JP5604168B2 - ポリエーテルポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

ポリエーテルポリカーボネートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリエーテルポリカーボネートの製造方法に関する。
ポリカーボネートは、耐衝撃性、耐候性、透明性等に優れており、特に芳香族ポリカーボネートは光学材料や建築材料等に使用されている。
一方、脂肪族ポリカーボネートも同様の特性を有することから、種々の用途が提案されている。例えば、芳香族ポリカーボネートと共重合体を成すことで、低光弾性定数の樹脂となることが知られている(例えば、特許文献1参照)。また特定の脂肪族ポリカーボネートは、これを主成分とすることで粘着剤同士は粘着するが、指や物品には粘着性が低い「選択的粘着性」を有する粘着剤となることも知られている(例えば、特許文献2参照)。
脂肪族ポリカーボネートのうち、繰り返し単位がオキシアルキレン基であるポリエーテルポリカーボネートは、液状のものは潤滑剤(例えば、特許文献3参照)や熱可塑性ポリウレタンの前駆体(例えば、特許文献4参照)となることが知られている。また、ポリエーテルポリカーボネートにおいても、「選択的粘着性」を有するものが知られている(例えば、特許文献5参照)。
このようなポリカーボネートの製造方法としては、炭酸エステルとジオールとをエステル交換させ重縮合する方法が広く用いられている(例えば、特許文献6〜9参照)。
特開2005−42032号公報 特開平9−235537号公報 特開平9−508674号公報 特開2005−232447号公報 特開2009−41004号公報 特開2007−154211号公報 特開2000−319379号公報 特開2002−12659号公報 特開2008−24807号公報
炭酸エステルとジオールとをエステル交換させ重縮合することによりポリカーボネートを製造する方法では、重縮合反応を効率的に進めるために、エステル交換反応によって副生する水酸基を有する化合物(例えばアルコール類、フェノール類)を系外へと効率的に除去することが望ましい。しかしながら、重縮合反応の進行により反応生成物の分子量が増加し系内の溶融粘度は急激に上昇するため、副生する水酸基を有する化合物の留去が困難となり、実質上重縮合反応が進行しなくなる。
この問題に対しては、1)溶融粘度の上昇する重縮合反応の後期工程について、系内の温度を高温にして溶融粘度を低下させ撹拌を実施する方法(上記特許文献6)や、2)複数の反応器を用いて、重縮合反応の後期工程を、2軸の機械的撹拌装置を有する横型反応器等により実施する方法が提案されている(上記特許文献7〜9)。しかしながら、特許文献6の方法においても得られる芳香族ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は12000〜30000の範囲である。特許文献7〜9の方法では、特殊な反応装置を必要としたり、複数の反応器を用いることにより反応操作が煩雑となったり、また、反応生成物の熱分解に起因するポリカーボネートの品質劣化が懸念される。
また、副生する水酸基を有する化合物の系外への排出を高速撹拌により促進することも考えられるが、特に、炭酸エステルとポリエーテルジオールとのエステル交換、重縮合反応によりポリエーテルポリカーボネートを製造するに際しては、撹拌剪断力による反応生成物の分解が顕著に起こり、急激な重量平均分子量の低下が起こることが見出された。
従って、本発明の課題は、特殊な反応装置や複数の反応器を必要とせず、反応生成物の熱分解や撹拌剪断力による分解の問題を生じずに高分子量のポリエーテルポリカーボネートの製造方法を提供することにある。
本発明は、炭酸エステルとポリエーテルジオールとを反応させてポリエーテルポリカーボネートを製造するに際し、ポリエーテルポリカーボネートの重量平均分子量が10万以上の反応を、単位体積当りの撹拌所要動力が0.01〜25kw/mの範囲となる撹拌条件で反応を行うポリエーテルポリカーボネートの製造方法を提供する。
本発明により、特殊な反応装置や複数の反応器を必要とせず、反応生成物の熱分解や撹拌剪断力による分解の問題を生じずに高分子量のポリエーテルポリカーボネートの製造方法を提供することができる。
[ポリエーテルポリカーボネート]
本発明において、ポリエーテルポリカーボネートは、下記一般式(I)で表される構成単位を有するポリエーテルポリカーボネートが好適である。
Figure 0005604168
〔式中、Aは炭素数2〜6のアルキレン基、nは平均値で5〜1000の数、pは平均値で5〜100の数であり、(n×p)個のAは同一でも異なっていても良い。〕
