JP3872932B2 - 耐亀裂性が増強された銅合金 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器のコネクタまたはリードフレームなどの特定の用途を有する銅基合金に関する。本発明の合金は、特定の限度内で鉄を添加する析出硬化性ニッケル−シリコン−スズ基銅合金を含む。本発明の合金は、局部的塑性変形時の耐亀裂または耐破壊性が増強され、微細な粒径を有し、且つ高温下での粒の成長に対する抵抗性即ち耐粒成長性が増大されている。本発明の合金は、さらに、曲げ成形性、高い強さ、高いスタンピング性および高温下での増大した耐応力緩和性を含めた特性の優れた組み合わせを提供する。
【0002】
【従来の技術】
電気コネクタまたはリードフレーム電子部品の製造に用いられる合金の1種は、銅開発協会(Copper Development Association、CDA、ニューヨーク州ニューヨーク市所在)により、銅合金C70250と指定されている。銅合金C70250は、2.2〜4.2重量%のニッケルと、0.25〜1.2重量%のシリコンと、0.05〜0.30重量%のマグネシウムと、最大0.2重量%の鉄と、最大1.0重量%の亜鉛と、最大0.1重量%のマンガンと、最大0.05重量%の鉛と、残部銅および不可避不純物とからなる公称組成を有している。このタイプの合金に関するさらなる詳細は、カロン(Caron)らに付与された米国特許第4,594,221号および同第4,728,372号に見出すことができる。
【0003】
ニッケル、シリコン、スズおよび鉄を含む銅合金を開示している米国特許には、鈴木(Suzuki)らに付与された米国特許第4,971,758号、フタタスカ(Futatasuka)らに付与された米国特許第5,024,814号、および鈴木(Suzuki)らに付与された米国特許第5,508,001号が含まれる。米国特許第5,846,346号は、ニッケル、シリコン、スズ、および任意添加の鉄を含む銅合金を開示している。
【0004】
ニッケル、シリコン、スズおよび特定の限度内の鉄を含む銅合金は公知であるが、曲げ成形性、高い強さ、スタンピング性(stampability)および高温下での増大した耐応力緩和性を含めた特性の優れた組み合わせを維持しながら、局部的塑性変形時の増大した耐亀裂性または耐破壊性と、微細な粒径と、高温下での粒成長に対する増大した抵抗性とを有する銅合金が依然として求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特に、自動車産業用の電気/電子コネクタの設計は、以前に比べてはるかに複雑化かつ小型化されている。こうした状況から、これらの部品の原料となる銅合金に関して高い成形性がますます求められている。例えば、ボックスタイプコネクタは、ボックスタイプソケットから電線の波形部(wire crimp portion)への移行部を含んでいる。この部分で、銅合金は、曲げと伸びの組み合わせによる局部的塑性変性を受ける。驚くべきことには、典型的な従来技術での引張伸びおよび最小曲げ半径の測定では、そのような局部的塑性変形を受けたときの銅合金の性能を充分に予測できないことが見出された。その結果、上記最小曲げ半径で測定して優れた引張伸びおよび曲げ成形性を有するとされた合金も、そのような局部的塑性変形下で亀裂傾向を有するために上述の用途には不適とされた。
【0006】
本発明により、本発明者らは、銅合金が合金の局部的塑性変形を要する用途に適しているかどうかを予測できる局部的延性指数を開発した。驚くべきことには、特定の限度内で鉄を添加する析出硬化性ニッケル−シリコン−スズ基銅合金が、上述の局部的塑性変形時の増強された耐亀裂性または耐破壊性を提供することが見出された。さらに、本発明の合金は、微細な粒径を有し且つ高い処理温度下で粒成長に対する増大した抵抗性を有している。本発明の合金は、曲げ成形性、高い強さ、高いスタンピング性および高温下での増大した耐応力緩和性を含めた特性の優れた組み合わせも提供する。好ましくは、本発明の合金は、改良された溶体化焼鈍処理性、および仕上げストリップ厚さでの時効焼鈍に対するより安定した応答性を提供する。
【0007】
本発明により、局部的塑性変形に帰因する亀裂に対する抵抗性が増強された銅合金が提供される。本発明の合金は、主として、0.7〜3.5重量%のニッケルと、0.2〜1重量%のシリコンと、0.05〜1重量%のスズと、0.26〜1重量%の鉄と、残部銅および不可避不純物とからなる。本発明の合金は、局部的延性指数が0.7より大きく、引張伸びが5%を超える。
