JP3963490B2 - 3−キノロンカルボン酸誘導体のワンポツト製造方法 - Google Patents

3−キノロンカルボン酸誘導体のワンポツト製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、7−ヘテロシクリル置換3−キノロンカルボン酸誘導体のワンポット(one−pot)製造方法に関するものである。この種類の化合物それ自体は公知である。これらは強力な抗菌作用を示す。これらには例えばオフロキサシン(ofloxacin)、シプロフロキサシン(ciprofloxacin)またはエンロフロキサシン(enrofloxacin)などの如き活性化合物が含まれる。
【0002】
本発明に従って製造すべき上記種類の化合物はその7位が複素環で置換されており、ここで、これらの複素環はヘテロ原子として窒素原子を少なくとも1つ含んでいるが、追加的にまた酸素、硫黄または追加の窒素原子を含んでいてもよい。これらの複素環はまた置換されていてもよい。挙げられ得る単環式置換基の例はピペラジニル、N−エチルピペラジニル、ピロリジニル、3−アミノピロリジニル、モルホリニルまたはチオモルホリニルなどである。
【0003】
1つの態様において、本発明は、7位が二環式複素環で置換されている3−キノロンカルボン酸誘導体に関する。即ち、一般式
【0004】
【化7】
Figure 0003963490
【0005】
[式中、
Aは、CH、CF、CCl、C−OCH3またはC−CH3を表し、
1は、H、ハロゲン、NH2またはCH3を表し、
Yは、CH2またはOを表し、
1は、C1−C3−アルキル、FCH2CH2−またはシクロプロピルを表すか、或は場合によりハロゲンで1回から3回置換されていてもよいフェニルまたはシクロプロピルを表し、
2は、水素、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル−メチル、C2−C5−オキソアルキル、CH2−CO−C65、CH2CH2CO26、R62C−CH=C−CO26、−CH=CH−CO26またはCH2CH2−CNを表し、
ここで、
6は、水素またはC1−C3−アルキルを表す]
で表される3−キノロンカルボン酸誘導体のワンポット製造方法に関するものである。
【0006】
この種類のキノロンカルボン酸誘導体は価値ある薬学活性化合物である。これらは抗菌剤の製造で用いるに適切である。
【0007】
キノロンカルボン酸誘導体を製造するための多様な方法が今まで知られていた。
【0008】
ヨーロッパ特許出願公開第0 167 763号に従い、式(II)
【0009】
【化8】
Figure 0003963490
【0010】
(Z1、Z2およびZ3は互いに独立してフッ素または塩素である)で表される化合物を、DMF、HMPTまたはNMPの如き溶媒中、アルカリ金属のフッ化物またはアルカリ金属の炭酸塩の如き塩基の存在下60℃から300℃の温度で環化させる。次の段階でこのエステル(III)の加水分解を生じさせることによって酸(IV)を生じさせる。次に、この後者を、好適には溶媒中、任意の環状アミン類(V)と反応させることで置換誘導体(VI)を生じさせる。
【0011】
【化9】
Figure 0003963490
【0012】
しかしながら、この(II)から(VI)を生じさせる全収率は56%であり、満足されるものではない。更に、該エステル(III)のアルカリ性加水分解に関連して、特にZ2がフッ素を表す場合、オリゴマーおよびポリマーと成り得るような、Z2がヒドロキシルまたはアルコキシで置換されている副生成物が生じ得る。この加水分解を酸性条件下で実施するとフッ化水素が遊離して来る結果として、製造プラントの腐食がもたらされると共に、金属フッ化物と錯形成する生成物の汚染がもたらされる。これは特に、(II)を(III)に環化させた後(ここでHFが生じて塩基と結合する)このエステル(III)を予め単離することなくこの反応混合物を用いて酸性加水分解を行うとき問題となり、ここでは、これを行っている間に不可避的にフッ化水素(先に塩基と結合したフッ化水素)がもう一度遊離して来る。
【0013】
ヨーロッパ特許出願公開第0 275 971号に従い、以下の如く、閉環を行うに先立ってアミン(V’)を導入することを経由して式(XI)で表される化合物を得ることができる。
【0014】
【化10】
Figure 0003963490
【0015】
次に、以下の如く、上記化合物(II)に相当するシクロプロピルアミノアクリレート前駆体(IX)の合成を行う。
【0016】
【化11】
Figure 0003963490
【0017】
例えばNaHの如き強塩基の存在下で(IX)の環化を行うことによってエステル(X)を生じさせる。
【0018】
【化12】
Figure 0003963490
【0019】
最後に、(X)の加水分解を行うことによって標的化合物(XI)を入手する。
【0020】
【化13】
Figure 0003963490
【0021】
しかしながら、(VII)から(XI)を生じさせる全収率は15%にすぎず、その結果として、この種の方法はあまり経済的でない。
【0022】
ヨーロッパ特許出願公開第0 350 733号にもまた多段階方法が開示されており、これに従い、カルボン酸類(XII、R3=H)とアミン類(これらのいくつかは二環式である)とを反応させることによって抗菌作用を示すキノロンカルボン酸が得られている。
【0023】
