JP2000026687A - ポリ塩化ビニル樹脂用安定化剤及びポリ塩化ビニル樹脂系組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル樹脂用安定化剤及びポリ塩化ビニル樹脂系組成物

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JP2000026687A
JP2000026687A JP10228487A JP22848798A JP2000026687A JP 2000026687 A JP2000026687 A JP 2000026687A JP 10228487 A JP10228487 A JP 10228487A JP 22848798 A JP22848798 A JP 22848798A JP 2000026687 A JP2000026687 A JP 2000026687A
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Takashi Ono
隆 大野
Keiji Nishijima
敬二 西島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属を実質上含まない、熱安定性の良好
なポリ塩化ビニル樹脂用安定化剤及びポリ塩化ビニル樹
脂系組成物提供する。 【解決手段】 過塩素酸処理ハイドロタルサイト化合物
類とトリメチロール化合物類及び/またはトリメチロー
ル化合物類の縮合物の1種以上からなり、且つ、Zn,
Cd,Ba,Sn,Pb等の重金属を実質上含まないポ
リ塩化ビニル樹脂用安定化剤及びポリ塩化ビニル樹脂系
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱安定性(特に初
期着色性)に対して安定性良好なポリ塩化ビニル樹脂系
組成物に関するものであり、詳しくは配合組成中にZ
n,Cd,Ba,Sn等の重金属を含有しないポリ塩化
ビニル樹脂用安定化剤及びポリ塩化ビニル樹脂系組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニル樹脂は、熱・光に対して
不安定な樹脂であり、特に成形加工の際に主として脱塩
化水素に起因した熱分解等によって着色劣化を起こしや
すい。この成形加工時の熱等による劣化要因の除去また
は低減化のために安定剤の添加が必用とされている。
【0003】従来、鉛系,Ba,Zn,Ca等の複合金
属石けん系,有機錫系等の安定剤が用いられてきてお
り、さらに、エポキシ化合物、有機亜リン酸エステル化
合物、β−ジケトン化合物、多価アルコール化合物、含
窒素化合物等が併用して用いられてきた。
【0004】近年、PVCの用途が拡大され半導体工業
設備関係や食品工業設備関係など重金属による汚染を極
度に嫌う用途に用いられる場合も増えつつある。
【0005】例えば半導体製造設備(洗浄設備、エッチ
ング装置等)関係では、その工程中で種々の処理をしな
ければならず、Pb、Sn、Znなどの重金属化合物を
安定剤として含むポリ塩化ビニル樹脂は、工程中でこれ
ら金属が溶出して電子部品等に悪影響を及ぼすことにな
る。このため、半導体製造設備用の樹脂組成物中には重
金属が含まれていないことが望まれている。
【0006】従来、プラント用超純水配管などに用いら
れる管材などは、館内面の凹凸をできるだけ少なくし
て、平滑な表面を得るよう加工スピードを落とし、金型
内の通過時間を倍以上かけて成形している。そのため、
樹脂は熱履歴を受けて分解しやすくなる。又、生産性も
非常に悪いため、配合面での検討が行われている。
【0007】また、従来、無金属配合として特開昭62
−273243号公報に多化アルコールとジヒドロキシ
ピリジン類又はβ−アミノクロトン酸エステル類の併用
が、特開昭62−197439号公報にはアミノカルボ
ン酸を添加することが記載されているが、いずれも上記
無金属樹脂組成物では十分に熱安定化できず、着色しや
すい。
【0008】また、特開平7−278389号公報には
炭酸アニオンに対する過塩素酸アニオンの比率が1.6
〜30wt倍となるように含有せしめてなり、かつ有機
酸のZn塩、Cd塩、Pb塩、有機Sn化合物含有しな
いことを特徴とする塩化ビニル樹脂組成物が記載されて
いる。しかし、上記組成物では可塑剤の多く配合される
パウダースラッシュ成形には耐えても、パイプ、硬質異
