JP2001214226A - 端子用銅基合金、該合金条および該合金条の製造方法 - Google Patents

端子用銅基合金、該合金条および該合金条の製造方法

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JP2001214226A
JP2001214226A JP2000019654A JP2000019654A JP2001214226A JP 2001214226 A JP2001214226 A JP 2001214226A JP 2000019654 A JP2000019654 A JP 2000019654A JP 2000019654 A JP2000019654 A JP 2000019654A JP 2001214226 A JP2001214226 A JP 2001214226A
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alloy
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copper
rolling
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English (en)
Inventor
Junichi Nagata
純一 永田
Kazuhito Ichinose
一仁 一之瀬
Toshiyuki Osako
敏行 大迫
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度、ばね特性、導電性、曲げ加工性および
耐応力緩和性に優れた端子用銅基合金条を実現し得る端
子用銅基合金、該合金条、および該合金条の製造方法を
提供する。 【解決手段】 本発明の合金は、所定の組成を有するCu
-Co-P系およびCu-Co-Sn-P系である。また、本発明の合
金条は、上記合金の組成を有し、引張強さ、ばね限界
値、導電率、最小曲げ半径比および応力緩和率が所定の
レベル以上である。さらに、本発明の製造方法は、上記
合金の鋳塊を作製する第一工程、所定の開始温度・終了
温度で熱間圧延し急冷する第二工程、中間冷間圧延し、
次に所定の温度で中間焼鈍する際、最後の中間冷間圧延
を所定の圧延率でする第三工程、所定の圧延率で仕上げ
冷間圧延する第四工程、および所定の温度で低温焼鈍す
る第五工程からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のコネクタ
端子などの端子(以下、単に「端子」という)に用いら
れる端子用銅基合金、該合金条および該合金条の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエレクトロニクスの発展に伴い、
より一層の高密度化、小型化、軽量化、そして信頼性向
上が端子に求められるようになってきている。また、エ
ンジンの高性能化によりエンジンルーム内の温度が上昇
するに伴い、エンジンルームに使用される端子にも、よ
り高信頼性および高耐熱性が要求されるようになってき
ている。
【0003】端子の信頼性が向上するためには、具体的
には、強度、ばね特性、導電性、曲げ加工性および耐応
力緩和性に優れることが必要である。例えば、優れた導
電性および耐応力緩和性を兼ね備えていないと、端子の
自己発熱による酸化、めっき剥離、応力緩和、回路の電
圧降下、ハウジングの軟化や変形が生じる可能性があ
る。
【0004】従来より、黄銅、リン青銅、Cu−Ni−
Sn−P系合金などの銅基合金が端子に使用されてい
た。
【0005】しかしながら、端子用銅基合金として従来
用いられてきた黄銅は、強度、ばね特性、曲げ加工性が
優れ、安価ではあるが、導電性が低く(例えばC260
0で導電率が27%IACS)、耐応力緩和性や耐食性
にも問題があった。
【0006】また、リン青銅は、強度、曲げ加工性、耐
食性は優れているが、導電性が低く(例えばC5210
で導電率が12%IACS程度)、耐応力緩和性にも問
題があり、さらに価格も高く経済的ではなかった。
【0007】Cu−Ni−Sn−P系合金は、これら二
種の合金の欠点を補うために開発されたものである。特
公平8−9745号公報には、Cu−Ni−Sn−P系
合金鋳塊を熱間圧延した後、冷間圧延と熱処理を繰り返
して、端子用銅基合金条を製造する方法が記載されてい
る。しかし、このようにして製造されたCu−Ni−S
n−P系合金条は、強度、ばね特性、耐応力緩和性は優
れているものの、導電性が低く、曲げ加工性も十分とは
いえない。例えばCu−1.0Ni−0.9Sn−0.
05P(数値は重量%)の合金条は、導電率が38%I
ACSである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み、強度、ばね特性、導電性、曲げ加工性および耐応
力緩和性に優れた端子用銅基合金条を実現し得る端子用
銅基合金、該合金条、および該合金条の製造方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意検討した結果、(1)Cu−Co−P系
銅基合金およびCu−Co−Sn−P系銅基合金の最適
組成を選ぶことにより、優れた強度、ばね特性、導電
性、曲げ加工性および耐応力緩和性を有する銅基合金条
が実現し得ること、および(2)該最適組成を有するC
u−Co−P系銅基合金およびCu−Co−Sn−P系
銅基合金に最適製造条件を適応することにより、上記銅
基合金条が実現することを見いだし、本発明に到達し
た。
【0010】すなわち、本発明の端子用銅基合金の第1
(第1合金)は、Coを0.1〜1.0重量%(以下、
組成を示す「%」は重量%を意味する)、およびPを
0.005〜1.0%含み、残部がCuおよび不可避不
純物からなる。そして、本発明の端子用銅基合金の第2
(第2合金)は、Coを0.1〜1.0%、Snを2.
