JP3837458B2 - バッチ反応器を用いるラジカル塊重合 - Google Patents

バッチ反応器を用いるラジカル塊重合 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、バッチ反応器内でのフリーラジカル重合性のビニルモノマーの重合方法を提供するものである。
背景技術
純粋なモノマーのフリーラジカル塊(すなわち質量)重合は一般に、高い反応熱(すなわち高い発熱)を伴い、重合が進むにつれて溶液粘度を増加させ、反応物質の伝熱係数がそれに対応して減少する。
これらの問題のために、塊重合プロセスの温度を制御することは非常に難しい。
しかし、所望の温度を維持することは、フリーラジカル反応速度論が反応温度に強く依存し、分子量分布および分子量のようなポリマー特性に直接に影響を与えるために、非常に重要である。
反応により放出される熱が、伝熱の減少のために熱除去性能を超える場合は、温度が発熱反応のために漸増するにつれて反応速度が増加する非制御暴走が結果として生ずる。
これらの問題を回避するために、フリーラジカル溶液重合が一般に行なわれ、モノマーおよびポリマーが共に可溶の非反応性の溶媒を用い、反応混合物の熱負荷を減少させると共に伝熱係数を増加させて温度制御を容易にする。
あるいは、熱負荷および粘度/伝熱の問題は一般に、懸濁重合および乳化重合の方法によって処理される。
溶液重合、懸濁重合および乳化重合の方法は、それらが特別な設備と特別な処理とを必要とするという点で、不利である。
溶液重合、懸濁重合および乳化重合は、反応器比容のために塊重合よりも収量が減少する。
乳化重合と懸濁重合とは、汚染物質が重合プロセスで用いられる界面活性剤および/または乳化剤からポリマーに混入する可能性がある。汚染物質はまた、溶液重合において溶媒中の不純物を介して混入することもある。
さらに、溶液重合の場合、溶媒の取り扱いは、火災および/または爆発の恐れがあり、危険性がある。
溶媒の取り扱いは、特別な設備が、熱酸化剤のような再利用または他の捕獲法のための溶媒を得るために必要なことがあり、化合物が大気に放出されるのを防ぐために必要とされることがあるので、費用がかさむ可能性がある。
フリーラジカル塊重合の伝熱の支障はしばしば、連続プロセスにおいて処理することができる。
例えば、単位反応体積当たりの伝熱面積が大きいために伝熱性能が高く、また混合性能が非常に高いので、有用な塊重合プロセスとして反応押出しが開示されている(米国特許第4,619,979号、4,843,134号、および3,234,303号)。
同様に、温度制御したフリーラジカル塊重合のために大きい伝熱面積を有する連続スタティックミキサ反応器が、米国特許第4,275,177号において開示されている。
フリーラジカル重合の暴走反応は、原則として、それらが被害甚大な結果をもたらす可能性があるので(『Principles of Polymerization』、オディアン、G著、第3版、Wiley - Interscience、301ページ、1991年)、行なわない。
一般に、バッチ塊重合反応温度を制御するために、暴走を止める方法が用いられる(すなわち、米国特許第4,220,744号、5,252,662号、特開昭56-185709)。
バイエセンバーガーらは、バッチ暴走重合を調べた(『A Study of Chain Addition Polymerizations with Temperature Variations: I. Thermal Drift and Its Effect on Polymer Properties』、J.A.バイエセンバーガーおよびR.キャピンピン著、Polymer Engineering and Science、1974年11月、Vol.14、No.11、『A Study of Chain Addition Polymerizations with Temperature Variations: II. Thermal Runaway and Instability−A Computer Study』、J.A.バイエセンバーガー、R.キャピンピンおよびJ・C・ヤン著、Polymer Engineering and Science、1976年2月、Vol.16、No.2、『A Study of Chain Addition Polymerizations with Temperature Variations: III Thermal Runaway and Instability in Styrene Polymerization − An Experimental Study』、D・H・セバスチャンおよびJ.A.バイエセンバーガー著、Polymer Engineering and Science、1976年2月、Vol.16、No.2、『A Study of Chain-Addition Polymerizations with Temperature Variations. IV.Copolymerizations−Experiments with Styrene-Acrylonitrile』、D・H・セバスチャンおよびJ.Aバイエセンバーガー著、Polymer Engineering and Science、1979年2月、Vol.19、No.3、『Thermal Ignition Phenomena in Chain Addition Polymerizations』、J.A.バイエセンバーガー、R.キャピンピンおよびD・セバスチャン著、Applied Polymer Symposium、No.26、211〜236ページ、ジョン・ワイリー&サンズ、1975年)。
バイエセンバーガーらの刊行物の第2部において、暴走重合に利点がある可能性が示唆された。
しかし、同刊行物の目的は、暴走重合を止めるためにこれを理解することである。上記の刊行物は、本発明で開示したように、産業場面で有用な暴走重合の実用的な態様を教示するものではない。断熱条件は、バイエセンバーガーらの暴走重合においては使用されない。
管形反応器内での断熱重合を伴うフリーラジカル重合の連続プロセスが開示されている(米国特許第3,821,330号、ドイツ特許公開第4235785号)。
これらの方法は、バッチ反応器よりいっそう複雑な設備を用いる。
工業的に重要だが、バッチ(非連続)反応器は、フリーラジカル塊重合のためにはあまり頻繁に使われない。
バッチ反応器について支障となる主たるものは、単位反応体積当たりの伝熱面積が不十分であり、反応器の寸法が大きくなるとさらに不足するということである。
バッチ反応器内でアクリレート感圧粘着剤(PSA)を製造するためのフリーラジカル重合において、重合の化学的性質を調節し、反応温度を制御できるように反応速度を遅くする方法が開示されている(米国特許第5,252,662号、特開昭56-185709)。
これらの方法に関して支障となるのは、反応熱を除くことによって反応温度を制御し、暴走を止めることは、バッチ反応器の伝熱面積に依然として依存するということである。
それ故に、これらの重合方法は、バッチ反応器の大きさによって伝熱性能が変わるからといって比例して拡大することはなく、反応器の寸法の単位体積当たりの伝熱はますます不足するため、大きいバッチ反応設備内で行うのは難しくなる。
さらに、反応速度を遅くすることによって熱負荷を制御する時に、サイクル時間が減少し、したがって反応容器の産出能力も減少する。
バッチ反応器はある特定の事例における連続反応器については望ましい。
例えば、化学薬品専門メーカーは、よく複数製品を製造する。この場合、バッチ反応器はそれらの多目的に使える性質(すなわち、必ずしも、連続設備についてよくあるように特定の生成物または化学品用に設計されていない)のために有利である。
さらに、しばしばバッチ反応器の経済的側面は、バッチ反応器設備が相対的に簡素なので連続プロセスよりも好ましい。
