JP3898460B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機などの遊技機に関し、特に、遊技機が連続的に次々と始動入賞状態となった場合にも、円滑に遊技制御を続ける弾球遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機などの弾球遊技機は、遊技盤に設けた図柄始動手段と、複数個の特別図柄を所定時間変動させた後に停止させる図柄表示手段と、開閉板を開閉駆動させる大入賞手段などを備えて構成されている。そして、図柄始動手段が遊技球を検出すると遊技機は入賞状態(始動入賞状態)となり、図柄表示手段が特別図柄の変動動作を開始させる。また、大当り判定手段が機能して、例えば、抽選用乱数値を抽出し、抽出した抽選用乱数値RNDを大当り当選値Hitと比較する抽選処理が行われる。
【0003】
この抽選処理において抽選用乱数値RNDと大当り当選値Hitとが一致した場合には、変動後の停止状態で特別図柄が整列し、その後は開閉板が繰り返し開放されて多数の賞球の払出しが期待できる大当りゲームが開始される。なお、特別図柄の変動動作は抽選処理の当否結果に係わらず行われ、例えば、最初に2つの特別図柄を整列させ、その後、気を持たせつつ最後の1つの特別図柄を所定時間だけ変動させるリーチアクションなどが演出される。
【0004】
このような遊技機として、例えば、特許2966072号に係る発明が提案されている。この発明では、リーチアクションなどを含む変動動作中に新たな入賞状態が発生した場合、最高保留数(=4個)までは入賞状態を保留するが、これを越えた入賞状態は抽選動作に寄与させないようにしている。すなわち、新たな入賞状態が発生した場合、始動入賞カウンタの値が4未満の場合に限って、エリア番号(1〜4)で特定される所定アドレスに当否データ(図9(a)ではR0〜R2)を記憶するようにしている。
【0005】
一方、このようにして記憶された当否データを読み出す際には、未処理の当否データのうち、最古の保留データ(図9(a)ではR0)を処理対象とし、その他のデータはシフト演算によって記憶位置を順次移動させるようにしている(図9(b)参照)。また、特許2966072号に係る発明では、変動動作中に入賞状態が発生したことを条件に、図柄表示手段による変動図柄の表示時間を短縮化しており、この結果、入賞状態が保留されている場合には、早期に当否結果が導出表示されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のパチンコ機には、更に改良すべき問題点が含まれている。先ず、従来のパチンコ機では、最高保留数を固定的に制限している点が問題であり、折角の入賞状態であるにも係わらず、4個目を越えた入賞球が15個程度の賞球払出しにしか寄与しないのでは遊技者を白けさせてしまう恐れがある。すなわち、現に、次々と始動入賞状態が発生しているのであれば、大当り状態を引当てる可能性を可能な限り引き続いて与えるべきである。
【0007】
但し、単に最高保留数を増加させるだけの対策では、最高保留数の増加に起因して遊技機本来の制御動作に支障をきたす恐れがある。具体的に説明すると、一般にパチンコ機では、タイマ割込みにより数m秒程度の微少時間にて遊技制御動作を循環して行なっているが、従来タイプの保留処理(図9)のまま最高保留数を増加させたのでは、その分だけシフト処理の処理時間が長引くため、遊技動作に支障が生じる虞がある。
【0008】
つまり、シフト処理による処理時間の遅れにより、実行されるべき処理が完了する前にタイマ割込みが発生して遊技機が誤作動する虞があり、この場合は遊技者と遊技ホールとのトラブルが避けられないことになる。
【0009】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、遊技機が連続的に次々と始動入賞状態となった場合にも、円滑に遊技制御を実現できるようにした弾球遊技機を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するためには、本発明は、表示状態が変化可能な可変表示装置と、遊技領域に打ち込まれた遊技球が入賞可能な始動入賞領域と、前記始動入賞領域に入賞した入賞球を検出する始動入賞球検出手段と、前記始動入賞球検出手段が入賞球を検出することを条件に前記可変表示装置を所定時間可変表示動作させてから識別情報を導出表示させ、その導出表示結果が予め定められた特定の表示態様になる場合に遊技者にとって有利な遊技状態を発生させる遊技制御手段とを備えると共に、前記遊技制御手段は、始動入賞球検出手段による入賞球の検出のうち未だ前記可変表示装置の前記可変表示動作の制御に用いられていない保留入賞球に関連する情報を記憶可能な保留記憶手段と、該保留記憶手段の記憶内容に基づいて消化制御を行なう保留消化手段とを含む弾球遊技機であって、前記保留記憶手段は、前記保留入賞球の個数が最高保留数を越えていないことを条件に機能し、前記保留入賞球の発生に関連して決定されるデータ(RND,ZU,TIME)を、所定の保留エリア(A2)を循環的に使用して順次に保存し、前記保留消化手段は、遊技機が特定の遊技動作を終了した場合に機能して、前記所定の保留エリア(A2)を循環的に使用して前記データを順次に読み出すようにしている。
