JP4262990B2 - ハロゲン含有ポリマー用微分散安定化剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ハロゲン含有オキシ酸の塩および有機酸、無機酸、または無機塩基を含む、ハロゲン含有ポリマー用安定化剤組成物に関する。また、本発明は該安定化剤組成物の製造方法および該安定化剤組成物を含むハロゲン含有ポリマーに関するものである。
ハロゲン含有プラスチックは、加工中または長期間の使用中に、熱応力によって望ましくない分解および破壊を被る傾向があることが知られている。ハロゲン化ポリマーの破壊によって、特にPVCの場合、塩酸が形成され、該塩酸がポリマー鎖から除去され、着色性のポリエン配列を有する変色した不飽和性のプラスチックを生成する。
特に光、温度の変動、またはその他の外的影響にさらされる成形品の場合、使用期間が長くなるほど色と材料特性に変化が生じ、最終的には成形品が使用できなくなることがある。
光や熱の作用による長期的な損害に対してハロゲン含有ポリマーを安定化させるために、各種の安定化方法が提案されている。例えば、ハロゲン含有ポリマーの安定化用の過塩素酸塩を含む方法が従来技術に記載されている。しかしながら、過塩素酸塩を使用する場合には、これら高感度の酸化剤はきわめて注意深く扱わなければならないという問題がある。この理由で、安定化剤組成物中の過塩素酸塩の使用には一定の制限が加えられることがある。そのために、過塩素酸塩含有の安定化剤組成物の取り扱い性を高めることが可能な手段による各種の解決策が提案されている。
例えば、欧州特許第0457471号明細書には、過塩素酸塩、ケイ酸カルシウム、および炭酸カルシウムを含む安定化剤組成物が記載されている。該安定化剤組成物を製造するためには、過塩素酸ナトリウムの水溶液をケイ酸カルシウムまたはケイ酸カルシウムと炭酸カルシウムの混合物と混合する。しかし、該安定化剤組成物には過塩素酸ナトリウムの比較的大きな結晶を含有するという問題がある。そのような結晶には取り扱いにおける危険性がある。また、該安定化剤組成物はハロゲン含有ポリマー中で十分に均一に分散しない。さらに、ケイ酸カルシウムの存在により、他のカルシウム化合物と比べて安定化剤としての作用に制約がある。ケイ酸カルシウムはモース硬度が高いため、加工装置に恒久的に損害を与える。
ドイツ特許第68912616号明細書では、五酸化アンチモンを含むハロゲン含有ビニル樹脂用の粉状の難燃剤が開示されている。該明細書には過塩素酸ナトリウムおよびアルカリ金属の水酸化物または塩を含む難燃剤用の組成物が記載されている。実施例2および4によれば、該組成物は乾燥され、その後ピンディスクミル中で粉砕される。
ドイツ特許第69604880号明細書は、ハロゲン含有樹脂用の安定化剤およびその製造方法、ハロゲン含有樹脂組成物、および複合水酸化物塩に関する。該ハロゲン含有樹脂用の安定化剤は、例えば過塩素酸と無機金属水酸化物の複合水酸化物塩を含むことができる。
欧州特許第0457471号明細書 ドイツ特許第68912616号明細書 ドイツ特許第69604880号明細書
そのため、ハロゲン含有オキシ酸の塩を含む安定化剤組成物であって、可能な限り微細化された該ハロゲン含有オキシ酸の塩を含む安定化剤組成物が求められていた。本発明の課題は、そのような安定化剤組成物とその製造方法を提供することにある。
本発明の課題は、以下に記載する安定化剤組成物およびその製造方法によって解決することができる。すなわち、一般式;M(ClO(式中、MはLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Zn、Al、La、Ce、または一般式NR (Rはそれぞれ独立してHまたは炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)で表されるアンモニアのカチオンであり、kはMの原子価であって1、2、または3である。)で表されるハロゲン含有オキシ酸の塩、および無機酸、有機酸または無機塩基を少なくとも含む組成物であって、前記ハロゲン含有オキシ酸の塩の含有量が0.01〜50重量%であり、前記ハロゲン含有オキシ酸の塩の総含有量に対して、結晶粒径が1μmより大きい前記塩の結晶の含有量が10重量%未満であることを特徴とする安定化剤組成物を提供するものである。
本発明において、「安定化剤組成物」とはハロゲン含有ポリマーの安定化に使用できる組成物を意味する。安定化効果を達成するために、一般的に本発明に係る安定化剤組成物を安定化すべきハロゲン含有ポリマーと混合した後に混合物を加工する。しかしながら、加工中に本発明に係る安定化剤組成物を安定化すべきハロゲン含有ポリマーと混合することも同様に可能である。
本発明に係る安定化剤組成物は、少なくとも2つの構成物質を有する。第1の構成物質として、本発明に係る安定化剤組成物は一般式M(ClOで表されるハロゲン含有オキシ酸の塩を含み、MはLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Zn、Al、La、Ce、または一般式NR で表されるアンモニアのカチオンであって、Rはそれぞれ独立してHまたは炭素数1〜約10の直鎖状または分岐状のアルキル基である。kは、Mの原子価であって1、2、または3の数である。
本発明に係る安定化剤組成物は、例えばハロゲン含有オキシ酸の塩を1種だけ含むことができる。また、本発明に係る安定化剤組成物は、2種以上のハロゲン含有オキシ酸の塩の混合物を含むこともできる。本発明の好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は過塩素酸ナトリウムを含む。
本発明に係る安定化剤組成物中のハロゲン含有オキシ酸の塩または2種以上のハロゲン含有オキシ酸の塩の混合物の含有量は約0.01〜約50重量%、特に約0.05〜約20重量%である。ハロゲン含有オキシ酸の塩または2種以上の該塩の混合物の含有量は、例えば約0.1〜約5重量%、または約0.2〜約1.5重量%である。
ハロゲン含有オキシ酸の塩は、本発明に係る安定化剤組成物中に著しく微細な形状で存在する。本発明の好ましい態様において、ハロゲン含有オキシ酸の塩または2種以上の該塩の混合物のうち10重量%未満が、粒径が3μmより大きい結晶である。従って、該塩のうち少なくとも約90重量%が、粒径が3μmより小さい結晶である。
本発明の好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物はハロゲン含有オキシ酸の塩または2種以上のハロゲン含有オキシ酸の混合物を含み、該塩または該塩の混合物のうち約10重量%未満が、粒径が1μmより大きい、好ましくは500nmより大きい結晶の形状である。本発明の更に好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は、結晶粒径が約250nmより大きいハロゲン含有オキシ酸の塩の結晶を実質的に含有しない。本発明の特に好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は、結晶粒径が約100nmより大きいか、約50nmより大きいか、約20nmより大きいか、約10nmより大きいか、または約5nmより大きいハロゲン含有オキシ酸の塩の結晶を含む。
ハロゲン含有オキシ酸の塩の結晶粒径は、本明細書で述べるように、原則としていかなる結晶粒径の測定方法によっても測定することができる。例えば選別法、沈殿法、または電磁波、特に光の分画または屈折に基づく方法が原則として好適である。また、走査型電子顕微鏡法や透過電子顕微鏡法等の電子顕微鏡法も好適である。
本発明の更に好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は、X線回折法によって検知可能な結晶などを有しない。そのため、本発明に係る安定化剤組成物は粒径がX線回折法の検知限界を超えた結晶を含むことが好ましい。該結晶の粒径は、約10ナノメートルを下回ることが好ましく、約5ナノメートルを下回ることがさらに好ましい。
ハロゲン含有オキシ酸の塩または2種以上の該塩の混合物に加えて、本発明に係る安定化剤組成物は無機酸、有機酸、または無機塩基を含む。無機酸、有機酸、または無機塩基は、好ましくは固体酸または塩基無水物を形成可能な固体化合物である。例えば、マレイン酸、フタル酸、およびコハク酸等の無水物の形成が可能な無機酸が好適である。
また、例えばホウ酸等の無水物の形成が可能な無機酸も好適である。
