JP3202993B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートの製造方法

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JP3202993B2
JP3202993B2 JP52265797A JP52265797A JP3202993B2 JP 3202993 B2 JP3202993 B2 JP 3202993B2 JP 52265797 A JP52265797 A JP 52265797A JP 52265797 A JP52265797 A JP 52265797A JP 3202993 B2 JP3202993 B2 JP 3202993B2
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伸典 福岡
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、芳香族ポリカーボネートの製造方法に関す
る。更に詳細には、本発明は、芳香族ジヒドロキシ化合
物とジアリールカーボネートの溶融混合物、及び芳香族
ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと反応さ
せることを包含するプロセスによって得られる溶融プレ
ポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種の重合
原料を、重合器においてエステル交換反応に付すことを
包含し、その際、該重合原料が重合器において液状物の
形で存在し、且つ重合器においてエステル交換されつつ
ある該重合原料液状物が露呈表面を有する状態で反応さ
せる、芳香族ポリカーボネートの製造方法において、該
重合原料液状物のエステル交換反応を、該重合原料液状
物の露呈表面の面積(m2)として定義される蒸発面面積
S(m2)と、該重合器中に存在する該重合原料液状物の
容量V(m3)と、製造する芳香族ポリカーボネートの数
平均分子量nとが特定の関係を満足する反応条件下で
行なうことを特徴とする方法に関する。本発明の方法を
用いると、従来法において製造中に起き易かった着色が
なく、また不純物も熱分解生成物もない耐熱性に優れた
高品質の芳香族ポリカーボネートを、高い重合速度で製
造できるだけでなく、非常に大きな攪拌動力を必要とす
ることなく、且つ製造のスケールアップが容易なので、
工業的に有利である。
従来技術 近年、芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃
性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチック
として、多くの分野において幅広く用いられている。こ
の芳香族ポリカーボネートの製造方法については、従来
種々の研究が行われ、その中で、芳香族ジヒドロキシ化
合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパン(以下、ビスフェノールAという。)とホスゲン
との界面重縮合法が工業化されている。
しかしながら、この界面重縮合法においては、有毒な
ホスゲンを用いなければならないこと、副生する塩化水
素や塩化ナトリウム及び、溶媒として大量に用いる塩化
メチレンなどの含塩素化合物により装置が腐食するこ
と、ポリマー物性に悪影響を及ぼす塩化ナトリウムなど
の不純物や残留塩化メチレンの分離が困難なことなどの
問題があった。
一方、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボ
ネートとから、芳香族ポリカーボネートを製造する方法
としては、例えば、ビスフェノールAとジフェニルカー
ボネートを溶融状態でエステル交換し、副生するフェノ
ールを抜き出しながら重合するエステル交換法が以前か
ら知られている。エステル交換法は、界面重縮合法と異
なり、溶媒を使用しないなどの利点がある一方、重合が
進行すると共にポリマーの粘度が上昇し、副生するフェ
ノールなどを効率よく系外に吹き出す事が困難になり、
重合度を上げにくくなるという本質的な問題があった。
従来、芳香族ポリカーボネートをエステル交換法で製
造するための重合器としては、種々の重合器が知られて
いる。撹拌機を備えた竪型の撹拌槽型重合器を用いる方
法は、一般に広く知られている。しかしながら、竪型の
攪拌槽型重合器は小スケールでは容積効率が高く、シン
プルであるという利点を有し、効率的に重合を進められ
るが、工業的規模では、上述したように重合の進行と共
に副生するフェノールを効率的に系外に吹き出す事が困
難となり、重合速度が極めて低くなるという問題を有し
ている。
すなわち、大スケールの竪型の撹拌槽型重合器は、通
常、蒸発面積に対する液容量の比率が小スケールの場合
に比べて大きくなり、いわゆる液深が大きな状態となる
ために、撹拌槽の下部の圧力が高くなる。この場合、重
合度を高めていくために真空度を高めていっても、撹拌
槽の下部は液深があるために実質と高い圧力で重合され
る事になり、フェノール等は効率的に抜けにくくなるの
である。
この問題を解決するため、高粘度状態のポリマーから
フェノール等を抜き出すための工夫が種々なされてい
る。例えば日本国特公昭50−19600号公報(GB−1007302
号に対応)では、ベント部を有するスクリュー型重合器
を用いる方法、日本国特公昭52−36159号公報では、噛
合型2軸押出機を用いる方法、また日本国特公昭53−57
18号公報(米国特許第3,888,826号に対応)では、薄膜
蒸発型反応器、例えばスクリュー型蒸発器や遠心薄膜型
蒸発器等を用いる方法が記載されており、さらに日本国
特開平2−153923号公報では、遠心薄膜型蒸発装置と横
型撹拌重合槽を組み合わせて用いる方法が具体的に開示
されている。
これらの重合器の内、スクリュー型蒸発器や横型攪拌
機槽等の横型重合器は、主に回転撹拌により表面更新性
を極力高めることによって、フェノール等を効率的に抜
き出そうとしたものである。例えば、日本国特公昭50−
19600号公報では、「液状の反応混合物とガスないしは
蒸気空間との間に比較的に大きく絶えず更新する相の境
界が生じ、この事により液状の反応物から分離する気化
性の反応生成物は極めて速やかに除去される」と記載さ
れ(同公報第1頁右欄第19〜22行参照)、気液界面の表
面更新の効果によりフェノール等を効果的に抜き出せる
事が示唆されている。また日本国特公昭52−36159号公
報では、表面更新効果がスクリュー回転数、反応部のス
クリュー表面積、反応部のスクリュー総ピッチ数、原料
供給量、及び反応部のスクリュー1ピッチ当たりの全有
効体積の関数として定義され、その値が所定の範囲内に
ある事の重要性が指摘されている。しかしながら、これ
らの重合器では、表面更新性を高めるために、スクリュ
ーや攪拌軸等の回転攪拌動力を必要とするが、芳香族ポ
リカーボネートは特に分子量が高くなるに伴い粘度が著
しく高くなるため、非常に大きな動力が必要となる。し
かも、粘度が高い場合には、大きな動力を用いるとポリ
マーが大きなシェアーを受けるため分子鎖の切断が生
じ、結果として分子量上昇速度は遅くなり、高分子量の
芳香族ポリカーボネートを製造することはできない。ま
た、大きなシェアーを受ける為にポリマーの着色が起き
たり、耐熱性が低下する等、ポリマー品質にも重大な悪
影響を及ぼしていた。さらに、工業的規模で実施する場
合、攪拌軸の強度や動力の制限から装置の大きさが制限
され、芳香族ポリカーボネートの生産量を容易に高めら
れないというスケールアップ上の問題点も有していた。
一方、遠心薄膜型蒸発器に関しては、日本国特開平2
−153923号公報において、エステル交換反応の最終段階
における重縮合反応器として遠心薄膜型蒸発器を用いる
場合には、反応混合物の単位処理量当たりの蒸発表面積
を大きくすることができるので、反応混合物の遠心薄膜
型蒸発器における滞留時間を短くできるものの、生成す
るポリマーの一部は、回転軸、羽根、内部軸受けなどに
付着して長い熱履歴を経るため、黒変した分解物がポリ
マーに混入するという問題点のあることが指摘されてい
る。該公報ではこの問題を避けるため、エステル交換反
応の最終段階でなく、中間段階で遠心薄膜型蒸発器を用
いる方法が開示されている。しかし、遠心薄膜型蒸発器
は蒸発器の内壁部分のみで薄膜を形成しているため重合
器としての容積効率が極めて小さく、充分な反応時間を
得ようとすればリアクターが大きくなりすぎ、工業的に
は好ましくないという別の問題も有していた。
上記したように、不純物や残留塩化メチレンの分離の
問題のないエステル交換法により芳香族ポリカーボネー
トを製造する場合、竪型の攪拌槽型重合器、横型重合
器、遠心薄膜型重合器等を用いた従来提案されている重
合方式では、フェノールの抜き出し効率の悪さや、非常
に大きな攪拌動力の必要性、シェアーによる分子鎖の切
断とそれに伴う分子量上昇速度の低下やポリマーの着
色、長い熱履歴を経たことによる熱分解物の生成とその
ポリマーへの混入、容積効率の小ささ、スケールアップ
の難しさ等、様々な問題を有していた。
これらの先行技術の問題を同時に解決し、従来法にお
いて製造中に起き易かった着色がなく、また不純物も熱
分解生成物もない耐熱性に優れた高品質の芳香族ポリカ
ーボネートを、高い重合速度で製造できるだけでなく、
非常に大きな攪拌動力を必要とすることなく、且つ製造