【0012】
RAM領域の使用方法は特に限定されるものではないが、請求項6に係る発明のように、使用可能なRAMの全領域を、遊技機のプログラムに基づいて固定的に確保されるスタック領域及びワーク領域と、その他の残余領域とに区分すると共に、残余領域の限界位置まで保留エリアA2として確保するのが好ましい。ここで、スタック領域とは、LIFO(Last-In First-Out)のデータ構造をもつ領域であり、割込み処理などにおいてレジスタを退避したり、或いはサブルーチン(割込み処理ルーチンを含む)に分岐する際の戻り番地を記憶するのに使用する領域を意味する。また、ワーク領域とは、フラグ値なども含め制御プログラム実行中に計算結果などを一時的に保存するために確保されている領域を意味する。
【0013】
一般に、遊技機では、使用できるRAM領域の大きさW0は、遊技機の違法改造を困難にするなどの観点から公的機関によって限定的に確定されている。一方、ワーク領域の大きさW1は、遊技機のプログラムに応じて固定的に確定され、またスタック領域の大きさW2も、割込み処理のネスティングの深さを制限することで、遊技機のプログラムに応じて固定的に確定される。そのため、請求項6に係る遊技機では、残余エリアの大きさがW0−W1−W2のように確定されることになるが、この残余領域を目一杯に使用することによって、遊技機が連続的に入賞状態となった場合にも、その入賞状態を最大限に保留するようにしている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例であるカード式弾球遊技機に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施例のパチンコ機2を示す斜視図であり、図2は、同パチンコ機2の側面図である。
【0017】
図1に示すパチンコ機2は、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製の外枠3と、外枠3に固着されたヒンジHを介して開閉可能に枢着される前枠4とで構成されている。なお、このパチンコ機2は、カード式球貸し機1に電気的に接続された状態で、パチンコホールの島構造体の長さ方向に複数個が配設されている。
【0018】
ヒンジHを介して外枠3に枢着される前枠4には、遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、この遊技盤5の前側に対応して、窓部を有するガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠4の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射手段10の発射ハンドル11とが設けられている。
【0019】
発射手段10は、回動操作可能な発射ハンドル11と、この発射ハンドル11の回動角度に応じた打撃力で打撃槌12(図4)により遊技球を発射させる発射モータなどを備えている。上皿8の右部には、カード式球貸し機1に対する球貸し操作用の操作パネル13が設けられ、この操作パネル13には、カード残額を3桁の数字で表示するカード残額表示部13aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ13bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ13cとが設けられている。
【0020】
図3に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール15がほぼ環状に設けられ、このガイドレール15の内側の遊技領域5aには、カラーの液晶ディスプレイ16、検出スイッチを備える図柄始動口(図柄始動手段兼入賞手段)17、開閉式入賞手段(大入賞手段)18、複数の普通入賞手段19(上段の普通入賞手段19以外に、開閉式入賞手段18の左右両側部に6つの普通入賞手段19)、2つのゲート20(通過口)が夫々所定の位置に配設されている。
【0021】
