JP4275317B2 - 芳香族ポリカーボネートを製造するための方法及び重合器 - Google Patents
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Description
本発明は、芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する。更に詳細には、本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることを包含するプロセスによって得られる溶融プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料を、重合器中のガイド接触落下重合反応ゾーン中に保持され且つ下方に延びる少なくとも1つのガイドに接触させながら落下させて該重合原料の重合を行う芳香族ポリカーボネートの製造方法において、ガイドとして有孔面状ガイドを使用する方法に関する。又、本発明は上記方法を実施するための重合器に関する。本発明の方法は、従来法の問題点、即ち、フェノールの抜き出し効率の悪さや、非常に大きな攪拌動力の必要性、シェアーによる分子鎖の切断とそれに伴う分子量上昇速度の低下やポリマーの着色、長い熱履歴を経たことにより生成した熱分解物のポリマーへの混入、容積効率の小ささ等の問題がない。本発明の方法を用いると、着色や異物の生成を生じることなしに、所望の一定の分子量を有する芳香族ポリカーボネートを高い重合速度で安定的に製造できるので、工業的に有利である。
従来技術
近年、芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチックスとして、多くの分野において幅広く用いられている。この芳香族ポリカーボネートの製造方法については、従来種々の研究が行われ、その中で、芳香族ジヒドロキシ化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという。)とホスゲンとの界面重縮合法が工業化されている。
しかしながら、この界面重縮合法においては、有毒なホスゲンを用いなければならないこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウム及び、溶媒として大量に用いる塩化メチレンなどの含塩素化合物により装置が腐食すること、ポリマー物性に悪影響を及ぼす塩化ナトリウムなどの不純物や残留塩化メチレンの分離が困難なことなどの問題があった。
一方、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとから、芳香族ポリカーボネートを製造する方法としては、例えば、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを溶融状態でエステル交換し、副生するフェノールを抜き出しながら重合するエステル交換法が以前から知られている。エステル交換法は、界面重縮合法と異なり、溶媒を使用しないなどの利点がある一方、重合が進行すると共にポリマーの粘度が上昇し、副生するフェノールなどを効率よく系外に抜き出す事が困難になり、重合度を上げにくくなるという本質的な問題があった。
従来、芳香族ポリカーボネートをエステル交換法で製造するための重合器としては、種々の重合器が知られている。撹拌機を備えた竪型の攪拌槽型重合器を用いる方法は、一般に広く知られている。しかしながら、竪型の撹拌槽型重合器は小スケールでは容積効率が高く、シンプルであるという利点を有し、効率的に重合を進められるものの、工業的規模では、上述したように重合の進行と共に副生するフェノールを効率的に系外に抜き出す事が困難となり重合速度が極めて低くなるという問題を有している。
すなわち、大スケールの竪型の撹拌槽型重合器は、通常、蒸発面積に対する液容量の比率が小スケールの場合に比べて大きくなり、いわゆる液深が大きな状態となるために撹拌槽の下部の圧力が高くなる。この場合、重合度を高めていくために真空度を高めていっても、撹拌槽の下部は液深があるために実質上高い圧力で重合される事になり、フェノール等は効率的に抜けにくくなるのである。
この問題を解決するため、高粘度状態のポリマーからフェノール等を抜き出すための工夫が種々なされている。例えば日本国特公昭50−19600号公報(GB−1007302号に対応)ではベント部を有するスクリュー型重合器を用いる方法、日本国特公昭52−36159号公報では噛合型2軸押出機を用いる方法、また日本国特公昭53−5718号公報(米国特許第3,888,826号に対応)では薄膜蒸発型反応器、例えばスクリュー型蒸発器や遠心薄膜型蒸発器等を用いる方法が記載されており、さらに日本国特開平2−153923号公報では、遠心薄膜型蒸発装置と横型撹拌重合槽を組み合わせて用いる方法が具体的に開示されている。
これらの重合器の内、スクリュー型蒸発器や横型攪拌槽等の横型重合器は、主に回転攪拌により表面更新性を極力高めることによって、フェノール等を効率的に抜き出そうとしたものである。例えば、日本国特公昭50−19600号公報では、「液状の反応混合物とガスないしは蒸気空間との間に比較的に大きく絶えず更新する相の境界が生じ、この事により液状の反応物から分離する気化性の反応生成物は極めて速やかに除去される」と記載され(同公報第1頁右欄第19〜22行参照)、気液界面の表面更新の効果によりフェノール等を効果的に抜き出せる事が示唆されている。また日本国特公昭52−36159号公報では、表面更新効果Jがスクリュー回転数、反応部のスクリュー表面積、反応部のスクリュー総ピッチ数、原料供給量、及び反応部のスクリュー1ピッチ当たりの全有効体積の関数として定義され、その値が所定の範囲内にある事の重要性が指摘されている。
しかしながら、これらの重合器では、表面更新性を高めるために、スクリューや攪拌軸等の回転攪拌動力を必要とするが、芳香族ポリカーボネートは特に分子量が高くなるに伴い粘度が著しく高くなるため、非常に大きな動力が必要となる。しかも、粘度が高い場合には、大きな動力を用いるとポリマーが大きなシェアーを受けるため分子鎖の切断が生じ、結果として分子量上昇速度は遅くなり、高分子量の芳香族ポリカーボネートを製造することはできない。また、大きなシェアーを受ける為にポリマーの着色が起こる等、ポリマー品質にも重大な悪影響を及ぼしていた。さらに、工業的規模で実施する場合、攪拌軸の強度や動力の制限から装置の大きさが制限され、芳香族ポリカーボネートの生産量を容易に高められないという問題点も有していた。
一方、遠心薄膜型蒸発器に関しては、日本国特開平2−153923号公報において、エステル交換反応の最終段階における重縮合反応器として遠心薄膜型蒸発器を用いる場合には、反応混合物の単位処理量当たりの蒸発表面積を大きくすることができるので、反応混合物の遠心薄膜型蒸発器における滞留時間を短くできるものの、生成するポリマーの一部は、回転軸、羽根、内部軸受けなどに付着して長い熱履歴を経るため、黒変した分解物がポリマーに混入するという問題点があることが指摘されている。該公報ではこの問題を避けるため、エステル交換反応の最終段階でなく、中間段階で遠心薄膜型蒸発器を用いる方法が開示されている。しかしながら、遠心薄膜型蒸発器は蒸発器の内壁部分のみで薄膜を形成しているため重合器としての容積効率が極めて小さく、充分な反応時間を得ようとすればリアクターが大きくなりすぎ、工業的には好ましくないという別の問題も有していた。
