JP2900842B2 - 通水性を備えた土留壁構造 - Google Patents
通水性を備えた土留壁構造Info
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- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、通水性を備えた土留
壁の構造に関するものである。
壁の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、地下構造物、例えば、地
下鉄や車両専用道路用などの地下トンネルを開削工法で
構築する際には、地山の崩壊を防止して、内部の掘削を
可能にするために止水性を備えた土留壁が構築される。
この種の土留壁を構築する工法は、連続地中壁工法を始
めとして、各種各様の方法が提供されているが、連続地
中壁工法や柱列壁工法などで構築される土留壁は、地下
構造物の本体部を構築した後にも地中に残置される場合
がある。
下鉄や車両専用道路用などの地下トンネルを開削工法で
構築する際には、地山の崩壊を防止して、内部の掘削を
可能にするために止水性を備えた土留壁が構築される。
この種の土留壁を構築する工法は、連続地中壁工法を始
めとして、各種各様の方法が提供されているが、連続地
中壁工法や柱列壁工法などで構築される土留壁は、地下
構造物の本体部を構築した後にも地中に残置される場合
がある。
【0003】ところで、止水性を備えた土留壁を地中に
残置しておくと、地下水流を遮断することになり、土留
壁の下流側の水脈が途絶えるため、井戸が枯れたり、あ
るいは、地盤が沈下するといった不都合が発生する。そ
こで、例えば、特開平6−49839号公報には、地下
構造物の本体部を施工する際には、止水性が確保される
とともに、本体部の完成時に通水性が確保できる土留壁
の構築工法が開示されている。
残置しておくと、地下水流を遮断することになり、土留
壁の下流側の水脈が途絶えるため、井戸が枯れたり、あ
るいは、地盤が沈下するといった不都合が発生する。そ
こで、例えば、特開平6−49839号公報には、地下
構造物の本体部を施工する際には、止水性が確保される
とともに、本体部の完成時に通水性が確保できる土留壁
の構築工法が開示されている。
【0004】この公報に開示されている工法では、連続
地中壁工法で土留壁が構築されるが、この土留壁を構築
する際に、掘削孔内に、中空円形ないしは角形などの有
孔管や、地山側開口部に鋼製メッシュを配置した特殊通
水枠を鉛直方向に設置しておき、この通水枠内に不透水
性で伸縮性のある筒状体を挿入して、筒状体内の水圧を
周囲の水圧よりも高くした状態で、コンクリートを打設
し、コンクリートが硬化した後に、前記筒状体を特殊通
水枠内から撤去して、有孔管や地山側開口部に配置され
た鋼製メッシュにより土留壁に通水性を与える。
地中壁工法で土留壁が構築されるが、この土留壁を構築
する際に、掘削孔内に、中空円形ないしは角形などの有
孔管や、地山側開口部に鋼製メッシュを配置した特殊通
水枠を鉛直方向に設置しておき、この通水枠内に不透水
性で伸縮性のある筒状体を挿入して、筒状体内の水圧を
周囲の水圧よりも高くした状態で、コンクリートを打設
し、コンクリートが硬化した後に、前記筒状体を特殊通
水枠内から撤去して、有孔管や地山側開口部に配置され
た鋼製メッシュにより土留壁に通水性を与える。
【0005】特殊通水枠は、土留壁の厚み方向を貫通さ
せる大きさ、ないしは、土留壁の厚み方向の一部を置換
する大きさになっていて、内部には、砕石が充填され
る。しかしながら、このような従来の土留壁の構造に
は、以下に説明する技術的な課題があった。
せる大きさ、ないしは、土留壁の厚み方向の一部を置換
する大きさになっていて、内部には、砕石が充填され
る。しかしながら、このような従来の土留壁の構造に
は、以下に説明する技術的な課題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、上記公報に
開示されている土留壁の構造では、土留壁に通水性を付
