JP4356868B2 - セラミックシート積層体の位置決め方法、及び、位置決め装置 - Google Patents

セラミックシート積層体の位置決め方法、及び、位置決め装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層セラミック電子部品の製造に用いられるセラミックシート積層体の位置決め方法及び位置決め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層セラミック電子部品の製造工程では、内部電極を印刷したセラミックグリーンシート(未焼成セラミックシート)を所定枚数積層し、その後、加圧プレス等の必要な工程を経てセラミックシート積層体を形成する。そして、このセラミックシート積層体を、内部電極の位置に合わせて縦横に切断し、個々の積層セラミック電子部品を得る。
【0003】
セラミックシート積層体の切断にあたっては、切断位置を高精度に設定するため、位置決めを行う。例えば、特許文献1に開示された位置決め方法では、x−y−θテーブル上にセラミックシート積層体を載置し、予めセラミックシート積層体の主面に印刷されている4点のターゲットマークを、撮像カメラ等により画像処理する。画像処理結果に基づき、セラミックシート積層体の搬送時に生じる直交方向及び回転方向のずれを補正する等の位置決め補正を行い、その後、切断を行う。
【0004】
しかし、4点のターゲットマークの何れかについて、塵の付着等のターゲットマーク不良により正常な画像処理を行えない場合がある。この場合、当該ターゲットマークについては座標データを取得できないこととなり、位置決め補正のための補正量を算出することができない。この結果、セラミックシート積層体の積層状態が正常であるのにもかかわらず、セラミックシート積層体を廃棄処分せざるを得なくなり、切断工程におけるセラミックシート積層体の歩留まりが低下していた。
【0005】
特に、積層セラミックコンデンサ製造用のセラミックシート積層体では、積層セラミックコンデンサの高容量化に伴い、内部電極を印刷したセラミックグリーンシートの枚数が著しく増大している。これは、セラミックシート積層体一枚あたりの原材料費が増大するだけでなく、セラミックシート積層体一枚を製造するのに要する時間や労力も増大することを意味する。
【0006】
このように、セラミックシート積層体一枚あたりの付加価値は大幅に上昇しており、積層体切断工程における歩留まりを向上させることは重要な課題となっている。
【0007】
また、特許文献2には、積層体切断工程における歩留まりを向上させる技術は開示されていない。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−21680号公報
【特許文献2】
特開平7−1428号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ターゲットマーク不良があっても、高精度な位置決めを行い得るセラミックシート積層体の位置決め方法及び位置決め装置を提供することである。
【0010】
本発明のもう一つの課題は、ターゲットマーク不良による廃棄処分を回避し得るセラミックシート積層体の位置決め方法及び位置決め装置を提供することである。
【0011】
本発明の更にもう一つの課題は、積層体切断工程における歩留まりを向上させ得るセラミックシート積層体の位置決め方法及び位置決め装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明では、セラミックシート積層体の位置決め方法が提供される。セラミックシート積層体は、ほぼ四角形状であり、一方の主面の4隅にそれぞれターゲットマークが形成されている。
【0013】
セラミックシート積層体の位置決めにあたり、4つのターゲットマークを結んで得られる四角形の辺長データ及び内角データを含むマスターデータを用意する。
【0014】
更に、与えられたセラミックシート積層体について、4つのターゲットマークを撮像して座標データ取得処理を行う。ここで、4つのターゲットマークの何れかが座標データ取得不能となったとき、他のターゲットマークの座標データに前記マスターデータを適用して、座標データ取得不能なターゲットマークの仮想座標データを算出する。そして、取得されたターゲットマークの座標データと、前記座標データ取得不能なターゲットマークの仮想座標データとに基づいて、セラミックシート積層体の位置を補正する。
