JP4246299B2 - 孔版印刷装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、版胴の外周面上にマスタを巻装して印刷を行う孔版印刷装置に関し、詳しくは複数種類の印刷用紙を給送可能な給紙装置を有する孔版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
多孔性の支持円筒体からなる版胴と、熱可塑性樹脂フィルムに多孔性支持体を貼り合わせたラミネート構造のマスタとを用い、マスタの熱可塑性樹脂フィルム面をサーマルヘッドで加熱溶融穿孔製版した後に版胴に巻装し、版胴内部に設けられたインキ供給手段で版胴の内周面に適量のインキを供給して、プレスローラーや圧胴等の押圧部材で印刷用紙を版胴に押圧することにより、版胴開孔部、マスタ穿孔部より滲出したインキを印刷用紙に転写させて印刷を行うデジタル式感熱孔版印刷装置がよく知られている。
【0003】
上述の孔版印刷装置には多種多様な印刷用紙が使用されており、使用される印刷用紙としては、例えば薄紙(更紙、上質45kg紙等)、標準紙(複写用紙、中質紙、上質55kg紙、再生紙、孔版上質紙等)、厚紙(画用紙、葉書、封筒、上質135kg紙、上質180kg紙)等が挙げられる。
【0004】
孔版印刷装置において良好な給排紙を行うためには、重送、不送り、給排紙ジャム等の搬送不良を排除することが不可欠であり、このためには使用する印刷用紙の厚さや大きさ等の種類に応じて、給排紙部における用紙搬送のための各種条件(搬送条件)を最適値に可変する必要がある。これは、印刷用紙の種類毎に最適な搬送条件が異なるためである。
【0005】
可変する搬送条件としては、例えば給紙圧設定、分離圧設定、排紙ジャンプ板角度設定、レジストローラータイミング等が挙げられ、従来ではオペレーターが印刷用紙の厚さや大きさを目視で確認して用紙の種類を判断し、これに応じて最適な搬送条件となるように給紙圧設定、分離圧設定、排紙ジャンプ板角度等をマニュアル操作によって設定していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般のオペレーターが最適な搬送条件を判断するのは困難であると共に、各部をマニュアル操作で設定することは非常に手間がかかり、現実的にはマニュアルによる設定作業はほとんど行われておらず、重送や不送り等の不具合は解消されていない。
【0007】
また、最近では、印刷用紙を貯容する用紙貯容部である給紙トレイ(給紙カセット)を複数有し、複数種類の印刷用紙を給送することが可能な多段給紙装置が用いられつつある。このような多段給紙装置を有する孔版印刷装置においては、選択された給紙トレイ毎に搬送条件を設定し直さなくてはならず、印刷効率が極端に低下してしまう。
【0008】
本発明は、上記各問題点を解決し、多段給紙装置を有する孔版印刷装置においても印刷効率を低下させることなく給排紙不良を排除することが可能な孔版印刷装置の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、印刷用紙を貯容する用紙貯容部を複数有し、複数種類の印刷用紙を給送可能な給紙装置を有する孔版印刷装置において、前記用紙貯容部毎に前記印刷用紙の種類を選択して設定する用紙種類設定手段と、前記用紙種類設定手段により選択設定された用紙の種類に応じた搬送条件を選択して前記用紙貯容部毎に設定する制御手段とを有し、前記給紙装置は複数の前記用紙貯容部からの前記印刷用紙の搬送路のうちの少なくとも1つが直線的に形成され、前記用紙種類設定手段は少なくとも標準紙と厚紙とを設定可能であり、前記搬送路が直線的に形成された前記用紙貯容部以外の前記用紙貯容部において前記用紙種類設定手段で厚紙が設定された場合に、前記制御手段によって前記搬送条件が設定される前記用紙貯容部を前記搬送路が直線的に形成された前記用紙貯容部へと強制的に移行させることを特徴とする。
【0015】
【実施例】
図1は、本発明の一実施例が適用可能な孔版印刷装置の概略図である。同図において、孔版印刷装置1は、画像読取部2、給紙装置としての給紙部3、製版部4、印刷部5、排紙部6、排版部7、制御部8から主に構成されている。
【0016】
筐体9の上部には画像読取部2が配設されている。画像読取部2は、原稿を載置するコンタクトガラス10、原稿を載置する原稿載置台11、原稿を搬送する原稿搬送ローラー対12及び原稿搬送ローラー13、搬送される原稿をガイドするガイド板14,15、コンタクトガラス10に沿って原稿を搬送する原稿搬送ベルト16、読み取られた原稿の排出方向を切り換える切換板17、読み取られた原稿が排出される原稿排紙台18、原稿画像を走査して読み取る反射ミラー19,20及び蛍光灯21、走査された原稿を集束するレンズ22、集束された画像を処理するCCD等の画像センサー23等から主に構成されている。
【0017】
上述の構成のうち、原稿載置台11、原稿搬送ローラー対12、原稿搬送ローラー13、ガイド板14,15、原稿搬送ベルト16、切換板17、原稿排紙台18は図示しない圧板に一体的に設けられてADFユニット24を構成しており、ADFユニット24はコンタクトガラス10に対して接離自在に設けられている。
【0018】