与するために、土留壁の厚み方向の全部ないしは一部が
特殊枠体で置換されているので、この部分が構造上の弱
点となる恐れがあった。また、上記公報の土留壁の構築
工法では、泥水が充満された掘削構内に有孔管などを建
て込むため、有孔管の貫通孔内に泥水膜が付着して、目
詰まりを起こす恐れがあるとともに、コンクリートを打
設する際には、その内部に筒状体を挿入して、コンクリ
ートの回り込みを防いでいるが、この筒状体が有孔管な
どの通水枠体の内部側に挿入されるので、有孔管の貫通
孔内には、セメントなどが侵入して、目詰まりを起こす
恐れもあって、土留壁の通水性が著しく低下するという
問題があった。
開示されている土留壁の構造では、土留壁に通水性を付
与するために、土留壁の厚み方向の全部ないしは一部が
特殊枠体で置換されているので、この部分が構造上の弱
点となる恐れがあった。また、上記公報の土留壁の構築
工法では、泥水が充満された掘削構内に有孔管などを建
て込むため、有孔管の貫通孔内に泥水膜が付着して、目
詰まりを起こす恐れがあるとともに、コンクリートを打
設する際には、その内部に筒状体を挿入して、コンクリ
ートの回り込みを防いでいるが、この筒状体が有孔管な
どの通水枠体の内部側に挿入されるので、有孔管の貫通
孔内には、セメントなどが侵入して、目詰まりを起こす
恐れもあって、土留壁の通水性が著しく低下するという
問題があった。
【0007】さらに、上記公報に開示されている構築工
法は、土留壁を構築する際に、土留壁に通水性を付与す
る方法なので、既に構築されている土留壁に通水性を与
えることができないという問題もあった。本発明は、こ
のような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、
第一の目的は、土留壁の性能に殆ど影響を与えることな
く、地下水流の通過が可能になる通水性を備えた土留壁
構造を提供することにある。また、第二の目的として、
土留壁の構築工事の影響により目詰まりを発生すること
がなく、しかも、既設の土留壁に対しても通水性を付与
することができる土留壁構造を提供することにある。
法は、土留壁を構築する際に、土留壁に通水性を付与す
る方法なので、既に構築されている土留壁に通水性を与
えることができないという問題もあった。本発明は、こ
のような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、
第一の目的は、土留壁の性能に殆ど影響を与えることな
く、地下水流の通過が可能になる通水性を備えた土留壁
構造を提供することにある。また、第二の目的として、
土留壁の構築工事の影響により目詰まりを発生すること
がなく、しかも、既設の土留壁に対しても通水性を付与
することができる土留壁構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、対向する一対の壁部が所定の間隔を隔て
て、地中の地下水流を遮断するように構築される土留壁
の構築後に設けられる垂直ドレーン通路と、連通路と、
移送手段とを有する通水性を備えた土留壁構造であっ
て、前記垂直ドレーン通路は、前記壁部の長手方向に沿
って所定の間隔を隔て、かつ、その外側面に沿って上下
方向に延長形成され、前記連通路は、前記壁部の一方の
外側面側に設けられた前記垂直ドレーン通路と他方の外
側面側に設けられた前記垂直ドレーン通路との間を、前
記壁部間に構築される地下構造物本体部の上方で連結す
るように形成され、地下水を前記地下水流の上流側から
下流側に移送する前記移送手段を前記連通路中に設けた
ことを特徴とする。前記連通路は、両端側に設けられ、
前記垂直ドレーン通路と連通する多孔管部が設けられた
一対の垂直部分と、この垂直部分間を連結する水平部分
とを有し、地表側に埋設される前記水平部分に前記移送
手段を配置することができる。
に、本発明は、対向する一対の壁部が所定の間隔を隔て
て、地中の地下水流を遮断するように構築される土留壁
の構築後に設けられる垂直ドレーン通路と、連通路と、
移送手段とを有する通水性を備えた土留壁構造であっ
