JP4083897B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷装置等の印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、孔版印刷装置等の印刷装置においては多種多様な用紙が使用されている。例えば、薄い紙(以下、「薄紙」という)としては更紙や上質45kg紙等があり、標準的な厚さの紙(以下、「標準紙」あるいは単に「標準」というときがある)としては複写用紙、中質紙、上質55kg紙、再生紙、孔版上質紙等がある。また、厚手の厚い紙(以下、「厚紙」という)としては、画用紙、ハガキ(葉書)、封筒、上質135kg紙、上質180kg紙等がある。
【0003】
印刷装置の良好な給紙性能や排紙性能を確保するためには、すなわち給紙重送(以下、単に「重送」というときがあり、この「重送」とは一度に2枚以上の用紙が分離されないで送られてしまう不具合現象を言う)、給紙不送り(以下、単に「不送り」というときがある)、給紙ジャム、排紙ジャム等の搬送上のトラブルがきわめて少ない性能を確保するためには、用紙の厚さや用紙の大きさ等の「用紙の種類」に応じて、給紙部や排紙部等の各部における搬送のための条件である搬送条件を最適に可変設定しなければならない。それは、用紙の種類毎に最適な搬送条件が異なるからである。
必要な搬送条件設定としては、例えば給紙圧設定、分離圧設定、排紙ジャンプ板角度設定、排紙サイドフェンス位置設定や給紙台角度設定等である。
従来装置においては、オペレータやユーザあるいはサービスマン等(以下、これらを総称して単に「オペレータ」という)が用紙の厚さや用紙の大きさを目視で確認して用紙の種類を判断し、その用紙の種類等に応じて最適な搬送条件になるように、給紙圧設定としての給紙コロ圧設定、分離圧設定としての分離パッド圧設定、排紙ジャンプ板角度設定等をマニュアル操作によって切り替えて行なっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般のオペレータがその用紙の種類等に応じて最適な搬送条件を判断するのは非常に困難なことであり、どのように設定すればよいのかが分からず、現実的には上記したマニュアル切り替え操作はほとんど行なわれていなかった。したがって、重送、不送り、給紙ジャム、排紙ジャム等のトラブルが生じてしまうといった問題があった。
【0005】
また、上記したトラブルが生じた場合に、オペレータがどのような対処をすればよいのかが分からず、トラブルが生じても最適な対処ができないという問題もあった。取扱説明書を丹念に読めばその対処法は記載してあるものの、それは一般オペレータには分かりにくく、しかも面倒で時間がかかるものであるためにほとんど読まれていないのが実状である。
【0007】
そこで、本発明は、万一、搬送上のトラブルが発生した場合でも、どんな種類のトラブルがどの程度発生するかによって操作パネルの液晶表示(表示手段)を見ながらその状況を選択するだけで、機械の制御装置が一度設定された各種の搬送条件を自動的に変更して、トラブル発生防止のための最適条件に切り替えることでトラブルへの対処操作を非常に簡単にすることを主な目的とする。
また、一度選択した最適条件を機械の制御装置に記憶させておいて、その用紙を使う場合には、何度でもその最適条件を呼び出して使うことができるようにして、いちいち設定をやり直す面倒さをなくすのも目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、用紙を給紙手段で送り出し、送り出された用紙を分離手段で分離して搬送し、印刷を行なう印刷装置において、給紙搬送条件を変えて設定することが可能な制御手段と、用紙搬送上のトラブルが発生したとき、該トラブルのパターンおよびその度合いを表示する表示手段と、上記トラブルが発生したとき、該トラブルのパターンおよび上記度合いに対応した情報を選択し設定する条件変更設定手段とを有し、上記制御手段は、上記条件変更設定手段からの信号に基づいて、予め記憶されている修正搬送条件を自動的に選択して設定することを特徴とする。
ここで、表示手段としては、液晶表示装置の他、例えば発光ダイオード等により用紙の種類のさらに具体的な説明文を点灯表示するもの等を含む。また、表示手段の配設位置としては、オペレータに見やすく操作性を向上するという点から、操作パネル部に配置されていることが好ましいが、この利点を望まなくてもよいのであれば操作パネル部に限定されず、操作パネル部近傍の部位や他の部位であっても構わない。
【0009】
ここで、給紙手段としては、後述する実施形態で説明する呼出しローラとも呼ばれている給紙コロの他、例えば特公平5−32296号公報記載の紙捌きローラ(分離コロを兼ねる給紙コロに相当)、あるいは特開平9−235033号公報の図6に示されている給紙ローラ104を含む。分離手段としては、後述する実施形態で示す分離コロおよび分離パッドからなるものの他、互いに圧接し合う分離コロ対を含むと共に、例えば特公平5−32296号公報記載の紙捌きローラ(分離コロを兼ねる給紙コロに相当)および紙捌きパッド(分離パッドに相当)からなるもの、あるいは特開平9−235033号公報の図6に示されている給紙ローラ104および分離パッド106からなるものを含む。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、給紙圧可変駆動源を備えた給紙圧調整機構を具備し、上記トラブルのパターンとして給紙不送りを有し、上記制御手段は、選択設定された上記給紙不送りトラブルの度合いに応じて、上記修正搬送条件の中から給紙圧値を選択して、該給紙圧値となるように上記給紙圧可変駆動源を制御することを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、分離圧可変駆動源を備えた分離圧調整機構を有し、上記トラブルのパターンとして給紙重送を有し、上記制御手段は、選択設定された上記給紙重送トラブルの度合いに応じて、上記修正搬送条件の中から分離圧値を選択して、該分離圧値となるように上記分離圧可変駆動源を制御することを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の印刷装置において、少なくとも、給紙圧可変駆動源を備えた給紙圧調整機構と分離圧可変駆動源を備えた分離圧調整機構とを具備し、上記トラブルのパターンとして、少なくとも給紙不送りと給紙重送との2つを有し、上記制御手段は、選択設定された上記給紙不送りトラブルの度合いと、選択設定された上記給紙重送トラブルの度合いとに応じて、上記修正搬送条件の中から給紙圧値および分離圧値を選択して、該給紙圧値となるように上記給紙圧可変駆動源を、および上記分離圧値となるように上記分離圧可変駆動源をそれぞれ制御することを特徴とする。
【0026】
なお、請求項2ないし4記載の発明等における給紙圧調整機構や分離圧調整機構の具体例としては、後述する実施形態で示すものの他、例えば特開平9−235033号公報の図2および図3等に示されているような給紙圧調整機構22や分離圧調整機構34、あるいは図6および図7に示されているような給紙圧調整機構110や分離圧調整機構108であってもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等については、同一符号を付すことによりその説明をできるだけ省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない部材や構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。また、図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき部材や構成部品であっても、その図において特別に説明する必要がない部材や構成部品は適宜断わりなく省略することがある。
【0028】