一般式(I)において、Aは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、(n×p)個のAは同一でも異なっていても良いが、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましく、エチレン基とプロピレン基の混合基が更に好ましい。
また、異なるアルキレンオキシ基からなる場合、これらはブロック構造でも、ランダム構造でもよいが、ランダム構造がより好ましい。
一般式(I)において、nは、アルキレンオキシ基の平均付加モル数を示す5〜1000の数であり、好ましくは7〜700、更に好ましくは10〜500の数である。pは[(AO)COO]基の平均繰り返し数を示す5〜100の数であり、5〜50の数が好ましい。
ポリエーテルポリカーボネートの重量平均分子量は、べたつきを少なくする観点から、8万以上が好ましく、10万以上がより好ましく、13万以上が更に好ましく、15万以上が特に好ましい。また用途にもよるが、「選択的粘着性」を有する粘着剤として用いる場合、常温で十分な粘着性を示す観点から、100万以下が好ましく、50万以下がより好ましく、30万以下が更に好ましい。
なお、ポリエーテルポリカーボネートの重量平均分子量は、下記実施例に記載の方法により測定した値である。
[ポリエーテルポリカーボネートの製造方法]
本発明のポリエーテルポリカーボネートの製造方法においては、炭酸エステルとポリエーテルジオールとを反応させてポリエーテルポリカーボネートを製造するに際し、単位体積当りの撹拌所要動力が0.01〜25kw/mの範囲となる撹拌条件で反応を行う。
本発明の方法に用いられる炭酸エステルとしては、炭素数1〜12のアルコールの炭酸エステルが好ましく、特に限定されるものではないが、具体的には、炭酸ジメチル、炭酸ジフェニル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン等が挙げられ、炭酸ジメチル、炭酸ジフェニルが好ましい。
本発明の方法に用いられるポリエーテルジオールは、下記一般式(II)で表される化合物が好適である。
HO−(AO)−H (II)
[式中、Aは炭素数2〜6のアルキレン基、nは平均値で5〜1000の数、n個のAは同一でも異なっていても良い。]
一般式(II)において、Aは炭素数2〜6のアルキレン基を示し、n個のAは同一でも異なっていても良いが、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2又は3のアルキレン基がより好ましく、エチレン基とプロピレン基が混合しているものが更に好ましい。
また、異なるアルキレンオキシ基からなる場合、これらはブロック構造でも、ランダム構造でもよいが、ランダム構造がより好ましい。
一般式(II)において、nはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を示し、5〜1000の数であり、好ましくは7〜700、更に好ましくは10〜500の数である。
本発明の方法に用いられるポリエーテルジオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体が好ましく、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合により得られるランダム共重合体がより好ましい。ポリエーテルジオールとして市販品を用いることもでき、例えばアデカポリエーテルPR-3005、3007、PR-5007(株式会社ADEKA製)等が挙げられる。
本発明に用いられるポリエーテルジオールの数平均分子量は、水やアルコールへの溶解性に優れる取扱い性の良好なポリエーテルポリカーボネートを得る観点から、200〜50000が好ましく、400〜20000がより好ましい。
本発明の方法においては、ポリエーテルジオール以外に、他のポリオールを共存させてもよい。他のポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、テトラメチレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等のジオール、グリセリン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等のポリオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物等の芳香族含有ジオール等が挙げられる。
全ポリオールに対するポリエーテルジオールの割合は、50重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上が更に好ましい。
