JP3706223B2 - 芳香族ポリカーボネートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、芳香族ポリカーボネートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、芳香族ポリカーボネートは、耐熱性、耐衝撃性、透明性などに優れたエンジニアリングプラスチックスとして、多くの分野において幅広く用いられている。この芳香族ポリカーボネートの製造方法については、従来種々の研究が行われ、その中で、芳香族ジヒドロキシ化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという。)とホスゲンとの界面重縮合法が工業化されている。
【0003】
しかしながら、この界面重縮合法においては、有毒なホスゲンを用いなければならないこと、副生する塩化水素や塩化ナトリウムなどの含塩素化合物により装置が腐食すること、ポリマーが着色し易い等悪影響を及ぼす塩化ナトリウムなどの分離が困難なこと、溶媒として塩化メチレンを用いるため作業性が悪いことなどの問題があった。
【0004】
一方、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートから、芳香族ポリカーボネートを製造する方法としては、例えば、ビスフェノールAとジフェニルカーボネートを溶融状態でエステル交換し、副生するフェノール等を抜き出しながら重合する溶融重縮合法が以前から知られている。溶融重縮合法は、界面重縮合法とは異なり、溶媒を使用しないなどの利点がある一方、重合が進行すると共にポリマーの粘度が上昇し、副生するポリマー中のフェノール等を反応液から効率よく系外に抜き出す事が困難になり、重合度が上がりにくくなるという本質的な問題があった。
【0005】
従来、芳香族ポリカーボネートを製造するための重合器としては、種々の重合器が知られている。撹拌機を備えた槽型の重合器を用いる方法は、一般に広く知られている。しかしながら、撹拌槽型の重合器は容積当たりの反応液の重合率が高く、シンプルであるという利点を有するが、小スケールでは効率的に重合を進められるものの、工業的規模では、重合の進行と共に副生するポリマー中のフェノール等を反応液から効率的に系外に抜き出す事が困難となり、重合度が上がりにくくなるという問題を有している。
【0006】
すなわち、大スケールの撹拌槽型の重合器は、通常、蒸発面積に対する液容量の比率が小スケールの場合に比べて大きくなり、いわゆる液深が大きな状態となる。この場合、重合度を高めていくために真空度を高めていっても、撹拌槽の下部は液ヘッドにより実質上高い圧力で重合される事になり、フェノール等は反応液から効率的に抜けにくくなるのである。
【0007】
この問題を解決するため、高粘度状態のポリマーからフェノール等を抜き出すための工夫が種々なされている。例えば特公昭50−19600号公報では、ベント部を有するスクリュー型重合器が、また特公昭53−5718号公報では、薄膜蒸発型反応器、例えばスクリュー蒸発器や遠心薄膜蒸発器等が記載されており、さらに特開平2−153923号公報では、薄膜型蒸発装置と横型撹拌重合槽を組み合わせて用いる方法が示されている。撹拌槽型も含め、これらの重合器が共通して有する欠点は、重合器本体に回転駆動部分があり、高真空下で重合が実施される場合には、この駆動部分を完全にシールする事ができないため微量の酸素の漏れ込みを防止できず、製品の着色が避けられない事であった。酸素の漏れ込みを防ぐ為にシール液を使用する場合には、シール液の混入が避けられず、やはり製品品質の低下は避けられなかった。また、運転当初のシール性が高い場合でも、長時間運転を続ける間にシール性は低下するなど、メンテナンス上の問題も深刻であった。
【0008】
本発明者らは溶融重合法により芳香族ポリカーボネートを製造するに当たり、高真空下でのシール性に優れ、かつメンテナンスも容易な装置で、長期間安定に、着色のない高品質の芳香族ポリカーボネートを高い重合速度で製造する方法として、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの溶融混合物または芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとを反応させて得られる重合中間体を、溶融状態で多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させる方法が優れていることを見出し、先に出願した(特開平7−2925097号公報)。
【0009】
しかしながら、上記の方法では、多孔板とガイドの選択によっては、製品である芳香族ポリカーボネートの引張伸度で代表される機械特性が劣るものができる、芳香族ポリカーボネートが着色する、芳香族ポリカーボネートの重合速度が低下する、という問題があった。
【0010】
【発明が解決しょうとする課題】