回転攪拌軸を有しない重合器としては、日本国特公昭8−8355号公報に、ポリエステルやポリアミドを製造するための重合器として、加熱装置を有する筒状の反応容器内に実質的に垂直に配置し、上部から下部に至るに従い空隙率を大きくした多孔質物体と、その上方には供給液の分配装置と、下方には生成高分子の取り出し装置を有し、反応容器に反応液から発生する気体の排出設備を設置する重合器について記載されている。しかしながら、芳香族ポリカーボネートを、重合速度が高く、かつ一定の分子量の製品を着色させたり、異物を生成させることなしに安定に製造できる方法については全く開示されていない。
また、不純物や残留塩化メチレンの分離の問題のないエステル交換法により芳香族ポリカーボネートを製造する場合、竪型の攪拌槽型重合器、横型重合器、遠心薄膜型重合器等を用いた従来提案されている重合方式では、フェノールの抜き出し効率の悪さや、非常に大きな攪拌動力の必要性、シェアーによる分子鎖の切断とそれに伴う分子量上昇速度の低下やポリマーの着色、長い熱履歴を経たことにより生成した熱分解物のポリマーへの混入、容積効率の小ささ等、様々な問題を有していた。
このような問題を解決する手段として、本発明者らはUSP No.5,589,564号明細書において、ワイヤに沿わせて落下させながら重合させる方法により、高品質なポリカーボネートを高い重合速度で製造できることを明らかにしたが、更に重合速度を高め、かつ一定の分子量の製品を安定に製造する方法が求められている。
従って、従来技術に付随するこれらの問題がなく、着色や異物の生成を生じることなしに、所望の一定の分子量を有する芳香族ポリカーボネートを高い重合速度で安定的に製造できる、工業的に好ましい製造方法が望まれている。
発明の概要
このような状況下、本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を進めた。その結果、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることを包含するプロセスによって得られる溶融プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料を、重合器中の該ガイド接触落下重合反応ゾーン中に保持され且つ下方に延びる少なくとも1つのガイドに接触させながら落下させて該重合原料の重合を行なう芳香族ポリカーボネートの製造方法において、ガイドとして有孔面状ガイドを使用し、該有孔面状ガイドは、その実質的に厚み方向に延びる複数の貫通孔を有していて該面状ガイドの両面に開口部が形成されるようにすると、意外にも、上記目的を達成できる事を見いだし、本発明を完成するに至った。
従って、本発明の1つの目的は、従来法に付随する上記の問題点を解決し、着色や異物の生成を生じることなしに、所望の一定の分子量を有する芳香族ポリカーボネートを高い重合速度で安定的に製造できる、工業的に好ましい製造方法を提供することにある。
本発明の他の1つの目的は、上記の方法を実施するための重合器を提供することにある。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴及び諸利益は、以下の添付の図面を参照して述べる詳細な説明及び特許請求の範囲の記載から明らかになる。
発明の詳細な説明
本発明の1つの態様によれば、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることを包含するプロセスによって得られる溶融プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料を、原料供給口に連通する原料供給ゾーンとその下部に位置し且つ該原料供給ゾーンに連通するガイド接触落下重合反応ゾーンを含む重合器中の該ガイド接触落下重合反応ゾーン中に保持され且つ下方に延びる少なくとも1つのガイドに接触させながら落下させて該重合原料の重合を行い、該ガイド接触落下重合反応ゾーンの底部でポリマーを得ることを包含する芳香族ポリカーボネートの製造方法において、ガイドとして有孔面状ガイドを使用し、該有孔面状ガイドは、その実質的に厚み方向に延びる複数の貫通孔を有していて該面状ガイドの両面に開口部が形成されている、ことを特徴とする方法が提供される。
又、本発明の他の1つの態様によれば、芳香族ポリカーボネートを製造するための重合器であって、該重合器は原料供給口、該原料供給口に連通する原料供給ゾーン及び該原料供給ゾーンの下部に位置し且つ該原料供給ゾーンに連通するガイド接触落下重合反応ゾーンを含むケーシングを包含し、該ガイド接触落下重合反応ゾーンはその中に保持され且つ下方に延びる少なくとも1つのガイドを有し、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることを包含するプロセスによって得られる溶融プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料が原料供給口から原料供給ゾーンを経てガイド接触落下重合ゾーンに入り、次いで該ガイドに接触落下しながら重合するように構成されており、上記ガイド接触落下重合ゾーンの底部に上記重合によって得られるポリマーの排出口を有し、該ガイドは有孔面状ガイドであって、その実質的に厚みの方向に延びる複数の貫通孔を有していて該面状ガイドの両面に開口部が形成されてなる、ことを特徴とする重合器が提供される。
次に、本発明の理解を容易にするために、まず本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
1.芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることを包含するプロセスによって得られる溶融プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料を、原料供給口に連通する原料供給ゾーンとその下部に位置し且つ該原料供給ゾーンに連通するガイド接触落下重合反応ゾーンを含む重合器中の該ガイド接触落下重合反応ゾーン中に保持され且つ下方に延びる少なくとも1つのガイドに接触させながら落下させて該重合原料の重合を行い、該ガイド接触落下重合反応ゾーンの底部でポリマーを得ることを包含する芳香族ポリカーボネートの製造方法において、ガイドとして有孔面状ガイドを使用し、該有孔面状ガイドは、その実質的に厚み方向に延びる複数の貫通孔を有していて該面状ガイドの両面に開口部が形成されている、ことを特徴とする方法。
