JP2002137836A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JP2002137836A
JP2002137836A JP2000337667A JP2000337667A JP2002137836A JP 2002137836 A JP2002137836 A JP 2002137836A JP 2000337667 A JP2000337667 A JP 2000337667A JP 2000337667 A JP2000337667 A JP 2000337667A JP 2002137836 A JP2002137836 A JP 2002137836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
separation
feed
pad
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000337667A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Endo
健治 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP2000337667A priority Critical patent/JP2002137836A/ja
Publication of JP2002137836A publication Critical patent/JP2002137836A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sheets, Magazines, And Separation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 用紙に対する摩擦係数の異なる複数種類の分
離パッドを用紙種類に応じて切換えた場合にレジストロ
ーラによる送り量条件も最適化し得る画像形成装置を提
供する。 【解決手段】 用紙種類に応じて分離パッド1又は2が
分離部材自動切換機構により自動的に切換えられた場合
には、レジストローラ81,82の圧胴306上のクラ
ンパ307に対する送り量条件も切換えられた分離パッ
ド1又は2に合わせて自動的に選択して設定すること
で、摩擦係数の異なる何れの分離パッド1又は2を用い
る場合であっても、レジストローラ81,82からクラ
ンパ307によるクランプ位置への用紙送りが安定する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、摩擦分離方式を用
いた給紙装置を備える印刷機、複写機、プリンタ等の画
像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置のうちの印刷機の一例とし
ての孔版印刷装置では、製版されて版胴上に巻付けられ
たマスタに対して、給紙装置側からレジストローラを介
して所定のタイミングで送られてくる用紙を圧胴やプレ
スローラ等の押圧手段で押付け、この押圧作用により版
胴内部から供給されるインキをマスタの穿孔部から滲み
出させて用紙上に転移させインキ画像を形成することが
行なわれている。複写機やプリンタ等では、給紙装置側
からレジストローラを介して所定のタイミングで送られ
てくる用紙に感光体等の像担持体上に形成されたトナー
像を転写手段により転写させトナー画像を形成すること
が行なわれている。
【0003】この種の画像形成装置で用いられる給紙装
置では、給紙台(給紙トレイ)又は給紙カセットに複数
枚の用紙が積載収容されており、その最上位紙に給紙コ
ロを接触させて送り出すとともに、給紙コロにより重な
った状態で送り出される用紙を分離パッド(分離部材)
及び分離コロの協働作用により1枚ずつに分離して送り
出すように構成されている。このような用紙の分離は、
重なり合った用紙間の摩擦力よりも分離パッドと用紙と
の間の摩擦力を大きくすることによって、下層の用紙は
残されて最上位の用紙だけが送り出されるもので、一般
に、摩擦分離方式と称されている。
【0004】とりわけ、印刷機の中でも孔版印刷機にお
いては、多種多様な用紙が使用されている。一般に、用
紙は、標準紙、薄紙、厚紙に分類される。例えば、標準
紙としては上質紙(上質55kg紙、孔版上質紙等)、
中質紙、再生紙等があり、薄紙としては薄手の熨斗紙や
上質45kg紙等があり、厚紙としては上質135kg
以上の紙、画用紙、はがき等がある。用紙の種類(サイ
ズを含む)等が異なると、用紙の厚さや表面性状等の紙
質や重さが異なるため、分離給紙に際しての摩擦力が変
化し、分離条件の不適合が生ずる。これにより、用紙が
重なって送られる「重送」や、用紙が送られない「不送
り」といった給紙ミス(給紙不具合)や、厚紙の紙剥け
を起こしやすい。これは、用紙の種類等に応じて給紙圧
や分離圧等の給紙条件の最適値が異なることを裏付けて
いる。
【0005】このように、孔版印刷装置等の画像形成装
置に使用される用紙は多種多様であるため、1つの種類
の分離パッド等を用いて給紙圧や分離圧等を段階的に調
整するだけでは全ての用紙において給紙条件の最適化を
確保することが困難であり、給紙トラブルを高精度に抑
制することができない。
【0006】一方、同じ分離圧でも分離パッドの材質の
違いや表面性状の違いにより摩擦力が異なり、給紙性能
が変化する。このため、用紙の種類等を分類し、各々に
最適な分離パッドを実験的に決定して複数種類用意し、
用紙の種類等に応じて分離パッドの種類を適宜交換する
ことが行なわれている。
【0007】ところが、このような分離パッドの交換等
が手動式であると非常に面倒である等の不都合があるの
で、例えば、特開2000−247467号公報によれ
ば、複数種類の分離パッド等の分離部材を備え、分離部
材切換機構よりこれらの分離部材を自動的に切換えると
ともに、その切換えを用紙の種類に応じて自動的に行な
わせるようにした発明が提案されている。さらには、分
離部材の切換えに対応して、給紙圧、分離圧等の給紙条
件も自動的に切換え設定するようにしている。同公報提
案例によれば、用紙種類に応じて自動的に分離部材の切
換え、給紙条件の切換え設定を行なうことができ、用紙
の種類を問わず、重送や不送りの少ない安定した給紙が
可能となる。
【0008】一方、この種の孔版印刷機等の画像形成装
置では給紙装置から分離給紙された用紙を印刷画像の画
像位置との同期がとれるように一対のレジストローラに
より圧胴等に向けて所定のタイミングで送り込む処理が
行なわれる。例えば、圧胴クランプ方式の孔版印刷機の
場合であれば、クランパ位置を考慮した所定位置を基準
に圧胴の回動量を圧胴パルスとしてセンサにより計数す
る一方、圧胴の所定位置に対して所定のタイミング(フ
ィードディレイ)だけ遅れたタイミングでレジストロー
ラを回転駆動させて用紙をクランパに向けて送り込むこ
とによりクランパによるクランプ位置との同期をとら
せ、用紙先端をクランパによって圧胴上にくわえ込ませ
るようにしている。従って、レジストローラによる送り
量が、圧胴クランプ方式の場合であればクランパによる
紙くわえの安定化、用紙ジャムの低減化等に重要であ
り、プレスローラ方式の場合であればプレスローラ・版
胴間に用紙を突き当てるので、画像位置精度の向上のた
めに重要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
従来にあっては、レジストローラによる送り量の重要性
に鑑み、用紙種類(用紙サイズを含む)、印刷速度、給
紙圧又は分離圧或いはこれらの要素の組合わせに応じ
て、レジストローラの送り量を変更するように制御して
いる。この場合の送り量は任意に変更可能であるが、初
期値としては、予め実験等で求めた値が入力設定されて
いる。
【0010】ところが、前述した特開2000−247
467号公報等に示される異なる種類の分離パッドの自
動切換え方式の場合、用紙種類に基づく分離パッドの切
換えに伴い給紙圧、分離圧、或いは、用紙送り量だけを
補正するようにしており、分離パッドの切換えによるレ
ジストローラ側への影響は考慮されておらず、不具合を
生ずることがある。
【0011】例えば、分離パッドの種類が標準用から特
殊用に切換えられた場合、分離パッドの摩擦係数μが低
くなるため、用紙にかかる給紙装置側の負荷が減り、レ
ジストローラ部分でのスリップ量が小さくなることか
ら、用紙がレジストローラによって多く送られ過ぎる傾
向を示す。この結果、クランパによる紙くわえが不安定
となり、用紙先端にきずやしわを生じたり、二重折れや
クランプミスによりジャムの原因となってしまうことが
ある。また、これがプレスローラ方式の場合であれば、
版胴とのニップ部に対して用紙先端を送り過ぎることか
ら画像位置のずれが発生してしまう。
【0012】そこで、本発明は、用紙に対する摩擦係数
の異なる複数種類の分離パッド等の分離部材を用紙種類
に応じて切換えた場合にレジストローラによる送り量条