て、前記垂直ドレーン通路は、前記壁部の長手方向に沿
って所定の間隔を隔て、かつ、その外側面に沿って上下
方向に延長形成され、前記連通路は、前記壁部の一方の
外側面側に設けられた前記垂直ドレーン通路と他方の外
側面側に設けられた前記垂直ドレーン通路との間を、前
記壁部間に構築される地下構造物本体部の上方で連結す
るように形成され、地下水を前記地下水流の上流側から
下流側に移送する前記移送手段を前記連通路中に設けた
ことを特徴とする。前記連通路は、両端側に設けられ、
前記垂直ドレーン通路と連通する多孔管部が設けられた
一対の垂直部分と、この垂直部分間を連結する水平部分
とを有し、地表側に埋設される前記水平部分に前記移送
手段を配置することができる。
【0009】
【作用】上記構成の土留壁によれば、壁部の長手方向に
沿って所定の間隔を隔て、かつ、その外側面に沿って上
下方向に延びる複数の垂直ドレーン通路と、壁部の一方
の外側面側に設けられた垂直ドレーン通路と他方の外側
面側に設けられた垂直ドレーン通路との間を、壁部間に
構築される本体部の上方で連結する連通路と、連通路中
に介設され、地下水を地下水流の上流側から下流側に移
送する移送手段とを有し、これらを土留壁の壁部の構築
後に設けるので、壁部を構築する際の工事により、これ
らの通路の通水性が損なわれることがなく、既存の土留
壁にも通水性を持たせることが可能になる。また、垂直
ドレーン通路は、壁部の外側に形成し、連通路は、地下
本体部の上方に設けるので、土留壁の壁部の強度などに
影響を与えない。請求項2の構成によれば、連通路は、
両端側に設けられ、垂直ドレーン通路と連通する多孔管
部が設けられた一対の垂直部分と、この垂直部分間を連
結する水平部分とを有し、地表側に埋設される水平部分
に移送手段を配置しているので、移送手段の点検整備が
容易に行なえる。
沿って所定の間隔を隔て、かつ、その外側面に沿って上
下方向に延びる複数の垂直ドレーン通路と、壁部の一方
の外側面側に設けられた垂直ドレーン通路と他方の外側
面側に設けられた垂直ドレーン通路との間を、壁部間に
構築される本体部の上方で連結する連通路と、連通路中
に介設され、地下水を地下水流の上流側から下流側に移
送する移送手段とを有し、これらを土留壁の壁部の構築
後に設けるので、壁部を構築する際の工事により、これ
らの通路の通水性が損なわれることがなく、既存の土留
壁にも通水性を持たせることが可能になる。また、垂直
ドレーン通路は、壁部の外側に形成し、連通路は、地下
本体部の上方に設けるので、土留壁の壁部の強度などに
影響を与えない。請求項2の構成によれば、連通路は、
両端側に設けられ、垂直ドレーン通路と連通する多孔管
部が設けられた一対の垂直部分と、この垂直部分間を連
結する水平部分とを有し、地表側に埋設される水平部分
に移送手段を配置しているので、移送手段の点検整備が
容易に行なえる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について、添付
図面に基づいて詳細に説明する。図1,2は、本発明に
かかる通水性を備えた土留壁構造の一実施例を示してい
る。同図に示す土留壁10は、対向する一対の壁部10
a,10bが所定の間隔を隔てて、地中の地下水流12
を遮断するように構築されている。壁部10a,10b
間には、地下構造物本体部14が構築されている。
図面に基づいて詳細に説明する。図1,2は、本発明に
かかる通水性を備えた土留壁構造の一実施例を示してい
る。同図に示す土留壁10は、対向する一対の壁部10
a,10bが所定の間隔を隔てて、地中の地下水流12
を遮断するように構築されている。壁部10a,10b
間には、地下構造物本体部14が構築されている。
【0011】この実施例の壁部10a,10bは、例え
ば、連続地中壁工法により構築された鉄筋コンクリート
製のものであって、止水性を有していて、地上から地盤
を掘削して構築され、各壁部10a,10bの下端は、
地盤中の不透水層に到達するように形成され、壁部10
a,10b間を掘削して根切りした後に、根切り面上に