のスケールアップが容易な工業的に好ましい製造方法が
望まれている。
発明の概要 このような状況下、本発明者らは、上記課題を解決す
るため鋭意検討を進めた。その結果、意外にも、 芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネート
の溶融混合物、及び 芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネート
と反応させることを包含するプロセスによって得られる
溶融プレポリマー からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料を、
重合器においてエステル交換反応に付すことを包含し、
その際、該重合原料が重合器において液状物の形で存在
し、且つ重合器においてエステル交換されつつある該重
合原料液状物が露呈表面を有する状態で反応させる、芳
香族ポリカーボネートの製造方法において、 該重合原料液状物のエステル交換反応を、下記式
(1)を満足する反応条件下で行なうことにより上記目
的を達成できる事を見いだした。
log(S/V)≧2×10-5×n+0.8 (1) 但し、上記式(1)において: Sは、該重合原料液状物の露呈表面の面積(m2)と
して定義される蒸発面面積(m2)を表わし; Vは、該重合器中に存在する該重合原料液状物の容
量(m3)を表わし;そして nは、製造する芳香族ポリカーボネートの数平均
分子量を表わす。
この発見に基づき本発明は完成されるに至った。
従って、本発明の主要な目的は、上記の先行技術の問
題を同時に解決し、着色がなく、また不純物や熱分解生
成物の混入もない耐熱性に優れた高品質の芳香族ポリカ
ーボネートを高い重合速度で製造できるだけでなく、非
常に大きな攪拌動力を必要とすることなく、且つ製造の
スケールアップが容易な工業的に好ましい製造方法を提
供することにある。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴及び諸利益
は、以下の添付の図面を参照て述べる詳細な説明及び特
許請求の範囲の記載から明らかになる。
図面の簡単な説明 添付の図面において: 図1(a)は、本発明の重合方法の1つの方式を示す
概略図であって、本発明の方法を定義するために用いら
れている要件の1つである蒸発面面積S(m2)を説明す
るためのものであり; 図1(b)は、図1(a)の方式における蒸発面面積
S(m2)の定義方法を示す概略図であり; 図2(a)は、本発明の重合方法の他の方式を示す概
略図であって、本発明の方法を定義するために用いられ
ている要件の1つである蒸発面面積S(m2)を説明する
ためのものであり; 図2(b−1)は、図2(a)の方式における蒸発面
面積S(m2)の定義方法を示す1つの概略図であり; 図2(b−2)は、図2(a)の方式における蒸発面
面積S(m2)の定義方法を示す他の概略図であり、図2
(b−1)に示す重合器を上から見たものであり; 図3(a)は、本発明の方法に用いることのできる重
合器の1例を示す概略断面図であり; 図3(b)は、図3(a)のIII(b)−III(b)線
に沿った断面図であり; 図4(a)は、本発明の方法に用いることのできる重
合器の他の1例を示す概略断面図であり; 図4(b)は、図4(a)のIV(b)−IV(b)線に
沿った拡大断面図であり; 図5は、本発明の方法に用いることのできる重合器の
更に他の1例を示す概略断面図であり; 図6(a)は、本発明の方法に用いることのできる重
合器の更に他の1例を示す概略断面図であり; 図6(b)は、図6(a)のVI(b)−VI(b)線に
沿った断面図であり; 図7(a)は、本発明の重合方法の更に他の方式を示
す概略断面図であって、本発明の方法を定義するために
用いられている要件の1つである蒸発面面積S(m2)を
説明するためのものであり;そして 図7(b)は、図7(a)の方式における蒸発面面積
S(m2)の定義方法を示す概略断面図である。
符号の説明 1.重合器 2.攪拌機 3.重合原料(polymerizable material) 4.水平液面(蒸発面)又は流下液面(蒸発面) 5.原料供給口 6.分配板 7.平板状ガイド 7A.円柱状ガイド 7B.円錐状ガイド 7C.円筒チューブ状ガイド 8.ガス供給口 9.ベント 10.排出口 11.シェル部(熱媒で満たされる空間) 12.熱媒供給口 13.熱媒排出口 発明の詳細な説明 本発明によれば、 芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネート
の溶融混合物、及び 芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネート
と反応させることを包含するプロセスによって得られる
溶融プレポリマー からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料を、
重合器においてエステル交換反応に付すことを包含し、
その際、該重合原料が重合器において液状物の形で存在
し、且つ重合器においてエステル交換されつつある該重
合原料液状物が露呈表面を有する状態で反応させる、芳
香族ポリカーボネートの製造方法において、 該重合原料液状物のエステル交換反応を、下記式
(1)を満足する反応条件下で行なうことを特徴とする
方法が提供される。
log(S/V)≧2×10-5×n+0.8 (1) 但し、上記式(1)において: Sは、該重合原料液状物の露呈表面の面積(m2)と
して定義される蒸発面面積(m2)を表わし; Vは、該重合器中に存在する該重合原料液状物の容
量(m3)を表わし;そして nは、製造する芳香族ポリカーボネートの数平均
分子量を表わす。
次に、本発明の理解を容易にするために、まず本発明
の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
1.芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネート
の溶融混合物、及び 芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネート
と反応させることを包含するプロセスによって得られる
溶融プレポリマー からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料を、
重合器においてエステル交換反応に付すことを包含し、
その際、該重合原料が重合器において液状物の形で存在
し、且つ重合器においてエステル交換されつつある該重
合原料液状物が露呈表面を有する状態で反応させる、芳
香族ポリカーボネートの製造方法において、 該重合原料液状物のエステル交換反応を、下記式
(1)を満足する反応条件下で行なうことを特徴とする
方法。
log(S/V)≧2×10-5×n+0.8 (1) 但し、上記式(1)において: Sは、該重合原料液状物の露呈表面の面積(m2)と
して定義される蒸発面面積(m2)を表わし; Vは、該重合器中に存在する該重合原料液状物の容
量(m3)を表わし;そして nは、製造する芳香族ポリカーボネートの数平均
分子量を表わす。
2.該重合器の内壁と該重合器中に設けられたガイドとか
らなる群から選ばれる少なくとも1種の固形状物体の表
面に沿って、該重合原料液状物を接触落下させる濡らし
落下方式によって、該重合原料液状物のエステル交換反
応を行うことを特徴とする前項1に記載の方法。
3.該重合原料液状物の容量Vが重合器の内容積の5%以
上であることを特徴とする前項1又は2に記載の方法。
4.該重合原料液状物の蒸発面面積S(m2)が下記式
(2)を満足することを特徴とする前項1〜3のいずれ
かに記載の方法。
S≧0.03Q (2) 但し、上記式(2)において、Qは芳香族ポリカー
ボネートの生産速度(kg/hr)を表わす。
5.該芳香族ポリカーボネートの生産速度Qが1kg/hr以上
であることを特徴とする前項4に記載の方法。
従来、副生物であるフェノール等をエステル交換反応
系から効率的に吹き出して芳香族ポリカーボネートを製
造しようとする場合、前述した横型重合器の如く非常に
大きな動力による回転攪拌により表面更新性を高める試
みがなされてきた。しかしながら、驚くべき事に本発明
の上記の式(1)の関係を満足する反応条件を達成して
維持するのに適した重合器を用いて重合すれば、非常に
大きな動力による回転攪拌が必要でなく、高い重合速度
で、着色も不純物もない耐熱性に優れた高品質の芳香族
ポリカーボネートを製造できる事も明らかになった。こ
のことも本発明の大きな特徴である。
本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物とは、次
式で示される化合物である。
HO−Ar−OH (式中、Arは2価の芳香族基を表す。)。
2価の芳香族基Arは、好ましくは例えば、次式で示さ
れるものである。
−Ar1−Y−Ar2− (式中、Ar1及びAr2は、各々独立にそれぞれ炭素数5〜
70を有する2価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表
し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表
す。)。
2価の芳香族基Ar1、Ar2において、1つ以上の水素原
子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、
ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜
10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル
基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などに
よって置換されたものであっても良い。
複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、1ない
し複数の環形成窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有す
る芳香族基を挙げる事ができる。
2価の芳香族基Ar1、Ar2は、例えば、置換又は非置換
のフェニレン、置換又は非置換のビフェニレン、置換ま
たは非置換のピリジレンなどの基を表す。ここでの置換
基は前述のとおりである。
2価のアルカン基Yは、例えば、下記式で示される有
機基である。
(式中、R1、R2、R3、R4は、各々に独立に水素、炭素数
1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環
構成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5
〜10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜10の炭素環式アラ
ルキル基を表す。kは3〜11の整数を表し、R5およびR6
は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に、水
素または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素を
表す。また、R1R2、R3R4、R5、R6において、一つ以上の
水素原子が反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換
基、例えばハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ
基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニト
ロ基等によって置換されたものであっても良い。) このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記
式で示されるものが挙げられる。
(式中、R7、R8は、各々独立に水素原子、ハロゲン原
子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコ
キシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基または
フェニル基であって、mおよびnは1〜4の整数で、m
が2〜4の場合には、各R7はそれぞれ同一でも異なるも
のであってもよいし、nが2〜4の場合には各R8はそれ
ぞれ同一でも異なるものであってもよい。) さらに、2価の芳香族基Arは、次式で示されるもので
あっても良い。
−Ar1−Z−Ar2− (式中、Ar1、Ar2は前述の通りで、Zは単結合又は−O
−、−CO−、−S−、−SO2−、−SO−、−COO−、−CO
N(R1)−など2価の基を表す。ただし、R1は前述のと
おりである。) このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記
式で示されるものが挙げられる。
(式中、R7、R8、mおよびnは、前述のとおりであ
る。) 本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単
一種類でも2種類以上でもかまわない。芳香族ジヒドロ
キシ化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙
げられる。
本発明で用いられるジアリールカーボネートは、下記
式で表される。
(式中、Ar3、Ar4はそれぞれ1価の芳香族基を表す。) Ar3及びAr4は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族基
を表すが、このAr3、Ar4において、1つ以上の水素原子
が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハ
ロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10
のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル
基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などに
よって置換されたものであっても良い。Ar3、Ar4は同じ
ものであっても良いし、異なるものであっても良い。
1価の芳香族基Ar3及びAr4の代表例としては、フェニ
ル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基を挙げる
事ができる。これらは、上述の1種以上の弛緩基で置換
されたものでも良い。
好ましいAr3及びAr4としては、それぞれ例えば、下記
式で表わされるものなどが挙げられる。
ジアリールカーボネートの代表的な例としては、下記
式で示される置換または非置換のジフェニルカーボネー
ト化合物を挙げる事ができる。
(式中、R9及びR10は、各々独立に水素原子、炭素数1
〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を有するアルコ
キシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基又はフ
ェニル基を示し、p及びqは1〜5の整数で、pが2以
上の場合には、各R9はそれぞれ異なるものであっても良
いし、qが2以上の場合には、各R10は、それぞれ異な
るものであっても良い。) このジアリールカーボネート類の中でも、非置換のジ
フェニルカーボネート及び、ジトリルカーボネートやジ
−t−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキ
ル置換ジフェニルカーボネートなどの対称型ジアリール
カーボネートが好ましいが、特にもっとも簡単な構造の
ジアリールカーボネートであるジフェニルカーボネート
が好適である。
これらのジアリールカーボネート類は単独で用いても
良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネート
との使用割合(仕込比率)は、用いられる芳香族ジヒド
ロキシ化合物とジアリールカーボネートの種類や、重合
温度その他の重合条件によって異なるが、ジアリールカ
ーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対し
て、通常0.9〜2.5モル、好ましくは0.95〜2.0モル、よ
り好ましくは0.98〜1.5モルの割合で用いられる。
本発明の方法で得られる芳香族ポリカーボネートの数
平均分子量は、通常500〜100,000の範囲であり、好まし
くは2,000〜30,000の範囲である。
上記のように、本発明の方法においては、原料とし
て、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネー
トの溶融混合物、及び芳香族ジヒドロキシ化合物ジアリ
ールカーボネートと反応させることを包含するプロセス
によって得られる溶融プレポリマーから成る群より選ば
れる少なくとも1種の重合原料(polymerizable materi
al)を用いる。尚、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリ
ールカーボネートの混合物を加熱溶融させるだけでもあ
る程度重合反応が進むので、芳香族ジヒドロキシ化合物
とジアリールカーボネートの溶融混合物は、実質的には
溶融プレポリマーである。このような意味で、以下しば
しば、重合原料を「プレポリマー」と称する。また、該
プレポリマーが本発明の方法により重合度が高められつ
つある場合のプレポリマーを、以下単に「ポリマー」と
称することがある。
本発明の方法における重合原料としての溶融プレポリ
マーは、公知のいかなる重合方法によって得られたもの
でも構わない。
本発明において、蒸発面面積S(m2)とは、重合器内
のポリマー液相と気相との界面の面積を表わす指標であ
って、重合原料液状物の露呈表面の面積と定義される。
通常、気液界面は攪拌や発泡等により波立った複雑な形
態となっており、その面積の正確な定量は困難である
が、本発明では、液状ポリマーが攪拌や発泡のない静止
状態にあるとして、その露呈表面の面積即ち蒸発面面積
S(m2)を求める。
次に、本発明の蒸発面面積S(m2)の求め方について
具体的に説明する。
まず、本発明の方法において、重合器内のポリマー
が、撹拌や発泡により波立った状態にある場合でも、攪
拌や発泡のない静止状態の水平液面または流下液面を想
定し、その水平液面または流下液面の面積(m2)を蒸発
面面積S(m2)と定義する。
また、反応を、濡らし落下方式で行なう場合は、重合
器内のポリマーが重合器の内壁面やガイドのガイド壁面
という固形物体表面の1部又は全部の面[以下、屡々
「ポリマー落下壁面(polymer−flowing wall surfac