【0008】
本発明の好ましい実施態様においては、ニッケルは1.2〜2.8重量%、シリコンは0.3〜0.7重量%、スズは0.2〜0.6重量%、鉄は0.28〜0.7重量%であり、銅合金は、熱間加工性の増大に有効な0.15重量%までの量のマンガンをさらに含む。本発明のより好ましい実施態様においては、ニッケルは1.5〜2.5重量%、シリコンは0.35〜0.55重量%、スズは0.3〜0.5重量%、鉄は0.3〜0.5重量%、マンガンは0.02〜0.1重量%である。
【0009】
本発明の銅合金は、一般に、413.7〜689.5MPa(60〜100ksi)の耐力と、35%IACS以上の導電性と、80%以上の長手方向の応力残存という3,000時間露出後の150℃での耐応力緩和性と、優れた曲げ成形性とを有している。本発明の合金は、電気または電子コネクタ用に特に有用であるが、それらの特性の独特な組み合わせにより、合金がリードフレームや他のエレクトロニクス装置(但し、それらには限定されない)用などに適合されるいずれの用途にも使用し得る。
【0010】
本発明の銅合金から製造される電気コネクタも本発明の一部を構成する。
【0011】
本発明の合金を製造する方法も本発明の一部を構成する。本発明の合金に用いられる鉄の臨界的な最小量により、連続熱間圧延通過時にストリップ温度が不十分なときに発生する熱間加工時の亀裂問題が回避される。これによって、本発明の合金の熱間加工性が著しく向上し、かつ広い処理性が得られ、それによって熱間加工作業からの増大した製造歩留まりにより生産性が増大する。
【0012】
従って、局部的塑性変形時の耐亀裂性が増強された改良型銅基合金およびその製造法を提供することが本発明の目的である。
【0013】
本発明の他の目的は、鉄を特定の限度内で添加する析出硬化性ニッケル−シリコン−スズ基銅合金を提供することである。
【0014】
本発明のさらに他の目的は、本発明の好ましい実施態様に従って、微細な粒径を有し、優れた曲げ成形性、高い強さ、優れたスタンピング性、および高温下で増大した耐応力緩和性を含めた特性の優れた組み合わせを有する合金を提供することである。
【0015】
本発明のさらに別の目的は、本発明の好ましい実施態様に従って、溶体化焼鈍処理性がよく且つ仕上げ寸法での時効焼鈍に対するより安定した応答性を有する合金を提供することである。
【0016】
上記の目的、特徴および利点は、本明細書および添付図面からより明らかになるであろう。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本明細書に用いられているIACSとは、国際焼鈍化銅標準(International Annealed Copper Standard)を意味し、20℃で100%IACSの導電値を有する銅を「純粋な」銅と定める。
【0018】
特に自動車産業用の電気/電子コネクタの設計は、以前に比べてはるかに複雑化かつ小型化されており、これらの部品の原料となる銅合金に関して高い成形性がますます求められている。例えば、ボックスタイプコネクタ(box type connector)は、ボックスタイプソケットから電線の波形部への移行部分を含んでいる。この部分で、合金は、曲げと伸びの組み合わせによる局部的塑性変形を受ける。局部的塑性変形は、塑性流れが均一でなく、くびれ即ちネッキング(necking)が発生しているときの変形を含む。ネッキングは、破壊が起こる前のシート金属即ち金属板を成形する時に発生する局部的薄肉化(tlinning)を含む。驚くべきことには、典型的な従来技術の引張伸びおよび最小曲げ半径の測定では、そのような局部的塑性変形を受けたときの銅合金の性能を適切に予測することができないことが見出された。その結果、上記最小曲げ半径で測定して優れた引張伸びおよび曲げ成形性を有するとされた合金も、そのような局部的塑性変形下で亀裂傾向を有するために上述の用途には不適とされた。
【0019】
