JP2001123431A - 溢水防止機能を具えた水路 - Google Patents

溢水防止機能を具えた水路

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JP2001123431A
JP2001123431A JP30850799A JP30850799A JP2001123431A JP 2001123431 A JP2001123431 A JP 2001123431A JP 30850799 A JP30850799 A JP 30850799A JP 30850799 A JP30850799 A JP 30850799A JP 2001123431 A JP2001123431 A JP 2001123431A
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Shinichiro Hayashi
慎一郎 林
Kazushiro Hayashi
和志郎 林
Kozaburo Hayashi
宏三郎 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溜水用、灌漑用、排水路用等、各種の水路に
おいて、水位の異常上昇に基づく溢水を阻止するための
溢水防止機能を具えた新規の水路の提供を図ったもので
ある。 【解決手段】 水路部Lの側方に、一時貯水部Mを臨接
させた状態で構築すると共に、当該一時貯水部Mの高さ
を、オーバーフロー的作用を奏させるために水路部Lの
上縁位置を越える高さとし、更に、当該一時貯水部M
は、その底面及び側面から貯水に対する地下浸透を図る
ように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溜水用、灌漑用、排水
路用等、各種の水路において、水位の異常上昇に基づく
溢水を阻止するための、溢水防止機能を具えた水路に関
する。
【0002】
【従来の技術】台風襲来等により豪雨が発生した場合、
水路には降雨水が集中して、溢水または堤防決壊等の事
態を招いてしまう。
【0003】従来、このような事態に対する対応、すな
わち、水路の氾濫を阻止するための手段としては、堤防
を高くする、川底を深くする、分岐用水路を構築する、
等の手段が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した手段である
と、局地的には、水位上昇に基づく氾濫は回避されて
も、増水した水量の問題は、そのまま下流に及ぶもので
あり、下流での氾濫事故を招きがちである。
【0005】本発明は、降雨水の流れ込みに基づき異常
上昇した水位を、当該流れ込んだ場所での解消、すなわ
ち、降水現場で直ちに水位安定が図られるようにし、こ
れに依り上記した従来の問題を解決すると同時に、余剰
水の地下浸透が図られるようにした新規の水路の提供を
図ったものである。
【0006】そして、本発明は新規に構築する河川は勿
論、既存の河川に対する実施をも可能とするように構成
したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、既存のまたは
新たに構築した水路部Lの両側または何れか一方の側
に、一時貯水部Mを臨接させた状態で構築すると共に、
当該一時貯水部Mの高さを、オーバーフロー的作用を奏
させるために水路部Lの上縁位置を越える高さとし、更
に、当該一時貯水部Mは、その底面及び側面から貯水に
対する地下浸透が図られるように構成した溢水防止機能
を具えた水路に係る。
【0008】そして、一時貯水部Mには貯水用構造体U
を収装すると共に、当該構造体Uは、基盤部1の盤面に
筒体部2を突設して成るスペーサーユニットAを、前後
左右及び上下方向に連結することによって組み立てら
れ、更に、垂直補強用柱部Vと、水平補強用梁部Wとを
縦横に配設するように構成する。
【0009】本発明は上記のような構成に基づき、水路
部Lが溢水した場合、当該溢水は一時貯水部Mに導か
れ、水路外に流出させることなく、その局地的対応が果
たされる。
【0010】本発明は、上記のような構成の採用に基づ
き、既述した従来の問題を解消するものである。
【0011】