e)」と称す]に沿って流下するが、該ポリマー流下壁
面に均一の厚みで該壁面の形状と合同又は相似(例え
ば、高粘度の液状ポリマーがワイヤーを流下する場合に
は、流下ポリマーの周辺形状はワイヤーの周辺より大で
相似形となる)の形状の流下液面(flowing liquid s
urface)、すなわちポリマー流下壁面が平面ならば平
面、円柱状ならば円柱状の流下液面の面積(m2)が流下
液状ポリマーの蒸発面面積S(m2)となる。ただし、ポ
リマー流下壁面の面積から流下液面の表面積(流下液状
ポリマーの蒸発面面積)を直接求める場合には、ポリマ
ー流下壁面の数100μmオーダーまでの凹凸は無視し、
平滑な表面であるものとする。また、ポリマー流下壁面
を流下する際、ポリマーは広がることなく、流下開始部
と同じ流下幅で流下するものとして流下液面の面積(流
下液状ポリマーの蒸発面面積)(m2)は求められる。例
えば、円筒状重合器の上部側面のプレポリマー供給口か
ら供給されたプレポリマーは、供給口から出る時と同じ
幅で重合器内壁面に沿って重合器下部に落下するものと
して流下液面の面積(流下液状ポリマーの蒸発面面積)
(m2)は求められる。尚、供給口から出る時のプレポリ
マーの幅は、プレポリマーの粘度、、供給速度及び供給
口の設計条件によって決まる。重合器内を、壁面やガイ
ドのガイド壁面に沿わずに糸状や液滴状に落下している
場合は、その気液界面は本発明の蒸発面面積S(m2)に
は含まないものとし、又、ポリマーが、重合原料液状物
がガイドや重合器内壁面のいずれにも接触せずに落下す
る部分がある場合、その部分の露呈表面の面積は、本発
明にいう蒸発面面積には含まれない。複数のガイドの流
下液面が存在する場合、本発明における流下液状ポリマ
ーの蒸発面面積S(m2)は、それぞれの流下液状ポリマ
ーの蒸発面面積S(m2)の総和とする。
なお、重合器内のボトムに溜った液状ポリマーが存在
する場合にはとの水平液面面積を上記の流下液状ポリマ
ー液面面積に加えた面積が本発明における蒸発面面積S
(m2)である。
また、本発明の定義に従って蒸発面面積を求める際、
一つの流下液面が、他のポリマー流下壁面に存在するポ
リマー等の存在などによって、気相部との接触面になら
ない場合は、気相打と接触しない流下液面の面積は蒸発
面面積S(m2)に含まないものとする。
本発明における液容量V(m3)とは、重合器内で実質
的に重合に関与するポリマーの容量を表す。リアクター
に付属する移送や一時的な液だめのための配管等内のポ
リマー溶量は、本発明における液容量V(m3)に含まれ
ない。
以下に、図面を用いて本発明における蒸発面面積S
(m2)と液容量V(m3)の測定法の具体例を説明する。
図1(a)は、竪型攪拌槽における重合の状態の概略
図であり、液容量V(m3)のプレポリマーが原料供給口
5から糸状に供給されながら、攪拌され、撹拌と発泡に
よって波状の複雑な気液界面を形成している状態を表し
ている。図1(b)は、図1(a)の液容量V(m3)の
まま攪拌及び発泡が無く気液界面4を平面としたときの
状態である。本発明においては図1(b)の状態として
求めた水平液面4の面積が本発明における蒸発面面積S
(m2)である。
液容量V(m3)は、重合を連続的に実施する場合、重
合器に供給したプレポリマーの重量から、重合器から抜
き出したポリマーや、副生する芳香族モノヒドロキシ化
合物などの蒸発物、及び配管中のプレポリマー等の重量
を差し引くことにより重合器内の液重量を求め、これを
その重合温度での液比重から容量に換算することによっ
て測定できる。〔該蒸発物には、芳香族モノヒドロキシ
化合物の他に、重合条件等によっても異なるが少量のジ
アリールカーボネートや芳香族ジヒドロキシ化合物、更
には極めて低分子量のプレポリマー(オリゴマー)等が
含まれる場合もある。〕蒸発する芳香族モノヒドロキシ
化合物等の重量は、重合器のベントから留出する芳香族
モノヒドロキシ化合物等を全量凝縮させ、凝縮物の重量
を測定することによって求められる。本発明における重
合温度においては、液比重は1,100kg/m3であるものとす
る。また、バッチ的に重合する場合も、重合器に供給し
たプレポリマーの重量から、蒸発する副生する芳香族モ
ノヒドロキシ化合物、及び配管中のプレポリマー等の重
量を差し引くことにより重合器内の液重量を求め、これ
をその重合温度での液比重(1,100kg/m3)から容量に換
算することによって測定できる。
図2(a)は、円筒状の重合器内をプレポリマーが濡
れ壁状に落下しながら重合している状態を表している。
図2(b−1)、図2(b−2)は、図2(a)に示す
液容量のまま表面が波状ではなく壁面に均一な厚みで存
在して断面円弧状の流下液面4を形成したときを想定し
た時の状態である。本発明においては、図2(b−
1)、図2(b−2)の状態として求めた断面円弧状の
流下液面4の面積が本発明における蒸発面面積S(m2
である。図2(b−2)において、流下液面4に対して
ほぼ垂直な、液の厚さ方向の側面は、壁面と合同形又は
相似形の面ではないので本発明の蒸発面面積S(m2)に
は含まれない。なお、図2(b−2)に示したように、
原料供給口から重合器に供給されたプレポリマーは、重
合器壁面を壁面の周方向に広がることなく、供給口から
出た時の幅のままで落下しているものとする。
液容量V(m3)は、重合を連続的に実施する場合、重
合器に供給したプレポリマー重量から、重合器から抜き
出したポリマーや、副生する芳香族モノヒドロキシ化合
物などの蒸発物、及び配管中のプレポリマー等の重量を
差し引くことにより重合器内の液重量を求め、これをそ
の重合温度での液比重から容量に換算することによって
測定できる。また、バッチ的に重合する場合も、重合器
に供給したプレポリマー重量から、蒸発する芳香族モノ
ヒドロキシ化合物及び配管中のプレポリマー等の重量を
差し引くことにより重合器内の液重量を求め、これをそ
の重合温度での液比重(1,100kg/m3)から容量に換算す
ることによって測定できる。
図7(a)は、重合器内をポリマーが二本の円柱状ガ
イドに沿って隣接する円柱状ガイド上のポリマーと接触
して図示するような断面形状で落下しながら重合してい
る状態の水平断面の概略図である。図7(b)は、図7
(a)の液容量のまま、波状表面ではなく、二本円柱状
ポリマーが重なり合って流下液面4を形成している状態
を想定した図を示す。図7(b)の破線部は、気相と接
触していないので、本発明の蒸発面面積S(m2)には含
まれない。図7(b)の実線部の流下液面4の面積が本
発明における蒸発面面積S(m2)とする。
本発明においては、蒸発面面積S(m2)、液容量V
(m3)、製造する芳香族ポリカーボネートの数平均分子
量nの各数値が、下記式(1); log(S/V)≧2×10-5×n+0.8 (1) の関係を満足する条件下で重合する。ただし、式(1)
は、蒸発面面積S(m2)及び液容量V(m3)を上記単位
で表した場合にのみ成立する。式(1)は、本発明者ら
がS/Vの異なる種々の重合条件で、種々の数平均分子量
の芳香族ポリカーボネートを製造した結果得られた経験
式である。S/Vが式(1)の範囲をはずれた場合には、
着色や熱分解物の生成がなく耐熱性に優れた高品質な芳
香族ポリカーボネートを高い重合速度で製造することは
困難になる。
本発明の式(1)の関係を満足する反応条件を達成し
て維持することのできる重合器であれば、その形式につ
いて特に制限はないが、ガイドに沿ってポリマーを流下
せしめて重合を進行させる重合器を用いることは、特に
好ましい方法である。そのガイドが複数のガイドである
場合にはさらに好ましい。ガイドとしては、平板状、円
柱状、円錐状、鎖状等種々の形状のものが可能である。
ガイドが中空になっており、ガイドの外側にポリマーを
落下させながら重合し、中空部に加熱媒体を入れる方法
や、ガイドの中空部の内壁面に沿ってポリマーを落下さ
せながら重合し、ガイドの外側に加熱媒体を入れる方法
等も可能である。
本発明によって芳香族ポリカーボネートを製造する
際、本発明の式(1)の関係を満足する反射条件を達成
して維持することのできる重合器は1器用いても良いし
又は、2器以上組み合わせて用いても構わない。また、
本発明の要件を満足する反射条件を達成して維持するこ
とのできる重合器と他の重合器を組み合わせて芳香族ポ
リカーボネートを製造することも可能である。本発明の
方法は、用いる重合原料が比較的高粘度を有する場合
(具体的には数平均分子量が約1,500以上である場
合)、特に有用である。従って、例えば、重合の初期に
芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートか
ら竪型攪拌槽を用いて重合して数平均分子量約1,500の
プレポリマーを製造し、そのプレポリマーを本発明の条
件を満足する重合器を用いて重合する方法等は、本発明
の好ましい態様の一つである。
図3(a)及び(b)、図4(a)及び(b)、図
5、図6(a)及び(b)により、本発明で用いること
のできる重合器の具体例を説明するが、本発明で用いる
ことのできる重合器が、これらの具体例に限定されるも
のではない。
図3(a)と(b)は、複数の平板状ガイド7を備
え、この平板状ガイド7に沿ってポリマーを落下させな
がら重合させるタイプの重合器1を示し、図3(a)
は、その概略垂直断面図であって、平板状ガイドの長手
厚み方向の断面を示し、図3(b)は図3(a)の線II
I(b)−III(b)に沿った断面図である。原料供給口