型品のように無可塑または可塑剤の少ない押出成形など
では熱履歴が大きく、高せん断力が加わるため、着色し
やすく、実用的に不十分であった。
【0009】また、特開昭57−151637号公報に
はジトリメチロールプロパンと炭素原子数が5〜15、
水酸基数が2〜10で、融点が100°C以下のポリオ
ールとの組合せからなることを特徴とする塩化ビニルポ
リマー組成物が記載されているが、実施例に例示されて
いるようにステアリン酸亜鉛等の亜鉛化合物を併用しな
いと着色が著しく、良好な成形品が得られなかった。ま
た特開平9−151288号公報には亜鉛石けんならび
にトリメチロール類を含有してなる安定化剤が記載され
ているがトリメチロール類単独では効果が無く、亜鉛石
けんの併用が必須であった。
【0010】また、特開昭58−127751号公報に
は有機酸の金属塩と多化アルコールの部分エステル及び
ハロゲン酸素酸塩を添加することが記載されているが、
実施例はいずれもZn化合物を併用しており、Zn化合
物を併用しなければ良好な色相が得られず、不十分であ
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】重金属を含まない安定
剤配合で、良好な熱安定性,初期着色性を示すポリ塩化
ビニル樹脂組成物を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる状況
に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、(a)過塩素酸処理ハ
イドロタルサイト化合物,(b)トリメチロール化合物
類及び/またはトリメチロール化合物類の縮合物とを組
み合わせることによって、Zn化合物、Cd化合物、B
a化合物、Pb化合物、Sn化合物等の重金属化合物を
含まずとも色相の良好な、耐熱性に優れるポリ塩化ビニ
ル樹脂系組成物が得られることを見出し、本発明に到達
した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の安定化剤はポリ塩化ビニル樹脂、例えば塩化ビ
ニルの単一重合体、塩化ビニルを主成分とする共重合
体、塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、塩素化
ポリプロピレン、これらの混合体、又は上記重合体と他
の重合体との混合体(ポリマーブレンド)等に対し、Z
n化合物、Cd化合物、Ba化合物、Pb化合物、Sn
化合物等の重金属化合物を配合せずとも優れた耐熱性を
付与しうる安定化剤であり、過塩素酸処理ハイドロタル
サイト化合物類と、トリメチロール化合物類及び/また
はそれらのトリメチロール化合物類の縮合物から選ばれ
た少なくとも1種以上を含有することを特徴とする。
【0014】本発明のポリ塩化ビニル樹脂系組成物で用
いられるポリ塩化ビニル樹脂としては、例えば塩化ビニ
ルの単一重合体、塩化ビニルを主成分とする共重合体、
塩素化ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリ
プロピレン、これらの混合体、又は上記重合体と他の重
合体との混合体(ポリマーブレンド)等である。具体的
にはポリ塩化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体、プロピレン−塩化
ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−塩化ビニル共
重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル共重合体等で
ある。塩化ビニルを含まない重合体の例として、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸
化炭素共重合体、アクリル酸エステル重合体、メタアク
リルエステル−ブタジエン−スチレングラフト共重合
体、あるいは特殊ポリウレタン樹脂等である。
【0015】また本発明で使用される過塩素酸処理ハイ
ドロタルサイト化合物類としては、例えば化1で示され
る層状化合物が挙げられる。
【0016】
【化1】
【0017】また本発明で使用される過塩素酸処理ハイ
ドロタルサイト化合物類の添加部数としてはポリ塩化ビ
ニル樹脂100重量部に対し0.01から5重量部、好
ましくは0.03から3重量部の範囲で使用する。0.