本発明は、溶融状態で多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合する重合器を少なくとも1基用いる芳香族ポリカーボネートの製造方法において、機械的な特性である引張伸度を改善し、着色のない高品質な芳香族ポリカーボネートを高い重合速度で工業的規模で製造することを可能にする方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を進めた結果、多孔板を通過する際の圧力損失、及び多孔板の孔面積とガイド周の比を特定の範囲に保つようにすることでその目的を達成できる事を見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、
(1)芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートから、溶融プレポリマーを多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させる重合器を少なくとも1基用いて芳香族ポリカーボネートを製造するに当たり、該溶融プレポリマーの該多孔板を通過する際の圧力損失が0.1〜50.0Kg/cm2の範囲であり、かつ該重合器の多孔板の孔面積(Smm2)とガイド周(Lmm)の比(S/L)が0.1〜20mmの範囲にあることを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法、
(2)多孔板の孔深さが、1〜50mmの範囲であることを特徴とする(1)記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法
を提供するものである。
【0013】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物とは、HO−Ar−OHで示される化合物である(式中、Arは2価の芳香族基を表す。)。
芳香族基Arは、好ましくは例えば、−Ar1 −Y−Ar2 −で示される2価の芳香族基である(式中、Ar1 およびAr2 は、各々独立にそれぞれ炭素数5〜70を有する2価の炭素環式または複素環式芳香族基を表し、Yは炭素数1〜30を有する2価のアルカン基を表す。)。
【0014】
2価の芳香族基Ar1 、Ar2 において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものでもよい。
【0015】
複素環式芳香族基の好ましい具体例としては、1ないし複数の環形成窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有する芳香族基を挙げる事ができる。
2価の芳香族基Ar1 、Ar2 は、例えば、置換又は非置換のフェニレン、置換または非置換のビフェニレン、置換または非置換のピリジレンなどの基を表す。ここでの置換基は前述のとおりである。
【0016】
2価のアルカン基Yは、例えば、下記化1で示される有機基である。
【0017】
【化1】
【0018】
(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、各々独立に水素、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基、環構成炭素数5〜10の炭素環式芳香族基、炭素数6〜10の炭素環式アラルキル基を表す。kは3〜11の整数を表し、R5 およびR6 は、各Xについて個々に選択され、お互いに独立に、水素または炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは炭素を表す。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6において、一つ以上の水素原子が反応に悪影響を及ぼさない範囲で他の置換基、例えばハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基等によって置換されたものでもよい。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記化2で示されるものが挙げられる。
【0019】
【化2】
【0020】
(式中、R7 、R8 は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基またはフェニル基であって、mおよびnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R7 はそれぞれ同一でも異なるものでもよいし、nが2〜4の場合には各R8 はそれぞれ同一でも異なるものでもよい。)
さらに、2価の芳香族基Arは、−Ar1 −Z−Ar2 −で示されるものでもよい。
【0021】
(式中、Ar1 、Ar2 は前述の通りで、Zは単結合又は−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、−SO−、−COO−、−CON(R1 )−などの2価の基を表す。ただし、R1 は前述のとおりである。)
このような2価の芳香族基Arとしては、例えば、下記化3で示されるものが挙げられる。
【0022】
【化3】
【0023】
(式中、R7 、R8 、mおよびnは、前述のとおりである。)