本発明により、本発明者らは、銅合金が局部的塑性変形を要する用途に適しているかどうかを予測できる局部的延性指数を開発した。銅合金の局部的延性指数は、所望の長さと幅と厚さとを有するストリップ型引張試験片を用いた慣用の引張試験を行って測定する。例えば、局部的延性指数の測定に用いられる典型的な引張試験片の寸法は、ゲージ長さ即ち長さが50.8mm(2インチ)、幅が12.7mm(0.5インチ)、所望の厚さが約0.13〜0.64mm(0.005〜約0.025インチ)の範囲である。引張試験片を、万能引張試験機〔Instron(登録商標)tensile tester〕などの従来の引張試験機に装入する。応力−歪み線図を作るための従来の引張試験を試験片が破壊されるまで行う。次いで、破壊時の試験片の厚さを計測する。次いで、局部的延性指数を以下のように計算する:
(T1 − T2)/T1 = LDI
〔式中、T1=引張試験片の初期厚さ、T2=破壊時点の引張試験片の厚さ、およびLDI=合金の局部的延性指数〕
【0020】
元素としての銅は、導電率が極めて高く、強さが比較的低く、耐応力緩和性が低い。応力緩和性は、例えばスプリングまたは電気コネクタ部品として用いられる場合などのように、製品が外部応力を受ける用途に用いられる銅合金を選択する際に考慮すべき重要な性質である。
【0021】
応力緩和性は、金属片に外部の弾性応力が加わったときに発生する現象である。金属は、等しくかつ反対方向の内部弾性応力を発生させて反応する。金属が応力を受けた状態に抑止されると、内部弾性応力は時間とともに減少する。内部弾性応力の経時的減少は応力緩和即ち応力緩和性(stress relaxation)と称され、金属内の弾性歪みが塑性歪みまたは永久歪みに置換えられることで発生する。内部応力の経時的減少率は、合金の組成、合金の機械的性質、処理方向に関する方位(例えば、長手方向の方位=圧延方向)や露出温度の関数である。スプリングやコネクタ用の場合、できるだけ上記減少率を低下させること、つまり、耐応力緩和性を増大させることが望ましい。
【0022】
電気コネクタの製造においては、銅合金シートは、ソケットとして使用するためには中空形状に形成してよい。自動車の分野では、ボックス形のソケット(box−shaped socket)が特定の用途に利用されている。銅合金ソケットの開放端に隣接する金属は、曲げなどにより外部応力を付与され、銅合金ソケットの先端を内側に偏らせ、かみ合いプラグを緊密に係合または接触させるのに有効な対抗内部応力が生成する。この緊密な係合により、ソケットおよびプラグコネクタ部品全体の電気抵抗が比較的一定に保たれ、極限状態においても、ソケットからのプラグの分離が確実に阻止される。
【0023】
経時的に、温度が高くなるにつれ、応力緩和によりソケットとプラグとの接触力が弱められ、その結果、いつかはコネクタが故障する可能性がでてくる。電気コネクタ設計の主目的は、ソケットとプラグとの接触力を最大限にして、コネクタを介した良好な導電性を維持することにある。
【0024】
曲げ成形性は、金属を破壊させずに折り曲げることができる最小曲げ半径(「MBR」)として表されることが最も多い。本明細書に用いられている最小曲げ半径とは、亀裂が発生せず、約90°にストリップを曲げることができるマンドレルの半径である。MBRは、通常、試験シートの厚さ「t」の倍数として表される。例えば、コネクタ用には、「1t」以下のMBRが極めて望ましい。圧延機のロールを通過させて銅合金シートの厚さを薄くする場合、銅合金シートは圧延方向を横切る軸線についての曲げ〔「グッドウエイ曲げ」(good way bends、すなわち「GW」〕または圧延方向に対して平行な軸線についての曲げ〔「バッドウエイ曲げ」(bad way bends)、すなわち「BW」〕という異なる曲げ特性、すなわちMBRを有する。
【0025】
驚くべきことには、鉄を特定の限度内で添加する析出硬化性ニッケル−シリコン−スズ基銅合金は、上述の局部的塑性変形時の増大した耐亀裂性や耐破壊性をもたらすことが見出された。また、本発明の合金は、微細な粒径および高温下の増大した耐粒成長性即ち粒成長に対する増大した抵抗性を有する。本発明の合金は、さらに、優れた曲げ成形性、高い強さ、優れたスタンピング性および高温下の増大した耐応力緩和性を含めた特性の優れた組み合わせを提供する。好ましくは、本発明の合金は、改良された溶体化焼鈍処理性と、仕上げ寸法でのストリップの時効焼鈍に対するより安定した応答とをもたらす。
【0026】
本発明により、局部的塑性変形に帰因する亀裂に対する抵抗性が増大した銅合金が提供される。本発明の合金は、主として、0.7〜3.5重量%のニッケルと、0.2〜1重量%のシリコンと、0.05〜1重量%のスズと、0.26〜1重量%の鉄と、残部の銅および不可避不純物とからなる。本発明の合金は、局部的延性指数が0.7より大きく、50.8mm(2インチ)のゲージ長さにおける引張伸びが5%を超える。