【作用】水路部Lの水位が上昇し、当該水路部Lの上縁
を越した際、その溢水はオーバーフローに基づき、一時
貯水部M内に流れ込む。 これに依り、当該溢水が水路
外に流れ出して洪水を生じさせることが防止される。
【0012】一時貯水部Mの貯水は、その底面及び側面
からの地下浸透が図られ、自然の排水作用が奏される。
【0013】
【実施例】図1及び図2は、本発明に係る溢水防止機能
を具えた水路の実施例を表した説明用図面である。
【0014】同図において、Lは水路部、M,Mは当該
水路部Aの両側に構築した一時貯水部であって、本発明
は、水路部Lを流れる水位が、その上縁の高さHを越し
た際、溢水分だけを当該貯水部M,Mに対し、図1に矢
印で示すように、オーバーフロー的に逃がすように構成
したものである。
【0015】従って、一時貯水部M,Mの高さは、当該
オーバーフロー的作用を奏させるために、水路部Lの上
縁位置を越える高さとするように構成してある。 そし
て、当該貯水部M,Mの上縁寄り部分は、水路部Lに対
してその溢水を導入可能とするように連通させてある。
【0016】上記した貯水部M,Mであるか、これは図
面に示すように、水路部Lの両側に形成することを原則
とするが、水路部Lの何れか一方に形成するように構成
しても良い。
【0017】更に、当該水路部Lは、既存の水路、また
は新たに構築した水路の何れであっても良い。 すなわ
ち、貯水部M,Mは水路Lとは独立した形態を呈するも
のであるから、既存の水路であっても、その両側部、或
いは一方に付加的に構築可能とされる。
【0018】上記した一時貯水部M,Mであるが、後述
するような構成を具えた貯水用構造体Uを、水路部Lの
両側部に隣接させた状態で地中に構築してある。 そし
て、当該貯水用構造体Uの少なくとも底面及び側面は、
掘削地表面に対して接触させることに依り(地中に埋設
して設置することに依り)、貯水に対する地下浸透が促
されるように構成してある。
【0019】Gはシート材であって、下記する溢水導入
用開口部g,g部分を除いて、一時貯水部M,M全体を
囲繞するように覆ってある。 すなわち、当該シート材
Gは、上記した水路Lの上縁に接する部分は、溢水導入
用開口部g,gを形成するためにその囲繞を省略するよ
うに構成してある。
【0020】また、当該シート材Gは、透水シートまた
は遮水シートを用いるように構成してある。 すなわ
ち、当該シート材Gとして透水シートを用いた場合は、
上記したように貯水に対する地下浸透が図られる。
【0021】然し乍、地下水を多く含有する湿った土地
では、当該透水シートを透して地下水が逆流してしまう
恐れがある。 従って、この場合は、シート材Gとして
遮水シートを用いることに依り、当該逆流を防止する。
なお、上記透水シートを用いる場所にあっては、これを
省略して直接貯水の地下浸透を図るようにしても良い。
【0022】ところで、上記した貯水用構造体Uである
が、これは図2に示すように、所定の長さ毎に遮水材r
を介して、互いの連通を規制するように区画してある。
これは、貯水用構造体Uが連通する一連のものであっ
た場合に生ずる、低位部分の貯水用構造体Rに貯水が集
中化するのを阻止し、各区画部分に均一的貯水目的が果
たされるようにするためである。
【0023】上記した遮水材rであるが、これには、流
水の完全遮断に基づく水流停滞を回避して、逃げ的流水
が図られるようにするための所要の手段が採られてい
る。すなわち、遮水材rの下縁寄り部分に小さな連通用
孔(図示して無い)を設ける等為して、各遮断部内相互
の最小限の連通が図られるように構成してある。 そし
て、当該連通のための手段はこれ以外のものであっても
良い。
【0024】図1において、Tは一時貯水部M,Mの上
方部分に内設した配管部であって、ガス、水道、電気、
電話等の配管または配線を施すためのものである。
【0025】ところで、既述した貯水用構造体Uである
が、これは、図3及び図4に示すような構成を具えたも
のである。 以下、当該構造体Uの構成を図面について
詳細に説明する。
【0026】すなわち、貯水用構造体Uは、図6に示す
ような、矩形状を呈する基盤部1と、当該基盤部1の盤
面に一体的に突設した筒体部2とから成るスペーサーユ