さらに、2価の芳香族基Arの具体例としては、置換または非置換のフェニレン、置換または非置換のナフチレン、置換または非置換のピリジレン等が挙げられる。
本発明で用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物は、単一種類でも2種類以上でもよい。芳香族ジヒドロキシ化合物の代表的な例としてはビスフェノールAが挙げられる。
【0024】
本発明で用いられるジアリールカーボネートは、下記化4で表される。
【0025】
【化4】
【0026】
(式中、Ar3 、Ar4 はそれぞれ1価の芳香族基を表す。)
Ar3 及びAr4 は、1価の炭素環式又は複素環式芳香族基を表すが、このAr3 、Ar4 において、1つ以上の水素原子が、反応に悪影響を及ぼさない他の置換基、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、ビニル基、シアノ基、エステル基、アミド基、ニトロ基などによって置換されたものでもよい。Ar3 、Ar4 は同じものでもよいし、異なるものでもよい。
【0027】
1価の芳香族基Ar3 およびAr4 の代表例としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ピリジル基を挙げる事ができる。これらは、上述の1種以上の置換基で置換されたものでもよい。
好ましいAr3 及びAr4 としては、それぞれ例えば、下記化5などが挙げられる。
【0028】
【化5】
【0029】
ジアリールカーボネートの代表的な例としては、下記化6で示される置換または非置換のジフェニルカーボネート類を挙げる事ができる。
【0030】
【化6】
【0031】
(式中、R9 及びR10は、各々独立に水素原子、炭素数1〜10を有するアルキル基、炭素数1〜10を有するアルコキシ基、環構成炭素数5〜10のシクロアルキル基又はフェニル基を示し、p及びqは1〜5の整数で、pが2以上の場合には、各R9 はそれぞれ異なるものでもよいし、qが2以上の場合には、各R10は、それぞれ異なるものでもよい。)
このジフェニルカーボネート類の中でも、非置換のジフェニルカーボネートや、ジトリルカーボネート、ジ−t−ブチルフェニルカーボネートのような低級アルキル置換ジフェニルカーボネートなどの対称型ジアリールカーボネートが好ましいが、特にもっとも簡単な構造のジアリールカーボネートであるジフェニルカーボネートが好適である。
【0032】
これらのジアリールカーボネート類は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとの使用割合(仕込比率)は、用いられる芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートの種類や、重合温度その他の重合条件によって異なるが、ジアリールカーボネートは芳香族ジヒドロキシ化合物1モルに対して、通常0.9〜2.5モル、好ましくは0.95〜2.0モル、より好ましくは0.98〜1.5モルの割合で用いられる。
【0033】
本発明の方法で得られる芳香族ポリカーボネートの数平均分子量は、通常500〜100000の範囲であり、好ましくは500〜30000の範囲である。本発明において、溶融プレポリマーとは、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートとを反応して得られる溶融混合物、または本発明で製造する芳香族ポリカーボネートより分子量の低い溶融重縮合物を意味する。すなわち、本発明で定義される溶融プレポリマーの分子量範囲は、最終的に製造する芳香族ポリカーボネートの分子量によって異なる。例えば、製造する芳香族ポリカーボネートの数平均分子量が10000の時は、溶融プレポリマーの分子量範囲は10000未満であり、製造する芳香族ポリカーボネートの数平均分子量が20000の時は、溶融プレポリマーの分子量範囲は20000未満である。
【0034】
本発明では、溶融プレポリマーを溶融状態で多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させ、芳香族ポリカーボネートを製造する。
本発明における多孔板は、通常、平板、波板、中心部が厚くなった板などから選ばれ、多孔板の形状についは、通常、円状、長円状、三角形状、多角形状などの形状から選ばれる。
【0035】
本発明における多孔板の孔は、通常、円状、長円状、三角形状、スリット状、多角形状、星形状などの形状から選ばれる。孔の断面積は、通常、0.01〜100cm2 であり、好ましくは0.05〜10cm2 であり、特に好ましくは0.1〜5cm2 の範囲である。孔と孔との間隔は、孔の中心と中心の距離で通常、1〜500mmであり、好ましくは25〜100mmである。多孔板の孔は、多孔板を貫通させた孔であっても、多孔板に管を取り付けた場合でもよい。また、テーパー状になっていてもよい。
【0036】