しかしながら、本発明に係る安定化剤組成物の構成物質としては、無水物の形成が可能な無機塩基が特に好適である。好適な無機塩基は、周期表の主族IおよびIIに属する元素の水酸化物、および周期表の亜族Iに属する元素の水酸化物である。水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、および水酸化ストロンチウムが特に好適である。
本発明において、本発明に係る安定化剤組成物は、例えば1種の有機酸または無機酸、または1種の無機塩基のみを含む場合がある。しかしながら、本発明において、本発明に係る安定化剤組成物は、2種以上の有機酸または2種以上の無機酸の混合物、2種以上の無機塩基の混合物、もしくは1種以上の有機酸および1種以上の無機酸の混合物を含むこともできる。
本発明の好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は無機塩基として水酸化カルシウムまたは水酸化マグネシウム、特に水酸化カルシウムを含む。
前記の酸、塩基、または酸と塩基の混合物、およびハロゲン含有オキシ酸の塩に加えて、本発明に係る安定化剤組成物はさらに添加剤を含むこともできる。
好適な添加剤は、例えばアミノアルコールが挙げられる。本発明において好適なアミノアルコールは、少なくとも1個のOH基および1級、2級または3級アミノ基もしくは2種以上の前記アミノ基の組み合わせを有する原則としてすべての化合物である。本発明において、原則として固体および液体のアミノアルコールのいずれもが、本発明に係る安定化剤組成物の構成物質として好適である。しかしながら、本発明において液体アミノアルコールの含有量は、例えば安定化剤組成物の全体が実質的に固形になるように選択される。
本発明の更に好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は液体アミノアルコールまたは2種以上の液体アミノアルコールの混合物を最大で約5重量%含むが、含有量は例えば1重量%以下とさらに低いことが好ましい。本発明の特に好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は液体アミノアルコールを含まない。
本発明における使用に好適なアミノアルコールは、本発明の好ましい態様においては、融点が約30℃より高く、特に約50℃より高い。好適なアミノアルコールは例えば、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の脂肪族モノアミンまたはポリアミンを基質とするモノヒドロキシまたはポリヒドロキシ化合物である。
これに関連して好適なのは、例えば炭素数2〜約40、例えば6〜約20の1級モノアミンまたはポリアミン化合物のOH基含有誘導体である。該誘導体としては、例えばエチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、sec−プロピルアミン、t−ブチルアミン、1−アミノイソブタン、および2−(N,N−ジメチルアミノ)−1−アミノエタン等の炭素数2〜約20の置換アミンのOH基含有誘導体である。好適なジアミンのOH基含有誘導体としては、分子量が約32〜約200g/molのジアミンを基質とする誘導体であって、該ジアミンは少なくとも2種の1級アミノ基、2種の2級アミノ基、または1種の1級アミノ基と1種の2級アミノ基の混合物を有する。該誘導体としては例えば、ジアミノエタン、ジアミノプロパン異性体、ジアミノブタン異性体、ジアミノヘキサン異性体、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミン、IPDA)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ヒドラジン水和物;ジエチレントリアミンまたは1,8−ジアミノ−4−アミノメチルオクタン等のトリアミン;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン、N−シクロヘキシルモルホリン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジモルホリノジエチルエーテル、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1−アザビシクロ[3,3,0]オクタン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルブタンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルジアミノエチルエーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)尿素、N,N’−ジメチルピペラジン、1,2−ジメチルイミダゾール、およびジ(4−N,N−ジメチルアミノシクロヘキシル)メタンである。
特に好適なのは炭素数2〜約40、好ましくは6〜約20の脂肪族アミノアルコールで、例えば1−アミノ−3,3−ジメチル−ペンタン−5−オール、2−アミノヘキサン−2’,2’’−ジエタノールアミン、1−アミノ−2,5−ジメチルシクロヘキサン−4−オール、2−アミノプロパノール、2−アミノブタノール、3−アミノプロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、5−アミノペンタノール、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノール、1−アミノ−1−シクロペンタン−メタノール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−(ジメチルアミノエトキシ)−エタノール;ナフタレンもしくは特に2−アミノベンジルアルコール、3−(ヒドロキシメチル)アニリン、2−アミノ−3−フェニル−1−プロパノール、2−アミノ−1−フェニルエタノール、2−フェニルグリシノール、または2−アミノ−1−フェニル−1,3−プロパンジオールといったベンゼン誘導体等の、芳香族構造として複素環または同素環を有すると考えられる炭素数6〜約20の芳香族−脂肪族または芳香族−脂環族アミノアルコール;およびこれらの化合物の2種以上の混合物である。
本発明の特に好ましい態様では、アミノアルコールとしてはアミノ基を含有する環を有する複素環化合物であって、OH基が環に直接、または好ましくはスペーサーを経由して結合している複素環化合物が使用される。
本発明の特に好ましい態様では、環に少なくとも2個、好ましくは少なくとも3個のアミノ基を有する複素環アミノアルコールが使用される。本発明に係る使用に好適なアミノアルコールの中心の環成分としては、イソシアネートの3量体が特に好適である。
一般式(I)で表される水酸基含有イソシアヌレートが特に好ましい。

(式中、基Yと指数mはそれぞれが同一であっても異なるものであってもよく;mは0〜20の整数であり;Yは水素原子または炭素数1〜約10の直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和のアルキル基である。)本発明において、トリス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート(THEIC)を本発明に係る安定化剤組成物の構成物質として使用することが特に好ましい。
本発明に係る安定化剤組成物は、例えばアミノアルコールを1種だけ含むことができる。しかしながら本発明において、本発明に係る安定化剤組成物はまた、2種以上のアミノアルコールの混合物を含むこともできる。
本発明における添加剤としては、一般式(II)の構造単位を有する化合物、または一般式(I)で表される化合物2種以上の混合物も同様に好適である。

(式中、nは1〜100,000の数であり;R、R、R、およびRは、それぞれ独立して水素、炭素数1〜44の非置換または置換の、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の脂肪族アルキル基、炭素数6〜44の非置換または置換の、飽和または不飽和のシクロアルキル基、炭素数6〜44の非置換または置換のアリール基、または炭素数7〜44の非置換または置換のアラルキル基であるか、Rは炭素数2〜44の非置換または置換のアシル基であるか、またはRとRが結合して芳香環または複素環を形成し;R3は水素、炭素数1〜44の非置換または置換の、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の脂肪族アルキルまたはアルキレン基、オキシアルキルまたはオキシアルキレン基、メルカプトアルキルまたはメルカプトアルキレン基、アミノアルキルまたはアミノアルキレン基、炭素数6〜44の非置換または置換の、飽和または不飽和のシクロアルキルまたはシクロアルキレン基、オキシシクロアルキルまたはオキシシクロアルキレン基、メルカプトシクロアルキルまたはメルカプトシクロアルキレン基、アミノシクロアルキルまたはアミノシクロアルキレン基、炭素数6〜44の非置換または置換のアリールまたはアリーレン基、OもしくはSの原子数またはOおよびSの原子数が1〜20であるエーテルまたはチオエーテル基、またはO、S、NH、NR、またはCHC(O)を経由して括弧内の構造単位と結合するポリマーであり;RはRと結合して炭素数4〜24の、非置換または置換の、飽和または不飽和複素環を形成する。)