01未満では熱安定性に対する効果が乏しく、5重量部
を越えて使用しても、増量効果に乏しい。
【0018】また本発明で使用されるトリメチロール化
合物類は化2で示され単量体及び/またはその縮合体が
挙げられる。
【0019】
【化2】
【0020】トリメチロール化合物類及びその縮合物の
具体例としてはトリメチロールエタン、トリメチロール
プロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールヘキ
サン、トリメチロールオクタン、ジトリメチロールエタ
ン、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールヘキ
サン、トリストリメチロールプロパン、ポリトリメチロ
ールプロパン等が挙げられる。
【0021】また本発明で使用されるトリメチロール化
合物類及びその縮合物の添加部数としてはポリ塩化ビニ
ル樹脂100重量部に対し0.01から5重量部、好ま
しくは0.03から3重量部の範囲で使用する。0.0
1未満では熱安定性に対する効果が乏しく、5重量部を
越えて使用しても、増量効果に乏しい。
【0022】本発明におけるポリ塩化ビニル樹脂には、
本発明の効果を損なわない範囲で通常使用されている種
々の添加剤を含有させることができる。添加剤としては
特に限定される物ではなく、例えば可塑剤、滑剤、加工
助剤、強化剤、安定化助剤(有機亜リン酸塩類、エポキ
シ化合物、酸化防止剤、ジケトン、過塩素酸塩類等)、
機能付与剤としての難燃剤、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、発泡剤、熱安定剤としての重金属を含ま
ない金属塩類、充填剤としての無機化合物、さらに顔料
としての金属酸化物、金属錯化合物、含金属顔料等が挙
げられるが重金属を含まないものが好ましい。
【0023】本発明のポリ塩化ビニル樹脂系組成物で使
用できる可塑剤としては、例えばジアルキルフタレート
類、ジアルキルアジペート類、ジアルキルセバケート
類、アジピン酸を主成分とするポリエステル系可塑剤
類、有機リン酸エステル類、塩素化パラフィン類及びエ
ポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキシ化合
物類が挙げられる。
【0024】本発明のポリ塩化ビニル樹脂系組成物で使
用できる滑剤としては、例えばパラフィンワックス、流
動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレン
ワックス、モンタン酸ワックス、高級脂肪酸、高級脂肪
族アルコール、脂肪酸アマイド,脂肪酸エステル等が挙
げられる。
【0025】本発明のポリ塩化ビニル樹脂系組成物で使
用できる加工助剤としては、例えば主としてアクリル系
樹脂の鐘淵化学工業(株)のカネエース、三菱レイヨン
(株)のメタブレン、呉羽化学工業(株)のパラロイド
等の商品名が冠されているものが挙げられる。
【0026】本発明のポリ塩化ビニル樹脂系組成物で使
用できる強化剤としては、例えばアクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン樹脂、メチルメタアクリレート−ブ
タジエン−スチレン樹脂、アクリル系樹脂、ブタジエン
樹脂、酢酸ビニル−エチレン共重合体、エチレン−αオ
レフィン共重合体、塩素化ポリエチレン等が挙げられ
る。
【0027】本発明のポリ塩化ビニル樹脂系組成物で使
用できる安定化助剤としては、例えば有機亜リン酸エス
テル化合物、エポキシ化合物、酸化防止剤、着色改良
剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、金属
の酸化物、水酸化物、有機酸の金属塩類等が挙げられ
る。
【0028】有機亜リン酸エステル化合物の具体例とし
ては、トリスフェニルフォスファイト、トリスノニルフ
ェニルフォスファイト、ジフェニルデシルフォスファイ
ト、ジトリデシルフェニルフォスファイト、トリスデシ
ルフォスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)フォ
スファイト、トリス(ジノニルフェニル)フォスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
ファイト、4,4’−イソプロピリデンジフェニルテト
ラアルキルフォスファイト、2,2−メチレンビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファ
イト、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニルフォスファイト)、サイク
リックネオペンタンテトライルビス(2、6ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェニル)フォスファイト、サイクリ
ックネオペンタンテトライルビス(オクタデシルフォス
ファイト)、フェニルデシルヒドロキシフォスファイ
ト、ジノニルフェニルヒドロキシフォスファイト等を挙
げることが出来る。
【0029】エポキシ化合物としては、例えばオキシラ
