JP4001197B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機、回胴式遊技機、アレンジボール機、雀球遊技機などの遊技機に関し、特に、大当り状態の発生タイミングに周期性のない遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機などの弾球遊技機は、遊技盤に設けた図柄始動手段と、複数個の図柄を所定時間変動させた後に停止させる図柄表示手段と、開閉板を開閉駆動する大入賞手段などを備えて構成されている。そして、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に、図柄表示手段が表示図柄を所定時間変動させ、その後、大当り状態となる特別図柄が整列して停止すると、大入賞手段が機能して遊技者に有利な利益状態を発生させている。
【0003】
この種の遊技機では、大当り確率が1/N(例えば、N=300とする)の場合、大当り用カウンタによって0〜299までの抽選用乱数値を一定周期で更新しており、300個の抽選用乱数値の1つを大当り当選値Hitに設定している。そして、図柄始動手段が遊技球を検出することを条件に大当り用カウンタRNDのカウント値を抽選用乱数値として抽出し、その抽選用乱数値が大当り当選値Hitと一致するときには、図柄表示手段の変動後の停止状態で特別図柄が整列するように制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常の遊技機では、メインプログラムの処理を一定の実行周期T(例えば2msec)毎に繰り返しており、乱数用カウンタの値は、メインプログラムの実行周期T毎に通常はインクリメント(+1)処理によって更新されている。このような遊技機では、T×N(=0.6秒)毎に大当りタイミングが招来することになり、しかも、この状態が一定時間T(=2msec)継続されるので、このタイミングで図柄始動手段に遊技球を検出させれば、常に大当り状態を実現できることになる。
【0005】
ここで、メインプログラムの実行周期Tは、遊技機器を入手して分析すれば把握できるので、実際の遊技中に当該機器の大当りタイミングを一回だけ検知すれば、後は、T×Nの時間間隔で強力な電磁波を放射するなどの不正行為によって、図柄始動手段の誤動作による大当りが発生する可能性があり、不正遊技者のターゲットとされやすいという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、メインプログラムの実行周期を知られた場合でも不正遊技行為を未然に排除できる遊技機を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は、定条件下で、抽選用乱数値を用いたCPUによる大当り判定処理によって、遊技者に有利な利益状態を発生させるか否かを決定する遊技機において、前記抽選用乱数値は、一定の数値範囲内を初期値から開始して循環的に基本数値を更新する第1カウンタと、前記CPUに内蔵され、フェッチサイクルごとに数値を1ずつ増加して自動的に循環動作するレジスタによる第2カウンタと、初期値乱数を順次更新する第3カウンタと、を使用して生成され、前記第1カウンタの基本数値が前記一定の数値範囲を一巡して、今回の循環動作の初期値に一致した時、前記第2カウンタの数値が所定値であると、前記第1カウンタの、それ以降の循環動作の初期値が、前記第3カウンタの初期値乱数に基づいて再設定され、前記第2カウンタが前記CPUに内蔵されていることにより、専用のカウンタ回路も専用のカウンタ更新処理も不要であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例であるカード式弾球遊技機に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施例のパチンコ機2を示す斜視図であり、図2は、同パチンコ機2の側面図である。
【0015】
図1に示すパチンコ機2は、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製の外枠3と、外枠3に固着されたヒンジHを介して開閉可能に枢着される前枠4とで構成されている。なお、このパチンコ機2は、カード式球貸し機1に電気的に接続された状態で、パチンコホールの島構造体の長さ方向に複数個が配設されている。
【0016】
ヒンジHを介して外枠3に枢着される前枠4には、遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、遊技盤5の前側に対応させて、窓部を有するガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠4の下部には、上皿8から溢流し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射手段10の発射ハンドル11とが設けられている。
【0017】