ニットAを、図3及び図4に示すように、縦横に連結し
て構成したものである。
【0027】そして、当該スペーサーユニットA群は、
後述するようにして形成される垂直補強用柱部Vと水平
補強用梁部Wとを、縦横に(井桁状に)に配設すること
に依って、その全体に強い耐性が付与された補強が施さ
れるように構成してある。
【0028】なお、上記垂直補強用柱部Vと水平補強用
梁部Wの骨格である流し込みコンクリート部分の形態
は、図5に示す通りである。 そして、当該骨格を形成
するための構成は下記の通りである。
【0029】図7において、Bは柱形成用ユニット、C
は当該柱形成用ユニットBの上端に連結される分岐路形
成用ユニット、Dは当該分岐路形成用ユニットCの分岐
路に連結する梁部形成用ユニットである。 そして、当
該各ユニットB、C、Dは下記のように構成されてい
る。
【0030】上記した柱形成用ユニットBであるが、図
8に示すように、柱部構成用矩形枠部と、その端部に連
なる水平フランジ部とで構成される枠状体を、縦方向に
コーナー状に四分割された形態を具えている。 すなわ
ち、当該柱形成用ユニットBは、分割柱部3とこれに連
なる分割フランジ部4とを具えたものである。 Qは連
結片であって、柱形成用型ユニットBをブロック単体A
に対して連結して安定させるためのものである。
【0031】そして、当該柱形成用ユニットBは、四つ
の当該ユニットBを、互いの分割柱部3の端縁を合致さ
せたものを一単位とするように構成してある。 なお、
合致状態にあるフランジ部の外形の大きさは、前述した
スペーサーユニットAにおける基盤部1と等大となるよ
うに構成してある。 更に、当該ユニットBの高さは、
スペーサーユニットAの高さと等しくなるように構成し
てある。
【0032】前記した分岐路形成用ユニットCである
が、図9に示すように、四隅に立ち上がらせるための柱
部と、その下縁に連設する分岐路用底板部とで構成され
る枠状体を、縦方向にコーナー状に四分割した形態を具
えたものである。 すなわち、当該分岐路形成用ユニッ
トCは、柱単体部5とこれの下縁に連設する分岐用分割
底板部6とを具えたものである。
【0033】そして、当該分岐路形成用ユニットCは、
これを四つ、互いの分岐用分割底板部6の端縁を合致さ
せたものを一単位とするように構成してある。 なお、
当該合致状態にある分岐路形成用ユニットCは、前記柱
形成用ユニットBのフランジ部上にぴったりと載設され
る大きさ、すなわち、両者の平面積が等大となるように
構成してある。
【0034】前記した梁部形成用ユニットDであるが、
図10に示すように、上記柱単体部5の上端面と面一に
合致する外向き上縁板部7と、当該柱単体部5と等しい
高さを具えた垂直板部8と、対向する当該柱単体部5の
幅の半分の幅を具えた底板部9とから成るものである。
【0035】そして、当該梁部形成用ユニットDは、こ
れを二つ、互いの底板部9の長さ方向の端縁を合致させ
たものを一単位とするように構成してある。なお、当該
梁部形成用ユニットDは、合致状態において、その上縁
板部7を含めた平面形状が、前述したスペーサーユニッ
トAにおける基盤部1と等大となるように構成してあ
る。
【0036】前記した図7は、上記した柱形成用ユニッ
トB、分岐路形成用ユニットC、梁部形成用ユニットD
の連結状態を表したものである。 そして、同図に示す
ものを一セットとし、これを所要数連結することに依っ
て、所要形態、例えば格子状の梁が形成される。
【0037】更に、所要単位数の柱形成用ユニットBを
縦方向に連結することに依り、目的高さの柱が形成さ
れ、また、所要単位数の梁部形成用ユニットDを長手方
向に連結することに依り、目的長さの梁が形成される。
【0038】なお、上記した柱部及び梁部の内部空間に
は、図11に示すように充填材Eを充填する。 当該充
填材Eとしては、コンクリートのような強度の高い物質
を充填することが好ましい。 然し乍、構築場所に即応
した適宜の充填材、例えば軽量性を加味した充填材等を
使用しても良い。
【0039】なお、上記梁部の内部空間に対しては、H
型鋼、木材等剛性の材料を充填しても良い。これは柱部
の空間のように流し込み充填に依存することなく、上方