地下構造物本体部14を構築した後にも地盤中に残置さ
れる。
ば、連続地中壁工法により構築された鉄筋コンクリート
製のものであって、止水性を有していて、地上から地盤
を掘削して構築され、各壁部10a,10bの下端は、
地盤中の不透水層に到達するように形成され、壁部10
a,10b間を掘削して根切りした後に、根切り面上に
地下構造物本体部14を構築した後にも地盤中に残置さ
れる。
【0012】この実施例に示している地下構造物本体部
14は、地下トンネルであって、土留壁10の構築後に
開削工法により構築され、底版14aと、側版14b
と、上版14cとを有しており、本体部14の構築後に
上版14cの上方が埋め戻され、土留壁10は、地盤中
に残置される。地下水流12は、同図においては、上下
方向に間隔をおいて二段に分かれていて、上,下地下水
流12a,12bは、図面の左から右に流れている。以
上のようにして、土留壁10を構築して、壁部10a,
10b間に本体部14を構築した後に、土留壁10に通
水性を与える垂直ドレーン通路16,連通路18,移送
手段(ポンプ)20が設けられる。
14は、地下トンネルであって、土留壁10の構築後に
開削工法により構築され、底版14aと、側版14b
と、上版14cとを有しており、本体部14の構築後に
上版14cの上方が埋め戻され、土留壁10は、地盤中
に残置される。地下水流12は、同図においては、上下
方向に間隔をおいて二段に分かれていて、上,下地下水
流12a,12bは、図面の左から右に流れている。以
上のようにして、土留壁10を構築して、壁部10a,
10b間に本体部14を構築した後に、土留壁10に通
水性を与える垂直ドレーン通路16,連通路18,移送
手段(ポンプ)20が設けられる。
【0013】垂直ドレーン通路16は、この実施例で
は、一対の壁部10a,10bの外側において、各壁部
10a,10bの外側面に沿うようにして、かつ、壁部
10a,10bの長手軸方向(図1の紙面と直交する方
向)に沿って所定の間隔を隔てて複数設けられる。な
お、垂直ドレーン通路16は、図1においては、各壁部
10a,10bの外側面に接触するような状態で示して
いるが、各壁部10a,10bの外側面から離間した位
置に設けても問題はない。
は、一対の壁部10a,10bの外側において、各壁部
10a,10bの外側面に沿うようにして、かつ、壁部
10a,10bの長手軸方向(図1の紙面と直交する方
向)に沿って所定の間隔を隔てて複数設けられる。な
お、垂直ドレーン通路16は、図1においては、各壁部
10a,10bの外側面に接触するような状態で示して
いるが、各壁部10a,10bの外側面から離間した位
置に設けても問題はない。
【0014】各垂直ドレーン通路16は、壁部10a,
10bの外側面に沿って上下方向に延び、壁部10a,
10bを挟んで対向する一対ずつが、壁部10a,10
bと直交する軸線上に対向配置されている。各垂直ドレ
ーン通路16は、地上側から掘削された円形の垂直ドレ
ーン孔16aと、この垂直ドレーン孔16a内に充填さ
れた砕石や玉砂利などの石材16bとから構成されてい
る。
10bの外側面に沿って上下方向に延び、壁部10a,
10bを挟んで対向する一対ずつが、壁部10a,10
bと直交する軸線上に対向配置されている。各垂直ドレ
ーン通路16は、地上側から掘削された円形の垂直ドレ
ーン孔16aと、この垂直ドレーン孔16a内に充填さ
れた砕石や玉砂利などの石材16bとから構成されてい
る。
【0015】石材16bを垂直ドレーン孔16a内に充
填する手段としては、石材16bを直接ドレーン孔16
a内に投入する手段の他、例えば、筒状の多孔管内に石
材16bを充填して、これを孔16a内に挿入すること
や、筒状の金網内に石材16bを充填して、これを孔1
6a内に挿入することが選択できる。なお、垂直ドレー
ン孔16aの断面形状は、円形に限ることはなく、例え
ば、角形や長方形であってもよい。
填する手段としては、石材16bを直接ドレーン孔16
a内に投入する手段の他、例えば、筒状の多孔管内に石
材16bを充填して、これを孔16a内に挿入すること