図1は、第1の実施形態を適用した印刷装置の一例としての孔版印刷装置の概要を表している。印刷ドラム1の外周の一部にはクランパ2が設けられており、このクランパ2で製版済みの孔版印刷原紙3(以下、「マスタ3」と言い替える)の先端部が挟持され、印刷ドラム1の矢印方向の回転によってマスタ3が印刷ドラム1の外周面に巻き付けられて装着される。
【0029】
図1における印刷ドラム1の右側には、印刷用の用紙6を積載する給紙台4が設けられている。給紙台4には、図2に示すように、用紙サイズに応じて用紙6の両側端面を位置決めして揃えるための左右一対のサイドフェンス5,5が用紙搬送方向65と直交する用紙幅方向66に移動自在に配設されている。サイドフェンス対5,5は、後述するような左右連動構造をなす。
【0030】
図2に、用紙サイズ検出機構を示す。この用紙サイズ検出機構は、サイドフェンス対5,5の用紙幅方向66の移動に連動して用紙6の用紙サイズを検知し決定するものである。この用紙サイズ検出機構は、サイドフェンス対5,5と、給紙台4の下部に配設されている不動部材に回動自在に取り付け支持されたピニオン73と、図2において左手前側のサイドフェンス5の下部端縁部に形成されピニオン73と噛合するラック部72と、図2において右奥側のサイドフェンス5の下部端縁部に形成されラック部72に対向してピニオン73と噛合するラック部71と、右奥側のサイドフェンス5のラック部71に対向する下部端縁部において下方に突出して折り曲げられ適宜の間隔を持って切り欠かれた複数の切欠きを備えた遮蔽部71aと、給紙台4の上記不動部材に適宜の間隔を持って固設され遮蔽部71aとそれぞれ選択的に係合する2つの用紙サイズ検知センサ7a,7bと、給紙台4の上記不動部材における用紙搬送方向65に適宜の間隔をあけて固設された用紙サイズ検知センサ8とを具備している。
【0031】
各用紙サイズ検知センサ7a,7bは、発光部および受光部を具備した透過型の光学センサであり、遮蔽部71aとそれぞれ選択的に係合することにより用紙6における用紙幅方向66のサイズを検出する。用紙サイズ検知センサ8は、発光部および受光部を具備した反射型の光学センサであり、用紙6における用紙搬送方向65のサイズを検出する。各用紙サイズ検知センサ7a,7bおよび用紙サイズ検知センサ8は、用紙サイズ検知センサ群70を構成しており、これらの用紙サイズ検知センサ群70で検出されたサイズ信号データを組み合わせて後述する制御装置のCPUが判断・認識することにより、用紙6の用紙サイズを決定するものである。
なお、このような用紙サイズ検知方式の詳細としては、本願出願人が以前に提案した、例えば特開平9−30714号公報等に開示されている技術を挙げることができる。なお、用紙サイズ検知方式としては、上述したようなサイドフェンス対5,5の左右連動検知方式の利点を望まなくてもよいのであれば、これに限定されず、他の方式であってもよいことは言うまでもない。
【0032】
また、給紙台4の上記不動部材には、図1および図2に示すように、用紙6の有無を検知するための反射型の光学センサからなる用紙有無検知センサ100が設けられている。なお、図1においては、図の簡明化を図るため、給紙台4に対するサイドフェンス対5,5の配設位置を用紙搬送方向65の上流側に少しずらして示している。
【0033】
給紙台4は、図示しない案内手段により保持されて昇降可能に設けられており、給紙台昇降モータ9により、その回転軸に固定されたピニオンギヤ11と、給紙台4に固定されピニオンギヤ11と噛合するラック10とを介して昇降駆動されるようになっている。給紙台昇降モータ9は、例えばステッピングモータからなる。給紙台4の前端側には、図1に示すように、積載された用紙6を上から順に送り出す給紙手段としての給紙コロ12と、給紙コロ12により送り出された用紙6を1枚ずつに分離して搬送する分離手段としての分離コロ13および分離パッド14が設けられている。分離コロ13は、装置本体フレーム60に支持された軸15に設けられており、軸15の近傍には分離コロ13を回転駆動するためのステッピングモータからなる給紙駆動モータ16が配置されている。軸15は、軸15に設けられた2連の従動プーリと給紙駆動モータ16の出力軸に設けられた駆動プーリとの間に掛け渡されたタイミングベルト17を介して給紙駆動モータ16で回転駆動される。
【0034】
軸15を回転中心として給紙アーム18が揺動可能に設けられており、給紙アーム18の他端側には軸19を介して給紙コロ12が回転可能に保持されている。したがって、給紙コロ12は給紙アーム18と一体で軸15の周りに上下方向に揺動する。また、分離コロ13の軸15に設けられた2連の従動プーリと給紙コロ12の軸19に設けられた給紙プーリとの間にはタイミングベルト20が掛け渡されており、給紙コロ12は給紙駆動モータ16により分離コロ13と同時に回転駆動されるようになっている。
【0035】
給紙台4の上方には、給紙台4に積載された用紙6の最上面の上死点位置を検知するための上死点検知センサ21が装置本体フレーム60に設けられている。上下方向に揺動する給紙アーム18の上端が上死点検知センサ21の接触子21aに当接することで上死点検知がなされる。給紙台4の下方には下死点検知センサ44が設けられている。
【0036】
分離コロ13の近傍上方には、給紙コロ12が用紙6の上面を押し付ける力である給紙圧を調整するための給紙圧調整機構が設けられている。給紙圧調整機構は、その一端が給紙アーム18に係止された給紙圧源としての給紙圧スプリング22と、図示しない案内手段で上下方向に案内され、給紙圧スプリング22の他端が係止され、ラック部23aを有するスライダ23と、その出力軸にラック部23aと噛合するピニオンギヤ24が固設され、スライダ23を上下方向に移動させることによって給紙圧を可変する給紙圧可変駆動源としての給紙圧可変モータ25と、スライダ23の移動量を検知するための図3にのみ示す給紙圧位置検知センサ101とから構成されている。給紙圧可変モータ25は、ステッピングモータからなる。
【0037】
かかる構成により、給紙圧スプリング22の付勢力によって給紙アーム18を介して給紙コロ12に回転モーメントが働き、給紙圧(以下、「給紙コロ圧」と言い替えるときがある)が生じる。給紙圧可変モータ25の回転駆動により、スライダ23が図1において上方向に移動されると、給紙圧スプリング22の引っ張り長さが大きくなることで付勢力(引っ張り荷重)が増加して、給紙圧が大きくなる。したがって、給紙圧可変モータ25の回転駆動によって給紙圧を段階的に調整することができる。
【0038】
給紙圧位置検知センサ101は、例えば特開平9−235033号公報の図2に示されている給紙圧調整機構22の位置検知基板52と同様のセンサ構成によって、スライダ23の移動量を検知するようになっている。なお、給紙圧位置検知センサ101は、上記したものに限らず、例えば給紙圧可変モータ25にフォトエンコーダを付設すると共に、スライダ23のホームポジションを検知するためのスライダ23に設けた遮光板、およびこの遮光板と選択的に係合する装置本体フレーム60側に設けた透過型のフォトセンサからなるセンサ構成であってもよい。
【0039】
分離コロ13の下部には、分離パッド14が下方向から押し付けられており、用紙6を1枚ずつ確実に分離する働きをする。分離コロ13に対して用紙6を分離パッド14で押し付ける力、すなわち分離圧の調整は、分離圧調整機構によってなされる。分離圧調整機構は、その一端が分離パッド14に係止された分離圧源としての圧縮スプリング26と、図示しない案内手段で上下方向に案内され、圧縮スプリング26の他端が係止され、ラック部27aを有するスライダ27と、その出力軸にラック部27aと噛合するピニオンギヤ28が固設され、スライダ27を上下方向に移動させることによって分離圧を可変する分離圧可変駆動源としての分離圧可変モータ29と、スライダ27の移動量を検知するための図3にのみ示す分離圧位置検知センサ102とから構成されている。
【0040】