5から導入されたプレポリマー3は孔のある分配板6で
複数の平板状ガイド7に分配される。平板状ガイド7の
両面に沿って落下するプレポリマー3からは、蒸発面4
より副生物である芳香族モノヒドロキシ化合物等が蒸発
する。重合器内部では減圧下にコントロールされてお
り、芳香族モノヒドロキシ化合物等や、必要に応じてガ
ス供給口8から供給される不活性ガスなどは、ベント口
9より排出される。落下する間に重合度の高められたポ
リマーは、排出口10より排出される。重合器内の液容量
V(m3)と蒸発面面積S(m2)は、排出されるポリマー
の数平均分子量nに対して式(1)の関係を満足して
いることが必要である。排出されたポリマーを再び原料
供給口5に供給して更に分子量を高めることも可能であ
る。重合はバッチ方式でも連続方式でも可能である。バ
ッチ方式で行う場合には、排出されたポリマーを繰り返
し原料供給口5に供給しながら重合する事も可能であ
る。連続方式としては、原料供給口5に連続的にプレポ
リマーを供給し、排出口10より重合度の高められたポリ
マーを連続的に抜き出す方式や、新たなプレポリマーを
連続的に原料供給口5に供給し、排出されたポリマーの
一部を連続的に抜き出し、残りのポリマーを再び原料供
給口5から新たなプレポリマーと共に連続的に供給する
方式等が挙げられる。なお、重合器は、ジャケットまた
はヒーター等(図示されていない)により加熱され、か
つ保温されている。尚、ガイド7は、例えば、分配板6
に固定したり、重合器の上部内壁から吊り下げたワイヤ
などに固定することができる。
この方式の重合器は、平板状ガイドの面積を大きくし
たり、平板状ガイドの数を増すことで容易に芳香族ポリ
カーボネートの生産量を高めスケールアップすることが
可能であり、工業的に実施する際有利である。
図4(a)と図4(b)は、複数の円柱状ガイド7Aを
備え、この円柱状ガイド7Aに沿ってポリマー3を落下さ
せながら重合させるタイプの重合器1を示し、図4
(a)はその概略垂直断面図であり、図4(b)は図4
(a)の線IV(b)−IV(b)に沿った断面図である。
原料供給口5から導入されたプレポリマー3は孔のある
分配板6で複数の円柱状ガイド7Aに分配される。円柱状
ガイド7Aに沿って落下するプレポリマー3からは、蒸発
面4より副生物である芳香族モノヒドロキシ化合物等が
蒸発する。重合器内部は減圧下にコントロールされてお
り、芳香族モノヒドロキシ化合物等や、必要に応じてガ
ス供給口8から供給される不活性ガスなどは、ベント口
9より排出される。落下する間に重合度の高められたポ
リマーは、排出口10より排出される。重合器内の液容量
V(m3)と蒸発面面積S(m2)は、排出されるポリマー
の数平均分子量nに対して式(1)の関係を満足して
いることが必要である。排出されたポリマーを再び原料
供給口5に供給して更に分子量を高めることも可能であ
る。重合はバッチ方式でも連続方式でも可能である。バ
ッチ方式で行う場合には、排出されたポリマーを繰り返
し原料供給口5に供給しながら重合する事も可能であ
る。連続方式としては、原料供給口5に連続的にプレポ
リマーを供給し、排出口10より重合度の高められたポリ
マーを連続的に抜き出す方式や、新たなプレポリマーを
連続的に原料供給口5に供給し、排出されたポリマーの
一部を連続的に抜き出し、残りのポリマーを再び原料供
給口5から新たなプレポリマーと共に連続的に供給する
方式等が挙げられる。なお、重合器は、ジャケットまた
はヒーター等(図示されていない)により加熱され、か
つ保温されている。尚、ガイド7Aは、例えば、分配板6
に固定したり、重合器の上部内壁から吊り下げたワイヤ
などに固定することができる。
この方式の重合器は、円柱状ガイドの数を増すことで
容易に芳香族ポリカーボネートの生産量を高めスケール
アップすることが可能であり、工業的に実施する際有利
である。
図5は、複数の円錐状ガイド7Bを備え、この円錐状ガ
イド7Bに沿ってポリマー3を落下させながら重合させる
タイプの重合器1の概略垂直断面図である。原料供給口
5から導入されたプレポリマー3は、まず最上部の円錐
状ガイドに沿って落下し、次に2段目の円錐状ガイドに
沿って落下し、次第に下方の円錐状ガイドに移行して重
合器ボトムに達する。落下するプレポリマー3からは、
蒸発面4より副生物である芳香族モノヒドロキシ化合物
等が蒸発する。重合器内部は減圧下にコントロールされ
ており、芳香族モノヒドロキシ化合物等や、必要に応じ
てガス供給口8から供給される不活性ガスなどは、ベン
ト口9より排出される。落下する間に重合度の高められ
たポリマーは、排出口10より排出される。重合器内の液
容量V(m3)と蒸発面面積S(m2)は、排出されるポリ
マーの数平均分子量nに対して式(1)の関係を満足
していることが必要である。但し、この態様の場合、或
る円錐状ガイドから次の段の円錐状ガイドへ移る際に、
ポリマーは円錐状ガイドのガイド部に接触しないで自由
落下により流下する部分があるが、その部分の露呈表面
の面積は本発明において規定される蒸発面面積には含ま
れない。排出されたポリマーを再び原料供給口5に供給
して更に分子量を高めることも可能である。重合はバッ
チ方式でも連続方式でも可能である。バッチ方式で行う
場合には、排出されたポリマーを繰り返し原料供給口5
に供給しながら重合する事も可能である。連続方式とし
ては、原料供給口5に連続的にプレポリマーを供給し、
排出口10より重合度の高められたポリマーを連続的に抜
き出す方式や、新たなプレポリマーを連続的に原料供給
口5に供給し、排出されたポリマーの一部を連続的に抜
き出し、残りのポリマーを再び原料供給口5から新たな
プレポリマーと共に連続的に供給する方式等が挙げられ
る。なお、重合器は、ジャケットまたはヒーター等(図
示されていない)により加熱され、かつ保温されてい
る。図5に示す円錐状ガイド7Bのうち、重合器中央部に
示される傘状のものは、例えば、重合器内壁面から出た
ロッドに固定したり、重合器の上部内壁から吊り下げた
ワイヤなどに固定したりすることができる。
この方式の重合器は、円錐状ガイド7Bの面積を大きく
することで容易に芳香族ポリカーボネートの生産量を高
めスケールアップすることが可能であり、工業的に実施
する際有利である。
図6(a)と図6(b)は、複数の円筒チューブ状ガ
イド7Cを備え、この円筒チューブ状ガイド7Cの内壁面に
沿ってポリマー3を落下させながら重合させるタイプの
重合器1を示し、図6(a)はその概略垂直断面図であ
り、図6(b)は図6(a)の線VI(b)−VI(b)に
沿った断面図である。原料供給口5から導入されたプレ
ポリマー3はオーバーフローにより数の円筒チューブ状
ガイド7C(シェル部11の上下の壁面に固定されている)
に分配される。円筒チューブ状ガイド7Cの内壁面に沿っ
て落下するプレポリマーからは、円筒チューブ状ガイド
7C内の蒸発面4より副生物である芳香族モノヒドロキシ
化合物が蒸発する。重合器内部は減圧下にコントロール
されており、芳香族モノヒドロキシ化合物等や、必要に
応じてガス供給口8から供給される不活性ガスなどは、
ベント口9より排出される。落下する間に重合度の高め
られたポリマーは、排出口10より排出される。重合器内
の液容量V(m3)と蒸発面の面積S(m2)は、排出され
るポリマーの数平均分子量nに対して式(1)の関係
を満足していることが必要である。排出されたポリマー
を再び原料供給口5に供給して更に分子量を高めること
も可能である。重合はバッチ方式でも連続方式でも可能
である。バッチ方式で行う場合には、排出されたポリマ
ーを繰り返し原料供給口5に供給しながら重合する事も
可能である。連続方式としては、原料供給口5にプレポ
リマーを供給し、排出口10より重合度の高められたポリ
マーを連続的に抜き出す方式や、新たなプレポリマー3
を連続的に原料供給口5に供給し、排出されたポリマー
の一部を連続的に抜き出し、残りのポリマーを再び原料
供給口5から新たなプレポリマーと共に連続的に供給す
る方式等が挙げられる。なお、円筒チューブ状ガイド7C
の外側の空間であるシェル部11は熱媒により加熱されて
おり、熱媒供給口12より供給された熱媒は、熱媒排出口
13より排出される。尚、熱媒としては、公知のものを用
いることができる。例えば、熱交換器ハンドブック、10
9〜110頁(熱交換器ハンドブック編集委員会編、日刊工
業新聞社発行、第5版)記載の種々の加熱媒体、具体例
としては加熱スチームや溶融塩、SK−OIL#260、SK−OI
L240、SK−OIL#170等を挙げることができる。
この方式の重合器は、円筒チューブ状ガイド7Cの数を
増すことで容易に芳香族ポリカーボネートの生産量を高
めスケールアップすることが可能であり、工業的に実施
する際有利である。
本発明において、液容量Vは重合器の内容積の5%以
上であることが好ましい。5%未満である場合、重合器
の大きさが大きくなるため工業的に実施する際には好ま
しくない。
また本発明においては、蒸発面面積S(m2)の数値
が、芳香族ポリカーボネートの生産速度Q(kg/hr)の
数値に対して、下記式(2); S≧0.03Q (2) の関係を満足する条件下で重合することが好ましい。た
だし、式(2)は、蒸発面面積S(m2)と生産速度Q
(kg/hr)を上記単位で表した場合のみ成立する。蒸発
面面積Sが式(2)を満足しない場合には、工業的規模
で芳香族ポリカーボネートを製造しようとした場合、表
面の更新を極めて効率的に行う必要が生じ、表面を更新