この発射手段10は、回動操作可能な発射ハンドル11と、この発射ハンドル11の回動角度に応じた打撃力で打撃槌12(図4)により遊技球を発射させる発射モータなどを備えている。上皿8の右部には、カード式球貸し機1に対する球貸し操作用の操作パネル13が設けられ、この操作パネル13には、カード残額を3桁の数字で表示するカード残額表示部13aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ13bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ13cとが設けられている。
【0018】
図3に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール15がほぼ環状に設けられ、このガイドレール15の内側の遊技領域5aには、カラーの液晶ディスプレイ16、図柄始動手段(図柄始動兼入賞手段)17、開閉式入賞手段(大入賞手段)18、複数の普通入賞手段19(上段の普通入賞手段19以外に、開閉式入賞手段18の左右両側部に6つの普通入賞手段19)、2つのゲート20(通過口)が夫々所定の位置に配設されている。
【0019】
液晶ディスプレイ16は、変動図柄を表示するとともに背景画像や各種のキャラクタの動画などを表示する第1図柄表示手段22として機能する。第1図柄表示手段22は、背景画やキャラクタをアニメーション的に表示するとともに、左右方向に並ぶ3個(左、中、右)の図柄表示部22a〜22cを有し、図柄始動手段17に遊技球が入賞することを条件に、各図柄表示部22a〜22cの表示図柄が所定時間だけ変動表示(スクロール表示)され、図柄始動手段17への遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄パターンで停止する。
【0020】
液晶ディスプレイ16の直ぐ上側に、普通入賞手段19と第2図柄表示手段23とが設けられている。第2図柄表示手段23は1個の普通図柄を表示する普通図柄表示部を有し、ゲート20を通過した遊技球が検出されたとき、普通図柄表示部の表示図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート20通過時点において抽選された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。図柄始動手段17は、開閉自在な左右1対の開閉爪17aを備えた電動式チューリップであり、第2図柄表示手段23の変動後の停止図柄が当たり図柄を表示した場合に、開閉爪17aが所定時間だけ開放されて入賞し易くなる。
【0021】
開閉式入賞手段18は前方に開放可能な開閉板18aを備え、第1図柄表示手段22の変動後の停止図柄が「777」などの当たり図柄のとき、「大当たり」と称する特別遊技が開始され、開閉板18aが前側に開放される。この開閉式入賞手段18の内部に特定領域18bがあり、この特定領域18bを入賞球が通過すると、特別遊技が継続される。ここで、特別遊技状態が遊技者に有利な状態に相当する。
【0022】
開閉式入賞手段18の開閉板18aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞して開閉板18aが閉じるときに、遊技球が特定領域18bを通過していない場合には特別遊技が終了するが、特定領域18bを通過していれば最大所定回数(例えば16回)まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。
【0023】
図4に示すように、前枠4の裏側には、遊技盤5を裏側から押さえる裏機構板30が着脱自在に装着され、この裏機構板30には開口部30aが形成され、その上側に賞球タンク33と、これから延びるタンクレール34とが設けられ、このタンクレール34に接続された払出し手段35が裏機構板30の側部に設けられ、裏機構板30の下側には払出し手段35に接続された通路ユニット36が設けられている。払出し手段35から払出された遊技球は通路ユニット36を経由して上皿排出口8a(図1)から上皿8に払出される。
【0024】
裏機構板30の開口部30aには、遊技盤5の裏側に装着された裏カバー37と、入賞手段17〜19に入賞した遊技球を排出する入賞球排出樋(不図示)とが夫々嵌合されている。この裏カバー37に装着されたケース38の内部に主制御基板39が配設され、その前側に図柄制御基板40が配設されている(図2)。主制御基板39の下側で、裏カバー37に装着されたケース41aの内部にランプ制御基板42が設けられ、このケース41aに隣接するケース41bの内部にサウンド制御基板43が設けられている。
【0025】
これらケース41a,41bの下側で裏機構板30に装着されたケース44の内部には、電源基板45と払出し制御基板46が夫々設けられている。発射手段10の後側に装着されたケース47の内部には、発射制御基板48が設けられている。これら制御基板39〜40,42〜43,45〜46,48は夫々独立の基板であり、電源基板45と発射制御基板48を除く制御基板39,40,42,43,46には、CPUとROMやRAMなどを備えるコンピュータ回路が搭載されており、主制御基板39と他の制御基板40,42,43,46とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続されている。
