JPH0762181A - 熱安定性および加工性を改善した塩素含有樹脂組成物 - Google Patents

熱安定性および加工性を改善した塩素含有樹脂組成物

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JPH0762181A
JPH0762181A JP21055593A JP21055593A JPH0762181A JP H0762181 A JPH0762181 A JP H0762181A JP 21055593 A JP21055593 A JP 21055593A JP 21055593 A JP21055593 A JP 21055593A JP H0762181 A JPH0762181 A JP H0762181A
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thermal stability
resin composition
ester
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JP21055593A
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Fumio Goto
文男 後藤
Koichi Hirano
弘一 平野
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Westlake Akishima Co Ltd
Original Assignee
Akishima Chemical Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、可塑剤を添加しない硬質の塩素含
有樹脂組成物の熱安定性、特に長時間高温下にさらされ
たときの変色防止、熱成形時の加工性などを改善しよう
とするものである。 【構成】塩素含有樹脂に、(a)、アルキル錫化合物の
少なくとも一種と、(b)トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートと、(c)過塩素酸のナトリウ
ム、マグネシウム、カルシウムおよびバリウム塩の中の
いづれか一つと多価アルコールまたはこの誘導体との錯
化合物の中から選ばれた少なくとも一種とを組み合せて
含有してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱安定性と加工性を改
善した塩素含有樹脂組成物に関し、とくに安定剤として
アルキル錫化合物、特定されたイソシアヌル酸化合物お
よび過塩素酸金属塩と多価アルコールとの錯化合物との
組合せからなる安定剤、そしてこれらの安定剤に、さら
にポリエーテル型リン酸エステルを組合せて含有してな
る熱安定性および加工性を改善した塩素含有樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩素含有樹脂組成物は各種の優れた性質
を有しているが、これを熱成形加工するとき脱塩化水素
をともなう分解を起こして成形品を着色させ、この商品
価値を低下させる欠点がある。これを改善するため、従
来より種々の安定剤を添加して熱安定化させる方法が行
われている。
【0003】この安定剤の成分としては例えばBa−Z
n系またはCa−Zn系の金属石けんに有機亜リン酸エ
ステル化合物、ヒンダードフェノール系酸化防止剤およ
びエポキシ化合物などを組合せた複合石けん系、または
ジアルキル錫マレイン酸アルキルエステル塩とワックス
系滑剤との併用系などである。
【0004】上記の安定剤の組合せ成分を添加してなる
塩素含有樹脂組成物は、熱成形加工したとき熱安定性お
よび加工性においては確かに改善されている。
【0005】しかしながら、複合金属石けん系を添加し
て熱成形した成形品例えば波板は、これを屋外で長時間
さらしたとき、また金属製建材との接触面などで容易に
変色するといった問題が以前から存在していた。またこ
れを屋内の床材として用いたときなども、暖房器具の周
辺などで高温、長時間さらされると容易に白化あるいは
変色するという欠点があった。
【0006】一方、ジアルキル錫マレイン酸アルキルエ