からはめ込むようにしての充填が可能だからである。
【0040】ユニット部材相互の組立てに際しては、初
めに、二枚のスペーサーユニットAをその互いの筒体部
2を対向させた状態で上下に連結したものを一単位と
し、これを所要単位数、前後、左右及び上下方向に連結
することによって貯水空間形成用構築体Uを形成する。
形成された貯水空間形成用構築体Uは、筒体部2をス
ペーサーとして所定の空間が形成された貯水空間形成用
構築体として機能する。
【0041】この時、上記したように形成された貯水空
間形成用構築体Uにおいて、補強を要する部分には、補
強用の柱部Vと梁部Wとを縦横に張り巡らすように、予
め設定しておく。
【0042】すなわち、柱形成用ユニットB、分岐路形
成用ユニットC、梁部形成用ユニットDを、図10に示
すように組立て、これを上記した貯水空間形成用構築体
U内に配置する。
【0043】なお、当該各ユニットB,C,Dの平面寸
法及び高さ寸法を、スペーサーユニットAの平面寸法と
高さ寸法に合致させるような寸法的設定を施すことに依
り、当該各ユニットB,C,Dの組み込みは、これの該
当する部分に組み込むスペーサーユニットAに代えて、
当該各ユニットB,C,Dの填め込み的組み込みを行え
ば良い。
【0044】この状態で目的に応じた充填材Eを、上記
各ユニットB,C,Dで構成される空洞部に流し込め
ば、貯水空間形成用構築体Uに対する補強が果たされ
る。
【0045】なお、図1に示すように、流水空隙形成用
構造体Mと貯水用構造体Nは、多段的に構築されたもの
である。 従って、下端から最初の水平補強用梁部Wに
至るまでの部分を一段とし、最下位段を形成した後に、
その上部に二段目を形成すると言うように、所要段数に
達するまで、一段づつ下方から順次形成するような工法
を採るものである。
【0046】図1に示す状態において、豪雨等に伴い水
路部Lの水位が上昇し、当該水路部Lの上縁を越した場
合、オーバーフローに基づき、一時貯水部M,M内に流
れ込む。 これに依り、当該溢水が水路外に流れ出すこ
とが防止される。
【0047】そして、一時貯水部M,M内に導かれた水
は、その底面及び側面からの地下浸透が図られ、自然の
排水作用が奏される。
【0048】
【発明の効果】本発明は請求項1に記載のような構成、
すなわち、既存のまたは新たに構築した水路部Lの両側
または何れか一方の側に、一時貯水部Mを臨接させた状
態で構築すると共に、当該一時貯水部Mの高さを、オー
バーフロー的作用を奏させるために水路部Lの上縁位置
を越える高さとし、更に、当該一時貯水部Mは、その底
面及び側面から貯水に対する地下浸透が図られるように
構成したことに依り、合理的なる水量管理が自動的に果
たされる。
【0049】すなわち、豪雨に基づき大量の雨水が水路
部Lに流れ込んだとしても、これに基づく溢水量は、オ
ーバーフロー的作用で一時貯水部Mに流れ込み、これを
貯えることとなる。 従って、水路から溢れた水が野外
に流れ出して洪水を起こす心配を解消する。
【0050】更に、水路部Lは、遮水シートを用いて側
面及び底面を遮蔽面としてあるから、、当該水路部Lを
所定長さ毎に区分しておくことに依り、万一遮水シート
が破れて水漏れが生じた場合、該当区分の水位が降下す
ることに依り、当該水漏れ箇所の確認が直ちに行われ
る。
【0051】本発明は請求項2に記載のような構成、す
なわち、一時貯水部Mの地表に触れる部分を、透水シー
ト製または遮水シート製のシート材Gで覆うように構成
したことに依り、当該シート材Gが透水シート製の場
合、安定した貯水の地下浸透が安定して行われ、また、
当該シート材Gが遮水シート製のは場合は、地下水の逆
流と言うような問題を解消し、貯水の合理的地下浸透処
理が図られる。
【0052】本発明は請求項3に記載のような構成、す
なわち、一時貯水部Mに貯水用構造体Uを収装すると共
に、当該構造体Uは、基盤部1の盤面に筒体部2を突設
して成るスペーサーユニットAを、前後左右及び上下方
向に連結することによって組み立てられ、更に、垂直補
強用柱部Vと、水平補強用梁部Wとを縦横に配設するよ
うに構成することに依り、一時貯水部Mは安定した形態
を保ち、流水に基づく水路側面の削れ、崩壊等が生じる