本発明の好ましい態様において、一般式(I)で表される化合物として、α,β−不飽和β−アミノカルボン酸を基質とする化合物、特にβ−アミノクロトン酸を基質とする化合物が使用される。該アミノカルボン酸と1価または多価アルコールもしくはメルカプタンとのエステルまたはチオエステルが特に好適であり、この場合のXはOまたはSである。
がXとともにアルコールまたはメルカプタン基である場合、このような基は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−エチルヘキサノール、イソオクタノール、イソノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコール、チオ−ジエタノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリス(2−ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール、ジ−トリメチロールプロパン、ジグリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、ジ−ペンタエリスリトール、または前記アルコールに対応するメルカプト誘導体から形成することができる。
本発明の特に好ましい態様において、一般式(II)で表される化合物として、Rが炭素数1〜4の直鎖状のアルキル基であり、Rが水素であり、Rが炭素数2〜12の直鎖状または分岐状の、飽和の、1価〜6価のアルキルまたはアルキレン基、または直鎖状、分岐状、または環状の、2価〜6価のエーテルアルコール基またはチオエーテルアルコール基である化合物が使用される。
一般式(II)で表される好適な化合物は、例えばβ−アミノクロトン酸ステアリルエステル、1,4−ブタンジオールジ(β−アミノクロトン酸)エステル、チオ−ジエタノール−β−アミノクロトン酸エステル、トリメチロールプロパントリ−β−アミノクロトン酸エステル、ペンタエリスリトール−テトラ−β−アミノクロトン酸エステル、ジペンタエリスリトール−ヘキサ−β−アミノクロトン酸エステル等が挙げられる。これらの化合物は、本発明に係る安定化剤組成物中に単独または2種以上の混合物として存在することができる。
また、本発明における一般式(II)の化合物として、一般式(III)で表されるアミノウラシル化合物も同様に好適である。

(式中、RとRは上の定義の通りであり;Rは水素、炭素数1〜44の非置換または置換の、直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜44の非置換または置換の、飽和または不飽和の脂環族炭化水素基、または炭素数6〜44の非置換または置換の芳香族炭化水素基である。)
従って、式(III)に係る化合物は、式(I)に係る化合物の範囲に含まれる。すなわち、一般式(I)のnが1であり、一般式(I)のRとRが結合して一般式(IV)で表される構造単位を形成する。

(式中、XはSまたはOである。)従って、一般式(IV)で表される化合物の場合のRはN−Rとなり、一方でRは−RN−C=Xであり、これらの2つの基がN−C結合によって共有結合して複素環を形成する。
本発明においては、一般式(IV)中、Rが水素である化合物を使用することが好ましい。
本発明の更に好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物中には、一般式(III)で表される化合物であって、RおよびRが炭素数1〜6の直鎖状または分岐状のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、またはヘキシル基、炭素数1〜6のOH基置換の、直鎖状または分岐状のアルキル基、例えばヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基、ヒドロキシペンチル基、またはヒドロキシヘキシル基、炭素数7〜9のアラルキル基、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、ジメチルベンジル基、またはフェニルイソプロピル基(これらのアラルキル基を、例えばハロゲン、水酸基、またはメトキシ基で置換することもできる)、または炭素数3〜6のアルケニル基、例えばビニル基、アルキル基、メタリル基、1−ブテニル基、または1−ヘキセニル基である化合物が使用される。
本発明の好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物中には、一般式(III)中、RおよびRが水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、またはt−ブチル基である化合物が使用される。
また、一般式(I)で表される化合物としては、例えばR基とR基が結合して芳香環または複素芳香環を形成している化合物、例えばアミノ安息香酸、アミノサリチル酸、アミノピリジンカルボン酸、およびそれらの好適な誘導体も好適である。
本発明の好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は、一般式(I)の化合物または一般式(I)の化合物2種以上の混合物、例えば一般式(III)の化合物を、約0.1〜約99.5重量%、特に約5〜約50重量%、または約5〜約25重量%の量で含む。
本発明におけるさらに好適な添加剤は、例えば少なくとも1個のメルカプト官能性SP混成炭素原子を有する化合物である。少なくとも1個のメルカプト官能性SP混成炭素原子を有する化合物は、本発明においては構造単位Z=CZ−SHまたは構造単位ZC=Sを有する化合物であれば原則としていかなるものでもよく、この2つの構造単位が1種の化合物の互変異性体であってもよい。SP混成炭素原子は、非置換または置換の脂肪族化合物の構成物質または芳香環の構成物質となることができる。好適な化合物の種類は、例えばチオカルバミン酸誘導体、チオカルバメート、チオカルボン酸、チオ安息香酸誘導体、チオアセトン誘導体、チオ尿素、またはチオ尿素誘導体である。少なくとも1個のメルカプト官能性SP混成炭素原子を有する好適な化合物は、例えば以前に公開されなかったドイツ特許出願第10109366.7号明細書に記載されている。
本発明の好ましい態様において、少なくとも1個のメルカプト官能性SP混成炭素原子を有する化合物としてチオ尿素またはチオ尿素誘導体が使用される。
本発明に係る安定化剤組成物に好適な添加剤はまた、例えばカルバゾール、カルバゾール誘導体、またはそれら2種以上の混合物である。
さらに好適な添加剤はまた、例えば2,4−ピロリジンジオンまたはその誘導体であり、例えば以前に公刊されなかったドイツ特許出願第10109366.7号明細書に記載のものである。
添加剤としては、例えばエポキシ化合物もまた好適である。該エポキシ化合物としては、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化ラッカセイ油、エポキシ化トウモロコシ油、エポキシ化綿実油、およびグリシジル化合物が挙げられる。
グリシジル化合物は、炭素、酸素、窒素、または硫黄原子と直接結合するグリシジル基を含有する。グリシジルまたはメチルグリシジルエステルは、分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物とエピクロロヒドリン、グリセロールジクロロヒドリン、またはメチルエピクロロヒドリンとの反応によって得られる。この反応は塩基の存在下で有利に行われる。
分子中に少なくとも1個のカルボキシル基を有する化合物としては、例えば脂肪族カルボン酸が使用できる。該脂肪族カルボン酸としては、例えばグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2量化または3量化リノール酸、アクリル酸、メタクリル酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ペラルゴン酸、および下記のモノまたはポリカルボン酸を挙げることができる。また、シクロヘキサンカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、または4−メチルヘキサヒドロフタル酸等の脂環族カルボン酸も好適である。さらに、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、またはピロメリット酸等の芳香族カルボン酸も好適である。