2.該面状ガイドが下記式(1)を満足することを特徴とする前項1に記載の方法。
S1/S0≧0.15 (1)
[但し、式(1)において、S0は、該面状ガ
イドが孔を有していないと仮定した面状ガイド
の両面の総面積を表し;そして
S1は、該面状ガイドの両面の開口部の総面積
を表す。]
3.該面状ガイドの両面の開口部が各々独立して0.01〜300cm2の範囲の面積を有することを特徴とする前項1又は2に記載の方法。
4.該面状ガイドの壁面が、平坦面と曲面からなる群から選ばれる少なくとも1つの面であることを特徴とする前項1〜3のいずれかに記載の方法。
5.芳香族ポリカーボネートを製造するための重合器であって、該重合器は原料供給口、該原料供給口に連通する原料供給ゾーン及び該原料供給ゾーンの下部に位置し且つ該原料供給ゾーンに連通するガイド接触落下重合反応ゾーンを含むケーシングを包含し、該ガイド接触落下重合反応ゾーンはその中に保持され且つ下方に延びる少なくとも1つのガイドを有し、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることを包含するプロセスによって得られる溶融プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料が原料供給口から原料供給ゾーンを経てガイド接触落下重合ゾーンに入り、次いで該ガイドに接触落下しながら重合するように構成されており、上記ガイド接触落下重合ゾーンの底部に上記重合によって得られるポリマーの排出口を有し、該ガイドは有孔面状ガイドであって、その実質的に厚みの方向に延びる複数の貫通孔を有していて該面状ガイドの両面に開口部が形成されてなる、ことを特徴とする重合器。
6.上記原料供給ゾーンと上記ガイド接触落下重合反応ゾーンは原料分配板によって仕切られており、該分配板は少なくとも1つの孔を有し、該供給ゾーンは、該孔を介して、ガイド接触落下重合反応ゾーンに連通し、上記ガイドは該分配板の該孔に対応して配設されていることを特徴とする前項5に記載の重合器。
7.該面状ガイドが下記式(1)を満足することを特徴とする前項5又は6に記載の重合器。
S1/S0≧0.15 (1)
[但し、式(1)において、S0、該面状ガ
イドが孔を有していないと仮定した面状ガイド
の両面の総面積を表し;そして
S1は、該面状ガイドの両面の開口部の総面積
を表す。]
8.該面状ガイドの両面の開口部が各々独立して0.01〜300cm2の範囲の面積を有することを特徴とする前項5〜7のいずれかにに記載の重合器。
9.該面状ガイドの壁面が、平坦面と曲面からなる群から選ばれる少なくとも1つの面であることを特徴とする前項5〜8のいずれかに記載の重合器。
従来、フェノール等を効率的に抜き出して芳香族ポリカーボネートを製造しようとする場合、前述した横型重合器の如く回転攪拌により表面更新性を高める試みがなされてきた。しかしながら、驚くべき事に本発明の方法によると、必ずしも回転攪拌が必要でなく、高い重合速度で高品質の芳香族ポリカーボネートを製造できる事も明らかになった。さらにガイドに沿わせて落下させながら重合させる方法において、本発明の方法によれば、ガイドがワイヤや、開口部のない平板等である場合に比べて重合速度が高く、かつ一定の分子量のポリマーを安定に製造できることも明らかとなった。このことも本発明の大きな特徴である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物とは、次式で示される化合物である。
HO−Ar−OH
(式中、Arは2価の芳香族基を表す。)
2価の芳香族基Arは、好ましくは例えば、次式で示されるものである。
−Ar1−Y−Ar2−
(式中、Ar1及びAr2は、各々独立にそれぞれ炭素数5〜70を有する2価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表す。)
2価の芳香族基Ar1、Ar2において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであっても良い。
複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、1ないし複数の環形成窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香族基を挙げる事ができる。
2価の芳香族基Ar1、Ar2は、例えば、置換又は非置換のフェニレン、置換又は非置換のビフェニレン、置換又は非置換のピリジレンなどの基を表す。ここでの置換基は前述のとおりである。
2価のアルカン基Yは、例えば、下記式で示される有機基である。
(式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜11の整数を表し、R5およびR6は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に、水素または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素を表す。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6において、一つ以上の水素原子が反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えばハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されたものであっても良い。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記式で示されるものが挙げられる。
(式中、R7、R8は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基またはフェニル基であって、mおよびnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7はそれぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2〜4の場合には各R8はそれぞれ同一でも異なるものであってもよい。)
さらに、2価の芳香族基Arは、次式で示されるものであっても良い。
−Ar1−Z−Ar2−
(式中、Ar1、Ar2は前述の通りで、Zは単結合又は−O−、−CO−、−S−、−SO2−、−SO−、−COO−、−CON(R1)−などの2価の基を表す。ただし、R1は前述のとおりである。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記式で示されるものが挙げられる。
(式中、R7、R8、mおよびnは前述のとおりである。)
さらに、2価の芳香族基Arの具体例としては、置換または非置換のフェニレン、置換または非置換のナフチレン、置換または非置換のピリジレン等が挙げられる。