ステル塩は優れた熱安定性を有しているが、熱成形時の
強い刺激臭があり作業環境上に問題があり、さらに滑性
が全くないためワックス系その他の離型剤を多く添加す
ることに基因して透明性が悪化するという欠点がある。
【0007】こうしたことで、可塑剤を添加しない塩素
含有樹脂組成物からなる硬質成形品、例えば透明波板成
形品などが長時間、高温にさらされるときの変色防止に
対して、より一層の改善が求められている。
【0008】出願人は、このような長時間の高温にさら
される塩素含有樹脂組成物の成形品の変色を防止する方
法として、すでに特公昭62−16220号および特公
昭63−462号を提案した。これはBa−Zn系また
はCa−Zn系の金属石けん、亜リン酸エステル化合
物、ヒンダートフェノール系酸化防止剤などを組合せた
複合石けん系に、さらに過塩素酸のMg、Ba、Ca塩
およびNa塩と多価アルコールまたはこの誘導体との錯
化合物を併用することで、可塑化された軟質塩素含有樹
脂成形物の成形品に対する変色を防止するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩素含有量
樹脂に、アルキル錫化合物と、イソシアヌル酸化合物
と、過塩素酸金属塩と多価アルコールとの錯化合物とを
組合わせた安定剤に、さらにポリエーテルリン酸エステ
ルを併用した安定剤を添加し、これによって可塑剤を添
加しない硬質の塩素含有樹脂組成物の熱安定性、特に長
時間高温下にさらされたときの変色防止、熱成形時の加
工性などを改善しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、塩素含有樹
脂に、(a)、アルキル錫化合物の少なくとも一種と、
(b)トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
トと、(c)過塩素酸のナトリウム、マグネシウム、カ
ルシウムおよびバリウム塩の中のいづれか一つと多価ア
ルコールまたはこの誘導体との錯化合物の中から選ばれ
た少なくとも一種とを組み合せて含有してなる熱安定性
および加工性を改善した塩素含有樹脂組成物(請求項
1)、塩素含有量樹脂に、(a)アルキル錫化合物の少
なくとも一種と、(b)トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートと、(c)過塩素酸のナトリウ
ム、マグネシウム、カルシウムおよびバリウム塩の中の
いづれか一つと多価アルコールまたはこの誘導体との錯
化合物の中から選ばれた少なくとも一種と、(d)ポリ
オキシエチレンアルキル(またはアルキルアリール)エ
ーテル型リン酸エステルの少なくとも一種とを組合せて
含有してなる熱安定性および加工性を改善した塩素含有
樹脂組成物(請求項2)、アルキル錫化合物が、ジブチ
ル錫ジラウリン酸塩、ジブチル錫S,0−3−メルカプ
トプロピオン酸塩またはジブチル錫ビス(メルカプト酢
酸2−エチルヘキシルエステル)塩のいずれかである請
求項1、2記載の熱安性および加工性を改善した塩素含
有樹脂組成物(請求項3)、錯化合物が、過塩素酸ナト
リウムもしくは過塩素酸バリウムのいずれかと、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリ
コールモノメチルエーテルもしくはプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルのいずれか一種との錯化合物であ
る請求項1または2記載の熱安定性および加工性を改善
した塩素含有組成物(請求項4)およびポリオキシエチ
レンアルキル(またはアルキルアリール)エーテル型リ
ン酸エステルが、トリデシルポルオキシエチレン(鎖長
4〜10混合)リン酸エステルまたはノニルフェニルポ
リオキシエチレン(鎖長5〜55混合)リン酸エステル
である請求項2記載の熱安定性および加工性を改善した
塩素含有樹脂組成物(請求項5)である。
【0011】以下にこれらの発明を説明する。
【0012】請求項1の発明は、(a)ジアルキル錫化
合物と、(b)イソシアヌル酸化合物と、(c)過塩素
酸金属塩と多価アルコールとの錯化合物との三成分を組
合せてなる安定剤を含有してなる熱安定性および加工性