本発明においてガイドとは、水平方向の断面の外周の平均長さに対する該断面と垂直方向の長さの比率が非常に大きい材料を表すものである。該比率は、通常、10〜1000000の範囲であり、好ましくは50〜100000の範囲である。水平方向の断面の形状は、通常、円状、長円状、三角形状、四角形状、多角形状、星形状などの形状から選ばれる。該断面の形状は長さ方向に同一でもよいし異なっていてもよい。また、ガイドは中空状のものでもよい。ガイドは、針金状等の単一なものでもよいが、捩り合わせる等の方法によって複数組み合わせたものでもよい。ガイドの表面は平滑であっても凹凸があるものであってもよく、部分的に突起等を有するものでもよい。ガイドの材質は、通常、ステンレススチール製、カーボンスチール製、ハステロイ製、ニッケル製、チタン製、クロム製、及びその他の合金製等の金属や、耐熱性の高いポリマー材料等の中から選ばれる。また、ガイドの表面は、メッキ、ライニング、不働態処理、酸洗浄、フェノール洗浄等必要に応じて種々の処理がなされてもよい。
【0037】
ガイドは、多孔板の孔に直接接続していてもよいし、孔から離れていてもよい。好ましい具体例としては、多孔板の各孔の中心部付近に各ガイドが貫通して接続しているもの、多孔板の各孔の外周部分にガイドが接続しているもの等が挙げられる。ガイドの下端は、重合器のボトム液面に接していてもよいし、離れていてもよい。
【0038】
この多孔板を通じて溶融プレポリマーをガイドに沿わせて落下させる方法としては、液ヘッドまたは自重で落下させる方法、またはポンプなどを使って加圧にすることにより、多孔板から溶融プレポリマーを押し出す等の方法が挙げられる。
ガイド部分では、ガイドに沿って流下している反応中の溶融プレポリマーが発泡流下して、フェノール類の濃度の高いガイドの内面側からフェノール類の濃度の低いガイド外側に表面更新し、フェノール類の抜出し拡散が促進される驚くべき効果がある。
【0039】
孔の数に特に制限はなく、反応温度や圧力などの条件、触媒の量、重合させる分子量の範囲等によっても異なるが、通常ポリマーを例えば100kg/hr製造する際、10〜105 個の孔が必要である。
孔を通過した後、ガイドに沿わせて落下させる高さは、好ましくは0.3〜50mであり、さらに好ましくは0.5〜20mである。
【0040】
孔を通過させる溶融プレポリマーの流量は、溶融プレポリマーの分子量によっても異なるが通常、孔1個当たり、10-4〜104 リットル/hr、好ましくは10-2〜102 リットル/hr、特に好ましくは、0.05〜50リットル/hrの範囲である。
ガイドに沿わせて落下させるのに要する時間に特に制限はないが、通常0.01秒〜10時間の範囲である。
【0041】
ガイドに沿わせて落下させた後の溶融プレポリマーは、そのまま液溜部に落下させてもよく、また巻き取り器等で強制的に液溜部に取り込んでもよい。さらに、ガイドに沿わせて落下させた後の重合物はそのまま抜き出されてもよいが、循環させて、再びガイドに沿わせて落下させながら重合させるのも好ましい方法である。この場合、ガイドに沿わせて落下させた後の液溜部や循環ライン等で重縮合反応に必要な反応時間に応じて滞留時間を長くすることができる。また、ガイドに沿わせて落下させながら循環を行うことにより単位時間に形成し得る新規な液表面積が大きく取れるため、所望の分子量まで充分重合を進行させる事が容易となる。
【0042】
本発明において、芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートを反応させて芳香族ポリカーボネートを製造するに当たり、反応の温度は、通常50〜350℃、好ましくは100〜290℃の範囲で選ばれる。
反応の進行にともなって、用いるジアリールカーボネート由来のアリール基を有するフェノール類が生成してくるが、これを反応系外へ除去する事によって重合速度が高められる。
【0043】
本発明において溶融プレポリマーの多孔板を通過する際の圧力損失(以下、多孔板の圧力損失と言う。)は、0.1〜50.0kg/cm2 であることが必要である。ここで、多孔板の圧力損失を求める方法は、例えば図4(a)のように多孔板上部と下部の圧力を各々測定する方法、また図4(b)のように差圧計を設置して測定する方法のいずれでもよい。
【0044】
多孔板の圧力損失が0.1kg/cm2未満の場合、重合速度が低下し、また製造される芳香族ポリカーボネートの機械的特性である引張伸度も低下する。これらの原因は明らかではないが、多孔板の圧力損失が、0.1kg/cm2未満であると多孔板からガイドへの溶融プレポリマーの流れが不均一、不安定になり、副生フェノール類の蒸発表面積がガイド毎に不均一になって重合速度のバラツキが生じ、結果的に重合速度の低下が起こるものと推察される。また、引張伸度が低下するのも、このガイド毎の重合速度のバラツキに起因しているものと考えられる。
【0045】
また多孔板の圧力損失が、50kg/cm2よりも高い場合は、芳香族ポリカーボネートが着色する。着色の原因は明らかではないが、溶融プレポリマーに大きいせん断応力がかかり局部発熱し、何らかの異常反応が起こり着色するものと考えられる。工業的にも大きい圧力損失は、ポンプ、配管、反応器、多孔板等の耐圧上、装置が肉厚設計となり好ましくなく、またエネルギー効率上も好ましくない。多孔板の圧力損失は0.1〜50kg/cm2 であることが必要であるが、好ましくは0.1〜20kg/cm2 であり、より好ましくは、0.1〜10kg/cm2 である。