件も最適化し得る画像形成装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
れば、摩擦分離方式の分離部材により1枚ずつに分離さ
れて給紙される用紙を一対のレジストローラにより所定
のタイミングで画像印刷部に搬送させる画像形成装置に
おいて、用紙に対する摩擦係数が異なる複数の前記分離
部材と、これらの複数の分離部材を自動的に切換えるた
めの駆動源を含む分離部材自動切換機構と、用紙の種類
に応じて予め設定されている前記分離部材を自動的に選
択して切換えるように前記駆動源を制御する制御手段
と、この制御手段により自動的に選択して切換えられた
前記分離部材に合わせて予め設定されている前記レジス
トローラの前記画像印刷部に対する送り量条件を自動的
に選択して設定するレジスト送り制御手段と、を備え
る。
【0014】従って、分離部材が分離部材自動切換機構
により自動的に切換えられた場合には、レジストローラ
の画像印刷部に対する送り量条件もその分離部材に合わ
せて自動的に選択して設定するので、何れの分離部材を
用いる場合であっても、レジストローラから画像印刷部
への用紙送りを安定させることができる。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の画
像形成装置において、前記画像印刷部が、製版されたマ
スタが外周面に巻付けられる版胴と、用紙をこの版胴に
押付ける押圧手段と、前記版胴上のマスタにインキを供
給するインキ供給装置とよりなる。
【0016】従って、請求項1記載の発明を版胴を用い
るいわゆる孔版印刷機に適用できる。
【0017】請求項3記載の発明は、請求項2記載の画
像形成装置において、前記押圧手段が、前記レジストロ
ーラから送り込まれる用紙先端を把持するクランパを有
する圧胴であり、前記レジストローラを駆動するための
モータにフィードパルスを付与するタイミングを規定す
るフィードディレイタイミングと前記レジストローラを
通過した用紙先端を検知するフィードセンサの検知出力
と前記版胴に従動して回転する前記圧胴の前記クランパ
の回動位置を示す所定の圧胴パルス数とを参照して前記
分離部材に応じた送り量条件が予め設定されている。
【0018】従って、請求項2記載の発明を実現する上
で、圧胴クランプ方式の場合に、クランパによる用紙く
わえを安定させることができ、用紙ジャムを低減させ得
る上に、用紙先端の傷やしわの発生も抑制できる。
【0019】請求項4記載の発明は、請求項2記載の画
像形成装置において、前記押圧手段が、プレスローラで
ある。
【0020】従って、請求項2記載の発明を実現する上
で、プレスローラ方式の場合に、圧胴とプレスローラと
のニップ部に対する用紙送り量が安定するため、画像位
置制度の高い印刷が可能となる。
【0021】請求項5記載の発明は、請求項1ないし4
の何れか一に記載の画像形成装置において、前記分離部
材が、分離ローラに対向接触する分離パッドである。
【0022】従って、摩擦分離方式の分離部材として最
も一般的な分離パッドを用いる場合に効果的に適用でき
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図面に基
づいて説明する。本実施の形態の画像形成装置は、圧胴
クランプ方式の孔版印刷装置への適用例を示す。
【0024】この孔版印刷装置200は、図1を参照す
ると、製版されたマスタ53を外周面に巻付ける多孔性
円筒状の印刷ドラム(版胴)51と、既に印刷ドラム5
1に巻装されている使用済みのマスタ53を印刷ドラム
51の外周面から剥離し収納する排版部230と、マス
タ53を製版し搬送する製版書込み部220と、排版部
230、原稿の画像を読み取る原稿読取部210と、印
刷ドラム51内に配設され印刷ドラム51上のマスタ5
3にインキを供給するインキ供給装置301と、印刷ド
ラム51の下方に配設され、給送されて来た用紙56を
印刷ドラム51の外周面上のマスタ53に押付ける押圧
手段としての圧胴306と、印刷用の用紙56を印刷ド
ラム51と圧胴306との間に向けて給送する給紙装置
を備えた給紙部240と、排紙部260とを具備してい
る。印刷ドラム51、インキ供給装置301及び圧胴3
06は、画像印刷部250を構成している。
【0025】印刷ドラム51の外周の一部にはクランパ
52が設けられており、このクランパ52で製版書込み
部220から供給される製版済みのマスタ53の先端部
が挟持され、印刷ドラム51の矢印方向の回転によって
マスタ53が印刷ドラム51に巻付けられて装着され
る。
【0026】給紙部240は、給紙台54、給紙コロ部
32、分離部31、一対のレジストローラ81,82等
を具備している。用紙20を積載する給紙台54は、図
示しない案内手段により保持されて昇降可能に設けられ
ており、例えばステッピングモータによる給紙台昇降モ
ータ59により、その回転軸に固定されたピニオンギヤ
61と、給紙台54に固定されピニオンギヤ61と噛み
合うラック60とを介して昇降駆動されるようになって
いる。給紙台54の上方に設けられた給紙コロ部32
は、積載された用紙56を最上位紙から順に送り出す給
紙コロ62と、後述する分離部材としての分離パッド
1,2の何れかとの協働作用によって送り出された用紙
56を1枚ずつに分離して搬送する分離コロ63と、給
紙圧を調整するための給紙圧調整機構等とを具備してい
る。
【0027】分離コロ63は、装置本体フレーム76に
支持された軸65に設けられており、軸65の近傍には
分離コロ63を回転駆動するためのステッピングモータ
からなる給紙駆動モータ66が配置されている。軸65
は、これに設けられた2連の従動プーリと給紙駆動モー
タ66の出力軸に設けられた駆動プーリとの間に掛け渡
されたタイミングベルト67を介して給紙駆動モータ6
6で回転駆動される。
【0028】軸65を回転中心として、給紙アーム68
が揺動可能に設けられており、給紙アーム68の他端側
には軸69を介して給紙コロ62が回転可能に保持され
ている。給紙コロ62は、給紙アーム68と一体で軸6
5の周りに上下方向に揺動する。また、分離コロ63の
軸65に設けられた2連の従動プーリと給紙コロ62の
軸69に設けられた給紙プーリとの間にはタイミングベ
ルト70が掛け渡されており、給紙コロ62は給紙駆動
モータ66により分離コロ63と同時に回転駆動される
ようになっている。
【0029】給紙台54の上方には、給紙台54に積載
された用紙56の最上面の上死点位置を検知するための
上死点検知センサ71が装置本体フレーム76に設けら
れている。上下方向に揺動する給紙アーム68の上端が
上死点検知センサ71の接触子71aに当接することで
上死点検知がなされる。給紙台54の下方には、下死点
検知センサ94が設けられている。分離コロ63の近傍
上方に設けられた給紙圧調整機構は、その一端が給紙ア
ーム68に係止された給紙圧スプリング72(引張バ
ネ)と、ラック部73aを有し図示しない案内手段で上
下方向に案内されるスライダ73と、その出力軸にラッ
ク部73aと噛み合うピニオンギヤ74が固定され、ス
ライダ73を上下方向に移動させるステッピングモータ
からなる給紙圧可変モータ75と、スライダ73の移動
量を検知するための給紙圧位置検知センサ36(図12
参照)とから構成されている。
【0030】給紙圧スプリング72の付勢力によって給
紙アーム68を介して給紙コロ62に回転モーメントが
働き、給紙圧が生じる。給紙圧可変モータ75の回転駆
動により、スライダ73が図1において上方向に移動さ
れると、給紙圧スプリング72の引っ張り長さが大きく
なることで付勢力が増加し、給紙圧が大きくなる。従っ
て、給紙圧可変モータ75の回転駆動によって給紙圧を
段階的に調整することができる。
【0031】分離部31は、図2及び図3に示すよう
に、用紙56に対する摩擦係数が異なる複数の分離パッ
ド1,2を備え、これらの分離パッド1,2を何れか一
方に自動的に切換えるための分離部材自動切換機構を具
備した分離パッド切換部Cと、分離パッド1,2の角度
を自動的に切換えるための分離角度自動切換機構を具備
した分離パッド角度切換部Bと、分離パッド1,2の何
れか一方の分離圧を調整する分離圧調整機構を具備した
分離パッド圧切換部Aとから主に構成されている。
【0032】分離パッド圧切換部Aはユニット化されて
おり、その組立て及び分解が容易である他、分離パッド
切換部C及び分離パッド角度切換部Bを含めて組立てや
分解が容易な構造となっている。分離パッド切換部C
は、分離パッド角度切換部B及び分離パッド圧切換部A
を含んでおり、分離パッド角度切換部Bは分離パッド圧
切換部Aを含んでいる。
【0033】分離パッド圧切換部Aは、上述した分離パ
ッド1,2と、各分離パッド1,2を各々上下方向にス
ライド可能に案内する一対のパッドホルダガイド3,3
と、これらの一対のパッドホルダガイド3,3が固定し
て取付けられ、分離パッド1,2の角度を切換え可能に