しかしながら、このようなアミノアクリレート前駆体から進行させた時の収率は約60%であり、満足されるものではない。更に、この場合も同様に、特にエステル(XII、R3=アルキル)
【0024】
【化14】
Figure 0003963490
【0025】
[A、X1、R1に関しては(I)を参照、
3=ハロゲン、好適にはフッ素]
のアルカリ性加水分解を行うことに関連して7位のハロゲンが望ましくなくヒドロキシルまたはアルコキシで置換されると言った問題が存在している。
【0026】
これらの欠点、即ち多段階合成であること、収率が低いこと、腐食性を示す開裂生成物が生じること、並びに最終生成物が汚染されることなどの欠点により、これらの活性化合物を大規模製造することが更に困難になる。
【0027】
多段階合成方法を回避するには、いわゆるワンポット方法の開発が考えられ得る。このような方法では、中間体の単離を行うことなく、反応体を逐次的に添加することによって、合成を1つの同じ反応容器の中で実施する。ヨーロッパ特許出願公開第0 300 311号には、(VI)キノロンカルボン酸誘導体のタイプ(IV)前駆体を合成する上記方法が開示されている。
【0028】
しかしながら、その公開に記述されている方法はキノロンカルボン酸(IVに類似している)の段階で終了しており、これをその後その7位に導入すべきアミンと反応させる必要がある。従って、上に記述した欠点を回避することは不可能である。
【0029】
ここに、7−ヘテロシクリル置換キノロンカルボン酸誘導体の製造を行うに有利なワンポット方法を見い出し、この方法では、その望まれない7−ヒドロキシ副生成物が生じることに関連した上記欠点を示さないばかりでなく、遊離して来るフッ化水素が原因となるプラントの腐食を完全になくすことができる。これに加えて、段階(XIII)または段階(XXVI)を基準にした収率を通常90%以上にしながら高純度で所望活性化合物(I)を入手することができる。
【0030】
本発明に従い、式(XXVI)
【0031】
【化15】
Figure 0003963490
【0032】
[式中、
Hal、X2およびX3は、フッ素または塩素を表し、そしてAおよびX1は、式(I)で与えた意味を有する]
で表される酸ハロゲン化物と式(CH32N−CH=CH−COORで表されるジメチルアミノアクリル酸エステルとを溶媒中で反応させた後、アミンであるR1−NH2を加えることでこの一次生成物が有するアクリルエステル部分におけるアミン交換を生じさせることにより、アミノアクリルエステル(XIII)を生じさせるか、或は該酸ハロゲン化物(XXVI)を直ちに式R1NH−CH=CH−COORで表されるアミノアクリルエステルと反応させることで、この場合、上述したアミン交換を行わないで該化合物(XIII)を直接生じさせる。
【0033】
この式(XIII)[式中、A、X1およびR1は、式(I)で与えた意味を有しており、X2およびX3はハロゲンを表し、そしてRは、エステル生成に適切な通常の有機基、好適にはメチル、エチルまたはプロピルを表す]で表されるアミノアクリルエステルを、同じ溶媒の中で、助剤である塩基と一緒に加熱することで環化を生じさせることにより、該エステル(XIV)を生じさせる。
【0034】
次に、この複素環、例えば該アミン(XVII)を上記混合物に加え、そして7−置換されている生成物(XVI)の生成が完了した後、強塩基を加えることでその3−エステル官能の加水分解を生じさせる。最後に、酸を加えることによってこの反応混合物を中性にして、その沈澱して来る生成物(I)の単離を行う。以下の図式は本ワンポット方法における反応順を例として具体的に説明するものである。
【0035】
【化16】
Figure 0003963490
【0036】
式(I)と同様(XIII)、(XIV)、(XVI)および(XVII)において、これらの記号は一般に下記の意味を有している:
Aは、CH、CF、CCl、C−OCH3またはC−CH3を表し、
Rは、エステル生成に適切な通常の有機基、好適にはエチル、メチルまたはプロピルを表し、
1は、C1−C3−アルキル、FCH2CH2−またはシクロプロピルを表すか、或は場合によりハロゲンで1回から3回置換されていてもよいフェニルまたはシクロプロピルを表し、
2は、水素、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル−メチル、C2−C5−オキソアルキル、CH2−CO−C65、CH2CH2CO26、R62C−CH=C−CO26、−CH=CH−CO26またはCH2CH2−CNを表し、
ここで、
6は、水素またはC1−C3−アルキルを表し、
Yは、CH2またはOを表し、
1は、H、ハロゲン、NH2またはCH3を表し、そして
2およびX3は、ハロゲンを表す。
【0037】
本発明に従えば、好適には、
AがCH、CF、CCl、C−OCH3またはC−CH3を表し、
RがC1−C4−アルキル、C65またはSi(CH33を表し、
1がC25、場合によりフッ素で1回から3回置換されていてもよいシクロプロピル、または2,4−ジフルオロフェニルを表し、
2がH、CH2−O−CH3、CH2−O−C65、CH2CH2−CO−CH3、CH2CH2CO26、R62C−CH=C−CO26、−CH=CO26またはCH2CH2CNを表し、ここで、R6がC1−C3−アルキルを表し、
YがCH2またはOを表し、
1が水素またはハロゲンを表し、そして
2およびX3が塩素またはフッ素を表す、