分離圧可変モータ29は、ステッピングモータからなる。分離圧位置検知センサ102は、例えば特開平9−235033号公報の図3に示されている分離圧調整機構34の位置検知基板80と同様のセンサ構成によって、スライダ27の移動量を検知するようになっている。なお、分離圧位置検知センサ102は、上記したものに限らず、例えば分離圧可変モータ29にフォトエンコーダを付設すると共に、スライダ27のホームポジションを検知するためのスライダ27に設けた遮光板、およびこの遮光板と選択的に係合する装置本体フレーム60側に設けた透過型のフォトセンサからなるセンサ構成であってもよい。
【0041】
かかる構成により、圧縮スプリング26の付勢力によって分離パッド14が分離コロ13に押し付けられて分離圧(以下、「分離パッド圧」と言い替えるときがある)が生じる。分離圧可変モータ29の回転駆動により、スライダ27が図1において上方向に移動されると、圧縮スプリング26の圧縮長さが小さくなることで圧縮荷重が増加して、分離圧が大きくなる。したがって、分離圧可変モータ29の回転駆動によって分離圧を段階的に調整することができる。
【0042】
印刷ドラム1の下方には、印刷前の用紙6aを印刷ドラム1に押し付けて画像形成を行うための押圧手段としてのプレスローラ30が配置されている。また、プレスローラ30における用紙搬送方向65の上流側には、印刷ドラム1とプレスローラ30との間に向けて用紙6aを送り込むためのレジストローラ対31,32が設けられている。レジストローラ対31,32は図示しない駆動機構により矢印方向に回転駆動されるようになっており、用紙6aの先端を印刷ドラム1の回転に応じた所定のタイミングで送り出すようになっている。レジストローラ対31,32の上流側近傍には、用紙6aの先端の到達を検知するための反射型のフォトセンサからなる用紙先端検知センサ33が設けられている。
【0043】
印刷画像が形成された用紙6bは、エアーブロア34で印刷ドラム1から剥離され、ローラ間に掛け渡された排紙搬送ベルト35とこの排紙搬送ベルト35上に用紙6bを吸引するための吸引ファン36とで排紙台37へ向けて排出される。排紙台37の上面には、用紙6bの衝突を受け止めてその先後端面を揃えるためのエンドフェンス38と、用紙6bの両側端面部をガイドして揃えるための一対のサイドフェンス39,39が設けられている。
【0044】
用紙6bを排紙台37へ排出するに際しては、ジャム防止や揃え向上を図るために、用紙6bを略U字形に湾曲させて排紙腰付けするための左右一対の排紙ジャンプ板40が設けられている。排紙ジャンプ板40の一部には、図示しない案内手段で略上下方向に案内されるラック状のスライダ41の一端が係止されている。スライダ41の近傍の装置本体フレーム60には、その出力軸にスライダ41のラック部41aと噛合するピニオンギヤ42が固設され、スライダ41を略上下方向に移動させる排紙ジャンプ板角度可変モータ43が配置されている。スライダ41の下端部には、スライダ41の移動量を検知するための図3にのみ示す排紙ジャンプ板角度検知センサ103が配設されている。排紙ジャンプ板角度可変モータ43は、ステッピングモータからなる。排紙ジャンプ板角度検知センサ103は、給紙圧位置検知センサ101や分離圧位置検知センサ102と同様のセンサ構成によって、スライダ41の移動量を検知するようになっている。
【0045】
かかる構成により、排紙ジャンプ板角度可変モータ43の回転駆動によって排紙ジャンプ板40の角度を段階的に調整して、用紙6bのU字形の湾曲度合い、換言すれば排紙腰付け度合いを調整することができる。
【0046】
図1における装置本体フレーム60の上部には、図示しない原稿読取装置と、この原稿読取装置のさらに上部に配置された図4に示す操作パネル部としての操作パネル46とが配設されている。操作パネル46には、図4に示すように、製版スタートキー49、印刷スタートキー50、初期設定キー51、十字カーソルキー53、およびテンキー54等が配置されていると共に、表示手段としての液晶表示装置からなる液晶表示部47が配置されている。
ここで、操作パネル部とは、操作パネルそれ自体を指す他、オペレータに見やすく操作性を妨げない操作パネル周辺の位置をも含み、例えば操作パネル近傍に立てかける様に配設された液晶表示装置等も含むことを意味する。
【0047】
図4に示されている液晶表示部47は、孔版印刷装置に配置されている図示しない電源スイッチのオン時に表示される初期画面を表している。液晶表示部47における最下段部の長方形の区切り内に表示されている4つの表示(原稿種類、変倍、用紙種類、位置調整)に対応した各下部には、4つの長方形状のキーが並設されている。すなわち、左から順に、原稿種類に対応して原稿の文字種類を設定するための原稿種類キーが、変倍に対応して原稿サイズに対応して縮小または拡大等の倍率設定をするための変倍キーが、用紙種類に対応して用紙6の種類(用紙6の厚さや用紙サイズを含む用紙6の大きさ等)を選択して設定するための用紙種類設定手段としての機能を有する用紙種類キー52が、位置調整に対応して用紙6に対する前後左右の印刷画像の位置を調整するための位置調整キーがそれぞれ示されているが、この実施形態では初期画面において用紙種類キー52以外の上記各キーを用いた操作内容を説明する必要がなく、説明の簡明化を図る上から符号を付していない。そして、用紙種類キー52を1回押すと、同図に括弧を付して示しているが、図5ないし図9に示しているように、左から順に左矢印キー48a、右矢印キー48b、条件変更キー48c、設定キー48dに切り替わる機能・構成を有するものである。
【0048】
製版スタートキー49は原稿の画像読み取りから給版ないしは版付け印刷動作に至る一連の動作の起動を設定・入力するものであり、テンキー54は印刷枚数等を設定・入力するものであり、印刷スタートキー50はテンキー54で設定・入力された印刷枚数分の印刷動作の起動を行なうものである。液晶表示部47は、原稿の画像読み取りから印刷に至る各動作工程での設定・検知情報等やトラブル情報等を随時表示する機能を有する。
【0049】
用紙種類キー52は、用紙6の種類(用紙6の厚さや用紙サイズを含む用紙6の大きさ等)を選択して設定するための用紙種類設定手段としての機能を有するものである。左矢印キー48aは、同じく用紙種類設定手段としての一部の機能を有するものであり、液晶表示部47に表示されたジョブ情報を選択するために左方向に移行させるためのものであり、右矢印キー48bは、同じく用紙種類設定手段としての一部の機能を有するものであり、液晶表示部47に表示されたジョブ情報を選択するために右方向に移行させるためのものである。十字カーソルキー53は、同じく用紙種類設定手段としての一部の機能を有するものであり、液晶表示部47に表示されたジョブ情報を選択するために左右・上下の何れか一つの方向に移行させるための4つの移行キー53c,53a,53b,53dを備えている。
条件変更キー48cは、用紙搬送上のトラブルが発生したとき、該トラブルのパターンおよびその度合いに対応した情報を選択し設定するための条件変更設定手段としての機能を有する。設定キー48dは、用紙種類設定手段および条件変更設定手段としての機能を兼ね備えているものであり、上記各キーや左・右矢印キー48a,48bあるいは十字カーソルキー53で選択設定されたジョブ情報を確定設定する。なお、左・右矢印キー48a,48bや十字カーソルキー53は、一度選択された用紙6の種類およびトラブルのパターンおよびその度合いに対応したジョブ情報文をそれぞれ移動して白黒反転表示させて選択させる機能を有するので、条件変更設定手段としての機能も兼ね備えている。
【0050】