変位させる角度可変部材12と、その一端が各分離パッ
ド1,2のホルダ1b,2bに各々係止された加圧スプ
リング4,4(圧縮バネ)と、各加圧スプリング4,4
の他端を係止すると共に、2本のスライド用の段付ネジ
6,6を介して上下方向に移動可能に支持され、ラック
部5bを備えた加圧板5と、角度可変部材12に回転自
在に支持され、ラック5bと噛み合うピニオンギヤ11
と、ピニオンギヤ11と同軸的に設けられたウォームホ
イール10と、ウォームホイール10と噛み合うウォー
ム9と、角度可変部材12に固定され、ウォーム9を固
設した出力軸7aを備えた分離圧可変モータ7と、加圧
板5の移動量を検知するための5つの分離圧位置検知セ
ンサ8a〜8eからなる分離圧位置検知センサ群8とを
具備する。
【0034】分離パッド1,2は、用紙56を1枚ずつ
に確実に分離する分離部材としての機能を有し、本実施
の形態では、説明の簡明化を図るため、標準用及び特殊
用の2種類があるものとして説明する。また、用紙56
の種類は、標準、薄紙、厚紙の3つに分類されているも
のとする。各分離パッド1,2は、図2ないし図5に示
すように、用紙56に対する摩擦力を作用させる部分で
あるパッド1a,2aと、各パッド1a,2aを貼着し
ている部分であるホルダ1b,2bとから主に構成され
ている。各パッド1a,2aとしては、その種類別に、
用紙56に対する摩擦係数に係る材質が互いに異なるも
のが用いられる。パッド1aの種類は標準用であり、こ
れには例えば用紙56の種類:標準紙に対応してエチレ
ン・プロピレンゴム(EPDM)系やウレタン系の摩擦
係数の高いもので、μ=1.1〜1.3位のものが用い
られる。一方、パッド2aの種類は特殊用であり、これ
には例えば用紙56の種類:厚紙に対応してウレタン系
やエチレン・プロピレンゴム(EPDM)系のもので、
μ=0.8〜1.0位のものが用いられる。
【0035】各ホルダ1b,2bは、図5に示すよう
に、例えばポリアセタール樹脂(POM)やポリアミド
樹脂(PA)等の合成樹脂で一体成形されており、その
内部は肉抜きがなされている。各ホルダ1b,2bの内
部には、加圧スプリング4受け用のリブ1c、2cが一
体的に形成されている。なお、各ホルダ1b,2bの材
質は、上述のものに限らず、例えばアルミニウム等の金
属を用いてダイキャストにより一体的に形成しても勿論
構わない。各分離パッド1,2は、上述した分離部材自
動切換機構により自動的に切換え可能に設けられてお
り、分離パッド1,2の下方には、図7に示すように、
分離パッド1,2の種類を識別するためのパッド種類検
知センサ41が各々設けられている。これらのパッド種
類検知センサ41,41は、反射型の光学センサからな
り、例えば図6の位置にある各分離パッド1,2に対応
して、ホルダ1b,2bをスライド可能に収納している
パッドホルダガイド3,3の左側近傍に各々設けられて
いる。各パッドホルダガイド3,3には、図6に示すよ
うに、パッド種類検知センサ41用の窓3aが各々開け
られている。図5及び図6において、標準の分離パッド
1であるホルダ1bの左側面部には切欠き42が形成さ
れ、特殊の分離パッド2であるホルダ2bの左側面部に
は切欠き42が形成されていない。従って、パッド種類
検知センサ41は、切欠き42がない分離パッド2では
オンし、切欠き42がある分離パッド1ではオフするこ
とで、後述する制御装置は分離パッド1,2の種類を判
別できる。分離パッドの種類が2つ以上の場合には、切
欠き42の数を増やして区別し、パッド種類検知センサ
41の数は切欠き42の最大数とする。
【0036】なお、分離パッド種類識別方式は、上述し
たものに限らず、切欠き42に代えて透孔としてもよい
し、分離パッド1,2のホルダ1b,2bの上部壁面を
例えば白色及び黒色というように色分け表示してもよ
い。色の違いにより反射率が異なり、これによりパッド
種類検知センサ41が受光する反射光量に差が生じ、パ
ッド種類検知センサ41からの反射光量に係る出力信号
のレベルによって制御装置が分離パッド1,2の種類を
判別する。この方式の場合、ホルダ1b,2bの表面全
体を着色したり、上部壁面のみ、或いはパッド種類検知
センサ41の光照射がなされる部分のみ着色するように
してもよい。
【0037】角度可変部材12は概略筐体状をなしてい
る。角度可変部材12の上部には図2に示すように、パ
ッドホルダガイド3,3の下部を取付ける切り欠き部1
2aが形成され、角度可変部材12の下部には、その左
側壁部から突出した遮光片12bが形成されている。加
圧板5は、側面視で倒立した略L字状をなし、加圧板5
には上下方向に長い長孔5aが形成されている。加圧板
5は、2本の段付ネジ6,6を長孔5aに挿通し角度可
変部材12に螺合させることにより、これらの段付ネジ
6,6及び長孔5aの組合せにより上下方向に案内さ
れ、スライド可能になっている。分離圧可変モータ7
は、ステッピングモータからなり、分離圧を変える分離
圧可変駆動手段としての機能を有する。各分離圧位置検
知センサ8a〜8eは、発光部及び受光部を具備した透
過型の光学センサからなる。分離圧位置検知センサ群8
は、各分離圧位置検知センサ8a〜8eが加圧板5の下
部に突出形成された遮光片5cと選択的に係合すること
で、加圧板5の移動量を検知する。
【0038】上述した通り、分離圧調整機構は、分離パ
ッド1,2、加圧スプリング4、加圧板5、ラック5
b、ピニオンギヤ11、ウォームホイール10、ウォー
ム9、分離圧可変モータ7及び分離圧位置検知センサ群
8から構成されている。分離圧調整機構の構成部品の大
半は、角度可変部材12をいわばベース部材としてこれ
に組付けられている。また、分離圧調整機構は、以下の
理由により、用紙56に対する分離圧を自動的に解除す
る分離圧解除駆動手段としての分離圧可変モータ7を備
えた分離圧解除機構であると見ることもできる。例え
ば、分離パッド2は、図4に示すように、通常、分離パ
ッド2のパッド2aが前面板30の角孔30aから突出
して用紙56を介して分離コロ63と当接している分離
圧発生状態にあるため、この分離パッド2を分離パッド
1に自動的に支障なく切換えるためには上述した分離圧
発生状態を解除しなければならない。これは、図2及び
図3に示すように、分離圧可変モータ7を駆動すること
により、分離パッド2のパッド2a上面部が前面板30
の角孔30aから完全に下がった非接触状態の位置とな
るように、加圧板5を下降させて、分離パッド2のパッ
ド2aやホルダ2bを前面板30の角孔30aに引っか
けたり、分離コロ63との当接状態での移動により互い
に傷つけたり、或いは前面板30の裏面壁と摺接したり
してパッド2aやホルダ2bが損傷するのを防止するた
めである。
【0039】ここで、上述の分離圧調整機構の細部の動
作を説明しておく。給紙動作が始まる前には、分離部材
自動切換機構により何れか一方の分離パッド1又は2に
自動的に切換えられる。ここで例えば、図4に示すよう
に、分離パッド2の方に自動的に切換えられた分離パッ
ド2は、その上部が前面板30の角孔30aから突出し
て分離コロ63と当接する状態にあり、分離パッド2が
加圧スプリング4の加圧力によって分離コロ63に押付
けられることで分離圧が生じる。分離圧可変モータ7の
回転駆動により、その回転駆動力がウォーム9、ウォー
ムホイール10、ピニオンギヤ11、ラック5bへと伝
達されて、加圧板5が段付ネジ6に案内・支持されなが
ら図2及び図3において上方向に移動すると、加圧スプ
リング4の圧縮長さが短く(小さく)なることで加圧力
(圧縮荷重)が増加し、分離圧が大きくなる。これとは
反対に、分離圧可変モータ7の回転駆動により、加圧板
5が図2及び図3において下方向に移動すると、加圧ス
プリング4の圧縮長さが長く(大きく)なることで加圧
力(圧縮荷重)が減少し、分離圧が小さくなる。従っ
て、分離圧可変モータ7の回転駆動によって、分離圧を
段階的に調整することができ、分離圧可変モータ7及び
5つの分離圧位置検知センサ8a〜8eを備えた分離圧
位置検知センサ群8等により、分離圧を5段階に調整す
ることができる。なお、上述したよりもさらに分離圧を
多段階に自動的に切換えたいのであれば、その分離圧検
知センサ群の分離圧位置検知センサを増加させると共
に、分離圧可変モータ7をそれに対応して制御すればよ
い。
【0040】分離パッド角度切換部Bは、上述した分離
パッド圧切換部Aと、2本の支点段付ネジ13,13の
挿通部を回転中心として揺動自在な角度可変部材12
と、角度可変部材12の右側壁下部に固定された角度可
変ギヤ16と、可動部材18に固定され、扇状をなす角
度可変ギヤ16に噛み合う駆動ギヤ15をその出力軸に
有する角度可変モータ14と、角度可変部材12の揺動
変位を介して分離パッド1又は2の角度を検知する角度
検知センサ群17とから構成されている。
【0041】可動部材18における上部の用紙幅方向Y
には、図2に示すように、角度可変部材12の左右側部
を軸支するための支持部18bが各々切り曲げ形成され