グリシジルエーテルまたはメチルグリシジルエーテルは、遊離アルコールOH基少なくとも1個またはフェノールOH基1個を有する化合物と好適に置換されたエピクロロヒドリンとのアルカリ性条件下または酸触媒の存在下における反応、それに続くアルカリ処理によって得られる。この種類のエーテルは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコールまたは高級ポリ(オキシエチレン)グリコール、プロパン−1,2−ジオールまたはポリ(オキシプロピレン)グリコール、ブタン−1,4−ジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、ヘキサン−2,4,6−トリオール、グリセロール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ビス−トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の非環式アルコール;ポリエピクロロヒドリン、ブタノール、アミルアルコール、ペンタノール、およびイソオクタノール、2−エチルヘキサノール、イソデカノール等の1官能性アルコール;または工業用アルコール混合物、例えば工業用脂肪アルコール混合物から誘導される。
好適なエーテルはまた、1,3−または1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、または1,1−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン−3−エン等の脂環族アルコールから誘導されるか、またはN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アニリン等のように複数の芳香核を有する。好適なエポキシ化合物はまた、単核フェノール、例えばフェノール、レゾルシノール、またはヒドロキノンから誘導されるか、あるいはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン等の多核フェノール;または酸性条件下で得られるフェノールとホルムアルデヒドとの縮合生成物、例えばフェノールノボラックから得られる。
本発明における添加剤として好適なさらなる末端エポキシドは、例えばグリシジル−1−ナフチルエーテル、グリシジル−2−フェニルフェニルエーテル、2−ジフェニルグリシジルエーテル、N−(2,3−エポキシプロピル)フタルイミド、または2,3−エポキシプロピル−4−メトキシフェニルエーテルである。
また、エピクロロヒドリンと水素原子を少なくとも1個含有するアミンとの反応生成物の脱塩化水素によって得られるN−グリシジル化合物も好適である。該アミンは、例えばアニリン、N−メチルアニリン、トルイジン、n−ブチルアミン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、m−キシリレンジアミン、またはビス(4−メチルアミノフェニル)メタンである。
同様に、エタン−1,2−ジチオールまたはビス(4−メルカプトメチルフェニル)エーテル等のジチオールから誘導されたS−グリシジル化合物、例えばジ−S−グリシジルエーテル誘導体も好適である。
特に好適なエポキシ化合物は、例えば欧州特許出願第1046668号公報3〜5頁に記載されている。そこに含まれる開示内容を直接参照し、それが本文書の開示内容の一部をなすものとみなす。
また、1,3−ジカルボニル化合物、特にβ−ジケトンおよびβ−ケトエステルも本発明における添加剤として好適である。本発明においては、例えば欧州特許第1046668号公報5頁に記載の一般式:R’C(O)CHR’’−C(O)R’’’で表されるジカルボニル化合物が添加剤として好適である。該頁をR’基、R’’基、およびR’’’基について直接参照し、該開示内容が本文書の開示内容の一部をなすものとみなす。特に好適なのは、例えばアセチルアセトン、ブタノイルアセトン、ヘプタノイルアセトン、ステアロイルアセトン、パルミトイルアセトン、ラウロイルアセトン、7−t−ノニルチオヘプタンジオン−2,4、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、イソオクチルベンゾイルメタン、5−ヒドロキシカプロニルベンゾイルメタン、トリベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ベンゾイル−p−クロロベンゾイルメタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、4−メトキシベンゾイルベンゾイルメタン、ビス(4−メトキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルホルミルメタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、1−ベンゾイル−1−アセチルノナン、ステアロイル−4−メトキシベンゾイルメタン、ビス(4−t−ブチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルフェニルアセチルメタン、ビス(シクロヘキサノイル)メタン、ジピバロイルメタン、2−アセチルシクロペンタノン、2−ベンゾイルシクロペンタノン;ジアセト酢酸のメチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル、ドデシル、またはオクタデシルエステル;炭素数1〜18のプロピオニルまたはブチリル酢酸エステル;欧州特許出願第433230号公報に記載のステアロイル酢酸のエチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、またはオクチルエステルまたは多核β−ケトエステル(該公報を直接参照);デヒドロ酢酸;亜鉛、マグネシウム、またはそのアルカリ塩;またはこれらの化合物が存在する限りにおいて、これらの化合物のアルカリ、アルカリ土類、または亜鉛キレートである。
1,3−ジケト化合物は、本発明に係る安定化剤組成物中に約20重量%以下、例えば約10重量%以下の量で存在することができる。
また、ポリオールも本発明に係る安定化剤組成物における添加剤として好適である。好適なポリオールは、例えばペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ビストリメチロールプロパン、イノシトール、ポリビニルアルコール、ビストリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、マルチトール、イソマルチトール、ラクチトール、リカジン、マンニトール、ラクトース、ロイクロース、トリス(ヒドロキシメチル)イソシアヌレート、パラチニット、テトラメチロールシクロヘキサノール、テトラメチロールシクロペンタノール、テトラメチロールシクロヘプタノール、グリセロール、ジグリセロール、ポリグリセロール、チオジグリセロール、または1−0−α−D−グリコピラノシル−D−マンニトール2水和物である。
添加剤として好適なポリオールは、本発明に係る安定化剤組成物中に約30重量%以下、例えば約10重量%以下の量で存在することができる。
また、例えば欧州特許出願第1046668号公報7〜27頁に記載のような立体障害性アミンも添加剤として好適である。そこに開示されている立体障害性アミンを直接参照し、記載された化合物が本文書の開示内容の一部をなすものとみなす。
添加剤として好適な立体障害性アミンは、本発明に係る安定化剤組成物中に約30重量%以下、例えば約10重量%以下の量で存在することができる。
また、ハイドロタルサイト、ゼオライト、およびアルカリアルモカーボネートも、本発明に係る安定化剤組成物中の添加剤として好適である。好適なハイドロタルサイト、ゼオライト、およびアルカリアルモカーボネートは、例えば欧州特許出願第1046668号公報27〜29頁、欧州特許出願第256872号公報3、5、7頁、ドイツ特許第4106411号明細書2、3頁、およびドイツ特許第4106404号明細書2、3頁に記載されている。これらの明細書を直接参照し、これらの開示内容が本文書の開示内容の一部をなすものとみなす。