しようとするポリマーに大きなシェアーがかかることに
なるため、結果として着色等によりポリマー品質を損な
うことになる。
本発明は、上述したように工業的規模で芳香族ポリカ
ーボネートを製造する際に特に好ましい方法を提供する
ものである。本発明で製造する芳香族ポリカーボネート
の生産速度Qに特に制限はないが、通常1kg/hr以上であ
り、より一般的には3kg/hr以上である。
本発明において、重合温度は、通常100〜350℃、好ま
しくは150〜290℃の温度の範囲で選ばれる。
反応の進行にともなって、芳香族モノヒドロキシ化合
物が生成してくるが、これを反応系外へ除去する事によ
って反応速度が高められる。従って、窒素、アルゴン、
ヘリウム、二酸化炭素や低級炭化水素ガスなど反応に悪
影響を及ぼさない不活性なガスを導入して、生成してく
る該芳香族モノヒドロキシ化合物をこれらのガスに同伴
させて除去する方法や、減圧下に反応を行う方法などが
好ましく用いられる。好ましい反応圧力は、製造する芳
香族ポリカーボネートの種類や分子量、重合温度等によ
っても異なるが、例えばビスフェノールAとジフェニル
カーボネートから芳香族ポリカーボネートを製造する場
合、数平均分子量が1,000未満の範囲では、6,660Pa(50
mmHg)〜常圧の範囲が好ましく、数平均分子量が1,000
〜2,000の範囲では、400Pa(3mmHg)〜6,660Pa(50mmH
g)の範囲が好ましく、数平均分子量が2,000を超える範
囲では、2,670Pa(200mgHg)以下、特に1,330Pa(10mmH
g)以下が好ましく、更に267Pa(2mmHg)以下が好まし
い。
減圧下で、かつ前述した不活性ガスを導入しながら反
応を行う方法も好ましく用いられる。
エステル交換反応は、触媒を加えずに実施する事がで
きるが、重合速度を高めるため、必要に応じて触媒の存
在下で行われる。重合触媒としては、この分野で用いら
れているものであれば特に制限はないが、水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウムなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化
物類;水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナト
リウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムなどの
ホウ素やアルミニウムの水素化のアルカリ金属塩、アル
カリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類;水素化リチ
ウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウムなどのアル
カリ金属及びアルカリ土類金属の水素化合物類;リチウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメト
キシドなどのアルカリ金属及びアルカリ土類金属のアル
コキシド類;リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノ
キシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar−OLi、Na
O−Ar−ONa(Arはアリール基)などのアルカリ金属及び
アルカリ土類金属のアリーロキシド類;酢酸リチウム、
酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウムなどのアルカリ金
属及びアルカリ土類金属の有機酸塩類;酸化亜鉛、酢酸
亜鉛、亜鉛フェノキシドなどの亜鉛化合物類;酸化ホウ
素、ホウ素、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホ
ウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、(R1R2R3R4)NB
(R1R2R3R4)または(R1R2R3R4)PB(R1R2R3R4)で表さ
れるアンモニウムボレート類またはホスホニウムボレー
ト類(R1、R2、R3、R4は前記の通り)などのホウ素の化
合物類;酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキ
ルケイ素、テトラアリールケイ素、ジフェニル−エチル
−エトキシケイ素などのケイ素の化合物類;酸化ゲルマ
ニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシ
ド、ゲルマニウムフェノキシドなどのゲルマニウムの化
合物類;酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアルキ
ルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブ
トキシドなどのアルコキシ基またはアリーロキシ基と結
合したスズ化合物、有機スズ化合物などのスズの化合物
類;酸化鉛、酢酸鉛、炭酸塩、塩基性炭酸鉛、鉛及び有
機鉛のアルコキシドまたはアリーロキシドなどの鉛の化
合物;第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、
第四級アルソニウム塩などのオニウム化合物類;酸化ア
ンチモン、酢酸アンチモンなどのアンチモンの化合物
類;酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなど
のマンガンの化合物類;酸化チタン、チタンのアルコキ
シドまたはアリーロキシドなどのチタンの化合物類;酢
酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのア
ルコキシド又はアリーロキシド、ジルコニウムアセチル
アセトンなどのジルコニウムの化合物類などの触媒を挙
げる事ができる。
触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だけで用いて
も良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。ま
た、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジヒドロキ
シ化合物に対して、通常10-8〜1重量%、好ましくは10
-7〜10-1重量%の範囲で選ばれる。
本発明の方法に用いられる重合器の材質に特に制限は
ないが、重合器の少なくとも内壁面を構成する材質は、
通常ステンレススチールやニッケル、ガラス等から選ば
れる。
本発明において用いられるガイドの材質には特に制限
はないが、好ましい材質の例としては、金属、ガラス、
セラミックなどが挙げられる。金属の例としては、ステ
ンレススチール、カーボンスチール、ニッケル、チタ
ン、クロム、又はハステロイなどの合金を挙げることが
できる。
発明を実施するための最良の形態 以下実施例及び比較例によって、本発明をより具体的
に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定される
ものではない。
なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)で測定し、標準ポリスチレンを用いて得
たキャリブレーションカーブを用いて得た数平均分子量
(以下、nと略す。)である。
カラーは、CIELAB法により試験片(厚み3.2mm)を用
いて測定し、黄色度をb値で示した。
実施例1 図3−aに示すような円筒状の重合器を用いて反応を
行った。この重合器1は、内容積0.57m3であり、厚み1m
m、幅0.1m、長さ7.5mのステンレススチールSUS316L製平
板状ガイド7を5枚備えており、重合器1に供給される
プレポリマー3は分配板6により各平板状ガイド7の両
面に均一に分配される。重合器1の外側はジャケット
(図示せず)になっており、熱媒で加熱される。重合器
1にプレポリマー3を攪拌するための装置は備え付けら
れていない。
この重合器1に、ビスフェノールAとジフェニルカー
ボネート(対ビスフェノールAモル比1.05)から製造し
た、n7,000のプレポリマー3を、原料供給口5から50
kg/hrの流量で連続的に供給し、260℃、圧力50Pa(0.4m
mHg)の条件で、排出口10から芳香族ポリカーボネート
を連続的に抜き出しながら重合を行った。運転開始25時
間後、及び50時間後に排出口10から排出された芳香族ポ
リカーボネートはいずれもn11,200であり、着色がな
く(b値3.4)、不純物及び熱分解生成物を含まない
透明なポリマーであった。
25時間後の重合原料の液容量Vは、下式によって求め
た。
V=〔(w1−w2−w3)/ρ〕−v0 ここで、各番号の意味は以下の通りである。
w1:プレポリマーの25時間積算供給量[kg] w2:重合器から排出された芳香族ポリカーボネートの2
5時間積算量[kg] w3:重合器から留出するフェノール等の25時間積算量
[kg] v0:配管中のプレポリマー量[m3] ρ:重合原料の比重[kg/m3] 上記におけるw1は1,250kg、w2は1,064kg、w3は10kg、
v0は0.01m3、ρは1,100kg/m3であり、従って25時間後の
液容量Vは0.15m3であった。また、重合器ボトムの水平
液面の蒸発面面積より、重合器ボトムの液容量は0.002m
2であった。