ている。可動部材18における下部の用紙幅方向Yに
は、可動部材18の用紙幅方向Yへの移動を案内するた
めの長孔18aが形成されている。可動部材18におけ
る用紙幅方向Yの左右端部には、遮光片18e,18f
が各々その外側へ向けて突出・形成されている。可動部
材18における用紙幅方向Yの左右端部には、ボールネ
ジ20の軸部及びネジ部を用紙幅方向Yに移動可能に、
かつ、回転可能に嵌入する嵌入部18c,18dが各々
一体的に切り曲げ形成されている。角度可変部材12
は、2本の支点段付ネジ13,13を角度可変部材12
の左右上側部に形成された孔(図示せず)に挿通し左右
一対の支持部18b,18bに螺合させることにより、
図3において時計回り及び反時計回り方向に所定の角度
範囲に亘り揺動可能とされている。角度可変モータ14
は、ステッピングモータからなり、分離角度自動切換機
構の駆動源の機能を有し、分離パッド角度切換部Bのい
わばベース部材である可動部材18に取付け固定されて
いる。角度検知センサ群17は、角度可変部材12の揺
動角度を検知するための発光部及び受光部を具備した透
過型の光学センサによる3つの角度検知センサ17a〜
17cを具備している。角度検知センサ群17は、各角
度検知センサ17a〜17cが遮光片12bと選択的に
係合することで角度可変部材12の揺動角度、即ち分離
パッド1又は2の角度を検知する。上述した通り、分離
角度自動切換機構は、分離パッド圧切換部A、角度可変
部材12、支点段付ネジ13,13、角度可変ギヤ1
6、駆動ギヤ15、角度可変モータ14及び角度検知セ
ンサ群17から構成されている。
【0042】分離パッド切換部Cは、上述した分離パッ
ド圧切換部A及び分離パッド角度切換部Bと、可動部材
18の右端側部に一体的に切り曲げ形成された部位に固
定されたボールナット19と、このボールナット19と
螺合し、ボールナット19との協働により可動部材18
を用紙幅方向Yに移動させるボールネジ20と、ボール
ネジ20の一端部に固定されたウォームホイール21
と、ウォームホイール21と噛み合うウォーム22と、
ネジ軸受部材27bを介して基板28に固定され、ウォ
ーム22をその出力軸に有するパッド切換モータ23
と、可動部材18の移動位置を検知することにより、分
離パッド1,2の切換位置を検知するための2つの切換
検知センサ25,26とを具備する。
【0043】基板28はネジを介して前面板30に固定
されている。基板28上には、ボールネジ20の左側の
軸端を回転自在に支持すると共に、これを図示しない止
め輪等により用紙幅方向Yに移動不能に支持するネジ軸
受部材27aと、ボールネジ20の右側の軸端部を回転
自在に支持すると共に、図示しない止め輪等により用紙
幅方向Yに移動不能に支持するネジ軸受部材27bとが
ネジを介して固定されている。可動部材18は、2本の
段付ネジ24,24を長孔18aに挿通し基板28に螺
合させることにより、段付ネジ24,24及び長孔18
aの組合せによって、図2において用紙幅方向Yに移動
可能に案内支持される。
【0044】パッド切換モータ23は、ステッピングモ
ータからなり、分離部材自動切換機構の駆動源の機能を
有し、分離パッド切換部Cのいわばベース部材である基
板28にネジを介して固設されたネジ軸受部材27bに
取付け固定されている。
【0045】発光部及び受光部を具備した透過型の光学
センサからなる各切換検知センサ25,26は、遮光片
18e,18fと選択的に係合することで可動部材18
の移動位置、即ち、分離パッド1又は2の切換位置を検
知する。上述した通り、分離パッド自動切換機構は、分
離パッド圧切換部A、分離パッド角度切換部B、ボール
ナット19、ボールネジ20、ウォームホイール21、
ウォーム22、パッド切換モータ23及び切換検知セン
サ25,26から構成されている。
【0046】ここで、上述の分離パッド自動切換機構の
細部の動作を説明しておく。パッド切換モータ23を駆
動すると、その回転駆動力がウォーム22、ウォームホ
イール21、ボールネジ20(例えば、右ネジ)へと伝
達され、次いでボールナット19とボールネジ20の協
働作用によって、ボールネジ20の右ネジの進み方向と
反対の方向に可動部材18が段付ネジ24に案内・支持
されながら、分離パッド圧切換部A及び分離パッド角度
切換部Bと共に一体となって移動する。これにより、分
離パッド1又は2の種類が自動的に切換えられ、その切
換えられた分離パッド1又は2の切換位置は切換検知セ
ンサ25,26によって適宜検知される。
【0047】なお、分離パッドの種類を上述した例より
も多くの種類に自動的に切換えたいのであれば、その切
換検知センサをそれに対応して増加させると共に、パッ
ド切換モータ23をそれに対応して制御すればよい。ま
た、可動部材18の切換位置を検知する切換位置検知手
段としては、切換検知センサ25,26に限らず、例え
ばパッド切換モータ23にフォトエンコーダを設けると
共に、可動部材18のホームポジションを検知する1つ
のホームポジション検知センサを設けたものであってよ
いし、パッド切換モータ23が開ループ制御可能なもの
であればパッド切換モータ23にフォトエンコーダだけ
を設けたものであってもよい。
【0048】印刷ドラム51の下方には、圧胴306が
配置され、この圧胴306の用紙搬送方向Xの上流側に
は、圧胴306のクランプ部に向けて用紙56を送り込
むための一対のレジストローラ81,82が設けられて
いる。
【0049】印刷ドラム51上のマスタ53に用紙56
を押付ける押圧手段としては、単純ローラ構造のプレス
ローラでもよいが、印刷工程において、用紙56の先端
部が印刷ドラム51に貼り付いたまま、エアーブロア
(エアーナイフ)84及び/又は排紙爪若しくは剥離爪
等で剥離できずジャムになる、いわゆる排紙(用紙)巻
き上がりを防止したり、騒音の低減を図ったり、用紙5
6の用紙搬送方向Xに対する印刷画像の位置精度(レジ
スト精度)の向上を図ったりする目的で、クランパ30
7を備えた圧胴306が用いられている。このクランパ
307を備えた圧胴306は、印刷ドラム51の外径と
略同径で、用紙56の先端部の2〜5mm位の部分をク
ランプしながら印刷ドラム51と反対方向に印刷ドラム
51の周速度と略同周速度で回転し、用紙56の先端部
を印刷ドラム51より強制的に剥離しながら印刷を行う
周知のものである。
【0050】圧胴306の外周部には、図8に示すよう
に、印刷ドラム51のクランパ52との衝突を避けるた
めに窪んだ凹部308が形成されている。この凹部30
8には、クランパ307と、このクランパ307をクラ
ンパ軸307aを介して開閉自在に取付けるためのクラ
ンパベース309とが設けられている。クランパ307
は、その基端部をクランパ307aに固定されており、
常時スプリング(図示せず)により閉じる向きに付勢さ
れている。クランパ307は、装置本体側に設けられた
カム(図示せず)により所定のタイミングで開き、用紙
56の先端部をクランプした後閉じることで、圧胴30
6の外周面上に用紙56を保持させる。圧胴306は、
その外径寸法(直径)を印刷ドラム51の外径寸法(直
径)と等しく形成され、印刷ドラム51が1回転したと
き、圧胴306も必ず1回転するようになっていて、圧
胴306の凹部308が印刷ドラム51のクランパ52
と対向する位置関係になっている。
【0051】このため、図8に示すように、給送されて
来た用紙56の先端部をクランプするクランパ307を
圧胴306上に設けることができ、用紙56の先端をク
ランパ307に突き当てるように給紙させることで用紙
56のレジスト精度を向上させることができる。図8に
示すような圧胴306におけるクランパ307の回転位
置(用紙クランプ位置)で、用紙56の先端をクランパ
307に突き当てた後、クランパ307が閉じること
で、用紙56の先端部がクランパ307によりクランプ
される。次いで、圧胴306におけるクランパ307の
回転位置が反時計回り方向に順次推移し、クランパ30
7が排紙爪320に至る直前の回転位置(用紙排出位
置)でクランパ307が開き、インキが用紙56に転写
される圧接位置より通り過ぎた位置で用紙56の先端部
が排出されるので、用紙56がインキの粘着力により印
刷ドラム51に巻き上がらないという利点がある。
【0052】圧胴306は、接離装置319により、印
刷ドラム51の外周面に対して接離自在とされている。
接離装置319は、支点軸311a,311bを中心と
して圧胴306を揺動し、圧胴306の両端部に固設さ
れている軸313を回転可能に支持する一対のアーム3
12a,312bと、各アーム312a,312bの他
端に各々回転自在に支持された一対のカムフォロア(図
示せず)と、各アーム312a,312bに配設され圧
胴306を印刷ドラム51に向けて押付ける向きに付勢
する一対の印圧スプリング314a,314bと、上述
の各カムフォロアに選択的に各々当接する一対の印圧カ
ム(図示せず)とから主に構成される。
【0053】この圧胴306に対しては、図8に示すよ