添加剤として好適なハイドロタルサイト、ゼオライト、およびアルカリアルモカーボネートは、本発明に係る安定化剤組成物中に約50重量%以下、例えば約30重量%以下の量で存在することができる。
また、例えば一般式(V)で表されるハイドロカルマイトも本発明に係る安定化剤組成物における添加剤として好適である。
M2+ (2+x)Al3+ (1+y)(OH)(6+z)Aj- a[Br]nl b*mH2O (V)
(式中、Mはカルシウム、マグネシウム、亜鉛、またはそれら2種以上の混合物であり;Aはj価の無機酸または有機酸アニオンであり;jは1、2、または3であり;BはA以外の無機または有機酸アニオンであり;rは1以上の整数で、r>1の場合、酸アニオンの重合度を示し;lは1、2、3、または4であり、酸アニオンの価数を示し、r=1の場合、lは2、3、または4であり、r>1の場合、lはポリアニオンの各モノマー単位の価数を示し、1、2、3、または4であり;rlはポリアニオンの総価数を示し;変数x、y、a、b、r、z、およびjについて下記の公式が適用される:
0≦x<0.6
x=0またはy=0の場合0≦y<0.4、
0<a<0.8/r、
z=1+2x+3y−ja−r/b。
本発明の好ましい態様において、一般式(V)中、Mがカルシウムである化合物が添加剤として使用され、該化合物はMがカルシウムとマグネシウム、カルシウムと亜鉛、またはカルシウムとマグネシウムと亜鉛の混合物である化合物であってもよい。
一般式(V)中、Aはr価の有機または無機酸アニオンである。(式中、rは1、2、または3である。)本発明に係る使用に好適なハイドロカルマイトに用いられる酸アニオンは、例えばハロゲンイオン、SO 2−、SO 2−、S 2−、S 2−、HPO 2−、PO 3−、CO 2−、アルキルおよびジアルキルリン酸塩、アルキルメルカプチドおよびアルキルスルホン酸塩であり、アルキル基は同一または異なっていてもよく、直鎖状、分岐状、または環状でもよく、炭素数が好ましくは1〜約20である。また、マレイン酸塩、フタル酸塩、アコニット酸塩、トリメシン酸塩、ピロメリット酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の必要に応じて官能基を有していてもよいジカルボン酸、トリカルボン酸、またはテトラカルボン酸のアニオン;およびヒドロキシフタル酸またはヒドロキシメシン酸の異性体のアニオンも酸アニオンAとして好適である。本発明の好ましい態様において、Aは無機酸アニオン、特にハロゲンイオン、例えばF、Cl、またはBrであり、好ましくはClである。
一般式(V)中、BはA以外の酸アニオンである。一般式(V)中のrが1の場合、Bはl価の無機酸または有機酸イオンを示す(式中、lは2、3、または4の数である。)。本発明に係る使用に好適な一般式(V)で表される化合物において存在する酸アニオンBは、例えばO2−、SO 2−、SO 2−、S 2−、S 2−、HPO 2−、PO 3−、CO 2−、アルキルおよびジアルキルリン酸塩、アルキルメルカプチド、およびアルキルスルホン酸塩であり、アルキル基は同一または異なっていてもよく、直鎖状、分岐状、または環状でもよく、炭素数は好ましくは1〜約20である。また、酸アニオンAとしては、マレイン酸塩、フタル酸塩、アコニット酸塩、トリメシン酸塩、ピロメリット酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の必要に応じて官能基を有していてもよいジ、トリ、またはテトラカルボン酸のアニオン;およびヒドロキシフタル酸またはヒドロキシメシン酸の異性体のアニオンも好適である。式(V)中の本発明におけるBは、好ましくはホウ酸塩または必要に応じて官能基を有していてもよいジ、トリ、テトラカルボン酸のアニオンである。特に好ましくはカルボキシル基少なくとも2個を有するカルボン酸アニオンおよびヒドロキシカルボン酸のアニオンであり、就中クエン酸塩が好ましい。
一般式(V)中のrが1より大きい数の場合、[Br]rl−は、重合度rと各モノマー単位の価数lを有し、全価数をrlとする無機または有機ポリアニオンを示し、lは1以上の数である。好適なポリアニオン[Br]rl−は、例えばポリアクリル酸塩、ポリカルボン酸塩、ポリホウ酸塩、ポリケイ酸塩、ポリリン酸塩、およびポリホスホン酸塩である。
上記いずれの場合においても、酸アニオンAおよびBは一般式(V)で表される化合物中にいかなる所望の比a/bでも存在することができる。
一般式(V)で表される化合物は、ハイドロタルサイトまたはハイドロカルマイト型の層構造を有する化合物ではなく、M2+/酸化アルミニウム水和物と2価金属の塩との物理的混合物である。本発明に係る組成物中に使用される一般式(V)で表される化合物のX線回折は、該化合物が公知の種類の単独の結晶性化合物ではなく、X線に対して非結晶性の混合物であることを明らかに示している。
一般式(V)に係る化合物の製造のために、公知の手順に従って、所望のカチオン(例:NaAlO、Ca(OH)、Zn(OH)、Al(OH))の酸化形態の溶液または懸濁液を、所望のアニオンの塩または対応する酸の溶液または懸濁液と混合し、40〜95℃の温度で反応させることができ、反応時間を15〜300分の間で変えることもできる。
反応生成物の表面処理が望ましい場合、表面処理媒体を直接反応生成物に添加し、生成物を濾過によって母液から分離し、100〜250℃の間の好適な温度で乾燥する。表面処理媒体の添加量は、例えば約1〜約20重量%である。
本発明に係る安定化剤組成物において、一般式(V)で表される化合物は約50重量%以下、例えば約30重量%以下、または約15重量%以下の量で使用できる。
本発明の別の態様において、本発明に係る安定化剤組成物は少なくとも1種の塩基性カルシウム塩を含む。好適な塩基性カルシウム塩は、例えば酸化カルシウム、炭酸カルシウム、および、すでに本発明に係る安定化剤組成物の必須な構成物質でない場合には、水酸化カルシウムである。塩基性カルシウム塩は必要に応じ表面が改質されたものであってもよい。
また、本発明に係る安定化剤組成物に対する添加剤としては、特に炭素数約2〜22の、飽和または不飽和の、直鎖状または分岐状の、芳香族、脂環族または脂肪族カルボン酸またはヒドロキシカルボン酸の金属酸化物、金属水酸化物、および金属石鹸も好適である。
金属カチオンとしては、添加剤として好適な金属酸化物、金属水酸化物、または金属石鹸などの特に2価のカチオン、例えばカルシウム、亜鉛、または鉛のカチオン、またはこれら2種以上の混合物が特に好適である。しかし、本発明の好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は亜鉛を有しない。
好適なカルボン酸アニオンとしては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、エナント酸、オクタン酸、ネオデカン酸、2−エチルヘキサン酸、ペラルゴン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、9,10−ジヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、3,6−ジオキサヘプタン酸、3,6,9−トリオキサデカン酸、ベヘン酸、安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、ジメチルヒドロキシ安息香酸、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、エチル安息香酸、n−プロピル安息香酸、サリチル酸、p−t−オクチルサリチル酸、ソルビン酸等の1価のカルボン酸のアニオン;シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、酒石酸、桂皮酸、マンデル酸、リンゴ酸、グリコール酸、シュウ酸、サリチル酸、重合度が約10〜約12のポリグリコールジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、またはヒドロキシフタル酸等の2価のカルボン酸またはそのモノエステルのアニオン;ヘミメリット酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、またはクエン酸等の3価または4価のカルボン酸またはそのモノエステル、ジエステル、またはトリエステルのアニオン;および、例えばドイツ特許出願第4106404号公報またはドイツ特許出願第4002988号公報に記載のいわゆる過塩基性カルボン酸アニオンが挙げられる。これらの文書の開示内容が本文書の開示内容の一部をなすものとみなす。