【0046】
本発明において多孔板の孔断面積(Smm2 )とガイド周(Lmm)の比(S/L)は0.1〜20mmの範囲であることが必要である。好ましくは、0.5〜10mmである。Smm2 は、孔の開口部分の面積を意味し、ガイドが孔の中にあったり貫通している場合は、多孔板の孔とガイドの隙間の断面積とし、ガイドが多孔板の中にない場合は、多孔板の孔自体の断面積とする。また、孔がテーパー状等で孔断面積が上部と下部で異なる場合はその平均断面積とする。ガイドの径や厚みが異なる場合もその平均開口面積とする。Lmmは、ガイドの水平方向の断面の周とし、ガイドの水平方向の断面の周が断面により異なる長さになる場合は、その平均の周とする。S/Lは、上記孔断面積(Smm2)とガイド周(Lmm)の比であり単位はmmである。S/Lが20mmより大きい場合、製造される芳香族ポリカーボネートの引張伸度は低くなる。この原因は明らかではないが、ガイド上での溶融プレポリマーの流れが不均一、不安定になり、ガイド毎の重合速度のバラツキが生じその結果引張伸度が低下するものと推測される。また、S/Lが0.1mmより小さい場合は、多孔板の孔が小さく溶融プレポリマーの処理量を工業化規模にするためには、孔数が多くなり孔加工しにくくなるため好ましくない。
【0047】
本発明において、孔深さとは、多孔板の孔を通過する溶融プレポリマーの距離とし、図5及び図6のhに相当する。孔深さは、通常1〜50mmの範囲が好ましく、より好ましくは10〜30mmである
本発明は、多孔板の圧力損失を、0.1〜50.0kg/cm2 とし、且つ多孔板の孔断面積(Smm2 )とガイド周(Lmm)の比(S/L)を0.1〜20mmの範囲にすることで、引張伸度が高く、着色もない芳香族ポリカーボネートを、高い重合速度で製造することができることを見出したものである。
【0048】
溶融重縮合反応は、触媒を加えずに実施する事ができるが、重合速度を高めるため、必要に応じて触媒の存在下で行われる。重合触媒としては、この分野で用いられているものであればよく、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水酸化物類(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなど)、ホウ素やアルミニウムの水素化物のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、第四級アンモニウム塩類(例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素テトラメチルアンモニウムなど)、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化合物類(例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウムなど)、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアルコキシド類(例えば、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カルシウムメトキシドなど)、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のアリーロキシド類(例えば、リチウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、マグネシウムフェノキシド、LiO−Ar−OLi、NaO−Ar−ONa(Arはアリール基)など)、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の有機酸塩類(例えば、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、安息香酸ナトリウムなど)、亜鉛化合物類(例えば、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛フェノキシドなど)、ホウ素の化合物類(例えば、酸化ホウ素、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸トリメチル、ホウ酸トリブチル、ホウ酸トリフェニル、(R1 R2 R3 R4)NB(R1 R2 R3 R4)または(R1 R2 R3 R4)PB(R1 R2 R3 