一般に、連続プロセスは、大量の汎用生成物(すなわちポリスチレン)に対して経済的になる。
加えるに、それらの一般的な製造量の経済的側面の理由から、粘着剤を製造するために、普通、バッチ反応器を用いる。
感圧粘着剤の組成物に主に寄与する一般的なモノマー(下を参照のこと)は、比較的高い沸点を有すると共に、それらが比較的高分子量であるために、単位質量当たりの反応熱が比較的低い。
それ故に、断熱温度の上昇時に、反応中に得られた混合物の蒸気圧が約100〜300psig(792.9〜2171.8kPa)未満、すなわち、一般的なバッチ反応器設備によって処理される圧力になる。
他の従来の重合方法によってホットメルト粘着剤を生じる塊重合の利点は、米国特許第4,619,979号に記載されている。
発明の開示
本発明は、バッチ反応器内でフリーラジカル塊重合によってポリマーを作製するための新規な方法を提供するものである。本発明に関してここで用いた用語「重合」は、テロメリゼーションも含む。反応温度を直接制御する従来の方法と異なり、本発明は適切に選択したフリーラジカル開始剤および本質的に断熱性の暴走反応サイクルの反応を利用する。
ここに記載するように、「反応サイクル」は、開始剤、モノマー類(最初の反応サイクルにおいては任意ではないが、次の反応サイクルでは任意であってもよい)および任意の(諸)成分をバッチに添加し、引き続いて1回以上の本質的な断熱反応を行ない、その本質的な断熱反応の間に任意に加熱することができる処理順序として定義される。
ここに定義するように、「本質的に断熱性」の意味は、反応の進行中にバッチへまたはバッチから交換された全てのエネルギーの絶対値の合計が、重合が起こっている間に生じたそれに対応する量の重合の反応により放出された総エネルギーの約15%未満になることである。数学的に表すと、本質的断熱基準は次のようになる。
Figure 0003837458
[式中、fは約0.15であり、ΔHpは重合熱であり、x=モノマー変換=(M0-M)/M0(Mはモノマーの濃度であり、M0はモノマーの初期濃度である)、x1は、反応開始時のポリマー画分であり、x2は、反応終了時の重合のポリマー画分であり、tは時間である。t1は反応開始の時間であり、t2は反応終了の時間であり、qj(t)[式中、j=1...N]は、反応系にエネルギーを流入させるN個の全供給源の周囲環境から同反応系に移動するエネルギー率である。qj(t)[j=1...N]のエネルギー移動源の具体例は、バッチへ、またはバッチから伝えられる反応器ジャケットの熱エネルギー、撹拌器ブレードおよびシャフトのような反応設備内の内部構成要素を昇温するのに必要とされるエネルギーおよび反応混合物を混合することにより導入される仕事エネルギーを含むが、これに制限されるものではない。本発明の実施において、fを可能な限りゼロに近づけることは、反応中、バッチ内の均一な条件を維持し(すなわち、バッチ全体を均一な温度条件に維持する)、反応を異なった寸法のバッチ反応器内で行なう場合、バッチ間の変動を最小にすると共に、特定の設備内でのバッチ間の変動を最小にする(すなわち、反応の均一なスケールアップまたはスケールダウン)のに役立つ。
1つの本質的断熱反応を使用することができるが、モノマーをポリマーへ本質的に完全に変換することが望ましい場合は、一般に2つ以上の本質的断熱反応サイクルを使用する。一般に、反応サイクル間に、冷却がある。一般に、反応サイクル間に反応混合物の冷却を行ない、反応混合物の温度が生成物が不安定な温度に上昇するのを防ぐ。この不安定性は、ポリマー変色、ポリマー酸化、望ましくない低分子量オリゴマーを生じる解重合などによって明白になる。不安定性を避けるために必要な温度は、一部は、使用されるモノマーに依存する。このような不安定性を避けるために、反応混合物の温度は一般に、約300℃未満、好ましくは、約250℃未満に保持される。反応条件はまた一般に、最終反応サイクルの終了時に生成物の粘度が、反応容器からドレン抜きすることができる粘度(ドレン抜き温度においてブルックフィールド粘度が約500,000センチポアズ未満)であるように選択される。
任意に、一連の1つ以上の本質的な断熱反応サイクルを使用して、モノマーおよびポリマーの全重量に対して一般に約40〜95重量%の範囲において、モノマーに溶けたポリマーのシロップを提供することができるが、未反応のモノマーを任意に前記のポリマーから取り除き、前記の反応を完了させずに最終ポリマー生成物を得ることができる。
本発明の方法は、本質的な断熱反応条件による上昇反応温度プロフィール下で、ポリマーの狭い分子量分布が得られるような速度においてフリーラジカルを提供する1種以上のフリーラジカル熱開始剤を用いる。上昇温度プロフィール中に生じるフリーラジカルの量は、用いられた各々の開始剤の量と選択された開始剤の温度分解特性によって制御される。この発明のプロセスは、等温液重合法と本質的に同じまたはそれより狭いポリマー分子量分布を得ることができることを、経験は示している。
ここに開示するように、適切に重合させる時、バッチ反応器内の本質的な断熱フリーラジカル暴走塊重合は、いろいろな利点がある:
1)断熱重合する時、反応設備を反応混合物を冷却するために用いていないため、反応設備の壁部に有意の温度勾配がない。このような温度勾配は、当業者には周知のフリーラジカル反応速度論のために、反応器の壁部付近の冷たい境界層において高分子量の生成物を生じることによってポリマーの分子量分布を有害な程度まで広げるかもしれない。例えば、このような高分子量の成分はホットメルト粘着剤のコーティング性能を損なう場合がある。
2)本発明の方法に従って利用された反応設備は、簡素である。
3)反応中の伝熱必要条件が除かれるので、本発明の方法は、反応温度を制御するために有効伝熱面積に依存する温度-制御された重合法よりも容易に、研究室規模の設備から大量生産規模の設備まで拡大される。
4)連続重合反応の設備は、反応設備内に反応物質の滞留時間分布がある種々の段階の「逆混合」を含む。反応物質の一部が長時間、反応設備内に残留して、架橋重合体を形成するフリーラジカル開始剤による継続的な攻撃によって生成物の性能が落ちることがある。架橋されたゲル微粒子は、ホットメルト粘着剤のコーティング平滑度のような生成物性能を落とすことがある。
5)ポリマーおよび反応諸条件に依存するが、モノマーのポリマーへの本質的に完全な変換が本発明の方法に従って可能である。一定の生成物必要条件に基づいて、モノマーが減少するとき低分子量の成分の形成を最小にするために、モノマーの最終の1〜15重量%をゆっくりと(1時間から数時間かけて)反応させることが必要であろう。押出機のような、連続反応設備内での滞留時間が数時間になるのは、経済面で非実用的である。
本発明は、ビニルモノマーをフリーラジカル重合させる方法であって、
(a)
(i)フリーラジカル(共)重合性ビニルモノマーと、
(ii)任意の連鎖移動剤と、
(iii)任意の架橋剤と、
(iv)少なくとも1種のフリーラジカル熱開始剤と、
(v)任意に、重合したフリーラジカル重合性モノマーを含むポリマーと、を含む混合物をバッチ反応器内に提供するステップと、
(b)該混合物を脱酸素するステップであって、ステップ(b)はステップ(c)と任意に少なくとも一部分が重なることができるステップと、
(c)重合を開始するために十分な開始剤のフリーラジカルを少なくとも1種のフリーラジカル熱開始剤から生じるのに十分な温度に、該混合物を加熱するステップと、
(d)該混合物を本質的な断熱条件下で重合させて少なくとも一部分が重合した混合物を生じるステップと、
(e)任意に、該混合物を加熱して、開始剤のフリーラジカルを生じていない開始剤の一部または全てからフリーラジカルを生じさせ、引き続いて該混合物を本質的な断熱条件下で重合させて、さらに重合した混合物を生じるステップと、