【0027】
本発明の好ましい実施態様において、ニッケルは1.2〜2.8重量%、シリコンは0.3〜0.7重量%、スズは0.2〜0.6重量%、鉄は0.28〜0.7重量%であり、銅合金は、熱間加工性の向上に有効な0.15重量%までの量のマンガンをさらに含む。本発明のより好ましい実施態様において、ニッケルは1.5〜2.5重量%、シリコンは0.35〜0.55重量%、スズは0.3〜0.5重量%、鉄は0.3〜0.5重量%、マンガンは0.02〜0.1重量%である。
【0028】
本発明の合金のニッケルとシリコンの比率は、約4.5:1より大きいのが好ましく、約5:1より大きければなお好ましい。
【0029】
本発明の最も好ましい実施態様において、ニッケルおよび鉄の総含有量は約2.5重量%未満である。
【0030】
本発明の銅合金は、一般に、413.7〜689.5MPa(60〜100ksi)の耐力と、35%IACS以上の導電性と、80%以上の長手方向の応力残存を示す3,000時間経過後の150℃での耐応力緩和性と、優れた曲げ成形性とを有する。本発明の合金は、電気または電子コネクタ用に特に有用であるが、これらの合金は、それらの特性の独特な組み合わせにより、合金がリードフレームや他のエレクトロニクス装置(但し、それらには限定されない)用などに適合されるいずれの用途にも使用し得る。
【0031】
本発明の銅合金から形成される電気コネクタおよび本発明の銅合金を製造する方法は本発明の一部を構成する。
【0032】
本発明の銅合金は、固溶体強化、分散強化および析出硬化のバランス即ち釣合いを保つことによりその独特な特性を達成する。本発明の銅合金は優れた熱間加工性および冷間加工性を示す。
【0033】
本発明の合金は、従来の誘導溶融および半連続鋳造、その後の適切な中間焼鈍処理および仕上げ寸法での焼鈍処理を含む熱間圧延および冷間圧延により製造することができる。あるいは、本発明の合金は、ストリップ鋳造および適切な中間焼鈍処理および仕上げ寸法での焼鈍処理を含む冷間圧延により製造することができる。
【0034】
本発明の合金は、直接チル(direct chill)半連続鋳造またはストリップ鋳造(但し、それらには限定されない)などのいずれかの望ましい従来鋳造法を用いて鋳造することができる。ストリップ鋳造でない場合、本発明の合金は、好ましくは約750〜950℃、最も好ましくは約825〜925℃の範囲の出発温度で熱間圧延する。その後、場合によっては、好ましくは約400〜700℃、最も好ましくは約550〜650℃の範囲の温度で、好ましくは約1〜16時間、最も好ましくは約3〜6時間、合金をベル焼鈍してもよい。ストリップ鋳造合金の場合、通常、ベル焼鈍(bell anneal)は必要とされない。
【0035】
次いで、本発明の合金を冷間圧延して、厚さを約50〜90%減少させるのが好ましい。冷間で厚さを減少させた後、本発明の第1の方法実施態様に従って、好ましくは約700〜900℃、最も好ましくは750〜850℃の金属の温度で、好ましくは最大5分間、最も好ましくは30〜60秒間ストリップの焼鈍をして、合金を溶体化焼鈍する。あるいは、冷間で厚さを減少させた後、本発明の第2の方法実施態様に従って、好ましくは約400〜700℃、最も好ましくは450〜600℃の範囲の温度で約1〜6時間、合金をベル焼鈍(bell anneal)してもよい。
【0036】
最後に、第1の方法実施態様による合金の場合、所望の機械的性質に応じて合金を冷間圧延して厚さを仕上げ寸法へ最大約50%の厚さ減少をしてもよいし、そうしなくてもよい。第1の好ましい機械的性質の場合、最終冷間圧延により約10〜20%の範囲で厚さを減少させるのが好ましい。第2の好ましい機械的性質の場合、最終冷間圧延により約30〜50%の範囲で厚さを減少させるのが好ましい。本発明の第2の方法実施態様による合金の場合、最終的に合金を冷間圧延して厚さを約30〜50%減少させるのが好ましい。
【0037】
第1の方法実施態様による合金の場合、好ましくは約400〜550℃、最も好ましくは400〜500℃の範囲で、約1〜6時間、最も好ましくは約2〜4時間、合金をベル焼鈍して時効処理する。本発明の第2の方法実施態様による合金の場合、約250〜350℃の範囲の金属の温度で約30秒〜約5時間、合金を応力除去焼鈍するのが好ましい。