うに、クランパ307と所定の位置関係に設定されて圧
胴中心に対して円弧状に形成されて等ピッチの検知パタ
ーンが円周上に形成されたパルス板341と、圧胴30
6の回転に伴いこのパルス板341の検知パターンに基
づき圧胴パルスを検知するフォトインタラプタ型の圧胴
パルスセンサ342とが設けられている。
【0054】レジストローラ81,82は、ステッピン
グモータからなる駆動源としてのレジストモータ82A
を備えた駆動機構により矢印方向に回転駆動されるよう
になっており、用紙56の先端を印刷ドラム51の回転
に応じた所定のタイミングで送り出すようになってい
る。下側のレジストローラ82は、軸を備えた駆動ロー
ラであり、この軸には従動プーリ322が設けられてい
る。レジストローラ82は、上述の従動プーリ322と
レジストモータ82Aの出力軸に設けられた駆動プーリ
321との間に掛け渡されたタイミングベルト333を
介してレジストモータ82Aで回転駆動される。
【0055】レジストローラ81,82の用紙搬送方向
Xの上流側近傍には、用紙56の先端の到達を検知する
ための反射型の光学センサからなる用紙先端検知センサ
83が設けられている。また、レジストローラ81,8
2の用紙搬送方向Xの下流側近傍には、用紙56の先端
の到達を検知するための反射型の光学センサからなるフ
ィードセンサ84が設けられている。このフィードセン
サ84はクランパ307によるクランプ位置に対して所
定距離の位置に位置決め配置されている。
【0056】ここで、上述のレジストローラ81,82
〜圧胴306間の用紙搬送制御の細部の動作を図8及び
図11を参照して説明しておく。まず、給紙動作時にレ
ジストローラ81,82は停止状態にあり、給紙部24
0側から分離給紙された用紙56の先端がレジストロー
ラ81,82のニップ部に突き当たった状態にある。一
方、圧胴306は印刷ドラム51の周速度と略同一の周
速度で回転しており、その回転に伴い、クランパ307
の位置が順次移動し、用紙56に対する所定のクランプ
位置に近づく。この動作において、パルス板341の検
知パターンが圧胴パルスセンサ342により検知されて
から所定回動量進んだ位置を制御開始基準位置Aとし、
この制御開始基準位置Aの検知から所定のフィードディ
レイ量Tdが経過した時点で、レジストモータ82Aに
よるレジストローラ81,82の回転駆動を開始させ
る。この時、前述のように圧胴306は定速で回転して
いるのに対して、レジストローラ81,82はレジスト
モータ82Aが立上り特性を有するため、図11に示す
ような速度プロファイルに従い速度が変化し、一時的に
圧胴306の速度を越えた後、減速過程を経て、最終的
に圧胴306の速度と同一速度となるようにレジストモ
ータ82Aの動作が制御される。この減速のタイミング
が送り開始から圧胴パルスセンサ342により計数され
たパルス板341の検知パターンの計数値が所定の圧胴
パルス数に達した時点とされている。この一連の動作に
おいて、レジストローラ81,82により搬送される用
紙56の先端はフィードセンサ84により検知される。
このような送り制御の下に、用紙56がクランプ位置で
開放状態のクランパ307に突き当てられ、クランパ3
07の閉じ動作に伴いクランプされることとなる。
【0057】排紙部260は、エアーブロア84、排紙
搬送装置、排紙ジャンプ板90、排紙台87等を具備し
ている。排紙台87の上面には、用紙56aの衝突を受
け止めてその先後端面を揃えるためのエンドフェンス8
8と、用紙56の両側端面部をガイドして揃えるための
一対のサイドフェンス89,89が設けられている。
【0058】図1における装置本体フレーム76の上部
には、原稿読取部210と、この原稿読取部210のさ
らに上部に配置された図9に示す操作パネル110とが
配設されている。操作パネル110上には、図9に示す
ように、原稿画像の読取りから排版、製版、給版、版付
け印刷を含む印刷、排紙工程に至るまでの一連の工程
(動作)を起動するためのスタートキー111と、印刷
枚数等を設定・入力するテンキー113と、このテンキ
ー113で設定・入力された印刷枚数分の印刷動作の起
動を行うプリントキー112と、試し刷り印刷動作を起
動するための試しプリントキー113Aと、操作の状態
やメッセージ或いは選択されている機能等の表示をした
り、その機能を選択・設定するための操作内容を随時表
示したりする液晶表示部114と、液晶表示部114に
おける最下段部の長方形の区切り内に表示されている4
つの表示(「原稿種類」、「変倍」、「用紙種類」、
「位置調整」)に各々対応してそれらの下部に設定され
る4つのキーからなる選択キー群115と、液晶表示部
114に表示された機能を選択するために左右・上下の
何れか一つの方向に移行させるための4つの移行キー1
23c,123a,123b,123dを備えたスクロ
ールキー123等とが配置されている。
【0059】試しプリントキー113Aは、1回押すと
1枚通紙されて試し刷り印刷され、押し続けるとその枚
数分通紙されて試し刷り印刷される機能を有する。液晶
表示部114は、図示しない液晶表示装置に設けられた
液晶駆動回路を介して駆動されると共に、後述する制御
装置により液晶駆動回路を介して制御される。選択キー
群115は、図9において左から順に、「原稿種類」に
対応して原稿の文字種類を設定するための原稿種類キー
が、「変倍」に対応して原稿サイズに対応して縮小又は
拡大等の倍率設定をするための変倍キーが、「用紙種
類」に対応して用紙56の種類(紙種)を選択設定する
ための用紙種類キー119が、位置調整に対応して用紙
56に対する前後左右の印刷画像の位置を調整するため
の位置調整キーが各々示されているが、図9に示す選択
キー群115では用紙種類キー119以外の各キーを用
いた操作内容を説明する必要がなく、説明の簡明化を図
る上から各キーには符号を付していない。図9の液晶表
示部114に示されているプリントモード画面は、孔版
印刷装置200に配置されている電源スイッチ(図示せ
ず)のオン時に表示される基本的な初期画面を表してい
る。図9の液晶表示部114に表示されるプリントモー
ド画面における上段部の矩形欄には、操作の状態やメッ
セージ内容が表示される。ここでは、「製版・プリント
できます」と表示されており、原稿画像の読取りから排
紙工程に至るまでの一連の動作・工程が起動可能状態に
あることを表している。
【0060】図9において、用紙種類キー119は、こ
れを1回押すことにより、図9に示す画面から図10に
示す画面のように、液晶表示部114の下段部の画面上
の表示を左から順に「左矢印表示」、「右矢印表示」、
「条件変更」、「設定」に切り替わるようになってい
る。そして、「左矢印表示」に対応して左矢印キー11
7が、「右矢印表示」に対応して右矢印キー118が、
「条件変更」に対応して条件変更キー120が、「設
定」に対応して設定キー116が選択キー群115とし
て各々割付け設定される。条件変更キー120は、不送
りや重送等の給紙条件変更に係る機能を選択して、制御
装置によって自動的に最適な給紙条件を選択・設定する
ものであるが、この詳細は本願発明の範囲を超えるため
その説明を省略する。条件変更キー120を押すと、こ
のキーは図示しない「キャンセル」に対応したキャンセ
ルキーに切り替わり、そのキャンセルキーを押すと前の
元の画面表示に戻るようになっている。用紙種類キー1
19は、用紙56の種類を選択して設定するための用紙
種類設定手段としての機能を有する。左矢印キー117
は、同じく用紙種類設定手段としての一部の機能を有
し、液晶表示部114に表示された機能(ジョブ情報)
等を選択するために左方向に移行させ、右矢印キー11
8は、同じく用紙種類設定手段としての一部の機能を有
し、液晶表示部114に表示された機能(ジョブ情報)
を選択するために右方向に移行させ、スクロールキー1
23も用紙種類設定手段としての一部の機能を有する。
従って、用紙56の種類を設定する用紙種類設定手段
は、スクロールキー123及び選択キー群115(設定
キー116、左矢印キー117、右矢印キー118、用
紙種類キー119)から構成される。
【0061】本実施の形態における孔版印刷装置200
は、図12に示す制御手段としての制御装置50によっ
て制御される。制御装置50は、図示を省略した、CP
U(中央処理装置)、I/O(入出力)ポート、ROM
(読出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶
装置)、PROM(プログラマブルROM)及びタイマ
等を各々備え、それらが信号バスによって接続された構
成を有するマイクロコンピュータを具備している。上述
のROMには、実験等で予め得られた最適な給紙条件デ
ータ、送り量条件データ及び孔版印刷装置200の動作
プログラム等が予め記憶されている。上述のRAMは、
データ等を適宜記憶する機能を有している。
【0062】制御装置50は、パッド種類検知センサ4