(f)任意にステップ(e)を1回以上繰り返すステップと、を含むビニルモノマーをフリーラジカル重合させる方法を提供するものである。一般に、二種以上の開始剤が、ステップ(a)の混合物に存在している。より一般的には、1〜5種の異なった開始剤が、ステップ(a)の混合物に存在している。ある状態では、2、3、4または5種の異なった開始剤が、ステップ(a)の混合物に存在している。
本発明は、ビニルモノマーをフリーラジカル重合させる方法であって、
(a)
(i)フリーラジカル(共)重合性のビニルモノマーと、
(ii)任意の連鎖移動剤と、
(iii)任意の架橋剤と、
(iv)少なくとも1種のフリーラジカル熱開始剤と、
(v)任意に、重合したフリーラジカル重合性モノマーを含むポリマーと、を含む混合物をバッチ反応器内に提供するステップと、
(b)該混合物がまだ脱酸素されていない場合に該混合物を脱酸素するステップであって、ステップ(b)はステップ(c)と任意に少なくとも一部分が重なることができるステップと、
(c)重合を開始するために十分な開始剤のフリーラジカルを少なくとも1種のフリーラジカル熱開始剤から生じるのに十分な温度に、該混合物を加熱するステップと、
(d)該混合物を本質的な断熱条件下で重合させて少なくとも一部分が重合した混合物を生じさせるステップと、
(e)任意に、該混合物を加熱して、開始剤のフリーラジカルを生じていない任意の開始剤の一部または全てからフリーラジカルを生じさせ、引き続いて該混合物を本質的な断熱条件下で重合させて、さらに重合した混合物を生じるステップと、
(f)任意にステップ(e)を1回以上繰り返すステップと、
(g)任意に該混合物を冷却するステップと、
(h)バッチ反応器内の混合物に、ステップ(a)の開始剤と同一または異なっていてもよいステップ(h)の少なくとも1種のフリーラジカル熱開始剤と、任意に、フリーラジカル重合性のモノマーと、任意に架橋剤と、任意に連鎖移動剤と、任意に重合したフリーラジカル重合性モノマーを含むポリマーと、を添加するステップにおいて、該混合物の温度が、ステップ(h)において添加された開始剤から開始剤のフリーラジカルを生ずる温度より低くてもよいステップと、
(i)該混合物がまだ脱酸素されていない場合に該混合物を脱酸素するステップと、
(j)任意に、該混合物の温度が、ステップ(h)の開始剤から開始剤のフリーラジカルを生ずる温度より低い場合には該混合物を加熱して開始剤のフリーラジカルを少なくとも1種の開始剤から生じさせ、該混合物をさらに重合させるステップと、
(k)該混合物を本質的な断熱条件下でさらに重合させてさらに重合した混合物を生じさせるステップと、
(l)任意に、該混合物を加熱して、開始剤のフリーラジカルを生じていない任意の開始剤の一部または全てからフリーラジカルを生じさせ、引き続いて該混合物を本質的な断熱条件下で重合させて、さらに重合した混合物を生じるステップと、
(m)任意にステップ(l)を1回以上繰り返すステップと、
(n)任意にステップ(g)から(m)までを1回以上繰り返すステップと、を含むビニルモノマーをフリーラジカル重合させる方法を提供するものである。
一般に、二種以上の開始剤が、ステップ(a)およびステップ(h)の混合物に存在している。より一般的には、1または2種の異なった開始剤が、ステップ(a)の混合物に存在し、1〜5種の異なった開始剤がステップ(h)に存在し、1〜5種の異なった開始剤が、ステップ(n)が含まれる時にステップ(g)からステップ(m)までの各繰り返しに存在する。最も一般的には、2〜5種の異なった開始剤がステップ(h)に存在し、2〜5種の異なった開始剤が、ステップ(l)が含まれる時にステップ(g)からステップ(k)までの各繰り返しに存在する。
【図面の簡単な説明】
図1aは、実施例1の2番目の反応サイクルで用いられた開始剤の開始剤の濃度の計算値を示す。
図1bは、実施例1の2番目の反応サイクルで用いられた開始剤の時間に対する開始剤の濃度の導関数の負値である
Figure 0003837458
の計算値を示す。
図2は、実施例1の2つの反応サイクルのバッチ温度およびジャケット温度を示す。
図3は、実施例9、10、および11の本質的断熱重合の温度プロフィールの測定値を示す。
発明を実施するための最良の形態
バッチ反応器
バッチ反応器が本発明の方法において用いられる。バッチ反応法は、重合反応を容器内で行ない、生成物は反応中に間断なくではなく、反応の終了においてドレン抜きする。原料は反応させる前に一度にか、反応中に何回かに分けて、または反応中に間断なく容器に入れることができ、反応は、この場合、所望の重合量、分子量などを含むポリマー特性を得るために必要な時間、進行させておくことができる。必要ならば、添加剤を、ドレン抜きする前にバッチ内に混合することができる。処理が完了すると、生成物を反応容器からドレン抜きする。
本発明の代表的なバッチ反応器は、多くのタイプのフリーラジカル重合のために一般に用いられるステンレス鋼のような、重合に適した物質から作製された圧力容器を含む。一般に、圧力容器は、原料の充填、生成物の除去、緊急圧力放出、不活性ガスによる反応器の加圧、反応器ヘッドスペースを真空にするなどに用いるポートを有する。一般に、容器は、伝熱流体(水など)を送り込んで容器の内容物を加熱および冷却するジャケットに一部が囲まれている。一般に、容器は、撹拌ブレードが取付けられる容器に挿入されたモーター駆動シャフトのような撹拌機構を含む。市販のバッチ反応設備は一般に、約10〜約20,000ガロン(37.9〜75,708リットル)の範囲の寸法であり、ユーザー注文製であるか、またはロチェスター、ニューヨーク州のプフォードラー・ユーエスのような販売業者から購入できる。
安全性の問題
反応容器が遭遇温度において、特に、開始剤を偶然に過剰充填/誤充填したために望ましい状態よりも反応が速くまたは追加的に進んだ場合、反応混合物の蒸気圧の上昇に確実に耐えることができるように、細心の注意を払わなければならない。確実に、反応混合物が遭遇温度において分解して危険な状態まで容器圧を上げるガス生成物を生じないようにすることもまた非常に重要である。当業者なら容易に行うことができる小規模の断熱熱量測定実験を、特定のモノマーおよび開始剤の混合物の暴走特性を調べるために用いることができる。例えば、Reactive System Screening Tool(RSST)またはVent Sizing Package(VSP)(共にイリノイ州、バーリッジのフォースクアンドアソーシェイツインク製)は、暴走反応の特性および過酷度を調べることができる装置である。他の安全性問題は、別記する。
フリーラジカル重合性ビニルモノマー
いろいろなフリーラジカル重合性ビニルモノマーを、本発明の方法に従って用いることができる。本発明に適用できる代表的なモノマーは、アクリレート感圧粘着剤(PSA)を作製するために一般に用いられるそれらのアクリレートモノマーを含むが、これに制限されるものではない。このような成分の本質と相対量は当業者には周知である。アクリレートモノマーの中で特に好ましいのは、アルキルアクリレートであり、好ましくは非第3アルキルアルコールの不飽和単官能アクリレートエステル[アルキル基が1〜約18個の炭素原子を含有する]である。このモノマーの種類の中に含まれるのは、例えば、イソオクチルアクリレート、イソノニルアクリレート、2-エチルヘキシルアクリラート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、n-ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクタデシルアクリレートおよびそれらの混合物である。
PSAを調製するときに任意に、また好ましくは、極性の共重合性モノマーは、アクリレートモノマーと重合させて最終粘着剤組成物の金属に対する接着力を改良し、また最終粘着剤組成物の粘着力を改良することができる。強い極性および中程度の極性の共重合性モノマーを用いることができる。