ことがない。
【0053】本発明は請求項4に記載のような構成、す
なわち、枠状構造物U内に配設する垂直補強用柱部Vと
水平補強用梁部Wの形成を、互いに連通されかつ縦横に
組み込んだ空洞部形成用ユニット内に対する充填物充填
に基づき形成するように構成することに依り、作業の重
労働性が解消される。すなわち、剛性の補強材を用いた
場合、その重量に基づき、力仕事的作業を余儀なくされ
るが、本発明にあっては充填物の流し込み充填に依存す
ることが出来るから、作業負担の軽減化が図られる。
【0054】本発明は請求項5に記載のような構成、す
なわち、垂直補強用柱部Vと水平補強用梁部Wを縦横に
形成するための空洞部形成用ユニットとして、柱部構成
用矩形枠部と、その端部に連なる水平フランジ部とで構
成される枠状体を、所要数に分割形成して成る柱形成用
ユニットBと、四隅に立ち上がらせた柱部3と、その下
縁に連設する分岐路用底板部とで構成される枠状体を、
所要数に分割形成して成り、かつ、上記柱形成用ユニッ
トB上に連結するための分岐路形成用ユニットCと、外
向き上縁板部7と垂直板部8と底板部9とで構成される
枠状体を、所要数に分割形成して成り、かつ、上記分岐
路形成用ユニットCの分岐口に連結するための梁部形成
用ユニットD、とで構成することに依り、各ユニットの
分割に基づくコンパクト性から、保管作業、輸送作業の
容易化、並びに軽量性から、構築作業の簡便化が図られ
る。
【0055】本発明は請求項6に記載のような構成、す
なわち、柱形成用ユニットBと、分岐路形成用ユニット
Cと、梁部形成用ユニットDとの平面寸法と高さ寸法と
を、スペーサーユニットAの平面寸法と高さ寸法に合致
させるように構成することに依り、当該各ユニットB,
C,Dの組み込みは、これの該当する部分のスペーサー
ユニットAに代えて行うと言う、当該各ユニットB,
C,Dの填め代え的組み込みが果たされる。 従って、
作業の迅速化及び簡便化が図られる。
【0056】本発明は請求項7に記載のような構成、す
なわち、水路部Lを、所定の長さ毎に遮水材rを介して
各独立するように区画すると共に、当該遮水材rには、
流水の完全遮断に基づく水流停滞を回避して、逃げ的流
水が図られるようにするための、所要の手段を設けるよ
うに構成したことに依り、流水及び貯水が、低位部分の
水路部L及び一時貯水部M,Mに対し、貯水が、水位差
から集中的に流れ込んでしまう、と言うような問題を解
消し、各区画部分に均一的流水及び貯水目的が果たされ
る。
【0057】本発明は請求項8に記載のような構成、す
なわち、一時貯水部Mの上方部分にガス、水道、電気、
電話等の配管または配線を施すための配管部Tを設ける
ことに依り、配管配線のスペース的確保が、隠蔽された
状態で果たされる。 従って、これら配管等が外部に存
在することに依る、外観的見苦しさ性が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体を表した説明用縦断面図である。
【図2】図1におけるY−Y部分を表した説明用平面図
である。
【図3】本発明の要部たる貯水用構造体Uの拡大縦断面
図である。
【図4】図3におけるX−X線断面図である。
【図5】垂直補強用柱部Vと水平補強用梁部Wの骨格で
ある流し込みコンクリート部分の形態を表した説明用斜
視図である。
【図6】スペーサーユニットAの斜視図である。
【図7】柱形成用ユニットBと、分岐路形成用ユニット
Cと、梁部形成用ユニットDとを組立て連結した状態を
表した参考用斜面図である。
【図8】柱形成用ユニットBを表した参考用斜面図であ
る。
【図9】分岐路形成用ユニットCを表した参考用斜面図
である。
【図10】梁部形成用ユニットDを表した参考用斜面図
である。
【図11】貯水用構造体Uにおける各ユニットを組み立
てた状態を表した参考用縦断面図である。
【図12】貯水用構造体Uにおける各ユニットを組み立
てた状態を表した参考用平面図である。
【符号の説明】