【0038】
本発明の第1の方法実施態様では、代替の第2の方法実施態様に従って処理した本発明の銅合金に比べて高い強さと幾分低い導電性および曲げ成形性を有する本発明の銅合金が得られる筈である。本発明の第2の方法実施態様では、代替の第1の方法実施態様に従って加工した本発明の銅合金に比べて導電性および曲げ成形性が高く、かつ強さが幾分低い本発明の銅合金が得られる筈である。
【0039】
【実施例】
本発明の合金の改良された特性を以下の実施例により説明する。特に断りのない限り、表1に示されている公称組成を有する一連の銅合金は、上述の最も好ましい第1の方法実施態様を用いて製造した。
【表1】
表1の合金成分の残部は銅および不可避不純物である。合金1〜6、13、14および16は本発明の合金である。合金7〜12、15および17は比較のために提供された従来技術の合金である。次ぎに、表2および表3を参照して、1種以上の異なる冷間での厚さ減少率の場合の合金1〜14の特性を示す。
【0040】
【表2】
【表3】
本発明の合金、例えば、表2の合金2、13および14は、スズや鉄を添加しなかった合金(表3の合金7および合金8)またはスズは添加したが鉄は添加しなかった合金(表3の合金9、合金10および合金11)と比べ、耐応力緩和性が著しく増強されている。応力緩和性についてのデータは、さらに次のことを示している即ち、本発明の範囲内で鉄を添加したことによる利点が、試験温度を125℃から150℃に上昇させるにつれて増大していることを示している。例えば、0.60重量%の鉄を添加した本発明の合金2は、従来技術の合金10に比べて耐応力緩和性の増大を示す。すなわち、150℃の試験温度に3,000時間露出した後の耐応力緩和性は、合金10の場合の約77%の応力残存から、合金2の場合の84%の応力残存に増大している。合金14は、175℃というさらに高い温度においてさえ、驚異的なレベルの耐応力緩和性を示す。本発明の合金のこの耐応力緩和性能の増大が約0.010mmの粒径を維持しながら達成されるということは驚くべきことである。そのような微細な粒径は、強さと、曲げ成形性と、スタンピング性との最適な組み合わせを得るのに望ましい。
【0041】
表2に示されているように、本発明の合金は、微細な粒径を有すると共に、優れた曲げ成形性、高い強さ、優れたスタンピング性および高温下での増大した耐応力緩和性を含めた特性の優れた組み合わせを提供する。本発明の合金の粒径は、0.015mm以下に維持するのが好ましく、0.010mm以下であれば最も好ましい。
【0042】
本発明の合金の局部的塑性変形に帰因する亀裂に対する増大した抵抗性を示すために、表4に示されているような一連の合金を引張試験にかけ、それらの局部的延性指数を測定した。亀裂傾向を増幅させるように特別設計された工具を用い、工業用コネクタスタンピング製造機(stamping manufacture)で各合金の追加試料をボックスタイプコネクタにスタンピング(即ちプレス加工)し、スタンピング後に亀裂が存在するかどうかを調べた。
【表4】
表4の合金成分の残部は銅および不可避不純物である。
【0043】
表5は、表4の合金の機械的性質を示している。表6は、90°ボックス型の曲げおよびボックス部と側面部との間のコネクタの局部的塑性変形領域に関する表4の合金の亀裂性能を示す。本発明の合金AおよびBと、合金FおよびGとを比較すると、合金FおよびGは良好な曲げ成形性を示しはしても、本発明の合金が局部的塑性変形時の亀裂に対する抵抗性が著しく増大していることは明らかである。本発明の合金AおよびBと、合金C、DおよびEとを比較すると、合金C、DおよびEが本発明の合金と同等な伸びを有しているとはいえ、本発明の合金が局部的塑性変形時の亀裂に対する抵抗性が著しく増大していることは明らかである。しかし、表5に示されているように、局部的延性指数(LDI)は、局部的塑性変形時の亀裂感度の優れた指標である。本発明の合金の0.7以上、最も好ましくは0.75以上の局部的延性指数(LDI)と組み合わせた5%以上の引張伸びにより、局部的塑性変形を受けたときの亀裂傾向が著しく減少した合金が得られる。
【0044】
【表5】
【表6】