を改善した塩素含有樹脂組成物である。
【0013】この発明で用いる(a)アルキル錫化合物
は、例えばジメチル錫ジラウリン酸塩、ジメチル錫ビス
(メルカプト酢酸イソオクチルエステル)塩、ジメチル
錫ビス(メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル)
塩、ジメチル錫ビス(3−メルカプトプロピオン酸2−
エチルヘキシルエステル)塩、ジ−n−ブチル錫ジ2−
エチルヘキソイン酸塩、ジ−n−ブチル錫ジイソデカン
酸塩、ジ−n−ブチル錫ジラウリン酸塩、ジ−n−ブチ
ル錫ジ安息香酸塩、ジ−n−ブチル錫S,0−3−メル
カプト酢酸塩、ジ−n−ブチル錫S,0−3−メルカプ
トプロピオン酸塩、ジ−n−ブチル錫ビス(メルカプト
酢酸イソオクチルエステル)塩、ジ−n−ブチル錫ビス
(メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル)塩、ジ
−n−ブチル錫ビス(3−メルカプトプロピオン酸イソ
オクチルエステル)塩、ジ−n−ブチル錫ビス(3−メ
ルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル)
塩、モノ−n−オクチル錫トリス(メルカプト酢酸2−
エチルヘキシルエステル)塩、モノ−n−オクチル錫ト
リス(3−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシル
エステル)塩、ジ−n−オクチル錫S,0−3−メルカ
プトプロピオン酸塩、ジ−n−オクチル錫ビス(メルカ
プト酢酸イソオクチルエステル)塩、ジ−n−オクチル
錫ビス(メルカプト酢酸2−エチルヘキシルエステル)
塩、ジ−n−オクチル錫ビス(S,0−3−メルカプト
プロピオン酸イソオクチルエステル)塩、ジ−n−オク
チル錫ビス(S,0−3−メルカプトプロピオン酸2−
エチルヘキシルエステル)塩などである。
【0014】これらのアルキル錫化合物を本発明で用い
る場合、その添加量は、塩素含有樹脂100重量部に対
し0.05〜5重量部が好ましく、さらに好ましくは
0.2〜3重量部である。
【0015】成分(b)のトリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートは、好ましくは塩素含有量樹脂1
00重量部に対し0.01〜2重量部用いられ、さらに
好ましいし添加量は0.05〜1重量部である。
【0016】(c)成分は、過塩素酸のナトリウム塩、
マグネシウム塩、カルシウム塩もしくはバリウム塩の中
のいずれか一種と、多価アルコールまたはこの誘導体と
からなる錯化合物の少なくとも一種以上である。この錯
化合物については、特公昭62−16220号および特
公昭63−462号にその詳細が開示されている。
【0017】またここに用いる多価アルコールまたはこ
の誘導体としては、例えばエチレングリコール、エチレ
ングリコールモノ(メチル、エチルもしくはブチル)エ
ーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
モノ(メチル、エチル、もしくはブチル)エーテル、ト
リエチレングリコール、トリエチレングリコールモノ
(メチルもしくはブチル)エーテル、テトラエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、プロピレングリコールモノ(メチル、エチルもし
くはブチル)エーテル、ジプロピレングリコール、トリ
プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ト
リメチレングリコール、1,4ブタンジオール、メトキ
シブタノール、グリセリンなどである。
【0018】過塩素酸金属塩と、上記の多価アルコール
またはこの誘導体とからなる錯化合物を得る場合、その
反応は重量比で15:85〜65:35、好ましくは2
0:80〜60:40である。生成した錯化合物は、無
色ないしこの淡黄かつ色を呈し、常温で透明ないし半透
明の液体である。これらの錯化合物を本発明で用いる場
合、その添加量は、塩素含有樹脂100重量部に対し
0.01〜3重量部が好ましく、さらに好ましくは0.