液晶ディスプレイ16は、特別図柄を変動表示するとともに背景画像や各種のキャラクタの動画などを表示する第1図柄表示手段22として機能する。第1図柄表示手段22は、背景画やキャラクタをアニメーション的に表示するとともに、左右方向に並ぶ3個(左、中、右)の図柄表示部22a〜22cを有し、図柄始動口17に遊技球が入賞することを条件に、各図柄表示部22a〜22cの表示図柄が所定時間だけ変動表示(スクロール表示)され、図柄始動口17への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定されるパターンで特別図柄を停止させる。
【0022】
液晶ディスプレイ16の直ぐ上側に、普通入賞手段19と第2図柄表示手段23とが設けられている。第2図柄表示手段23は1個の普通図柄を表示する普通図柄表示部を有し、ゲート20を通過した遊技球が検出されたとき、普通図柄表示部の表示図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート20通過時点において抽選された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。図柄始動口17には、開閉自在な左右1対の開閉爪17aを備えた電動式チューリップが設けられており、第2図柄表示手段23の変動後の普通図柄が整列した場合には、開閉爪17aが所定時間だけ開放されるようになっている。
【0023】
開閉式入賞手段18は前方に開放可能な開閉板18aを備え、第1図柄表示手段22の変動後「777」などの特別図柄が整列すると、「大当り」と称する特別遊技が開始され、開閉板18aが前側に開放される。この開閉式入賞手段18の内部に特定領域18bがあり、この特定領域18bを入賞球が通過すると、特別遊技が継続される。
【0024】
開閉式入賞手段18の開閉板18aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞して開閉板18aが閉じるときに、遊技球が特定領域18bを通過していない場合には特別遊技が終了するが、特定領域18bを通過していれば最大で例えば15回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。
【0025】
図4に示すように、前枠4の裏側には、遊技盤5を裏側から押さえる裏機構板30が着脱自在に装着され、この裏機構板30には開口部30aが形成され、その上側に賞球タンク33と、これから延びるタンクレール34とが設けられ、このタンクレール34に接続された払出し手段35が裏機構板30の側部に設けられ、裏機構板30の下側には払出し手段35に接続された通路ユニット36が設けられている。払出し手段35から払出された遊技球は通路ユニット36を経由して上皿排出口8a(図1)から上皿8に払出される。
【0026】
裏機構板30の開口部30aには、遊技盤5の裏側に装着された裏カバー37と、入賞手段17〜19に入賞した遊技球を排出する入賞球排出樋(不図示)とが夫々嵌合されている。この裏カバー37に装着されたケース38の内部に主制御基板39が配設され、その前側に図柄制御基板40が配設されている(図2)。主制御基板39の下側で、裏カバー37に装着されたケース41aの内部にランプ制御基板42が設けられ、このケース41aに隣接するケース41bの内部にサウンド制御基板43が設けられている。
【0027】
これらケース41a,41bの下側で裏機構板30に装着されたケース44の内部には、電源基板45と払出し制御基板46が夫々設けられている。この電源基板45には、図4に示すように、電源スイッチ80と初期化スイッチ85とが配置されている。これら両スイッチ80,85に対応する部位はケース44が切欠かれ、両スイッチ80,85の各々を指で同時に操作可能になっている。
【0028】
また、発射手段10の後側に装着されたケース47の内部には、発射制御基板48が設けられている。これら制御基板39〜40,42〜43,45〜46,48は夫々独立の基板であり、電源基板45と発射制御基板48を除く制御基板39,40,42,43,46には、ワンチップマイコンLE2080A(LE・Tech社製)を備えるコンピュータ回路が搭載されており、主制御基板39と他の制御基板40,42,43,46とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続されている。
【0029】
主制御基板39とその他の制御基板40,42,43,46とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続され、主制御基板39から各制御基板40,42,43,46に、所定の遊技動作を実行させる種々の制御コマンドを一方向通信で送信可能になっている。制御コマンドの一方向通信を採用することで、主制御基板39の動作に関する不正を確実に防止できるとともに、主制御基板39の制御負荷を格段に軽減でき、送信制御を簡単化することができる。