25時間後の平板状ガイド7上の流下液面の蒸発面面積
は、下式によって求めた。
平板状ガイド7上の流下液面の蒸発面面積 =平板状ガイド7の幅×平板状ガイド7の長さ× 平板状ガイド7の枚数×2 =7.5(m2) また、25時間後の重合器ボトムの水平液面の蒸発面面
積は0.008m2であった。従って、25時間後の蒸発面面積
Sは約7.5m2であった。25〜50時間の間、プレポリマー
の積算供給量は、重合器1から排出された芳香族ポリカ
ーボネート量と重合器1から留出するフェノール等の量
の和に等しく、50時間後の液容量Vは25時間後の液容量
Vと同じであった。また、50時間後の蒸発面面積Sも25
時間後の蒸発面面積Sと同じであった。
従って、25時間後、50時間後のいずれも式(1)の左
辺は、1.70、右辺は1.00であった。液容量Vは重合器1
内容積の26%である。また、芳香族ポリカーボネートの
生産速度Qは、49.6kg/hrであった。この芳香族ポリカ
ーボネートを300℃で射出成形して作製した、厚み3.2mm
の試験片の耐熱エージングテストを行った結果、125
℃、400時間後のb値は3.8であり、顕著な着色は認め
られなかった。
実施例2〜5 実施例1と同様の重合器を用いて、ビスフェノールA
とジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比
1.05)から製造した、異なるnのプレポリマーを種々
の重合条件で重合した。液容量V及び蒸発面面積Sは実
施例1と同様に求めた。液容量V及び蒸発面面積S、芳
香族ポリカーボネートのnはいずれも25時間後と50時
間後で同じであった。結果をまとめて表1に示す。
比較例1 内容積0.6m3、長さ3mで、スクリュー総ピッチ数100、
スクリューの間隙0.1mmの噛合型2軸スクリュー蒸発器
に、実施例3と同様のプレポリマーを連続的に供給し、
排出口から芳香族ポリカーボネートを連続的に抜き出し
ながら重合を行った。プレポリマーの供給量、重合温
度、及び重合圧力は実施例3と全く同じにした。スクリ
ューの回転数は30rpmで行った。25時間後及び50時間後
に蒸発器から排出された芳香族ポリカーボネートのn
はいずれも5,100であり、分子量はほとんど上昇しなが
った。また、得られた芳香族ポリカーボネートには、着
色が認められた(b値3.9)。実施例1と同様にして
求めた蒸発器内のプレポリマーの液容量Vは、25時間
後、50時間後のいずれも0.23m3であり、このプレポリマ
ーが蒸発器内で静止していると求めた蒸発面面積Sは25
時間後、50時間後のいずれも1.3m2であった。
従って、25時間後、50時間後のいずれも式(1)の左
辺は、0.75、右辺は、0.9であった。また、芳香族ポリ
カーボネートの生産速度Qは69.8kg/hrであった。芳香
族ポリカーボネートを実施例1と同様にして射出成形し
て試験片を作製し、耐熱エージングテストを行った結
果、b値は6.5であり、顕著に着色していた。
比較例2 回転直径0.25mの攪拌翼を有する攪拌軸を2本有する
内容積0.6m3、長さ3mの横型攪拌槽に、実施例3と同様
のプレポリマーを連続的に供給し、排出口から芳香族ポ
リカーボネートを連続的に抜き出しながら重合を行っ
た。プレポリマーの供給量、重合温度、及び重合圧力は
実施例3と全く同じにした。攪拌軸の回転数は15rpmで
行った。25時間後及び50時間後に重合器から排出された
芳香族ポリカーボネートのnはいずれも5,100であ
り、分子量はほとんど上昇しなかった。また、得られた
芳香族ポリカーボネートには、着色が認められた(b
値3.8)。実施例1と同様にして求めた重合器内のプレ
ポリマーの液容量Vは、25時間後、50時間後のいずれも
0.24m3であり、このプレポリマーが重合器内で静止して
いるとして求めた蒸発面面積Sは25時間後、50時間後の
いずれも1.4m2であった。
従って、25時間後、50時間後のいずれも式(1)の左
辺は、0.76、右辺は、0.9であった。また、芳香族ポリ
カーボネートの生産速度Qは、69.8kg/hrであった。こ
の芳香族ポリカーボネートを、実施例1と同様にして射
出成形して試験片を作製し、耐熱エージングテストを行
った結果、b値は6.2であり、顕著に着色していた。
実施例6 図6(a)に示すような円筒状の重合器を用いて重合
を行った。この重合器1の内部は、図6(a)に示すよ
うに、トップ部、シェル部11及びボトム部に区切られて
おり、また、トップ部とボトム部を連通するように、内
径53mm、長さ6mのステンレススチールSUS316L製円筒チ
ューブ状ガイド7Cを9本備えている。トップ部、シェル
部及びボトム部は、それぞれシェル部11に通す熱媒によ
って加熱されている。重合器1に供給されるプレポリマ
ー3はオーバーフローして各円筒チューブ状ガイド7Cの
内壁面に均一に分配される。重合器1のトップ部、ボト
ム部、及びチューブ内を含む重合器の内容積は0.22m3
ある。重合器1にプレポリマーを攪拌するための装置は
備え付けられていない。
この重合器1に、ビスフェノールAとジフェニルカー
ボネート(対ビスフェノールAモル比1.07)から製造し
た、n6,900のプレポリマー3を原料供給口5から70kg
/hrの流量で連続的に供給し、265℃、圧力53Pa(0.4mmH
g)の条件で、排出口10から芳香族ポリカーボネートを
連続的に抜き出しながら重合を行った。25時間後、及び
50時間後に排出口10から排出された芳香族ポリカーボネ
ートはいずれもn10,100であり、着色がなく(b
3.4)、不純物及び熱分解生成物を含まない透明なポリ
マーであった。実施例1と同様にして求めた25時間後の
液容量Vは0.13m3であり、重合器ボトムの液面より、重
合器ボトムの液容量は0.018m3であり、従って円筒チュ
ーブ状ガイド7Cの液容量は0.112m3であった。
25時間後の円筒チューブ状ガイド7Cの蒸発面面積は下
式によって求めた。
円筒チューブ状ガイド7C内の蒸発面面積 =2×{(r1×r1×3.14−v1/n1/l1) /3.14}0.5×3.14×n1×l1 ここで、各番号の意味は以下の通りである。
r1:円筒チューブ状ガイドの内半径〔mm〕 v1:円筒チューブ状ガイド内の液容量V〔m3〕 n1:円筒チューブ状ガイドの本数 l1:円筒チューブ状ガイドの長さ〔m〕 上記式におけるr1は0.0265m、v1は0.112m3、n1は9
本、l1は6mである。重合器ボトムの蒸発面面積は0.01m2
であり、従って25時間後の蒸発面面積Sは2.2m2であっ
た。25〜50時間の間、プレポリマー3の積算供給量は、
重合器1から排出された芳香族ポリカーボネート量と重
合器1から留出するフェノール等の量の和に等しく、50
時間後の液容量Vは25時間の液容量Vと同じであった。
又、50時間後の蒸発面面積Sも25時間後の蒸発面面積S
と同じであった。
従って、式(1)の左辺は、1.23、右辺は1.00であっ
た。液容量Vは重合器内容積の59%であった。また、芳
香族ポリカーボネートの生産速度Qは、69.6kg/hrであ
った。
実施例7 実施例6と同様の重合器を用いて、重合を行った。た
だし、排出口10と原料供給口5を循環ラインでつなぎ、
重合器ボトム部に落下したプレポリマーの一部を排出
し、残りは循環ラインを通じて再び原料供給口5に戻す
ようにした。重合器1にプレポリマーを攪拌するための
装置は備え付けられていない。
この重合器1に、ビスフェノールAとジフェニルカー
ボネート(対ビスフェノールAモル比1.00)から製造し
た、n1,800のプレポリマー3を、循環ラインを通じて
原料供給口5より10kg/hrの流量で連続的に供給した。
重合器内1は、240℃、圧力133Pa(1.0mmHg)の条件で
あり、排出口10から生成した芳香族ポリカーボネートの
一部を抜き出し、残りは循環ラインを通じて200kg/hrの
流量で原料供給口5に戻し、再び重合を行い、重合器1
内のプレポリマー量は一定レベルに保つようにした。25
時間後、及び50時間後に排出口から排出された芳香族ポ
リカーボネートはいずれもn6,200であり、着色がなく
(b値3.3)、不純物及び熱分解生成物を含まない透
明なポリマーであった。実施例6と同様にして求めた25
時間後及び50時間後の液容量Vはいずれも0.09m3であ
り、蒸発面面積Sはいずれも5.6m2であった。従って、
式(1)の左辺は、1.79、右辺は0.92であった。液容量
Vは重合器内容積の41%であった。また、芳香族ポリカ
ーボネートの生産速度Qは9.4kg/hrであった。
比較例3 循環ラインを通じて、原料供給口5へ戻すプレポリマ
ーの流量を1,000kg/hrとする他は、実施例7と全く同様
に重合を行った。25時間後、及び50時間後に排出口10か
ら排出された芳香族ポリカーボネートはいずれもn2,5
00であった。供給したプレポリマーに対するnの増加
量は700であったが、この値は実施例7のn増加量に
比べ、1/6以下であった。実施例6と同様にして求めた2
5時間及び50時間後の液容量Vはいずれも0.13m3であ
り、蒸発面面積Sはいずれも0.88m2であった。従って、
式(1)の左辺は、0.83、右辺は0.86であり、左辺の値
の右辺の値よりも小さかった。
実施例8 図4(a)に示すような、円筒状の重合器を用いて反
応を行った。この重合器1は、内容積0.6m3であり、太
さ1mm、長さ8mのステンレススチールSUS316L製円柱状ガ
イド7Aを30本備えており、重合器1に供給されるプレポ