【0015】
上述した本発明に係るセラミックシート積層体の位置決め方法では、4つのターゲットマークを結んで得られる四角形の辺長データ及び内角データを含むマスターデータを用意する。かかるマスターデータにより、セラミックシート積層体の面上における4つのターゲットマークの位置関係が定められるようになる。
【0016】
従って、4つのターゲットマークの何れかがターゲットマーク不良である場合でも、マスターデータを利用して、セラミックシート積層体を高精度に位置決めすることができる。これは、ターゲットマーク不良によるセラミックシート積層体の廃棄処分が回避されることを意味する。
【0017】
しかも、ターゲットマーク不良があっても、セラミックシート積層体が高精度に位置決めされるから、位置決めされたセラミックシート積層体を切断する積層体切断工程での歩留まりが向上する。
【0018】
本発明の位置決め方法で用いられるマスターデータは、基準となるセラミックシート積層体について、例えば、4つのターゲットマークを撮像して座標データ取得処理を行い、4つのターゲットマークの座標データから、4つのターゲットマークを結んで得られる四角形の辺長データ及び内角データを算出することにより得ることができる。
【0019】
本発明の位置決め方法を行うにあたり、マスターデータは、ハードディスク等の内部記録装置に記録された状態で用意してもよいし、フロッピー(R)ディスク等の外部記録媒体に記録された状態で用意してもよい。
【0020】
更に、本発明では、位置決め装置が提供される。本発明に係る位置決め装置は、撮像装置と、位置決めテーブル装置とを含む。
【0021】
前記撮像装置は、セラミックシート積層体について4つのターゲットマークを結んで得られる四角形の辺長データ及び内角データを含むマスターデータを備え、4つのターゲットマークを撮像して座標データ取得処理を行う機能を有する。
【0022】
更に、前記撮像装置は、前記座標データ取得処理において、4つのターゲットマークの何れかが座標データ取得不能となったとき、他のターゲットマークの座標データに前記マスターデータを適用して、座標データ取得不能なターゲットマークの仮想座標データを算出する。そして、取得されたターゲットマークの座標データと、前記座標データ取得不能なターゲットマークの仮想座標データとに基づいて位置決め補正信号を生成する。
【0023】
前記位置決めテーブル装置は、前記セラミックシート積層体を載せるテーブルを有し、前記撮像装置から供給された前記位置決め補正信号に基づき、前記テーブルの位置を補正する。
【0024】
かかる構成の位置決め装置によれば、セラミックシート積層体について上述した本発明の位置決め方法を実行することができる。
【0025】
本発明の他の特徴及びそれによる作用効果は、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は単なる一例を示すに過ぎない。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の位置決め方法が適用されるセラミックシート積層体を示す平面図、図2は図1に示したセラミックシート積層体の断面図である。図示されたセラミックシート積層体は、ほぼ四角形状である。四角形の例としては、正方形、長方形、台形や、菱形などが挙げられる。図示では、セラミックシート積層体の形状が、ほぼ正方形状となっている。
【0027】
更に、セラミックシート積層体は、2つの主面10、11のうち、一方の主面11の4隅111〜114にそれぞれターゲットマークA〜Dが形成されている。具体的には、隅111にターゲットマークAが形成され、隅112にターゲットマークBが形成され、隅113にターゲットマークDが形成され、隅114にターゲットマークDが形成されている。これらのターゲットマークA〜Dは、スクリーン印刷もしくはインクジェット印刷等によって形成されたマークであって、画像処理できるマークである。図示のターゲットマークA〜Dは、円形状のマークとなっているが、この形状には限定されない。
【0028】