前駆体(XIII)と(XVII)を用いて化合物(I)の合成を実施する。
【0038】
AがCClまたはCFを表し、
RがCH3またはC25を表し、
1がシクロプロピルを表し、
2が水素を表し、
YがCH2を表し、
1が水素を表し、
2がフッ素または塩素を表し、そして
3がフッ素を表す、
上記式で表される化合物が特に好適である。
【0039】
本発明に従えばまた、一般式(Ib)
【0040】
【化17】
Figure 0003963490
【0041】
[式中、
Aは、CH、CF、CCl、C−OCH3またはC−CH3を表し、
1は、H、ハロゲン、NH2またはCH3を表し、
1は、C1−C3−アルキル、FCH2CH2−またはシクロプロピルを表すか、或は場合によりハロゲンで1回から3回置換されていてもよいフェニルまたはシクロプロピルを表し、そして
7は、水素、場合により置換されていてもよいアルキルまたはフェニルを表すか、或は窒素原子を保護するに適切な通常の基を表すが、しかしながら、好適にはエチルを表す]
で表される3−キノロンカルボン酸誘導体は、式(XXVI)
【0042】
【化18】
Figure 0003963490
【0043】
[式中、
Hal、X2およびX3は、フッ素または塩素を表し、そしてAおよびX1は、上述した意味を有する]
で表される中間体である酸ハロゲン化物の単離を行うことなく、この酸ハロゲン化物と式
(CH32N−CH=CH−COOR
で表されるジメチルアミノアクリル酸エステルとを溶媒中で反応させた後、アミンであるR1−NH2を加えることでこの一次生成物が有するアクリルエステル部分におけるアミン交換を生じさせることにより、アミノアクリルエステル(XIII)
【0044】
【化19】
Figure 0003963490
【0045】
[ここで、
A、X1およびR1は、式(Ib)で与えた意味を有しており、X2およびX3はハロゲンを表し、そしてRは、エステル生成に適切な通常の有機基、好適にはメチル、エチルまたはプロピルを表す]
を生じさせ、そして次に、これを助剤である塩基が入っている溶媒中で加熱することで環化を生じさせることにより、一般式(XIV)
【0046】
【化20】
Figure 0003963490
【0047】
[式中、
A、R、R1、X1およびX3は、上述した意味を有する]
で表される化合物を生じさせ、これを一般式(XV)
【0048】
【化21】
Figure 0003963490
【0049】
[式中、
7は、上述した意味を有する]
で表される化合物と反応させることで変換を行うことにより、一般式(XXVII)
【0050】
【化22】
Figure 0003963490
【0051】
[式中、
A、R、R1、R7およびX1は、上述した意味を有する]
で表されるエステルを生じさせ、これから、このエステル基のアルカリ性加水分解を行うことによって式(Ib)で表される3−キノロンカルボン酸誘導体を生じさせ、そしてこの反応混合物を中和することによってこの誘導体の沈澱を生じさせることによっても製造される。
【0052】
本発明に従う方法で製造するに特に好適な化合物(I)にはまた、ドイツ特許出願公開第4 208 789号およびドイツ特許出願公開第4 208 792号に記述されているエナンチオマー的に(enantiomerically)純粋なアミン類(XVIIa−d)と(XIII)とを反応させることによって入手可能な光学活性を示す誘導体が含まれる。なお、本明細書では、下記式(XVIIa−d)で表される縮合環式アミン類に対応する基もしくは構造式中の部分を表す式において、不斉炭素原子から伸びる結合手が立体配置を示すように記載されている場合、以下、それらの結合手に結合する水素原子の記載を省略する。そして、これらの結合手には、メチル基が結合していることを意味しない。
【0053】
【化23】
Figure 0003963490
【0054】
本発明に従って特に好適に製造され得る個々の化合物の例は、
【0055】
【化24】
Figure 0003963490
【0056】
8−クロロ−1−シクロプロピル−7−([S,S]−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノン−8−イル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XXX)および
【0057】
【化25】
Figure 0003963490
【0058】
1−シクロプロピル−7−([S,S]−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノン−8−イル)−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XVIII)である。
【0059】
原則として、本発明に従うワンポット方法の実施では全ての通常の不活性有機剤が使用可能である。挙げられ得る例はジメチルエチレン尿素(DMEU)、ジメチルプロピレン尿素(DMPU)、N−メチルカプロラクタム、第三ブタノール、テトラメチル尿素、スルホランおよびジメトキシエタンである。水混和性を示す溶媒、例えばN−メチルピロリドン(NMP)、ジグライム、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)またはジオキサンを好適に用い、特に好適にはNMPを用いる。
【0060】