本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単一種類でも2種類以上でもかまわない。芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙げられる。
本発明で用いられるジアリールカーボネートは、下記式で表される。
(式中、Ar3、Ar4はそれぞれ1価の芳香族基を表す。)
Ar3及びAr4は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表すが、このAr3、Ar4において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであっても良い。Ar3、Ar4は同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。
1価の芳香族基Ar3及びAr4の代表例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基を挙げる事ができる。これらは、上述の1種以上の置換基で置換されたものでも良い。
好ましいAr3及びAr4としては、それぞれ例えば、下記式で表されるものなどが挙げられる。
ジアリールカーボネートの代表的な例としては、下記式で示される置換又は非置換のジフェニルカーボネート化合物を挙げることができる。
(式中、R9及びR10は、各々独立に水素原子、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜5の整数で、pが2以上の場合には、各R9はそれぞれ異なるものであっても良いし、qが2以上の場合には、各R10は、それぞれ異なるものであっても良い。)
このジアリールカーボネート類の中でも、非置換のジフェニルカーボネート及び、ジトリルカーボネートやジ−t−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキル置換ジフェニルカーボネートなどの対称型ジアリールカーボネートが好ましいが、特にもっとも簡単な構造のジアリールカーボネートであるジフェニルカーボネートが好適である。
これらのジアリールカーボネート類は単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの使用割合(仕込比率)は、用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの種類や、重合温度その他の重合条件によって異なるが、ジアリールカーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常0.9〜2.5モル、好ましくは0.95〜2.0モル、より好ましくは0.98〜1.5モルの割合で用いられる。
本発明の方法で得られる芳香族ポリカーボネートの数平均分子量は、通常500〜100,000の範囲であり、好ましくは2,000〜30,000の範囲である。
上記のように、本発明の方法においては、原料として、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることを包含するプロセスによって得られる溶融プレポリマーから成る群より選ばれる少なくとも1種の重合原料(Polymerizable material)を用いる。尚、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの混合物を加熱溶融させるだけでもある程度重合反応が進むので、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物は、実質的には溶融プレポリマーである。このような意味で、以下屡々、重合原料を「プレポリマー」と称する。また、該プレポリマーが本発明の方法により重合度が高められつつある場合のプレポリマーを、以下単に「ポリマー」と称することがある。
本発明の方法における重合原料としての溶融プレポリマーは、公知のいかなる重合方法によって得られたものでも構わない。
本発明の方法において用いることのできる重合器は、重合原料を有孔面状ガイドに接触させながら落下させて該重合原料のガイド接触落下重合を行うことのできる重合器であり、該有孔面状ガイドには、その実質的に厚み方向に延びる複数の貫通孔が形成され、該面状ガイドの両面に開口部を有してなる。該面状ガイドの壁面は、平坦面と曲面からなる群から選ばれる少なくとも1つの面であることが好ましい。
本発明の方法に用いる有孔面状ガイドは、面状ガイドの長軸に直角に延び、且つ、面状ガイドの壁面に垂直に延びる平面に沿った断面が、面状ガイドの厚みに沿った断面の長さの通常5倍以上、好ましくは10倍以上、更に好ましくは15倍以上の周囲長を有するような寸法を有していることが好ましい。尚、上記断面に関する長さは、面状ガイドが孔も突起も有していないと仮定した長さである。
本発明の方法に用いられる面状ガイドの形状には特に制限はなく、板や円筒、不規則な曲面を有する板等の形状いずれでもかまわない。面状ガイドの壁面の形状にも特に制限はなく、平坦面、曲面、突起物を有する面のいずれであってもかまわない。また、開口部の形状にも特に制限はなく、長方形、正方形、台形、菱形、円形、楕円形、星形、不規則形状等のいずれも好ましい。また、これらの形状が組み合わされていてもかまわない。
本発明の方法に用いられる面状ガイドの具体例としては、ネットタイプ(図1に示す)、パンチドプレートタイプ(図2に示す)等が挙げられる。図1、図2に示すガイドは、各々開口部3a、3bを有し、いずれも、溶融プレポリマーは、溶融プレポリマー落下面2a、2bに接触しながら落下して重合が進行する。
本発明の方法に用いられる面状ガイドの大きさに特に制限はなく、両面の総面積は1つの面状ガイド当たり、通常0.1〜100m2の範囲であり、好ましくは0.4〜20m2の範囲である。
また、面状ガイドの厚みにも特に制限はなく、通常0.5〜200mmの範囲であり、好ましくは1〜50mmの範囲である。面状ガイドの厚みが大きい場合には、貫通孔にポリマーが滞留しないように、貫通孔に傾斜を設けるのも好ましい方法である。
本発明に用いられる該面状ガイドは下記式(1)を満足することが好ましい。
S1/S0≧0.15 (1)
[但し、式(1)において、S0は、該面状ガイドが孔を有していないと仮定した面状ガイドの両面の総面積を表し;そして
S1は、該面状ガイドの両面の開口部の総面積を表す。]
上記の比S1/S0範囲は、0.15〜0.99であることが更に好ましく、0.35〜0.97であることが更に好ましく、0.5〜0.95であることが更に好ましい。S1/S0が0.15より小さい場合には、重合速度が低くなる。この理由については明らかではないが、S1/S0が大きい場合には、開口部では溶融プレポリマーは薄膜を形成して落下し、薄膜の両面が芳香族モノヒドロキシ化合物の蒸発面積となることによって、重合速度を高めているものと推定される。