セラミックシート積層体は、第1の層14と、第2の層15と、第3の層16とを含んでいる。第1の層14は、内部電極を備えていないセラミック層140により構成されている。第2の層15は、内部電極151を備えたセラミック層150を積層して構成されている。第3の層16は、内部電極を備えていないセラミック層160により構成されている。積層セラミックコンデンサの高容量品を製造するためのセラミックシート積層体の場合、内部電極151を備えたセラミック層150は、例えば500層以上備えられる。
【0029】
このような構成のセラミックシート積層体は、内部電極を印刷していないセラミックグリーンシートを積層した上に、内部電極151を印刷したセラミックグリーンシートを積層数kだけ積層し、更にその上に、内部電極を印刷していないセラミックグリーンシートを再び積層し、その後、加圧プレス等の必要な工程を施すことにより得ることができる。
【0030】
図3は本発明の位置決め方法を実施するために用いられる位置決め装置の使用状態を示す図、図4は図3に示した位置決め装置の使用状態について詳しく示す図である。図示された位置決め装置3は、位置決めテーブル装置6と、撮像装置4とを含む。
【0031】
位置決めテーブル装置6は、セラミックシート積層体1を載せるテーブル2を備え、このテーブル2を駆動する機能を有する。位置決めテーブル装置6は、テーブル2の受け面に沿った直交2軸であるX軸及びY軸を仮想したとき、X軸に沿ったX方向と、Y軸に沿ったY方向と、X軸及びY軸に垂直な軸の周りに回転するθ方向とにテーブル2を駆動する。テーブル2に載置されたセラミックシート積層体1は、位置決めテーブル装置6によりX方向、Y方向及びθ方向に動かされて位置決めされる。
【0032】
撮像装置4は、セラミックシート積層体1について4つのターゲットマークA〜Dを撮像して座標データ取得処理を行う機能を有する。具体的には、撮像装置4は、位置決めテーブル装置6のテーブル2に載置されたセラミックシート積層体1について撮像を行い、座標データ取得処理で取得されるターゲットマークA〜Dの座標データ(X1、Y1)〜(X4、Y4)は、位置決めテーブル装置6で仮想されたX軸、Y軸及びそれらの原点Ooを基準としたものである。
【0033】
図示の撮像装置4は、具体的構成として、撮像器41〜44と、信号処理部5とを含む。撮像器41〜44は、位置決めテーブル装置6のテーブル2に載置されたセラミックシート積層体1について、ターゲットマークA〜Dを撮像し得る位置に配置されており(図4参照)、ターゲットマークA〜Dを撮像して得られた画像信号S11〜S14を出力する。撮像器41〜44は、例えばCCDカメラ等により構成される。実施例の場合、撮像器41〜44は、ターゲットマークA〜Dの個数と同数(4つ)備えられており、撮像器41〜44のそれぞれが、ターゲットマークA〜Dのそれぞれを個別に撮像する。このような実施例と異なり、撮像器が1つだけ備えられ、その撮像器が全てのターゲットマークA〜Dを撮像する構成でもよい。
【0034】
信号処理部5は、撮像器41〜44により撮像されたターゲットマークA〜Dについて座標データ取得処理を行う。具体的には、信号処理部5は、撮像器41〜44から供給された画像信号S11〜S14を画像処理して座標データ取得処理を行う。信号処理部5は、例えばコンピューター等により構成される。図示の信号処理部5には、ディスプレイ53が接続されている。
【0035】
図5は、本発明の位置決め方法で用いられるマスターデータを説明する図である。図3、図5に示すように、撮像装置4は、セラミックシート積層体1について4つのターゲットマークA〜Dを結んで得られる四角形の辺長データa〜d及び内角データα〜δを含むマスターデータ51を備える。図示の撮像装置4では、信号処理部5がマスターデータ51を備えている。マスターデータ51は、ハードディスク等の内部記録装置に記録された状態で備えられてもよいし、フロッピー(R)ディスク等の外部記録媒体に記録された状態で備えられてもよい。
【0036】
このようなマスターデータ51は、位置決め装置3を用いて得ることができる。マスターデータ51を得るための位置決め装置3の動作について、図3、図6〜図8を参照し、説明する。
【0037】