リマーは分配板6により各ガイドに均一に分配される。
重合器1の外側はジャケット(図示せず)になってお
り、熱媒で加温されている。重合器1にプレポリマーを
攪拌するための装置は備え付けられていない。
この重合器1に、ビスフェノールAとジフェニルカー
ボネート(対ビスフェノールAモル比1.05)から製造し
た、n6,200のプレポリマー3を、18kg/hrの流量で原
料供給口5から連続的に供給し、265℃、圧力67Pa(0.5
mmHg)の条件で、排出口10から芳香族ポリカーボネート
を連続的に抜き出しながら重合を行った。25時間後、及
び50時間後に排出口10から排出された芳香族ポリカーボ
ネートはいずれもn11,700であり、着色がなく(b
値3.4)、不純物及び熱分解生成物を含まない透明なポ
リマーであった。実施例1と同様にして求めた25時間後
の液容量Vは0.07m3であり、重合器ボトムの液面より、
重合器ボトムの液容量は0.15m3であり、従って円柱状ガ
イド7A上の液容量は0.055m3であった。25時間後の円柱
状ガイド7A上の蒸発面面積は下式によって求めた。
円柱状ガイド7A上の蒸発面面積 =2×{(r2×r2×3.14+v2/n2/l2) /3.14}0.5×3.14×n2×l2 ここで、各番号の意味は以下の通りである。
円柱状ガイドのr2〔m〕 円柱状ガイド上のv2〔m3〕 円柱状ガイドの本数 n2 円柱状ガイドの長さ l2〔m〕 上記式におけるr2は0.0005m、v2は0.055m3、n2は30
本、l2は8mである。重合器ボトムの蒸発面面積は0.008m
2であり、従って25時間後の蒸発面面積Sは13.0m2であ
った。25〜50時間の間、プレポリマー3の積算供給量
は、重合器1から排出された芳香族ポリカーボネート量
と重合器から留出するフェノール等の量の和に等しく、
50時間後の液容量Vは25時間後の液容量と同じであっ
た。また、50時間後の蒸発面面積Sも25時間後の蒸発面
面積Sと同じであった。
従って、式(1)の左辺は、2.27、右辺は1.03であっ
た。液容量Vは重合器内容積の12%であった。また、芳
香族ポリカーボネートの生産速度Qは、17.8kg/hrであ
った。この芳香族ポリカーボネートについて、実施例1
と同様にして射出成形して試験片を作製し、耐熱エージ
ングテストを行った結果、b値は3.9であり、顕著な
着色は認められなかった。
実施例9〜12 実施例8と同様の重合器を用いて、ビスフェノールA
とジフェニルカーボネート(対ビスフェノールAモル比
1.05)から製造した、異なるnのプレポリマーを種々
の重合条件で重合した。液容量V及び蒸発面面積Sは実
施例8と同様にして求めた。液容量V及び蒸発面面積
S、芳香族ポリカーボネートのnはいずれも25時間後
と、50時間後で同じであった。結果をまとめて表2に示
す。
実施例13 ビスフェノールAのかわりに1,1−ビス−(4−ヒド
ロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘサンを
用いて製造したn7,000のプレポリマーを用いる以外
は、実施例1と全く同様の条件で反応を行った。25時間
後、及び50時間後に排出口10から排出された芳香族ポリ
カーボネートはいずれもn11,000であり、着色がなく
(b値3.4)、不純物及び熱分解生成物を含まない透
明なポリマーであった。実施例1と同様にして求めた25
時間後及び50時間後の液容量Vはいずれも0.17m3であ
り、蒸発面面積Sはいずれも7.5m2であった。従って、
式(1)の左辺は1.64、右辺は1.00であった。液容量V
は重合器内容積の30%であった。また、芳香族ポリカー
ボネートの生産速度Qは、49.7kg/hrであった。
実施例14〜17 芳香族ジヒドロキシ化合物として、ビスフェノールA
のかわりに、ビスフェノールAとビスフェノールA外の
種々の芳香族ジヒドロキシ化合物との混合物を用いて製
造したn7,000のプレポリマーを用いる以外は実施例1
と全く同様の条件で重合を行った。ただし、ビスフェノ
ールAとビスフェノールA以外の芳香族ジヒドロキシ化
合物の比率はモル比で1:!とし、その合計量は実施例1
のビスフェノールAと当モルとした。液容量V及び蒸発
面面積Sは実施例1と同様にして求めた。液容量V及び
蒸発面面積S、芳香族ポリカーボネートのnはいずれ
も25時間後と、50時間後で同じであった。結果をまとめ
て表3に示す。
実施例18 図4(a)に示すような、円筒状の重合器を用いて反
応を行った。この重合器1は、内容積0.28m3であり、太
さ2mm、長さ4mのステンレススチレンSUS316L製円柱状ガ
イド7Aを50本備えており、重合器1に供給されたプレポ
リマー3は分配板6により各ガイドに均一に分配され
る。ただし、排出口10と原料供給口5を循環ラインでつ
なぎ、重合器ボトムに落下したプレポリマーは循環ライ
ンを通じて再び原料供給口5に戻すようにした。重合器
1にプレポリマーを攪拌するための装置は備え付けられ
ていない。
この重合器1に、ビスフェノールAとジフェニルカー
ボネート(対ビスフェノールAモル比1.05)から製造し
た、n4,700のプレポリマー3を0.03m3仕込み、反応温
度280℃、反応圧力53Pa(0.4mmHg)、循環流量25リット
ル/hrの条件で、2時間バッチ重合を行った。2時間
後、n8,100の着色がなく(b値3.3)、不純物及び
熱分解生成物を含まない透明な芳香族ポリカーボネート
が得られた。最初に仕込んだプレポリマー量から循環ラ
イン等に存在するプレポリマー量及び重合器1から留出
したフェノール等の量を差し引いて求めた、2時間後の
円柱状ガイド7A表面上及び重合器ボトムのプレポリマー
の液容量Vは0.028m3であり、実施例8と同様にして求
めた蒸発面面積Sは1.8m2であった。式(1)の左辺は
1.81、右辺は0.96であった。液容量Vは重合器内容積の
10%であった。
また、芳香族ポリカーボネートの生産速度Qは16.3kg
/hrであった。
比較例4 円柱状ガイド7Aの太さが0.1mmである他は、実施例18
と全く同様な重合器を用いて、実施例18と同様な重合条
件でバッチ重合を行った。2時間後に得られた芳香族ポ
リカーボネートの分子量は5,500であった。実施例18と
同様にして求めた2時間後の液容量Vは0.028m3、蒸発
面面積Sは0.22m2であり、式(1)の左辺は0.90、右辺
は0.91であった。
産業上の利用可能性 本発明の方法を用いると、従来法において製造中に起
き易かった着色がなく、また不純物も熱分解生成物もな
い耐熱性に優れた高品質の芳香族ポリカーボネートを、
高い重合速度で製造できるだけでなく、非常に大きな撹
拌動力を必要とすることなく、且つ製造のスケールアッ
プが容易なので、工業的に有利である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 64/00 - 64/42

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカ
    ーボネートの溶融混合物、及び 芳香族ジヒドロキシ化合物をジアリールカーボネートと
    反応させることを包含するプロセスによって得られる溶
    融プレポリマー からなる群より選ばれる少なくとも1種の重合原料を、
    重合器においてエステル交換反応に付すことを包含し、
    その際、該重合原料が重合器において液状物の形で存在
    し、且つ重合器においてエステル交換されつつある該重
    合原料液状物が露呈表面を有する状態で反応させる、芳
    香族ポリカーボネートの製造方法において、 該重合原料液状物のエステル交換反応を、下記式(1)
    を満足する反応条件下で行なうことを特徴とする方法。 log(S/V)≧2×10-5×n+0.8 (1) 但し、上記式(1)において: Sは、該重合原料液状物の露呈表面の面積(m2)として
    定義される蒸発面面積(m2)を表わし; Vは、該重合器中に存在する該重合原料液状物の容量
    (m3)を表わし;そして nは、製造する芳香族ポリカーボネートの数平均分子
    量を表わす。
  2. 【請求項2】該重合器の内壁と該重合器中に設けられた
    ガイドとからなる群から選ばれる少なくとも1種の固形
    状物体の表面に沿って、該重合原料液状物を接触落下さ
    せる濡らし落下方式によって、該重合原料液状物のエス
    テル交換反応を行うことを特徴とする請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】該重合原料液状物の容量Vが重合器の内容
    積の5%以上であることを特徴とする請求項1又は2に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】該重合原料液状物の蒸発面面積S(m2)が
    下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1〜3
    のいずれかに記載の方法。 S≧0.03Q (2) 但し、上記式(2)において、Qは芳香族ポリカーボネ
    ートの生産速度(kg/hr)を表わす。
  5. 【請求項5】該芳香族ポリカーボネートの生産速度Qが
    1kg/hr以上であることを特徴とする請求項4に記載の方
    法。
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