JP3049137B2 - 曲げ加工性が優れた高力銅合金及びその製造方法 - Google Patents

曲げ加工性が優れた高力銅合金及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は曲げ加工性た優れた高力
銅合金及びその製造方法に関し、更に詳述すれば、TS
OP(Thin Small Outline Package)タイプ及び200ピ
ンを超えるQFP(Quad Flat Package)タイプのIC
に使用されるリードフレーム材料として好適の曲げ加工
性が優れた高力銅合金及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICの高集積化が進むにつれて、TSP
Oや200ピンを超えるQFPタイプが増えてきている。
これらに使用されるリードフレーム材料は板厚が0.1乃
至0.15mmと薄く、4方向にリードが延出するため、高強
度であること及び異方性が少ないことの双方が要求され
る。また、この要求は、ICの高集積化と共に、益々増
大している。
【0003】従来の高強度なリードフレーム材料として
は、42アロイ(Fe-42重量%Ni合金)が知られてい
る。この42アロイは約60Kgf/mm2の引張強さを有し、異
方性も少なく、また曲げ加工性も良好である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ICに
使用されるリードフレーム材料の薄板化が近年急速に進
むにつれ、従来の42アロイは強度上の要求に応えるには
不十分になっている。また、42アロイは銅系材料と比較
して熱伝導率が小さいため、熱放散性が劣るという難点
がある。更に、42アロイはNiを多量に含有するため、
価格が高いという問題点もある。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、42アロイと同等以上の引張強さを有すると
共に、熱放散性及び半田付け性が優れており、異方性が
少なく曲げ加工性が優れた高力銅合金及びその製造方法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る曲げ加工性
が優れた高力銅合金は、Ni;2乃至5重量%、Si;0.
5乃至1.5重量%、Zn;0.1乃至2重量%、Mn;0.01乃
至0.1重量%、Cr;0.001乃至0.1重量%、Al;0.001
乃至0.15重量%、Co;0.05乃至2重量%を含有し、不
純物成分のSの含有量を15ppm以下に規制し、残部がC
u及び不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0007】この場合に、更にSnを0.1乃至2重量%含
有させることができる。
【0008】また、本発明に係る曲げ加工性が優れた高
力銅合金の製造方法は、高力銅合金を冷間加工し、この
冷間加工工程の後又は途中で、650℃乃至950℃の温度で
溶体化処理を行い、その後、350℃乃至550℃の温度で時
効処理を行うことを特徴とする。
【0009】
【作用】以下、本発明に係る曲げ加工性が優れた高力銅
合金の成分添加理由及びその組成限定理由について説明
する。
【0010】Ni Niは後述するSiと共に添加されて、銅合金の強度及
び耐熱性の向上に寄与する元素である。即ち、NiはS
iと金属間化合物を形成することにより、強度及び耐熱
性を向上させる。Niの含有量が2重量%未満ではその
効果は少なく、また5重量%を超えて含有されると、強
度及び耐熱性は向上するものの、導電率が低下する。従
って、Ni含有量は2乃至5重量%とする。
【0011】Si SiはNiと共に、強度及び耐熱性を向上させる元素で
ある。Si含有量が0.5重量%未満ではその効果は少な
く、また、1.5重量%を超えて含有されると、合金の強
度及び耐熱性が向上するものの、導電率が低下し、熱間
加工性及び半田の耐剥離性が劣化する。従って、Si含
有量は0.5乃至1.5重量%とする。
【0012】Zn Znは半田の耐剥離性を向上させる元素であり、Zn含
有量が0.1重量%未満ではその効果は少なく、また、2重