まず図3に示すように、撮像装置4は、セラミックシート積層体1に形成された4つのターゲットマークA〜Dを撮像して座標データ取得処理を行う。撮像されたターゲットマークの画像の例を、図6、図7に示す。図6に示されたターゲットマークの画像では、塵の付着等による画像乱れがあり、ターゲットマーク不良となっている。ターゲットマーク不良の場合、正常な画像処理を実行できず、座標データ取得不能となる。
【0038】
これに対し、図7に示されたターゲットマークの画像では、塵の付着等による画像乱れがなく、ターゲットマーク良好となっている。ターゲットマーク良好の場合、正常な画像処理を実行でき、座標データ取得可能となる。マスターデータ51を得るための基準のセラミックシート積層体1としては、4つのターゲットマークA〜Dの全てがターゲットマーク良好となっているものが採用される。
【0039】
次に図8に示すように、撮像装置4は、座標データ取得処理で取得されたターゲットマークA〜Dの座標データ(X10、Y10)〜(X40、Y40)から、4つのターゲットマークA〜Dを結んで得られる四角形の辺長データa〜d及び内角データα〜δを算出する。これにより、マスターデータ51が得られる。辺長データ及び内角データの算出処理は、例えば次の通りである。
【0040】
座標データ(X10、Y10)〜(X40、Y40)から下記の式により辺長データa〜dを算出する。
【0041】
a=√{(X20−X10)2+(Y20−Y10)2
b=√{(X40−X20)2+(Y40−Y20)2
c=√{(X40−X30)2+(Y40−Y30)2
d=√{(X30−X10)2+(Y30−Y10)2
次に、得られた辺長データa〜dから、下記の式により内角データα〜δを算出する。
【0042】
α=cos-1{(a2+d2−e2)/(2ad)}
β=cos-1{(a2+b2−f2)/(2ab)}
γ=cos-1{(c2+d2−f2)/(2cd)}
δ=cos-1{(b2+c2−e2)/(2bc)}
但し、
e=√{(X20−X30)2+(Y30−Y20)2
f=√{(X40−X10)2+(Y40−Y10)2
である。
【0043】
マスターデータ51を得るための方法は、上述した方法には限らない。例えば、セラミックシート積層体1について辺長データa〜d及び内角データα〜δを、直接測定してもよい。
【0044】
再び図3を参照すると、位置決め装置3は切断装置5を含んでいる。切断装置5は、位置決めテーブル装置6により位置決めされたセラミックシート積層体1を切断する機能を有する。切断装置5の切断動作は、撮像装置4の信号処理部5から供給される切断制御信号S3によって制御される。
【0045】
次に、与えられたセラミックシート積層体1を位置決めするときの位置決め装置3の動作について説明する。
【0046】
まず、位置決め装置3の撮像装置4は、与えられたセラミックシート積層体1について、4つのターゲットマークA〜Dを撮像して座標データ取得処理を行う(図3参照)。
【0047】
与えられたセラミックシート積層体1では、4つのターゲットマークA〜Dの何れかが、図6に示されたようなターゲットマーク不良により、座標データ取得不能となる場合がある。以下、4つのターゲットマークA〜Dのうち、ターゲットマークAが座標データ取得不能となった場合を例に挙げて説明する。
【0048】
撮像装置4は、4つのターゲットマークA〜Dのうち、ターゲットマークAが座標データ取得不能となったとき、図9に示すように、他のターゲットマークB、Dの座標データ(X2、Y2)、(X4、Y4)にマスターデータ51を適用して、座標データ取得不能なターゲットマークAの仮想座標データ(iX1、iY1)を算出する。仮想座標データ(iX1、iY1)の算出処理は、例えば次の通りである。
【0049】
まず、ターゲットマークB、Dの座標データ(X2、Y2)、(X4、Y4)から、ターゲットマークB、Dを結ぶ辺がY軸に対してなす角度θ1を算出する。算出式は下記の通りである。
【0050】
θ1=tan-1((X2−X4)/(Y4−Y2))
次に、得られた角度θ1と、マスターデータ51に含まれる内角データβとから、ターゲットマークA、Bを結ぶ辺がY軸に対してなす角度θ2を算出する。算出式は下記の通りである。
【0051】
θ2=180−β−θ1