筐体9の下方には給紙部3が配設されている。給紙部3は、同サイズの印刷用紙P1,P2を積載可能な用紙貯容部である第1給紙トレイ28及び第2給紙トレイ29、大サイズの印刷用紙P3を積載可能な用紙貯容部である第3給紙トレイ30、厚紙や封筒等の特殊な印刷用紙P4を給送可能となるようにその用紙搬送路がほぼ直線的に設けられた用紙貯容部である第4給紙トレイ25を有している。
【0019】
第1給紙トレイ28の上方には給紙ローラー32が、第3給紙トレイ30の上方には給紙ローラー33が、第4給紙トレイ25の上方には給紙ローラー26がそれぞれ回転自在に配設されており、第1給紙トレイ28の下方には、図示しない駆動手段により揺動され第1給紙トレイ28上の印刷用紙P1を給紙ローラー32に押圧させる押し上げ部材34が、第3給紙トレイ30の下方には、図示しない駆動手段により揺動され第3給紙トレイ30上の印刷用紙P3を給紙ローラー33に押圧させる押し上げ部材35が、第4給紙トレイ25の下方には、モーター55の回転駆動力により第4給紙トレイ25上の印刷用紙P4を給紙ローラー26に押圧させる、ラックアンドピニオン機構からなる押し上げ手段27がそれぞれ配設されている。
【0020】
給紙ローラー26は、図1に示すように、分離ローラー57と共にブラケット58に回転自在に支持されている。ブラケット58は、分離ローラー57の図示しない支軸を中心に、筐体9の図示しない側板に揺動自在に支持されており、給紙ローラー26を支持した側と対向する側の端部には引張コイルバネ59の一端が取り付けられている。給紙ローラー26にはプーリー26aが、分離ローラー57には2連のプーリー57aがそれぞれ取り付けられており、プーリー57aには、筐体9に設けられたモーター68からの駆動力を伝達する無端ベルト69が掛け渡され、各プーリー26a,57a間にもモーター68からの駆動力を伝達する無端ベルト70が掛け渡されている。
【0021】
一端をブラケット58に取り付けられた引張コイルバネ59の他端は、図示しない筐体9の側板に上下動自在に支持されたラック84に取り付けられている。ラック84の近傍には、その出力軸にラック84と噛合するピニオンを有するステッピングモーター85が配設されている。この構成により、ステッピングモーター85が回転してラック84が上方に移動すると、ブラケット58が分離ローラー57の図示しない支軸を中心に時計回り方向に揺動し、印刷用紙P4に対する給紙ローラー26の給紙圧が上昇する。ブラケット58の上方には、第4給紙トレイ25上に積載された印刷用紙P4の最上位の上面位置を検知する上面検知センサー87が、また、押し上げ手段27の近傍には第4給紙トレイ25の下限位置を検知する下限検知センサー99が配設されている。
【0022】
分離ローラー57の下方には分離パッド100が配設されている。分離ローラー57の周面に圧接して印刷用紙P4を1枚ずつに分離させる分離パッド100は、筐体9に設けられた図示しないガイド部材により上下動自在に支持されており、その下面側には圧縮コイルバネ101の一端が取り付けられている。圧縮コイルバネ101の他端は、図示しない筐体9の側板に上下動自在に支持されたラック102に取り付けられており、ラック102の近傍には、その出力軸にラック102と噛合するピニオンを有するステッピングモーター103が配設されている。この構成により、ステッピングモーター103が回転してラック102が上方に移動すると、圧縮コイルバネ101が圧縮されて分離ローラー57に対する分離パッド100の分離圧が上昇する。
【0023】
また、第4給紙トレイ25には、左右連動構造の一対のサイドフェンス145と、印刷用紙P4のサイズを検知する第4用紙サイズ検知センサー146と、第4給紙トレイ25上の印刷用紙P4の有無を検知する第4用紙有無検知センサー147とが設けられている。
【0024】
給紙ローラー32の近傍には、駆動ローラー37aと従動ローラー37bとからなる分離ローラー対37が配設されている。給紙ローラー32と駆動ローラー37aとは、図2に示すように、ブラケット148に回転自在に支持されている。ブラケット148は、駆動ローラー37aの支軸37cを中心に、筐体9の図示しない側板に揺動自在に支持されており、給紙ローラー32を支持した側と対向する側の端部には引張コイルバネ149の一端が取り付けられている。給紙ローラー32にはプーリー32aが、駆動ローラー37aには2連のプーリー37dがそれぞれ取り付けられており、プーリー37dには、筐体9に設けられたモーター150からの駆動力を伝達する無端ベルト151が掛け渡され、各プーリー32a,37d間には無端ベルト152が掛け渡されている。
【0025】
引張コイルバネ149の他端には、図示しない筐体9の側板に上下動自在に支持されたラック153が取り付けられており、ラック153の近傍には、その出力軸にラック153と噛合するピニオンを有するステッピングモーター154が配設されている。この構成により、ステッピングモーター154が回転してラック153が上方に移動すると、ブラケット148が支軸37cを中心に反時計回り方向に揺動し、印刷用紙P1に対する給紙ローラー32の給紙圧が上昇する。ブラケット148の近傍には、押し上げ部材34に押し上げられた印刷用紙P1に接触して第1給紙トレイ28上の印刷用紙P1の有無を検知する第1用紙有無検知センサー36(図1参照)が配設されている。
【0026】