【0030】
この実施例で使用するワンチップマイコンLE2080Aは、Z80(Zilog社)相当品のCPUとROMとRAMとその他のICとで構成されているが、主制御基板39に搭載されたワンチップマイコンには、後述する制御プログラムを格納したROMと、256バイトの記憶容量を有するRAMとが内蔵されている。256バイトのRAM領域は、W1バイト長のワーク領域と、W2バイト長のスタック領域の他は、全て入賞球の保留領域(256−W1−W2=W3バイト)として確保されている。そして、入賞球の保留領域は、8バイト長の普通当り用の保留エリアA1と、W3−8バイト長の大当り用の保留エリアA2とに区分されている。
【0031】
普通当り用の保留エリアA1は、普通図柄が変動動作中か、電動チューリップが開放動作中に遊技球がゲート20を通過すると使用されるエリアであり、保留エリアA1が8バイト長であることから、ゲート通過時に取得された2バイト長の当り用乱数値RGが最高4個まで記憶できることになる。
【0032】
一方、大当り用の保留エリアA2は、特別図柄が変動動作中か、大当り動作中に遊技球が図柄始動口17を通過すると使用されるエリアであり、図柄始動口への入賞時に取得された2バイト長の大当り用乱数値BIGと、大当り抽選に外れた場合に表示する図柄に関する図柄データ(1バイト長)と、変動時間に関する時間データTIME(2バイト長)とが記憶される。本実施例では、記憶されるデータが5バイト長であることから、大当り用入賞球の保留数は、最大で[(256−W1−W2−8)/5]となり、大当り用の入賞保留数を極限まで増やすことが可能となる。なお、[ ]は、小数点を切り捨てて整数値を算出するガウス記号であるが、[(256−W1−W2−8)/5]=MAXとして以降の説明をすることにする。
【0033】
図5は、保留エリアA2をワーク領域の一部と共に図示したものであり、保留エリアA2の記憶容量は、TOP+0番地からTOP+(MAX−1)番地までの合計MAX×5バイト長である。この保留エリアA2はリングバッファの構造を有しており、TOP+NUMで特定されるエリアに順次データが書き込まれる一方、TOP+(NUM−HORYU)又はTOP+(NUM−HORYU)+MAXで特定されるエリアのデータが順次読み出される。
【0034】
以下、ワンチップマイコンのROMに格納された制御プログラムについて概括的に説明する。営業開始に際して、パチンコ機2の前枠4を前方に開いた状態で、初期化スイッチ85を押圧操作しながら電源スイッチ80をオン側に切換えると、直流電圧+Vccが各制御基板39〜40,42〜43,46に供給される。その結果、制御基板39,40,42,43,46に搭載されたCPUは電源リセットされ、主制御基板39では、遊技制御が開始され、その他の制御基板40,42,43,46においても夫々の制御動作が開始される。
【0035】
主制御基板39における遊技制御動作は、定常的には、所定時間(2m秒)毎に生じるタイマ割込みによって実現される。図6〜図8は、このタイマ割込みに起因する割込み処理プログラムのうち、入賞球(始動入賞球)の保留動作に関係する部分を抽出したものである。割込み処理プログラムでは、最初に、大当り用カウンタBIGや普通当りカウンタRGの更新処理が行われる(S1)。更新処理の具体的内容は特に限定されないが、所定の数値範囲内の数値列をインクリメント(+1)処理によって循環させるのが簡易的である。
【0036】
次に、図柄始動口17の入賞検出センサを含む各種のスイッチからの情報を読み込むスイッチ関連処理が実行される(S2)。図7は、その内容を詳細に図示したものである。スイッチ関連処理では、最初にスイッチ信号入力処理が実行され、遊技球がゲート20を通過したか否か、遊技球が図柄始動口17を通過したか否かなどを含む遊技盤5の情報が把握される(S20)。
【0037】
続いて、HORYU番地のデータ(変数HORYU)と最大保留値MAXとの比較によって、大当り用の保留エリアA2が満杯状態か否かが判定される(S21)。そして、HORYU<MAXなら、ステップS20の処理で把握した情報に基づいて、図柄始動口スイッチがON状態であったか否かを判定する(S22)。
【0038】
その判定の結果、図柄始動口スイッチがON状態(始動入賞状態)であれば、ステップS1において更新された大当り用カウンタBIGの値を抽選用乱数値RND(2バイト)として取得すると共に、他の3バイトデータを確定する(S23)。3バイトデータは、本実施例では、その後の抽選動作で外れ状態となったときに表示するべき図柄データZU(1バイト)と、図柄を変動動作させる場合の演出時間を示す変動時間データTIME(2バイト)である。