強い極性の共重合性モノマーは、アクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシアルキルアクリレート、シアノアルキルアクリレート、アクリルアミド、置換アクリルアミドおよびそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含むが、これに制限するものではない。強い極性の共重合性モノマーは好ましくは、少量のモノマー、例えばモノマーの約25重量%まで、いっそう好ましくはモノマー混合物の15重量%までを占める。強い極性の共重合性モノマーが存在するとき、アルキルアクリレートモノマーは一般に、アクリレート含有混合物の大部分、例えば、モノマーの少なくとも約75重量%を占める。
中程度の極性の共重合性モノマーは、N-ビニルピロリドン、N,N-ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、塩化ビニル、ジアリルフタラートおよびそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含むが、これに制限するものではない。中程度の極性の共重合性モノマーは好ましくは、モノマー混合物の少量、例えば、約40重量%まで、いっそう好ましくは5重量%〜40重量%までを占める。中程度の極性の共重合性モノマーが存在するとき、アルキルアクリレートモノマーは一般に、モノマー混合物の少なくとも約60重量%を占める。
ここで有用な更に別のモノマーは、マクロモノマである。米国特許第4,732,808号(その内容を本願明細書に引用したものとする)には、一般式X−(Y)n−Z
[式中、Xは、反応混合物中の他のモノマーと共重合可能なビニル基であり、
Yは、二価の結合基(nが0または1)であり、
Zは、ガラス転移温度、すなわち、Tgが約20℃を超え、重量平均分子量が約2,000〜約30,000であり、共重合条件下で本質的に未反応である一価の重合部分である。]によって表されるフリーラジカル共重合性マクロモノマの使用が記載されている。
これらのマクロモノマは一般に、他の(共)重合性モノマーと混合して用いられる。米国特許第4,732,808号に記載された好ましいマクロモノマはさらに、一般式:
Figure 0003837458
[式中、Rは水素原子または-COOH基であり、R′は水素原子またはメチル基である]で表されるX基を有するマクロモノマとして規定される。炭素原子間の二重結合は、反応混合物中で他のモノマーと共重合することができる共重合性部分を提供する。
好ましいマクロモノマは、一般式:
Figure 0003837458
[式中、R2は水素原子または低級アルキル基(一般にC1〜C4)であり、R3は低級アルキル基(一般にC1〜C4)であり、nは20〜500の整数であり、R4は式:
Figure 0003837458
および−CO2R6[式中、R5は水素原子または低級アルキル基(一般にC1〜C4)であり、R6は低級アルキル基(一般にC1〜C4)である]からなる群から選択される一価のラジカルである]によって表されるZ基を含む。
好ましくは、マクロモノマは、式:
Figure 0003837458
Figure 0003837458
[式中、R7は水素原子または低級アルキル基(一般にC1〜C4)である]からなる群から選択される一般式によって表される。
好ましいマクロモノマは、単一官能基(ビニル基)を有する末端官能基ポリマーであり、時には「セミテレケリック」ポリマーとして同定される(Vol.27「Functionally Terminal Polymers via Anionic Methods」、D・N・シュルツら著、427〜440ページ、Anionic Polymerization、American Chemical Society、1981年)。このマクロモノマは周知であり、末端ビニル基マクロモノマの調製について記載したミルコビッチらの米国特許第3,786,116号および3,842,059号によって開示された方法によって調製することができる。そこに開示されるように、末端ビニル基マクロモノマは、リビングポリマーを形成するための重合性モノマーのアニオン重合によって調製される。このモノマーは、ビニル含有化合物のような、オレフィン基を有するモノマーを含む。リビングポリマーは、重合プロセスに関与またはこれを妨害しない不活性有機系溶媒の存在下でアルカリ金属炭化水素またはアルコキシド塩と前記のモノマーとを接触させることによって調製するのが便利である。アニオン重合しやすいモノマー類は、公知である。具体的な種類は、スチレン、アルファ-メチルスチレン、ビニルトルエンとその異性体のような芳香族ビニル化合物またはメチルメタクリレートのような非芳香族ビニル化合物を含む。アニオン重合しやすい他のモノマーもまた、有用である。
共重合性マクロモノマを用いる目的は、ポリマー骨格鎖にあるペンダントZ部分の相互作用によって、PSAのホットメルトコーティングを可能にすると共に、冷却押し出しシートPSAの粘着力を増すことを含む。用いられるマクロモノマの量は一般に、モノマーの全重量の約1%〜約30%、好ましくは1%〜7%の範囲内である。前述の通り、「モノマー」はここでは、マクロモノマを含むものとして規定される。このようなマクロモノマを任意に使用することは、本発明の範囲内に含まれる。本発明の特有の利点は、前記マクロモノマをポリマー骨格鎖中にうまく共重合させることができることである。従来の、より低い温度の等温塊重合においては、重合が進むとき、マクロモノマは、蓄積ポリマーにマクロモノマが非混和性であるために沈殿し、マクロモノマのポリマー骨格鎖中への必要な重合を妨げることがある。本発明の実施において、高反応率において高温になるため、フリーラジカル共重合性マクロモノマをうまく使用できることが示された。
本発明の方法が適用可能であると考えられる他のモノマーは、スチレン、アルファ-メチルスチレン、ビニルトルエン、パラ-メチルスチレン、第三ブチルスチレンおよびそれらの混合物からなる群から選択されるモノマーを含むがこれに制限されない芳香族モノアルケニルモノマーのようなビニル群の他のメンバーを含む。本発明のプロセスが適用可能であると考えられる他の「アクリルモノマー」は、メチルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびジメチルアミノエチルメタクリレートのようなメタクリレートエステルと、メタクリル酸、およびそれらの塩とメタクリロニトリルのようなメタクリル誘導体とからなる群から選択されたアクリルモノマーを含むが、これに制限されるものではない。他の好適な非アクリル系のエチレンモノマーは、酢酸ビニルおよびマレイン酸のようなビニルエステルを含むと考えられる。
連鎖移動剤
重合技術において公知の連鎖移動剤もまた、分子量あるいは他のポリマー特性を制御するために含んでもよい。ここで用いる用語「連鎖移動剤」は、「テロゲン」を含む。本発明のプロセスに用いる好適な連鎖移動剤は、カーボンテトラブロミド、ヘキサンブロモエタン、ブロモトリクロロメタン、2-メルカプトエタノール、t-ドデシルメルカプタン、イソオクチルチオグリコール酸、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール、クメン、およびそれらの混合物からなる群から選択される連鎖移動剤を含むが、これに制限されるものではない。個々の連鎖移動剤の反応性と所望の連鎖移動剤の量により、モノマーの総重量に対して一般に0〜約5重量パーセント、好ましくは0〜約0.5重量パーセントの連鎖移動剤が使用される。
架橋
架橋もまた、本発明の方法において用いることができる。例えば、ホットメルトPSA製造技術において、PSAは、それらに十分な結合強さと靭性とを与えるために、シートの形に押し出された後に硬化ステップを必要とする。後硬化として周知のこのステップは、通常、押出しシートを化学架橋剤を用いて電子線、または紫外光のような何らかの形の放射エネルギーに露光することを含む。