従動ローラー37bは、筐体9に設けられた図示しないガイド部材により上下動自在かつ回転自在に支持されており、その支軸37eには圧縮コイルバネ155の一端が取り付けられている。圧縮コイルバネ155の他端は、図示しない筐体9の側板に上下動自在に支持されたラック156に取り付けられており、ラック156の近傍には、その出力軸にラック156と噛合するピニオンを有するステッピングモーター157が配設されている。この構成により、ステッピングモーター157が回転してラック156が上方に移動すると、圧縮コイルバネ155が圧縮されて駆動ローラー37aに対する従動ローラー37bの分離圧が上昇する。
【0027】
また、第1給紙トレイ28には、印刷用紙P1の幅方向をガイドする図示しないサイドフェンスと、印刷用紙P1のサイズを検知する第1用紙サイズ検知センサー45とが設けられている。
【0028】
給紙ローラー33の近傍には、分離ローラー対37と同様に駆動ローラー38aと従動ローラー38bとからなる分離ローラー対38が配設されている。給紙ローラー33と駆動ローラー38aとは、駆動ローラー38aの図示しない支軸を中心に筐体9に揺動自在に支持された図示しないブラケットに回転自在に支持されている。給紙ローラー33と駆動ローラー38aとは、筐体9に設けられたモーター158からの駆動力を受けて回転駆動され、図示しないブラケットは、ブラケット148と同様に、筐体9に設けられたステッピングモーター159により揺動され、これにより印刷用紙P3に対する給紙ローラー33の給紙圧が可変される。この図示しないブラケットの近傍には、押し上げ部材35に押し上げられた印刷用紙P3に接触して第3給紙トレイ30上の印刷用紙P3の有無を検知する第3用紙有無検知センサー44が配設されている。
【0029】
従動ローラー38bは、従動ローラー37bと同様に、筐体9に設けられた図示しないガイド部材により上下動自在かつ回転自在に支持されており、筐体9に設けられたステッピングモーター160により上下動され、これにより、駆動ローラー38aに対する従動ローラー38bの分離圧が可変される。
【0030】
また、第3給紙トレイ30には、印刷用紙P3の幅方向をガイドする図示しないサイドフェンスと、印刷用紙P3のサイズを検知する第3用紙サイズ検知センサー47とが設けられている。
【0031】
第2給紙トレイ29には、第1給紙トレイ28上の印刷用紙P1が使い切られた際に第2給紙トレイ29上の印刷用紙P2を第1給紙トレイ28上に一括して移動させる用紙移動部材31と、印刷用紙P2の幅方向をガイドする図示しないサイドフェンスと、第2給紙トレイ29上の印刷用紙P2の有無を検知する第2用紙有無検知センサー43と、印刷用紙P2のサイズを検知する第2用紙サイズ検知センサー46とが設けられている。給紙部3は、例えば特開平5−124737号公報に開示されたものと同様に、孔版印刷装置1の作動中に第2給紙トレイ29の引き出しが可能に構成されている。
【0032】
分離ローラー対38の上方には、印刷用紙P3を上方へ向けて搬送する搬送ローラー対39が配設されており、その上方には印刷用紙P1,P2,P3,P4を図1の左方へ向けて搬送する搬送ローラー群41が、さらにその左方には印刷用紙P1,P2,P3,P4をレジストローラー対42に向けて搬送する搬送ローラー対40が配設されている。
【0033】
レジストローラー対42は、図3に示すように、駆動ローラー42aと、駆動ローラー42aに圧接された従動ローラー42bとから構成されており、無端ベルト162を介して筐体9に設けられたギヤモーター161の回転駆動力を受けて駆動ローラー42aが回転駆動されることにより従動ローラー42bが従動回転する。
【0034】
従動ローラー42bは、筐体9に設けられた図示しないガイド部材により上下動自在かつ回転自在に支持されており、その支軸42cには圧縮コイルバネ163の一端が取り付けられている。圧縮コイルバネ163の他端は、図示しない筐体9の側板に上下動自在に支持されたラック164に取り付けられており、ラック164の近傍には、その出力軸にラック164と噛合するピニオンを有するステッピングモーター165が配設されている。この構成により、ステッピングモーター165が回転してラック164が上方に移動すると、圧縮コイルバネ163が圧縮されて駆動ローラー42aに対する従動ローラー42bの圧接力が上昇する。
【0035】
レジストローラー対42の下方には、印刷用紙P1,P2,P3,P4が所定の時間内にレジストローラー対42に送られないことでジャムを検知する、給紙ジャム検知センサー86が配設されている。
【0036】
給紙部3の上方には製版部4が配設されている。製版部4は、マスタ48をロール状に巻成してなるマスタロール48aを支持する支持部材49、マスタ48を加熱穿孔製版するサーマルヘッド50、マスタ48をサーマルヘッド50に押圧しつつ搬送するプラテンローラー51、マスタ48を切断する切断手段52、マスタ48を搬送するマスタ搬送ローラー対53,54等から主に構成されている。製版部4は一体的なユニットに構成されており、筐体9に対して着脱自在に設けられている。
【0037】
マスタロール48aは、その芯部48bを支持部材49に回転自在に支持されている。図示しないステッピングモーターで回転駆動されるプラテンローラー51は、図示しないプラテンローラー接離手段によって、所定の圧力でサーマルヘッド50に押圧される図1に実線で示す圧接位置と、サーマルヘッド50から離間する図1に二点鎖線で示す離間位置とに選択的に位置決めされる。可動刃である上刃52aと固定刃である下刃52bとからなる切断手段52は、上刃52aが下刃52bに対して回転移動あるいは上下動する周知の構成である。製版部4には、マスタ48の先端が切断手段52で切断される位置である初期位置に置かれたことを検知するマスタ先端検知センサー56が配設されている。