表7〜表9を参照すると、従来技術の合金を参照とすることにより、鉄の下限の驚異的な臨界性が明確に示されている。表7〜表9に示されている組成を有する一連の合金を鋼鋳型中でチル鋳造して、長さ102mm(4インチ)、幅102mm(4インチ)、厚さ43.2mm(1.7インチ)の長方形のインゴットをつくった。インゴットの長手方向の端縁は、インゴットの両端縁に沿ってインゴットの主表面から45°の面取りをする切削により、テーパー形状とし、元の端縁の細い中心延在部だけが残るようにした。次いで、試料を一連の熱間圧延試験にかけた。
【0045】
テーパー形状にした目的は、熱間圧延時のインゴットの亀裂傾向を助長させるためである。上述のテーパー端部インゴットを用いると、工業用熱間圧延時の性能との優れた相関関係が得られることが見出された。亀裂を示すテーパー端縁インゴットは、そのような合金が工業用熱間圧延時に亀裂を起こすであろうことを明らかに示している。亀裂の無いテーパー端縁インゴットも工業用熱間圧延時に亀裂を示す場合もあるであろう。テーパー端縁インゴットの亀裂は、工場における熱間圧延時に重大な亀裂を受ける合金を取り去るのに用いることができる。
【0046】
熱間圧延した合金は、0%のFeを含む種々のレベルの鉄を有する米国特許第4,971,758号の合金の一般組成のものである。上記特許の第4欄、5〜9行目には、「...鉄含量が0.25%を超えると、熱間圧延特性はもはや改善されず、むしろ劣化する...」ことが強調して示唆されている。表8および表9に示されているように、これらの教示とは反対に、本発明の合金によるような臨界最小量の鉄は、引き続く連続熱間圧延時にストリップの温度が低下したときの熱間加工時に発生する亀裂問題を回避するために必要である。
【0047】
【表7】
【表8】
【表9】
表7は、熱間加工温度が比較的高い場合には、鉄は亀裂の減少に重要な役割を果たさないことを示している。工業的熱間圧延の最終段階における典型的な出口温度は、約600〜650℃もの低さである場合が多い。表8の結果を得るのに用いた実験室での熱間圧延工程は、工業的工程に最も類似したものであると考えられる。本発明の合金による鉄の下限の臨界性は表8に明確に示されている。本発明の合金は、参照した特許に示唆されているような低鉄含有量の合金が後続の熱間圧延パス時に示す種類の亀裂を受けない。これによって、本発明の合金の高温加工性が著しく向上し、広い処理性が得られ、それによって、熱間加工作業からの製造歩留まりが増大して生産性が向上する。
【0048】
従来技術のCuNiSiSn合金と比べると、本発明によるCuNiSiSnFe合金は、方法についての重要な2つの利点、すなわち、より大きな溶体化焼鈍方法手段と、仕上げ寸法における時効焼鈍に対するより安定した応答性を提供する。
【0049】
図1を参照すると、本発明の合金(表1の合金1)対従来技術の合金(表1の合金10および合金15)の溶体化焼鈍(「SA」)温度対得られた粒径のグラフが示されている。合金10および15は30秒間溶体化焼鈍温度に保持し、合金1は60秒間溶体化焼鈍温度に保持した。このグラフから、本発明の合金は、従来技術の合金より、溶体化焼鈍温度下で粒成長に対する増大した抵抗性を示し、それによって、製造時により広い処理性が得られることがわかる。これは、合金のコスト削減と合金の性能信頼性向上の助けとなる。
【0050】
図2を参照すると、本発明の2種の合金(表1の合金2および16)対ニッケルシリコン合金(表1の合金17)の耐力対時効応答性のグラフが示されている。これらの合金を約775℃で60秒間溶体化焼鈍し、冷間圧延して厚さを約40%減少させ、指示温度で約3時間時効焼鈍した。指示量の鉄を含む本発明の合金が広範な温度範囲にわたりはるかに一定で従ってより安定した時効応答性を示すことは明らかである。鉄を添加すると、時効硬化焼鈍時の耐軟化性が明らかに増大する。これは、従来技術の合金よりも安定した仕上げ寸法での時効焼鈍応答性をもたらし、合金の製造コストの削減およびその性能信頼性向上の助けとなる。
【0051】
以下の説明は、図1および図2を参照して記載した本発明の合金に関する改良された方法の利点を設けるメカニズムであると考えられるが、以下の説明は、考えられ得る説明として示されているものであり、これらの説明により本発明を制限または限定するものとみなしてはならず、本発明は、添付請求の範囲においてのみ限定される。
【0052】