次に、得られた角度θ2と、ターゲットマークBの座標データ(X2、Y2)と、マスターデータ51に含まれる辺長データaとから、座標データ取得不能なターゲットマークAの仮想座標データ(iX1、iY1)を算出する。算出式は下記の通りである。
【0052】
iX1=X2−a・sinθ2
iY1=Y2−a・cosθ2
更に、撮像装置4は、取得されたターゲットマークB〜Dの座標データ(X2、Y2)〜(X4、Y4)と、座標データ取得不能なターゲットマークAの仮想座標データ(iX1、iY1)とに基づいて位置決め補正信号S3を生成する。位置決めテーブル装置6は、撮像装置4から供給された位置決め補正信号S3に基づき、テーブル2の位置を補正する。従って、4つのターゲットマークA〜Dの何れかがターゲットマーク不良である場合でも、テーブル2に載置されたセラミックシート積層体1を、高精度に位置決めすることができる。これは、ターゲットマーク不良によるセラミックシート積層体の廃棄処分が回避されることを意味する。この位置決め補正の詳細は次の通りである。
【0053】
まず、ターゲットマークB〜Dの座標データ(X2、Y2)〜(X4、Y4)及びターゲットマークAの仮想座標データ(iX1、iY1)から、補正角度Δθ、X軸に沿った補正量ΔX、Y軸に沿った補正量ΔY等の補正データを算出する。
【0054】
具体的には、図10に示すように、座標データ(X2、Y2)〜(X4、Y4)及び仮想座標データ(iX1、iY1)から、4つのターゲットマークA〜Dを結んで得られる四辺形の最中点O1を求める。最中点O1は、対向2辺の中点M1、M2を結ぶ線分L1の中点として求められる。そして、線分L1に対し最中点O1を通る垂線L2を求める。
【0055】
次に図11に示すように、セラミックシート積層体1を、最中点O1の周りに補正角度Δθだけ回転させ、線分L1が、位置決めテーブル装置6で仮想されたX軸に平行となるように、角度についての位置決め補正を行う。
【0056】
次に図12に示すように、セラミックシート積層体1を、Y軸に沿って補正量ΔYだけ平行移動させ、線分L1がX軸と一致するように、Y軸に沿った位置決め補正を行う。
【0057】
次に図13に示すように、セラミックシート積層体1を、X軸に沿って補正量ΔXだけ平行移動させ、線分L2がY軸と一致するように、X軸に沿った位置決め補正を行う。これにより、位置決め補正が完了する。
【0058】
その後、図14に示すように、位置決めされたセラミックシート積層体1を切断し、図15に示す積層セラミック電子部品素子100を得る。具体的には、切断装置5を用い、X軸及びY軸に沿ってセラミックシート積層体1を切断する。上述したようにターゲットマーク不良があってもセラミックシート積層体1を高精度に位置決めできるので、積層体切断工程での歩留まりが向上する。
【0059】
ターゲットマークAが座標データ取得不能となった場合について、仮想座標データの算出処理を説明したが、ターゲットマークB〜Dが座標データ取得不能となった場合も同様である。
【0060】
図16は、ターゲットマークBが座標データ取得不能となったときの仮想座標データの算出処理を説明する図である。ターゲットマークBが座標データ取得不能となったとき、他のターゲットマークC、Dの座標データ(X3、Y3)、(X4、Y4)にマスターデータ51を適用して、座標データ取得不能なターゲットマークBの仮想座標データ(iX2、iY2)を算出する。仮想座標データ(iX2、iY2)の算出処理は、例えば次の通りである。
【0061】
まず、ターゲットマークC、Dの座標データ(X3、Y3)、(X4、Y4)から、ターゲットマークC、Dを結ぶ辺がX軸に対してなす角度θ3を算出する。算出式は下記の通りである。
【0062】
θ3=tan-1((Y4−Y3)/(X4−X3))
次に、得られた角度θ3と、マスターデータ51に含まれる内角データδとから、ターゲットマークB、Dを結ぶ辺がX軸に対してなす角度θ4を算出する。算出式は下記の通りである。
【0063】
θ4=180−δ−θ3
次に、得られた角度θ4と、ターゲットマークDの座標データ(X4、Y4)と、マスターデータ51に含まれる辺長データbとから、座標データ取得不能なターゲットマークBの仮想座標データ(iX2、iY2)を算出する。算出式は下記の通りである。
【0064】
iX2=X4+b・cosθ4
iY2=Y4−b・sinθ4