液晶表示部47は、図示しない液晶駆動回路を介して駆動されると共に、後述する制御装置45により上記液晶駆動回路を介して制御される。液晶表示部47の表示内容をさらに詳しく述べると、図4において上段部にはオペレータの操作すべき操作概要(ジョブ内容)が文字で表示され、中段部には目視で選択できるように用紙の種類の説明内容や後述するユーザー設定内容が文字表示され、下段部には用紙の種類のさらに具体的な説明内容等が文字表示され、その下の最下段部には初期画面においては左から順に上記した原稿種類、変倍、用紙種類、位置調整がそれぞれ表示される。そして、用紙種類キー52の押下により、切り替わった表示画面おいては、図5を参照して後述するように、各種キー、すなわち左・右矢印キー48a,48b、十字カーソルキー53、用紙種類キー52、条件変更キー48c、設定キー48dあるいは初期設定キー51の押下によりなされる動作の進行内容が矢印記号や文字で表示されるようになっている。
【0051】
本実施形態における孔版印刷装置は、図3に示す制御手段としての制御装置45によって制御される。制御装置45は、図示を省略した、CPU(中央処理装置)、I/O(入出力)ポート、ROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)、PROM(プログラマブルROM)およびタイマ等をそれぞれ備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。上記ROMには、実験等で予め得られた最適な搬送条件パターンテーブルおよび孔版印刷装置の動作プログラム等が予め記憶されている。上記RAMは、データ等を適宜記憶する機能を有している。
【0052】
制御装置45は、上死点検知センサ21、操作パネル46の各種キー(左・右矢印キー48a,48b、条件変更キー48c、設定キー48d、初期設定キー51、用紙種類キー52、十字カーソルキー53等)、用紙サイズ検知センサ群70、用紙先端検知センサ33、用紙有無検知センサ100、給紙圧位置検知センサ101、分離圧位置検知センサ102、排紙ジャンプ板角度検知センサ103等からの出力信号に基づいて、液晶表示部47、給紙台昇降モータ9、給紙圧可変モータ25、分離圧可変モータ29、排紙ジャンプ板角度可変モータ43、エアーブロア34、給紙駆動モータ16等を適宜駆動制御する。なお、図3において、仮想線で囲んで示す制御対象構成要素は、後述する変形例3で使用するものであり、本実施形態では使用しないものを表している。
【0053】
制御装置45は、上記用紙種類設定手段からの信号に基づいて、用紙6の種類に応じて予め記憶されている搬送条件の中から設定された用紙6の種類に対応した搬送条件を自動的に選択して設定する制御手段としての機能を有する。また、制御装置45は、用紙搬送上のトラブルが発生したとき、上記条件変更設定手段からの信号に基づいて、設定された用紙6の種類に対応した搬送条件を修正した、予め記憶されている修正搬送条件を自動的に選択して設定する制御手段としての機能を有する。
【0054】
以下、液晶表示部47の表示内容の詳細、および5個のキー(用紙種類キー52、矢印キー48a,48b、条件変更キー48c、設定キー48d)の操作について述べる。
【0055】
操作パネル46の液晶表示部47には、図4および図5に示されている表示をしてオペレータに用紙6の種類と、搬送上のトラブルのパターンおよびその度合いに対応した情報とを選択をしてもらうための表示がそれぞれ適宜なされる。先ず、オペレータが上記電源スイッチをオンすると、液晶表示部47には図4に示されている初期画面が表示される。この初期画面では、液晶表示部47の上段部にはオペレータの行うべきジョブ内容が表示される。ここでは、「製版・プリントできます」と表示されていて、製版から印刷に至る工程・動作が可能であることを表している。
【0056】
次いで、オペレータが用紙種類キー52を押下すると、図5に示す表示画面に切り替わる。すなわち、液晶表示部47には、図5に示すように、用紙6の種類として、標準、薄紙、厚紙、封筒の4種類と、後述するようにユーザーが独自に使用する特殊な用紙等について選択可能とするユーザー1、ユーザー2とがそれぞれ表示されるようになっていて、それらの中から選択可能となっている。なお、本実施形態では用紙6の種類に応じて木目の細かい最適な搬送条件の設定を望んでいるので、標準、薄紙、厚紙、封筒の4種類を選択し、左・右矢印キー48a,48bや十字カーソルキー53および設定キー48d等で設定・入力可能としているが、そのような木目の細かい搬送条件の設定を望まなくてもよいのであれば、少なくとも標準、厚紙の2種類の中から選択し設定可能であればよく、これは実際に試作・実験等により裏付けられてもいる。
【0057】
ここにおいて大事なのは、用紙6の種類が「標準」だけでは分かりにくいので、上記用紙種類設定手段により用紙6の種類を設定するとき、用紙6の種類を分かりやすく直ぐに選択できるように用紙6の種類のさらに具体的な説明内容をそのときに一緒に表示していることである。
【0058】
通常は、用紙6の種類として「標準」が黒く表示されて選択されているが、それを2個の左・右矢印キー48a,48bまたは十字カーソルキー53の移行キー53c,53aで白黒反転表示部を移動させて、設定キー48dで確定入力する。図5の状態では、用紙6の種類として「標準」が選択されているので、その下段部に具体的な用紙6として「Ex,複写用紙、中質紙、上質紙、再生紙」が表示されている。「薄紙」が選択されている場合なら「Ex,更紙などの薄手の用紙」と表示し、「厚紙」の場合なら「Ex,画用紙、ハガキなどの厚手の用紙」と表示し、「封筒」の場合なら「Ex,長形、角形などの定形封筒」といったように表示する。
【0059】
そして、オペレータが上記のように用紙6の種類を選択し、2個の左・右矢印キー48a,48bまたは十字カーソルキー53の移行キー53c,53aで白黒反転表示部を移動させて設定キー48dで用紙6の種類を確定入力すると、機械の制御装置45が、予め記憶されている下表1に示す搬送条件パターンテーブルの中から、選択・設定された用紙6の種類に対応した最適な搬送条件、すなわち本実施形態では選択・設定された用紙6の種類に対応した給紙コロ圧値、分離パッド圧値、排紙ジャンプ板角度値を自動的に選択し、該給紙圧コロ値となるように給紙圧可変モータ25を、該分離パッド圧値となるように分離圧可変モータ29を、該排紙ジャンプ板角度値となるように排紙ジャンプ板角度可変モータ43をそれぞれ制御する。こうして、選択・設定された用紙6の種類に対応して、自動的に最適な搬送条件が設定されることになる。
【0060】
【表1】
【0061】
以下に表1の内容について補足説明する。給紙コロ圧、分離パッド圧、不送り、重送の大体の関係をまとめると、下表2に示すようである。すなわち、給紙コロ圧は、小さすぎると不送りになり、大きすぎると重送になる。そこで、表1に示すように、薄紙や標準紙では可能な限り給紙コロ圧を小〜中(数値1に対応し、この数値が小さいほど給紙コロ圧が小さくなる)にする。しかし、厚紙の場合は大きい搬送力を必要とするので、給紙コロ圧を大(数値3に対応し、この数値が大きいほど給紙コロ圧が大きくなる)にする。封筒の場合なら、実験の結果等から給紙コロ圧を標準紙と薄紙の中間である略中(数値2に対応する)にするとよい。
【0062】
分離パッド圧は、表2に示すように、大きすぎると不送りになり、小さすぎると重送になる。そこで、表1に示すように、分離パッド圧は、標準紙では重送を防止するために中〜大(数値4に対応し、この数値が大きいほど分離パッド圧が大きくなる)に設定するが、薄紙の場合には分離パッド圧を大にするとシワが発生するので小〜中(数値2に対応し、この数値が小さいほど分離パッド圧が小さくなる)にする。同様に厚紙の場合には分離パッド圧を大きくするといわゆる紙むけが発生するので、小〜中(数値2に対応する)にする。封筒の場合なら、実験の結果等から分離パッド圧を小(数値1に対応する)にするとよい。
【0063】
【表2】
【0064】
排紙ジャンプ板角度は、標準紙では角度を中〜大にしてある程度きちんと紙に腰付けをして排出してやる必要がある。これと同様に、薄紙の場合では角度を大にしてきちんと紙に腰付けをして排出してやる必要があるが、厚紙や封筒の場合には、紙自体に腰があるために腰付けが不要であり、また腰付けできないので、角度を小にする必要がある。
