JP3966553B2 - 芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム - Google Patents
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Description
(a)芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることによって得られる芳香族ポリカーボネートの溶融プレポリマーを所定の圧力下に不活性ガスで処理することによって、該溶融」プレポリマーに該不活性ガスを吸収させる吸収装置、
(b)該不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを重合させる重合器、
を包含することを特徴とする芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステムが提供される。
(1)芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることによって得られる芳香族ポリカーボネートの溶融プレポリマーを、該溶融プレポリマーを得るために用いられた反応圧力以上である所定の圧力Pg下に不活性ガスで処理することによって該溶融プレポリマーに不活性ガスを吸収させるための不活性ガス吸収装置(1)、不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを不活性ガス吸収工程(a)よりも低い圧力Pp下で重合に付し、所定の重合度にまで重合させるための重合反応ゾーンを有する重合器(10)、不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを該不活性ガス吸収装置(1)から所定の流量で該重合器(10)に供給するための溶融プレポリマー排出ポンプ(9)、及び該重合器(10)で得られた芳香族ポリカーボネートを排出するための排出ポンプ(18)を包含し、且つ、該不活性ガス吸収装置(1)、該溶融プレポリマー排出ポンプ(9)、該重合器(10)、及び該芳香族ポリカーボネート排出ポンプ(18)が、この順序で結合されてなることを特徴とする芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
(5)前記ガイドが円柱状のものであることを特徴とする上記(3)の芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
(6)前記ガイドが金網状のものであることを特徴とする上記(3)の芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
(7) 前記ガイドがパンチングプレート状のものであることを特徴とする上記(3)の芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
[1]芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとを反応させて芳香族ポリカーボネートを製造するにあたり、
(a)芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることによって得られる芳香族ポリカーボネートの溶融プレポリマーを不活性ガス吸収装置(1)で所定の圧力Pg下に不活性ガスで処理することによって、該溶融プレポリマーに該不活性ガスを吸収させ、
(b)該不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを、不活性ガス吸収工程(a)よりも低い圧力Pp下で重合に付し、所定の重合度にまで該溶融プレポリマーを重合させることを包含し、且つ、
(c)該不活性ガス吸収工程(a)で用いる該所定の圧力Pgが、該溶融プレポリマーを得るために用いられた反応圧力以上である
ことを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
(M2−M1) ≦ 500
(但し、上記式において、M1 及びM2は、それぞれ、不活性ガス吸収工程(a)の前及び後における溶融プレポリマーの数平均分子量を表す。)
Pg > 4×1012× M1 −2.6871 (1)
(但し、式(1)において、Pgは、不活性ガス吸収工程(a)で用いる圧力(Pa)を表し;そしてM1は、不活性ガス吸収工程(a)の前における溶融プレポリマーの数平均分子量を表す。)
Pg > Pp > −0.056 × M2 + 290 (2)
(但し、式(2)において、Pg及びPpは、それぞれ、不活性ガス吸収工程(a)及び重合工程(b)で用いる圧力(Pa)を表し;そしてM2は、不活性ガス吸収工程(a)の後における溶融プレポリマーの数平均分子量を表す。)
Pg > Pp >0 (3)
(但し、式(3)において、Pg及びPpは、上記式(2)に関して定義した通りである。)
[6]重合工程(b)において、ガイドに沿って流下する該溶融プレポリマーが、常時発泡状態であることを特徴とする上記[5]に記載の方法。
[7]該不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを重合工程(b)で該溶融プレポリマーの重合を行うための重合帯域に連続的に供給し、該重合工程(b)で製造された芳香族ポリカーボネートを該重合帯域から連続的に抜き出し、重合工程(b)を連続的に行うことを特徴とする上記[1]〜[6]に記載の方法。