本発明においては、面状ガイドの両面の総面積(S0)及び面状ガイドの両面の開口部の総面積(S1)は、以下に述べる投影法によって測定することができる。即ち、平行光(レーザー光線)を面状ガイドにその厚み方向に照射して、面状ガイドに対して平行に置いた投影スクリーン上に得られる面状ガイドの投影像から求めることができる。
本発明の方法に用いられる面状ガイド両面の各開口部の面積は、0.01〜300cm2の範囲であることが好ましく、0.05〜150cm2であることがより好ましく、0.1〜100cm2であることが更に好ましい。なお、面状ガイドの両面の個々の開口部の面積は、面状ガイドの両面の総面積(S0)及び面状ガイドの両面の開口部の総面積(S1)の場合と同様に、上記の投影法によって得られる面状ガイドの投影像から求めることができる。各開口部の面積が0.01cm2より小さい場合は、製造する芳香族ポリカーボネートの分子量の安定性に問題が生じる。すなわち、重合器出口から取り出される芳香族ポリカーボネートの分子量が1分〜数10分単位の短いタイムスケールの中で変動し、一定した分子量の芳香族ポリカーボネートを得ることができない。この理由についても明らかではないが、開口部の面積が小さい場合には、落下する溶融プレポリマーの流路が不安定になるために、溶融プレポリマーが、落下面全体に均一に落下しない等の理由により、溶融プレポリマーの落下に要する時間が一定しない、すなわち、滞留時間分布を生じやすいことによると推定される。また、開口部1個当たりの面積が300cm2より大きい場合には、重合速度が小さくなると共に、製造する芳香族ポリカーボネートの分子量の安定性も低下する。この、重合速度が低下し、また分子量の安定性が低下する原因としては、開口面積が大きすぎると、落下する溶融プレポリマーの一部が開口部で薄膜を形成しにくくなり、開口部を避けて落下してしまう、すなわち、ショートパスしやすくなるためと推定している。
本発明の方法に用いられる重合器には、面状ガイドが1個又は複数個設置される。面状ガイドの設置方法に特に制限はないが、溶融プレポリマーが該壁面に沿って鉛直方向に落下するように設置されることが好ましい。例えば、図3(a)及び図3(b)に示す重合器における分配板7に直接的又は間接的に固定したり、重合器内壁面から出たロッドに固定したり、重合器の上部内壁から吊り下げたワイヤなどに固定したりすることができる。更に、ガイドの具体的な固定方法としては特に限定はないが、例えば、溶接、接着、ボルト止め等の通常用いられる固定方法を用いることができる。また、複数個の面状ガイドを設置する場合、各面状ガイド間の距離は、各ガイドの最も近接した部位において通常0.5〜30cmの範囲であり、好ましくは、2〜20cmの範囲であり、更に好ましくは4〜10cmの範囲である。また、複数個の面状ガイドが、複数のワイヤや平板等により連結され、実質的に一体化されるのも好ましい方法である。
面状ガイドに接触させながら溶融プレポリマーを落下させる方法に特に制限はないが、通常、面状ガイドの上部に備えられた、1個又は2個以上の孔を有する分配板の孔から溶融プレポリマーを供給する。孔の形状に特に制限はなく、円形状、楕円形状、スリット状、三角形状等の中から選択される。また、孔を貫通して面状ガイドが設置されるのも好ましい方法である。
上記分配板は、通常、平板、波板、中心部が厚くなった板などから選ばれ、分配板の形状についは、通常、円状、長円状、三角形状、多角形状などの形状から選ばれる。
分配板の孔は、通常、円状、長円状、三角形状、スリット状、多角形状、星形状などの形状から選ばれる。孔の断面積は、通常、0.01〜100cm2であり、好ましくは0.05〜10cm2であり、特に好ましくは0.1〜5cm2の範囲である。分配板が複数の孔を有する際は、孔と孔との間隔は、孔の中心と中心の距離で通常、1〜500mmであり、好ましくは25〜100mmである。分配板の孔は、分配板を貫通させた孔であっても、分配板に管を取り付けた場合でもよい。また、下方向に又は上方向に孔径の減少するテーパー状になっていてもよい。また、ガイドとは、水平方向の断面の外周の平均長さに対して該断面と垂直方向の長さの比率が非常に大きい材料を表すものである。該比率は、通常、10〜1000,000の範囲であり、好ましくは50〜100,000の範囲である。水平方向の断面の形状は、通常、円状、長円状、三角形状、四角形状、多角形状、星形状などの形状から選ばれる。該断面の形状は長さ方向に同一でもよいし異なっていてもよい。また、ガイドは中空状のものでもよい。
上記の分配板を通じて溶融プレポリマーを面状ガイドに沿わせて落下させる方法としては、液ヘッドまたは自重で落下させる方法、またはポンプなどを使って加圧にすることにより、分配板から溶融プレポリマーを押し出す等の方法が挙げられる。孔の数に特に制限はなく、反応温度や圧力などの条件、触媒の量、重合させる分子量の範囲等によっても異なるが、通常ポリマーを例えば100kg/hr製造する際には、10〜105個の孔が必要である。孔を通過した後、面状ガイドに沿わせて落下させる高さは、好ましくは0.3〜50mであり、さらに好ましくは0.5〜30mである。孔を通過させる溶融プレポリマーの流量は、溶融プレポリマーの分子量によっても異なるが通常、孔1個当たり、10−4〜104リットル/hr、好ましくは10−2〜102リットル/hr、特に好ましくは、0.05〜50リットル/hrの範囲である。面状ガイドに沿わせて落下させるのに要する時間に特に制限はないが、通常0.01秒〜10時間の範囲である。ガイドに沿わせて落下させながら重合させたポリマーは、そのまま液溜部に落下させてもよく、また巻き取り器等で強制的に液溜部に取り込んでもよい。さらに、面状ガイドに沿わせて落下させた後の重合物はそのまま抜き出されても良いが、循環させて、再びガイドに沿わせて落下させながら重合させるのも好ましい方法である。この場合、面状ガイドに沿わせて落下させた後の液溜部や循環ライン等で重縮合反応に必要な反応時間に応じて滞留時間を長くすることができる。また、面状ガイドに沿わせて落下させながら循環を行うことにより単位時間に形成し得る新規な液表面積が大きく取れるため、所望の分子量まで充分重合を進行させる事が容易となる。
本発明の方法によって芳香族ポリカーボネートを製造する際、本発明において規定する条件を満足する面状ガイドを有する重合器は1基用いても良いし、又は2基以上組み合わせて用いても構わない。また、本発明において規定される条件を満足する重合器と他の重合器を組み合わせて芳香族ポリカーボネートを製造することも可能である。例えば重合の初期に芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートから竪型攪拌槽を用いて重合して溶融プレポリマーを製造し、そのプレポリマーを本発明の条件を満足する重合器を用いて重合する方法等は、本発明の好ましい態様の一つである。
本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートを反応させて芳香族ポリカーボネートを製造するに当たり、反応の温度は、通常50〜350℃、好ましくは100〜290℃の温度の範囲で選ばれる。