好適な架橋剤の実施例は、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、アントラキノン系などの光架橋剤のような水素引抜き型光架橋剤からなる群から選択される架橋剤を含むが、これに制限されるものではない。これらの架橋剤は共重合性、または非共重合性であってもよい。
好適な非共重合性の水素引抜き架橋剤の実施例は、ベンゾフェノン、アントラキノン、および米国特許第5,407,971号に記載されているような放射線-励起性の架橋剤を含む。この架橋剤は、一般式:
Figure 0003837458
[式中、Wが-O-、-N-、または-S-を表し、XがCH3-またはフェニルを表し、Yがケトン、エステル、またはアミド官能基を表し、Zが、前記の架橋剤を用いて形成されるポリマーの水素原子よりも光引抜き性(photoabstractable)が大きい水素原子を含まない多官能性の有機部分を表し、mが0〜6の整数を表し、「a」が0または1を表し、nが2以上の整数を表す]。所望の架橋の量と用いられた個々の架橋剤の効率により、非共重合性の架橋剤が一般に、モノマーの全重量に対して、約0%〜約10%の量、好ましくは約0.05%〜約2%の範囲において含まれる。
好適な共重合性の水素引抜き架橋化合物の実施例は、オルト芳香族水酸基を含まないモノ-エチレン性不飽和芳香族ケトンモノマーを含む。
好適なフリーラジカル共重合性架橋剤の実施例は、4-アクリルオキシベンゾフェノン(ABP)、パラ-アクリロキシエトキシベノフェノン、およびパラ-N-(メタクリルオキシエチル)-カルバモイルエトキシベノフェノンからなる群から選択される架橋剤を含むが、これに制限されるものではない。共重合性の化学架橋剤は、モノマーの全重量に対して、一般に約0%〜約2%の量が含まれ、約0.025%〜約0.5%の量が好ましい。他の有用な共重合性の架橋剤が、米国特許第4,737,559号に記載されている。
溶媒
多くの場合、フリーラジカル重合、すなわち、モノマー自体だけでなく形成されるポリマーも全て混和性である真の塊重合は溶媒を用いずに行なうことができる。しかし、モノマーはある場合には(共)重合するために溶媒を必要とすることがある。例えば、アクリルアミド類は、それらをイソオクチルアクリレートと混和性にするために少量の溶媒に溶かされる。それ故に、本発明のプロセスは、その範囲内にあるものとして、フリーラジカル重合を行なうときに非反応性の溶媒を使用することを含む。この溶媒は通常、混合物の全重量に対して約20重量パーセント未満を含む。有用な溶媒は、トルエン、ヘキサン、ペンタンおよび酢酸エチルのような有機溶剤を含むがこれに限定されない、前記の混合物に混和性の溶媒である。溶媒はまた、重合の終了時にポリマーの粘度を減少させてドレン抜きまたは次の処理を容易にし、本発明のプロセスを向上させることができる。しかし、必要がなければ、溶媒を添加することは、溶媒濃度が低い場合には程度はより小さくなるが溶液重合と同じ不便な点があるので、好ましくない。
任意のポリマー
任意に、ポリマーを最初の本質的な断熱反応サイクルの前に反応混合物に溶かしてもよい。あるいは、および/または加うるに次の本質的な断熱反応サイクルに任意のポリマーが含まれてもよい。このポリマーを、反応が完結した後の最終ポリマー生成物の分子量分布、分子量、または特性を変えるために含むことができ、一般に本発明のプロセスの重合の間、非反応性である。必要条件ではないが、上記のポリマーは一般に、ポリマー、モノマー、開始剤などを含む反応混合物と反応させられるモノマーと同じモノマー類から成る。最初の反応サイクルの前にモノマーに溶かされるポリマーは一般に、モノマーおよびポリマーの全重量に対して、約0重量%〜約50重量%、好ましくは約0%〜約30%未満の範囲において含有される。アクリルポリマーを作製するためにポリマーシロップを使用することが、米国特許第4,181,752号に説明されている。
フリーラジカル開始剤
多くの使用可能なフリーラジカル熱開始剤がビニルモノマー重合技術において周知であり、本発明において用いることができる。本発明に有用な代表的な熱フリーラジカル重合開始剤は、有機過酸化物、有機ヒドロペルオキシドおよびフリーラジカルを生じるアゾ基開始剤である。有用な有機過酸化物は、過酸化ベンゾイル、ジ-t-アミル ペルオキシド、t-ブチルペルオキシ安息香酸およびジ-クミル ペルオキシドのような化合物を含むが、これに制限するものではない。有用な有機ヒドロペルオキシドは、t-アミルヒドロペルオキシドおよびt-ブチルヒドロペルオキシドのような化合物を含むが、これに制限するものではない。有用なアゾ基開始剤は、VAZOTM52(2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、VAZOTM64(2,2′-アゾビス(2-メチルプロパンニトリル))、VAZOTM67(2,2′-アゾビス(2-メチルブタンニトリル))およびVAZOTM88(2,2′-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))などのようなデュポン社によって製造された化合物VAZOTMを含むが、これに制限するものではない。
開始剤がモノマー中に混合されるとき、混合物が本質的に反応し始める温度を超える(温度上昇速度が本質的な断熱条件の場合は一般に約0.1℃/分を超える)。この温度は、反応させられるモノマー、モノマーの相対量、用いた個々の開始剤、用いた開始剤の量、および反応混合物中の任意のポリマーおよび/または任意の溶媒の量によって決まるが、ここでは「暴走開始温度」として規定される。例えば、開始剤の量が増加するとき、反応混合物の暴走開始温度は低下する。暴走開始温度未満の温度においては、進行する重合の量は実質的に無視できる。暴走開始温度において、反応阻害剤が存在せず本質的な断熱反応条件下である場合は、フリーラジカル重合は有意な速度において進み始めて温度が加速的に上昇し始め、暴走反応を開始する。
本発明によれば、十分な量の開始剤が一般に、所望の温度と反応率に重合を導くために用いられる。用いる開始剤が多すぎる場合、過剰な低分子量のポリマーを生じるため分子量分布を広げることになる。低分子量成分は、ポリマー生成物の性能を落とす。開始剤が少なすぎる場合、重合はあまり進まず、反応が止まるか、または実際的でない速度において進む。用いた個々の開始剤の量は、その効率、その分子量、モノマーの分子量、モノマーの反応熱、含まれる他の開始剤の種類と量などを含む因子に依存する。全開始剤について、開始剤の総量は、モノマーの全重量に対して、一般に約0.0005重量%〜約0.5重量%、好ましくは約0.001重量%〜約0.1重量%の範囲において用いられる。
二種以上の開始剤を反応に用いるとき、第一の開始剤は本質的な断熱反応の間に減少し(これに対応する反応温度が増加する)、第二の開始剤は、第一の開始剤が減少するとき熱活性化されるように選択することができる。すなわち、第一の開始剤が減少しているとき、同反応は、反応混合物を反応混合物中の第二の開始剤の暴走開始温度に導く。1種の開始剤が完全に消耗する前に別の開始剤が活性化する(その暴走開始温度に達する)ように重複するのが好ましい。重複しなければ、重合速度が落ちるか、または混合物を次の開始剤の暴走開始温度に連続して導くために外部加熱しなければ本質的に停止する。この外部加熱を用いることにより、外部加熱のために反応混合物の不均一な温度分布を生じる可能性が生まれ、本発明のプロセスの利点の1つを失うことになる。しかし、重合はなお、本発明の重要な特徴である本質的な断熱条件下で起こる。
温度がバッチ内の個々の開始剤の暴走開始温度に向かって上昇するまで、開始剤は不活動状態であり、あまり分解せず、フリーラジカルを形成することはない。それは、反応温度が反応混合物のその暴走開始温度に向かって上昇するまで、および/または外部熱が加えられるまで、不活動状態である。