本発明の好ましい態様において、炭素数約8〜約20の飽和または不飽和カルボン酸またはヒドロキシカルボン酸から誘導されたアニオンを有する金属石鹸が添加剤として使用される。特に、カルシウムまたは亜鉛のステアリン酸塩、オレイン酸塩、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ベヘン酸塩、バーサチック酸塩、ヒドロキシステアリン酸塩、ジヒドロキシステアリン酸塩、p−t−ブチル安息香酸塩、(イソ)オクタン酸塩、またはそれら2種以上の混合物が好ましい。本発明の更に好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、またはそれらの混合物を含む。
本発明に係る安定化剤組成物は、上記金属酸化物、金属水酸化物、金属石鹸、またはそれら2種以上の混合物を、約50重量%以下、例えば約30重量%以下の量で含むことができる。
本発明に係る安定化剤組成物はさらに、熱安定化剤成分として有機スズ化合物1種または有機スズ化合物2種以上の混合物を含むことができる。好適な有機スズ化合物は、例えばメチルスズ−トリス(イソオクチル−チオグリコレート)、メチルスズ−トリス(イソオクチル−3−メルカプトプロピオネート)、メチルスズ−トリス(イソデシル−チオグリコレート)、ジメチルスズ−ビス(イソオクチル−チオグリコレート)、ジブチルスズ−ビス(イソオクチル−チオグリコレート)、モノブチルスズ−トリス(イソオクチル−チオグリコレート)、ジオクチルスズ−ビス(イソオクチル−チオグリコレート)、モノオクチルスズ−トリス(イソオクチル−チオグリコレート)、またはジメチルスズ−ビス(2−エチルヘキシル−β−メルカプトプロピオネート)である。
さらに、本発明に係る安定化剤組成物については、前記有機スズ化合物および欧州特許出願第0742259号公報18〜29頁に記載の製造法を使用できる。この明細書中の開示内容を直接参照し、そこで言及されている化合物とその製造法が本文書の開示内容の一部をなすものと理解する。
本発明に係る安定化剤組成物は、前記有機スズ化合物を約20重量%以下、特に約10重量%以下の量で含むことができる。
本発明の別の態様において、本発明に係る安定化剤組成物は有機基1〜3個の有機亜リン酸エステルを含むことができ、該基2個以上が同一であってもよくまたはすべての有機基が異なっていてもよい。好適な有機基は、例えば炭素数1〜24の直鎖状または分岐状の、飽和または不飽和のアルキル基、炭素数6〜20の非置換または置換のアルキル基、または炭素数7〜20の非置換または置換のアラルキル基である。好適な有機亜リン酸エステルは、例えばトリス(ノニルフェニル)、トリラウリル、トリブチル、トリオクチル、トリデシル、トリドデシル、トリフェニル、オクチルジフェニル、ジオクチルフェニル、トリ(オクチルフェニル)、トリベンジル、ブチルジクレジル、オクチル−ジ(オクチルフェニル)、トリス(2−エチルヘキシル)、トリトリル、トリス(2−シクロヘキシルフェニル)、トリ−α−ナフチル、トリス(フェニルフェニル)、トリス(2−フェニルエチル)、トリス(ジメチルフェニル)、トリクレジル、またはトリス(p−ノニルフェニル)ホスファイト、トリステアリルソルビトール−トリホスファイト、またはそれら2種以上の混合物である。
本発明に係る安定化剤組成物は、前記亜リン酸エステル化合物を約30重量%以下、特に約10重量%以下の量で含むことができる。
本発明に係る安定化剤組成物はまた、添加剤として欧州特許出願第0742259号公報4〜18頁に記載のブロックされたメルカプタンを含むこともできる。この明細書中の開示内容を直接参照し、それが本文書の開示内容の一部をなすものと理解する。
本発明に係る安定化剤組成物は、前記ブロックされたメルカプタンを約30重量%以下、特に約10重量%以下の量で含むことができる。
本発明に係る安定化剤組成物はまた、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、モンタンワックス;脂肪酸エステル、精製あるいは硬化された天然または合成トリグリセリドまたはその部分エステル、アミドワックス、クロロパラフィン、グリセロールエステル等のエステル潤滑剤;またはアルカリ土類石鹸等の潤滑剤を含むことができる。使用に好適な潤滑剤はまた、R・ゲヒター/H・ミュラー著『プラスチック添加剤』(カール・ハンザー出版、第3版、1989年)478〜488頁に記載されている。また、例えばドイツ特許第4,204,887号明細書に記載の脂肪族ケトン、例えば欧州特許出願第0259783号公報に記載のシリコーン系潤滑剤、または欧州特許出願第0259783号公報に記載のそれらの組み合わせも潤滑剤として好適である。この文書を直接参照し、該潤滑剤に関する開示内容が本文書の開示内容の一部をなすものとみなす。本発明において特に好適なのは、ベアロッハー社(ドイツ、ウンターシュライスハイム)のBaerolub(登録商標)の製品系列の潤滑剤である。
本発明に係る安定化剤組成物は、これらの潤滑剤を約70重量%以下、特に約40重量%以下の量で含むことができる。
また、有機可塑剤も本発明に係る安定化剤組成物用の添加剤として好適である。
可塑剤として好適な化合物は、例えばフタル酸ジメチル、ジエチル、ジブチル、ジヘキシル、ジ−2−エチルヘキシル、ジ−n−オクチル、ジイソオクチル、ジイソノニル、ジイソデシル、ジシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、ジメチルグリコール、ジブチルグリコール、ベンジルブチル、またはジフェニル等のフタル酸エステルからなる群に属する化合物;およびフタル酸エステル2種以上の混合物、例えばエステルアルコール中の炭素数7〜9または9〜11のフタル酸アルキルの混合物またはエステルアルコール中の炭素数6〜10または8〜10のフタル酸アルキルの混合物である。本発明において特に好適な可塑剤は、フタル酸ジブチル、ジヘキシル、ジ−2−エチルヘキシル、ジ−n−オクチル、ジイソオクチル、ジイソノニル、ジイソデシル、ジイソトリデシル、およびベンジルブチル、および前記フタル酸アルキルの混合物である。
また、脂肪族ジカルボン酸のエステル、特にアジピン、アゼライン、またはセバシン酸のエステル、またはそれら2種以上の混合物も可塑剤として好適である。このような可塑剤としては、例えばアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ベンジルブチル、アジピン酸ベンジルオクチル、アゼライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、およびセバシン酸ジイソデシルが挙げられる。本発明の別の態様においては、酢酸ジ−2−エチルヘキシルおよびアジピン酸ジイソオクチルが好ましい。
また、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル、トリメリット酸トリイソトリデシル、トリメリット酸トリイソオクチル等のトリメリット酸エステル;エステル基中の炭素数6〜8、6〜10、7〜9、または9〜11のトリメリット酸エステル;またはこれらの化合物2種以上の混合物も可塑剤として好適である。
また、例えばR・ゲヒター/H・ミュラー著『プラスチック添加剤』(カール・ハンザー出版、第3版、1989年)5.9.6章、412〜415頁、またはW・V・ティトウ著『PVC技術』(第4版、エルセビア出版、1984年)165〜170頁に記載の高分子可塑剤も好適な可塑剤である。ポリエステル可塑剤の製造に最も一般的に使用される出発原料は、例えばアジピン酸、フタル酸、アゼライン酸、またはセバシン酸等のジカルボン酸;1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等のジオール;またはこれら2種以上の混合物である。
また、「プラスチック添加剤ハンドブック」5.9.5章、408〜412頁にあるようなリン酸エステルも可塑剤として好適である。好適なリン酸エステルは、例えばリン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシル、リン酸トリクロロエチル、リン酸2−エチル−ヘキシル−ジ−フェニル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、またはこれら2種以上の混合物である。
また、R・ゲヒター/H・ミュラー著「プラスチック添加剤」(カール・ハンザー出版、第3版、1989年)5.9.14.2章、422〜425頁、および5.9.14.1章、422頁に記載の塩素化炭化水素(パラフィン)または炭化水素も可塑剤として好適である。