反応の進行にともなって、芳香族モノヒドロキシ化合物が生成してくるが、これを反応系外へ除去する事によって反応速度が高められる。従って、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素や低級炭化水素ガスなど反応に悪影響を及ぼさない不活性なガスを導入して、生成してくる芳香族モノヒドロキシ化合物をこれらのガスに同伴させて除去する方法や、減圧下に反応を行う方法などが好ましく用いられる。好ましい反応圧力は、製造する芳香族ポリカーボネートの種類や分子量、重合温度等によっても異なるが、例えばビスフェノールAとジフェニルカーボネートから芳香族ポリカーボネートを製造する場合、数平均分子量が1,000以下の範囲では、6,660Pa(50mmHg)〜常圧の範囲が好ましく、数平均分子量が1,000〜2,000の範囲では、400Pa(3mmHg)〜6,660Pa(50mmHg)の範囲が好ましく、数平均分子量が2,000を超える範囲では、2,670Pa(20mmHg)以下、特に1,330Pa(10mmHg)以下が好ましく、更に267Pa(2mmHg)以下が好ましい。
減圧下で、かつ前述した不活性ガスを重合器内に導入しながら反応を行う方法も好ましく用いられる。また、あらかじめ不活性ガスを吸収させた溶融プレポリマーを用いて重合させることも好ましい方法である。
エステル交換反応は、触媒を加えずに実施する事ができるが、重合速度を高めるため、必要に応じて触媒の存在下で行われる。重合触媒としては、この分野で用いられているものであれば特に制限はないが、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムなどのホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素化合物類;リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメトキシドなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルコキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(Arはアリール基)などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシドなどの亜鉛化合物類;酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、(R1R2R3R4)NB(R1R2R3R4)で表されるアンモニウムボレート類、(R1R2R3R4)PB(R1R2R3R4)で表されるホスホニウムボレート類(R1、R2、R3、R4は前記の説明通りである。)なとのホウ素の化合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素などのケイ素の化合物類;酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシドなどのゲルマニウムの化合物類;酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシドなどのアルコキシ基またはアリーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合物などのスズの化合物類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸塩、鉛及び有機鉛のアルコキシドまたはアリーロキシドなどの鉛の化合物;第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩などのオニウム化合物類;酸化アンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモンの化合物類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなどのマンガンの化合物類;酸化チタン、チタンのアルコキシドまたはアリーロキシドなどのチタンの化合物類;酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコキシド又はアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトンなどのジルコニウムの化合物類などの触媒を挙げる事ができる。
触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だけで用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。また、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常10−8〜1重量%、好ましくは10−7〜10−1重量%の範囲で選ばれる。
本発明の方法に用いられる面状ガイド及び重合器の材質に特に制限はなく、通常金属類や樹脂類、セラミック類等から選ばれ、より具体的には、ステンレススチール、ニッケル、ガラス等から選ばれる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例及び比較例によって、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
本発明の実施例及び比較例における測定及び評価方法は、以下の通りである。(1)芳香族ポリカーボネートの数平均分子量(Mn)の測定
芳香族ポリカーボネート0.8gをテトラヒドロフラン100mlに溶解させて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC){カラム:TSK−GEL,日本国東ソー(株)社製;溶媒:テトラヒドロフラン}法で測定を行い、標準単分散ポリスチレンを用いて得た下記式によって表される換算分子量較正曲線を用いて数平均分子量(Mn)を求めた。
MPC=0.3591MPS 1.0388
(式中、MPCは芳香族ポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレンの分子量を表す。)
(2)芳香族ポリカーボネートのカラーの評価
射出成形機(J100E,日本国日本製鋼社製)を用い、芳香族ポリカーボネートをシリンダー温度290℃、金型温度90℃で連続成形し、縦50mm×横50mm×厚さ3.2mmの試験片を得た。得られた試験片のカラーをCIELAB法(Comission Inetrnationale de l’Eclairage 1976 L*a*b Diagram)により測定し、黄色度をb*値でした。
(3)芳香族ポリカーボネート中の微小異物量の測定
芳香族ポリカーボネート中に含まれる0.5〜20μmの範囲の微小異物の量を、液中微粒子計測器(HIAC/ROYCO MODEL 346B,英国Pacific Scientific LTD社製)によって測定した。測定は、芳香族ポリカーボネートの塩化メチレン溶液について行った。