や、筒状の金網内に石材16bを充填して、これを孔1
6a内に挿入することが選択できる。なお、垂直ドレー
ン孔16aの断面形状は、円形に限ることはなく、例え
ば、角形や長方形であってもよい。
【0016】この実施例では、垂直ドレーン通路16
は、下端側が下地下水流12bよりも下方に突出する位
置にあって、上端側が上地下水流16aよりも上方に突
出する位置になるように、垂直ドレーン孔16aの上部
側が埋め戻されている。一方、連通路18は、壁部10
a,10bを挟んで対向する一対の垂直ドレーン通路1
6と同軸上にあって、これらを連通するように形成され
ている。
は、下端側が下地下水流12bよりも下方に突出する位
置にあって、上端側が上地下水流16aよりも上方に突
出する位置になるように、垂直ドレーン孔16aの上部
側が埋め戻されている。一方、連通路18は、壁部10
a,10bを挟んで対向する一対の垂直ドレーン通路1
6と同軸上にあって、これらを連通するように形成され
ている。
【0017】この連通路18は、この実施例では、両端
が開口した通水用パイプ18aから構成されていて、パ
イプ18aは、両端側に設けられた一対の垂直部分18
b,18bと、この垂直部分18b,18bの上端側を
連結する水平部分18cとを有する略逆凹状に屈曲形成
されている。この通水用パイプ18aは、壁部10a,
10b間に構築された地下構造物本体部14の上方にお
いて、壁部10a,10bの上端側を迂回するようにし
て水平部分18cが地表に近い位置に埋設されている。
が開口した通水用パイプ18aから構成されていて、パ
イプ18aは、両端側に設けられた一対の垂直部分18
b,18bと、この垂直部分18b,18bの上端側を
連結する水平部分18cとを有する略逆凹状に屈曲形成
されている。この通水用パイプ18aは、壁部10a,
10b間に構築された地下構造物本体部14の上方にお
いて、壁部10a,10bの上端側を迂回するようにし
て水平部分18cが地表に近い位置に埋設されている。
【0018】通水用パイプ18aの両端側に設けられた
垂直部分18b,18bは、壁部10a,10bを挟ん
で対向する一対の垂直ドレーン通路16の石材16b中
に挿入されていて、この挿入された部分には、それぞれ
多孔管部18d,18dとなっている。なお、この連通
路18は、対向する一対の垂直ドレーン通路16に全て
対応させて設ける必要はなく、適宜箇所に複数設けても
よい。
垂直部分18b,18bは、壁部10a,10bを挟ん
で対向する一対の垂直ドレーン通路16の石材16b中
に挿入されていて、この挿入された部分には、それぞれ
多孔管部18d,18dとなっている。なお、この連通
路18は、対向する一対の垂直ドレーン通路16に全て
対応させて設ける必要はなく、適宜箇所に複数設けても
よい。
【0019】また、連通路18は、対向する一対の垂直
ドレーン通路16と必ずしも同軸上に設ける必要はな
く、偏心した位置にあっても差し支えはない。また、多
孔管部18dには、細かい土砂の侵入を防止するフィル
ターを設けてもよい。そして、連通路18の水平部分1
8cに移送手段(ポンプ)20が設けられている。移送
手段(ポンプ)20は、地下水流12の地下水を上流側
の垂直ドレーン通路16から、連通路18を介して下流
側の垂直ドレーン通路16側に移送するものであって、
その設置箇所は、連通路18の途中であればどこに設け
ていよいが、地表に近い水平部分16cに設けておく
と、その点検や整備などが容易にできるので望ましい。
ドレーン通路16と必ずしも同軸上に設ける必要はな
く、偏心した位置にあっても差し支えはない。また、多
孔管部18dには、細かい土砂の侵入を防止するフィル
ターを設けてもよい。そして、連通路18の水平部分1
8cに移送手段(ポンプ)20が設けられている。移送
手段(ポンプ)20は、地下水流12の地下水を上流側
の垂直ドレーン通路16から、連通路18を介して下流
側の垂直ドレーン通路16側に移送するものであって、
その設置箇所は、連通路18の途中であればどこに設け
ていよいが、地表に近い水平部分16cに設けておく