ン酸素を構造中に持つ化合物で、エポキシ化大豆油、エ
ポキシ化アマニ油等の動植物不飽和油脂のエポキシ化合
物、不飽和脂肪酸エステルのエポキシ化合物、芳香族及
び脂肪族のグリシジルエーテルあるいは飽和脂環化合物
のエポキシ化合物等が挙げられる。
【0030】酸化防止剤としては、例えばヒドロキシ基
が少なくとも1個の三級あるいは二級アルキル基により
ヒンダードされたフェノール基を同一分子内に1個ない
し4個持つ化合物からなる群から選ばれた化合物あるい
はチオエーテル基を持つ含硫黄系化合物で、その具体例
としてスチレン化パラクレゾール、2,6−ジ−ter
t−ブチル−4−メチルフェノール、ブチル化アニソー
ル、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル
3−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6
−tert−ブチル4−メチルフェノール)、1,3,
5−トリメチル2,4,6−トリス(3,5ジ−ter
t−ブチル4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラ
キス[3−(4−ヒドロキシ3,5−ジ−tert−ブ
チルフェニル)プロピオニルオキシメチル]メタン、n
−オクタデシル3−(3’,5’−ジ−tert−ブチ
ル4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェ
ノール系化合物、ジラウリルチオジプロピオネート、ジ
ステアリルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトー
ルテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)等の
含硫黄系化合物が挙げられる。
【0031】ヒンダードアミン系光安定剤としては、2
−メチル−2−(2,2,6,6−テトラ−メチル−4
−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)プロピオアマイド、ポリ
[(6−モルホリノ−S−トリアジン−2,4−ジル
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジルイミノ)]、ポリ[6−(1,
1,3,3−テトラメチルブチルアミノ)−S−トリア
ジン−2,4−ジル][(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルイミ
ノ)]、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリジル)セバケート、テトラ(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタン
テトラカルボキシレート、2−[(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)イミノ]2−ブチリル
[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピベリジル)
イミノ]、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)等が挙げられる。
【0032】紫外線吸収剤としては、p−tert−ブ
チルフェニルサリシレート、2,4ジヒドロキシベンゾ
フェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニ
ルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−
3,3’−ジフェニルアクリレート、2(2’−ヒドロ
キシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニ
ル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2(2’−ヒドロキシ−5’−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−ク
ロルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシ
ベンゾフェノン、2(2’−ヒドロキシ−4−オクトキ
シフェニル)ベンゾトリアゾール、フェニルサリシレー
ト、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノン等が挙げられる。
【0033】熱安定剤としての金属塩としては有機酸の
金属塩、金属の酸化物、水酸化物、ゼオライト類、ハイ
ドロタルサイト類等が挙げられる。
【0034】有機酸の金属塩の構成有機酸としては、プ
ロピオン酸、カプリン酸、2エチルヘキシル酸、ネオオ
クタン酸、デカン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、ステ
アリン酸、リシノレイン酸、12−ヒドロキシステアリ
ン酸、アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、安息香