L 水路部 M 一時貯水部 N 遮水シート r 遮水材 G シート材 g 溢水導入用開口部 T 配管部 U 貯水用構造体 V 補強用柱部 W 水平補強用梁部 A スペーサーユニット 1 基盤部 2 筒体部 B 柱形成用ユニット 3 分割柱部 4 分割フランジ部 C 岐路形成用ユニット 5 柱単体部 6 分岐用分割底板部 D 梁部形成用ユニット 7 外向き上縁板部 8 垂直板部 9 底板部 E 充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 宏三郎 茨城県日立市金沢町1丁目10番15号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既存のまたは新たに構築した水路部(L)
    の両側または何れか一方の側に、一時貯水部(M)を臨
    接させた状態で構築すると共に、当該一時貯水部(M)
    の高さを、オーバーフロー的作用を奏させるために水路
    部(L)の上縁位置を越える高さとし、更に、当該一時
    貯水部(M)は、その底面及び側面から貯水に対する地
    下浸透が図られるように構成した溢水防止機能を具えた
    水路。
  2. 【請求項2】一時貯水部(M)の地表に触れる部分を、
    透水シート製または遮水シート製のシート材(G)で覆
    うように構成した請求項1乃至請求項3の何れかに記載
    の溢水防止機能を具えた水路。
  3. 【請求項3】一時貯水部(M)には貯水用構造体(U)
    を収装すると共に、当該構造体(U)は、基盤部(1)
    の盤面に筒体部(2)を突設して成るスペーサーユニッ
    ト(A)を、前後左右及び上下方向に連結することによ
    って組み立てられ、更に、垂直補強用柱部(V)と、水
    平補強用梁部(W)とを縦横に配設するように構成した
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載
    の溢水防止機能を具えた水路。
  4. 【請求項4】貯水用構造体(U)内に配設する垂直補強
    用柱部(V)と水平補強用梁部(W)の形成を、互いに
    連通されかつ縦横に組み込んだ空洞部形成用ユニット内
    に対する充填物充填に基づき形成するように構成した請
    求項5に記載の溢水防止機能を具えた水路。
  5. 【請求項5】垂直補強用柱部(V)と水平補強用梁部
    (W)を縦横に形成するための空洞部形成用ユニットと
    して、 柱部構成用矩形枠部と、その端部に連なる水平フランジ
    部とで構成される枠状体を、所要数に分割形成して成る
    柱形成用ユニット(B)と、 四隅に立ち上がらせた柱部(3)と、その下縁に連設す
    る分岐路用底板部とで構成される枠状体を、所要数に分
    割形成して成り、かつ、上記柱形成用ユニット(B)上
    に連結するための分岐路形成用ユニット(C)と、 外向き上縁板部(7)と垂直板部(8)と底板部(9)
    とで構成される枠状体を、所要数に分割形成して成り、
    かつ、上記分岐路形成用ユニット(C)の分岐口に連結
    するための梁部形成用ユニット(D)、とで構成した請
    求項5または請求項6に記載の溢水防止機能を具えた水
    路。
  6. 【請求項6】 柱形成用ユニット(B)と、分岐路形成
    用ユニット(C)と、梁部形成用ユニット(D)との平
    面寸法と高さ寸法とを、スペーサーユニット(A)の平
    面寸法と高さ寸法に合致させるように構成した請求項5
    乃至請求項7の何れかに記載の路面部に対する雨水の地
    下浸透構造。
  7. 【請求項7】水路部(L)を、所定の長さ毎に遮水材
    (r)を介して各独立するように区画すると共に、当該
    遮水材(r)には、流水の完全遮断に基づく水流停滞を
    回避して、逃げ的流水が図られるようにするための、所
    要の手段を設けるように構成した請求項1乃至請求項6
    の何れかに記載の溢水防止機能を具えた水路。
  8. 【請求項8】一時貯水部(M)の上方部分にガス、水
    道、電気、電話等の配管または配線を施すための配管部
    (T)を設けて成る請求項1乃至請求項7の何れかに記
    載の溢水防止機能を具えた水路。
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