0%以下、望ましくは0.1%以上、およびPを0.0
05〜1.0%含み、残部がCuおよび不可避不純物か
らなる。第1合金および第2合金の例には、後述する本
発明の端子用銅基合金条の製造方法の第一工程〜第四工
程において作製される鋳塊、熱間圧延物、中間冷間圧延
物、中間焼鈍物、仕上げ冷間圧延物や、同第五工程で製
造される低温焼鈍物などの合金を挙げることができる。
【0011】また、本発明の端子用銅基合金条の第1
(第1合金条)は、第1合金の成分組成を有し、500
MPa以上の引張強さ、400MPa以上のばね限界
値、50%IACS以上の導電率、1以下の最小曲げ半
径比、および10%以下の応力緩和率という優れた各特
性を有する。そして、本発明の端子用銅基合金条の第2
(第2合金条)は、第2合金の成分組成を有し、第1合
金条と同等の上記各特性を有する。第1合金条および第
2合金条は、多くの場合、100時間の応力腐食割れ試
験で割れ(粒内割れおよび粒界割れ)が発生しない。
【0012】さらに、本発明の端子用銅基合金条の製造
方法の第1(第1方法)は、第1合金または第2合金の
成分組成を有する合金鋳塊を作製する第一工程、開始温
度を850〜980℃、終了温度を750〜880℃と
して熱間圧延し急冷する第二工程、中間冷間圧延し、次
に焼鈍温度を400〜600℃として中間焼鈍する操作
を2回以上行い(複数回の中間冷間圧延・中間焼鈍)、
この際、最後の該中間冷間圧延の圧延率を85%以上と
する第三工程、圧延率を50〜60%として仕上げ冷間
圧延する第四工程、および焼鈍温度を300〜450℃
として低温焼鈍する第五工程からなる。そして、本発明
の端子用銅基合金条の製造方法の第2(第2方法)は、
圧延率を85%以上として中間冷間圧延し、次に焼鈍温
度を400〜600℃として中間焼鈍する(1回の中間
冷間圧延・中間焼鈍)工程を、第1方法における第三工
程とする。
【0013】第1方法および第2方法における第二工程
で得られた熱間圧延物は、100μm以下の結晶粒径を
有する。また、第1方法の第三工程における最後の中間
焼鈍で得られた中間焼鈍物、および第2方法の第三工程
で得られた中間焼鈍物は、5μm以下の再結晶粒径を有
する。
【0014】
【発明の実施の形態】(1)合金元素 本発明の銅基合金および該合金条中に添加された合金元
素は、製造した銅基合金条において次の作用効果をも
つ。
【0015】(a)Co Coは、Cuマトリクス中に固溶して、強度、ばね特性
および耐応力緩和性を向上させる。また、Pが共存する
ので、微細なCo−P系金属間化合物(Co2P)がマ
トリクス中に均一に分散析出していて、導電性を向上さ
せ、強度、ばね特性および耐応力緩和性をさらに向上さ
せる。
【0016】上記Coの作用効果は、Co組成が0.1
%未満では十分得ることができず、1.0%を超えると
飽和してしまう。従って、Co組成は0.1%以上が必
要で、1.0%以下が望ましい。
【0017】(b)Sn Snは、なくてもよい(任意成分である)が、Cuマト
リクス中に固溶して、強度、ばね特性、耐応力緩和性お
よび耐食性を向上させる。
【0018】上記Snの作用効果は、Sn組成が0.1
%未満では顕著でなく、2.0%を超えると飽和してし
まう。従って、Snの有効組成範囲は0.1〜2.0%
である。
【0019】(c)PPは、Cuマトリクス中に固溶し
ているだけでなく、微細なCo−P系金属間化合物(C
2P)を共存するCoと形成し、マトリクス中に均一
に分散析出させている。これにより、強度、ばね特性、
導電性および耐応力緩和性を向上させる。なお、Pは、
鋳塊作製時に溶湯の脱酸剤として作用する。
【0020】上記Pの作用効果は、P組成が0.005
%未満では十分得ることができず、P組成が1.0%を
超えると飽和してしまう。従って、P組成は0.005
%以上が必要で、1.0%以下が望ましい。
【0021】(2)熱間圧延 (a)溶体化処理する、(b)熱間圧延後の結晶粒径を
100μm以下(通常は10μm以上)に調整するため
に、開始温度を850〜980℃、終了温度を750〜
880℃として熱間圧延する。ここで、溶体化処理は、
Co、Pを十分固溶させる(後工程でCo2P化合物と
して時効析出させる(後述))ためのものである。
【0022】開始温度が850℃未満では、圧延の進行
に伴う温度降下のためにCo、Pの固溶が不十分となり
やすく、後工程で上記時効析出効果(時効性)が十分得
