JP4034756B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ機、回胴式遊技機、アレンジボール機、雀球遊技機などの遊技機に関し、特に、大当り状態の発生タイミングに周期性のない遊技機に関するものである。
パチンコ機などの弾球遊技機は、遊技盤に設けた図柄始動手段と、複数個の図柄を所定時間変動させた後に停止させる図柄表示手段と、開閉板を開閉駆動する大入賞手段などを備えて構成されている。そして、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に、図柄表示手段が表示図柄を所定時間変動させ、その後、大当り状態となる特別図柄が整列すると、大入賞手段が機能して遊技者に有利な利益状態を発生させている。
この種の遊技機では、大当り確率が1/N(例えば、N=300とする)の場合、大当り用カウンタによって0〜299までの抽選用乱数値を一定周期で更新しており、300個の抽選用乱数値の1つを大当り当選値Hitに設定している。そして、図柄始動手段が遊技球を検出すると大当り用カウンタRNDのカウント値を抽選用乱数値として抽出し、その抽選用乱数値が大当り当選値Hitと一致するときには、図柄表示手段の変動後の停止状態で特別図柄が整列するように制御している。
通常の遊技機では、メインプログラムの処理を一定の実行周期T(例えば2msec)毎に繰り返しており、乱数用カウンタの値は、メインプログラムの実行周期T毎に通常はインクリメント(+1)処理によって更新されている。このような遊技機では、T×N(=0.6秒)毎に大当りタイミングが招来することになり、しかも、この状態が一定時間T(=2msec)継続されるので、このタイミングで図柄始動手段に遊技球を検出させれば、常に大当り状態を実現できることになる。
ここで、メインプログラムの実行周期Tは、遊技機器を入手して分析すれば把握できるので、実際の遊技中に当該機器の大当りタイミングを一回だけ検知すれば、後は、T×Nの時間間隔で強力な電磁波を放射するなどの不正行為によって、図柄始動手段の誤動作による大当りが発生する可能性があり、不正遊技者のターゲットとされやすいという問題点がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、乱数用カウンタの更新周期を知られた場合でも不正遊技行為を未然に排除できる遊技機を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明は、主制御基板(39)からコンピュータ回路の搭載された他の制御基板(40,42,43,46)に対して、所定の遊技動作を実行させる種々の制御コマンドを一方向通信で送信可能に構成されてなり、前記主制御基板は、メインカウンタ(RND)に基づき実行される特別図柄に関する抽選処理と、前記他の制御基板に対する制御コマンドの出力処理とを含んで、無限ループ状に繰り返し実行されるメイン処理部と、前記メイン処理の実行中に、遊技機の動作状態とは無関係に、所定時間(τ)毎の周期的な割込みにより実行され、前記メインカウンタの更新動作を含んで動作する割込み処理部とを有し、前記割込み処理部で更新される前記メインカウンタ(RND)の値に基づいて前記特別図柄に関する抽選処理が動作して、遊技者に有利な状態を発生させるか否かを決定する遊技機であって、所定条件を満たすと前記メインカウンタの更新規則を変更する規則変更処理(S34,S35)を前記割込み処理部に設けると共に、前記メイン処理部と前記割込み処理部の両方に、前記更新規則に関する基準値を更新する基準値更新処理(S11,S22)を設け、前記メイン処理部における基準値更新処理(S11)は割込み禁止状態で実行される
本発明におけるメインカウンタの動作は特に限定されないが、典型的には、一定の数値範囲内で規則的に増加/減少する動作が該当する。また、基準値も特に限定されないが、典型的には、メインカウンタが一巡動作する際の初期値であり、この場合には、メインカウンタがカウンタ範囲(MAX1)を一巡又は複数回循環するごとに初期値を変更するのが好ましい。
いずれにしても、本発明では、所定条件を満たすと前記メインカウンタの基準値を変更し、且つ、前記基準値を更新する基準値更新処理も設けられているので、万一、大当り当選値やカウンタの更新周期などが不正遊技者に漏れても、生成される乱数列に規則性がないために不正遊技の被害を受ける恐れがない。しかも、本発明では、メイン処理部と割込み処理部の双方に、前記基準値を更新する基準値更新処理が設けられているので、仮に、メイン処理部の一実行周期に比べて、割込み周期がかなり短くても、基準値だけが一定値のまま維持される恐れがない。
基準値更新処理の具体的内容は特に限定されないが、簡易的には、サブカウンタの更新によって実現される。また、前記遊技機は、制御プログラムに基づいて遊技動作を制御するCPUを有する遊技制御手段を備えてなり、該遊技制御手段は、実現する遊技動作の機能ごとに異なる回路基板で構成されているのが不正遊技を防止する上で有効である。