実施例1
図3(a)に示すような、図1に示されるネットタイプの面状ガイド1を有する円筒状の重合器5を用いて反応を行った。この重合器5は、内径0.3mであり、直径3mmのワイヤから作製された幅10.3cm、高さ8m、ピッチ2.5cmのネットタイプの面状ガイド1を2枚有しており、これらの上端部は分配板7に直接取付けられている。2枚の面状ガイドの間隔は80mmである。開口部1個の面積は4.84cm2であり、ネット両平面の総面積Soに対するネット両平面の開口部の総面積S1の比S1/Soは0.75である。重合器5に供給された溶融プレポリマーは、図3(b)に示すように、分配板7の直径3mmの10個の孔8により各面状ガイドに分配されるようになっている。重合器5の外側にはジャケット(図示せず)が取付けられており、熱媒で加温されている。
ビスフェノールAとジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比1.06)及び水酸化ナトリウム(ビスフェノールA1kgに対し、3×10−6モル)を竪型攪拌槽で窒素雰囲気下180℃で溶融させた後、230℃、9,300Paで1時間、270℃、1,000Paで2時間重合させ、窒素により重合器を常圧に戻してさらに1時間攪拌させて、数平均分子量(Mn)4,000の溶融プレポリマーを製造した。この溶融プレポリマーを、供給口6から20kg/hrの流量で重合器5に連続的に供給し、270℃、圧力100Paの条件下で、面状ガイドに沿わせて溶融プレポリマーを落下させながら重合させ、排出ポンプ10によって排出口11から連続的に抜き出しながら芳香族ポリカーボネートを製造した。運転を開始してから50時間後に、重合器から排出される芳香族ポリカーボネートを5分間隔で10回サンプリングしてMnを測定したところ、Mnの平均値は11,500、最小値は11,400、最大値は11,700であり、最大値と最小値の差は300であった。また、運転開始から50時間後に排出口11から排出された芳香族ポリカーボネートは、着色のない(b*値3.4)透明なポリマーであり、0.5〜20μmの範囲の微小異物の量は970個/gと少なかった。
実施例2〜10
面状ガイドの幅、高さ、ピッチ、ワイヤ直径、重合条件が異なる他は実施例1と同様な方法により、芳香族ポリカーボネートを製造した。条件と結果をまとめて表1に示す。
比較例1
面状ガイドとして、開口部がなく、幅10.3cm、高さ8m、厚み3mmのSUS316製平板を2枚用いる他は実施例1と同様な方法により、芳香族ポリカーボネートを製造した。運転を開始してから50時間後に、重合器から排出される芳香族ポリカーボネートを5分間隔で10回サンプリングしてMnを測定したところ、Mnの平均値は9,570、最小値は9,100、最大値は10,000であり、最大値と最小値の差は900であった。運転開始から50時間後に得られた芳香族ポリカーボネートは、着色のない(b*値3.4)透明なポリマーであり、0.5〜20μmの範囲の微小異物の量は980個/gと少なかった。
比較例2
重合器のガイドとして、直径3mm、高さ8mmのSUS316製ワイヤ10本を、その各々の上端部が分配板の10個の孔の中心の直下にくるようにとりつけたものを用いる他は実施例1と同様な方法により、芳香族ポリカーボネートを製造した。運転を開始してから50時間後に、重合器から排出される芳香族ポリカーボネートを5分間隔で10回サンプリングしてMnを測定したところ、Mnの平均値は9,480、最小値は9,000、最大値は10,000であり、最大値と最小値の差は1,000であった。運転開始から50時間後に得られた芳香族ポリカーボネートは、着色のない(b*値3.4)透明なポリマーであり、0.5〜20μmの範囲の微小異物の量は970個/gと少なかった。
比較例3
重合器5のかわりに回転直径0.25mの攪拌軸を2本有する長さ6mの横型攪拌槽を用い、実施例1と同様に重合して得られた溶融プレポリマーを横型攪拌槽に連続的に供給して重合を行った。プレポリマーの供給量、重合温度、及び重合圧力は実施例1と同様にした。攪拌の回転数は10rpmである。運転を開始してから50時間後に、重合器から排出される芳香族ポリカーボネートを5分間隔で10回サンプリングしてMnを測定したところ、Mnの平均値は7,490、最小値は7,200、最大値は7,700であり、最大値と最小値の差は500であった。運転開始から50時間後に得られた芳香族ポリカーボネートには、着色が認められた(b*値3.8)。また、0.5〜20μmの範囲の微小異物の量は4,800個/gであった。
実施例11
面状ガイドが、幅12cm、高さ8m、厚み3mmの2枚のSUS316製平板に開口部を設けた、図2に示すようなパンチドプレートタイプである他は実施例1と同様な方法により、芳香族ポリカーボネートを製造した。開口部は直径3cmの円形であり、隣接する開口部の中心間の距離(ピッチ)が6cmとなるようにジグザグに配置し、1枚の面状ガイド当たり228個の開口部が設けられている。開口部1個の面積は7.07cm2であり、平面部の総面積S0に対する開口部の総面積S1の比S1/S0は0.17である。運転を開始してから50時間後に、重合器から排出される芳香族ポリカーボネートを5分間隔で10回サンプリングしてMnを測定したところ、Mnの平均値は11,370、最小値は11,200、最大値は11,550であり、最大値と最小値の差は350であった。運転開始から50時間後に得られた芳香族ポリカーボネートは、着色のない(b*値3.4)透明なポリマーであり、0.5〜20μmの範囲の微小異物の量は990個/gと少なかった。
実施例12〜15
パンチドプレートタイプの面状ガイドの開口部の直径、ピッチ、開口部の数が異なる他は実施例11と同様な方法により、芳香族ポリカーボネートを製造した。条件と結果をまとめて表2に示す。
実施例16
ビスフェノールAとジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比1.06)及び水酸化ナトリウム(ビスフェノールA1kgに対し、3×10−6モル)を竪型攪拌槽で窒素雰囲気下180℃で溶融させた後、230℃、9,300Paで1時間、270℃、3,300Paで2時間重合させ、窒素により重合器を常圧に戻してさらに1時間攪拌させて、Mn2,500の溶融プレポリマーを製造した。
この溶融プレポリマーを用いて、重合圧力を150Paとする他は実施例1と同様な方法により重合させて芳香族ポリカーボネートを製造した。運転を開始してから50時間後に、重合器から排出される芳香族ポリカーボネートを5分間隔で10回サンプリングしてMnを測定したところ、Mnの平均値は9,320、最小値は9,250、最大値は9,400であり、最大値と最小値の差は150であった。運転開始から50時間後に得られた芳香族ポリカーボネートは、着色のない(b*値3.4)透明なポリマーであり、0.5〜20μmの範囲の微小異物の量は960個/gと少なかった。