【0026】
主制御基板39とその他の制御基板40,42,43,46とは、複数本の信号線でコネクタを介して電気的に接続され、主制御基板39から各制御基板40,42,43,46に、所定の遊技動作を実行させる種々の制御コマンドを一方向通信で送信可能になっている。制御コマンドの一方向通信を採用することで、図柄停止に関する不正を確実に防止できるとともに、主制御手段50の制御負荷を格段に軽減でき、送信制御を簡単化することができる。
【0027】
主制御基板には、Z80(ザイログ社製又は相当品)CPUが搭載されている。Z80は、データバスが8ビット、アドレスバスが16ビットのCPUであるが、広いメモリ空間を必要とせず、且つ、高速処理や複雑な数値演算処理も必要としないパチンコ機の制御には最適である。Z80CPUは、主レジスタ(A,F,B,C,D,E,H,L)、補助レジスタ(A’,F’,B’,C’,D’,E’,H’,L’)、専用レジスタ(I,R,IX,IY,SP,PC)に分類されるレジスタを有しており、Rレジスタが示すDRAM番地のリフレッシュ動作を実行できるようになっている。このRレジスタは、7ビットレジスタであり、CPUへのリセット信号で0となり、フェッチサイクルごとに1づつ増加する。そこで、この実施例では、第2カウンタとして、このRレジスタを活用している。
【0028】
図5は、Rレジスタを活用する本実施例の遊技制御プログラムについて、その特徴部分を図示したフローチャートである。この遊技制御プログラムは、一定時間(例えば2msec)毎のタイマ割込みによって実行されるもので、メイン処理プログラム部と残余処理プログラム部とに大別され、メイン処理プログラム部では、大当り用カウンタRNDや当り用カウンタCTの更新処理や、普通図柄及び特別図柄に関する抽選処理などを行っている。
【0029】
一方、残余処理プログラム部は、メイン処理プログラム部の処理が終わった後、次回のタイマ割込み時まで無限ループ状に行われる処理であり、初期値変更用カウンタCHGの更新処理を含んでいる。なお、この実施例では、大当り用カウンタが第1カウンタ、初期値変更用カウンタCHGが第2カウンタに該当する。
【0030】
以下、図5に基づいて具体的に説明すると、電源投入時やタイマ割込み時には、最初にCPUの初期設定が行われ(ST1)、スタートデータが正常値か否かが判定される(ST2)。ここでスタートデータとは、現在が電源投入時であるかタイマ割込み時であるかを認識するためのデータであり、メイン処理プログラム部の終了時に特定データTrueをスタートデータとしてメモリに記憶しておき(ST8)、その値をステップST2の処理において判定するようにしている。
【0031】
電源投入時であれば、スタートデータが異常値(≠True)であることによって、そのことが確認されるので、遊技機器のイニシャライズ処理として、作業領域の初期化や初期設定処理が行われる(ST3,ST4)。一方、スタートデータが正常値Trueであれば、通常のタイマ割込み処理として、大当り用カウンタRNDや当り用カウンタCTの更新処理が行われる(ST5)。
【0032】
続いて、普通図柄処理として、普通図柄を当り状態で停止させるか否かの抽選処理が行われる(ST6)。普通図柄に関する抽選処理は、メイン処理及び残余処理の一巡の実行中に、ゲート20を通過した遊技球が検出されたことを条件に行われるものであり、その時の当り用カウンタCTの値によって当否を決定している。そして、普通図柄表示部の表示図柄が所定時間だけ変動された後、抽選により決定される停止図柄が表示される。
【0033】
また、特別図柄処理として、特別図柄を整列させるか否かの抽選処理が行われる(ST7)。特別図柄に関する抽選処理は、メイン処理及び残余処理の一巡の実行中に、図柄始動手段17が遊技球を検出ことを条件に行われるものであり、その時の大当り用カウンタRNDの値を抽選用乱数値として抽出し、予め決定されている大当り当選値Hitに一致するか否かによって当否を決定している。そして、この抽選で当選すれば、図柄表示部22a〜22cの表示図柄が所定時間だけ変動表示(スクロール表示)された後、特別図柄が整列されて「大当たり」と称する特別遊技が開始される。
【0034】
なお、これらステップST5〜ST7の処理に前後して、普通電動役物処理や特別電動役物処理、その他、各種スイッチの入力処理やエラー検出処理なども行われるが、本発明の趣旨に直接関係しないので説明を省略する。
【0035】
このような通常の処理を終えた後、特定データ(true)をスタートデータとしてメモリに記憶して(ST8)、メイン処理プログラムが完了する。なお、メイン処理プログラムが完了するタイミングはほぼ一定しているとは言うものの、メイン処理プログラムを構成している各処理の処理時間は、抽選動作による当否結果やその他の条件に応じて毎回異なるので、正確には、毎回のメイン処理プログラム毎に完了タイミングも相違することになる。一方、タイマ割込みは、一定時間毎に発生するので、メイン処理プログラムの後で実行される残余処理プログラムに与えられる時間は毎回多少異なることになる。