反応系内の実質的に任意の数の熱開始剤について、温度が上昇するとき1つの開始剤が減少すると連続して別の開始剤がその暴走開始温度に達することが、継続する。限度内では、次々と実質的に無限数の異なった開始剤を用いて、連続した隣合う開始剤間の活性温度域がほぼ完全に重複するように、重合および対応する断熱温度上昇を引き起こすことができる。この場合、用いた各々の開始剤の量は、有害なまでに分子量分布を広げないように実質的に無限小である必要がある。
実質的に、原料取り扱いの必要条件を最小にするために、適正な最小量の開始剤を、所望の量の断熱重合をおこなって必要なポリマー特性を得るために用いるべきである。一般に、1〜5(いっそう一般には2〜5)の異なった開始剤を特定の反応サイクル中に用いる。或る環境では、反応サイクル毎に2、3、4または5種の異なった開始剤を用いることが有利である。
本質的な断熱重合の間に、順次連続した開始剤間の重複量を推定するために、標準重合モデリング技術を使用することができ(すなわち、『On the Mathematical Modeling of Polymerization Reactors』、W・H・レイ著、J. Macromol. Sci. Macromol. Chem.、C8 (1)、1、1972年)、図1aおよび1bに示したグラフと同様のグラフを作ることができる。
あるいは、本質的な断熱重合を行うことができ(すなわち、小型断熱反応熱量計を用いて)、一組の開始剤の温度プロフィールを測定することができる。開始剤の周知の分解速度と温度プロフィール測定値に基づいて、各々の開始剤の濃度対時間を計算することができる。計算は、本質的断熱重合の各々の開始剤iについて、Ii対時間の次の微分方程式を解くことを含む(i=1〜n、nは反応系の開始剤の数である):
Figure 0003837458
ここでIiが所定の時間における開始剤iの濃度の表し、tが時間を表し、kiは開始剤iの温度依存性の分解速度定数である。速度定数kiは一般に、式ki=kref,iexp{-Ea,i(1/T - 1/Tref)/R}[式中、Ea,iが開始剤iの分解の活性化エネルギーであり、Tが絶対温度であり、kref,iはTref=294Kのような選択された参照温度における分解速度係数であり、Rは一般ガス定数である]のアレニウス関係式によって表される。理解のためにいうと、各々の開始剤の指標iは、各々の開始剤iについて半減期が1時間になる温度が最も低いものから最も高いものまでの順に1〜nの番号を付けたものとして定義される。定数Ea,iおよびkref,iは、一般にフリーラジカル開始剤の製造元から入手可能なデータの開始剤iの温度依存性の分解特性を知ることによって推定することができる。例えば、2つの異なった温度における開始剤iの半減期を知ることにより、Ea,iおよびkref,iを推定できる。時間に対してIiが計算されると、各々の時間におけるIiにその時間におけるkiを掛けることにより、開始剤の分解速度方程式である式2に直接代入して
Figure 0003837458
対時間を求めることができる。
Figure 0003837458
対時間を図上に記入すると明らかに、各々の開始剤の温度重複範囲を示す。
図1bに示す開始剤の濃度の計算値と図1aに示す
Figure 0003837458
値とは、実施例1の2番目の反応サイクルの温度プロフィール測定値を用いて得た。上記の開始剤の消耗速度方程式は、開始剤製造元から入手できる半減期データに基づいて推定したVazo52、Vazo88、およびジ-t-アミルペルオキシドのEa,iおよびkref,i値を用いて解いた(用いた値を下の表1に示す)。高い近似値として、各々の開始剤について式2を、次の測温が得られるまで反応温度の測定値が一定であるとみなして、1分間隔において解析的に解いた。この計算法は、十分に小さい時間間隔をおいて解くとき、正確である。あるいは、標準数値解法技術を用いて、断熱重合温度プロフィールの測定値と周知の開始剤分解速度データ(すなわちカーナハンら、「アプライド・ニューメリカル・メソド」、ワイリー(Wiley)、1969年)に基づいて開始剤の濃度の算定値Iiを計算することができる。
Figure 0003837458
本発明の方法において、本質的な断熱反応の間の2種以上の開始剤の活性温度域の重複の好ましい最小値・最大値は、次の通りである。
開始剤の最小重複
本質的な断熱重合のために反応温度が上昇するにつれて、少なくとも1種の(好ましくは各々の)開始剤i
Figure 0003837458
がその最大値の約10%に減少する前に、次の開始剤が順次その暴走開始温度に達するためにそれの
Figure 0003837458
値がその最大値の少なくとも約20%に増加するのが好ましい。このようにして反応するときに、本質的な断熱重合は、開始剤の暴走開始温度間に加熱しなくても進む。
開始剤の最大重複
本質的な断熱重合のために反応温度が上昇するにつれて、開始剤の系列中の少なくとも1種の(好ましくは各々の)開始剤i(i>1、n>1、i=1,...,n)の
Figure 0003837458
がその最大値の約30%に達する前に、前記の系列中の先行する開始剤はすでに
Figure 0003837458
の最大値に達していることが好ましい。この方法で反応させるとき、用いる開始剤の数は適正な最小の数になっている。
用いる個々の開始剤は、その熱分解特性に基づいて選択される。例えば、ジ-クミルペルオキシドおよびジ-t-アミル ペルオキシドは、フリーラジカルを生じる類似の温度分解特性(すなわち、いろいろな温度における類似した半減期)を有し、いくつかの場合にはお互いに適当な代用になることができる。温度分解特性の他に、開始剤を選択する上での他の問題点は、開始剤の毒性、コスト、および重合系において生じる可能性がある副反応(ポリマーの望ましくない架橋を最小に抑えるような)を含んでもよい。
温度が上昇するとき活性化するように、代表的な開始剤はVazo TM52(2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、Vazo TM88(2,2′-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))、ジ-t-アミルペルオキシド、およびt-アミルヒドロペルオキシドを含む。反応させられる一般的なモノマーに対して、これらの開始剤は一般に、外部加熱を必要とせず断熱重合を行うために十分に重なり合うようににそれらの温度分解特性において「間隔を置いて配列されている」。使用したモノマーにより、異なった、あるいは追加の開始剤が必要であることもある。使用した開始剤に影響を与える因子は、モノマーの反応速度、モノマーの反応熱、および反応混合物の熱容量の反応熱を含むが、これに制限されるものではない。
1つ以上の反応サイクルが存在する場合、1回目の本質的な断熱反応サイクルのための開始剤は一般に、反応を下記の温度/変換量に導くように選択される:
1)重合反応は、開始剤が本質的に減少したとき(すなわち、99%以上の開始剤が減少したとき実質的に停止する。反応混合物の温度は、ポリマー/モノマー反応混合物中のモノマーの熱重合(付加フリーラジカル開始剤が存在しない場合の重合)が実質的にごくわずかになる温度である。これは、反応が反応器ジャケットからの(および熱交換器などを通して反応液体を入れることによる外部冷却などによって増大する可能性がある)有効伝熱によって止めることができるので、重要である。
2)溶液粘度は、反応混合物が次の反応サイクルの前に冷却されるときに、次の開始剤、任意の連鎖移動剤、任意の追加モノマー、任意のポリマーなどがバッチ中に混合できる粘度である。この粘度は一般に、一般的なバッチ反応器系の場合は約200,000センチポアズ未満(混合温度におけるブルックフィールド粘度)である。
発明の方法