本発明に係る遊技機は、遊技球が所定域を通過し、又は所定入賞手段に入賞したことを条件にメインカウンタの値を参照し、遊技者に有利な状態を発生させるか否かを決定するパチンコ機のような場合と、遊技者による外部操作を条件に前記メインカウンタの値を参照し、遊技者に有利な状態を発生させるか否かを決定するスロットマシンのような場合が典型的である。
以上説明したように、本発明によれば、乱数用カウンタの更新周期を知られたような場合でも不正遊技行為を未然に排除できる遊技機を実現できる。
以下、本発明の一実施例であるカード式弾球遊技機に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施例のパチンコ機2を示す斜視図であり、図2は、同パチンコ機2の側面図である。
図1に示すパチンコ機2は、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製の外枠3と、外枠3に固着されたヒンジHを介して開閉可能に枢着される前枠4とで構成されている。なお、このパチンコ機2は、カード式球貸し機1に電気的に接続された状態で、パチンコホールの島構造体の長さ方向に複数個が配設されている。
ヒンジHを介して外枠3に枢着される前枠4には、遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、遊技盤5の前側に対応させて、窓部を有するガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠4の下部には、上皿8から溢流し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射手段10の発射ハンドル11とが設けられている。
この発射手段10は、回動操作可能な発射ハンドル11と、この発射ハンドル11の回動角度に応じた打撃力で打撃槌12(図4)により遊技球を発射させる発射モータなどを備えている。上皿8の右部には、カード式球貸し機1に対する球貸し操作用の操作パネル13が設けられ、この操作パネル13には、カード残額を3桁の数字で表示するカード残額表示部13aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ13bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ13cとが設けられている。
図3に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール15がほぼ環状に設けられ、このガイドレール15の内側の遊技領域5aには、カラーの液晶ディスプレイ16、図柄始動手段(図柄始動兼入賞手段)17、開閉式入賞手段(大入賞手段)18、複数の普通入賞手段19(上段の普通入賞手段19以外に、開閉式入賞手段18の左右両側部に6つの普通入賞手段19)、2つのゲート20(通過口)が夫々所定の位置に配設されている。
液晶ディスプレイ16は、変動図柄を表示するとともに背景画像や各種のキャラクタの動画などを表示する第1図柄表示手段22として機能する。第1図柄表示手段22は、背景画やキャラクタをアニメーション的に表示するとともに、左右方向に並ぶ3個(左、中、右)の図柄表示部22a〜22cを有し、図柄始動手段17に遊技球が入賞することを条件に、各図柄表示部22a〜22cの表示図柄が所定時間だけ変動表示(スクロール表示)され、図柄始動手段17への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄パターンで停止する。
液晶ディスプレイ16の直ぐ上側に、普通入賞手段19と第2図柄表示手段23とが設けられている。第2図柄表示手段23は1個の普通図柄を表示する普通図柄表示部を有し、ゲート20を通過した遊技球が検出されたとき、普通図柄表示部の表示図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート20通過時点において抽選された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。図柄始動手段17は、開閉自在な左右1対の開閉爪17aを備えた電動式チューリップであり、第2図柄表示手段23の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合に、開閉爪17aが所定時間だけ開放されて入賞し易くなる。
開閉式入賞手段18は前方に開放可能な開閉板18aを備え、第1図柄表示手段22の変動後の停止図柄が「777」などの当り図柄のとき、「大当り」と称する特別遊技が開始され、開閉板18aが前側に開放される。この開閉式入賞手段18の内部に特定領域18bがあり、この特定領域18bを入賞球が通過すると、特別遊技が継続される。ここで、特別遊技状態が遊技者に有利な状態に相当する。