図17は、ターゲットマークCが座標データ取得不能となったときの仮想座標データの算出処理を説明する図である。ターゲットマークCが座標データ取得不能となったとき、他のターゲットマークA、Bの座標データ(X1、Y1)、(X2、Y2)にマスターデータ51を適用して、座標データ取得不能なターゲットマークCの仮想座標データ(iX3、iY3)を算出する。仮想座標データ(iX3、iY3)の算出処理は、例えば次の通りである。
【0065】
まず、ターゲットマークA、Bの座標データ(X1、Y1)、(X2、Y2)から、ターゲットマークA、Bを結ぶ辺がX軸に対してなす角度θ5を算出する。算出式は下記の通りである。
【0066】
θ5=tan-1((Y2−Y1)/(X2−X1))
次に、得られた角度θ5と、マスターデータ51に含まれる内角データαとから、ターゲットマークA、Cを結ぶ辺がX軸に対してなす角度θ6を算出する。算出式は下記の通りである。
【0067】
θ6=180−α−θ5
次に、得られた角度θ6と、ターゲットマークAの座標データ(X1、Y1)と、マスターデータ51に含まれる辺長データdとから、座標データ取得不能なターゲットマークCの仮想座標データ(iX3、iY3)を算出する。算出式は下記の通りである。
【0068】
iX3=X1−d・cosθ6
iY3=Y1+d・sinθ6
図18は、ターゲットマークDが座標データ取得不能となったときの仮想座標データの算出処理を説明する図である。ターゲットマークDが座標データ取得不能となったとき、他のターゲットマークA、Cの座標データ(X1、Y1)、(X3、Y3)にマスターデータ51を適用して、座標データ取得不能なターゲットマークDの仮想座標データ(iX4、iY4)を算出する。仮想座標データ(iX4、iY4)の算出処理は、例えば次の通りである。
【0069】
まず、ターゲットマークA、Cの座標データ(X1、Y1)、(X3、Y3)から、ターゲットマークA、Cを結ぶ辺がY軸に対してなす角度θ7を算出する。算出式は下記の通りである。
【0070】
θ7=tan-1((X1−X3)/(Y1−Y3))
次に、得られた角度θ7と、マスターデータ51に含まれる内角データγとから、ターゲットマークC、Dを結ぶ辺がY軸に対してなす角度θ8を算出する。算出式は下記の通りである。
【0071】
θ8=180−γ−θ7
次に、得られた角度θ8と、ターゲットマークCの座標データ(X3、Y3)と、マスターデータ51に含まれる辺長データcとから、座標データ取得不能なターゲットマークDの仮想座標データ(iX4、iY4)を算出する。算出式は下記の通りである。
【0072】
iX4=X3+c・sinθ8
iY4=Y3+c・cosθ8
与えられたセラミックシート積層体1について、4つのターゲットマークA〜Dの全てが座標データ取得可能となった場合は、取得されたターゲットマークA〜Dの座標データに基づいてセラミックシート積層体1の位置を補正すればよい。具体的には、撮像装置4が、ターゲットマークA〜Dの座標データに基づいて位置決め補正信号S3を生成し、位置決めテーブル装置6が、この位置決め補正信号S3に基づいてテーブル2の位置を補正することになる。
【0073】
本発明は、切断プロセスに限らず、例えば、積層工程の前工程としても適用可能である。
【0074】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)ターゲットマーク不良があっても、高精度な位置決めを行い得るセラミックシート積層体の位置決め方法及び位置決め装置を提供することができる。
(b)ターゲットマーク不良による廃棄処分を回避し得るセラミックシート積層体の位置決め方法及び位置決め装置を提供することができる。
(c)積層体切断工程における歩留まりを向上させ得るセラミックシート積層体の位置決め方法及び位置決め装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の位置決め方法が適用されるセラミックシート積層体を示す平面図である。
【図2】図1に示したセラミックシート積層体の断面図である。
【図3】本発明の位置決め方法を実施するために用いられる位置決め装置の使用状態を示す図である。
【図4】図3に示した位置決め装置の使用状態について詳しく示す図である。