05〜1重量部である。
【0019】請求項2の発明は、上記の請求項1の発明
と同じように、塩素含有樹脂に(a)アルキル錫化合物
と、(b)トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レートと、(c)過塩素酸金属塩と多価アルコールまた
はこの誘導体とからなる錯化合物とを組合わせ、これに
さらに(d)成分としてポリオキシエチレンアルキル
(またはアルキルアリール)エーテル型リン酸エステル
化合物を併用した4成分を組合わせて含有してなる熱安
定性および加工性を改善した塩素含有樹脂組成物であ
る。この請求項2の発明の安定剤成分(a)〜(c)の
成分については、上記に開示したとおりである。またこ
れらの好ましい添加量についても上記した通りである。
【0020】この請求項2の発明の成分(d)ポリオキ
シエチレンアルキル(またはアルキルアリール)エーテ
ル型リン酸エステルとしては、例えばオクチルポリオキ
シエチレン(鎖長5〜25混合)リン酸エステル、デシ
ルポリオキシエチレン(鎖長4〜10混合)リン酸エス
テル、ドデシルポリオキシエチレン(鎖長4〜10混
合)リン酸エステル、トリデシルポリオキシエチレン
(鎖長4〜10混合および15〜55混合)リン酸エス
テル、オクチルフェニルポリオキシエチレン(鎖長4〜
25混合)リン酸エステル、ノニルフェニルポリオキシ
エチレン(鎖長5〜55混合)リン酸エステル、ジノニ
ルフェニルポリオキシエチレン(鎖長5〜55混合)リ
ン酸エステル、ドデシルフェニルポリオキシエチレン
(鎖長5〜55混合)リン酸エステルである。
【0021】これらのポリオキシエチレンアルキル(ま
たはアルキルアリール)エーテル型リン酸エステルを本
発明で用いる場合、その添加量は、塩素含有樹脂100
重量部に対し、0.01〜3重量部が好ましく、さらに
好ましくは0.05〜1重量部である。
【0022】請求項3〜5記載の発明は、請求項1、2
の発明の構成要素の一部をさらに特定したものである。
【0023】すなわち、請求項3はアルキル錫化合物
を、ブチル錫ジラウリン酸塩、ジブチル錫S,0−3−
メルカプトプロピオン酸塩またはジブチル錫ビス(メル
カプト酢酸2−エチルヘキシルエステル)塩に特定した
ものである。
【0024】請求項4は、過塩素酸金属塩を過塩素酸の
ナトリウム塩もしくはバリウム塩のいづれかと、そして
多価アルコールをジエチレングリコールモノメチルエー
テル、トリエチレングリコールもしくはプロピレングリ
コールモノメチルエーテルのいづれか一種との錯化合物
に特定したものである。
【0025】請求項5は、ポリオキシエチレンアルキル
(またはアルキルアリール)エーテル型リン酸エステル
を、トリデシルポリオキシエチレン(鎖長4〜10混
合)リン酸エステルまたはノニルフェニルポリオキシエ
チレン(鎖長5〜55混合)リン酸エステルに特定した
ものである。
【0026】本発明は、上記の安定剤成分を含む他に、
以下の安定化助剤、その他の添加剤を本発明の熱安定性
および加工性、さらに透性性などをより改善するために
併用することができる。例えば、ヒンダードフェノール
系の酸化防止剤、有機亜リン酸エステル、紫外線吸収剤
などの光安定剤または加工剤などであり、必要に応じて
適宣に使用することができる。
【0027】酸化防止剤としてはヒンダートフェノール
類によって代表され、例えばアルキル化フェノール、ア
ルキル化フェノールエステル、アルキレンまたはアルキ
リデンビスフェノール、ポリアルキル化フェノールエス
テルであり、これらは、例えばブチル化ヒドロキシトル
エン、ブチル化ヒドロキシアニソール、4−ヒドロキシ
メチル2、6−ジ−t−ブチルフェノール、2、2´−
メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕などである。
【0028】有機亜リン酸エステルはトリアルキルホス
ファイト、トリアリ−ルホスファイト、アルキルアリー
ルホスファイト、ビスフェエノール−A−ホスファイ
ト、多価アルコールホスファイトなどによって代表さ
れ、これらは、例えばトリイソオクチルホスファイト、
トリイソデシルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト、トリノニルフェニルホスファイト、ジフェニルイソ
オクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファ
イト、ジイソデシルペンタエリスリトールジホスファイ
ト、4,4´−イソプロピリデンジフェニルアルキル
(C12−C15)ジホスファイト、テトラフェニルジプロ
ピレングリコールジホスファイト、ポリ(ジプロピレン
グリコール)フェニルホスファイトなどである。
【0029】紫外線吸収剤などの光安定剤として用いら
れるものとしては、ベンゾトリアゾール系およびヒンダ
ートアミン系によって代表され、例えば2−(5−メチ