開閉式入賞手段18の開閉板18aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞して開閉板18aが閉じるときに、遊技球が特定領域18bを通過していない場合には特別遊技が終了するが、特定領域18bを通過していれば最大所定回数(例えば16回)まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。
図4に示すように、前枠4の裏側には、遊技盤5を裏側から押さえる裏機構板30が着脱自在に装着され、この裏機構板30には開口部30aが形成され、その上側に賞球タンク33と、これから延びるタンクレール34とが設けられ、このタンクレール34に接続された払出し手段35が裏機構板30の側部に設けられ、裏機構板30の下側には払出し手段35に接続された通路ユニット36が設けられている。払出し手段35から払出された遊技球は通路ユニット36を経由して上皿排出口8a(図1)から上皿8に払出される。
裏機構板30の開口部30aには、遊技盤5の裏側に装着された裏カバー37と、入賞手段17〜19に入賞した遊技球を排出する入賞球排出樋(不図示)とが夫々嵌合されている。この裏カバー37に装着されたケース38の内部に主制御基板39が配設され、その前側に図柄制御基板40が配設されている(図2)。主制御基板39の下側で、裏カバー37に装着されたケース41aの内部にランプ制御基板42が設けられ、このケース41aに隣接するケース41bの内部にサウンド制御基板43が設けられている。
これらケース41a,41bの下側で裏機構板30に装着されたケース44の内部には、電源基板45と払出し制御基板46が夫々設けられている。この電源基板45には、図3に示すように、電源スイッチ80と初期化スイッチ85とが配置されている。これら両スイッチ80,85に対応する部位はケース44が切欠かれ、両スイッチ80,85の各々を指で同時に操作可能になっている。
また、発射手段10の後側に装着されたケース47の内部には、発射制御基板48が設けられている。これら制御基板39〜40,42〜43,45〜46,48は夫々独立の基板であり、電源基板45と発射制御基板48を除く制御基板39,40,42,43,46には、CPUとROMやRAMなどを備えるコンピュータ回路が搭載されており、主制御基板39と他の制御基板40,42,43,46とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続されている。
主制御基板39とその他の制御基板40,42,43,46とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続され、主制御基板39から各制御基板40,42,43,46に、所定の遊技動作を実行させる種々の制御コマンドを一方向通信で送信可能になっている。制御コマンドの一方向通信を採用することで、図柄停止に関する不正を確実に防止できるとともに、主制御基板39の制御負荷を格段に軽減でき、送信制御を簡単化することができる。
図5と図6は、主制御基板39に格納された遊技制御プログラムの特徴部分を図示したフローチャートである。この遊技制御プログラムでは、無限ループ状に実行されるメイン処理プログラム(図5)と、一定時間τ毎のタイマ割込みによって実行される割込み処理プログラム(図6(a))とで遊技動作を実現している。そして、割込み処理プログラムは、遊技機の動作状態とは無関係に、一定時間毎に、大当り用カウンタRND、当り用カウンタCT、及び初期値変更用カウンタCHGの更新処理などを行っている。一方、メイン処理プログラムでは、普通図柄及び特別図柄に関する抽選処理の他に、割込み処理プログラムにおいて大当り用カウンタRNDの初期値を変更するためのカウンタ処理を行っている。
以下、図5に基づいてメイン処理プログラムについて概括的に説明する。営業開始に際して、パチンコ機2の前枠4を前方に開いた状態で、初期化スイッチ85を押圧操作しながら電源スイッチ80をオン側に切換えると、直流電圧が各制御基板39〜40,42〜43,46に供給されるのと同時に、システムリセット信号が各制御基板に供給される。
その結果、主制御基板39による遊技制御が開始されるとともに、各制御基板40,42,43,46においても制御動作が開始される。この遊技制御が実行されたときに、初期化スイッチ85が押圧操作によりON状態のときには(Sl:Yes)、先ずCPUの各メモリやレジスタを初期化する初期設定処理が実行される(S2)。次に、集積回路のRAMのワークエリアや情報メモリにバックアップ電源により記憶保持されている遊技情報の全てが消去処理され(S3)、第1図柄表示手段22に表示する初期図柄を設定したり、この遊技制御の実行中に周期的に割込み処理を実行させる割込み周期を設定する等の種々の初期値設定処理が実行される(S4)。