表1に示されている搬送条件パターンテーブルは、実験等によるデータに基づいて予め設定され、制御装置45の上記ROMに予め記憶されている。
【0065】
なお、本実施形態では表1に示したように、選択・設定された用紙6の種類に対応して給紙コロ圧値、分離パッド圧値、排紙ジャンプ板角度値からなる搬送条件パターンテーブルとしこれらを可変制御対象としたが、さらに木目の細かい制御を望むのであれば、これらの他に例えば用紙6の種類に対応しての分離コロ13におけるスリップ状態に着目して分離コロ13の回転量、あるいは用紙6の種類に対応しての排紙巻き上りに着目してエアーブロア34の風力等を可変制御対象とすればよい。
【0066】
次に、用紙の種類の選択・設定操作例および通紙・印刷動作を説明する。先ず、オペレータが孔版印刷装置の上記電源スイッチをオンすると、図4に示すように、液晶表示部47には初期画面が表示される。この初期画面では、液晶表示部47の上段部にはオペレータの行うべきジョブ内容である「製版・プリントできます」と表示され、製版から印刷に至る工程・動作が可能であることを知らせる。
次いで、用紙種類キー52を押下すると、図5に示す表示画面に切り替わり、操作パネル46の液晶表示部47の上段部には「用紙の種類を選択入力して下さい」という表示がなされる。通常は用紙6の種類として「標準」が黒く表示されて選択されているので、例えば用紙6として画用紙(厚紙)を使用する場合には、オペレータは印刷に先立って右矢印キー48b(矢印→)または十字カーソルキー53の移行キー53aで「厚紙」の表示部位に白黒反転表示部を移動させて、設定キー48dで確定入力する。このとき、液晶表示部47の下段部には「Ex,画用紙、ハガキなどの厚手の用紙」と表示されるので、オペレータは画用紙が「厚紙」に属することを確認でき、迷うこと無く直ぐに用紙6の種類として「厚紙」を選択・設定することができる。
【0067】
用紙6の種類として「厚紙」が選択・設定されると、制御装置45が表1に示す搬送条件パターンテーブルの中から、選択・設定された用紙6の種類として「厚紙」に対応した最適な搬送条件、すなわち給紙コロ圧値「3」、分離パッド圧値「2」、排紙ジャンプ板角度値「小」を自動的に選択し、該給紙コロ圧値「3」となるように給紙圧可変モータ25を、該分離パッド圧値「2」となるように分離圧可変モータ29を、該排紙ジャンプ板角度値「小」となるように排紙ジャンプ板角度可変モータ43をそれぞれ制御する設定がなされ、選択・設定された用紙6の種類に対応して自動的に最適な搬送条件が設定される。
【0068】
用紙6の種類の選択・設定操作に前後して、オペレータによって製版スタートキー49が押されることより、上記原稿読取装置による公知の原稿画像の読み取り動作および公知の自動製版動作が並行して進行し、製版済みのマスタが印刷ドラム1の外周面に巻き付けられる。
そして、用紙6の種類の選択・設定操作に前後して、給紙台4が下死点検知センサ44によって下死点に位置している時に、オペレータが給紙台4の上に画用紙である用紙6を積載し、印刷スタートキー50を押すと、制御装置45の指令によって給紙台昇降モータ9が回転駆動され、給紙台4を上昇させる。
用紙6の最上面が給紙コロ12に接触してこれを押し上げると、給紙アーム18も上昇し、上死点検知センサ21の接触子21aを押圧して上死点検知センサ21をオンにする。制御装置45は上死点検知センサ21のオン信号を受けて給紙台昇降モータ9を停止させる。これによって給紙台4は印刷に必要な所定の高さの給紙位置を占め、印刷モードによる印刷が開始される。この場合、オペレータの「厚紙」という認識が客観的に正しければ、印刷は最初の1枚目から最適な搬送条件下で行なわれることになる。
【0069】
次いで印刷ドラム1が回転すると共に、給紙駆動モータ16が回転駆動することにより給紙コロ12が回転され、これによって用紙6が用紙搬送方向65に送り出され、分離コロ13の回転と分離パッド14との協働作用によって、最上面の1枚の用紙6のみが分離されて送り出される。この時、最適な搬送条件設定(給紙コロ圧および分離パッド圧の設定)が既になされているので、用紙6は重送、不送り等によって給紙ジャムを生じることなく1枚ずつ確実に給送される。
【0070】
給紙台4上の用紙6が給紙によって上から数枚分なくなると、それに応じて給紙コロ12の位置が下がり、同時に給紙アーム18も下がる。給紙アーム18が下降して上死点検知センサ21がオフになると、制御装置45はそのオフ信号に基づいて給紙台昇降モータ9を駆動させ、給紙台4は上死点検知センサ21がオンになるまで再び上昇する。
このようにして上死点検知センサ21のオン・オフに応じて給紙台昇降モータ9をオン・オフさせることによって給紙台4は間欠的に上昇し、その都度給紙位置を占める。
【0071】
分離コロ13により1枚ずつ送り出された用紙6は、レジストローラ対31,32のニップ部に突き当たることで適宜の撓みを形成され、次いでレジストローラ対31,32が印刷ドラム1の回転と同期して回転することにより、用紙6が所定の印刷タイミングで送り出され、こうして給送されて来た用紙6は印刷ドラム1とプレスローラ30間で印刷されて排紙台37へ排出される。この時、最適な搬送条件設定(排紙ジャンプ板角度の設定)が既になされているので、排紙腰付け(ここでの「厚紙」の例では、腰付けはされない)が適正にされつつ排紙揃えが整然と良好に行われる。この動作が次々と繰り返され、印刷ドラム1の1回転につき1枚ずつ用紙6が給紙ジャム等の搬送上のトラブルを生じることなく給紙されて印刷され、排紙ジャム等の搬送上のトラブルを生じることなく排紙される。
【0072】
ところで、上述したように通紙印刷を行なっても、用紙6の銘柄や種類、あるいはそのときの温湿度等の環境条件や用紙カール度合い等によっては、うまく通紙できない場合、換言すれば結果的に用紙搬送上のトラブルが発生することがある。その場合には、図5に示す「用紙種類入力」画面に戻って搬送条件補正のための操作を行なうことができる。図5において、条件変更キー48cを押すと、液晶表示部47の画面が図6に示すように切り替わる。
【0073】
このとき、液晶表示部47の上段部には「給紙条件変更を選択入力して下さい」という表示がなされる。例えば、重送が多い場合には、オペレータは右矢印キー48b(矢印→)を5回押して(または例えば十字カーソルキー53の移行キー53dを1回押し次いで移行キー53aを2回押して)表示部を「標準」から移動させ、「重送:多い」を白黒反転状態にして、設定キー48dを押すことで確定入力し、搬送条件(給紙条件)を下表3に示す修正搬送条件パターンテーブルに変更し修正することができる。表3に示されている修正搬送条件パターンテーブルは、上記した表1および表2における設定例の裏付け理由に準じた理由により、また実験等によるデータに基づいて予め上記ROM等に設定・記憶されている。
【0074】
【表3】
【0075】
上記のようにして、給紙条件変更が選択・設定されれば、制御装置45が予め記憶されている表3に示す修正搬送条件パターンテーブルの中から、選択・設定された用紙6の種類に対応した最適な搬送条件(給紙コロ圧値、分離パッド圧値、排紙ジャンプ板角度値)を自動的に選択し、該給紙コロ圧値となるように給紙圧可変モータ25を、該分離パッド圧値となるように分離圧可変モータ29を、該排紙ジャンプ板角度となるように排紙ジャンプ板角度可変モータ43をそれぞれ制御する。このように、用紙搬送上のトラブルが発生したとき、条件変更キー48c、矢印キー48aまたは48bおよび設定キー48dを用いて、該トラブルのパターンおよびその度合いに対応した情報を上記したように選択し、設定するだけで、制御装置45が一度設定された各種の搬送条件を自動的に変更し、最適な搬送条件に修正することによって、トラブル発生防止のための最適な搬送条件に自動的に切り替えられ、トラブルへの対処操作を非常に簡単にすることができる。
こうして変更修正された搬送条件は、上記電源スイッチをオフした場合には元の「標準」に戻るようになっている。