【0038】
製版部4の左方には印刷部5が配設されている。印刷部5は、版胴60、インキ供給手段61、版胴60の外周面に印刷用紙P(印刷用紙P1,P2,P3,P4を総じて印刷用紙Pとする)を押圧する押圧部材としてのプレスローラー62等から主に構成されている。
【0039】
多孔性の支持円筒体の周りに樹脂あるいは金属網体のメッシュスクリーンを複数層巻装してなる版胴60は、インキ供給パイプを兼ねた支軸63に回転自在に支持された図示しないフランジに固着されており、図示しない版胴駆動手段からの駆動力を伝達され回転駆動される。版胴60は筐体9に対して着脱自在に設けられており、その外周面上にはマスタ48の先端を挟持するクランパー64が配設されている。クランパー64は、版胴60が所定位置に到達した際に図示しないクランパー開閉手段によって開閉される。
【0040】
版胴60の内部にはインキ供給手段61が配設されている。インキ供給手段61は、支軸63、インキローラー65、ドクターローラー66等から主に構成されている。支軸63に固設された図示しない側板に回転自在に支持されたインキローラー65は、ギヤやベルト等の図示しない駆動力伝達手段から駆動力を伝達されて図の時計回り方向に回転駆動される。インキローラー65の近傍には、インキローラー65の外周面に対してその外周面を近接配置されたドクターローラー66が、インキローラー65と平行に配設されている。インキローラー65とドクターローラー66との近接部に断面楔状に供給されたインキ溜まり67のインキは、インキローラー65とドクターローラー66との隙間を通過する際に引き延ばされ、インキローラー65の外周面上に薄膜状に供給される。
【0041】
版胴60の下方にはプレスローラー62が配設されている。筐体9の図示しない側板に揺動自在かつ回転自在に支持されたプレスローラ62は、図示しないカム等により揺動され、その外周面を版胴60の外周面に対して接離自在に設けられている。プレスローラー62は、図示しないバネ等の付勢手段によって版胴60に向けて付勢されており、離間時には図示しない係止手段によって図に示す離間位置に保持されている。
【0042】
印刷部5の左方には排紙部6が配設されている。排紙部6は、剥離爪71、ガイド板72,73、排紙搬送部材74、排紙台75等から主に構成されている。
版胴60の外周面より印刷済みの印刷用紙Pを剥離する剥離爪71は、筐体9の図示しない側板に回動自在に支持されており、その先端を版胴60の外周面に対して近接離間自在に設けられている。筐体9の図示しない側板に固着されたガイド板72,73は、剥離爪71によって剥離された印刷済みの印刷用紙Pの搬送をガイドする。
【0043】
駆動ローラー76、従動ローラー77、無端ベルト78、吸引ファン79、ジャンプ板166から構成される排紙搬送部材74は、吸引ファン79の吸引力によって無端ベルト78上に印刷用紙Pを保持し、駆動ローラー76の回転によって印刷用紙Pを図の矢印方向に搬送する。排紙搬送部材74の用紙搬送方向下流側端部の両側部には、一対のジャンプ板166が設けられている。無端ベルト78上を搬送される印刷用紙Pに腰付けを行うジャンプ板166は、図4に示すように、排紙搬送部材74の図示しない本体側板に支軸166aによって一端部を揺動自在に支持されており、他端部にはラック167の一端が回動自在に取り付けられている。排紙搬送部材74の図示しない本体側板に上下動自在に支持されたラック167の近傍には、その出力軸にラック167と噛合するピニオンを有するステッピングモーター168が配設されている。ステッピングモーター168が回転してラック167が移動することにより、ジャンプ板166の角度が可変される。
【0044】
排紙搬送部材74によって搬送される印刷用紙Pを積載する排紙台75は、用紙を積載する排紙トレイ80、一対のサイドフェンス81,82、エンドフェンス83を有している。
【0045】
排紙部6の上方には排版部7が配設されている。排版部7は、上排版部材88、下排版部材89、排版ボックス90、圧縮板91等から主に構成されている。
上排版部材88は、駆動ローラー92、従動ローラー93、無端ベルト94から構成され、駆動ローラー92が図において時計回り方向に回転することにより無端ベルト94が図の矢印方向に移動する。下排版部材89も上排版部材88と同様に駆動ローラー95、従動ローラー96、無端ベルト97から構成されており、駆動ローラー95が図において反時計回り方向に回転することにより無端ベルト97が図の矢印方向に移動する。また、下排版部材89は図示しない移動手段によって移動自在に設けられており、図1に示す位置と駆動ローラー95の外周面が版胴60の外周面上に巻装された使用済みマスタ98に当接する位置とに選択的に位置決めされる。排版ボックス90の内部に使用済みマスタ98を押し込む圧縮板91は、図示しない昇降手段によって上下動自在に支持されている。上排版部材88、下排版部材89、排版ボックス90、圧縮板91は一体的に構成されており、筐体9に対して着脱自在に設けられている。
【0046】