R4)で表されるアンモニウムボレート類またはホスホニウムボレート類(R1、R2、R3、R4は前記化1の説明通り)など)、ケイ素化合物類(例えば、酸化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、テトラアルキルケイ素、テトラアリールケイ素、ジフェニル−エチル−エトキシケイ素など)、ゲルマニウム化合物類(例えば、酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムエトキシド、ゲルマニウムフェノキシドなど)、スズ化合物類(例えば、酸化スズ、ジアルキルスズオキシド、ジアルキルスズカルボキシレート、酢酸スズ、エチルスズトリブトキシドなどのアルコキシ基またはアリーロキシ基と結合したスズ化合物、有機スズ化合物など)、鉛化合物(例えば、酸化鉛、酢酸鉛、炭酸鉛、塩基性炭酸鉛、鉛及び有機鉛のアルコキシドまたはアリーロキシドなど)、オニウム化合物類(例えば、第四級アンモニウム塩、第四級ホスホニウム塩、第四級アルソニウム塩など)、アンチモン化合物類(例えば、酸化アンチモン、酢酸アンチモンなど)、マンガン化合物類(例えば、酢酸マンガン、炭酸マンガン、ホウ酸マンガンなど)、チタン化合物類(例えば、酸化チタン、チタンのアルコキシドまたはアリーロキシドなど)、ジルコニウム化合物類(例えば、酢酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、ジルコニウムのアルコキシド又はアリーロキシド、ジルコニウムアセチルアセトンなど)などの触媒を挙げる事ができる。
【0049】
触媒を用いる場合、これらの触媒は1種だけで用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらの触媒の使用量は、原料の芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、通常10-8〜1重量%、好ましくは10-7〜10-1重量%の範囲で選ばれる。
本発明で用いる好ましい重合器の一例を、図に基づき説明する。
【0050】
図1、図2および図3は、本発明の方法を達成する重合器の具体例である。図1では、溶融プレポリマーは、原料供給口1より供給され、多孔板3を通って重合器内部に導入されガイド4に沿って落下する。重合器内部は、所定の圧力にコントロールされており、溶融プレポリマーから留出したフェノール類などや、必要に応じてガス供給口5より導入される窒素等の不活性ガスなどはベント口6より排出される。重合物は、排出ポンプ8により排出口9から排出される。重合器本体10などは、ヒーター又はジャケットにより加熱され、かつ保温されている。
【0051】
また、図2では、溶融プレポリマーは、原料供給口1より循環ライン2に供給され、多孔板3を通って重合器内部に導入されガイド4に沿って落下する。重合器内部は、所定の圧力にコントロールされており、溶融プレポリマーから留出したフェノール類などや、必要に応じてガス供給口5より導入される窒素等の不活性ガスなどはベント口6より排出される。重合器ボトムに達した溶融プレポリマーは循環ポンプ7を備えた循環ライン2を通じて、多孔板3から再び重合器内部に供給される。所定の分子量に達した重合物は、排出ポンプ8により排出口9から排出される。重合器本体10や循環ライン2などはヒーター又はジャケットにより加熱され、かつ保温されている。
【0052】
図2の重合器をバッチ式に用いる場合には、溶融プレポリマーを原料供給口1から全て供給した後重合を行い、所定の重合度に達した後排出口9より抜き出される。連続式に用いる場合には、溶融プレポリマーを原料供給口1から連続的に供給し、重合器内のポリマー融液量を一定に保つようにコントロールしながら所定の分子量に達したポリマーを排出口9より連続的に抜き出す。
【0053】
また、図3では、第1重合器と第2重合器が連結されて重合される形態を示す。図1と同様に第1重合器で重合された溶融プレポリマーは排出ポンプ28により原料供給口31を通って第2重合器へ供給される。第2重合器では、第1重合器からの溶融プレポリマーを多孔板33を通って重合器内部に導入されガイド34に沿って落下する。重合器内部は、所定の圧力にコントロールされており、溶融プレポリマーから留出したフェノール類などや、必要に応じてガス供給口35より導入される窒素等の不活性ガスなどはベント口36より排出される。重合物は、排出ポンプ38により排出口39から排出される。重合器本体20、30などはヒーター又はジャケットにより加熱され、かつ保温されている。
【0054】
本発明の方法に用いる重合器は、重合器ボトムに撹拌器などを備えることも可能であるが特に必要ではない。従って、重合器本体での回転駆動部をなくす事が可能であり、高真空下でも良好にシールされた条件で重合させる事が可能である。循環ラインに備えられた循環ポンプの回転駆動部は、液ヘッドがあるため重合器本体に回転駆動部がある場合に比べシール性が良好である。
【0055】
本発明では、多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させる重合器を一基用いて芳香族ポリカーボネートを製造する方法、多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させる重合器を複数基用いて芳香族ポリカーボネートを製造する方法、多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させる方式と、他の重合方式を組み合わせて芳香族ポリカーボネートを製造する方法等が可能である。
【0056】