できるだけ低い温度で環化を実施する。一般に60℃から100℃の温度で充分であり、これは、溶媒の最適量を確かめるのと同様に簡単に、選択した媒体、溶媒/助剤塩基内でその選択した前駆体(XIII)を用いた実地予備実験を行うことで確かめられ得るものである。
【0061】
この環化における助剤である塩基としては、有機合成に通常の酸結合剤が使用可能である。この反応段階では、例として、カリウム第三ブトキサイド、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ナトリウムメトキサイド、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、フッ化カリウムおよびフッ化ナトリウムが挙げられ得る。塩基を10モル%に及ぶ過剰量、適宜それ以上の過剰量で用いるのが有利であり得る。
【0062】
好適には炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムを用いる。
【0063】
環化が終了した後、例えば、同じ温度か或は適宜更に上昇させた温度で、アミン(XV)または(XVII)を計量して加える。最適反応温度は反応体に依存しているが、これは、予備実験で困難なく確かめることができる。一般に60℃から100℃の温度が適当である。
【0064】
(XIV)における7位置換が完了した時点で、この反応混合物を希釈した後、水を加えることで冷却を行う。一般に、この反応混合物の体積におおよそ等しい量で水を用いる。次に、等モル量または約10モル%過剰に及ぶ量でアルカリ金属水酸化物の溶液、好適には水酸化ナトリウムの溶液を加えることで、このエステル官能の加水分解を行う。好適には、約60℃でこの加水分解を実施する。
【0065】
次に、この反応混合物を更に水で希釈するが、この加える水の体積は一般にその混合物の約2倍量である。鉱酸、好適には塩酸または酢酸を用いてこの混合物のpHを約7.8に調整した後、適宜更に冷却を行って0から5℃にする。
【0066】
その後、この段階で沈澱して来た標的生成物、例えば(I)または(Ib)を例えば吸引濾過などで単離する。
【0067】
一般に、この生成物である例えば(I)または(Ib)は、出発化合物(XIII)を基準にして>85%の収率で得られるが、しかしながら通常>90%の収率で得られ、その純度は>95%である。
【0068】
以下の実施例は本発明を説明するものである。
【0069】
1)8−クロロ−1−シクロプロピル−7−([S,S]−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノン−8−イル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XXX)の合成:
【0070】
【化26】
Figure 0003963490
【0071】
a)メチルエステル(R=CH3)経由
30mLのNMPの中で10.2gのK2CO3と17.7g(0.053モル)のXIX(メチルエステル)を60℃で50分間加熱する。
【0072】
7.5g(0.059モル)のS,S−ピロロピペリジン(XXIXa)を加えた後、この混合物を90℃で90分間撹拌する。
【0073】
8.5%の水酸化ナトリウム溶液を33g用いてその得られるエステル(XXII)の加水分解を60℃で50分間行う。この混合物を120mLの水で希釈した後、6Nの塩酸を用いてpHを7.8に調整する。
【0074】
この混合物を5℃に冷却した時点で沈澱して来た生成物(XXX)をブフナー漏斗上で分別し、各場合とも100mLの水を用いて3回洗浄した後、真空中80℃で一晩乾燥させる。
【0075】
収量:19g 理論値の86.1%(97.5重量%で)
b)エチルエステル(R=C25)経由
60mLのジグライムの中で20.4gのK2CO3と36.8g(0.106モル)の(XIX)を80℃で2.5時間加熱する。
【0076】
15g(0.118モル)のS,S−ピロロピペリジン(XXIXa)を加えた後、この混合物を90から100℃で4時間撹拌する。
【0077】
水を60mLと45%水酸化ナトリウム溶液を22g加えた後、その得られるエステル(XXII)の加水分解を80℃で2.5時間以内に生じさせる。この混合物を240mLの水で希釈した後、6Nの塩酸を用いてpHを7.8に調整する。
【0078】
この混合物を5℃に冷却した後、生成物(XXX)を吸引濾別し、水で洗浄した後、真空中70℃で乾燥させる。
【0079】
収量:43g 理論値の96.5%(96.5重量%で)
2)1−シクロプロピル−7−([S,S]−2,8−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノン−8−イル)−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XVIII)の合成:
【0080】
【化27】
Figure 0003963490
【0081】
60mLのNMPの中で20.4gのK2CO3と35.2g(0.106モル)の(XXIII)を60℃で1時間加熱する。(HPLCにより、40分後に(XXIV)が97.6%生じていた)。
【0082】
15.5g(0.12モル)のS,S−ピロロピペリジン(XXIXa)を加える。80℃で2時間後でも(XXIV)が0.2%存在している(HPLC)。
【0083】
60mLの水と12gのNaOHを加えた後、その得られるエステル(XXV)の加水分解を60℃で4時間行うことにより、(XVIII)を生じさせる。
