JP4084437B2 - 雨水等の貯留浸透施設 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、通水性を有する構造体や自然水を貯留する構造体、あるいは水上に浮かべ、また水中に沈める構造体その他各種用途に使用することができるユニット部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、すでに特公平4−26648号において容器状部材を縦横かつ上下に配設した構造体を用いて雨水等の貯留浸透施設とする構造を提案したが、更に汎用性に優れたユニット部材の開発を行い、本発明を完成するに至った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、基盤部上に1または複数の筒状突出部を設けて強度を高めると共に、複数連結して通水性を有して自然水などを貯留する雨水等の貯留浸透施設を提供することにある。
【0004】
【発明を解決するための手段】
この発明は上記課題を解決するため、請求項1の雨水等の貯留浸透施設の発明では、
地面を掘り下げたタンク内に、透孔を有する基盤部上に該基盤部の一側方に突出し他側方で開口する中空で筒状の突出部を設けたユニット部材を、連結手段により上下および縦横に多数組み合わせて連結し、最上部に被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設において、
前記基盤部がプレート状の扁平面を有しており、該扁平面上に前記突出部を1または隙間をあけて複数設けてなり、
前記突出部が、先端に向かって漸次小径となる截頭円錐状に形成されて天壁が塞がった中空体からなっており、ユニット部材を縦方向に連結する際に、ユニット部材を上下に交互に倒立させて、各突出部が垂直な同一線上に並ぶように連結してなることを特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の雨水等の貯留浸透施設に用いるユニット部材の実施例について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すユニット部材1は、プレート状の基盤部2と、該基盤部2上に突設された筒状突出部3とからなっている。
即ち、筒状突出部3は1または複数であってもよいが図示例では1つだけ設けた場合を例示している。
この筒状突出部3は基盤部2の底面に開口3aを有しており、基盤部2と一体に形成されている。
この筒状突出部3の頂部は、開口しあるいは閉塞していてもよいが、図示例では天壁3bで塞がった構成からなっている。
更に、筒状突出部3は、多角形や楕円形などの任意の断面形状が採られるが、図示例では断面円形の円筒形状からなっている。
また、この筒状突出部3は上方に向かって漸次小径となるよう周壁が断面テーパ状に形成されており、截頭円錐形状となっている。
【0006】
上記構成からなっているので、ユニット部材1は上下に積み重ねた際に、上方のユニット部材1の筒状突出部3が下方のユニット部材1の筒部3の内部中空に入り込み積み重ねて収納することができる。
また、ユニット部材1の基盤部2は図示例の場合、平面(広面)が矩形となるプレートを示したが、この形状は特に限定されず、円形、楕円形、多角形等任意の形状からなっているものであってもよい。
この基盤部2の平面形状は、同一面状に連続して組み合わせ可能な公知形状に設定すれば組み合わせが容易になり好ましい。
【0007】
次に、図2および図3に示すユニット部材1は、基盤部2に筒状突出部3を突設した構成からなっているが、上記基盤部2に透孔4が穿設された異なる実施例を示す。
このユニット部材1は、基盤部2が扁平なプレート状からなっており、その外周に沿って平面形状が正方形の枠状に立ち上がる縁部21と、基盤部2の内部を縦横に交差して複数に仕切る縦横のリブ22、23とを有しており、該リブ22、23で囲まれた中央区画部分24および外周区画部分25と、これら中央区画部分24および外周区画部分25に形成される透孔4とからなっている。
【0008】
この透孔4の大きさは用途により適宜大きさを設定することができ、ユニット部材1に収納ないし充填する物質がある場合にはこれらが抜け落ちない大きさに設定されることが望ましい。
次に前記縦横のリブ22、23は、中央区画部分24において筒状突出部3につながるが、その中途位置で倒立梯形状に窪む凹部25が形成されている。
また、筒部3の構成は前記実施例と同様であるので説明を省略する。
【0009】
次に、ユニット部材1は筒状突出部3に充填物を充填してもよい。
即ち、基盤2上で開口3aしている筒状突出部3は内部中空に充填材を収納することができる。
例えば、筒状突出部3に発泡スチロールや発泡スチレンなどの浮力があり比重の軽い物質を充填したり筒状突出部3の開口3aを蓋材で閉じて密閉することによりユニット部材1の浮力を高めることができる。
【0010】
あるいは、筒状突出部3にセメントその他の強度の高い物質を充填して耐荷重を高め、あるいは比重を重くして水没可能とする等、任意の物質を用途に応じて一体に充填することができる。
充填する物質は、筒状突出部3内部に充填することにより一体に接着または固着する充填物が好ましいが、一体とならない物質の場合には筒状突出部の下部開口を塞ぐ底蓋を設け底面部に連結すればよく、この発明において充填物の種類は限定されない。 このようにしてユニット部材1を水中に沈めたり、浮かせたりすることができる。
【0011】
また、筒状突出部3には、ユニット部材1の上面を覆う蓋体30を設けてもよい。
この蓋体30は、図3で点線で示すように筒状突出部3の上端を嵌め込む孔32と、通気、通水用の孔33を有する略正方形のカバーで、上記孔32が筒状突出部3に嵌着して拘束されるが、脚部34を設けて高さ方向の強度を高めてもよい。
これにより、ユニット部材1内に土を入れて芝生や植物を生育する場合に上記蓋体30が踏圧面となって植物を保護することができると共に雨水などを浸入させることができる。
【0012】
次に、図6に示すユニット部材1は、筒状突出部3が二重の筒部からなっている異なる実施例を示す。