図5は、孔版印刷装置1の操作パネルを示している。筐体9の上部前面に設けられた操作パネル104は、その上面に製版スタートキー105、印刷スタートキー106、試し刷りキー107、ストップキー108、テンキー109、エンターキー110、クリアキー111、プログラムキー112、モード設定キー113、モードクリアキー114、拡大縮小キー115、印刷速度設定キー116、用紙貯容部選択手段としてのトレイ選択キー117、用紙種類設定手段としての用紙選択キー118、7セグメントLEDからなる表示装置119、LEDからなるジャム表示装置120、LCDからなる表示装置121、トレイ選択キー117によって選択されたトレイを表示するLEDからなるトレイ表示手段122、用紙選択キー118で選択された用紙種類を表示する用紙種類表示手段123を有している。操作パネル104からの動作指令は制御部8に向けて出力される。
【0047】
筐体9の内部下方には制御部8が配設されている。制御部8は、図6に示すように、CPU125、RAM126、ROM127、I/Oエキスパンダ128等を有する周知のマイクロコンピューターである制御手段124より主に構成されており、孔版印刷装置1の動作を制御する。
【0048】
CPU125には、各センサー及び操作パネル104からの出力信号が入力される。入力された各信号はROM127に記憶された動作プログラムに基づいて演算処理され、画像読取部2、給紙部3、製版部4、印刷部5、排紙部6、排版部7を制御する各駆動回路にそれぞれ動作信号として出力されると共に、操作パネル104に表示信号として出力される。
【0049】
RAM126には、CPU125によってROM127から呼び出された動作プログラムが一時的に書き込まれ、この動作プログラムは操作パネル104からの入力によって書き換えられる。
【0050】
ROM127には、孔版印刷装置1の各アクチュエーターを作動させる複数の動作プログラムが記憶されている他、実験等で予め得られた最適な搬送条件が記憶されている。この搬送条件は、本実施例では、各給紙ローラー26,32,33の印刷用紙P1,P3,P4に対する圧接力(給紙圧)、分離パッド100及び各従動ローラー37b,38bの分離ローラー57及び各駆動ローラー37a,38aに対する圧接力(分離圧)、駆動ローラー42aの周速度(レジスト速度)、従動ローラー42bの駆動ローラー42aに対する圧接力(レジスト圧)、及びジャンプ板166の角度である。
【0051】
上述した孔版印刷装置1の特徴は、使用される印刷用紙Pの種類によって異なる搬送条件設定を、各用紙貯容部毎に印刷用紙Pの種類を選択して設定するだけで制御手段124が自動的にその最適な搬送条件に切り換えることにより、用紙搬送上のトラブルを未然に防止することにある。以下、トレイ選択キー117、用紙選択キー118の操作について説明する。
【0052】
トレイ選択キー117は、印刷に使用するトレイを選択する際に押下され、押下する毎に印刷用紙Pを給送するトレイが、第1給紙トレイ28、第3給紙トレイ30、第4給紙トレイ25に切り換えられる。この切換時において、各用紙サイズ検知センサー45,47,146からの信号に基づき、各トレイに貯容された印刷用紙サイズが表示装置121に表示される。トレイ表示手段122は、トレイ選択キー117の押下に伴い選択されたトレイを表示する。この実施例では「トレイ1」が第1給紙トレイ28を、「トレイ2」が第3給紙トレイ30を、「トレイ3」が第4給紙トレイ25をそれぞれ示している。
【0053】
用紙選択キー118は、印刷に使用する印刷用紙Pの種類を設定する際に押下され、押下する毎に後述する制御手段に記憶された印刷用紙Pの搬送条件が変更される。用紙種類表示手段123は、用紙選択キー118の押下に伴い選択された用紙種類を表示する。この実施例では、「標準」(例えば90kg紙以下の用紙等)、「厚紙1」(例えば110〜135kg紙程度の用紙等)、「厚紙2」(例えば180kg紙等)、「薄紙」(例えば更紙等)、「封筒」(長形、角形等の定形封筒等)、「ユーザー」(任意設定可能)の何れかを表示する。
【0054】
なお、本実施例では、印刷用紙Pの種類に応じてきめの細かい最適な搬送条件設定を行っているため、「標準」、「厚紙1」、「厚紙2」、「薄紙」、「封筒」、「ユーザー」の6種類に対応して搬送条件を設定しているが、きめの細かい搬送条件設定を望まないのであれば、少なくとも「標準」、「厚紙」、「封筒」の3種類に対応していればよく、これは試作や実験等により裏付けられている。
【0055】
上記構成に基づき、以下に孔版印刷装置1の動作を説明する。
製版動作に先立ち、オペレーターによりトレイ選択キー117が押下されて使用されるトレイが選択され、このトレイに積載された印刷用紙Pの種類に合わせて用紙選択キー118が押下されると、制御手段124から信号が送られ、印刷用紙Pの種類に応じた搬送条件設定が表1に基づいて行われる。
【0056】
【表1】
Figure 0004246299
【0057】
以下、表1の内容を補足説明する。
給紙圧は小さすぎると不送りとなり、大きすぎると重送となる。そこで、「薄紙」や「標準」では可能な限り小さく設定し(数値が小さいほど圧が小さい)、「厚紙」の場合は大きな搬送力を必要とするために大きく設定する。「封筒」の場合、実験の結果より「標準」と「厚紙」の中間値が最適である。
【0058】
分離圧は「標準」では重送を防止するために大きく設定するが、「薄紙」の場合には圧が大きいとしわや破れを発生するために小さめの設定とする。また、「厚紙」の場合には分離圧が大きすぎるといわゆる紙むけが発生するため、「薄紙」と同様に小さめの設定とする。「封筒」の場合は、実験の結果より、できる限り小さく設定することが望ましい。