その結果、前日の閉店時に、確率変動モードが設定された状態のままで主電源が断たれて、制御基板のRAMに確率変動モードの設定状態を指示する情報等が記憶保持されている場合でも、これら全ての遊技情報が確実に消去されて初期化されるため、主電源が投入されてから実行されるゲームを、公正な遊技条件で開始することができる。
一方、電源投入時、初期化スイッチ85がOFF状態のときには(Sl:No)バックアップデータの復帰処理が行われる(S5)。バックアップデータの復帰処理は、停電時などにNMI処理によってバックアップされたデータを復帰させる処理であり、停電復旧後に初期化スイッチ85を押すことなく電源を投入すると、この処理が行われる。
ステップS4又はS5の処理の後、無限ループ状の処理(S6〜S11)が開始されるが、最初に、入賞検出センサを含む各種のスイッチからのスイッチ信号を読み込むスイッチ信号入力処理が実行される(S6)。このスイッチ信号入力処理によって、遊技球がゲート20を通過したか否か、遊技球が図柄始動手段17の電動チューリップを通過したか否かなどを含む遊技盤5における各種の情報が把握される。
続いて、第2図柄表示手段23の普通図柄表示部に関する普通図柄処理が実行される(S7)。例えば、今回のスイッチ信号入力処理(S6)によって、遊技球がゲート20を通過したことが把握されれば、割込み処理プログラムにおいて更新されている当り用カウンタCTの値を抽出し、その当り用カウンタCTの値に応じて、普通図柄表示部23に当り図柄を表示するか否かを判定する。そして、この判定処理によって当選状態となると、普通図柄を変動表示させる時間や、その後の停止図柄や、その後の電動チューリップの開放時間などを決定して、変動表示時間や開放時間などに対応する数値をRAMのワークエリアtulipに記憶させる。
便宜上この実施例では、普通図柄を変動表示させる時間は常に50.902秒であり、電動チューリップの開放時間は常に0.35秒であるとする。このように簡略化した実施例の場合には、割込み処理の動作間隔τ(=2msecとする)に対応させて、ワークエリアtulipには数値25626[=(50.902+0.35)×1000/2]をタイマ初期値として記憶させることになる。このワークエリアtulipの数値は、割込み処理によって2msec毎にデクリメントされ、後述するステップS10の処理によって、(a)数値範囲が25626〜176であれば開閉爪17aを閉じる、(b)数値範囲が175〜1であれば開閉爪17aを開放させる、(c)数値が0に達すると開閉爪17aを閉じる、という各動作が実現される。
続いて、特別図柄に関する処理が実行される(S8)。例えば、今回のスイッチ信号入力処理(S6)によって、遊技球が電動チューリップを通過したことが把握されれば、割込み処理プログラムにおいて更新されている大当り用カウンタRNDの値を抽出し、その大当り用カウンタRNDの値に応じて、大当り状態か否かを判定する。そして、大当り状態であれば、第1図柄表示手段22に特別図柄を変動表示させる為の図柄制御コマンドを図柄制御基板40に出力し、また、特別図柄の変動が停止した後、開閉板18aをどれだけの時間開放するかの時間データをワークエリアattackに書き込む。
例えば、特別図柄の変動表示時間がt1(秒)、開閉板18aの開放時間がt2(秒)であるとすると、割込み処理の動作間隔2msecに対応させて、ワークエリアattackにはタイマ初期値Dtime[=(t1+t2)×1000/2]を記憶させ、このワークエリアattackの数値を、割込み処理によって2msec毎にデクリメントさせることになる。
次に、払出し制御基板46、サウンド制御基板43、ランプ制御基板42に出力するべき制御コマンドがある場合には、その出力すべき制御コマンドを送信先の制御基板に出力する出力処理が実行される(S9)。
続いて、開閉爪17aや開閉板18aを開閉駆動するソレノイドに駆動信号を出力する駆動信号出力処理が実行される(S10)。駆動信号出力処理(S10)では、ステップS7やS8の処理で初期設定されたワークエリアtulip, attackの内容を参照し、各ワークエリアtulip, attackの数値が特定値より小さくなるとソレノイドをON駆動して開閉爪17aや開閉板18aを開放させ、各ワークエリアtulip, attackの数値が0に達するとソレノイドをOFF駆動して開閉爪17aや開閉板18aを閉じるようにしている。なお、各ワークエリアtulip, attackの数値は、ステップS7やS8においてタイマ初期値が設定される以前は共に0である。