走査型電子顕微鏡検査およびEDAX分析により、本発明の合金により得られる改良された方法の利点は、合金ストリップ中にニッケル−鉄−シリコンに富む第二相が微細に分散されていることに起因する。本発明の合金は、思いがけず、本発明の加工法によりニッケル−鉄−シリコンに富む第二相の本質的に好ましい分散をもたらす。ニッケル−鉄−シリコンに富む第二相は溶体化焼鈍時の粒の成長を抑制すると考えられる。溶体化焼鈍された時の粒成長が抑制されることにより、比較し得る従来技術の合金より微細な溶体化焼鈍された粒径が得られる。本発明の合金を処理してニッケル−鉄−シリコンに富む第二相分散体を再溶体化すると、溶体化処理時に観察された粒の成長は、鉄を添加しない従来技術の合金と類似している。本発明の合金の改良された時効応答性は、時効焼鈍時のニッケル−鉄−シリコンに富む相のさらなる析出ならびに時効焼鈍前の顕微鏡組織中に存在するニッケル−鉄−シリコンに富む第二相によりもたらされる改良された耐軟化性(恐らく転位運動の制限)に帰因する。
【0053】
一般に、そのような粒子は、1ミクロン未満の粒径を有し、約3,000×の倍率で、そのような粒の密度は100μm2あたり100粒より多い。そのような密度は、100μm2あたり、好ましくは200粒より多く、最も好ましくは350粒より多い。
【0054】
図3を参照すると、鉄を含む本発明の合金(表1の合金1)対従来技術の合金(合金10および15)の溶体化焼鈍(「SA」)温度対得られた粒径のグラフが示されている。合金10および15は溶体化焼鈍温度に30秒間保持し、合金1は溶体化焼鈍温度に60秒間保持した。このグラフから、本発明の合金が、従来技術の合金に比べ、高い溶体化焼鈍温度下の耐粒成長性が著しく増大され、それによって、製造時にさらに大きな処理性が得られることがわかる。これは、合金の処理限界の拡大および合金の性能信頼性の向上をさらに助ける。
【0055】
図4を参照すると、鉄を含む本発明の2種の合金(表1の合金2および16)対ニッケル−シリコン合金(表1の合金17)の耐力(ksi)対時効応答性のグラフが示されている。これらの合金を約775℃で60秒間溶体化焼鈍し、冷間圧延して厚さを約40%減少させ、所定の温度で約3時間時効焼鈍した。所定量の鉄を含む本発明の合金が広範な温度範囲にわたってより一定に近い時効応答性を示すことは明らかである。これは、さらに、合金の処理限界の拡大および合金の性能信頼性の向上の助けとなる。
【0056】
図5を参照すると、鉄を含む本発明の合金(表1の合金2および16)対ニッケル−シリコン合金(表1の合金17)の耐力(ksi)対時効応答性のグラフが示されている。ベル時効温度(bell aging temperature)が高くなると、導電性が高められることは明らかである。鉄は導電性を減少させる傾向がある。導電性の減少は、エレクトロニクス分野、特に自動車用コネクタ関連するこれらの合金の用途に影響を与えるほどのものではない。ほとんどのコネクタ用途の場合、なによりも、本発明の合金の局部的塑性変形時の亀裂に対する感度の減少や、改良されたプレス性および応力緩和特性の方が重要である。
【0057】
本発明によれば、ニッケルおよび鉄の合計含有量は約2.5%未満が最も好ましい。また、0.3%という最小レベルの鉄により、曲げ成形性、強さ、応力緩和性およびプレス性の優れた組み合わせがもたらされると考えられる。
【0058】
本明細書に用いられている用語「kis」は、平方インチあたり1,000ポンドの略語であり、用語「mm」はミリメートルの略語である。本明細書に記載されている応力緩和特性を、ストリップの圧延方向である縦方向即ち長手方向に配向されたストリップを用いて試験した。
【0059】
本発明により、上述の目的、手段および利点を完全に満足する銅合金が得られたことは明らかである。本発明をその実施態様と組み合わせて説明したが、当業者には、上記を考慮に入れれば、多くの代替、変更および改変が自明であることは明らかである。従って、そのような代替、変更および改変は添付請求の範囲の精神および広範な範囲内に包含されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高い溶体化焼鈍温度下の粒成長に対する抵抗性即ち耐粒成長性の増大に及ぼす本発明の合金中の鉄の影響を示すグラフ。
【図2】 本発明の合金の時効応答性に及ぼす合金の鉄含有量の影響を比較するグラフ。
【図3】 高い溶体化焼鈍温度下の耐粒成長性に関して本発明の合金と従来合金との比較を示すグラフ。
【図4】 合金の時効応答性に関して本発明の合金と従来合金との比較を示すグラフ。