ル−2−ヒドロキシフエニル)ベンゾトリアゾール、2
−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−
メチル−2−ヒドロキシフェエニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−
ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール
などのベンゾトリアゾール化合物であり、そしてコハク
酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシシエチル)−4−ヒ
ドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)
イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)イミノ}〕、N、N´−ビス
(3−アミノプロピル)エチレンジアルミン−2、4−
ビス〔N−ブチル−N(1,2,2,6,6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,
3,5−トリアジン縮合物などのヒンダートアミン化合
物である。
【0030】本発明における塩素含有樹脂としては、例
えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロ
ピレン共重合体そしてポリ塩化ビニルと以下のポリマ
ー、例えばアクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ス
チエン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレン−ブ
タジエン共重合体、メタアクリル酸エステル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体とのブレンド品をあげることがで
きる。
【0031】本発明の塩素含有樹脂組成物は、成形品の
用途およびその必要に応じて顔料、帯電防止剤、防雲
剤、防バイ剤、架橋剤、可塑剤その他、加工助剤を適宣
併用することができる。
【0032】つぎに、実施例によって本発明をさらに説
明する。
【0033】
【実施例】
(実施例1〜10および比較例1〜6)本発明の安定剤
成分(a)、(b)および(c)を組み合わせて含有し
てなる塩素含有樹脂組成物(請求項1)、これにさらに
安定剤成分(d)を含有してなる塩素含有樹脂組成物
(請求項2)でそれぞれ試験用シートをつくり、このシ
ートで熱安定性および加工性などを調べた。
【0034】以下の配合組成物を190℃に加熱した混
練ロールで5分間混練し、厚さ0.3mmの均一なシート
とした。これを原シ−トとして以下のようにして試験1
ないし3を行った。 また、同じ配合物を用い、長時間
の混練試験(ローリングテスト)(試験4)を行った。
【0035】 配合 ポリ塩化ビニル 100 重量部 MBS(注−1) 5 重量部 EVA(注−2) 1 重量部 PMMA(注−3) 1 重量部 紫外線吸収剤(注−4) 0.2 重量部 ステアリン酸 0.3 重量部 ステアリン酸モノグリセライド 0.4 重量部 安定剤成分 (第1〜2表) 注−1:MBS、メタアクリル酸メチル−ブタジエン−
スチレン共重合体、三菱レイヨン社製、商品名、メタブ
レンC−132 注−2:EVA、エチレン−酢酸ビニル共重合体、日本
合成化学工業社製、商品名、ソアブレンCH 注−3:PMMA、ポリメタアクリル酸エステル、三菱
レイヨン社製、商品名、メタブレンP−551A 注−4:ベンゾトリアゾール系、チバーガイギー社製、
商品名、チヌピン327 試験1 前記の原シートから試験片をつくり、この試験片を19
0℃に加熱したギア−オーブン老化試験機中に一定時間
入れ、熱劣化による着色および黒色分解までの時間を調
べた。
【0036】試験2 原シートから試験片をつくり、これを金型上に11枚重
ね、プレス形成機にて185℃、150×10 4kg/m
2 まで5分間、加圧成形を行い、厚さ3mmのプレス板を
得た。このプレス板の透明性を調べた。つぎに、このプ
レス板を40℃に加温した水中に24時間、浸漬してプ
レス板の失透性(HaZe)を調べた。 試験3 原シートから試験片をつくり、これをサンシヤインカ−
ボンウェザメーターに入れ、高温−長時間さらにて促進
暴露試験を行い、光照射による着色および/または劣化
状態を調べた。試験条件としてはブラックパネル温度8
3℃、スプレ−水の噴射なし。
【0037】試験4 配合組成物を190℃に加熱した混練ロールを用い、長
時間にわたり混練した。混練中、シートがロール上にて
粘着または黒かっ色になるまで混練し、この間の加工性
(滑性)、動的熱安定性などを調べた。
【0038】これらの結果を表1および表2にそれぞれ
示した。なお、請求項1の発明の安定剤成分(a)、
(b)、(c)を含む組成物は実施例1〜7であり、請