この場合、基盤2上には小径の中央筒部3’と、同心大径に設定された外側筒部3”とが形成されている。
この場合は上下方向に対する強度、耐性がより一層強くなる。
その他の構成は前記実施例と同様であるので説明を省略する。
【0013】
次に、このユニット部材1は上下方向または横(縦横)方向に連結することができる。
この連結に用いる連結手段について図5および図7を参照して説明する。
本実施例では連結板はユニット部材1とは別体からなっている。
ここでユニット部材1にはその基盤部2の四隅に連結孔13が穿設されている。
そして、連結板10は、縦横に隣接するユニット部材1において4つのユニット部材1の基盤部2の連結孔13が集合して4つの連結孔13が集まった箇所に取り付けられる。
そして連結板10には、ベース上に上記連結孔13に嵌合係止する係止軸部11が上下一対に且つ4カ所に対応して上下に各4つ合計8つ突設されている(図5、図7参照)。
【0014】
ここで、ユニット部材1を同一面状で縦横に連結する場合には上下に連結することはないので、係止軸部11を一方だけに4つ突出させたものを用いればよい。
この連結板10を用いてユニット部材1を上下に重ねる場合には、基盤3、3相互が重なるように上下を逆にして配置し、上下の基盤の四隅で整合するそれぞれの連結孔13に上記係止軸部11を係止すればよい。
上記実施例では、係止軸部を設けたが、ボルト締め等の固定手段を設けて隣接するユニット部材1を一体に固定してもよい。
【0015】
次に、連結筒10’は、ユニット部材1を上下に交互に倒立させて連結する場合に、上下の筒状突出部3を連結するのに用いることができる。
この連結筒10’は、中央に向かって放射状に複数のリブ11’を突設し、該リブ11’の内端で形成される孔が、高さ方向の中央で最も小径となり上下両端に向かって漸次大径に拡開する構造からなっており、上下対称に配置される一対の筒部3に先端が衝合して両者を係止することができるようになっている。
【0016】
上記各実施例では、筒部相互、あるいは基盤相互を別体の連結板または連結筒を用いて連結する構成を例示したが、この発明では、筒部、あるいは基盤にそれぞれ連結手段を一体に設けていてもよい。
例えば基盤の一方の隣接する二辺には連結突20部を設け、他の隣接する二辺には連結受部20’を設けユニット部材1を90度角度を代えて順次連結することができるなどの公知構成を用いることができる(図9参照)。
その他、ユニット部材1の連結構成は前記実施例に限定されず、種々の公知の構成を用いることができる。
【0017】
次にユニット部材1の使用例を次に説明する。
このユニット部材1は、上下および縦横に多数組み合わせて連結し、例えば特公平4−26648号に示したような地面を掘り下げたタンク部内に載置し、最上部に被覆手段を施すことにより、雨水等の貯留浸透施設に用いる。
そして、筒状突出部3にコンクリートを充填する等によりユニット部材1の強度を高めておけば、耐荷重性が向上するので、その上をグランドとして使用するばかりでなく、建造物を建設することもできる。
また、通水性を有する袋等に上下および縦横に連結したユニット部材1を収納して地下に埋設し、雨水の入り口を上部に設けておけば、小型の貯水槽として利用することができる。
【0018】
更に、本実施例では、ユニット部材の筒部を積み重ね可能なようにテーパ面とした場合を例示したが、先端に向かって大径になる逆テーパ状あるいは段違いに拡開する形状、あるいは同一断面形状等、適宜形状であってもよい。
また、ユニット部材の使用に際しては正逆いずれの向きに用いてもよい。
例えば、接地面が、コンクリートや砕石の上である場合には突起部を上下逆にし基盤が上にくるように配置して利用に供してもよい(図8参照)。
上記実施例では、筒状突出部を截頭円錐状としてスタッキング可能とした場合を例示したが、柱状であってもよい。例えば断面十字状の柱体や、柱体に突軸を突設したもの等その断面形状は特に限定されるものではない。
その他、要するにこの発明の要旨を変更しない範囲で種々変更しうること勿論である。
【0019】
【発明の効果】
この発明は、筒状突出部を有するので、強度が高まると共に、通水性を有するので、土中に埋設して使用することができる。
更に筒状突出部が中空に形成されているので、充填物を充填して浮力を高めたり比重を重くしたり剛性や強度を一層高めることができ、極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ユニット部材の実施例の側面図。
【図2】 異なる実施例の平面図。
【図3】 蓋体を設けた実施例の側面図。
【図4】 突起部を無垢とした異なる実施例の側面図。
【図5】 連結板を用いて連結状態を示す平面図。
【図6】 二重に突起体を設けた場合の断面図。
【図7】 上下および左右に重ねた場合の側面図。
【図8】 ユニット部材をコンクリート等の床面に設置する場合の側面図。
【図9】 異なる使用例の側面図。
【符号の説明】
1・・・ユニット部材
2・・・基盤部
3・・・筒状突出部
4・・・透孔

Claims (1)

  1. 地面を掘り下げたタンク内に、透孔を有する基盤部上に該基盤部の一側方に突出し他側方で開口する中空で筒状の突出部を設けたユニット部材を、連結手段により上下および縦横に多数組み合わせて連結し、最上部に被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設において、
    前記基盤部がプレート状の扁平面を有しており、該扁平面上に前記突出部を1または隙間をあけて複数設けてなり、
    前記突出部が、先端に向かって漸次小径となる截頭円錐状に形成されて天壁が塞がった中空体からなっており、ユニット部材を縦方向に連結する際に、ユニット部材を上下に交互に倒立させて、各突出部が垂直な同一線上に並ぶように連結してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設。
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