なお、所定の操作により、変更修正された搬送条件を一時的に記憶させておくようにしてもよい。
【0076】
(変形例1)
図7、図8および表4を参照して第1の実施形態の変形例1を説明する。この変形例1では、上記した4種類の用紙6、すなわち標準、薄紙、厚紙、封筒のどれを選択して設定してもうまく搬送できないような、ユーザーが独自に使用する特殊な用紙6等を用いる場合について対応するために、そのユーザーにおいて特別に選択して使用できる搬送条件を設定できるようにしたものであり、「ユーザー1」または「ユーザー2」を選択・設定して最適な搬送条件を設定する。そのために、上記4種類の用紙6に対応した搬送条件およびその修正搬送条件以外に、予めいくつもの搬送条件パターンテーブルが上記ROMや上記PROMに記憶されていて、搬送状況に応じてその中のどれかを選択して、「ユーザー1」または「ユーザー2」のところに割り当てておいて、いつでもそれを呼び出して使うことができる。この割り当て操作は、初期設定モードで行われ、制御装置45にはその初期設定モードを実行するための下記する制御機能が付加されている。
【0077】
操作パネル46上の初期設定キー51を押すと、液晶表示部47は図7に示す画面表示に切り替わる。図7の画面表示状態において、「ユーザー1」の白黒反転状態で設定キー48dを押すと、液晶表示部47は図8に示す画面表示に切り替わる。図8に示されている表示画面では「標準:不送り傾向」の部位が黒表示されて選択されている状態にある。ここで、設定キー48dを押せば、「ユーザー1」の所には「標準:不送り傾向」が割り当てられることになる。図8において、その上から3行目の下段部には、現在白黒反転表示している用紙6の分類の具体例を分かりやすく表示しているので、「標準:不送り傾向」とは例えばどのような用紙6の場合を指すのかが誰でも直ぐに分かるようになる。また、例えば「厚紙:不送り傾向」の場合なら、「画用紙や特に厚紙で不送りしやすい用紙」のように表示し、「中厚紙」の場合なら「標準と厚紙の中間の厚さの用紙」のように表示する。
ここで、「特殊」とあるのは、「独自に個別設定された用紙」であり、例えばサービスマンに頼んで本当に特殊な用紙6のために特別にその搬送条件を設定してもらう場合を示す。
【0078】
これらの「ユーザー1」または「ユーザー2」のところに割り当てられる、詳しい搬送条件の設定例としては、例えば下表4の搬送条件パターンテーブルを挙げることができる。表4に示されている搬送条件パターンテーブルは、上記した表1および表2における設定例の裏付け理由に準じた理由により、また実験等によるデータに基づいて予め設定され、制御装置45の上記ROMや上記PROM等に記憶される。
【0079】
【表4】
【0080】
ここで、その詳細な説明は省略するが、重送や給紙ジャム、排紙ジャムといった搬送トラブルを検知する構成は、複数個の用紙検知センサを用いて判断する等の公知の構成である。
なお、用紙有無検知センサ100で用紙無しが検知された時や、下死点検知センサ44で下死点が検知された時に、操作パネル46の液晶表示部47に現在設定されている用紙6の種類を表示させたり、その設定をクリヤしてもよいか等のメッセージを表示させたりしてもよい。
【0081】
(変形例2)
図1ないし図4、図9および下表5を参照して第1の実施形態の変形例2を説明する。この変形例2では、第1の実施形態において用紙6の種類として用紙6の厚さに着目したのに代えて、用紙6の大きさである用紙サイズの違いにより最適な搬送条件を設定することが主に相違する。
【0082】
図4に示されている液晶表示部47の初期画面において、オペレータが用紙種類キー52を押下すると、図9に示す表示画面に切り替わる。すなわち、操作パネル46の液晶表示部47の上段部には「用紙サイズを選択入力して下さい」という表示がなされる。液晶表示部47の上から2行目には、図9に示すように、用紙サイズとして、A3,B4と、A4,B5と、ハガキとの3種類について表示されるようになっていて、それらの中からこの変形例2では自動的に選択可能となっている。
【0083】
この変形例2では、用紙サイズの検出は、図2および図3に示した用紙サイズ検知センサ群70を備えた上記用紙サイズ検出機構で自動的に検出する方式を採用しているので、例えば給紙台4上にA3またはB4の用紙サイズの用紙6が積載されているとした場合、用紙サイズとして「A3,B4」が黒く表示されて自動的に選択されていることを表すものである。そして、オペレータは用紙サイズとして「A3,B4」が黒く表示されていることを確認した上で、設定キー48dを押して確定入力すればよい。すると、機械の制御装置45が、予め記憶されている表5に示す搬送条件パターンテーブルの中から、自動的に選択・設定された用紙サイズに対応した最適な搬送条件、すなわち本変形例2では自動的に選択・設定された用紙サイズに対応した給紙コロ圧値、分離パッド圧値、排紙ジャンプ板角度値を自動的に選択し、該給紙圧コロ値となるように給紙圧可変モータ25を、該分離パッド圧値となるように分離圧可変モータ29を、該排紙ジャンプ板角度値となるように排紙ジャンプ板角度可変モータ43をそれぞれ制御する。こうして、自動的に選択・設定された用紙サイズに対応して、自動的に最適な搬送条件が設定されることになる。
【0084】
【表5】
【0085】
以下に表5の内容について補足説明する。用紙サイズが大きいA3やB4の用紙6では大きい搬送力を必要とするので、給紙コロ圧を大(数値3に対応する)にする。用紙サイズが比較的小さいA4やB5の用紙6では搬送力をあまり必要としないので、給紙コロ圧を小(数値1に対応する)にする。また、ハガキの場合なら、実験の結果等から給紙コロ圧を用紙サイズがA3,B4とA4,B5との中間である略中(数値2に対応する)にするとよい。
【0086】
分離パッド圧は、用紙サイズが大きいA3やB4の用紙6では重送を防止するために大(数値3に対応する)に設定するが、用紙サイズが比較的小さいA4やB5の用紙6の場合には分離パッド圧を中(数値2に対応する)にする。同様にハガキの場合には実験の結果等から分離パッド圧を小(数値1に対応する)にするとよい。
【0087】
排紙ジャンプ板角度は、用紙サイズが比較的小さいA4やB5の用紙6の場合では角度を大にしてきちんと紙に腰付けをして排出してやる必要がある。これと同様に、用紙サイズが大きいA3やB4の用紙6の場合ではある程度きちんと紙に腰付けをして排出してやる必要があるが、ハガキの場合には、紙自体に腰があるために腰付けが不要であり、また腰付けできないので、角度を小にする必要がある。
表5に示されている搬送条件パターンテーブルは、実験等によるデータに基づいて予め設定されていて、上記ROM等に予め記憶されている。
【0088】
用紙サイズの選択は、図2および図3に示した用紙サイズ検知センサ群70を備えた上記用紙サイズ検出機構で自動的に検出して選択する方式に限らず、例えばマニュアルで選択し設定してもよい。このようなマニュアルの選択設定操作では、例えば、オペレータが給紙台4上にA4またはB5の用紙サイズの用紙6を積載した場合、初期条件として用紙サイズとして「A3,B4」が黒く表示されているが、それを2個の左・右矢印キー48a,48bまたは十字カーソルキー53の移行キー53c,53aで白黒反転表示部を移動させて、設定キー48dで確定入力すればよい。
【0089】
なお、本変形例2においても、上記した第1の実施形態の表3や変形例1の表4に示されている内容を適用できることは言うまでもない。また、本変形例2では表5に示したように、選択・設定された用紙サイズに対応して給紙コロ圧値、分離パッド圧値、排紙ジャンプ板角度値からなる搬送条件パターンテーブルとしこれらを可変制御対象としたが、さらに木目の細かい制御を望むのであれば、これらの他に例えば用紙サイズに対応しての分離コロ13におけるスリップ状態に着目して分離コロ13の回転量、あるいは用紙サイズに対応しての排紙巻き上りに着目してエアーブロア34の風力等を可変制御対象とすればよい。また、用紙6の種類に応じて、より一層木目の細かい制御を望むのであれば、用紙6の種類としての用紙6の厚さと用紙サイズとの組み合せで選択設定することも勿論可能である。