量%を超えて含有されてもその効果は飽和する一方、導
電率が低下する。従って、Zn含有量は0.1乃至2重量%
とする。
【0013】Al Alは溶解及び鋳造時に不可避的に混入してくるSを合
金中から除去する作用を有する。即ち、SはAlと安定
した化合物Al23を生成する。このため、予めAlを
含有させておくことにより、この不可避的不純物である
SをAl23化合物として除去し、S量を15ppm以下に
低減させて、熱間加工性を高めることができる。また、
Al23は比重が軽いため、溶解時に、溶湯上部に浮上
しやすい。このため、得られた鋳塊はAl23を含有し
ないものとなり、Ag突起を生じない健全なAgめっき
を施すことができる。このような効果を得るためには、
Al含有量を0.001重量%以上にする必要がある。ま
た、Alが0.15重量%を超えて含有されると、半田の漏
れ性及び半田の耐剥離性が劣化する。従って、Alの含
有量は0.001乃至0.15重量%とする。
【0014】Co Coは溶体化処理を行う際に、2次再結晶粒が粗大化す
ることを抑制する作用を有する。これにより、結晶粒が
微細化し、曲げ加工性及び異方性が改善される。Coの
添加量が0.05重量%未満では、その効果は少なく、ま
た、2.0重量%を超えて含有されるとその効果は飽和す
る一方、原料コストが上昇する。従って、Coの含有量
は0.05乃至2.0重量%とする。
【0015】Mn Mnは熱間加工性を向上させる元素である。Mn含有量
が0.01重量%未満ではその効果は少なく、また、0.1重
量%を超えてMnが含有されると、造塊時の湯流れ性が
悪化して造塊歩留まりが低下する。従って、Mn含有量
は0.01乃至0.1重量%とする。
【0016】Cr Crは鋳塊の粒界を強化して、熱間加工性を高める元素
である。Crの含有量が0.001重量%未満ではその効果
は少なく、また、0.1重量%を超えてCrが含有される
と溶湯が酸化し、鋳造性が劣化する。従って、Crの含
有量は0.001乃至0.1重量%とする。
【0017】Sn Snは合金の強度を向上させる元素である。Snの含有
量が0.1重量%未満では、強度向上効果が少なく、ま
た、2重量%を超えて含有されると、熱間加工性を劣化
させ、更に、導電率も低下させる。従って、Snの含有
率は0.1乃至2重量%とする。
【0018】 Sは熱間加工性を阻害し、また、不純物元素(Mg等)
と化合物を形成して、Agめっき時にAg突起を発生す
る原因となる元素である。このSは合金溶製時に不可避
的に混入してくるものであるが、このS量が15ppm以下
であれば、上述の問題点は生じない。このため、Sの含
有は15ppm迄は許容される。換言すれば、S量は15ppm以
下とする。
【0019】なお、上記の含有成分及び基成分のCu以
外に、Fe,Ti,Zr,P,Be,V,Nb,Mo,
Ag,Wの一種又は2種以上を総量で0.1重量%まで含
有していても、本発明に係る曲げ加工性が優れた高力銅
合金の所望の特性は何等損なわれることはない。従っ
て、上述の範囲内でのこれらの成分の含有は許容される
ものである。
【0020】また、不可避的不純物としては、B,C,
Na,Mg,S,Ca,As,Se,Cd,In,S
b,Pb,Bi,MM(ミッシュメタル)等があげられ
る。特に、Mgは、前述の如く、Sと化合物を形成して
そのAgめっき時のAg突起発生の原因となる。このた
め、Mgは特に微量であることが望ましい。
【0021】次に、本発明に係る曲げ加工性が優れた高
力銅合金の製造方法について、その処理条件及びその限
定理由について説明する。
【0022】上述した成分及び組成の銅合金の鋳塊を冷
間圧延し、必要に応じて焼鈍処理を行い、所定の板厚に
加工する。なお、冷間圧延工程に先だち、鋳塊に対して
熱間圧延を施すことは生産性の点から好ましい。このよ
うに熱間圧延を行う場合には、熱間圧延工程の終了時
に、600℃以上の温度から5℃/秒以上の速度で急冷する
ことが望ましい。
【0023】冷間圧延した後、650℃乃至950℃の温度で
溶体化処理を行う。これは、銅合金の異方性を少なくす
ると共に、曲げ加工性を良好にするためである。溶体化