本発明に係る安定化剤組成物は、前記可塑剤を約99.5重量%以下、特に約30重量%以下、約20重量%以下、または約10重量%以下の量で含むことができる。本発明の好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物の構成物質としての前記可塑剤の下限は約0.1重量%以上、例えば約0.5重量%、約1重量%、約2重量%、または約5重量%である。
また、顔料も本発明に係る安定化剤組成物の構成物質として好適である。好適な無機顔料は、例えば二酸化チタン、カーボンブラック、Fe、Sb、(Ba,Sb)O、Cr、コバルトブルーおよびコバルトグリーン等の尖晶石、Cd(S,Se)、または群青である。好適な有機顔料は、例えばアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、およびアントラキノン顔料である。
本発明に係る安定化剤組成物はまた、E・J・ウィクソン著「PVC処方ハンドブック」(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、1993年)393〜449頁に記載のような充填剤、またはR・ゲヒター/H・ミュラー著「プラスチック添加剤ハンドブック」(カール・ハンザー出版、1990年)549〜615頁に記載のような補強剤を含むことができる。特に好適な充填剤または補強剤は、例えば炭酸カルシウム(チョーク)、ドロマイト、ケイ灰石、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸塩、ガラス繊維、タルク、カオリン、チョーク、カーボンブラックまたはグラファイト、木粉、または他の再生可能原料である。本発明の好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物はチョークを含む。
本発明の別の態様において、本発明に係る安定化剤組成物は酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、または発泡剤を含むことができる。好適な酸化防止剤は、例えば欧州特許出願第1046668号公報33〜35頁に記載されている。本発明において好ましい酸化防止剤は、Irganox(登録商標)系列の製品(製造者:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ)、例えばIrganox(登録商標)1010、1076、またはグレートレイクス社のLowinox系列の製品である。
好適な紫外線吸収剤および光安定化剤は、欧州特許出願第1046668号公報の35〜36頁に記載されている。これらの公報の開示内容を直接参照し、該開示内容が本文書の一部をなすものとみなす。
好適な発泡剤は、例えば有機アゾおよびヒドラゾ化合物、テトラゾール、オキサジン、無水イサト酸、クエン酸の塩、例えばクエン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、および炭酸水素ナトリウムである。例えばクエン酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、またはこれら2種以上の混合物が特に好適である。
本発明に係る安定化剤組成物はまた、耐衝撃性改良剤および加工助剤、ゲル化剤、帯電防止剤、殺生物剤、金属不活性剤、蛍光増白剤、難燃剤、および曇り防止剤を含む。これらの種類の化合物のうち好適な化合物は、例えばR・ケスラー/H・ミュラー著「プラスチック添加剤」(カール・ハンザー出版、第3版、1989年)およびE・J・ウィルソン著「PVC処方ハンドブック」(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、1993年)に記載されている。
本発明に係る安定化剤組成物を製造するためには、ハロゲン含有オキシ酸の塩または2種以上の該塩の混合物の水溶液を、無機酸または有機酸の無水物もしくは無機塩基の無水物と反応させる。
そのため、本発明はまたハロゲン含有ポリマー用の安定化剤組成物の製造方法であって、ハロゲン含有オキシ酸または2種以上のハロゲン含有オキシ酸の混合物の水溶液を、無機酸または有機酸の無水物、無機塩基の無水物、またはそれら2種以上の混合物と反応させて、反応物を形成することを特徴とする方法に関する。
このために、本発明の第1の態様において、無機塩または有機塩の無水物、無機塩基の無水物、2種以上の無機塩または有機塩の無水物の混合物、または2種以上の無機塩基の無水物を粉末状に製造する。しかしながら、本発明に係るこの方法は、1種以上の無機塩の無水物と1種以上の無機塩基の無水物との混合物についても同様に実施することができる。
本発明における方法で使用する粉末は、平均粒径が好ましくは約100μm未満、より好ましくは約60μm未満、特に好ましくは40μm未満である。
本発明に係る方法を実施するために、上述の無水化合物のうち1種または上述の混合物のうち1種を、ハロゲン含有オキシ酸の塩または2種以上の該塩の混合物の水溶液と反応させる。本発明に係る方法において、反応は以下の様式で実施する。無水物をオキシ酸のハロゲン含有塩または2種以上の該塩の混合物の水溶液により供給される水分と反応させ、個別の酸または塩基を形成する。
反応中に使用する条件は、該無水物の反応を水溶液の水分により行うことができる限り、実質的に所望の通りに選択することができる。例えば、約0〜約100℃の温度、特に約20〜約80℃の温度が反応に使用できる。本発明の好ましい態様において、反応に関与する成分は、反応を実質的に室温で行うことができるように選択される。
しかしながら、本発明においては、例えば反応自体の発熱性の結果として温度が反応中に上昇する。
粉体成分と水溶液との反応は原則としていかなる所望の様式で行うことができるが、それは粉末と水溶液との十分な混合が確保される限りにおいてである。例えば、ほうき型ミキサーや鍬刀型ミキサー等の一般的な混合装置が、本発明に係る方法を実施するために好適である。しかしながら、特に好適なのは、互いに反応し合う成分が特に微細に分散するという結果を導く方法であり、例えば流動床法、噴霧塔法、またはジェット気流法である。
本発明に係る方法はまた、例えば混合法と粉砕法の組み合わせとして実施することもできる。その場合、例えば無水物または2種以上の無水物の混合物の粉砕中に、上述のようにハロゲン含有オキシ酸の塩または2種以上の該塩の混合物の水溶液を粉砕用に供給することができる。
本発明に係る安定化剤組成物が上記2つの主成分に加えて1種以上の添加剤を含む必要がある場合、該添加剤は水溶液と1種以上の無水物との反応前、反応中、または反応後に安定化剤組成物に添加することができる。反応前または反応中の添加剤の添加は、添加剤が反応に関与する化合物に対して不活性であるという条件でのみ行わなければならない。さもなければ、すなわち添加剤が不活性でなければ、反応後に添加する(本発明に係る安定化剤組成物がそのような添加剤を含む必要がある場合)。
本発明の好ましい態様において、本発明に係る方法を実施するためには、無水物成分と水溶液を1:1または1:1より大きい無水物:水分のモル比で、例えば1.1:1〜約1.5:1で使用する。
本発明に係る安定化剤組成物は、ハロゲン含有ポリマーの安定化に好適である。
該ハロゲン含有ポリマーは、例えば塩化ビニルのポリマー、ポリマー骨格中に塩化ビニル単位を含有するビニル樹脂、塩化ビニルと脂肪族酸のビニルエステル、特に酢酸ビニルとのコポリマー、塩化ビニルとアクリルおよびメタクリル酸またはアクリロニトリルのエステルまたはそれら2種以上の混合物とのコポリマー、塩化ビニルとジエン化合物または不飽和ジカルボン酸またはその無水物とのコポリマー、例えば塩化ビニルとマレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、または無水マレイン酸とのコポリマー、塩化ビニルの後塩素化ポリマーおよびコポリマー、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンとアクロレイン、クロトンアルデヒド、ビニルメチルケトン、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等の不飽和アルデヒド、ケトン、およびその他の化合物とのコポリマー、塩化ビニリデンと塩化ビニルおよび前記その他の重合可能な化合物とのポリマーおよびコポリマー、クロロ酢酸ビニルおよびジクロロビニルエーテルのポリマー、酢酸ビニルの塩素化ポリマー、アクリル酸およびα−置換アクリル酸の塩素化ポリマーエステル、塩素化ポリスチレン、例えばポリジクロロスチレン、エチレンの塩素化ポリマー、クロロブタジエンのポリマーおよび後塩素化ポリマーおよびその塩化ビニルとのコポリマー、および上記ポリマー2種以上の混合物または上記ポリマーを1種以上含むポリマー混合物である。本発明の好ましい態様において、本発明に係る安定化剤組成物は窓枠、産業用形材、チューブ、およびプレート等のPVC−Uの成形品の製造に使用される。