られない。一方、980℃より高い温度になると、その
温度が融点近傍であるため熱間圧延自体が行えなくな
る。
【0023】また、終了温度が750℃未満では、C
o、Pの固溶が不十分となる。一方、880℃を超える
と、曲げ加工性を十分向上させることが不可能となって
しまう。何故なら、結晶粒径を100μm以下に調整で
きず(結晶粒径が100μmを超え)、後工程の中間冷
間圧延・中間焼鈍後における(仕上げ冷間圧延に供す
る)再結晶粒径を5μm以下に調整することができなく
なるからである(後述の中間冷間圧延・中間焼鈍参
照)。
【0024】(3)急冷 常温で単一相(過飽和状態)組織にするために、溶体化
処理した熱間圧延物を急冷する。この急冷は、通常行わ
れている水冷・空冷・油冷などにより行えばよい。
【0025】(4)中間冷間圧延・中間焼鈍 上記急冷で得た熱間圧延物は通常、面削する。次に、冷
間圧延(中間冷間圧延)し、次に焼鈍(中間焼鈍)す
る。この中間冷間圧延・中間焼鈍の操作は、1回で済ま
せてもよいが、効率よく中間冷間圧延を行うために2回
以上行って(繰り返して)もよい。
【0026】1回で済ませる場合は、圧延率を85%以
上として中間冷間圧延し、次に焼鈍温度を400〜60
0℃として中間焼鈍する。また、2回以上行う場合は、
中間冷間圧延し、次に焼鈍温度を400〜600℃とし
て中間焼鈍する操作を繰り返し、この際、最後の該中間
冷間圧延の圧延率を85%以上とする。つまり、圧延率
85%以上で中間冷間圧延し、次に焼鈍温度400〜6
00℃で中間焼鈍した後、後工程の冷間圧延(仕上げ冷
間圧延)に供する。
【0027】上記のように圧延率を85%以上とするの
は、(a)熱間圧延で固溶したCoとPからCo2P化
合物を時効析出させる、(b)5μm以下の再結晶粒径
にするためである。時効析出するCo2P化合物の粒径
は、CoとPとの組成にもよるが20nm以下で微細で
ある。中間冷間圧延・中間焼鈍において再結晶が十分進
行しないか、再結晶粒径が5μmを超えると、曲げ加工
性を十分向上させることが不可能となってしまう。圧延
率が85%未満では、熱間圧延後の結晶粒径が100μ
m以下でも、後工程の仕上げ冷間圧延に供する再結晶粒
径を5μm以下に調整することが難しくなる。また、中
間焼鈍温度を400〜600℃とするのは、400℃未
満では再結晶が十分進行せず、一方600℃より高い温
度になると再結晶粒が5μmより粗大になってしまうか
らである。
【0028】(5)仕上げ冷間圧延 仕上げ冷間圧延の圧延率は、50〜60%とする。50
%未満では、耐応力緩和性が低下し、一方、60%を超
えると、曲げ加工性が低下する。
【0029】(6)低温焼鈍 Co2P化合物を十分析出させると同時に、再結晶を進
行させることなく歪取りを行って、十分な曲げ加工性を
与えるために、焼鈍(低温焼鈍)を行う。低温焼鈍温度
は、300〜450℃とする。300℃未満では、上記
析出の反応が起こらず、導電率および曲げ加工性が低下
する。一方、450℃を超えると、歪取りは行えるが再
結晶が進行してしまい、耐応力緩和性が低下する。
【0030】
【実施例】以下、実施例、比較例および従来例により、
本発明をさらに具体的に説明する。
【0031】[実施例1〜15、比較例1〜5]種々組
成の合金鋳塊を大気溶解炉を用いて作製した。これら合
金鋳塊の組成を表1に示した。
【0032】
【表1】
【0033】作製した合金鋳塊を950℃(圧延開始温
度)で加熱し、熱間圧延した(熱間圧延終了温度:85
0℃)後、常温の水中に浸漬して急冷した。
【0034】急冷した熱間圧延物の表面を面削した。そ
して、熱間圧延物の板厚(面削前後)および結晶粒径を
測定した。板厚の測定結果を表2に示した。また、結晶
粒径の測定は、検鏡により行い、いずれの実施例も10
0μm以下であった。
【0035】
【表2】
【0036】得られた面削熱間圧延物を中間冷間圧延
し、次に中間焼鈍した(焼鈍温度はすべて600℃)。
そして、仕上げ冷間圧延した後に低温焼鈍して、板厚
0.25mmの条材を製造した。製造条件(圧延率、焼
鈍温度)を表3に示した。また、(1)最後の中間冷間
圧延(1回で済ませた中間冷間圧延を含む)の前後の板
厚、(2)最後の中間焼鈍(1回で済ませた中間焼鈍を
含む)で得られた中間焼鈍物の再結晶粒径(検鏡により
測定した)、および(3)仕上げ冷間圧延物の板厚も表
3に示した。
【0037】
【表3】