と、その点検や整備などが容易にできるので望ましい。
【0020】さて、以上のように構成された土留壁10
においては、対向形成された一対の壁部10a,10b
の長手方向に沿って所定の間隔を隔て、かつ、その外側
面に沿って上下方向に延びる複数の垂直ドレーン通路1
6と、壁部10a,10b間に渡設された連通路18
と、地下水の移送手段(ポンプ)20とを有しているの
で、土留壁10で遮断された地下水流12は、移送手段
(ポンプ)20を駆動すると、地下水が上流側の垂直ド
レーン通路16から連通路18を介して下流側の垂直ド
レーン通路16に流れ込み、下流側の地下水流12へと
流通する。
においては、対向形成された一対の壁部10a,10b
の長手方向に沿って所定の間隔を隔て、かつ、その外側
面に沿って上下方向に延びる複数の垂直ドレーン通路1
6と、壁部10a,10b間に渡設された連通路18
と、地下水の移送手段(ポンプ)20とを有しているの
で、土留壁10で遮断された地下水流12は、移送手段
(ポンプ)20を駆動すると、地下水が上流側の垂直ド
レーン通路16から連通路18を介して下流側の垂直ド
レーン通路16に流れ込み、下流側の地下水流12へと
流通する。
【0021】このようにして地下水流12を流通させる
と、地下水流12を遮断するようにして設けられた土留
壁10の下流側へも地下水が供給されるので、土留壁1
0の下流側の井戸枯れや地盤沈下といった弊害が回避さ
れる。このとき、本実施例の土留壁構造では、土留壁1
0の壁部10a,10bの構築後に、土留壁10に通水
性を付与する垂直ドレーン通路16,連通路18,移送
手段(ポンプ)20を設けるので、壁部10a,10b
を構築する際の工事により、これらの通路の通水性が損
なわれることがなく、既存の土留壁にも通水性を持たせ
ることが可能になる。
と、地下水流12を遮断するようにして設けられた土留
壁10の下流側へも地下水が供給されるので、土留壁1
0の下流側の井戸枯れや地盤沈下といった弊害が回避さ
れる。このとき、本実施例の土留壁構造では、土留壁1
0の壁部10a,10bの構築後に、土留壁10に通水
性を付与する垂直ドレーン通路16,連通路18,移送
手段(ポンプ)20を設けるので、壁部10a,10b
を構築する際の工事により、これらの通路の通水性が損
なわれることがなく、既存の土留壁にも通水性を持たせ
ることが可能になる。
【0022】また、垂直ドレーン通路16は、壁部10
a,10bの外側に形成し、連通路18は、地下本体部
14の上方に設けるので、壁部10a,10bの強度な
どに影響を与えない。なお、上記実施例では、土留壁1
0を連続地中壁工法で構築する場合を例示したが、本発
明の実施は、これに限定されることはなく、土留壁10
の構築工法に拘束されることはない。
a,10bの外側に形成し、連通路18は、地下本体部
14の上方に設けるので、壁部10a,10bの強度な
どに影響を与えない。なお、上記実施例では、土留壁1
0を連続地中壁工法で構築する場合を例示したが、本発
明の実施は、これに限定されることはなく、土留壁10
の構築工法に拘束されることはない。
【0023】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかる通水性を備えた土留壁構造によれば、土
留壁の性能に影響を及ぼすことなく通水性を付与するこ
とができる。また、本発明にかかる通水性を備えた土留
壁構造によれば、土留壁を構築する際の工事により、目
詰まりを起こすことがなく、十分な通水性が確保できる
とともに、既設の土留壁にも通水性を持たせることがで
きる。
本発明にかかる通水性を備えた土留壁構造によれば、土
留壁の性能に影響を及ぼすことなく通水性を付与するこ
とができる。また、本発明にかかる通水性を備えた土留
壁構造によれば、土留壁を構築する際の工事により、目
詰まりを起こすことがなく、十分な通水性が確保できる
とともに、既設の土留壁にも通水性を持たせることがで
きる。
【図1】本発明にかかる通水性を備えた土留壁の一実施
例を示す断面説明図である。
例を示す断面説明図である。