【0039】
図柄データZUは、間欠的に生じる割込み処理と割込み処理の間に実行されるメインルーチンにおいて乱数的に更新されているので、その値をそのまま取得する。一方、変動時間データTIMEとして3種類が用意されており、入賞保留状態ではない通常時における変動時間TLと、入賞保留数が3個を越えた場合の変動時間TMと、入賞保留数が6個を越えた場合の変動時間TSのうちいずれかが選択される。変動時間はTL>TM>TSの関係にあるが、本実施例では、入賞保留数が1個又は2個の場合には、入賞保留がない場合と同様の動作をさせると共に、入賞保留数が増えるに応じて段階的に変動時間を短くしているので、遊技者を飽きさせず且つ苛立たせない個性ある演出を実現できる。
【0040】
これら取得された合計5バイトのデータ(RND,ZU,TIME)は、TOP番地から始まる大当り用の保留エリアA2の該当領域に保存される(S24)。具体的な保存先は、NUM番地の内容によって決定されるようになっており、例えば、NUM=27の状態ならTOP+27で決まるエリアに大当り用カウンタの値RNDと図柄データZUと変動時間データTIMEとが保存される(S24)。
【0041】
そして、その後、HORYU番地の内容がインクリメントされて入賞保留数(未処理の入賞個数)がカウントアップされる(S25)。また、次の書込み領域を指定すべくNUM番地の内容もインクリメント処理される(S25)。なお、図5は、ステップS25の処理後の状態を模式的に図示したものである。
【0042】
続いて、NUM番地のデータが限界値(MAX−1)を超えているか否かが判定され(S26)、もし、超えていたらNUM番地にゼロを格納して保留エリアA2に関する処理を終える(S27)。保留エリアA2は、TOP+0からTOP+MAX−1までのMAX個の領域が確保されているので、NUM=MAXとなれば次に書き込む領域をTOP+0の位置に戻すのである。以上、始動口スイッチがON状態であった場合について説明したが、普通当りか否かの抽選に関係するゲート20のスイッチがON状態であった場合も同様の処理が行われる。
【0043】
以上のようにしてスイッチ関連処理(S2)が終わると、図6のステップS3に移行し、現在の遊技機が普通当りの動作を実行中であるか否かをワーク領域のフラグ値F1に基づいて判定する(S3)。そして、普通当り動作中であれば、その動作を継続させ(S5)、そうでなければ、第2図柄表示手段23の普通図柄表示部に関する普通図柄処理を実行する(S4)。普通図柄処理では、例えば、今回のスイッチ信号入力処理(S20)によって、遊技球がゲート20を通過したことが把握されれば、ステップS1で更新された普通当り用カウンタRGの値に応じて、普通図柄表示部23に当り図柄を表示するか否かが判定される。
【0044】
ステップS4又はS5の処理が終わると、次に、現在、遊技機が大当り動作中であるか否かがRAM領域のフラグ値F2に基づいて判定され(S6)、大当り動作中であれば、その動作を継続させ(S8)、そうでなければ、特別図柄に関する処理を実行する(S7)。図8は、この特別図柄処理の一部を詳細に図示したものである。
【0045】
図8に示すように、特別図柄処理では、先ず、現在、特別図柄の変動動作中であるか否かが判定され(S30)、変動動作中でなければ、HORYU番地の内容が0か否かが判定される(S31)。先に説明したように、入賞状態では、HORYU番地に入賞状態の保留数が保存されている(図7のS25)。
【0046】
そこで、HORYU≠0であれば、先ずNUM−HORYUの演算によって、読み出すべきデータの格納位置を算出する(S32)。但し、本実施例ではMAX個の領域からなる保留エリアA2を循環的に使用するので、NUM−HORYU<0となった場合には、更に+MAXの演算によって正しい位置を算出している(S34)。
【0047】
以上のようにして、読み出すべきデータの格納位置Xが特定されるので、TOP+Xの領域の5バイトデータを取得する(S35)。そして、この動作に合わせて、HORYU番地の内容をデクリメント処理して、入賞状態の保留個数を減少させる(S36)。
【0048】
このようにして保留データの読み出し処理(S32〜S36)が終われば、ステップS35の処理で読み出された抽選用乱数値RNDに基づいて抽選処理が行われる(S37)。すなわち、ステップS35の処理で読み出した抽選用乱数値RNDを、大当り当選値Hitと比較して当否判定し、その結果に対応した処理を行う。例えば、大当り状態であれば、特別図柄の変動が停止した後、大入賞口18の開閉板をどれだけの時間開放させるかの時間データTIME2をワーク領域に書き込む。また、外れ状態であれば、ステップS35の処理で読み出した外れ図柄データZUと変動時間データTIMEとに基づいてその後の外れゲームの準備を行う。