最後に、初期値変更用カウンタCHGの更新処理を行って(S11)、ステップS6の処理に戻り、ステップS6〜S11の処理を無限ループ状に繰り返す。ステップS11における初期値変更用カウンタCHGの更新処理は、図7に示す通りである。先ず、初期値変更用カウンタCHGの値がインクリメントされ(S40)、初期値変更用カウンタCHGの数値範囲MAX2(仮に300とする)を超えたか否か比較される(S41)。そして、初期値変更用カウンタCHGの値がカウンタの数値範囲MAX2に一致すると、初期値変更用カウンタCHGの値が0に書き換えられて処理を終える(S42)。
なお、このサブルーチン処理(S40〜42)の間にタイマ割込みが生じると、例えばCHG=MAX2のタイミングで割込みが生じ、大当り用カウンタの初期値StartがMAX2に書き変えられたような場合には(図6(b)のS34)、プログラム暴走の原因ともなる。そこで、ステップS40〜42の処理中は、CPUを割込み禁止状態に設定しておくのが望ましい。
このようにして遊技制御のメインプログラムが繰り返し実行されているときに、所定時間τ(=2msec)が経過する毎に、CPUの割込みポートに割込み信号が入力され、図6の内容を要部とする割込み処理プログラムが実行される。割り込み処理プログラムでは、先ず、大当り用カウンタRNDの値が更新される(S20)。
図6(b)は、大当り用カウンタRNDの更新処理(S20)の具体的内容を例示したものである。なお、この例では大当り確率は1/300とし、大当り用カウンタRNDは、数値範囲300を0〜299の間で循環的にインクリメントされていることにする。図6(b)に示す通り、最初に、大当り用カウンタRNDの値がインクリメントされ(S30)、大当り用カウンタRNDの数値範囲MAX1(=300)を超えたか否か比較される(S31)。そして、大当り用カウンタRNDの値がMAX1=300に一致すると、大当り用カウンタRNDの値が0に書き換えられる(S32)。
次に、大当り用カウンタRNDの値が、今回の循環動作の初期値Startと一致するか否かが判定される(S33)。ここで、大当り用カウンタRNDの値が今回の循環動作の初期値Startに一致すれば、カウンタの一巡動作が完了したことを意味する。そこで、初期値変更用カウンタCHGの値を代入して、これ以降の循環動作の初期値Startを再設定し(S34)、大当り用カウンタRNDの値を新たな初期値Startに書き換える(S35)。
例えば、電源投入時の初期値Startが0であれば、0→1→2……→298→299のように、大当り用カウンタRNDが数値範囲(MAX1)を一巡するが、ステップS34,35の処理によって、これ以降の循環動作の初期値Startが、その時の初期値変更用カウンタCHGの値に基づいて変更される。初期値変更用カウンタCHGの値は、メインプログラム部において順次更新されるが(S11)、例えば48であったとすると大当り用カウンタRNDの値は、0に変更された後(S32)、48に書き換えられる(S35)。そして、これ以降は、大当り用カウンタRNDは、48→49→……→299→0→1→…→46→47のようにインクリメントされつつ、数値範囲(MAX1)を一巡することになる。
以上のようにして大当り用カウンタRNDの更新処理(S20)を終えると、続いて、当り用カウンタCTの更新処理を行う(S21)。処理内容はステップS30〜S32と同様であり、当り用カウンタCTの値をインクリメントした後、当り用カウンタCTの数値範囲を越えた場合には当り用カウンタCTの値0に戻している。
次に、初期値変更用カウンタCHGの更新処理が行われる(S22)。処理内容は、図7に示す通りであり、このパチンコ機では、初期値変更用カウンタCHGは、メイン処理部において更新されるだけでなく(S11)、割込み処理部においても更新されることになる(S22)。したがって、大当り用カウンタRNDと、初期値変更用カウンタCHGの数値上の関連性が益々弱くなり、生成される乱数列の規則性がなくなる。
また、メイン処理部の一実行周期(一巡時間)に比べ、タイマ割込みの時間間隔τが極端に短くても、初期値変更用カウンタCHGが一定値に維持されることがない。なお、ステップS22の処理を設けない場合には、タイマ割込みの時間間隔τが短い場合に、大当り用カウンタRNDだけがインクリメントされて増加し、初期値変更用カウンタCHGが変化しない恐れがある。
以上説明したステップS22の処理が終わると、ワークエリアattack(attack番地)の内容が読み出され、その値が0でなければデクリメント処理(−1)されて、同じattack番地に書き込まれる。同様に、ワークエリアtulip(tulip番地)の内容が読み出され、その値が0でなければデクリメント処理されて、同じtulip番地に書き込まれる。なお、これらの値attack,tulipはメインプログラムのステップS10において参照され、電動チューリップや開閉板が開閉制御されることになる。