【0059】
ジャンプ板角度は、「標準」では角度を大きめとして印刷用紙Pにある程度の腰付けをした上で排出する必要がある。「薄紙」の場合は、さらに確実な腰付けの必要があるために角度を大きくし、「厚紙」や「封筒」の場合には、紙自体に腰があるために腰付けが不要であり、また腰付けができないために角度をできるだけ小さくする。
【0060】
レジストローラー対42の圧接力であるレジスト圧は、小さすぎると不送りや位置ずれとなり、大きすぎるとスリップしてしまう。レジスト圧も給紙圧と同様に、「薄紙」や「標準」では可能な限り小さく設定し、「厚紙」の場合は大きく設定する。「封筒」の場合は「標準」と「厚紙」の中間値とする。
【0061】
レジストローラー対42(駆動ローラー42a)の周速度であるレジスト速度は「標準」を速めとし、「薄紙」をやや遅め、「厚紙」を遅めに設定する。「薄紙」の場合は破れの発生を防止し、「厚紙」の場合はスリップの発生を防止するためである。「封筒」は「厚紙」と同様に遅めに設定する。
表1に示した搬送条件は、実験データ等に基づいて予め設定されており、ROM127に記憶されている。
【0062】
使用されるトレイとして「トレイ3」(第4給紙トレイ25)が選択され、印刷用紙P4の種類として「厚紙2」が選択されると、制御手段124が表1に示した搬送条件の中から最適な搬送条件、すなわち給紙圧値「3」、分離圧値「2」、ジャンプ板角度値「小」、レジスト圧値「3」、レジスト速度値「1」を自動的に選択し、給紙圧値が「3」となるようにステッピングモーター85を、分離圧値が「2」となるようにステッピングモーター103を、ジャンプ板角度値が「小」となるようにステッピングモーター168を、レジスト圧値が「3」となるようにステッピングモーター165をそれぞれ作動させ、各ステッピングモーターのステップ値に基づいて、給紙ローラー26、分離パッド100、ジャンプ板166、従動ローラー42bが位置決めされる。また、このときにギヤモーター161のギヤがレジスト速度値「1」に対応したギヤに切り換えられる。
【0063】
トレイ選択操作及び用紙種類選択操作後に、原稿載置台11上に1枚もしくは複数枚の原稿がセットされ、オペレーターによって操作パネル104上の各種キーによって製版条件が設定された後に製版スタートキー105が押されると、画像読取部2において原稿画像が読み取られ、読み取られた画像は画像データ信号として制御手段124に送られる。
【0064】
画像読取部2での画像読取動作と並行して、排版部7では版胴60の外周面上から使用済みマスタ98を剥離する排版動作が行われる。
外周面上に使用済みマスタ98を巻装している版胴60は、図示しない版胴駆動手段によって図の反時計回り方向に回転を開始する。そして版胴60が、その外周面上に巻装した使用済みマスタ98の後端が駆動ローラー95と対応する所定の排版位置に到達したことを制御手段124が判断すると、制御手段124からの指令により図示しない移動手段と駆動手段とが作動し、各駆動ローラー92,95が回転すると共に下排版部材89を版胴60側に移動させる。駆動ローラー95の外周面が版胴60上の使用済みマスタ98と当接したとき、版胴60は反時計回り方向への回転を継続しており、駆動ローラー95と当接してすくい上げられた使用済みマスタ98は下排版部材89と上排版部材88とで挟持され、版胴60の外周面より剥離される。剥離された使用済みマスタ98は、下排版部材89と上排版部材88とで搬送されて排版ボックス90内に廃棄された後、圧縮板91によって圧縮される。
【0065】
版胴60の外周面より使用済みマスタ98が全て剥離されると、版胴60はさらに回転を継続して給版位置に位置決めされる。その後、制御手段124より図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー64が開放され、版胴60が給版待機状態となって排版動作が完了する。
【0066】
排版動作完了後、製版動作が行われる。版胴60が給版待機状態となると、制御手段124からの動作信号によって図示しないステッピングモーターが作動し、プラテンローラー51及び各マスタ搬送ローラー対53,54が回転駆動され、マスタロール48aからマスタ48が引き出される。引き出されたマスタ48はサーマルヘッド50によって加熱穿孔製版される。
【0067】
製版されたマスタ48はクランパー64へと搬送される。そして、図示しないステッピングモーターのステップ数より、マスタ48の先端がクランパー64に挟持される所定位置まで到達したことを制御手段124が判断すると、図示しない開閉手段に動作信号が送られてクランパー64が閉じられ、マスタ48の先端が版胴60上に挟持される。
【0068】
その後、版胴60がマスタ48の搬送速度と同じ周速度で時計回り方向に回転駆動され、マスタ48の版胴60への巻装動作が行われる。そして、図示しないステッピングモーターのステップ数より、1版分の製版が完了したと制御手段124が判断すると、プラテンローラー51と各マスタ搬送ローラー対53,54の回転が停止すると共に、上刃52aが移動してマスタ48が切断される。切断されたマスタ48は版胴60の回転動作によって引き出され、版胴60が再びホームポジションに到達すると、版胴60が停止して巻装動作が完了する。
【0069】
巻装動作に引き続き、版付け動作が行われる。