[8]不活性ガスが窒素であることを特徴とする上記[1]〜[7]に記載の方法。
[9]不活性ガス吸収工程(a)における不活性ガスの吸収量が、溶融プレポリマー1kgに対して、0.0001〜1Nl(但し、Nlは標準温度・圧条件下で測定したl(リットル)である)であることを特徴とする上記[1]〜[8]に記載の方法。
即ち、本発明のシステムによれば、着色がなく機械的物性に優れた高品質の芳香族ポリカーボネートを、高い重合速度で、大量の不活性ガスを使用することなく製造することができ、しかも分子量のバラツキが少なく、長期間安定的に芳香族ポリカーボネートを製造することができるのである。 従って、本発明は工業的に極めて優れた効果のあるシステムである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物とは、次式で示される化合物である。
HO−Ar−OH
(式中、Arは2価の芳香族基を表す。)
ここで、2価の芳香族基Arは、好ましくは例えば、次式で示されるものである。
−Ar1−Y−Ar2−
(式中、Ar1及びAr2は、各々独立にそれぞれ炭素数5〜70を有する2価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表す。)
2価のアルカン基Yは、例えば、下記化1で示される有機基である。
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記化2で示されるものが挙げられる。
さらに、2価の芳香族基Arは、次式で示されるものであっても良い。
−Ar1 −Z−Ar2 −
(式中、Ar1 、Ar2 は前述の通りで、Zは単結合又は−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、−SO−、−COO−、−CON(R1 )−などの2価の基を表す。ただし、R1 は前述のとおりである。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記化3に示されるものが挙げられる。
さらに、2価の芳香族基Arの具体例としては、置換または非置換のフェニレン、置換または非置換のナフチレン、置換または非置換のピリジレン等が挙げられる。
本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単一種類でも2種類以上でもかまわない。芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙げられる。また、本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲で、分岐構造を導入するための3価の芳香族トリヒドロキシ化合物を併用してもよい。
本発明で用いられるジアリールカーボネートは、下記化4で表される。
Ar3 及びAr4 は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表すが、このAr3 、Ar4 において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものであっても良い。Ar3 、Ar4 は同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。1価の芳香族基Ar3 及びAr4 の代表例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基を挙げる事ができる。これらは、上述の1種以上の置換基で置換されたものでも良い。
好ましいAr3 及びAr4 としては、それぞれ例えば、下記化5に示されるものなどが挙げられる。
本発明のシステムは、芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることによって得られる芳香族ポリカーボネートの溶融プレポリマーに不活性ガスを吸収させるための不活性ガス吸収装置(1)、不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを重合させるための重合反応ゾーンを有する重合器(10)、不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを所定の流量で該重合器(10)に供給するための溶融プレポリマー排出ポンプ(9)、及び得られた芳香族ポリカーボネートを排出するための排出ポンプ(18)を包含し、且つ、該不活性ガス吸収装置(1)、該溶融プレポリマー排出ポンプ(9)、該重合器(10)、及び該芳香族ポリカーボネート排出ポンプ(18)は、この順序で結合されてなることを特徴としている。
不活性ガス吸収工程(a)の温度に特に制限はなく、通常150〜350℃、好ましくは180〜300℃、特に好ましくは、230〜290℃の範囲である。
Pg > 4 × 1012 × M1 −2.6871 (1)
の関係を満足することが好ましい。
不活性ガスの使用量をより少なくする点で、前者の方法が特に好ましい。
Pg > Pp > −0.056×M2 + 290 (2)
の関係を満足し、M2が5,178以上の場合、重合工程の圧力Pp(Pa)が、下記式(3)
Pg > Pp >0 (3)
の関係を満足する事が特に好ましい。
(2)バッチ方式での工程(a)と連続方式での工程(b)
(3)連続方式での工程(a)とバッチ方式での工程(b)