本発明のプロセスの代表的な(諸)反応は、次のように進む。モノマーは、所望の量を反応器に入れる。反応容器の温度は、実質的にモノマーの熱重合が起こらないように十分に冷却され、また、開始剤をバッチに添加したとき、実質的に重合が起こらないように十分に冷却されていなくてはならない。また、確実に、反応器が乾燥しており、特に、温度が重合熱のために上昇するとき反応容器の圧力を危険な状態にまで上げる可能性がある(反応器洗浄用溶剤のような)望ましくないない揮発性の溶媒を少しも含まないように、注意すべきである。開始剤、任意の連鎖移動剤、任意のポリマー、任意の架橋剤、任意の溶媒なども反応器に入れる。
下に記載したように反応混合物を昇温する前に(あるいは任意にバッチを昇温する間に同時に)、上記のようにバッチにすべての成分を加えた後、バッチから酸素、フリーラジカル重合防止剤を一掃する。脱酸素化法は、フリーラジカル重合の当業者にには公知である。例えば、脱酸素化は、窒素のような不活性ガスをバッチに通気し、溶解した酸素と入れ替えることによって行なうことができる。
脱酸素化が完了した後、反応器中のヘッドスペースは一般に、反応中に温度が上昇するとき反応混合物の煮沸を抑えるために必要なレベルに、窒素のような不活性ガスで加圧される。不活性ガスによる加圧はまた、重合が進行している間に反応設備内で起こり得るわずかな漏れによって、酸素が重合混合物に混入するのを防ぐ。
反応器のジャケットによって加熱されるため、反応混合物の温度は一般に、バッチ内が本質的に均一な温度になるようにバッチを十分に混合することによって、暴走開始温度よりも約1℃〜約5℃、またはこの範囲において高くなる。バッチ温度調節器は一般に、バッチを暴走開始温度に維持するように一時設定されている。ジャケット温度が、バッチを暴走開始温度に保持するために必要なだけ下がり始めるとき、これは重合が始まったことを示す。一般にモノマーと共に(出荷および取り扱い中の不要重合を妨げるために)送られる反応阻害剤、他の微量の不純物、反応混合物中にまだ溶けている酸素を減少させるのに時間を要する場合があるので、反応は、バッチを暴走開始温度に導いた直後には進まないことがある。ジャケット温度が下がるとすぐに、反応器ジャケット温度制御系は、反応によってバッチ温度が上昇するときそれを追跡し、本質的な断熱反応条件を容易にするように設定される。本発明のプロセスの実施において、バッチよりも約1℃〜約10℃高くなるようにジャケットに追跡させ、混合物の反応熱によって反応器壁を昇温するのに対してジャケットによって反応器壁を昇温し、反応系の断熱性をいっそう高めるのが有利であることがわかった。完全な断熱性は、一般に反応媒体から撹拌器の内部のブレードおよびシャフトならびに反応器内の混合用バッフルに移る少量の熱が存在するので、恐らく得られないという事実が確認されている。この発明の実施において、撹拌器のシャフトおよびブレード、バッフル、温度プローブなどを加熱することへの熱損失の影響は、無視できることがわかった。
別の加熱方法は、ジャケットから入熱して暴走開始温度以上にバッチをゆるやかに昇温し、約0.1℃/分〜約0.5℃の速度においてバッチを昇温して反応サイクルの間中加熱を続ける(バッチ温度よりも約1℃〜約10℃高くなるようにジャケットに追跡させる上記の加熱方法と同様の)方法である。上記の加熱方法のように、反応サイクルの間中ずっと継続して加熱することは、反応設備への熱損矢を補い、本質的な断熱反応条件を維持するのに役立つであろう。本発明の実施において、上記の第一の加熱方法は、バッチ間にいっそう再現性の高い生成物を生じると考えられる反応が常に同じ温度において始まることを保証するので、望ましい。
反応温度がピークに達すると、熱重合による熱開始剤の減少ならびにモノマーの無視できる程度の反応のために、この時点のポリマー含有量は一般に、モノマーおよびポリマーの全重量に対して約30〜80重量%である。
望むならば、重合サイクルはこの時点で止めることができ、未反応のモノマーは反応混合物から取り除くか、または他の設備でさらに重合される。残留モノマーを取り除くためのストリッピング装置は重合技術の当業者には公知である。利用可能なストリッピング装置の1つはは、真空室へ通気された部分で稼働し、モノマーを濃縮して任意に次の重合において再利用することができる抽出器-押出機である。代表的な抽出器-押出機は、『Modern Plastics Encyclopedia』(45巻、1968年10月、および46巻、1969年10月、共にマグロー・ヒル刊行)に言及されている。
反応を終結させずに重合を止めることの予想しうる利点は、変換が終結に向かって増加するときに分子量分布が広くなることがわかったということである。生成物の特性の必要条件を満たすために、反応を終結させることに対してストリッピングの特別な労力およびコストを加えることになるあろう。部分変換して重合プロセスを終わらせる別の理由は、扱いやすいレベルに溶液粘度を抑えることである。例えば、ポリマー分子量が増加するとき、溶液粘度が増加する。もし高分子量ポリマーが生じ、変換溶融粘度が100%、すなわち、約200,000〜約500,000センチポアズ(温度においてのブルックフィールド粘度)を超える粘度が扱いにくい場合は、変換が100%未満のときに反応を止めるのが、有利であろう。
反応系が1回以上の本質的な断熱反応サイクルにおいてさらに重合できる場合、バッチ温度は一般に、次の反応サイクルが始まる前に冷却される。一般にバッチは、次の反応サイクルで用いられる開始剤の暴走開始温度よりも約5〜20℃低く冷却される。もし二種以上の開始剤を用いるなら、バッチ温度は一般に、暴走開始温度が最も低い開始剤の暴走開始温度よりも少なくとも約5〜20℃低く冷却される。
部分重合した反応混合物が冷却されるとき、その粘度が増加する。任意に、必要であれば、さらにモノマーを、粘度増加を補償するためにそれが完全に冷却する前に、バッチに添加することができる。一般に、必要であれば、比較的少量を添加する。1回目の反応サイクルで添加したモノマーの量の約30重量%未満の量の追加モノマーを入れるのが好ましい。バッチを冷却する間に、またはそれが所望の温度に冷却されたとき、任意にさらにモノマーを添加してモノマー比を調節し、前の反応サイクルのモノマーの不均等な反応性比を補償することができる。同様に、以前の反応サイクルに含まれないモノマーを、必要に応じて、ポリマー特性を調整するために添加することができる。モノマーの添加はまた、前の反応サイクルで得た反応変換量のわずかなバッチ間変動を補償するインプロセス補正として行なうことができる。
バッチが所望の温度に冷却されたとき、開始剤をさらにバッチに加える。任意に、連鎖移動剤をさらに添加することができる。連鎖移動剤の量を調節することにより、前の反応サイクルから得られた生成物の分子量のインプロセス補正を提供することができる。任意の光架橋剤、任意のポリマー、任意の溶媒などを含む他の添加剤も、この時に添加することができる。
バッチは、前の反応サイクルのために上に記載したように、脱酸素され、暴走開始温度が最も低い開始剤の暴走開始温度に昇温され、本質的に断熱反応させられる。
必要であれば、追加の反応サイクルを行ない、所望のレベルにまで変換を増加させ続けることができる。
任意に、反応サイクルのすべてが完了するとき、未反応のモノマーを、真空ポンプのような外部真空設備によってバッチ反応器内の高温反応生成物を減圧することによって、および任意に、冷却によって外部熱交換器内でモノマー蒸気を濃縮することによって、バッチから取り除くことができる。
任意に、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤、安定剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される添加剤を含むがこれに制限されない添加剤を、それらの1種以上を溶けたポリマー生成物中に混合することによって、このときに添加することができる。このような成分の本質と相対量は、当業者には公知である。例えば、チバ・ガイギー・コーポレーション製の酸化防止剤/安定剤IrganoxTM1010(テトラキス(メチレン(3,5−ジ−tert-ブチル−4-ヒドロキシヒドロシンナマート))メタン)を、ポリマーの温度安定度を増加させるためにポリマー中に混合することができる。酸化防止剤は一般に、ポリマー生成物の全重量に対して約0.01%〜約1.0%の範囲において用いられる。