処理温度が650℃未満では、結晶粒が再結晶しないた
め、異方性が大きく、曲げ加工性も良好とならない。ま
た、溶体化処理温度が950℃を超える場合は、再結晶粒
が粗大化し、曲げ加工性が良好とならない。この溶体化
処理は冷間加工工程の後、又は冷間加工工程の途中で行
う。従って、後者の場合には、冷間加工、溶体化処理、
冷間加工の順で、処理が行われる。
【0024】次に、上記温度で溶体化処理を行った材料
を350℃乃至550℃の温度で時効処理を行う。これは、N
iとSiの金属間化合物を析出させて材料を析出硬化さ
せるためである。時効処理温度が350℃未満の場合は、
この析出硬化の効果は十分でなく、また、時効処理温度
が550℃を超える場合は、材料の強度が低下する。この
ように、冷間加工、溶体化処理及び時効処理の一連の工
程で、上記組成の銅合金から所望の特性を得ることがで
きる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例について、その比較例
と比較して説明する。
【0026】実施例1 先ず、本発明に係る高力銅合金の実施例について説明す
る。下記表1に示す組成のNo.1乃至No.13の銅合金を、
クリプトル炉において大気中で木炭被覆下で溶解し、溶
製した溶湯を鋳造して厚さ50mm、幅75mm、長さ180mmの
鋳塊を得た。その後、この鋳塊の表面を面削し、950℃
の温度で厚さ15mmまで熱間圧延を行い、750℃以上の温
度から水中に急冷した。
【0027】
【表1】
【0028】但し、比較例合金No.5,6はAl又はMn
とCrを含まず、S量が多いため、また比較例合金No.1
3はSnを2重量%を超えて含有するため、熱間圧延時に
割れが発生した。以後、この合金は試料調整から除外し
た。次に、酸化スケールを除去した後、冷間圧延を行
い、厚さ0.3mmの板を得た。その後、冷間圧延した後、8
50℃に調整した塩浴炉に材料を浸漬し、30秒間保持した
後、水中に急冷した。次に、酸洗研磨後、冷間圧延を行
い、最終板厚0.15mmの板とした。次に、上記板材をカン
タル炉を用い、No.4合金は425℃、それ以外の合金は450
℃の温度で2時間の時効処理を行った。
【0029】上述の如くして製造した合金板材に対し
て、以下に示す試験を実施した。 引張試験は、圧延方向に平行及び直角に切り出して
JIS13号の試験片を作成し、この試験片を使用して行
った。 硬さは、マイクロビッカース硬度計で荷重500gfに
て測定した。 導電率は、幅10mm×長さ300mmの試験片を用い、ダ
ブルブリッジにより電気抵抗を測定して平均断面積法に
より算出した。 曲げ加工性は、実プレスにおいて、R=0.1mmで、
曲げ線を圧延方向に平行及び直角に設定し、90°曲げ
を行った。そして、曲げ部を20倍のルーペで観察し、ク
ラックの発生の有無により曲げ加工性を評価した。 半田密着性は、温度230℃のSn60−Pb40の半田
浴で半田付けした後、150℃の温度で1000時間加熱し、1
mmRで180度曲げ戻しを行い、半田の剥離の有無により
評価した。
【0030】以上の結果を図1及び下記表2に示す。な
お、表2には、従来合金として42アロイの機械的性質及
び物理的性質も併せて示す。
【0031】この表2から明かなように、本実施例合金
No.1乃至No.3は引張強さ及び導電率が高く、また、実施
例合金No.4はSnを含有するため、更に一層強度が高く
なっている。曲げ加工性においても、曲げ線が平行及び
直角のいずれの場合も優れいている。また、半田密着性
においても、150℃×1000時間で半田の剥離を生じてい
ない。更に、図1に示すように、本実施例合金No.1は、
結晶粒も微細化し、異方性も少ない。図示しないが、他
の実施例合金も同様である。
【0032】しかし、比較例合金No.7は表1に記載した
ように、Coを含有しないため、結晶粒の粗大化が生
じ、曲げ加工性が劣化し、異方性も大きくなっている。
また、比較例合金No.8はZnの含有量が0.1重量%未満
であるため、半田の剥離を生じている。更に、比較例合
金No.9はZnの含有量が2重量%を超えているため、導
電率が低下している。更にまた、比較例合金No.10はN