実施例17
ビスフェノールAのかわりに1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを用いる他は実施例1と同様に重合させて得られたMnが4,000の溶融プレポリマーを用いる以外は、実施例1と同様な方法により芳香族ポリカーボネートを製造した。運転を開始してから50時間後に、重合器から排出される芳香族ポリカーボネートを5分間隔で10回サンプリングしてMnを測定したところ、Mnの平均値は11,120、最小値は10,900、最大値は11,300であり、最大値と最小値の差は400であった。運転開始から50時間後に得られた芳香族ポリカーボネートは、着色のない(b*値3.5)透明なポリマーであり、0.5〜20μmの範囲の微小異物の量は1,050個/gと少なかった。
実施例18
ビスフェノールAのかわりに1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンを用いる他は実施例1と同様にして重合させて得られたMnが4,000の溶融プレポリマーを用いる以外は、実施例1と同様な方法によりに芳香族ポリカーボネートを製造した。運転を開始してから50時間後に、重合器から排出される芳香族ポリカーボネートを5分間隔で10回サンプリングしてMnを測定したところ、Mnの平均値は11,030、最小値は10,800、最大値は11,200であり、最大値と最小値の差は400であった。運転開始から50時間後に得られた芳香族ポリカーボネートは、着色のない(b*値3.5)透明なポリマーであり、0.5〜20μmの範囲の微小異物の量は1,250個/gと少なかった。
産業上の利用可能性
本発明による芳香族ポリカーボネートの製造方法は、従来法の問題点、即ち、フェノールの抜き出し効率の悪さや、非常に大きな攪拌動力の必要性、シェアーによる分子鎖の切断とそれに伴う分子量上昇速度の低下やポリマーの着色、長い熱履歴を経たことにより生成した熱分解物のポリマーへの混入、容積効率の小ささ等の問題がない。本発明の方法を用いると、着色や異物の生成を生じることなしに、所望の一定の分子量を有する芳香族ポリカーボネートを高い重合速度で安定的に製造できるので、工業的に有利である。
【図面の簡単な説明】
添付の図面において:
図1は、本発明に用いられる有孔面状ガイドの一例を示す模式図であり;
図2は、本発明に用いられる有孔面状ガイドの他の一例を示す模式的であり;
図3(a)は、本発明の方法を実施するための重合器の1例を正面から示す概略断面図であり;そして
図3(b)は、図3(a)の重合器を上から見た概略断面図である。
符号の説明
1. ネットタイプの面状ガイド
2a、2b. 溶融プレポリマー落下面
3a、3b. 開口部
4. パンチドプレートタイプの面状ガイド
5. 重合器
6. 供給口
7. 分配板
8. 孔
9. ベント口
10.排出ポンプ
11.排出口
Claims (9)
- 芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることを包含するプロセスによって得られる溶融プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料を、原料供給口に連通する原料供給ゾーンとその下部に位置し且つ該原料供給ゾーンに連通するガイド接触落下重合反応ゾーンを含む重合器中の該ガイド接触落下重合反応ゾーン中に保持され且つ下方に延びる少なくとも1つのガイドに接触させながら落下させて該重合原料の重合を行い、該ガイド接触落下重合反応ゾーンの底部でポリマーを得ることを包含する芳香族ポリカーボネートの製造方法において、ガイドとして有孔面状ガイドを使用し、該有孔面状ガイドは、その実質的に厚み方向に延びる複数の貫通孔を有していて該面状ガイドの両面に開口部が形成されている、ことを特徴とする方法。
- 該面状ガイドが下記式(1)を満足することを特徴とする請求項1に記載の方法。
S1/S0≧0.15 (1)
[但し、式(1)において、S0は、該面状ガ
イドが孔を有していないと仮定した面状ガイド
の両面の総面積を表し;そして
S1は、該面状ガイドの両面の開口部の総面積
を表す。] - 該面状ガイドの両面の開口部が各々独立して0.01〜300cm2の範囲の面積を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 該面状ガイドの壁面が、平坦面と曲面からなる群から選ばれる少なくとも1つの面であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
- 芳香族ポリカーボネートを製造するための重合器であって、該重合器は原料供給口、該原料供給口に連通する原料供給ゾーン及び該原料供給ゾーンの下部に位置し且つ該原料供給ゾーンに連通するガイド接触落下重合反応ゾーンを含むケーシングを包含し、該ガイド接触落下重合反応ゾーンはその中に保持され且つ下方に延びる少なくとも1つのガイドを有し、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることを包含するプロセスによって得られる溶融プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料が原料供給口から原料供給ゾーンを経てガイド接触落下重合ゾーンに入り、次いで該ガイドに接触落下しながら重合するように構成されており、上記ガイド接触落下重合ゾーンの底部に上記重合によって得られるポリマーの排出口を有し、該ガイドは有孔面状ガイドであって、その実質的に厚みの方向に延びる複数の貫通孔を有していて該面状ガイドの両面に開口部が形成されてなる、ことを特徴とする重合器。
- 上記原料供給ゾーンと上記ガイド接触落下重合反応ゾーンは原料分配板によって仕切られており、該分配板は少なくとも1つの孔を有し、該供給ゾーンは、該孔を介して、ガイド接触落下重合反応ゾーンに連通し、上記ガイドは該分配板の該孔に対応して配設されていることを特徴とする請求項5に記載の重合器。
- 該面状ガイドが下記式(1)を満足することを特徴とする請求項5又は6に記載の重合器。
S1/S0≧0.15 (1)
[但し、式(1)において、S0は、該面状ガ
イドが孔を有していないと仮定した面状ガイド
の両面の総面積を表し;そして
S1は、該面状ガイドの両面の開口部の総面積
を表す。] - 該面状ガイドの両面の開口部が各々独立して0.01〜300cm2の範囲の面積を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれかにに記載の重合器。
- 該面状ガイドの壁面が、平坦面と曲面からなる群から選ばれる少なくとも1つの面であることを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の重合器。
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