【0038】低温焼鈍して製造した条材について検鏡し
た。その結果、いずれの実施例、比較例もCo2P化合
物が均一微細に分散析出していた。
【0039】また、上記条材の引張強さ、ばね限界値、
導電率、最小曲げ半径比および応力緩和率を測定すると
ともに、耐食性を評価した。得られた結果を表4に示
す。
【0040】(a)引張強さ、ばね限界値および導電率 引張強さの測定はJIS H 2241に、ばね限界値
の測定はJIS H3130に、導電率の測定はJIS
H 0505に準拠した。
【0041】(b)最小曲げ半径比 CES−M0002−6に準拠し、曲げ半径が0.1〜
2.0mmの治具で90°W曲げ加工した。なお、曲げ
軸は圧延方向に対して平行方向(Bad Way)とし
た。そして、割れおよびシワが発生しない最小曲げ半径
Rを板厚tで割った値、すなわち最小曲げ半径比R/t
を求めた。最小曲げ半径比R/tが小さいほど、曲げ加
工性がよい。
【0042】(c)応力緩和率 試験片の中央部の応力が80%耐力となるようにアーチ
曲げを行い、150℃の温度で1000時間保持した
後、試験片の曲げぐせを治具を用いて求めた。すなわ
ち、下記(1)式により応力緩和率を算出した。なお、
(1)式において、L0 は治具の長さ(mm)、L1
は曲げぐせをつける前の試料端間の水平距離(mm)、
2 は曲げぐせをつけた後の試料端間の水平距離(m
m)である。
【0043】
【数1】
【0044】(d)耐食性 JIS H 3250に準拠し、断面を観察した。そし
て、100時間で粒内割れが発生したものを「×」、1
00時間で粒界割れが発生したものを「△」、割れが発
生しなかったものを「○」と評価した。
【0045】[従来例1、2]Pを8.2%、Snを
0.19%含み、残部がCuおよび不可避不純物からな
る市販の端子用リン青銅条(従来例1)、およびZnを
30%含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる市
販の端子用黄銅条(従来例2)について、実施例1と同
様の測定・評価を行った。得られた結果を表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】以上の結果から、実施例1〜15の合金条
はいずれも、引張強さが500MPa以上、ばね限界値
が400MPa以上、導電率が50%IACS以上、最
小曲げ半径比が1以下、応力緩和率が10%以下であ
り、そして耐食性試験で割れが発生せず、いずれの特性
も優れていることが分かる。
【0048】これに対して、比較例および従来例の合金
条は、次の(1)〜(6)で述べるように、ばね限界
値、導電率、最小曲げ半径比および応力緩和率のうちの
少なくとも一つが、実施例1〜15が満足する上記領域
から外れて劣っている。
【0049】なお、比較例1〜5において特性を劣化さ
せる(次の(1)〜(6)参照)前の操業で作製された
銅基合金は、比較例中ではあるが、本発明のものであ
る。
【0050】(1)最後の中間冷間圧延の圧延率が80
%(小さすぎる)で、最後の中間焼鈍物の再結晶粒径が
15μm(大きすぎる)の比較例1の合金条は、最小曲
げ半径比が劣る。
【0051】(2)仕上げ冷間圧延の圧延率が45%
(小さすぎる)の比較例2の合金条は、応力緩和率が劣
る。
【0052】(3)仕上げ冷間圧延の圧延率が75%
(大きすぎる)の比較例3の合金条は、最小曲げ半径比
が劣る。
【0053】(4)低温焼鈍の焼鈍温度が250℃(低
すぎる)の比較例4の合金条は、導電率および最小曲げ
半径比が劣る。
【0054】(5)低温焼鈍の焼鈍温度が500℃(高
すぎる)の比較例5の合金条は、応力緩和率が劣る。
【0055】(6)従来例1の合金(リン青銅)条およ
び従来例2の合金(黄銅)条は、いずれも導電率および
応力緩和率が劣る。
【0056】
【発明の効果】本発明の端子用銅基合金、該合金条、お
よび該合金条の製造方法によれば、強度、ばね特性、導
電性、曲げ加工性、耐応力緩和性および耐食性に優れ
た、従って端子用に用いて極めて好適な銅基合金条を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22F 1/00 630 C22F 1/00 630A 630F 640 640A 650 650A 661 661A 683 683 686 686B 691 691B 692 692B 694 694B 694A