【図2】図1の要部水平断面図である。
10 土留壁 10a,10b 壁部 12 地下水流 14 本体部 14a 底版 14b 側版 14c 上版 16 垂直ドレーン通路 16a 垂直ドレーン孔 16b 石材 18 連通路 18a 通水用パイプ 18b 垂直部分 18c 水平部分 18d 多孔管部 20 移送手段(ポンプ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 31/10 E02D 31/02 E02D 5/18 102 E02D 5/20 102 E02D 17/04
Claims (2)
- 【請求項1】 対向する一対の壁部が所定の間隔を隔て
て、地中の地下水流を遮断するように構築される土留壁
の構築後に形成される垂直ドレーン通路と、連通路と、
移送手段とを有する通水性を備えた土留壁構造であっ
て、 前記垂直ドレーン通路は、前記壁部の長手方向に沿って
所定の間隔を隔て、かつ、その外側面に沿って上下方向
に延長形成され、 前記連通路は、前記壁部の一方の外側面側に設けられた
前記垂直ドレーン通路と他方の外側面側に設けられた前
記垂直ドレーン通路との間を、前記壁部間に構築される
地下構造物本体部の上方で連結するように形成され、 地下水を前記地下水流の上流側から下流側に移送する前
記移送手段を前記連通路中に設けたことを特徴とする通
水性を備えた土留壁構造。 - 【請求項2】 前記連通路は、両端側に設けられ、前記
垂直ドレーン通路と連通する多孔管部が設けられた一対
の垂直部分と、この垂直部分間を連結する水平部分とを
有し、 地表側に埋設される前記水平部分に前記移送手段を配置
したことを特徴とする請求項1記載の通水性を備えた土
留壁構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15129295A JP2900842B2 (ja) | 1995-06-19 | 1995-06-19 | 通水性を備えた土留壁構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15129295A JP2900842B2 (ja) | 1995-06-19 | 1995-06-19 | 通水性を備えた土留壁構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH093900A JPH093900A (ja) | 1997-01-07 |
JP2900842B2 true JP2900842B2 (ja) | 1999-06-02 |
Family
ID=15515500
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15129295A Expired - Fee Related JP2900842B2 (ja) | 1995-06-19 | 1995-06-19 | 通水性を備えた土留壁構造 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2900842B2 (ja) |
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CN111139837A (zh) * | 2020-01-04 | 2020-05-12 | 中亿丰建设集团股份有限公司 | 一种软土地区十字交叉地铁处多基坑同时开挖方法 |
CN114673168B (zh) * | 2022-05-05 | 2024-06-14 | 温州神光建设工程有限公司 | 一种房屋建筑的基坑维护装置及其施工方法 |
-
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- 1995-06-19 JP JP15129295A patent/JP2900842B2/ja not_active Expired - Fee Related
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