多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させる方法と他の方法と組み合わせる方法の好ましい態様として、前重合工程で撹拌槽型重合器を用いる方法と、後重合工程で多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させる重合器を組み合わせる方法がある。この方法により、高品質の芳香族ポリカーボネートを効率良く製造する事ができる。前重合工程は通常、高真空で実施する必要はないため撹拌槽型重合器でも品質を損なう事なく、容積当たりの反応液の重合率を高くさせる事ができる。重合度を更に高める後重合工程では、ガイドに沿わせて落下させながら重合させる方法が特に有利で
ある。これらの重合方法を組み合わせることで、高品質の芳香族ポリカーボネートを効率よく製造することができる。
【0057】
さらに、前重合工程で撹拌槽型重合器を用いて重合させる方法、中間重合工程で塗れ壁式に落下させながら重合させる方法、後重合工程で多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させる方法を組み合わせる方法も、本発明の好ましい態様である。重合前半の前重合工程は通常、高真空で実施する必要はないため撹拌槽型重合器でも品質を損なう事なく、容積当たりの反応液の重合率を高くさせる事ができるのは上述の通りである。ポリマーの重合度がそれほど高まっていない中間重合工程では、塗れ壁式に落下させながら重合させる方法は、伝熱面積を大きくとれるためフェノール類等の蒸発潜熱を効率的に与えることができ、有利である。重合度を更に高める後重合工程では、ガイドに沿わせて落下させながら重合させる方法が特に有利である。これらの重合方法を組み合わせることで、高品質の芳香族ポリカーボネートを効率よく製造することができる。
【0058】
本発明の方法を達成する重合器の材質に特に制限はなく、通常ステンレススチール、ニッケル、グラスライニング等から選ばれる。
重合器内側面にスケールが付着するのを防止するため、循環する溶融プレポリマーの一部で重合器内壁面に濡れ壁を形成させるのも本発明の好ましい実施態様の一つである。
【0059】
【発明の実施の形態】
以下に、実施例を挙げて説明する。
なお、分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(以下、Mnと略す。)である。カラーは、CIELAB法により試験片厚み3.2mmで測定し、黄色度をb* 値で示した。引張伸度の測定は、ISO527−1の方法に準じて測定した。
【0060】
【実施例1】
ビスフェノールA52kgとジフェニルカーボネート53.6kgを、ガス導入口、ガス排出口を備えたグラスライニング製の容量200リットルの攪拌槽型重合器に仕込み、180℃まで昇温して溶融し、減圧下で脱気した後、3時間かけて230℃に昇温した。昇温中は窒素ガスを流し、留出フェノールを系外に除去した。その後、窒素ガスフローを停止し、段階的に減圧し、2時間後に1330Paに到達するようにした。この間副生してくるフェノール及びジフェニルカーボネートは系外へ連続的に除去した。さらに、1330Paの減圧下で2時間反応させて、数平均分子量が2400の溶融プレポリマーを得た。
【0061】
この溶融プレポリマーから、図3に示すような重合器2基を連結して反応を行い芳香族ポリカーボネートを製造した。第1重合器20は、孔径2mm、孔深さ10mm、孔数を23個有する多孔板23を備えており、各孔には1mm径のSUS316L製ワイヤ状ガイド24が孔を貫通し23本設置されている。孔断面積とワイヤ状ガイド周比(S/L)は0.8mmである。ガイドに沿わせて落下させる高さは4mである。第2重合器30は、孔径5mm、孔深さ10mm、孔数を23個有する多孔板33を備えており、各孔には2mm径のSUS316L製ワイヤ状ガイド周34が孔を貫通して23本設置されている。孔断面積とワイヤ状ガイド周比(S/L)は2.6mmである。ガイドに沿わせて落下させる高さは4mである。
【0062】
この第1重合器に、上記溶融プレポリマーを3kg/hrで供給しながらボトム液面を一定に保って、第1重合器の反応温度260℃、反応圧力140Pa、窒素ガス流量2リットル/hr、多孔板の圧力損失0.8kg/cm2 の条件で、反応を行った。その結果、Mn7000の無色透明な芳香族ポリカーボネート溶融プレポリマーが得られた。さらに、第2重合器のボトム液面を一定に保ち、反応温度260℃、反応圧力85Pa、多孔板の圧力損失0.5kg/cm2 の条件で、反応を行った。その結果、Mn9900の無色透明で引張伸度良好な芳香族ポリカーボネート(b* 値 3.2、引張伸度 133%)が得られた。また、1000時間後、第1,第2重合器を解放点検したが、腐食は認められなかった。反応中の重合器の内部観察により、ガイド上のプレポリマーの発泡による表面更新が観察された。
【0063】
【実施例2〜6】
多孔板の孔径、孔数、孔深さ、ワイヤ状ガイド径、ガイド本数が、異なる他は実施例1と同じ2基の重合器を用いて、実施例1と同様のMn2400の溶融プレポリマーを種々の反応条件で反応を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0064】
【比較例1】
第1重合器の多孔板の孔数およびワイヤ状ガイド本数が異なる他は実施例5と同じ条件で反応を行った。結果を表1に示す。
【0065】
【比較例2】