炭酸エステルとポリエーテルジオールをエステル交換する際の炭酸エステルとポリエーテルジオールとの反応モル比は、選択的粘着性発現の観点から、炭酸エステルのモル数/ポリエーテルジオールのモル数として、1/0.9〜1/1.1が好ましく、1/0.95〜1/1.05がより好ましい。
炭酸エステルとポリエーテルジオールをエステル交換する際には、通常のエステル交換反応触媒が使用できる。このような触媒としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びそれらのアルコキシド、水素化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、酸化物や、亜鉛、アルミニウム、スズ、チタン、鉛、ゲルマニウム、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、マンガン、ジルコニウムなどの化合物があげられる。また、トリエチルアミン、イミダゾールなどの有機塩基化合物を用いることもできる。これらの触媒の中では、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の化合物、スズ、チタンなどの化合物が好ましい。
エステル交換反応は、炭酸エステル、ポリエーテルジオール及び触媒を反応器に仕込み、単位体積当りの撹拌所要動力が0.01〜25kw/mの範囲となる撹拌条件で行う。撹拌剪断力による反応生成物の分解を抑制し、品質の良好なポリエーテルポリカーボネートを得る観点から、単位体積当りの撹拌所要動力が0.01〜15kw/mとなる撹拌条件で反応を行うのが好ましく、0.01〜5kw/mとなる撹拌条件で反応を行うのがより好ましい。ここで、単位体積当りの撹拌所要動力とは、日置電機株式会社製 HIOKI3169 クランプオン パワーハイテスタを用いて、反応中の攪拌動力(単位kw)の測定値と反応原料仕込み前の空転動力(単位kw)の測定値の差を求め、更にその値を仕込んだ反応原料の体積(単位m)で除した値である。
本発明において、炭酸エステルとポリエーテルジオールのエステル交換、重縮合反応は、単一の反応器を用いて行うことができる。反応の形式はバッチ式、連続式、バッチ式と連続式の組合わせのいずれの方法でもよく、使用する装置は槽型、管型、塔型、竪型、横型のいずれの形式であってもよい。具体的には、撹拌翼を具備した竪型反応器を好ましく用いることができる。撹拌翼としては、特に制限はなく、エッジドタービン翼、タービン翼、スクリュー翼、パドル翼、アンカー翼、ヘリカルリボン翼、ダブルヘリカルリボン翼、格子型翼等の当分野において知られている撹拌翼を使用できる。
反応に使用する反応器の反応器内径(D[m])と撹拌翼直径(d[m])の比d/Dは、均一に反応させる観点から、0.3〜0.98が好ましく、0.6〜0.98がより好ましい。
また、反応時の撹拌翼の撹拌回転数は、本願所定の撹拌所要動力条件を満たす限り特に制限はないが、安定な操業を行う観点から、1〜300r/minが好ましく、1〜50r/minがより好ましい。
炭酸エステルとポリエーテルジオールのエステル交換反応における反応温度は、反応生成物の熱分解を抑制し、品質の良好なポリエーテルポリカーボネートを得る観点から、80〜300℃が好ましく、100〜250℃がより好ましく、120〜200℃が更に好ましく、120〜180℃が特に好ましい。
エステル交換反応における反応圧力は常圧でもよいが、減圧下が好ましい。減圧の場合、副生する水酸基を有する化合物の揮発が促進され効果的に副生する水酸基を有する化合物を系外に除去することができ、ポリエーテルポリカーボネートの重縮合反応を効率的に進めることができる。減圧条件としては0.1kPa〜67kPa(絶対圧)が好ましく、0.1kPa〜40kPa(絶対圧)がより好ましい。
常圧の場合、窒素などの不活性気体を流通させることで副生する水酸基を有する化合物の系外への除去を促進することができる。更に、減圧と不活性気体の流通を併用することで、より効果的に副生する水酸基を有する化合物を系外に除去することができる。不活性気体としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の周期表第18族の元素、及び窒素が挙げられるが、取り扱い性、入手容易性、コスト等の観点から窒素が好ましい。不活性ガスの流通条件としては、仕込み容量に対して、好ましくは0.1倍〜20倍、より好ましくは0.1倍〜10倍、更に好ましくは1〜5倍の不活性ガスを流通させることが好適である。また、不活性ガスの流通方法としては、副生する水酸基を有する化合物の系外への除去を促進する観点から、反応器底部等から不活性ガスを供給するなどして、反応器内容物中に不活性ガスを流通させる方法(即ち、バブリング処理)が好ましい。