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Coを0.1〜1.0重量%、およびP
    を0.005〜1.0重量%含み、残部がCuおよび不
    可避不純物からなる端子用銅基合金。
  2. 【請求項2】 Coを0.1〜1.0重量%、Snを
    2.0重量%以下、およびPを0.005〜1.0重量
    %含み、残部がCuおよび不可避不純物からなる端子用
    銅基合金。
  3. 【請求項3】 Snを0.1重量%以上含む請求項2に
    記載の端子用銅基合金。
  4. 【請求項4】 Coを0.1〜1.0重量%、およびP
    を0.005〜1.0重量%含み、残部がCuおよび不
    可避不純物からなり、500MPa以上の引張強さ、4
    00MPa以上のばね限界値、50%IACS以上の導
    電率、1以下の最小曲げ半径比、および10%以下の応
    力緩和率を有する端子用銅基合金条。
  5. 【請求項5】 Coを0.1〜1.0重量%、Snを
    2.0重量%以下、およびPを0.005〜1.0重量
    %含み、残部がCuおよび不可避不純物からなり、50
    0MPa以上の引張強さ、400MPa以上のばね限界
    値、50%IACS以上の導電率、1以下の最小曲げ半
    径比、および10%以下の応力緩和率を有する端子用銅
    基合金条。
  6. 【請求項6】 Snを0.1重量%以上含む請求項5に
    記載の端子用銅基合金条。
  7. 【請求項7】 100時間の応力腐食割れ試験で割れが
    発生しない請求項4〜6のいずれかに記載の端子用銅基
    合金条。
  8. 【請求項8】 (1)Coを0.1〜1.0重量%、お
    よびPを0.005〜1.0重量%含み、残部がCuお
    よび不可避不純物からなり、または(2)Coを0.1
    〜1.0重量%、Snを2.0重量%以下、およびPを
    0.005〜1.0重量%含み、残部がCuおよび不可
    避不純物からなる合金鋳塊を作製する第一工程、開始温
    度を850〜980℃、終了温度を750〜880℃と
    して熱間圧延し急冷する第二工程、中間冷間圧延し、次
    に焼鈍温度を400〜600℃として中間焼鈍する操作
    を2回以上行い、この際、最後の該中間冷間圧延の圧延
    率を85%以上とする第三工程、圧延率を50〜60%
    として仕上げ冷間圧延する第四工程、および焼鈍温度を
    300〜450℃として低温焼鈍する第五工程からなる
    端子用銅基合金条の製造方法。
  9. 【請求項9】 (1)Coを0.1〜1.0重量%、お
    よびPを0.005〜1.0重量%含み、残部がCuお
    よび不可避不純物からなり、または(2)Coを0.1
    〜1.0重量%、Snを2.0重量%以下、およびPを
    0.005〜1.0重量%含み、残部がCuおよび不可
    避不純物からなる合金鋳塊を作製する第一工程、開始温
    度を850〜980℃、終了温度を750〜880℃と
    して熱間圧延し急冷する第二工程、圧延率を85%以上
    として中間冷間圧延し、次に焼鈍温度を400〜600
    ℃として中間焼鈍する第三工程、圧延率を50〜60%
    として仕上げ冷間圧延する第四工程、および焼鈍温度を
    300〜450℃として低温焼鈍する第五工程からなる
    端子用銅基合金条の製造方法。
  10. 【請求項10】 合金鋳塊のSn含有量が0.1重量%
    以上である請求項8または9に記載の端子用銅基合金条
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 第二工程で得られた熱間圧延物は、1
    00μm以下の結晶粒径を有する請求項8または9に記
    載の端子用銅基合金条の製造方法。
  12. 【請求項12】 第三工程において最後の中間焼鈍で得
    られた中間焼鈍物は、5μm以下の再結晶粒径を有する
    請求項8に記載の端子用銅基合金条の製造方法。
  13. 【請求項13】 第三工程で得られた中間焼鈍物は、5
    μm以下の再結晶粒径を有する請求項9に記載の端子用
    銅基合金条の製造方法。
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