【0036】
残余処理プログラムでは、初期値変更用カウンタCHGの値が更新される他(ST9)、外れ図柄用の乱数処理などが行われる(ST10)。なお、外れ図柄用の乱数処理は、次回のメイン処理プログラムにおいて特別図柄の抽選(ST7)に外れた場合に液晶ディスプレイ16に描かれる外れ図柄パターンを規定するものである。ステップST10の処理が終わると、ステップST9の処理に戻り、次回のタイマ割込みが生じるまで、無限ループ状に残余処理プログラムが実行される(ST9,ST10)。
【0037】
図6は、図5に示す大当り用カウンタRNDの更新処理(ST5)の具体的内容を例示したものである。なお、この例では大当り確率は1/300とし、大当り用カウンタRNDは、数値範囲300を0〜299の間で循環的にインクリメントされていることにする。図6に示す通り、最初に、大当り用カウンタRNDの値がインクリメントされ(ST20)、大当り用カウンタRNDの数値範囲MAX1(=300)を超えたか否か比較される(ST21)。そして、大当り用カウンタRNDの値がMAX1=300に一致すると、大当り用カウンタRNDの値が0に書き換えられる(ST22)。
【0038】
次に、大当り用カウンタRNDの値が、今回の循環動作の初期値Startと一致するか否か、つまり、大当り用カウンタRNDの一巡動作が完了したか否かが判定される(ST23)。ここで、大当り用カウンタRNDの値が初期値Startに一致すれば、次に、Rレジスタの値が判定される(ST24)。なお、Rレジスタの値をZ80のAレジスタに転送(load)してから判定する。
【0039】
そして、Rレジスタ≠0ならそのまま処理を終えるが、Rレジスタ=0なら、その時の初期値変更用カウンタCHGの値を代入して、これ以降の循環動作の初期値Startを再設定する(ST25)。また、大当り用カウンタRNDの値を新たな初期値Startに書き換える(ST26)。
【0040】
本実施例では7ビット長のRレジスタを用いているので、確率的には、大当りカウンタの128回の循環動作に対して1回だけ初期値が書き換えられることになる。なお、初期値の書き換えタイミングを増加させるためには、ステップST24の手前で適宜な処理を行えば良い。例えば、ステップST24’のようにしてRレジスタの下位3ビットのみを抽出した後に判定すれば(ST24)、確率的には、大当りカウンタRNDが8回循環する毎に大当りカウンタRNDの初期値が書き換えられる。
【0041】
いずれにしても初期値の書き換えタイミングが不規則に生じるので、本実施例では大当りカウンタRNDの生成する数値列に規則性がなく、不正遊技を確実に防止できる。具体的に確認すると、例えば、電源投入時の初期値Startが0であれば、0→1→2……→298→299→0……298→299のように、大当り用カウンタRNDが数値範囲(MAX1)を何回か循環した後、ステップST24,25の処理によって、これ以降の循環動作の初期値Startが、その時の初期値変更用カウンタCHGの値に基づいて変更される。初期値変更用カウンタCHGの値は、残余処理プログラム部において順次更新されるが(ST9)、例えば48であったとすると大当り用カウンタRNDの値は、0に変更された後(ST22)、48に書き換えられる(ST25)。そして、これ以降は、大当り用カウンタRNDは、48→49→……→299→0→1→…→46→47のようにインクリメントされつつ、数値範囲(MAX1)をまた何回か循環することになる。
【0042】
図7は、図5に示す初期値変更用カウンタCHGの更新処理(ST9)の具体的内容を例示したものである。処理内容は、図6の場合と類似しており、ほぼ同じであるが、ステップST30〜35の処理中に任意にタイマ割込みが生じて、ステップST1の処理に移行するのでは、プログラム暴走の原因ともなる。そこで、ステップST30〜35の処理中は、CPUを割込み禁止状態に設定しておくのが望ましい。
【0043】
先ず、初期値変更用カウンタCHGの値がインクリメントされ(ST30)、初期値変更用カウンタCHGの数値範囲MAX2(便宜上ここでは300とする)を超えたか否か比較される(ST31)。そして、初期値変更用カウンタCHGの値が300に一致すると、初期値変更用カウンタCHGの値が0に書き換えられる(ST32)。
【0044】
次に、初期値変更用カウンタCHGの値が、今回の循環動作の初期値Initialと一致するか否かが判定される(ST33)。ここで、初期値変更用カウンタCHGの値が今回の循環動作の初期値Initialに一致すれば、カウンタの一巡動作が完了したことを意味する。そこで、大当り用カウンタRNDの値を代入して、これ以降の循環動作の初期値Initialを再設定し(ST34)、初期値変更用カウンタCHGの値を新たな初期値Initialに書き換える(ST35)。
【0045】