(4)連続方式での工程(a)と連続方式での工程(b)
特に好ましいのは、全繰り返し単位中、下記化8で示される繰り返し単位が85モル%以上含まれる芳香族ポリカーボネートである。
ヒドロキシ基とアリールカーボネート基の比率に特に制限はないが、通常95:5〜5:95の範囲であり、好ましくは90:10〜10:90の範囲であり、さらに好ましくは80:20〜20:80の範囲である。特に好ましいのは、末端基中のフェニルカーボネート基の占める割合が85モル%以上の芳香族ポリカーボネートである。
まず、実施例および比較例で得たサンプルの評価に用いた測定方法について述べる。
テトラヒドロフランを搬送溶媒として用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定し、標準単分散ポリスチレンを用いて得た下式による換算分子量較正曲線を用いて数平均分子量(Mn)を求めた。
MPC=0.3591MPS1.0388
(式中、MPCは芳香族ポリカーボネートの分子量、MPSはポリスチレンの分子量を示す。)
射出成形機を用い、芳香族ポリカーボネートをシリンダー温度290℃、金型温度90℃で、縦50mm×横50mm×厚さ3.2mmの試験片を連続成形した。得られた試験片の色調はCIELAB法(Commission Internationale de l‘Eclairage 1976 L*a*b Diagram)により測定し、黄色度をb* 値で示した。
射出成形機を用い、芳香族ポリカーボネートをシリンダー温度290℃、金型温度90℃で射出成形した。得られた厚み3.2mmの試験片の引張伸度(%)は、ASTM D638に準じて測定した。
図1に示すような、溶融プレポリマーに不活性ガスを吸収させるための不活性ガス吸収装置(1)、不活性ガスを吸収した溶融プレポリマーを所定の流量で重合器(10)に供給するための溶融プレポリマー排出ポンプ(9)、複数の円柱状ガイド(13)を含む重合反応ゾーンを有する重合器(10)、及び生成した芳香族ポリカーボネートを排出するポンプ(18)が、この順序で結合されたシステムを用いて、芳香族ポリカーボネートを製造した。不活性ガス吸収装置(1)は、直径2mm、長さ3mのSUS316製円柱状ガイド(4)を7本備えており、供給口(2)から供給された溶融プレポリマーと複数の円柱状ガイド(13)を有する重合器10からなるシステムを用いて、芳香族ポリカーボネートを製造した。
不活性ガス吸収装置1の圧力が異なる他は実施例1と同様なシステムを用い、実施例1と同様な方法により、芳香族ポリカーボネートを製造した。条件と結果をまとめて表1に示す。
重合圧力が異なる他は実施例1と同様なシステムを用い、実施例1と同様な方法により、芳香族ポリカーボネートを製造した。条件と結果をまとめて表1に示す。
ビスフェノールAとジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比1.05)を180℃で溶融混合した後、竪型第1攪拌槽に送液し、230℃、13,300Paで1時間重合させ、ついで竪型第2攪拌槽に送液し、265℃、1,400Pa、滞留時間1時間で重合させて製造した芳香族ポリカーボネートの溶融プレポリマーを、実施例1と同様なシステムを用い、実施例1と同様に窒素を吸収させ、実施例1と同様な方法により重合させて芳香族ポリカーボネートを製造した。条件と結果をまとめて表1に示す。運転開始から、50時間後、60時間後、70時間後、80時間後、90時間後、100時間後に排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは、それぞれ、9,000、9,000、9,050、9,000、9,050、9,000であり、安定であった。
不活性ガス吸収装置1の温度、及び重合器10の温度、窒素供給量を変える他は、実施例1と同様なシステムを用い、実施例1と同様な方法により芳香族ポリカーボネートを製造した。条件と結果をまとめて表1に示す。実施例11においては、運転開始から、50時間後、60時間後、70時間後、80時間後、90時間後、100時間後に排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは、それぞれ、11,600、11,600、11,5500、11,600、11,600、11,550であり、安定であった。
不活性ガス吸収装置を通過させず、溶融プレポリマーを直接重合器10に供給する他は、実施例1、実施例10、実施例11と同様な方法により芳香族ポリカーボネートを製造した。重合前後の分子量の差から、比較例はいずれも対応する実施例より重合速度が低い事がわかる。比較例3においては、運転開始から、50時間後、60時間後、70時間後、80時間後、90時間後、100時間後に排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは、それぞれ、7,600、7,400、7,450、7,500、7,650、7,400であり、不安定であった。条件と結果をまとめて表1に示す。
重合器に供給する窒素量を200Nl/hrとする他は、比較例3と同様な方法により芳香族ポリカーボネートを製造した。重合器に供給する窒素量は溶融プレポリマー1kgに対して4Nlである。運転開始から、50時間後、60時間後、70時間後、80時間後、90時間後、100時間後に排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは、それぞれ、7,900、7,700、8,050、7,700、7,900、8,000であり、不安定であった。条件と結果をまとめて表1に示す。