【0084】
この混合物を240mLの水で希釈した後、6Nの塩酸を用いてpHを7.8に調整する。
【0085】
この生成物を吸引濾別し、水で洗浄した後、真空中70℃で乾燥させる。
【0086】
収量:38.1g 理論値の91.4%(98.9重量%で)
3)1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(1−ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XXXIVa)および1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−エチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XXXIVa、b)の合成
【0087】
【化28】
Figure 0003963490
【0088】
最初に50mLのトルエンの中に35.8g(0.25モル)のジメチルアミノアクリル酸エチルと27.3g(0.27モル)のトリエチルアミンを導入した後、48.6g(0.25モル)の2,4,5−トリフルオロベンゾイルクロライド(XXVIa)を50℃で30分以内に滴下する。次に、この混合物を50から55℃で1時間撹拌した後、17.3g(0.28モル)の氷酢酸と15.5g(0.27モル)のシクロプロピルアミンを30から36℃で滴下する。1時間後、100mLの水で塩を抽出する。その有機相を水流ポンプ真空下40℃で蒸発濃縮する。油状物残渣として(XXXII)が80.3g得られる。
【0089】
この油状物(XXXII)にN−メチルピロリドンを250mL加えることによって、これを溶解させた後、48.4g(0.35モル)の炭酸カリウムと一緒に加熱することで80から90℃にする。1時間後、それぞれ86g(1モル)のピペラジン(XVa)か或は114g(1モル)のN−エチルピペラジン(XVb)を加える。この混合物を80から90℃で1時間撹拌した後、150mLの水で希釈する。
【0090】
20g(0.5モル)のNaOHを加えた後、この温度を70℃に1時間維持し、そして続いて更に500mLの水を用いてこの混合物を希釈する。この溶液の中に存在している少量の不純物を濾別した後、半濃度の塩酸を用いてpHを7.5に調整する。
【0091】
この混合物を0から5℃に冷却して2時間後、ベタイン(XXXIV)を吸引濾別した後、各場合とも200mLの水を用いて2回洗浄し、そしてこの生成物を真空中で一晩乾燥させる。
【0092】
収量:XXXIVa 71.4g(98.0重量%、HPLC) 理論値の84.5%
XXXIVb 78.2g(98.5重量%、HPLC) 理論値の87.0%。
【0093】
4)1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(1−ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XXXIVa)および1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(4−エチル−1−ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XXXIVb)の合成
【0094】
【化29】
Figure 0003963490
【0095】
250mLのDMEUの中に82.4gの(XXXV)を溶解させた後、48.4g(0.35モル)の炭酸カリウムと一緒に100から120℃に加熱する。
【0096】
2時間後、86g(1モル)のピペラジン(XVa)か或は114g(1モル)のN−エチルピペラジン(XVb)をそれぞれ加える。この混合物を80から90℃で1時間撹拌した後、150mLの水で希釈する。
【0097】
20g(0.5モル)のNaOHを加えた後、この温度を70℃に1時間維持し、そして続いて更に500mLの水を用いてこの混合物を希釈する。この溶液の中に存在している少量の不純物を濾別した後、半濃度の塩酸を用いてpHを7.5に調整する。
【0098】
この混合物を0から5℃に冷却して2時間後、ベタイン(XXXIV)を吸引濾別した後、各場合とも200mLの水を用いて2回洗浄し、そしてこの生成物を真空中で一晩乾燥させる。
【0099】
収量:(XXXIVa):73.0g(98.5重量%) 理論値の86.8%
(XXXIVb):77.2g(99.0重量%) 理論値の85.1%。
【0100】
5)7−(3−アミノ−1−ピロリジニル)−8−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XI)
【0101】
【化30】
Figure 0003963490
【0102】
65mLのDMEUの中に20.6gの(XIX、R=C25)を溶解させた後、12.2gのK2CO3と一緒に100から120℃で2時間加熱する。
【0103】
8.5gの3−アセトアミドピロリジン(V’)を加えた後、この反応混合物を80℃から90℃で1時間撹拌する。次に、40mLの水で希釈した後、10gのNaOHを加える。90から100℃で4時間後、更に125mLの水を用いてこの混合物を希釈し、濾過した後、半濃度の塩酸を用いてこれの中和を行う。
【0104】
この固体を濾別し、水そしてイソプロパノールで洗浄した後、真空中で一晩乾燥させる。
【0105】
収量:17.3gの(XI)(98.7重量%、HPLC) 理論値の83%