反応の進度に応じて、連続的に又は段階的に、撹拌翼回転数等の撹拌操作条件を変化させることもできる。本願所定の撹拌所要動力条件を満たしつつ、撹拌翼回転数等の撹拌操作条件を変化させることにより、撹拌剪断力による分解を最小限に抑えつつ、撹拌効率を高めることができるため、品質の良好なポリエーテルポリカーボネートを短時間且つ安定に製造することができる。例えば、重縮合反応が進むにつれてポリエーテルポリカーボネートの分子量が増大し粘度が上昇するが、所定の粘度に達するまでは本願所定の範囲において高い撹拌所要動力となるよう撹拌操作条件を設定し(例えば、撹拌翼回転数を高く設定)、所定の粘度(即ち、所望の分子量)に達したら本願所定の範囲において低い撹拌所要動力となるよう撹拌操作条件を設定(例えば、撹拌翼回転数を低く設定)することで、短時間且つ安定に品質の良好なポリエーテルポリカーボネートを製造することができる。
反応終了後、得られたポリエーテルポリカーボネートに炭素数1〜4のアルコールを添加し、均一に希釈・溶解させることで、収率良く反応器から抜き出すことができる。アルコールを添加しポリエーテルポリカーボネートを希釈・溶解する温度は15〜120℃が好ましく、50〜120℃がより好ましく、60〜100℃が更に好ましい。希釈・溶解操作の圧力は常圧でも加圧でもよい。
反応終了後、得られたポリエーテルポリカーボネートの分解を抑制する観点から、好ましくは160℃以下、より好ましくは120℃以下、更に好ましくは80℃以下に冷却することが好適である。得られたポリエーテルポリカーボネートを冷却する方法においては、ジャケットや内部コイルに冷却水、冷媒を通液し冷却することができる。更に、反応槽に炭素数1〜4のアルコールを投入し、溶媒の顕熱及び溶媒の蒸発潜熱を利用した冷却方法を用いることができる。この時、反応槽の内容物の粘度も低下することから熱伝導の促進効果が期待できる。冷却速度は、得られたポリエーテルポリカーボネートの分解を抑制する観点から、速い方が好ましく、好ましくは20℃/hr以上、より好ましくは25℃/hr以上、更に好ましくは30℃/hr以上とすることが好適である。また、設備負荷・操作性の観点から、好ましくは1000℃/hr以下、より好ましくは500℃/hr以下、更に好ましくは400℃/hr以下とすることが好適である。例えば、炭素数1〜4のアルコールの顕熱及び溶媒の蒸発潜熱を利用する冷却方法を用いた場合、30〜400℃/hrの大きな冷却速度を容易に得ることが可能である。
炭素数1〜4のアルコールの添加量は、ポリエーテルポリカーボネート1重量部に対し、0.01〜20重量部が好ましく、0.5〜20重量部がより好ましく、1〜15重量部が更に好ましく、1.5〜10重量部が特に更に好ましい。
本発明の方法においては、エステル交換により得られた生成物から低分子量成分を除く精製工程を有することが好ましい。低分子量成分を除くことにより、べたつきの少ないより優れた品質を有するポリエーテルポリカーボネートを得ることができる。
低分子量成分の除去は、合成吸着剤、イオン交換樹脂、活性炭による吸着処理、及び溶媒精製で行うことができる。具体的には、エステル交換反応により得られた生成物を水溶性溶媒に溶解し、疎水性溶媒を添加することで低分子量成分の少ないポリエーテルポリカーボネートを析出させることができる。
水溶性溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒や、アセトン等が例示され、エタノールが好ましい。疎水性溶媒として、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒が例示され、ヘキサンが好ましい。水溶性溶媒に対する疎水性溶媒の添加量を調節することにより、求める分子量分布のポリエーテルポリカーボネートを得ることができる。水溶性溶媒に対する疎水性溶媒の添加量は、0.1〜50倍が好ましく、0.5〜10倍がより好ましく、1〜5倍が更に好ましい。
本発明の方法により得られるポリエーテルポリカーボネートを粘着剤に用いる場合、溶媒を含有することができる。溶媒としては、水、炭素数1〜4のアルコール等が挙げられる。粘着剤中の溶媒の含有量は0.1〜99.9重量%が好ましく、1〜99重量%がより好ましい。かかる粘着剤は、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム、紙、不織布、織布等の多孔質材料、金属箔等の基材の片面または両面に塗着ないし転写して、シート状やテープ状などの形態の粘着シートとして用いることができ、特に粘着剤同士は粘着するが、他のものには粘着性が低い選択的粘着剤として有用である。