【0090】
(変形例3)
図1ないし図4、図10および下表6を参照して第1の実施形態の変形例3を説明する。この変形例3は、第1の実施形態と比較して、第1の実施形態の3つの搬送条件に対して、搬送条件としてさらに給紙台角度を付加して、用紙6の種類に応じて木目の細かい最適な搬送条件を設定することが主に相違する。
【0091】
図10に、給紙台の角度を調整するための給紙台角度調整機構99を示す。この給紙台角度調整機構99は、図1に示した実施形態の給紙台4に代えて、昇降固定側の給紙台91とこの給紙台91に対して傾斜可能に可動する可動側の給紙台92との2つに分割された給紙台91,92を有することおよび給紙台92を傾斜可能に可動させるための給紙台傾斜駆動手段99を有することが相違する。
【0092】
昇降固定側の給紙台91には、図1に示すラック10(図10には図示せず)が固定されていて、給紙台91は、図1に示すピニオンギヤ11(図10には図示せず)を介して図1に示す給紙台昇降モータ9(図10には図示せず)により昇降される。給紙台91における用紙搬送方向65の上流側の側壁には、軸ピン93を介して可動側の給紙台92が傾斜可能に連結されている。
給紙台傾斜駆動手段99は、給紙台92における用紙搬送方向65の下流端部に一体的に形成された扇形ギヤ98と、給紙台91側の一側壁に固設された不動部材(図示せず)に固定して取り付けられた給紙台角度可変モータ94と、この給紙台角度可変用モータ94の出力軸に固設されたウォームギヤ95と、給紙台91の一側壁に軸をもって回動可能に支持されウォームギヤ95と噛合するウォームホイール96と、ウォームホイール96の上記軸と同軸に設けられ扇形ギヤ98と噛合する小径ギヤ97と、給紙台92の傾斜角度θを検知するための図3のみに仮想線で囲んで示す給紙台角度検知センサ104とを具備している。
【0093】
給紙台角度可変用モータ94は、ステッピングモータからなり、図3に仮想線で囲んで示す。給紙台角度検知センサ104は、例えば、給紙台角度可変用モータ94にフォトエンコーダを付設すると共に、給紙台92のホームポジションを検知するための給紙台92の一側壁に設けた遮光板、およびこの遮光板と選択的に係合する給紙台91の一側壁に設けた透過型のフォトセンサからなるセンサ構成である。給紙台92のホームポジションは、給紙台91の用紙積載面と給紙台92の用紙積載面とが略同一平面状態をなしたときをもって設定される。
【0094】
かかる構成により、給紙台角度可変用モータ94の回転駆動によって給紙台92が傾斜角度θをもって傾斜可能に可動されることとなる。したがって、給紙台角度可変用モータ94の回転駆動によって給紙台92の傾斜角度θを段階的もしくは無段階的に調整することができる。
【0095】
この変形例3では、第1の実施形態と同様にして、オペレータが用紙6の種類を選択し設定すれば、機械の制御装置45が、予め記憶されている下表6に示す搬送条件パターンテーブルの中から、選択・設定された用紙6の種類に対応した最適な搬送条件、すなわち本変形例3では給紙台92の傾斜角度θ値を自動的に選択し、該傾斜角度θ値となるように給紙台角度可変用モータ94を制御する。こうして、上記した第1の実施形態の最適な搬送条件の設定に加えて、選択・設定された用紙6の種類に対応して、さらに木目の細かい最適な搬送条件が設定されることになる。
【0096】
【表6】
【0097】
以下に表6の内容について補足説明する。標準紙では、傾斜角度θは余り必要ないことが実験等の結果から分かっているので、傾斜角度θを小さい3°にし、厚紙やハガキではその厚さが厚いので、傾斜角度θをやや大きい10°にする。また、封筒の場合なら、封筒底部の用紙重なり部分の最も厚さのある部位を用紙搬送方向65の下流側に向けて積載するので、給紙コロ12による不送りを補償すべく実験の結果等から傾斜角度θを大きい15°にするとよい。
表6に示されている搬送条件パターンテーブルは、実験等によるデータに基づいて予め設定されていて、上記ROM等に予め記憶されている。
【0098】
なお、本変形例3において、表2と同じように、傾斜角度θと不送り、重送との大体の関係を示すと下表7のようである。すなわち、傾斜角度θを大きくすると、給紙コロ圧を大きくしたのと同様となり、重送が多くなる。したがって、例えば、標準紙における傾斜角度θ=3°で重送が多ければ傾斜角度θを小さくしてやればよい。
【0099】
【表7】
【0100】
また、上記した変形例1や変形例2を単独であるいは組み合わせて適用できることは言うまでもない。また、用紙6の種類に応じて、より一層木目の細かい制御を望むのであれば、用紙6の種類としての用紙6の厚さと用紙サイズとの組み合せで選択設定することも勿論可能である。
【0101】
第1の実施形態や変形例1等に記載したように、本来ならば、少なくとも給紙コロ圧と分離パッド圧とを最適に設定して、その用紙6の種類に応じて、不送りと重送とが最も発生しにくい条件を選ぶわけであるが、その片方、すなわち表2に記載してある関係に基づいて、給紙コロ圧または分離パッド圧だけを調整することだけでもそれに応じた効果を得られる。従って、下記する変形例4や5ではこのような点に着目した例を説明することとする。
【0102】
(変形例4)
この変形例4は、第1の実施形態の3つの搬送条件から分離パッド圧と排紙ジャンプ板角度とを除去して、給紙コロ圧を単独で可変設定するものであり、その一例を下表8に示す。そのために、本変形例4では、第1の実施形態の給紙圧調整機構を有し、制御装置45は、設定された用紙6の種類に対応した搬送条件の中から給紙圧値としての給紙コロ圧値を選択して、該給紙コロ圧値となるように給紙圧可変モータ25を制御するものである。
【0103】
【表8】
【0104】
以下に表8の内容について補足説明する。給紙コロ圧だけを変える場合には、分離パッド圧値を大体3に設定する。すると、薄紙、厚紙、封筒に対しては、分離パッド圧値が大になってしまうので、その分の不送り防止上の補正として、給紙コロ圧値も若干大(数値2,4,3にそれぞれ対応する)に設定するとよい。
【0105】
そして、この変形例4においては、制御装置45は、用紙搬送上のトラブルとして不送りが発生したとき、該トラブルのパターンおよびその度合いに対応した情報を選択する上記条件変更設定手段からの信号に基づいて、設定された用紙6の種類に対応した給紙コロ圧値に係る修正搬送条件を自動的に選択して設定すると共に、上記給紙コロ圧値となるように給紙圧可変モータ25を制御する。
この場合、上記表2の基本的な考え方、表3および上記変形例1の表4に準じた考え方に基づき、上記トラブルのパターンとして不送りに係る修正搬送条件パターンテーブルを有し、該トラブルのパターンの度合いが、不送りに係る修正搬送条件パターンテーブルから不送りを選択して設定可能である。また、これに限らず、上記トラブルのパターンとして重送に係る修正搬送条件パターンテーブルを有し、該トラブルのパターンの度合いが、重送に係る修正搬送条件パターンテーブルから重送を選択して設定可能である。
【0106】
(変形例5)
この変形例5は、第1の実施形態の3つの搬送条件から給紙パッド圧と排紙ジャンプ板角度とを除去して、分離パッド圧を単独で可変設定するものであり、その一例を下表9に示す。そのために、本変形例5では、第1の実施形態の分離圧調整機構を有し、制御装置45は、設定された用紙6の種類に対応した搬送条件の中から分離圧値としての分離パッド圧値を選択して、該分離パッド圧値となるように分離圧可変モータ29を制御するものである。
【0107】
【表9】
【0108】
以下に表9の内容について補足説明する。分離パッド圧だけを変える場合には、給紙コロ圧値を大体2に設定する。すると、厚紙、封筒に対しては、給紙コロ圧値が小になってしまうので、その分の不送り防止上の補正として、分離パッド圧値も若干小(数値1に対応する)に設定するとよい。