求項2の安定剤成分(a)、(b)、(c)および
(d)を含む組成物は実施例8〜10である。また表3
および4に比較例を示した。
【0039】また、上記の試験において、熱および光劣
化によるシートの着色度合は、以下の数値により表示し
た。
【0040】10:無着色 9:極微黄色
8:微黄色 7:淡黄赤色 6:黄赤色 5:淡黄かつ色 4:黄赤かつ色
3:赤かっ色 2:黒かっ色 1:黒色 さらに、透明性、失透性および加工性(滑性)について
は、極めて良い:◎、良い:○、少し悪い:△、悪い:
×により表示した。
【0041】
【表1】 なお、表1に記載の注−5、Na−MDGは過塩素酸ナ
トリウム−ジエチレングリコールモノメチルエーテル
(42:58重量比)の錯化合物。注−6、Ba−MT
Gは過塩素酸バリウム−トリエチレングリコールモノメ
チルエーテル(36:64重量比)の錯化合物である。
【0042】
【表2】
【表3】
【表4】 表1および表2に示されているように、この発明によっ
て得られたものは、いずれも良好な結果が得られてい
る。
【0043】即ち、試験1の着色時間、黒色分解時間と
もに長い。試験2の透明性についても極めて良い、良い
の結果が得られている。試験3の120時間着色、劣化
時間、またロ−リング試験についても良好な結果を得て
いる。
【0044】比較例はいずれも良好な結果を示していな
い。もっとも、比較例の中には1,7,8,9,10な
どで極めて良いの二重丸を示しているものもあるが、他
の試験で×の結果を示しているので製品としては良とす
ることは出来ない。
【0045】
【発明の効果】以上の通り本発明による塩素含有樹脂組
成物は、長時間高温下にさらされても変色が回避される
ので、厳しい熱成形加工に十分耐えることが出来るとと
もに、得られた製品を屋外、屋内の厳しい環境で長い期
間使用した場合でも、長き期間にわたっていつまでも透
明性を保って美麗に保つことが出来るようになった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有樹脂に、(a)、アルキル錫化
    合物の少なくとも一種と、(b)トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートと、(c)過塩素酸のナト
    リウム、マグネシウム、カルシウムおよびバリウム塩の
    中のいづれか一つと多価アルコールまたはこの誘導体と
    の錯化合物の中から選ばれた少なくとも一種とを組み合
    せて含有してなる熱安定性および加工性を改善した塩素
    含有樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 塩素含有量樹脂に、(a)アルキル錫化
    合物の少なくとも一種と、(b)トリス(2−ヒドロキ
    シエチル)イソシアヌレートと、(c)過塩素酸のナト
    リウム、マグネシウム、カルシウムおよびバリウム塩の
    中のいづれか一つと、多価アルコールまたはこの誘導体
    との錯化合物の中から選ばれた少なくとも一種と、
    (d)ポリオキシエチレンアルキル(またはアルキルア
    リール)エーテル型リン酸エステルの少なくとも一種と
    を組合せて含有してなる熱安定性および加工性を改善し
    た塩素含有樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 アルキル錫化合物が、ジブチル錫ジラウ
    リン酸塩、ジブチル錫S,0−3−メルカプトプロピオ
    ン酸塩またはジブチル錫ビス(メルカプト酢酸2−エチ
    ルヘキシルエステル)塩のいずれかである請求項1また
    は2記載の熱安性および加工性を改善した塩素含有樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 錯化合物が、過塩素酸ナトリウムもしく
    は過塩素酸バリウムのいずれかと、ジエチレングリコー
    ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメ
    チルエーテルもしくはプロピレングリコールモノメチル
    エーテルのいずれか一種との錯化合物である請求項1ま
    たは2記載の熱安定性および加工性を改善した塩素含有
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ポリオキシエチレンアルキル(またはア
    ルキルアリール)エーテル型リン酸エステルが、トリデ
    シルポルオキシエチレン(鎖長4〜10混合)リン酸エ
    ステルまたはノニルフエニルポリオキシエチレン(鎖長
    5〜55混合)リン酸エステルである請求項2記載の熱
    安定性および加工性を改善した塩素含有樹脂組成物。
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