以下の例において、ポリエーテルポリカーボネートの重量平均分子量並びに残存フェノール量は次に示す方法で測定した。
<重量平均分子量の測定方法>
ポリスチレンゲルを用いたゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)により、下記条件で測定した。ポリスチレン標準サンプルで分子量を校正し、重量平均分子量を決定した。
GPCの測定条件
・サンプル濃度:0.25重量%(クロロホルム溶液)
・サンプル注入量:100μl
・溶離液:クロロホルム
・流速:1.0ml/min
・測定温度:40℃
・カラム:商品名「K−G」(1本)+商品名「K−804L」(2本)(以上、Shodex社)
・検出器:示差屈折計(GPC装置 商品名「HLC−8220GPC」(東ソー社)に付属)
・ポリスチレン標準サンプル:「TSKstandard POLYSTYRENE F−10」(分子量10.2万)、F−1(1.02万)、A−1000(870)(以上、東ソー社)、及び「POLYSTYRENE STANDARD」(分子量90万、3万;西尾工業社)
<残存フェノール量の測定方法>
残存フェノール量はガスクロマトグラフィー(GC)により、下記条件で測定し、絶対検量法により求めた。
GCの測定条件
・装置:商品名「6890N Network GC system」 (Agilent Technologies社)
・カラム:商品名「DB−1」(Agilent Technologies社;100%ジメチルポリシロキサン; 型番Agilent 122−1031;長さ30m、径0.25mm、膜厚0.1μm)
・条件:スプリットモード (スプリット比1:25)、注入口温度250℃、検出器温度300℃、カラム温度50℃で4分間保持、10℃/minで300℃まで昇温
・検出器:FID(GC装置 商品名「6890N Network GC system」 (Agilent Technologies社)に付属)
製造例1
パドル翼型撹拌機(翼直径1.2m)、分留コンデンサー及び温度計を具備した反応容器(内径1.8m、内容積6m)に、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダムコポリマー(数平均分子量5000、水酸基価22.0mgKOH/g、株式会社ADEKA製 商品名「アデカポリエーテルPR−5007」比重1.09、20℃)1000kg、炭酸ジフェニル43.9kg、1.0Mカリウムtert−ブトキシド/tert−ブタノール溶液200mlを入れた。
撹拌回転数27r/min及び翼先端速度1.7m/sの撹拌操作条件(空転動力13.8kw)にて撹拌しながら120℃まで昇温し、そのまま1時間加熱した。撹拌を続けながら、真空ポンプを用いて6.6kPa(abs)まで減圧吸引し、120℃にて1時間加熱した。さらに、撹拌を続けながら、1.3kPa(abs)以下に減圧吸引後、160℃まで昇温し、反応により生成するフェノールを系外へ排出しつつ、37時間反応を行いサンプリングを行った(以下、ポリマー1という)。このポリマー1の重量平均分子量は150000、その時の残存フェノール量は3500mg/kgであった。反応における、単位体積当りの撹拌所要動力は0.01〜2.0kw/mの範囲であった。
実施例1
更に、製造例1のポリマー1をそのまま同じ反応容器で、引き続き、撹拌回転数27r/min及び翼先端速度1.7m/sの撹拌操作条件(空転動力13.8kw)にて撹拌を続けながら、圧力1.3kPa(abs)以下、160℃で、17時間反応を行い、ポリエーテルポリカーボネートを得た(以下、ポリマー2という)。このポリマー2の重量平均分子量は180000、その時の残存フェノール量は1300mg/kgであった。反応における、単位体積当りの撹拌所要動力は2.0〜3.7kw/mの範囲であった。
製造例2
パドル翼型撹拌機(翼直径1.2m)、分留コンデンサー及び温度計を具備した反応容器(内径1.8m、内容積6m)に、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダムコポリマー(数平均分子量5000、水酸基価22.4mgKOH/g、株式会社ADEKA製 商品名「アデカポリエーテルPR−5007」比重1.09、20℃)1000kg、炭酸ジフェニル43.0kg、1.0Mカリウムtert−ブトキシド/tert−ブタノール溶液200mlを入れた。