第2重合器の多孔板の孔数およびワイヤ状ガイド本数が異なる他は実施例3と同じ条件で反応を行った。結果を表1に示す。
【0066】
【比較例3】
第1重合器の多孔板の孔径が異なる他は実施例2と同じ条件で反応を行った。結果を表1に示す。
【0067】
【比較例4】
第1重合器の多孔板の孔径、孔数、ワイヤ状ガイド径、ガイド本数、溶融プレポリマー流量が異なる他は実施例2と同じ条件で反応を行った。この時第1重合器のS/Lは0.09mmであり、結果を表1に示す。
【0068】
【実施例7〜9】
第1重合器、第2重合器の多孔板の孔型が長方形であり、ガイドが平板である他は実施例1と同じ2基の重合器を用いて、実施例1と同様のMn2400の溶融プレポリマーを種々の反応条件で反応を行った。結果をまとめて表2に示す。
【0069】
【比較例5】
第1重合器の多孔板の孔サイズが異なる他は実施例9と同じ条件で反応を行った。結果を表2に示す。
【0070】
【実施例10】
図2に示すような重合器を用いて重合を行った。この重合器10は、孔径8mmの孔を30個有する多孔板3を備えており、各孔には1mm径のSUS316L製ワイヤ状ガイド4が孔を貫通して30本設置されている。ガイドに沿わせて落下させる高さは4mである。
【0071】
この重合器に、実施例1と同様のMn2400の溶融プレポリマーを25Kg仕込み、反応温度255℃、反応圧力105Pa、循環流量350Kg/hr、窒素ガス流量2リットル/hrの条件で3時間バッチ反応を行った。その結果、Mn9600の無色透明な芳香族ポリカーボネート(b* 値 3.4、引張伸度132%)が得られた。結果を表3に示す。
【0072】
【比較例6〜7】
多孔板の孔数およびワイヤ状ガイド本数、または孔径が異なる他は実施例10と同じ条件で、反応を行った。結果を表3に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【発明の効果】
着色のない引張伸度の高い高品質の芳香族ポリカーボネートを高い重合速度で、長期間安定に、工業的に製造する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる重合器の一例を示す模式図である。
【図2】本発明で用いる重合器の一例を示す模式図である。
【図3】本発明で用いる重合器の一例を示す模式図である。
【図4】(a)(b)は各々本発明で用いる多孔板の圧力損失を測定する方法の一例を示す模式図である。
【図5】(a)は本発明で用いる多孔板およびガイドを示す模式図であり、(b)は(a)の円で囲んだ部分の拡大図であって、円形孔と孔を貫通した円形ガイドの一例を示す模式図である。
【図6】(a)は本発明で用いる多孔板およびガイドを示す模式図であり、(b)は(a)の円で囲んだ部分の拡大図であって、多孔板の長方形孔と孔上部に固定した平板状ガイドの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1,21,31 原料供給口
2 循環ライン
3.23,33 多孔板
4,24,34 ガイド
5,25,35 ガス供給口
6,26,36 ベント口
7 循環ポンプ
8,28,38 排出ポンプ
9,39 排出口
10 重合器本体
11 導圧管
12 圧力計
13 差圧計
20 第1重合器本体
30 第2重合器本体
h 多孔板孔深さ
D 多孔板円状孔径
d 多孔板円状ガイド径
a 多孔板長方形孔横幅
b 多孔板長方形孔縦幅
c 多孔板平板状ガイド横幅
t 多孔板平板状ガイド厚み
Claims (5)
- 芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートから、溶融プレポリマーを多孔板からガイドに沿わせて落下させながら重合させる重合器を少なくとも1基用いて芳香族ポリカーボネートを製造するに当たり、該溶融プレポリマーの該多孔板を通過する際の圧力損失が0.1〜50.0Kg/cm2 の範囲であり、かつ該重合器の多孔板の孔面積(Smm2 )とガイド周(Lmm)の比(S/L)が0.1〜20mmの範囲にあることを特徴とする芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 多孔板の孔深さが、1〜50mmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 多孔板の孔の断面積(Smm 2 )が0.01〜100cm 2 であることを特徴とする請求項1または2に記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネートを反応させる反応温度が、50〜350℃であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
- 芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、10 -8 〜1重量%の触媒を使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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