酸、トルイル酸、p−tert−ブチル−安息香酸、サ
リチル酸、フタル酸、チオグリコール酸、メルカプトプ
ロピオン酸、チオジプロピオン酸等が、またフェノー
ル、p−tert−ブチルフェノール、ノニルフェノー
ル等のフェノール類が挙げられる。構成する金属として
は、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、
カルシウム、アルミニウム等が挙げられる。
【0035】本発明のポリ塩化ビニル樹脂系組成物で使
用できる充填剤としては、例えば軽質炭酸カルシウム、
重質炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、けい藻
土、軽石粉、雲母粉、アルミナ硫酸アルミニュウム、硫
酸バリウム、ガラス繊維、カーボン繊維、グラファイ
ト、木粉等が挙げられる。
【0036】本発明におけるポリ塩化ビニル樹脂系組成
物は上記以外に一般的配合剤、すなわち帯電防止剤、発
泡剤、顔料、蛍光剤、難燃剤、離型剤、抗菌剤等を使用
することができる。
【0037】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。
【0038】(過塩素酸処理ハイドロタルサイトの製
造)ハイドロタルサイト類として協和化学工業(株)製
のアルカマイザー1を用いて、常法に従って過塩素酸処
理し、アルカマイザー1中の炭酸アニオンの所定の数量
(20%、50%、60%、90%)を過塩素酸アニオ
ンに置き替えた(表1)。
【0039】
【表1】
【0040】(実施例1)下記配合物を180°Cに調
製した6インチオープンロールにより3分間今連枝、シ
ートを作成した。このシートから適当な大きさの試験片
を裁断し、190゜Cに設定したギヤ式老化試験機に入
れ、熱安定性試験を行った。ギヤ式老化試験機に入れた
シートは所定時間ごとに採取し、それらの標準白色板に
対するΔE値を色彩分析装置(COLOR ANALY
ZER TC−1800MK−II:東京電色株式会社
製)により測定し、これを色調変化の指標とした。ΔE
の値が小さいほど色調が良好であることを示している。
【0041】 (試験配合) ポリ塩化ビニル樹脂(P=1050) 100 重質炭酸カルシウム 3 Ca−St 0.5 リケスターSL−02(理研ビタミン製) 0.5 ジフェニルトリデシルホスファイト 0.5 DOP 5.0 安定化剤 (表2)
【0042】
【表2】
【0043】実施例から明らかなように亜鉛化合物、ス
ズ化合物、鉛化合物などの重金属を使用しない場合(比
較例1)には、着色性が著しく、これに過塩素酸処理ハ
イドロタルサイト(比較例2)またはポリオール類(比
較例3,4)を使用してもその効果は殆どなく、不十分
である。過塩素酸処理ハイドロタルサイトとペンタエリ
スリトールとの両者を併用(比較例5)してもその効果
は全く不十分である。
【0044】またハイドロタルサイトとジベンゾイルメ
タンを併用しても殆ど着色改善効果は認められない(比
較例7)。
【0045】これに対して本発明に係る前記化1で表さ
れる過塩素酸処理ハイドロタルサイトと前記化2で表さ
れるトリメチロール化合物類とを併用して使用した場合
(実施例1〜6)には、熱履歴の着色性の改善効果が著
しいものである。
【0046】
【発明の効果】本発明によるポリ塩化ビニル樹脂組成物
は、熱着色性に優れたものであり、あらゆる用途に好適
に使用できる。特に重金属による汚染を嫌う半導体製造
設備等の配水管などに好適に使用できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過塩素酸処理ハイドロタルサイト化合物
    類と、トリメチロール化合物類及び/またはそれらのト
    リメチロール化合物類の縮合物から選ばれた少なくとも
    1種以上を含み、且つ、Zn,Cd,Ba,Sn,Pb
    等の重金属を実質上含まないことを特徴とするポリ塩化
    ビニル樹脂用安定化剤。
  2. 【請求項2】 ポリ塩化ビニル樹脂と、請求項1に記載
    のポリ塩化ビニル樹脂用安定化剤を含有することを特徴
    とするポリ塩化ビニル樹脂系組成物。
  3. 【請求項3】 前記ポリ塩化ビニル樹脂用安定化剤中の
    過塩素酸処理ハイドロタルサイト化合物類とトリメチロ
    ール化合物類及び/またはそれらのトリメチロール化合
    物類の縮合物から選ばれた少なくとも1種以上との配合
    割合が重量比で0.01〜5:0.01〜5であり、且
    つ前記ポリ塩化ビニル樹脂用定化剤の配合割合が、ポリ
    塩化ビニル樹脂100重量部に対して、過塩素酸処理ハ
    イドロタルサイト化合物類とトリメチロール化合物類及
    び/またはそれらのトリメチロール化合物類の縮合物か
    ら選ばれた少なくとも1種以上との合計量換算で0.0
    2〜10重量部であり、Zn,Cd,Ba,Sn,Pb
    等の重金属を実質上含まないことを特徴とするポリ塩化
    ビニル樹脂系組成物。
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