【0106】
【実施例】
1−シクロプロピル−6−フルオロ−7−(1−ピペラジニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(XXXIVa)の合成
【0107】
【化31】
Figure 0003963490
【0108】
最初に50mLのトルエンの中に35.8g(0.25モル)のジメチルアミノアクリル酸エチルと27.3g(0.27モル)のトリエチルアミンを導入した後、24.3g(0.125モル)の2,4,5−トリフルオロベンゾイルクロライド(XXVIa)と26.3g(0.125モル)の2−クロロ−4,5−ジフルオロベンゾイルクロライド(XXVIb)との混合物を50℃で30分以内に滴下する。次に、この混合物を50から55℃で1時間撹拌した後、17.3g(0.28モル)の氷酢酸と15.5g(0.27モル)のシクロプロピルアミンを30から36℃で滴下する。1時間後、100mLの水で塩を抽出する。その有機相を水流ポンプ真空下40℃で蒸発濃縮する。油状物残渣として(XXXIIa/b)が81.5g得られる。
【0109】
この油状物(XXXIIa/b)にN−メチルピロリドンを250mL加えることによって、これを溶解させた後、48.4g(0.35モル)の炭酸カリウムと一緒に加熱することで90から120℃にする。2時間後、86g(1モル)のピペラジン(XVa)を加える。この混合物を80から90℃で1時間撹拌した後、150mLの水で希釈する。
【0110】
20g(0.5モル)のNaOHを加えた後、この温度を70℃に1時間維持し、そして続いて更に500mLの水を用いてこの混合物を希釈する。この溶液の中に存在している少量の不純物を濾別した後、半濃度の塩酸を用いてpHを7.5に調整する。
【0111】
この混合物を0から5℃に冷却して2時間後、ベタイン(XXXIV)を吸引濾別した後、各場合とも200mLの水を用いて2回洗浄し、そしてこの生成物を真空中で一晩乾燥させる。
【0112】
収量:XXXIVa 73.4g(98.0重量%、HPLC) 理論値の86.5%
本発明の特徴および態様は以下のとうりである。
【0113】
1. 一般式(Ia)
【0114】
【化32】
Figure 0003963490
【0115】
[式中、
R’およびR”は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、全ての環部分が適宜さらなる窒素、酸素または硫黄ヘテロ原子を含んでいてもよくそして適宜置換されていてもよい単環式または二環式複素環を形成しており、そして
Aは、CH、CF、CCl、C−OCH3またはC−CH3を表し、
1は、H、ハロゲン、NH2またはCH3を表し、
1は、C1−C3−アルキル、FCH2CH2−またはシクロプロピルを表すか、或は場合によりハロゲンで1回から3回置換されていてもよいフェニルまたはシクロプロピルを表す]
で表される3−キノロンカルボン酸誘導体のワンポット製造方法であって、
式(XXVI)
【0116】
【化33】
Figure 0003963490
【0117】
[式中、
Hal、X2およびX3は、フッ素または塩素を表し、そしてAおよびX1は、上述した意味を有する]
で表される中間体である酸ハロゲン化物の単離を行うことなく、この酸ハロゲン化物と式(CH32N−CH=CH−COORで表されるジメチルアミノアクリル酸エステルとを溶媒中で反応させた後、アミンであるR1−NH2を加えることでこの一次生成物が有するアクリルエステル部分におけるアミン交換を生じさせることにより、アミノアクリルエステル(XIII)
【0118】
【化34】
Figure 0003963490
【0119】
[ここで、
A、X1およびR1は、式(Ia)で与えた意味を有しており、X2およびX3はハロゲンを表し、そしてRは、エステル生成に適切な通常の基、好適にはメチル、エチルまたはプロピルを表す]
を生じさせるか、或は該酸ハロゲン化物を直ちに式R1NH−CH=CH−COORで表されるアミノアクリルエステルと反応させることで、この場合、上述したアミン交換を行わないで該化合物(XIII)を直接生じさせ、そして、この化合物(XIII)を助剤である塩基と一緒に溶媒中で加熱することで環化を生じさせることにより、一般式(XIV)
【0120】
【化35】
Figure 0003963490
【0121】
[式中、
A、R、R1およびX3は、上述した意味を有する]
で表される化合物を生じさせ、この中間体の単離を行うことなく、これを複素環式化合物
【0122】
【化36】
Figure 0003963490
【0123】
[ここで、
R’およびR”は、上述した意味を有する]
と反応させることで、一般式
【0124】
【化37】
Figure 0003963490
【0125】
[式中、
A、R、R1、R’、R”およびX1は、上述した意味を有する]
で表されるエステルに転化させ、これから、このエステル基のアルカリ性加水分解を行うことによって式(Ia)で表される3−キノロンカルボン酸誘導体を生じさせ、そしてこの反応混合物を中和することによってこの誘導体の沈澱を生じさせることを特徴とする方法。
【0126】
2. 一般式(Ib)
【0127】
【化38】
Figure 0003963490
【0128】
[式中、
Aは、CH、CF、CCl、C−OCH3またはC−CH3を表し、
1は、H、ハロゲン、NH2またはCH3を表し、