【図5】 多様な合金の導電性に及ぼす時効温度の影響を示すグラフ。
Claims (13)
- 局部的な応力付与に帰因する亀裂に対する抵抗性が増大された銅合金であって、主として
0.7〜3.5重量%のニッケルと、
0.2〜1重量%のシリコンと、
0.05〜1重量%のスズと、
0.26〜1重量%の鉄と、
残部の銅および不可避不純物と
からなり、
局部的延性指数が0.7より大きく、かつ50.8mm(2インチ)のゲージ長さにおける引張伸びが5%を超える該銅合金。 - ニッケルが1.2〜2.8重量%、シリコンが0.3〜0.7重量%、スズが0.2〜0.6重量%、鉄が0.28〜0.7重量%であり、かつ熱間加工性の増大に有効な0.15重量%までの量のマンガンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の銅合金。
- 耐力が413.7〜689.5MPa(60〜100ksi)であり、導電性が35%IACS以上であり、150℃で3,000時間露出した後の耐応力緩和性が少なくとも80%の長手方向応力残存であり、かつ優れた曲げ成形性を有することを特徴とする、請求項1に記載の銅合金。
- 電気コネクタ部品が銅合金から形成されることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の銅合金。
- 平均粒径が0.01mm以下でありかつ局部的延性指数が0.75以上であることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の銅合金。
- ニッケル−鉄−シリコンに富む第二相粒を含み、前記粒が1ミクロン未満の粒径を有し、かつ約3,500×の倍率で前記粒の密度が100μm 2 あたり100個を超えることを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の銅合金。
- 銅合金を製造する方法であって、
主として
0.7〜3.5重量%のニッケルと、
0.2〜1重量%のシリコンと、
0.05〜1重量%のスズと、
0.26〜1重量%の鉄と、
残部の銅および不可避不純物と
からなる合金を設ける段階と、
前記合金を所望の形状に鋳造する段階と、
前記合金を700〜900℃の温度で最長5分間溶体化焼鈍する段階と、
前記合金を最終冷間加工して厚さを50%以下の範囲で減少させる段階と、
前記合金を400〜550℃の温度で1〜6時間時効焼鈍する段階とを有し、
前記銅合金が、0.7を超える局部的延性指数、および50.8mm(2インチ)ゲージ長さで5%を超える引張伸びを有する、銅合金を製造する方法。 - 銅合金が、413.7〜689.5MPa(60〜100ksi)の耐力と、35%IACS以上の導電性と、80%以上の長手方向応力残存という3,000時間露出後の150℃耐応力緩和性と、優れた曲げ成形性とを有することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
- 溶体化焼鈍の前に、銅合金を750〜950℃の範囲の出発温度で熱間加工し、その後、銅合金を一次冷間加工して厚さを50〜90%減少させることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
- 一次冷間加工段階の前に、銅合金を、400〜700℃の温度で1〜16時間焼鈍することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
- 溶体化焼鈍の代わりに、銅合金を400〜700℃の温度で約1〜6時間焼鈍し、最終冷間加工段階が厚さを30〜50%減少させることを含み、かつ、時効焼鈍の代わりに、銅合金を、250〜350℃の金属温度で約30秒〜約5時間応力除去焼鈍することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
- 銅合金の平均最終粒径が0.01mm以下であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
- 銅合金が0.75以上の局部的延性指数を有することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
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