1、切換検知センサ25,26、角度検知センサ群1
7、分離圧位置検知センサ群8、操作パネル110の各
種キー(選択キー群115(左・右矢印キー117,1
18、用紙種類キー119、設定キー116)、スクロ
ールキー123)、上死点検知センサ71、用紙サイズ
検知センサ群57A、用紙先端検知センサ83、フィー
ドセンサ84、用紙有無検知センサ64、給紙圧位置検
知センサ36、排紙ジャンプ板角度検知センサ37、用
紙種類検知センサ45、印刷枚数カウンタ47等からの
出力信号に基づいて、液晶表示部114、パッド切換モ
ータ23、角度可変モータ14、分離圧可変モータ7、
給紙台昇降モータ59、給紙圧可変モータ75、排紙ジ
ャンプ板角度可変モータ93、エアーブロア84、給紙
駆動モータ66、レジストモータ82A等を適宜駆動制
御する。
【0063】本実施の形態の制御装置50は、次の諸制
御機能を有している。まず、用紙種類設定手段(スクロ
ールキー123及び選択キー群115:設定キー11
6、左矢印キー117、右矢印キー118、用紙種類キ
ー119)からの出力信号に基づいて、用紙56の種類
に応じて予め設定されている分離パッド1又は2を自動
的に選択して切換えるようにパッド切換モータ23を制
御する制御手段としての機能を有する。
【0064】また、制御装置50は、自動的に選択して
切換えた分離パッド1又は2に応じて予め設定された分
離圧値を自動的に選択しその分離圧値となるように分離
圧可変モータ7を制御する機能を有する。
【0065】また、制御装置50は、自動的に選択して
切換えた分離パッド1又は2に応じて予め設定された給
紙圧や給紙送り量等の給紙条件を自動的に選択して設定
する機能を有する。
【0066】また、制御装置50は、自動的に選択して
切換えられた分離パッド1又は2に応じて予め設定され
ているレジストローラ81,82の送り量条件(フィー
ドディレイタイミング、圧胴パルス数及び用紙先端のフ
ィードセンサ84通過からクランパ307による紙くわ
えまでのスリップ量)を自動的に選択して設定するレジ
スト送り制御手段の機能を有する。
【0067】以下、孔版印刷装置200の動作を述べ
る。まず、オペレータが孔版印刷装置200の電源スイ
ッチをオンすると、操作パネル110の液晶表示部11
4には図9に示すような初期画面が表示される。この初
期画面では、液晶表示部114の上段部にはオペレータ
の行うべきジョブ内容が表示され、ここでは、「製版・
プリントできます」と表示されており、製版、排版から
版付け印刷を含む印刷、排紙に至る工程・動作が可能で
あることを表している。
【0068】次いで、オペレータが用紙種類キー119
を押下すると、図10に示す表示画面に切り替わる。即
ち、液晶表示部114には、用紙56の種類として、標
準、薄紙、厚紙の3種類が選択自在に表示される。本実
施の形態では用紙56の種類に応じて最適な摩擦係数の
パッドを備えた分離パッド(即ち、分離パッド1(標準
用)又は分離パッド2(特殊用))に自動的に切換える
と共に、自動的に切換えられた分離パッドの種類に対応
して木目の細かい最適な各給紙条件及びレジスト送り量
条件の設定を望んでいるので、標準、薄紙、厚紙の3種
類を選択し、用紙種類設定手段(スクロールキー123
や選択キー群115:設定キー116、左矢印キー11
7、右矢印キー118、用紙種類キー119等)で入力
・設定可能としているが、そのような設定を望まなくて
もよいのであれば、制御装置50等の制御機能で述べた
ことに準じて設定するようにしてもよく、これは実際に
試作・実験等により裏付けられてもいる。
【0069】用紙種類キー119を押下したときには、
通常、用紙56の種類として「標準」が黒く表示されて
選択されているが、それを2個の左・右矢印キー11
7、118又はスクロールキー123の移行キー123
c,123aで白黒反転表示部を移動させて、設定キー
116で確定入力する。そして、オペレータが上述のよ
うに用紙56の種類を選択し、2個の左・右矢印キー1
17、118又はスクロールキー123の移行キー12
3c,123aで白黒反転表示部を移動させて設定キー
116で用紙56の種類を確定入力すると、制御装置5
0が以下の動作を全て自動的に行うように各制御対象構
成要素を制御する。
【0070】即ち、制御装置50は、選択・設定された
用紙56の種類の変化に対応して、予め設定されている
給紙条件設定例の中から、最適な摩擦係数のパッドを備
えた分離パッドの種類、つまり、分離パッド1(標準
用)又は分離パッド2(特殊用)に自動的に切換えるべ
く、パッド種類検知センサ41、切換検知センサ25,
26からの出力信号を参照しつつ、パッド切換モータ2
3を制御する(なお、分離パッドの角度制御、排紙ジャ
ンプ板角度の制御等は省略する)。この場合の給紙条件
設定例は、実験等によるデータに基づいて予め設定され
た最適値であり、給紙条件データ(用紙の種類(用紙種
類)、分離パッドの種類(パッド種類)、分離パッドの
角度(パッド角度)、給紙圧値(給紙圧)、分離圧値
(分離圧)、排紙ジャンプ板角度(ジャンプ板角度)、
給紙送り量(給紙撓み量))として制御装置50のRO
Mに予め記憶されている。
【0071】同時に、制御装置50は、選択・設定され
た用紙56の種類の変化に対応して、レジストローラ8
1,82による送り量条件を分離パッドの種類に応じて
表1に示すような送り量条件設定例中から選択し、フィ
ードセンサ84、圧胴パルスセンサ342からの出力信
号を参照しつつ、レジストモータ82Aを制御する。表
1に示す送り量条件設定例は、実験等によるデータ(版
胴パルス数、フィードディレイタイミング、フィードセ
ンサ出力等)に基づいて分離パッド1,2に応じて予め
設定された最適値であり、送り量条件データが分離パッ
ド1,2毎の圧胴パルス数a,b、フィードディレイ量
c,dとして制御装置50のROMに予め記憶されてい
る。この場合、分離パッド1,2各々を用いた場合の摩
擦係数に応じた、フィードセンサ84を通過後、クラン
パ307による紙くわえまでのスリップ量も考慮されて
いる。
【0072】
【表1】
【0073】表1において、a〜dの具体的な数値は実
験等によるが、分離パッド1(標準用)に対して分離パ
ッド2(特殊用)の方がパッドの摩擦係数μが低く、分
離部分で用紙56にかかる負荷が減り、フィードローラ
81,82によるスリップ量が小さくなって用紙56が
多く送られる傾向を示すため、圧胴パルス数はa>b、
フィードディレイ量はc>dとなるように設定されてい
る。
【0074】上述したように動作した後、自動的に切換
えられた分離パッドの種類に対応して最適な各給紙条
件、即ち、本実施の形態では、制御装置50が、選択・
設定された用紙の種類(用紙種類)及び分離パッドの種
類(パッド種類)に対応して、給紙圧値(給紙圧)、分
離圧値(分離圧)、給紙送り量(給紙撓み量=レジスト
ローラ81,82の手前の用紙先端検知センサ83が用
紙56の先端を検知してからの用紙56の送り量を設定
することにより、用紙56の先端をレジストローラ8
1,82のニップ部直前の位置に突き当てて、用紙56
の撓みを一定に保つ際の送り量)を自動的に選択し、該
給紙圧とすべく給紙圧位置検知センサ36からの信号を
参照しつつ給紙圧可変モータ75を、該分離圧とすべく
分離圧位置検知センサ群8からの信号を参照しつつ分離
圧可変モータ7を、該給紙撓み量となるように給紙駆動
モータ66を、各々制御する。こうして、マニュアル操
作で選択・設定された用紙56の種類に対応して、自動
的に最適な給紙条件が最終的に設定される。
【0075】次に、用紙の種類の選択・設定操作例及び
通紙・印刷動作を説明する。このときの環境条件として
は、今までは用紙56の種類として「標準紙」が使用さ
れており、パッド種類としては「標準用」(分離パッド
1)が選択されて、通紙・印刷動作が行われていたもの
とする。
【0076】オペレータが、同じ条件下で、上述したよ
うに電源スイッチをオンし、次いで用紙種類キー119
を押下すると図10に示す表示画面に切り替わり、液晶
表示部114の上段部には「用紙の種類を選択入力して
下さい」という表示がなされる。通常は用紙56の種類
として「標準」が黒く表示されて選択されているので、
例えば用紙56として画用紙(厚紙)を使用する場合に
は、オペレータは印刷に先立って右矢印キー118(矢
印→)又はスクロールキー123の移行キー123aで
「厚紙」の表示部位に白黒反転表示部を移動させて、設
定キー116で確定入力する。
【0077】用紙56の種類として「厚紙」が選択・設
定されると、制御装置50が予めROM中に設定されて
いる給紙条件データの中から、設定された用紙56の種
類として「厚紙」に対応して、パッド種類として最適で
ある「特殊用」:(分離パッド2)を選択し、今までの
分離パッド1(標準用)から分離パッド2(特殊用)に
自動的に切換えるべく、パッド種類検知センサ41、切
換検知センサ25,26からの出力信号を参照しつつ、
パッド切換モータ23を制御する。