【0109】
そして、この変形例5においては、制御装置45は、用紙搬送上のトラブルとして重送が発生したとき、該トラブルのパターンおよびその度合いに対応した情報を選択する上記条件変更設定手段からの信号に基づいて、設定された用紙6の種類に対応した分離パッド圧値に係る修正搬送条件を自動的に選択して設定すると共に、上記分離パッド圧値となるように分離圧可変モータ29を制御する。
この場合、上記表2の基本的な考え方、表3および上記変形例1の表4に準じた考え方に基づき、上記トラブルのパターンとして重送に係る修正搬送条件パターンテーブルを有し、該トラブルのパターンの度合いが、重送に係る修正搬送条件パターンテーブルから重送を選択して設定可能である。また、これに限らず、上記トラブルのパターンとして不送りに係る修正搬送条件パターンテーブルを有し、該トラブルのパターンの度合いが、不送りに係る修正搬送条件パターンテーブルから不送りを選択して設定可能である。
【0110】
本発明は、第1の実施形態や変形例1ないし5等に限らず、例えば給紙圧調整機構、分離圧調整機構、排紙ジャンプ板角度調整機構および給紙台角度調整機構等を適宜組み合わせた調整機構を具備する印刷装置において、制御手段が、用紙種類設定手段あるいは条件変更設定手段からの信号に基づいて、その調整機構に係る最適な搬送条件を自動的に選択してその選択された搬送条件となるように該調整機構の可変駆動源を制御するように構成できることは言うまでもない。
以上述べたとおり、本発明を実施例を含む特定の実施形態等について説明したが、本発明の構成は、上述した実施形態等に限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および目的・用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0111】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、上記構成により、制御手段は条件変更設定手段からの信号に基づいて、予め記憶されている修正搬送条件を自動的に選択して設定することにより、どんな種類のトラブルがどの程度発生するかによって表示手段(例えば操作パネルの液晶表示等)を見ながらその状況を選択・設定するだけで、制御手段が一度設定された各種の搬送条件設定を自動的に変更して、トラブル発生防止のための最適な修正搬送条件に切り替え設定するので、用紙搬送上のトラブルへの対処操作を非常に簡単にすることができる。
【0118】
請求項2記載の発明によれば、上記構成により、制御手段は選択設定された給紙不送りトラブルの度合いに応じて、修正搬送条件の中から給紙圧値を選択して、該給紙圧値となるように給紙圧可変駆動源を制御することにより、請求項1記載の発明の効果に加えて、給紙不送りあるいは給紙ジャム等の給紙部における用紙搬送上のトラブルを未然に防止することができる。
【0121】
請求項3記載の発明によれば、上記構成により、制御手段は選択設定された給紙重送トラブルの度合いに応じて、修正搬送条件の中から分離圧値を選択して、該分離圧値となるように分離圧可変駆動源を制御することにより、請求項1記載の発明の効果に加えて、給紙重送あるいは給紙ジャム等の給紙部における用紙搬送上のトラブルを未然に防止することができる。
【0124】
請求項4記載の発明によれば、上記構成により、制御手段は選択設定された給紙不送りトラブルの度合いと選択設定された給紙重送トラブルの度合いとに応じて、修正搬送条件の中から少なくとも給紙圧値および分離圧値を選択して、該給紙圧値となるように給紙圧可変駆動源を、分離圧値となるように分離圧可変駆動源をそれぞれ制御することにより、少なくとも給紙重送、給紙不送りあるいは給紙ジャム等に係る給紙部における用紙搬送上のトラブルを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態が適用された孔版印刷装置の概略的な正面図である。
【図2】図1に示した孔版印刷装置の用紙サイズ検出機構および給紙台周りの一部を破断して示す斜視図である。
【図3】図1に示した孔版印刷装置の制御ブロック図である。
【図4】図1に示した孔版印刷装置の操作パネルの要部の平面図である。
【図5】図4に示した液晶表示部の画面表示が用紙種類キーにより切り替えられた表示状態を示す液晶表示部周りの要部の平面図である。
【図6】図5に示した液晶表示部の画面表示が条件変更キーにより切り替えられた表示状態を示す液晶表示部周りの要部の平面図である。
【図7】第1の実施形態の変形例1を示す図であって、図6に示した液晶表示部の画面表示が初期設定キーにより切り替えられた表示状態を示す液晶表示部周りの要部の平面図である。
【図8】図7に示した液晶表示部の画面表示が設定キーにより切り替えられた表示状態を示す液晶表示部周りの要部の平面図である。
【図9】第1の実施形態の変形例2を示す図であって、図4に示した液晶表示部の画面表示が用紙種類キーにより切り替えられた表示状態を示す液晶表示部周りの要部の平面図である。
【図10】第1の実施形態の変形例3を示す図であって、給紙台角度調整機構周りの要部の正面図である。
【符号の説明】
6 用紙
12 給紙手段としての給紙コロ
13 分離手段を構成する分離コロ
14 分離手段を構成する分離パッド
45 制御手段としての制御装置
46 操作パネル部としての操作パネル
47 液晶表示装置としての液晶表示部
48a,48b 用紙種類設定手段および条件変更設定手段を兼ねる左・右矢印キー
48c 条件変更設定手段としての条件変更キー
48d 用紙種類設定手段および条件変更設定手段を兼ねる設定キー
51 初期設定キー
52 用紙種類設定手段としての用紙種類キー
53 用紙種類設定手段および条件変更設定手段を兼ねる十字カーソルキー
Claims (4)
- 用紙を給紙手段で送り出し、送り出された用紙を分離手段で分離して搬送し、印刷を行なう印刷装置において、
給紙搬送条件を変えて設定することが可能な制御手段と、
用紙搬送上のトラブルが発生したとき、該トラブルのパターンおよびその度合いを表示する表示手段と、
上記トラブルが発生したとき、該トラブルのパターンおよび上記度合いに対応した情報を選択し設定する条件変更設定手段とを有し、
上記制御手段は、上記条件変更設定手段からの信号に基づいて、予め記憶されている修正搬送条件を自動的に選択して設定することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
給紙圧可変駆動源を備えた給紙圧調整機構を具備し、
上記トラブルのパターンとして給紙不送りを有し、
上記制御手段は、選択設定された上記給紙不送りトラブルの度合いに応じて、上記修正搬送条件の中から給紙圧値を選択して、該給紙圧値となるように上記給紙圧可変駆動源を制御することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
分離圧可変駆動源を備えた分離圧調整機構を有し、
上記トラブルのパターンとして給紙重送を有し、
上記制御手段は、選択設定された上記給紙重送トラブルの度合いに応じて、上記修正搬送条件の中から分離圧値を選択して、該分離圧値となるように上記分離圧可変駆動源を制御することを特徴とする印刷装置。 - 請求項1記載の印刷装置において、
少なくとも、給紙圧可変駆動源を備えた給紙圧調整機構と分離圧可変駆動源を備えた分離圧調整機構とを具備し、
上記トラブルのパターンとして、少なくとも給紙不送りと給紙重送との2つを有し、
上記制御手段は、選択設定された上記給紙不送りトラブルの度合いと、選択設定された上記給紙重送トラブルの度合いとに応じて、上記修正搬送条件の中から給紙圧値および分離圧値を選択して、該給紙圧値となるように上記給紙圧可変駆動源を、および上記分離圧値となるように上記分離圧可変駆動源をそれぞれ制御することを特徴とする印刷装置。
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