i及びSiの含有量が夫々2重量%及び0.5重量%未満で
あるため、強度が低下している。そして、比較例合金N
o.11はNi及びSiの含有量が夫々5重量%を超えて
いるため、曲げ加工性が劣化している。また、比較例合
金No.12はAlを0.15重量%を超えて含有するため、半
田の剥離を生じている。また、従来の高力合金である42
アロイは、導電率が低く、強度も不十分である。
【0033】
【表2】
【0034】実施例2 次に、本発明に係る高力銅合金の製造方法の実施例につ
いて説明する。
【0035】下記表3に示す成分及び組成の銅合金をク
リプトル炉において大気中で木炭被覆下にて溶製した
後、鋳造して厚さ50mm、幅75mm、長さ180mmの鋳塊とし
た。この鋳塊の表面及び裏面を面削した後、カンタル炉
内に装入し、950℃で1時間保持した後、870℃迄炉冷
し、温度が870℃に達した後、15分保持し、熱間圧延を
行い、厚さ15mmの板を得た後、水中に急冷した。なお、
下記表3において、上段に記載の合金をA組成、下段に
記載の合金をB組成とする。
【0036】
【表3】
【0037】次に、上述の急冷した熱間圧延材の酸化ス
ケールを除去した後、冷間圧延を行い、上段のA組成合
金は板厚0.3mm、下段のB組成合金は板厚0.188mmの板と
した。次に、これらの冷間圧延後の合金を、600℃乃至1
000℃に調整した塩浴炉に浸漬し、30秒間保持した後、
水中で急冷した。次に、酸洗及び研磨を実施した後、冷
間圧延を行い、最終板厚0.15mmの板とした。
【0038】次に、上記板材をカンタル炉内に装入し、
300℃乃至600℃の温度で2時間の時効処理を行った。そ
して、上記板材を用いて前述の各試験を実施した。
【0039】下記表4及び表6は、600℃乃至1000℃の
温度で30秒間の溶体化処理を行った後、表4は加工率
50%で、表6は加工率20%で冷間圧延を行い、次に、30
0℃乃至600℃の温度で2時間の時効処理を行ったときの
各材料の機械的及び物理的性質を示す。なお、表4に記
載の合金No.1乃至No.9の溶体化処理温度及び時効温度を
下記表5に、また表6に記載の合金No.10乃至No.18の溶
体化処理温度及び時効温度を下記表7に示す。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】
【表6】
【0043】
【表7】
【0044】表4に示す実施例合金No.1乃至5は本実施
例方法により製造した合金である。各合金No.1乃至No.5
は、表5に記載のように、650℃、850℃、950℃の3種
類の温度で30秒間の溶体化処理を行った後、加工率50%
の冷間圧延を行い、次に、350℃、450℃、550℃の3種
類の温度で2時間の時効処理を行った場合に製造された
ものである。一方、比較例No.6乃至No.9は本発明の比較
例方法により製造した材料であり、夫々600℃、850℃、
1000℃の3種類の温度で30秒間の溶体化処理を行った
後、加工率50%の冷間圧延を行い、次に、300℃、450
℃、600℃の3種類の温度で2時間の時効処理を行って
製造した材料である。
【0045】表6に示す実施例合金No.10乃至No.14は本
実施例方法により製造した合金であり、表7に示すよう
に、650℃、850℃、950℃の3種類の温度で30秒間の溶
体化処理を行った後、加工率20%の冷間圧延を行い、次
に、350℃、425℃、550℃の3種類の温度で時効処理を
行って製造された材料である。一方、比較例合金No.15
乃至No.18は600℃、850℃、1000℃の3種類の温度で30
秒間の溶体化処理した後、加工率20%の冷間圧延を行
い、次に300℃、425℃、600℃の3種類の温度で時効処
理を行って得た材料である。
【0046】表4から明らかなように、本実施例方法に
より製造した合金No.1乃至No.5は強度が高いばかりでな
く、平行と直角との強度の差が小さく、異方性が少な
い。また、導電率も高い値を示しており、曲げ加工性に
おいても平行及び直角の双方共に優れている。
【0047】しかし、比較例方法の合金No.6,9は曲げ