【0078】このように分離パッド1(標準用)から分
離パッド2(特殊用)に切換える時には、制御装置50
が分離圧を解除するように分離圧可変モータ7を制御す
ることにより、分離パッド1,2のパッド1a,2a部
分を前面板30の角孔30aより下げた非接触状態とす
るため、分離パッド1,2のパッド1a,2a部分や分
離コロ63等を損傷させずにスムーズに切換えることが
できる。
【0079】そして、自動的に切換えられたパッド種類
「特殊用」:(分離パッド2)に対応して、さらに木目
の細かい最適な給紙条件、即ち給紙圧、分離圧及び給紙
撓み量を自動的に選択し、該給紙圧とすべく給紙圧位置
検知センサ36からの信号を参照しつつ給紙圧可変モー
タ75を、該分離圧とすべく分離圧位置検知センサ群8
からの信号を参照しつつ分離圧可変モータ7を、該給紙
撓み量とすべく給紙駆動モータ66を各々制御する動作
がなされ、選択・設定された用紙56の種類に対応して
自動的に最適な給紙条件が最終的に設定される。
【0080】これと並行して、自動的に切換えられたパ
ッド種類「特殊用」:(分離パッド2)に対応して、レ
ジストローラ81,82に対するレジストモータ82A
を制御するための圧胴パルス数、フィードディレイ量が
ROM中の表1に示したような送り量条件設定例中から
自動的に選択し、該圧胴パルス数、フィードディレイ量
とすべく圧胴パルスセンサ342、フィードセンサ84
の検知信号を参照しつつレジストモータ82Aを制御す
る動作がなされ、選択された分離パッド2の種類に対応
して自動的に最適な送り量条件が最終的に設定される。
【0081】用紙56の種類の選択・設定操作に前後し
て、オペレータによってスタートキー111が押される
ことより、原稿読取部210による公知の原稿画像の読
取り動作及び公知の自動製版・排版動作が並行して進行
し、製版済みのマスタ53が印刷ドラム51の外周面に
巻付けられる。そして、用紙56の種類の選択・設定操
作に前後して、給紙台54が下死点検知センサ94によ
って下死点に位置している時に、オペレータが給紙台5
4の上に画用紙である用紙56を積載し、テンキー11
3で印刷枚数を設定した後、プリントキー112を押す
と、制御装置50の指令によって給紙台昇降モータ59
が回転駆動され、給紙台54を上昇させる。これによ
り、用紙56の最上位面が給紙コロ62に接触してこれ
を押し上げると、給紙アーム68も上昇し、上死点検知
センサ71の接触子71aを押圧して上死点検知センサ
71をオンにする。制御装置50は上死点検知センサ7
1のオン信号を受けて給紙台昇降モータ59を停止させ
る。これによって給紙台54は印刷に必要な所定の高さ
の給紙位置を占め、印刷モードによる印刷が開始され
る。この場合、オペレータの画用紙:「厚紙」という認
識が客観的に正しければ、印刷は最初の1枚目から上述
した最適な給紙条件下で行われることになる。
【0082】次いで印刷ドラム51が回転すると共に、
給紙駆動モータ66が回転駆動することにより給紙コロ
62が回転され、これによって用紙56が用紙搬送方向
Xに送り出され、自動的に切換えられた分離パッド2と
分離コロ63の回転との協働作用によって、最上位面の
1枚の用紙56のみが分離されて送り出される。この
時、最適な給紙条件設定(給紙圧及び分離圧の設定)が
既になされているので、用紙56は重送、不送り等によ
って給紙ジャムを生じることなく1枚ずつ確実に給送さ
れる。
【0083】給紙台54上の用紙56が給紙によって上
から数枚分なくなると、それに応じて給紙コロ62の位
置が下がり、同時に給紙アーム68も下がる。給紙アー
ム68が下降して上死点検知センサ71がオフになる
と、制御装置50はそのオフ信号に基づいて給紙台昇降
モータ59を駆動させ、給紙台54は上死点検知センサ
71がオンになるまで再び上昇する。このようにして上
死点検知センサ71のオン・オフに応じて給紙台昇降モ
ータ59をオン・オフさせることによって給紙台54は
間欠的に上昇し、その都度給紙位置を占める。
【0084】分離コロ63により1枚ずつ送り出された
用紙56の先端部は、レジストローラ81,82のニッ
プ部直前の部位に突き当たることにより、給紙駆動モー
タ66に供給された送信パルス分に相当する給紙撓み量
に対応した撓みを形成され、次いでレジストローラ8
1,82が上記のように分離パッド対応で駆動制御され
るレジストモータ82Aにより駆動されて圧胴306の
クランプ位置と同期して回転することにより、用紙56
が所定の印刷タイミングで送り出され、クランパ307
により圧胴306上にクランプされる。そして、この用
紙56は印刷ドラム51と圧胴306との間で印刷され
て排紙台87へ排出される。この動作が次々と繰り返さ
れ、印刷ドラム51の1回転につき1枚ずつ用紙56が
給紙ジャム等の搬送上のトラブルを生じることなく給紙
されて印刷され、排紙ジャム等の搬送上のトラブルを生
じることなく排紙される。このように、本実施の形態に
よれば、分離パッド1,2の自動切換え時に、レジスト
ローラ81,82側の送り量条件が固定的ではなく、分
離パッド1,2の切換えに合わせてレジストローラ8
1,82側の送り量条件も自動的に切換え補正されるの
で、安定した送りが可能となる。例えば、分離パッドが
標準用の分離パッド1から特殊用の分離パッド2に切換
えられた場合、パッドの摩擦係数μが低くなるため、分
離パッド2部分において用紙56にかかる負荷が減り、
レジストローラ81,82部分でのスリップ量が小さく
なり、用紙56が圧胴306のクランパ307側に対し
て多く送られ過ぎる傾向を示し、クランパ307による
紙くわえが不安定となるが、本実施の形態の場合であれ
ば、分離パッド2の使用時には例えばフィードディレイ
量を増やす等の補正切換えにより適正に対処することが
できる。これにより、分離パッド1,2の何れが用いら
れる場合であっても、レジストローラ81,82からク
ランプ位置に対する用紙送り量が安定するため、クラン
パ307による紙くわえが安定し、用紙ジャムが減少す
る。同時に、送り過ぎによる用紙56先端の傷やしわの
発生も抑制することができる。ちなみに、圧胴306に
代えてプレスローラを用いるプレスローラ方式の場合で
あれば、印刷ドラム・プレスローラ間のニップ部への用
紙の送り量が分離パッド1,2の何れであっても安定す
るため、画像位置精度の高い印刷が可能となる。
【0085】説明が一部前後したが、上述例は版付け印
刷を行わなくてもよい例を示し、版付け印刷を行う装置
にあっては、スタートキー111を押すだけで最初の1
枚目のみが通紙され、これによりマスタ53が印刷ドラ
ム51の外周面に滲み出たインキの付着力で密着される
こととなる。
【0086】なお、本実施の形態では、分離部材として
分離パッド1,2を用いた適用例としたが、例えば、コ
ロ形状の分離コロを分離部材として用いた機種にも同様
に適用できる。また、圧胴306に代えてプレスローラ
を用いたプレスローラ方式としてもよい。
【0087】また、孔版印刷装置に限らず、複写機、プ
リンタ等にも同様に適用し得る。
【0088】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、分離部材
が分離部材自動切換機構により自動的に切換えられた場
合には、レジストローラの画像印刷部に対する送り量条
件もその分離部材に合わせて自動的に選択して設定する
ようにしたので、摩擦係数の異なる何れの分離部材を用
いる場合であっても、レジストローラから画像印刷部へ
の用紙送りを安定させることができる。
【0089】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明を版胴を用いるいわゆる孔版印刷機に適用でき
る。
【0090】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の発明を実現する上で、圧胴クランプ方式の場合に、
クランパによる用紙くわえを安定させることができ、用
紙ジャムを低減させ得る上に、用紙先端の傷やしわの発
生も抑制できる。
【0091】請求項4記載の発明によれば、請求項2記
載の発明を実現する上で、プレスローラ方式の場合に、
圧胴とプレスローラとのニップ部に対する用紙送り量が
安定するため、画像位置制度の高い印刷が可能となる。
【0092】請求項5記載の発明によれば、請求項1な
いし4の何れか一に記載の画像形成装置において、摩擦
分離方式の分離部材として最も一般的な分離パッドを用
いる場合に効果的に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す孔版印刷装置の概
略正面図である。
【図2】給紙部側から見たその分離部を示す側面図であ
る。
【図3】分離部を示す正面図である。
【図4】分離部の分離パッド周りを図3中の矢視Dから
見た場合の拡大平面図である。
【図5】分離パッドの縦断正面図である。
【図6】分離部の分離パッド周りを示す拡大側面図であ
る。
【図7】分離パッド及びパッド種類検知センサ周りを示