撹拌回転数40r/min及び翼先端速度2.5m/sの撹拌操作条件(空転動力14.2kw)にて撹拌しながら120℃まで昇温し、そのまま1時間加熱した。撹拌を続けながら、真空ポンプを用いて6.6kPa(abs)まで減圧吸引し、120℃にて1時間加熱した。さらに、撹拌を続けながら、1.3kPa(abs)以下に減圧吸引後、160℃まで昇温した。1.3kPa(abs)以下に減圧吸引後、すぐに反応器底部より窒素を30NL/minで流通させた。反応により生成するフェノールを系外へ排出しつつ、反応8時間目で回転数を40r/minから27r/minに下げ、20時間反応を行いサンプリングを行った(以下、ポリマー3という)。このポリマー3の重量平均分子量は162000、その時の残存フェノール量は2300mg/kgであった。反応における、単位体積当りの撹拌所要動力は0.01〜1.6kw/mの範囲であった。
本発明で不活性ガスの流通量(NL/min)は標準状態(0℃、101.3kPa)での流通量である。
実施例2
更に、製造例2のポリマー3をそのまま同じ反応容器で、引き続き、撹拌回転数27r/min及び翼先端速度1.7m/sの撹拌操作条件(空転動力13.8kw)にて撹拌を続けながら、窒素30NL/min流通下、圧力を1.3kPa(abs)以下に保ちつつ、160℃にて2.5時間反応を行い、ポリエーテルポリカーボネートを得た(以下、ポリマー4という)。このポリマー4の重量平均分子量は190000、その時の残存フェノール量は2000mg/kgであった。反応における、単位体積当りの撹拌所要動力は1.6〜5.2kw/mの範囲であった。
その後、160℃から60℃に3時間かけて冷却を行い(冷却速度33℃/hr;まずジャケットに冷媒を通液し140℃まで冷却した後に、エタノールを210kg反応容器に投入し100℃まで冷却した。更に、エタノールを2123kg反応容器に投入し冷却した)、ポリエーテルポリカーボネートを得た(以下、ポリマー5という)。このポリマー5の重量平均分子量は198000、その時の残存フェノール量は2000mg/kgであった。
製造例3
製造例1及び実施例1と同じ反応容器に、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのランダムコポリマー(株式会社ADEKA製 商品名「アデカポリエーテルPR−5007」比重1.09、20℃)1000kg、炭酸ジフェニル43.9kg、1.0Mカリウムtert−ブトキシド/tert−ブタノール溶液200mlを入れた。
撹拌回転数60r/min及び翼先端速度3.7m/sの撹拌操作条件(空転動力15kw)にて撹拌しながら120℃まで昇温し、そのまま1時間加熱した。撹拌を続けながら、真空ポンプを用いて6.6kPa(abs)まで減圧吸引し、120℃にて1時間加熱した。さらに、撹拌を続けながら、1.3kPa(abs)以下に減圧吸引後、160℃まで昇温し、反応により生成するフェノールを系外へ排出しつつ、10時間反応を行いサンプリングを行った(以下、ポリマー6という)。反応における、単位体積当りの撹拌所要動力は0.01〜24kw/mの範囲であった。ポリマー6の重量平均分子量は140000、残存フェノール量は1900mg/kgであった。
比較例1
更に、製造例3のポリマー6をそのまま同じ反応容器で、引き続き、撹拌回転数60r/min及び翼先端速度3.7m/sの撹拌操作条件(空転動力15kw)にて撹拌を続けながら、圧力1.3kPa(abs)以下、160℃で、6時間反応を行い、ポリエーテルポリカーボネートを得た(以下、ポリマー7という)。このポリマー7の重量平均分子量は94000、その時の残存フェノール量は100mg/kgであった。反応における、単位体積当りの撹拌所要動力は0.7〜26kw/mの範囲であった。

Claims (5)

  1. 炭酸エステルとポリエーテルジオールとを反応させてポリエーテルポリカーボネートを製造するに際し、反応器内に不活性気体を流通させ、ポリエーテルポリカーボネートの重量平均分子量が10万以上の反応を、単位体積当りの撹拌所要動力が0.01〜25kw/mの範囲となる撹拌条件で減圧下に行うポリエーテルポリカーボネートの製造方法。
  2. 単一の反応器を用いて反応を行う、請求項1記載のポリエーテルポリカーボネートの製造方法。
  3. 反応器内で炭酸エステルとポリエーテルジオールとの反応生成物を希釈し、抜出す、請求項2記載のポリエーテルポリカーボネートの製造方法。
  4. 炭酸エステルとポリエーテルジオールをエステル交換する工程を有する、請求項1〜3の何れかに記載のポリエーテルポリカーボネートの製造方法。
  5. 炭酸エステルとポリエーテルジオールとの反応終了後、冷却速度20℃/hr以上にて冷却する工程を有する、請求項1〜の何れかに記載のポリエーテルポリカーボネートの製造方法。
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