この実施例の説明では、大当り用カウンタRNDと初期値変更用カウンタCHGの数値範囲をMAX1=MAX2であるとしたが、特にこのように限定されるものではなくMAX2≦MAX1であれば足りる。なお、MAX2<MAX1の場合には、大当り用カウンタRNDの初期値Startとして取り得る数値が0〜299の一部分に限定されるが特に問題は生じない。一方、MAX2=MAX1の場合には、大当り用カウンタRNDの初期値Startとして取り得る数値が、0〜299の全域に及ぶことになって不規則性が更に高まる。
以上説明したように、この実施例では、大当り用カウンタRNDは、1割込み時間(2msec)毎にインクリメントされ、大当り確率が1/300であるので、2m×300=0.6秒間の間に2msecだけ大当り用カウンタRNDの値が大当り当選値Hitに一致する期間が存在する。しかし、この実施例の場合には、大当り用カウンタRNDが数値範囲を一巡するごとに、次の循環動作の初期値Startが変更されるので、0.6秒毎に大当りのタイミングが招来することはない。
以上、本発明の一実施例を説明したが、具体的に説明した内容は特に本発明を限定するものではない。すなわち、メインカウンタの更新規則は必ずしもインクリメント処理に限るものではなく、また、更新規則変更処理についてもカウンタの循環動作における初期値を変更する処理に限らない。
本発明の一実施例であるパチンコ機を示す斜視図である。 図1に示すパチンコ機の側面図である。 図1に示すパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。 図1に示すパチンコ機の背面図である。 図1に示すパチンコ機の動作内容を示すメイン処理プログラムのフローチャートである。 割込み処理プログラムのフローチャートである。 図5の一部を詳細に示すフローチャートである。
符号の説明
2 遊技機(パチンコ機)
RND メインカウンタ(大当り用カウンタ)
CHG サブカウンタ(初期値変更用カウンタ)
S6〜11 メイン処理部
S20〜24 割込み処理部
τ 割込み周期
S34,35 変更処理
S11,22 更新処理

Claims (8)

  1. 主制御基板(39)からコンピュータ回路の搭載された他の制御基板(40,42,43,46)に対して、所定の遊技動作を実行させる種々の制御コマンドを一方向通信で送信可能に構成されてなり、前記主制御基板は、
    メインカウンタ(RND)に基づき実行される特別図柄に関する抽選処理と、前記他の制御基板に対する制御コマンドの出力処理とを含んで、無限ループ状に繰り返し実行されるメイン処理部と、
    前記メイン処理の実行中に、遊技機の動作状態とは無関係に、所定時間(τ)毎の周期的な割込みにより実行され、前記メインカウンタの更新動作を含んで動作する割込み処理部とを有し、
    前記割込み処理部で更新される前記メインカウンタ(RND)の値に基づいて前記特別図柄に関する抽選処理が動作して、遊技者に有利な状態を発生させるか否かを決定する遊技機であって、
    所定条件を満たすと前記メインカウンタの更新規則を変更する規則変更処理(S34,S35)を前記割込み処理部に設けると共に、前記メイン処理部と前記割込み処理部の両方に、前記更新規則に関する基準値を更新する基準値更新処理(S11,S22)を設け、前記メイン処理部における基準値更新処理(S11)は割込み禁止状態で実行されることを特徴とする遊技機。
  2. 前記基準値は、前記メインカウンタが一巡動作する際の初期値であり、前記基準値変更処理では、前記メインカウンタがカウンタ範囲(MAX1)を一巡又は複数回循環するごとに前記初期値を変更する請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記メイン処理部の基準値更新処理では、メイン処理の一実行周期毎に前記基準値を更新する請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 前記割込み処理部の基準値更新処理では、前記所定時間(τ)毎に前記基準値を更新する請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 前記基準値更新処理は、前記メインカウンタとは別のサブカウンタの更新によって実現されている請求項1〜4のいずれかに記載の遊技機。
  6. 前記遊技機は、制御プログラムに基づいて遊技動作を制御するCPUを有する遊技制御手段を備えてなり、該遊技制御手段は、実現する遊技動作の機能ごとに異なる回路基板で構成されている請求項1〜5のいずれかに記載の遊技機。
  7. 遊技球が所定域を通過し、又は所定入賞手段に入賞したことを条件に前記メインカウンタの値を参照し、遊技者に有利な状態を発生させるか否かを決定する請求項1〜6のいずれかに記載の遊技機。
  8. 遊技者による外部操作を条件に前記メインカウンタの値を参照し、遊技者に有利な状態を発生させるか否かを決定する請求項1〜6のいずれかに記載の遊技機。
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