す正面図である。
【図8】レジストローラ及び圧胴付近を示す拡大正面図
である。
【図9】操作パネルの要部を示す平面図である。
【図10】用紙種類キー操作により切り替えられた表示
状態を示す液晶表示部周りを示す平面図である。
【図11】レジストモータの駆動制御を示す速度プロフ
ァイルである。
【図12】制御系の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,2 分離部材、分離パッド 23 駆動源 50 制御手段、レジスト送り制御手段 51 版胴 53 マスタ 56 用紙 81,82 レジストローラ 82A モータ 84 フィードセンサ 250 画像印刷部 301 インキ供給装置 306 押圧手段、圧胴 307 クランパ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦分離方式の分離部材により1枚ずつ
    に分離されて給紙される用紙を一対のレジストローラに
    より所定のタイミングで画像印刷部に搬送させる画像形
    成装置において、 用紙に対する摩擦係数が異なる複数の前記分離部材と、 これらの複数の分離部材を自動的に切換えるための駆動
    源を含む分離部材自動切換機構と、 用紙の種類に応じて予め設定されている前記分離部材を
    自動的に選択して切換えるように前記駆動源を制御する
    制御手段と、 この制御手段により自動的に選択して切換えられた前記
    分離部材に合わせて予め設定されている前記レジストロ
    ーラの前記画像印刷部に対する送り量条件を自動的に選
    択して設定するレジスト送り制御手段と、を備えること
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記画像印刷部が、製版されたマスタが
    外周面に巻付けられる版胴と、用紙をこの版胴に押付け
    る押圧手段と、前記版胴上のマスタにインキを供給する
    インキ供給装置とよりなることを特徴とする請求項1記
    載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記押圧手段が、前記レジストローラか
    ら送り込まれる用紙先端を把持するクランパを有する圧
    胴であり、前記レジストローラを駆動するためのモータ
    にフィードパルスを付与するタイミングを規定するフィ
    ードディレイタイミングと前記レジストローラを通過し
    た用紙先端を検知するフィードセンサの検知出力と前記
    版胴に従動して回転する前記圧胴の前記クランパの回動
    位置を示す所定の圧胴パルス数とを参照して前記分離部
    材に応じた送り量条件が予め設定されていることを特徴
    とする請求項2記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記押圧手段が、プレスローラであるこ
    とを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記分離部材が、分離ローラに対向接触
    する分離パッドであることを特徴とする請求項1ないし
    4の何れか一に記載の画像形成装置。
JP2000337667A 2000-11-06 2000-11-06 画像形成装置 Pending JP2002137836A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000337667A JP2002137836A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000337667A JP2002137836A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002137836A true JP2002137836A (ja) 2002-05-14

Family

ID=18813014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000337667A Pending JP2002137836A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002137836A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335545A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Tohoku Ricoh Co Ltd 給紙装置・画像形成装置
JP2007197182A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Seiko Epson Corp 被記録媒体給送装置、記録装置、液体噴射装置
JP2010235268A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Brother Ind Ltd 給紙装置
JP2011105498A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Duplo Corp 給紙装置
JP2014019501A (ja) * 2012-07-12 2014-02-03 Duplo Corp 給紙装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335545A (ja) * 2005-06-03 2006-12-14 Tohoku Ricoh Co Ltd 給紙装置・画像形成装置
JP2007197182A (ja) * 2006-01-27 2007-08-09 Seiko Epson Corp 被記録媒体給送装置、記録装置、液体噴射装置
JP4591365B2 (ja) * 2006-01-27 2010-12-01 セイコーエプソン株式会社 被記録媒体給送装置、記録装置、液体噴射装置
JP2010235268A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Brother Ind Ltd 給紙装置
JP4711004B2 (ja) * 2009-03-31 2011-06-29 ブラザー工業株式会社 給紙装置
JP2011105498A (ja) * 2009-11-20 2011-06-02 Duplo Corp 給紙装置
JP2014019501A (ja) * 2012-07-12 2014-02-03 Duplo Corp 給紙装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4121209B2 (ja) 画像形成装置における給紙装置
EP3506616B1 (en) Medium feeding apparatus and image reading apparatus
JP2000247467A5 (ja)
JP4943872B2 (ja) 孔版印刷装置
JP2002137836A (ja) 画像形成装置
JP4298003B2 (ja) 印刷装置
JP4847205B2 (ja) 画像形成装置における排紙装置
JP2000127594A (ja) 印刷装置
JP4402761B2 (ja) 印刷装置
JP2009012397A (ja) 印刷装置
US7882781B2 (en) Duplex printing apparatus having control unit to control printing speed
JP2002172839A (ja) 印刷方法および印刷装置
JP4672859B2 (ja) 印刷装置
JP4758136B2 (ja) 印刷装置
JP2003146462A (ja) 給紙装置・画像形成装置
JP2014012602A (ja) 排紙装置、孔版印刷装置
JP4824363B2 (ja) 孔版印刷装置
JP4781242B2 (ja) 孔版印刷機の給紙方法
JP3515815B2 (ja) 給紙装置
JP2001341900A (ja) 印刷装置
JP3489577B2 (ja) 用紙後処理装置およびその制御方式
JP3756694B2 (ja) 給紙装置
JP4965285B2 (ja) 孔版印刷装置
JP4689172B2 (ja) 印刷装置
JP3655511B2 (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20050603

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071030

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090924

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100202