、カット装置1が決定した、カット跡31から次のカット予定位置29までの距離Lには、既に位置ずれ補正量が含まれており、カット予定位置29の撮像は1回でよい。
テーブル21の移動についても、現在位置から距離Lだけ直接移動すればよく、移動後に微移動して位置補正する必要がない。
さて、セラミック積層ブロック30のカットにおけるカット刃23と円板状カム15の動作について、図10〜図16を参照して説明する。
図10に示すように、まず最初のカットにおいて、カット刃23は上下運動の最上点の位置で停止している。演算部3がカットの位置決め補正完了信号をモータ制御部8から受け取ると、モータ制御部8に指令を出し、カット手段駆動用モータ9を回転駆動させる。円板状カム15は、シャフト16を介してモータ9の回転駆動を上下運動に変換してホルダ22に伝える。ホルダ22はカット刃23とともに下降する。
トリガ信号発生部12には、カット刃23の刃先がセラミック積層ブロック30に入る手前の円板状カム15の回転角度θ1が予め登録されている。そして、図11に示すように、エンコーダ13から送られてくる円板状カム15の回転角度θが、登録されている回転角度θ1に一致した時点で、トリガ信号発生部12からモータ制御部8にトリガ信号を送る。
モータ制御部8はトリガ信号を受けると、テーブル21の移動動作が完了していることを確認する。テーブル21の移動動作が完了していなければ、カット手段駆動用モータ9を一時停止させ、テーブル21の移動動作が完了するのを待って再駆動させる。これにより、カット刃23の刃先が移動中のセラミック積層ブロック30に入る心配がなくなり、カット装置1を破損させたり、セラミック積層ブロック30をカットミスしたりすることを防止できる。テーブル21の移動動作が完了している場合は、カット手段駆動用モータ9の回転駆動を続行する。
図12に示すように、円板状カム15が180℃回転したときに、カット刃23が最下点に達し、セラミック積層ブロック30をカットする。さらに、カット手段駆動用モータ9が回転すると、カット刃23は下降から上昇に変わる。
トリガ信号発生部12には、カット刃23の刃先がセラミック積層ブロック30から出た直後の円板状カム15の回転角度θ2が予め登録されている。そして、図13に示すように、エンコーダ13から送られてくる円板状カム15の回転角度θが、登録されている回転角度θ2に一致した時点で、トリガ信号発生部12から画像処理部4にトリガ信号を送る。
画像処理部4はトリガ信号を受けると、CCDカメラ5a,5bでセラミック積層ブロック30の両端面をそれぞれ撮像し、最初のカット跡31と次のカット予定位置を検出するためのカット予定位置29(図7参照)とを同一視野に含む撮像画像を得る。その間、図14に示すように、カット刃23は上昇を続けている。
演算部3は、画像処理部4から送られてきた撮像画像に基づいて、最初のカット跡31から次のカット予定位置までの距離Lを算出する。演算部3は、距離Lに基づいて、モータ制御部8に指令を出す。指令を受けたモータ制御部8は、テーブル並行駆動用モータ10およびテーブル回転駆動用モータ11を駆動させ、図15に示すように、テーブル21を移動させる。
この間、カット手段駆動用モータ9は回転駆動を続けている。そして、図16に示すように、円板状カム15が360℃回転したときに、カット刃23は元の最上点に戻る。そして、円板状カム15は停止することなく、さらに回転を続け、カット刃23は上昇から下降に変わる。こうして、カット刃23は、基本的に、一定の速度で連続して上下運動を繰り返し、第1回目のカット動作と同様にしてカットを行う。
以上のように、カット装置1は、カット刃23の位置を検出するエンコーダ13と、カット予定位置検出開始のタイミングをとるトリガ信号発生部12とを備えているので、カット動作からカット予定位置検出までの時間を最小にできる。さらに、カット動作(カット刃23の上下運動)と並行して、カット予定位置検出動作やテーブル移動動作を行うことができるので、カット動作を基本的には停止することなく連続して行うことができ、高速処理可能なカット装置1が得られる。
また、円板状カム15を採用することにより、カット動作からカット予定位置検出動作への移行開始タイミングが取り易くなるとともに、カット刃23を一定のリズムで上下運動させることができる。
[他の実施例]
なお、本発明に係るカット装置およびカット方法は、前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