ところで、この実施例の説明では、大当り用カウンタRNDと初期値変更用カウンタCHGの数値範囲をMAX1=MAX2であるとしたが、特に限定されるものではなくMAX2≦MAX1であれば足りる。なお、MAX2<MAX1の場合には、大当り用カウンタRNDの初期値Startとして取り得る数値が0〜299の一部分に限定されるが特に問題は生じない。一方、MAX2=MAX1の場合には、大当り用カウンタRNDの初期値Startとして取り得る数値が、0〜299の全域に及ぶことになって不規則性が更に高まる。
【0046】
以上説明したように、この実施例では、大当り用カウンタRNDは、1割込み時間(2msec)毎にインクリメントされ、大当り確率が1/300であるので、2m×300=0.6秒間の間に2msecだけ大当り用カウンタRNDの値が大当り当選値Hitに一致する期間が存在する。しかし、この実施例の場合には、大当り用カウンタRNDが数値範囲を何回か循環するごとに、その後の循環動作の初期値Startが変更されるので、0.6秒毎に大当りのタイミングが招来するということはない。しかも、初期値変更用のカウンタCHGまでも、一巡する毎に、その初期値Initialが変更されているので、大当りのタイミングには何の規則性もなく、不正遊技を確実に排除できる。
【0047】
以上、本発明の一実施例を説明したが、具体的に説明した内容は特に本発明を限定するものではない。すなわち、上記の実施例では、第1カウンタと第3カウンタとして、大当り用カウンタと初期値変更用カウンタとを用いたが、特に限定されるものではなく、例えば、第3カウンタとして、外れ図柄処理(ST10)で使用する図柄決定用のカウンタを用いても良い。また、第2カウンタとして、Rレジスタ以外のレジスタや、他のカウンタを用いても良い。また、実施例ではRレジスタが0であるか否かを判定してが(ST24)それ以外の数値で良いのは勿論であり、例えば、127との一致を判定すれば良い。
【0048】
また、実施例の場合には、所定時間ごとに規則的に開始されるメイン処理部と、このメイン処理部の処理完了後、所定時間に至るまで無限ループ状に実行される残余処理部とを有する遊技機を例示したが、本発明はこのような遊技機に限定されるものではない。すなわち、図8及び図9に示すように、無限ループ状に繰り返し実行されるメイン処理部(図8)と、メイン処理の実行中に所定時間毎の周期的な割込みにより実行される割込み処理部(図9)とを有する遊技機に本発明を適用して良い。この場合には図8に示すメイン処理において初期値変更用カウンタCHGを更新し(S6)、割込み処理部において大当り用カウンタRNDを更新し(S20〜S23)、Rレジスタが所定値なら大当り用カウンタRNDの初期値を変更する(S24〜S26)。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、メインプログラムの実行周期を知られた場合でも不正遊技行為を未然に排除できる遊技機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるパチンコ機を示す斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機の側面図である。
【図3】図1に示すパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。
【図4】図1に示すパチンコ機の背面図である。
【図5】図1に示すパチンコ機の動作内容を示すフローチャートである。
【図6】図5の一部を詳細に示すフローチャートである。
【図7】図5の一部を詳細に示すフローチャートである。
【図8】別の実施例のメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】別の実施例の割込み処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 遊技機(パチンコ機)
RND メインカウンタ(大当り用カウンタ)
CHG サブカウンタ(初期値変更用カウンタ)
Claims (2)
- 一定条件下で、抽選用乱数値を用いたCPUによる大当り判定処理によって、遊技者に有利な利益状態を発生させるか否かを決定する遊技機において、
前記抽選用乱数値は、
一定の数値範囲内を初期値から開始して循環的に基本数値を更新する第1カウンタと、前記CPUに内蔵され、フェッチサイクルごとに数値を1ずつ増加して自動的に循環動作するレジスタによる第2カウンタと、初期値乱数を順次更新する第3カウンタと、を使用して生成され、
前記第1カウンタの基本数値が前記一定の数値範囲を一巡して、今回の循環動作の初期値に一致した時、前記第2カウンタの数値が所定値であると、前記第1カウンタの、それ以降の循環動作の初期値が、前記第3カウンタの初期値乱数に基づいて再設定され、
前記第2カウンタが前記CPUに内蔵されていることにより、専用のカウンタ回路も専用のカウンタ更新処理も不要であることを特徴とする遊技機。 - 前記第3カウンタの最大値は、前記第1カウンタの最大値以下である請求項1に記載の遊技機。
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