【0049】
上記のようにして図6に示すステップS8かS7の処理が終わると、図柄制御基板40、払出し制御基板46、サウンド制御基板43、ランプ制御基板42などに制御コマンドを出力するなどの処理が実行される(S9)。また、HORYU番地のデータ(大当りに係わる入賞球の保留数)を遊技機正面から見える位置に数値表示する。したがって、遊技者は入賞球の保留数が如何に多くなっても、保留数を確実に把握することができる。その他、図柄始動口17及び大入賞口18の開閉爪や開閉板を開閉駆動するソレノイドに駆動信号を出力する駆動信号出力処理が実行されて割込み処理を終える。
【0050】
以上、本発明の実施例を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではない。例えば、実施例で説明した割込み処理の内容は、一例に過ぎず、適宜に変更できるのは勿論であり、保留エリアA2に格納する5バイトデータについても、データの種類やデータ長を変更しても良い。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、遊技機が連続的に次々と始動入賞状態となった場合にも、円滑に遊技制御を続けることのできる弾球遊技機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るパチンコ機の斜視図である。
【図2】図1のパチンコ機の側面図である。
【図3】図1のパチンコ機の正面図である。
【図4】図1のパチンコ機の背面図である。
【図5】保留エリアの状態を例示したものである。
【図6】割込み処理プログラムの概略構成を示すフローチャートである。
【図7】図6の一部を示すフローチャートである。
【図8】図6の別の一部を示すフローチャートである。
【図9】従来の保留動作を説明する図面である。
【符号の説明】
2 弾球遊技機(パチンコ機)
MAX 最高保留数
RND,ZU,TIME データ
S21〜S27 保留記憶手段
S31〜S36 保留消化手段
Claims (6)
- 表示状態が変化可能な可変表示装置と、遊技領域に打ち込まれた遊技球が入賞可能な始動入賞領域と、前記始動入賞領域に入賞した入賞球を検出する始動入賞球検出手段と、前記始動入賞球検出手段が入賞球を検出することを条件に前記可変表示装置を所定時間可変表示動作させてから識別情報を導出表示させ、その導出表示結果が予め定められた特定の表示態様になる場合に遊技者にとって有利な遊技状態を発生させる遊技制御手段とを備えると共に、
前記遊技制御手段は、始動入賞球検出手段による入賞球の検出のうち未だ前記可変表示装置の前記可変表示動作の制御に用いられていない保留入賞球に関連する情報を記憶可能な保留記憶手段と、該保留記憶手段の記憶内容に基づいて消化制御を行なう保留消化手段とを含む弾球遊技機であって、
前記保留記憶手段は、前記保留入賞球の個数が最高保留数を越えていないことを条件に機能し、前記保留入賞球の発生に関連して決定されるデータ(RND,ZU,TIME)を、所定の保留エリア(A2)を循環的に使用して順次に保存し、
前記保留消化手段は、遊技機が特定の遊技動作を終了した場合に機能して、前記所定の保留エリア(A2)を循環的に使用して前記データを順次に読み出すようにしていることを特徴とする弾球遊技機。 - 前記データには、前記保留入賞球の発生に関連して特定される抽選用乱数値(RND)と、可変表示装置の可変表示時間に関連する時間情報(TIME)とが含まれている請求項1に記載の弾球遊技機。
- 前記保留記憶手段の保存動作に関連してカウントアップされる第1と第2の変数(HORYU,NUM)に基づいて、前記保留消化手段の機能の一部が実現されている請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
- 前記保留記憶手段の保存動作では、前記第1の変数(HORYU)に基づいて、前記所定の保留エリアA2の使用量が最高保留数を越えたか否かを判定するようにしている請求項3に記載の弾球遊技機。
- 前記保留消化手段は、前記第1の変数(HORYU)と第2の変数(NUM)とに基づいて、前記データの読出し先を特定している請求項3又は4に記載の弾球遊技機。
- 使用可能なRAMの全領域を、遊技機のプログラムに基づいて固定的に確保されるスタック領域及びワーク領域と、その他の残余領域とに区分すると共に、前記保留エリア(A2)として、前記残余領域の限界位置までが確保されている請求項1〜5のいずれかに記載の弾球遊技機。
Priority Applications (1)
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