また、PVCとEVA、ABS、またはMBSとのグラフトポリマーも、本発明に係る安定化剤組成物による安定化に好適である。該グラフトコポリマー用に好ましい基材は、前記ホモおよびコポリマー、特に塩化ビニルホモポリマーとその他の熱可塑性またはエラストマー性ポリマーとの混合物、特にABS、MBS、NBR、SAN、EVA、CPEとの混合物、MBAS、PAA(ポリアルキルアクリレート)、PAMA(ポリアルキルメタクリレート)、EPDM、ポリアミド、またはポリラクトンである。
また、ハロゲン化ポリマーと非ハロゲン化ポリマーとの混合物、例えば前記非ハロゲン化ポリマーとPVCの混合物、特にポリウレタンとPVCの混合物も同様に、本発明に係る安定化剤組成物による安定化に好適である。
さらに、本発明に係る安定化剤組成物によって塩素含有ポリマーの再生品を安定化することも可能であり、原則として前記ハロゲン化ポリマーのあらゆる再生品がこの用途に好適である。例えば、PVCの再生品が本発明において好適である。
従って、本発明はまた、少なくともハロゲン化ポリマーと本発明に係る安定化剤組成物とを含むポリマー組成物に関する。
本発明の好ましい態様において、本発明に係るポリマー組成物は本発明に係る安定化剤組成物を0.1〜20phr、特に約0.5〜約15phr、または約1〜約12phrの量で含む。単位phrは「per hundred resin」を示し、ポリマー100重量部に対する重量部に関する。
本発明に係るポリマー組成物は、ハロゲン化ポリマーとしてPVCを少なくとも一定の割合で含むことが好ましく、PVC含有量は特に約20重量%以上、好ましくは約50重量%以上、例えば約80重量%以上、また約90重量%以上である。
本発明はまた、ハロゲン含有ポリマー1種、ハロゲン含有ポリマー2種以上の混合物、またはハロゲン含有ポリマー1種以上と非ハロゲン化ポリマー1種以上の混合物を、本発明に係る安定化剤組成物と混合するというハロゲン含有ポリマーの安定化方法に関する。
ポリマー1種またはポリマー2種以上と本発明に係る安定化剤組成物の混合は、原則としてポリマーの加工前または加工中であればいつでも行うことができる。例えば、安定化剤組成物は加工前に粉末状または顆粒状のポリマーと混合することができる。しかしながら、安定化剤組成物は、軟化または溶融した状態のポリマー1種または2種以上に、例えば押出機での加工中に、乳液または分散液、ペースト状混合物、乾燥混合物、または溶液または溶融液の形状のポリマーに添加することも同様に可能である。
本発明に係るポリマー組成物は、公知の方法によって所望の形状に成形することができる。好適な方法は、例えばカレンダー加工、押出加工、射出成形加工、焼結加工、押出ブロー加工、またはプラスチゾル加工である。本発明に係るポリマー組成物は、例えば発泡材料の製造に使用できる。原則として、本発明に係るポリマー組成物は硬質または軟質PVCの製造、特にPVC−Uの製造に好適である。
本発明に係るポリマー組成物を加工して成形品に成形することができる。そのため、本発明はまた、少なくとも本発明に係る安定化剤組成物と本発明に係るポリマー組成物とを含む成形品に関する。
本発明における「成形品」としては、原則として本発明に係るポリマー組成物から製造されるすべての三次元構造体が挙げられる。本発明において、「成形品」としては例えば電線シース材、自動車部品、例えば自動車の内装、エンジンスペース、または外装に使用されているような自動車部品、ケーブル絶縁体、装飾フィルム、農業用フィルム、ホース、成形密封要素、事務用フィルム、中空体(ボトル)、包装フィルム(深絞りフィルム)、インフレーションフィルム、チューブ、発泡材、大型形材(窓枠)、軽量形材、構造形材、サイディング、金具、プレート、発泡パネル、再生核を有する共押出成形体、または電気装置または機器、例えばコンピュータまたは家電製品の筺体が挙げられる。
本発明に係るポリマー組成物から製造できる成形品はさらに、例えば合成皮革、床材、繊維被覆材、壁材、コイル被覆材、および自動車用のアンダーコート材である。
本発明について、下記の実施例によってさらに詳細に説明する。
70重量%の過塩素酸ナトリウムを水中に溶かした水溶液7.14gを水酸化カルシウム(粒径D50:6.5μm)45gと混合し、混合物をその後乾燥した(組み合わせ3)。乾燥混合物の電子顕微鏡検査により、粒径が10μmまでの結晶があることがわかった。混合物のX線回折(Cu/K α−照射)の記録では、2θ=25.14°の反射により結晶過塩素酸ナトリウムが存在することがわかった。
70重量%の過塩素酸ナトリウムを水中に溶かした水溶液7.14gを、酸化カルシウム(粒径D50:14.5μm)6.66gと水酸化カルシウム(粒径D50:6.5μm)36.2gの混合物と反応させた(組み合わせ1)。混合物の電子顕微鏡検査によれば、過塩素酸ナトリウムの明瞭な結晶はないことがわかった。混合物のX線回折の記録では、2θ=25.14°の反射がないことが示され、結晶粒径が5nmを上回る結晶過塩素酸ナトリウムは存在しないことがわかった。
本発明に係る安定化剤組成物の有効性を試験するために、本発明に係る処方と2つの比較用処方(処方2および3)を製造し、それらの有効性を試験した。過塩素酸ナトリウムと水酸化カルシウムの2つの構成物質を乾燥状態で混合して得られた混合物を、組み合わせ2として使用した。組み合わせ2に含まれる構成物質、水酸化カルシウムと過塩素酸ナトリウムの粒径は、それぞれ約6.4μm、約15μmであった。
以下の処方を使用した。
PVCおよび上述のいずれかの処方を用いて、転造シートを190℃で製造した(転造時間は3分間)。得られたPVCシートを、DIN VDE 0472 Part 614準拠のコンゴ赤試験で試験し、熱安定性を200℃のマチスオーブン中で5分進むごとに試験し、その後目視による品質評価を行った。以下の結果が得られた:

Claims (9)

  1. 一般式;M(ClO
    (式中、MはLi、Na、K、Mg、Ca、Sr、Zn、Al、La、Ce、または一般式NR (Rはそれぞれ独立してHまたは炭素数1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基である。)で表されるアンモニアのカチオンであり、kはMの原子価であって1、2、または3である。)
    で表されるハロゲン含有オキシ酸の塩、および無機酸、有機酸または無機塩基を少なくとも含む組成物であって、前記ハロゲン含有オキシ酸の塩の含有量が0.01〜50重量%であり、前記ハロゲン含有オキシ酸の塩の総含有量に対して、結晶粒径が1μmより大きい前記塩の結晶の含有量が10重量%未満であることを特徴とする安定化剤組成物。
  2. 前記ハロゲン含有オキシ酸の塩の総含有量に対して、結晶粒径が500nmより大きい前記塩の結晶の含有量が10重量%未満であることを特徴とする請求項1に記載の安定化剤組成物。
  3. アルカリ土類金属水酸化物を含むことを特徴とする請求項1または2記載の安定化剤組成物。
  4. 少なくともさらに1種の添加剤を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の安定化剤組成物。
  5. ハロゲン含有オキシ酸または2種以上のハロゲン含有オキシ酸の混合物の水溶液を、無機酸または有機酸の無水物、無機塩基の無水物、またはそれら2種以上の混合物と反応させて、反応物を形成させ、且つ、結晶粒径が1μmより大きい前記ハロゲン含有オキシ酸の塩の結晶を前記ハロゲン含有オキシ酸の塩の総含有量に対して10重量%未満反応中に形成させることを特徴とするハロゲン含有ポリマー用安定化剤組成物の製造方法。
  6. 反応中に無機塩基が形成されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記水溶液が前記ハロゲン含有オキシ酸の塩または2種以上の前記ハロゲン含有オキシ酸の塩の混合物を少なくとも10重量%含むことを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記反応物を1種以上の添加剤と混合することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. ハロゲン含有ポリマーおよび請求項1〜4のいずれか1項記載の安定化剤組成物を0.1〜20phr含有するポリマー組成物。
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