不活性ガス吸収装置で窒素に変えてアルゴンを吸収させる他は、実施例1と同様なシステムを用い、実施例1と同様な方法により芳香族ポリカーボネートを製造した。運転開始から50時間後にM1、M2はそれぞれ4,430、4,450であり、排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは11,500であり、良好なカラー(b*値3.3)であった。また、引張伸度は98%であった。
不活性ガス吸収装置で窒素に変えて炭酸ガスを吸収させる他は、実施例1と同様なシステムを用い、実施例1と同様な方法により芳香族ポリカーボネートを製造した。運転開始から50時間後にM1、M2はそれぞれ4,430、4,450であり、排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは11,500であり、良好なカラー(b*値3.3)であった。また、引張伸度は98%であった。
不活性ガス吸収装置で、不活性ガス供給口から窒素を20Nl/hr供給し、ベント口6で圧力調整して200,000Paにコントロールする他は、実施例1と同様なシステムを用い、実施例1と同様な方法により重合して芳香族ポリカーボネートを製造した。運転開始から50時間後にM1、M2はそれぞれ4,430、4,520であり、排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは11,300であり、良好なカラー(b*値3.3)であった。また、引張伸度は98%であった。
不活性ガス吸収装置の圧力を900Paとする他は、実施例1と同様なシステムを用い、実施例16と同様な方法により、芳香族ポリカーボネートを製造した。運転開始から50時間後にM1、M2はそれぞれ4,430、4,730であり、(M2−M1)は300であった。排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは11,000であり、良好なカラー(b*値3.3)であった。また、引張伸度は97%であった。サイトグラスより観察すると、溶融プレポリマーは常時発泡していた。
不活性ガス吸収装置の圧力を700Paとする他は、実施例1と同様なシステムを用い、実施例16と同様な方法により、に芳香族ポリカーボネートを製造した。運転開始から50時間後にM1、M2はそれぞれ4,430、4,840であり、(M2−M1)は410であった。排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは10,700であり、良好なカラー(b*値3.3)であった。また、引張伸度は95%であった。サイトグラスより観察すると、溶融プレポリマーは常時発泡していた。
不活性ガス吸収装置の圧力を500Paとする他は、実施例1と同様なシステムを用い、実施例16と同様な方法により、に芳香族ポリカーボネートを製造した。運転開始から50時間後にM1、M2はそれぞれ4,430、4,980であり、(M2−M1)は550であった。排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは9,900であり、良好なカラー(b*値3.3)であった。また、引張伸度は92%であった。サイトグラスより観察すると、溶融プレポリマーは断続的に発泡していた。
実施例1と同様の不活性ガス吸収装置1と重合器10として回転直径0.4mの攪拌軸を2本有する内容積1.5m3、長さ4mの横型攪拌槽からなるシステムを用い、実施例1と同様に不活性ガス吸収装置で窒素を吸収させた溶融プレポリマーの重合を行った。溶融プレポリマーの供給量、重合温度、重合圧力は実施例1と同様にした。攪拌軸の回転数は15rpmである。運転開始から50時間後に重合器から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは10,500であり、b*値は3.6、引張伸度は94%であった。
不活性ガス吸収装置を通過させず、溶融プレポリマーを直接横型攪拌槽に供給する他は、実施例20と同様な方法により芳香族ポリカーボネートを製造した。運転開始から50時間後に重合器から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは8,900であり、b*値は3.9、引張伸度は89%であった。
不活性ガス吸収装置1には円柱状ガイドが設けられていない他は、実施例1と同様なシステムを用い、実施例1と同様な方法により芳香族ポリカーボネートを製造した。運転開始から50時間後にM1、M2はそれぞれ4,430、4,430であり、排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは11,400であり、良好なカラー(b*値3.3)であった。また、引張伸度は98%であった。
重合器(10)のガイドとして、幅100mm、長さ8mのSUS316製1メッシュ金網(線径2mm)が8枚備えられている重合器(10)である他は実施例1と同様のシステムで、実施例1と同様な方法により芳香族ポリカーボネートを製造した。運転開始から50時間後にM1、M2はそれぞれ4,430、4,450であり、排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは11,800であり、良好なカラー(b*値3.3)であった。また、引張伸度は97%であった。