巻装動作が終了するのに先立ち、制御手段124から指令が送られてモーター55が作動し、第4給紙トレイ25が上昇する。そして、印刷用紙P4の最上面が給紙ローラー26の周面に接触してこれを押し上げると、ブラケット58が上昇して上面検知センサー87に接触し、上面検知センサー87からの信号に基づいてモーター55の作動が停止される。これにより、第4給紙トレイ25が所定の給紙位置に位置決めされる。
【0070】
版胴60がホームポジションで停止すると、制御手段124より動作信号が送られて版胴60が低速で回転駆動されると共に、給紙ローラー26、分離ローラー57、各用紙搬送ローラー40,41がそれぞれ回転駆動される。給紙ローラー26及び分離ローラー57の回転により、第4給紙トレイ25上に積載された印刷用紙P4の最上位の1枚が引き出され、その先端がレジストローラー対42にくわえ込まれる。このとき、最適な搬送条件設定が既になされているので、印刷用紙P4は不送りや重送等の搬送不良を生じることなく、1枚ずつ確実に給送される。
【0071】
版胴60に巻装されたマスタ48の画像領域先端部がプレスローラー62と対応する位置に到達すると、制御手段124から動作信号が送られてレジストローラー対42が回転し、印刷用紙Pを版胴60とプレスローラー62との間に向けて給送する。このときにも印刷用紙P4は、不送り、位置ずれ、スリップ等の搬送不良を生じることなく、確実に給送される。制御手段124は、レジストローラー対42への動作信号に続いてプレスローラー62を保持する図示しない係止手段に動作信号を送り、プレスローラー62を揺動させる。
【0072】
レジストローラー対42により給送された印刷用紙Pは、プレスローラー62によって版胴60に巻装されたマスタ48に押圧される。この押圧動作により、プレスローラー62と印刷用紙Pとマスタ48と版胴60の外周面とが圧接し、インキローラー65によって版胴60の内周面に供給されたインキは、版胴60の外周面の開孔部及びメッシュスクリーンより滲出した後、版胴60の外周面とマスタ48との空隙部に充填され、マスタ48の穿孔部を介して印刷用紙Pに転移される。
【0073】
インキを転移された印刷用紙Pは、剥離爪71の先端で版胴60の外周面より剥離されて各ガイド板72,73間に案内され、吸引ファン79の吸引力によって無端ベルト78の上面に引き付けられつつ左方へと搬送され、ジャンプ板166を介して排紙トレイ80上に排出される。このとき印刷用紙P4は、ジャンプ板166に邪魔されることなく、良好に搬送される。
【0074】
上述の一連の行程によって版付け動作が完了し、孔版印刷装置1は印刷待機状態となる。この版付け動作時において、オペレーターの「厚紙2」という認識が正しければ、印刷用紙P4は搬送不良を生じることなく、良好に排紙トレイ80上に排出される。
【0075】
上述の原稿読取、排版、製版、版付けの各動作が完了して印刷待機状態となった孔版印刷装置1において、オペレーターによって試し刷りキー107が押されると、版付け動作時と同様に第4給紙トレイ25から1枚の印刷用紙P4が給送され、レジストローラー対42にくわえ込まれると共に版胴60が高速で回転駆動される。レジストローラー対42は、版付け動作と同じタイミングで高速回転している版胴60とプレスローラー62との間に印刷用紙P4を給送する。給送された印刷用紙P4は、プレスローラー62によって版胴60に巻装されたマスタ48に押圧されてインキを転移され、その上面に印刷画像を形成された後、剥離爪71によって版胴60の外周面より剥離され、排紙搬送部材74によって左方へと搬送されて排紙トレイ80上に排出される。版胴60は再びホームポジションに戻り、試し刷り動作が完了する。この試し刷り動作時においても、最適な搬送条件設定がなされているので、印刷用紙P4は搬送不良を生じることなく、良好に排紙トレイ80上に排出される。
【0076】
試し刷りによって印刷速度や印刷画像の位置を確認し、これらを操作パネル上の各種キーで調整して再度試し刷りを行った後、テンキー109で印刷枚数を表示装置119に置数した後に印刷スタートキー106を押すことにより、第4給紙トレイ25より印刷用紙P4が連続的に送られて印刷動作が行われる。この印刷動作時においても、最適な搬送条件設定がなされているので、印刷用紙P4は搬送不良を生じることなく、良好に排紙トレイ80上に排出される。
【0077】
ところで、上述の如く最適だと思われる用紙種類を選択設定して版付け動作、試し刷り動作、印刷動作を行った場合であっても、印刷用紙Pの銘柄や種類、印刷用紙Pの状態(吸湿度合いやカール度合い等)、あるいはそのときの環境条件等によっては搬送不良を生じてしまう場合がある。この場合には、操作パネル104上のプログラムキー112、モード設定キー113等を用いて、用紙種類「ユーザー」の欄に任意の値を入力することが可能である。なお、この任意の値は、給紙圧、分離圧、ジャンプ板角度、レジスト圧、レジスト速度を可変させる各アクチュエーターの、設定範囲内における任意値である。
【0078】