加工においてクラックを発生しており、比較例材No.7は
本実施例方法材No.1乃至No.5と比較して、導電率が低く
なっている。また、比較例材No.8は本実施例方法材No.1
乃至No.5と比較して、強度が低下している。
【0048】一方、表6においては、本実施例方法によ
り製造した合金No.10乃至No.14はSnの添加により更に
強度が向上し、平行と直角との強度の差が小さく、異方
性が少ない。また、曲げ加工性においても、平行及び直
角の双方において優れている。しかし、比較例材No.1
5.No.18は曲げ加工試験においても、クラックを発生し
ている。また、比較例材No.16は本実施例方法材No.10乃
至No.14と比較して、導電率が低くなっており、比較例
材No.17は強度が低下している。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る高力
銅合金は、所定の成分を所定の組成で含有し、本発明方
法は所定の条件で冷間加工、溶体化処理及び時効処理を
行うから、従来の42アロイと同等以上の引張強さを有す
ると共に、導電率も高い高強度銅合金が得られる。ま
た、この銅合金は平行方向と直角方向の引張強さの差が
小さく、異方性が少ない。更に、本発明の高強度銅合金
は、従来の42アロイと同等以上の曲げ加工性を有する。
更にまた、本発明に係る銅合金は、例えば150℃で1000
時間の加熱を行っても、半田密着性が良好であると共
に、42アロイと比較して低コストで製造することができ
る。
【0050】従って、本発明に係る曲げ加工性が優れた
高力銅合金は、高い信頼性が必要とされるTSOP及び
200ピンを超えるQFPタイプのICに使用されるリー
ドフレーム材料としても極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の効果を説明する銅合金金属組織を示す
金属顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 周平 山口県下関市長府黒門東町3番F−404 号 (72)発明者 野村 幸矢 山口県下関市長府紺屋町1丁目32番神戸 製鋼満珠寮 (56)参考文献 特開 昭64−28337(JP,A) 特開 昭63−76839(JP,A) 特開 昭61−177344(JP,A) 特開 平3−232951(JP,A) 特公 昭64−458(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 9/00 - 9/10

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ni;2乃至5重量%、Si;0.5乃至1.5
    重量%、Zn;0.1乃至2重量%、Mn;0.01乃至0.1重
    量%、Cr;0.001乃至0.1重量%、Al;0.001乃至0.1
    5重量%、Co;0.05乃至2重量%を含有し、不純物成分
    のSの含有量を15ppm以下に規制し、残部がCu及び不
    可避的不純物からなることを特徴とする曲げ加工性が優
    れた高力銅合金。
  2. 【請求項2】 Ni;2乃至5重量%、Si;0.5乃至1.5
    重量%、Zn;0.1乃至2重量%、Mn;0.01乃至0.1重
    量%、Cr;0.001乃至0.1重量%、Al;0.001乃至0.1
    5重量%、Co;0.05乃至2重量%、Sn;0.1乃至2重量
    %を含有し、不純物成分のSの含有量を15ppm以下に規
    制し、残部がCu及び不可避的不純物からなることを特
    徴とする曲げ加工性が優れた高力銅合金。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の高力銅合金を冷
    間加工し、この冷間加工工程の後又は途中で、650℃乃
    至950℃の温度で溶体化処理を行い、その後、350℃乃至
    550℃の温度で時効処理を行うことを特徴とする曲げ加
    工性が優れた高力銅合金の製造方法。
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