ビスフェノールAのかわりに1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンから製造した溶融プレポリマーを用いる以外は、実施例1と同様のシステムで実施例1と同様の条件で反応を行った。運転開始から50時間後にM1、M2はそれぞれ4,410、4,430であり、排出口19から排出された芳香族ポリカーボネートのMnは11,100であり、良好なカラー(b*値3.3)であった。また、引張伸度は94%であった。
2 溶融プレポリマーの供給口
3 溶融プレポリマーの分散板
4 円柱状ガイド
5 不活性ガス供給口
6 所望により使用されるベント口
7 不活性ガスを吸収した溶融プレポリマー
8 不活性ガスを吸収した溶融プレポリマーの排出口
9 不活性ガスを吸収した溶融プレポリマーの排出ポンプ
10 重合器
11 不活性ガスを吸収した溶融プレポリマーの供給口
12 不活性ガスを吸収した溶融プレポリマーの分散板
13 円柱状ガイド
14 所望により使用される不活性ガス供給口
15 真空ベント口
16 芳香族ポリカーボネート
17 芳香族ポリカーボネートの排出口
18 芳香族ポリカーボネートの排出ポンプ
19 芳香族ポリカーボネートの抜き出し口
20 溶融プレポリマーの発泡状態を観察するためのサイトグラス
Claims (7)
- 芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応させることによって得られる芳香族ポリカーボネートの溶融プレポリマーを、該溶融プレポリマーを得るために用いられた反応圧力以上の圧力Pg下に不活性ガスで処理することによって該溶融プレポリマーに不活性ガスを吸収させるための不活性ガス吸収装置(1)、不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを不活性ガス吸収工程(a)よりも低い圧力Pp下で重合に付し、所定の重合度にまで重合させるための重合反応ゾーンを有する重合器(10)、不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを該不活性ガス吸収装置(1)から所定の流量で該重合器(10)に供給するための溶融プレポリマー排出ポンプ(9)、及び該重合器(10)で得られた芳香族ポリカーボネートを排出するための排出ポンプ(18)を包含し、且つ、該不活性ガス吸収装置(1)、該溶融プレポリマー排出ポンプ(9)、該重合器(10)、及び該芳香族ポリカーボネート排出ポンプ(18)が、この順序で結合されてなることを特徴とする芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
- 前記不活性ガス吸収装置(1)は、芳香族ポリカーボネートの溶融プレポリマー供給口、不活性ガス供給口、該溶融プレポリマーに不活性ガスを吸収させて不活性ガスを吸収した溶融プレポリマーを得るための不活性ガス吸収ゾーン、及び不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーの排出口を有しており、前記重合器(10)は、不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーの供給口、該溶融プレポリマーを重合反応ゾーンに供給するための不活性ガスを吸収した溶融プレポリマーの供給ゾーン、重合反応ゾーン、重合反応ゾーンに設けられた真空ベント口、及び芳香族ポリカーボネート排出口を有しており、且つ、前記芳香族ポリカーボネート排出ポンプ(18)は、該重合器(10)の排出口から所定の流量で該芳香族ポリカーボネートを抜き出すことが可能なポンプであることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
- 不活性ガスを吸収した該溶融プレポリマーを重合させるための前記重合器(10)の重合反応ゾーンが、該重合器(10)の中に固定され且つ下方に延びる少なくとも一つのガイドを有するガイド接触落下重合反応ゾーンであり、該ガイド接触落下重合反応ゾーンは、不活性ガスを吸収した溶融プレポリマー供給ゾーンと、少なくとも一つの孔を有する溶融プレポリマー分配板によって仕切られており、該溶融プレポリマー供給ゾーンは、該分配板の該孔を介して該ガイド接触落下重合反応ゾーンに連通しており、該ガイドは、該分配板の該孔に対応して配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
- 前記重合器(10)がワイヤー接触流下式重合器であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
- 前記ガイドが円柱状のものであることを特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
- 前記ガイドが金網状のものであることを特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
- 前記ガイドがパンチングプレート状のものであることを特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリカーボネートを製造するためのシステム。
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