上述した孔版印刷装置1において、トレイ選択キー117が押下されて使用されるトレイが選択され、このトレイ上に積載された印刷用紙Pの種類に合わせて用紙選択キー118が押下された後、例えばエンターキー110を押下することにより、選択されたトレイとそれに対応する用紙種類とを、選択されたトレイ毎にRAM126に記憶させる構成を採用することもできる。この構成により、トレイ選択キー117を押下してトレイ表示手段122のLEDを移動させる毎に、用紙選択キー118を押さずとも用紙種類表示手段123のLEDが記憶された種類に自動的に移動され、操作性を向上させることができる。この場合にはRAM126が記憶手段として機能する。また、RAM126にバックアップバッテリーを付設することにより、孔版印刷装置1のメイン電源が切られても設定した内容を保持することが可能となる。
【0079】
上述した孔版印刷装置1の特徴部を示す実施例として、トレイ選択キー117で「トレイ1」あるいは「トレイ2が」選択された後に用紙選択キー118で「厚紙1」あるいは「厚紙2」あるいは「封筒」が選択された場合には、トレイ表示手段122のLEDを強制的にトレイ3(第4給紙トレイ25)に移動させ、トレイ3に対応するアクチュエーターのみを作動可能とする構成を採用している。この構成とすることにより、用紙搬送路が直線的に形成されていない(第1給紙トレイ28及び第3給紙トレイ30から給送される印刷用紙P1,P3は用紙搬送ローラー群41でほぼ直角に曲げられる)給紙トレイでの厚紙若しくはそれに準ずる印刷用紙の使用を禁止することができ、給紙ジャムの発生を未然に防止することができる。この実施例の変形例として、トレイ選択キー117で「トレイ1」あるいは「トレイ2」が選択された後に用紙選択キー118で「厚紙1」あるいは「厚紙2」あるいは「封筒」が選択された場合に、表示装置121に「用紙種類の設定が違います」等の警告を表示したりブザーを鳴らしたりしてオペレーターに注意を促す構成や、「トレイ1」、「トレイ2」が選択された場合には「厚紙1」、「厚紙2」、「封筒」の設定が行えない(用紙種類表示手段123のLEDが移動せず、各アクチュエーターも作動しない)構成としても同様の効果を得ることができる。
【0080】
上記実施例では、トレイ選択キー117が押下された際に、選択された印刷用紙Pのサイズを表示装置121に表示させる構成としたが、用紙選択キー118が押下された際に、選択された印刷用紙Pの種類に相当する具体的な説明(例えば「標準」が選択された場合には「複写用紙、中質紙、上質紙」等)を表示装置121に表示させる構成としてもよい。
【0081】
上記実施例及び変形例では押圧部材としてプレスローラー62を用いた例を示したが、プレスローラー62に代えて、版胴60と同径で版胴60と同期して回転駆動される、印刷用紙くわえ爪を有する圧胴を用いてもよい。この場合、印刷用紙くわえ爪は、用紙選択キー118で「厚紙1」あるいは「厚紙2」あるいは「封筒」が選択された場合に印刷用紙Pの先端をくわえないように構成する。これにより、用紙先端での用紙折れの発生を防止することができる。
【0082】
さらに上記実施例では、印刷用紙Pの用紙搬送路が直線的に形成された用紙貯容部として第4給紙トレイ25を示したが、第4給紙トレイ25に代えて、手差しトレイやLCT(ラージキャパシティトレイ;大容量給紙装置)等を用いてもよい。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、用紙種類設定手段により複数の用紙貯容部毎に印刷用紙の種類を選択して設定し、選択設定された用紙の種類に応じた搬送条件を制御手段が選択して設定するので、用紙の種類に応じて最適な搬送を行うことができ、多段給紙装置を有する孔版印刷装置においても印刷動作時における用紙搬送不良の発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いられる孔版印刷装置の要部概略図である。
【図2】本発明の一実施例に用いられる給紙ローラーと分離ローラーの概略図である。
【図3】本発明の一実施例に用いられるレジストローラー対の概略図である。
【図4】本発明の一実施例に用いられる排紙搬送部材の概略図である。
【図5】本発明の一実施例に用いられる操作パネルの概略図である。
【図6】本発明の一実施例の用いられる制御手段のブロック図である。
【符号の説明】
1 孔版印刷装置
3 給紙装置(給紙部)
25 用紙貯容部(第4給紙トレイ)
28 用紙貯容部(第1給紙トレイ)
29 用紙貯容部(第2給紙トレイ)
30 用紙貯容部(第3給紙トレイ)
117 用紙貯容部選択手段(トレイ選択キー)
118 用紙種類設定手段(用紙選択キー)
124 制御手段
126 記憶手段(RAM)
P,P1,P2,P3,P4 印刷用紙

Claims (1)

  1. 印刷用紙を貯容する用紙貯容部を複数有し、複数種類の印刷用紙を給送可能な給紙装置を有する孔版印刷装置において、
    前記用紙貯容部毎に前記印刷用紙の種類を選択して設定する用紙種類設定手段と、前記用紙種類設定手段により選択設定された用紙の種類に応じた搬送条件を選択して前記用紙貯容部毎に設定する制御手段とを有し、
    前記給紙装置は複数の前記用紙貯容部からの前記印刷用紙の搬送路のうちの少なくとも1つが直線的に形成され、前記用紙種類設定手段は少なくとも標準紙と厚紙とを設定可能であり、前記搬送路が直線的に形成された前記用紙貯容部以外の前記用紙貯容部において前記用紙種類設定手段で厚紙が設定された場合に、前記制御手段によって前記搬送条件が設定される前記用紙貯容部を前記搬送路が直線的に形成された前記用紙貯容部へと強制的に移行させることを特徴とする孔版印刷装置。
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