【図5】本発明の位置決め方法で用いられるマスターデータを説明する図である。
【図6】ターゲットマークの画像の一例を示す図である。
【図7】ターゲットマークの画像のもう一つの例を示す図である。
【図8】本発明の位置決め方法を説明する図である。
【図9】図8に示したステップの後のステップを示す図である。
【図10】図9に示したステップの後のステップを示す図である。
【図11】図10に示したステップの後のステップを示す図である。
【図12】図11に示したステップの後のステップを示す図である。
【図13】図12に示したステップの後のステップを示す図である。
【図14】図13に示したステップの後のステップを示す図である。
【図15】図9〜図14に示したステップを経て得られる積層セラミック電子部品素子を示す図である。
【図16】ターゲットマークBが座標データ取得不能となったときの仮想座標データの算出処理を説明する図である。
【図17】ターゲットマークCが座標データ取得不能となったときの仮想座標データの算出処理を説明する図である。
【図18】ターゲットマークDが座標データ取得不能となったときの仮想座標データの算出処理を説明する図である。
【符号の説明】
1 セラミックシート積層体
A〜D ターゲットマーク

Claims (4)

  1. セラミックシート積層体の位置決め方法であって、
    セラミックシート積層体は、ほぼ四角形状であり、一方の主面の4隅にそれぞれターゲットマークが形成されており、
    セラミックシート積層体の位置決めにあたり、
    予め、基準セラミックシート積層体について、4つのターゲットマークを撮像装置により撮像して座標データ取得処理を行い、4つのターゲットマークの座標データから、4つのターゲットマークを結んで得られる四角形の辺長データ及び内角データを算出し、算出されたデータを記録媒体に記録することにより、マスターデータとして準備しておき、 与えられたセラミックシート積層体について、4つのターゲットマークを撮像して座標データ取得処理を行い、
    4つのターゲットマークの何れかが座標データ取得不能となったとき、
    他のターゲットマークの座標データに、前記記録媒体から読み出された前記マスターデータを適用して、座標データ取得不能なターゲットマークの仮想座標データを算出し、
    取得されたターゲットマークの座標データの信号と、前記仮想座標データの信号とに基づき、セラミックシート積層体の位置を補正する補正信号を生成し、
    前記補正信号により、位置決めテーブル装置を駆動して、前記位置決めテーブル上に載せた前記セラミックシート積層体の位置を補正する、
    ステップを含む方法。
  2. 請求項1に記載された方法であって、位置決めされたセラミックシート積層体を切断するステップを含む方法。
  3. 撮像装置と、位置決めテーブル装置とを含む位置決め装置であって、
    前記撮像装置は、
    予め、基準セラミックシート積層体について、4つのターゲットマークを撮像して座標データ取得処理を行い、4つのターゲットマークの座標データから、4つのターゲットマークを結んで得られる四角形の辺長データ及び内角データを算出し、算出されたデータを記録媒体に記録して準備されたマスターデータを備え、4つのターゲットマークを撮像して座標データ取得処理を行う機能を有し、
    前記座標データ取得処理において、4つのターゲットマークの何れかの座標データ取得が不能となったとき、前記記録媒体から読み出された前記マスターデータを適用して、座標データ取得不能なターゲットマークの仮想座標データを算出し、
    取得されたターゲットマークの座標データの信号と、前記仮想座標データの信号とに基づいて位置決め補正信号を生成し、
    前記位置決めテーブル装置は、前記セラミックシート積層体を載せるテーブルを有し、前記撮像装置から供給された前記位置決め補正信号に基づき、前記テーブルの位置を補正する、
    位置決め装置。
  4. 請求項3に記載された位置決め装置であって、切断装置を含んでおり、
    前記切断装置は、位置決めされたセラミックシート積層体を切断する、
    位置決め装置。
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