1は、C1−C3−アルキル、FCH2CH2−またはシクロプロピルを表すか、或は場合によりハロゲンで1回から3回置換されていてもよいフェニルまたはシクロプロピルを表し、そして
7は、水素、場合により置換されていてもよいアルキルまたはフェニルを表すか、或は窒素原子を保護するに適切な通常の基を表すが、しかしながら、好適にはエチルを表す]
で表される3−キノロンカルボン酸誘導体の第1項記載のワンポット製造方法であって、
式(XXVI)
【0129】
【化39】
Figure 0003963490
【0130】
[式中、
Hal、X2およびX3は、フッ素または塩素を表し、そしてAおよびX1は、第1項に従う意味を有する]
で表される中間体である酸ハロゲン化物の単離を行うことなく、この酸ハロゲン化物と式
(CH32N−CH=CH−COOR
で表されるジメチルアミノアクリル酸エステルとを溶媒中で反応させた後、アミンであるR1−NH2を加えることでこの一次生成物が有するアクリルエステル部分におけるアミン交換を生じさせることにより、アミノアクリルエステル(XIII)
【0131】
【化40】
Figure 0003963490
【0132】
[ここで、
A、X1およびR1は、式(Ib)で与えた意味を有しており、X2およびX3はハロゲンを表し、そしてRは、エステル生成に適切な通常の有機基、好適にはメチル、エチルまたはプロピルを表す]
を生じさせ、そして次に、これを助剤である塩基が入っている溶媒中で加熱することで環化を生じさせることにより、一般式(XIV)
【0133】
【化41】
Figure 0003963490
【0134】
[式中、
A、R、R1、X1およびX3は、上述した意味を有する]
で表される化合物を生じさせ、これを一般式(XV)
【0135】
【化42】
Figure 0003963490
【0136】
[式中、
7は、上述した意味を有する]
で表される化合物と反応させ、一般式(XXVII)
【0137】
【化43】
Figure 0003963490
【0138】
[式中、
A、R、R1、R7およびX1は、上述した意味を有する]
で表されるエステルに転化させ、これから、このエステル基のアルカリ性加水分解を行うことによって式(Ib)で表される3−キノロンカルボン酸誘導体を生じさせ、そしてこの反応混合物を中和することによってこの誘導体の沈澱を生じさせることを特徴とする方法。
【0139】
3. 一般式(I)
【0140】
【化44】
Figure 0003963490
【0141】
[式中、
Aは、CH、CF、CCl、C−OCH3またはC−CH3を表し、
1は、H、ハロゲン、NH2またはCH3を表し、
Yは、CH2またはOを表し、
1は、C1−C3−アルキル、FCH2CH2−またはシクロプロピルを表すか、或は場合によりハロゲンで1回から3回置換されていてもよいフェニルまたはシクロプロピルを表し、
2は、水素、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル−メチル、C2−C5−オキソアルキル、CH2−CO−C65、CH2CH2CO26、R62C−CH=C−CO26、−CH=CH−CO26またはCH2CH2−CNを表し、
ここで、
6は、水素またはC1−C3−アルキルを表す]
で表される3−キノロンカルボン酸誘導体のワンポット製造方法であって、式
【0142】
【化45】
Figure 0003963490
【0143】
[式中、
Hal、X2およびX3は、フッ素または塩素を表し、そしてAおよびX1は、式(I)で与えた意味を有する]
で表される中間体である酸ハロゲン化物の単離を行うことなく、この酸ハロゲン化物と式(CH32N−CH=CH−COORで表されるジメチルアミノアクリル酸エステルとを溶媒中で反応させた後、アミンであるR1−NH2を加えることでこの一次生成物が有するアクリルエステル部分におけるアミン交換を生じさせることにより、アミノアクリルエステル(XIII)
【0144】
【化46】
Figure 0003963490
【0145】
[ここで、
A、X1およびR1は、式(I)で与えた意味を有しており、X2およびX3はハロゲンを表し、そしてRは、エステル生成に適切な通常の有機基、好適にはメチル、エチルまたはフェニルを表す]
を生じさせ、そしてこのアミノアクリルエステル(XIII)を助剤である塩基と一緒に溶媒中で加熱することで環化を生じさせることにより、一般式(XIV)
【0146】
【化47】
Figure 0003963490
【0147】
[式中、
A、R、R1、X1およびX3は、上述した意味を有する]
で表される化合物を生じさせ、これを一般式(XVII)
【0148】
【化48】
Figure 0003963490
【0149】
[式中、
2は、水素、5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル−メチル、C2−C5−オキソアルキル、CH2−CO−C65、CH2CH2CO26、R62C−CH=C−CO26、−CH=CH−CO26またはCH2CH2−CNを表し、
Yは、CH2またはOを表す]
で表される化合物と反応させ、一般式(XVI)
【0150】
【化49】
Figure 0003963490
【0151】
[式中、
A、R、R1、R2、YおよびX1は、上述した意味を有する]