被カット部材のセラミック積層ブロックは、未焼成状態のものでもよいし、焼結状態のものでもよい。さらに、カット手段としては、カット刃による押し切り以外に、回転刃による引き切りなどであってもよい。
また、本発明は、セラミックシートを積層して圧着することによりセラミック積層ブロックを形成するものの他に、セラミックスラリーを塗布および乾燥後、その上に必要な電極を形成する工程を繰り返してセラミック積層ブロックを形成するものにも適用することができる。また、位置ずれの補正方法も前記実施例に限るものではなく、仕様に合わせて種々の補正方法が採られる。
本発明に係るカット装置のシステム構成図。 本発明に係るカット装置の要部を示す斜視図。 積層セラミック電子部品製造用のセラミックグリーンシートの一例を示す平面図。 図3に示したセラミックグリーンシートを積み重ねた状態を示す平面図。 圧着後のセラミック積層ブロックの一部外観斜視図。 本発明に係るカット方法の一実施形態を説明するための撮像画像模式図。 図6に続く手順を示す撮像画像模式図。 図7に続く手順を示す撮像画像模式図。 本発明に係るカット方法の一実施形態を説明するための模式図。 カット刃と円板状カムの動作手順を示す模式図。 図10に続く動作手順を示す模式図。 図11に続く動作手順を示す模式図。 図12に続く動作手順を示す模式図。 図13に続く動作手順を示す模式図。 図14に続く動作手順を示す模式図。 図15に続く動作手順を示す模式図。
符号の説明
1…カット装置
2…メモリ
3…演算部
4…画像処理部
5a,5b…CCDカメラ
6…表示部
7…データ入力部
8…モータ制御部
9…カット手段駆動用モータ
10,11…テーブル駆動用モータ
12…トリガ信号発生部
13…エンコーダ
21…テーブル
23…カット刃
26…コンデンサ用内部電極
27,29…非露出部分
28…カット予定位置検出用電極
30…セラミック積層ブロック

Claims (5)

  1. 複数の内部電極が形成されたセラミック積層ブロックをカットするカット装置であって、
    前記セラミック積層ブロックを載置するためのテーブルと、
    前記テーブルの上方に配置されたカット手段と、
    前記カット手段を上下運動させるカット駆動部と、
    前記カット手段の位置を検出するカット手段位置検出部と、
    前記セラミック積層ブロックのカット跡と次のカット予定位置を同一視野に含む撮像画像を得るカメラと、
    前記撮像画像に基づいて、前記カット予定位置の中心線を算出し、該中心線から前記カット跡までの距離を算出して、前記セラミック積層ブロックのカット予定位置を検出するカット予定位置検出部と、
    前記テーブルと前記カット手段を相対的に平行移動させる平行駆動部と、
    前記カット手段位置検出部により検出する上昇中の前記カット手段の刃先が前記セラミック積層ブロックから出る位置に達すると、前記セラミック積層ブロックの撮像及び前記カット予定位置の検知を行った後、前記テーブルと前記カット手段の相対的な平行移動を行う制御部と、
    を備えたことを特徴とするカット装置。
  2. 前記カット駆動部が、回転運動を上下運動に変換するカム機構を有していることを特徴とする請求項1に記載のカット装置。
  3. 前記カット位置検出部は、前記カム機構の回転角度を計測するエンコーダであること、
    を特徴とする請求項に記載のカット装置。
  4. 前記カット手段位置検出部により検出する下降中の前記カット手段の位置が、該カット手段の刃先が前記セラミック積層ブロックに入る前の所定の位置に達すると、前記制御部が前記テーブルと前記カット手段の相対的平行移動が完了しているかどうかを確認し、完了していない場合には前記カット駆動部を一時停止させることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載のカット装置。
  5. 複数の内部電極が形成されたセラミック積層ブロックをカットするカット方法であって、
    カット手段が一定の速度で上下運動して前記セラミック積層ブロックをカットしており、カット毎に、上昇中の前記カット手段の刃先がセラミック積層ブロックから出る位置に達すると、前記セラミック積層ブロックのカメラによるカット跡と次のカット予定位置を同一視野に含む撮像画像の撮像及び該撮像に基づいて、該カット予定位置の中心線を算出し、該中心線から該カット跡までの距離を算出して、カット予定位置の検知を行った後、テーブルと前記カット手段の相対的な平行移動を行うことを特徴とするカット方法。
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