で表されるエステルに転化させ、これから、このエステル基のアルカリ性加水分解を行うことによって式(I)で表される3−キノロンカルボン酸誘導体を生じさせ、そしてこの反応混合物を中和することによってこの誘導体の沈澱を生じさせることを特徴とする方法。
【0152】
4. AがCH、CF、CCl、C−OCH3またはC−CH3を表し、
Rが、エステル生成に適切な通常の有機基を表し、
1が、C1−C3−アルキル、FCH2CH2−またはシクロプロピルを表すか、或は場合によりハロゲンで1回から3回置換されていてもよいフェニルまたはシクロプロピルを表し、
1が、H、ハロゲン、NH2またはCH3を表し、そして
2およびX3がハロゲンを表す、
式(XIII)で表されるアクリルエステルを用いると共に、
2が、H、CH2−O−CH3、CH2−O−C65、CH2CH2−CO−CH3、CH2CH2CO26、R62C−CH=C−CO26、−CH=CO26またはCH2CH2CNを表し、
ここで、
6がC1−C3−アルキルを表し、そして
YがCH2またはOを表す、
式(XVII)で表される化合物を用いることを特徴とする第3項記載の方法。
【0153】
5. AがCHを表し、
1が水素を表し、
2がフッ素または塩素を表し、そして
3がフッ素を表す、
式(XXVI)で表される酸ハロゲン化物を用いると共に、
7が水素またはエチルを表す、
式(XV)で表される化合物を用いることを特徴とする第2項記載の方法。
【0154】
6. AがCClまたはCFを表し、
RがCH3またはC25を表し、
1がシクロプロピルを表し、
1が水素を表し、
2がフッ素または塩素を表し、そして
3がフッ素を表す、
式(XIII)で表されるアクリルエステルを用いると共に、
2が水素を表し、そして
YがCH2を表す、
式(XVII)で表される化合物を用いることを特徴とする第4項記載の方法。
【0155】
7. 式(XVII)で表される化合物がエナンチオマー的に純粋な物質であることを特徴とする第1、3、4および6項記載の方法。
【0156】
8. 式(XVII)で表される化合物が式(XXIXa)から(XXIXd)
【0157】
【化50】
Figure 0003963490
【0158】
で表される化合物の群からのエナンチオマー的に純粋な化合物であることを特徴とする第6項記載の方法。
【0159】
9. 式(XIII)で表される化合物の環化を生じさせるための助剤である塩基として炭酸カリウムを用いることを特徴とする第1から8項記載の方法。

Claims (1)

  1. 一般式(Ia)
    Figure 0003963490
    [式中、
    R’およびR”は、これらが結合している窒素原子と一緒になって、全ての環部分が適宜さらなる窒素、酸素または硫黄ヘテロ原子を含んでいてもよくそして適宜置換されていてもよい単環式または二環式複素環を形成しており、そして
    Aは、CH、CF、CCl、C−OCH3またはC−CH3を表し、
    1は、H、ハロゲン、NH2またはCH3を表し、
    1は、C1−C3−アルキル、FCH2CH2−またはシクロプロピルを表すか、或は場合によりハロゲンで1回から3回置換されていてもよいフェニルまたはシクロプロピルを表す]
    で表される3−キノロンカルボン酸誘導体の製造方法であって、各工程で生成する中間体を単離せずに行う、所謂ワンポット反応で、
    式(XXVI)
    Figure 0003963490
    [式中、
    Hal、X2およびX3は、フッ素または塩素を表し、そしてAおよびX1は、上述した意味を有する]
    で表される中間体である酸ハロゲン化物の単離を行うことなく、この酸ハロゲン化物と式(CH32N−CH=CH−COORで表されるジメチルアミノアクリル酸エステルとを溶媒中で反応させた後、アミンであるR1−NH2を加えることでこの一次生成物が有するアクリルエステル部分におけるアミン交換を生じさせることにより、アミノアクリルエステル(XIII)
    Figure 0003963490
    [ここで、
    A、X1およびR1は、式(Ia)で与えた意味を有しており、X2およびX3はハロゲンを表し、そしてRは、メチル、エチルまたはプロピルを表す]
    を生じさせるか、或は該酸ハロゲン化物を直ちに式R1NH−CH=CH−COORで表されるアミノアクリルエステルと反応させることで、この場合、上述したアミン交換を行わないで該化合物(XIII)を直接生じさせ、そして、この化合物(XIII)を助剤である塩基と一緒に溶媒中で加熱することで環化を生じさせることにより、一般式(XIV)
    Figure 0003963490
    [式中、
    A、R、R1およびX3は、上述した意味を有する]
    で表される化合物を生じさせ、この中間体の単離を行うことなく、これを複素環式化合物
    Figure 0003963490
    [ここで、
    R’およびR”は、上述した意味を有する]
    と反応させることで、一般式
    Figure 0003963490
    [式中、
    A、R、R1、R’、R”およびX1は、上述した意味を有する]
    で表されるエステルに転化させ、これから、このエステル基のアルカリ性加水分解を行うことによって式(Ia)で表される3−キノロンカルボン酸誘導体を生じさせ、そしてこの反応混合物を中和することによってこの誘導体の沈澱を生じさせることを特徴とする方法。
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