最終の反応サイクルの終了時の温度における反応混合物の粘度は、溶けたポリマーを反応器からドレン抜きし、任意に添加剤をバッチ中に混合することを可能にするために、約200,000〜約500,000センチポアズ(ドレン抜き温度おいてのブルックフィールド粘度)未満であることが好ましい。一般に、反応器のヘッドスペースの不活性ガス(窒素など)圧を用いて、生成物を反応器からドレン抜きするのを早めることができる。
反応混合物をドレン抜きした後、抽出器-押出機のような装置を用いて未反応のモノマーおよび/または任意にバッチに加えられた任意の溶媒を取り除くことができ、または、可塑剤、粘着付与剤、酸化防止剤および/または安定剤を含む添加剤を混合すると共にポリマーを使用目的の物理的形状(すなわちPSA用のシート状)に押し出すことによってポリマーをさらに処理することができる。
本発明はさらに、純粋に具体例を示すことが目的の以下の実施例を考察することによって明確にされよう。実施例および他の箇所において、特に指示しない限り、すべて、重量部、重量パーセント、重量比などが用いられる。
粘着試験のための試料の調製
PSA用に作られたコーポリマは、ポリマーに酢酸エチルを加えた50重量%の酢酸エチルに溶解した。同溶液を、38マイクロメーターの厚さの下塗りしたポリエステル薄膜上に、約25マイクロメートルの乾燥被膜厚さ(正確な厚さは以下の実施例で報告される)にナイフで製膜した。このように製膜されたPSAコーポリマを直ちに65℃の炉内で10分間乾燥させ、引き続いて粘着性の試料を後硬化(下記の「UV硬化設備」を参照)するために紫外光(UV)に露光し、次いで約16時間、22℃において50%相対湿度で老化させた。このように調製した製膜したシートは、「引き剥がし粘着力試験」に記載した試験に対応させるためのものである。
UV硬化設備
異なった2つの設備を、以下の実施例の粘着性試料を硬化するためのUV放射線源として用いた。それらは、PPGインダストリーズインク(ブレインフィールド、イリノイ州)製のPPG UVプロセッサ、およびフュージョン・システムズ・コーポレーション(ロックビル、メリーランド州)製のFusion Systems Curing Unitであった。PPG UVプロセッサは、スペクトル出力が240nmと740nmの間で放射が主に270〜450nmの出力範囲である2つの中圧水銀ランプを装備している。Fusion Systems Curing Unitは、電源が300ワット/インチ(118.1ワット/cm)のUVランプを用いる。フュージョン・システムズ・コーポレーション製の″H″球を用いた。UV放射線量は、それぞれの装置の電力設定、コンベヤー速度設定および粘着性試料の紫外光下でのパス数によって制御した。引き剥がし粘着力試験
引き剥がし粘着力は、製膜した可撓性のシート材を試験板から取り除くために必要とされる力として測定され、剥離を特定の角度および速度において測定した。この試験の詳細は、「Test Methods for Pressure Sensitive Tapes」(第8版、1980年8月改訂)に提供されている。その方法を、以下に要約する:
1.12.7ミリ幅の製膜したシートを、きれいなガラス試験プレートの水平面に縦方向に少なくとも12.7センチメートルがしっかりと接触するように適用する。2キログラムの硬いゴムロールを用いてその細板を加圧する。
2.製膜した細板の自由端を、ほとんど触れるように折り返し、剥離角度が180°になるようにした。自由端は粘着力試験機スケールに取付けられる。
3.ガラス製試験プレートは、インストルメンターズ・インク製の粘着力試験機IMASSTMの台に取付けられるが、これは、台を前記のスケールから毎秒2.3メートルの一定速度において離すことができる。
4.剥離のために必要とされる力は、テスト装置によって記録された範囲の数の平均として報告される。この値は、PSTC-1に従って100ミリメートル幅毎のニュートン(N/100mm)として報告される。
剪断強度−保持力試験(PSTC No.7−第8版−1985)
この試験は、標準定荷重を応力下で標準平面から同表面に平行な方向にPSAテープを引くのに必要とされる時間を測定する。値は、単位面積当たりの時間(分)の単位で表わされる。それは、ポリマー物質の粘着力の評価基準である。この用途の実施例の測定条件は、以下の通りである。:
1.表面=ステンレス鋼パネル
2.テープ面積=12.7mm×12.7mm
3.パネル部=178°*
4.定荷重=1キログラム
* 180°より2°少なくし、これによって引き剥がし力を全て消し、確実に剪断力だけを測定ようにする。
PSTC No.7は、「試験方法」(Pressure Sensitive Tape Council)、ピッックウィック・アヴェニュー1800、オレンヴュー(Olenview)、イリノイ州60025(1985年8月))に記載されている。
分子量と分子量分布
ポリマーの分子量分布のキャラクタリゼーションを、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)としても周知の粒径排除クロマトグラフィーによって実施した。GPC試験方法は、『Modern Size Exclusion Liquid Chromatography, Practice of Gel Permeation Chromatography』(ジョン・ワイリー&サンズ、1979年)に説明されている。
実施例において、Mwという語は、重量-平均分子量を意味し、Mnという語は、数-平均分子量を意味し、両者とも、ポリマー技術においてよく理解されている用語である。多分散度という用語は、Mw/Mnの比である。
GPCのために試料を、次のように調製した:
(1)ポリマー試料を、室温においてテトラヒドロフラン中に20mg/mlの濃度において溶解し、合計約10ミリリットルの溶液を作製した。
(2)ポリマーがアクリル酸を含有する場合は、その溶液は、ジエチルエーテルに溶かした飽和ジアゾメタンを5ミリリットル、撹拌中滴下して処理した。アクリル酸がポリマー中に存在していない場合は、下記のステップ5にすぐに進む。
(3)得られた混合物を、空気流下で蒸発によって約1ミリリットルの体積に減少させた。
(4)テトラヒドロフランを添加して、試料体積を10ミリリットルにした。
(5)得られた液体は、試料によってGPCカラムが塞がれることを防ぐために、シリンジ内の0.45マイクロメートルのテフロン(TeflonTM)フィルターを通して濾過した。
(6)得られた濾液は、クロマトグラフ分析のために用いた。
ミリポーコーポレーション(ミルフォード、マサチューセッツ州)製で、45℃においてテトラヒドロフランのキャリア流の流動が1ml/分(200マイクロリットルの試料注入量)で稼働するウォーターズ・モデル150-C ALC/GPCを、GPC分析のために用いた。屈折率検出器を用いた。ポリマーラボラトリーズリミテッド製のポリスチレン標準液を、162〜3,150,000の範囲分子量範囲で用いた。ポアサイズが100Å〜106Åの6つのカラム(フェノメネックスカンパニー製のフェノゲル(PhenogelTM)カラム)を用いた。
モノマーのポリマーへの変換
下記の実施例において、重合の大きさ、またはモノマーのポリマーへの変換の量を、2つの方法、すなわち、ガスクロマトグラフィ(GC)または固形分測定法のうちの1つによって測定した。2つの異なったGC方法を使用した。一方のGC方法は、IOA%(試料中のイソオクチルアクリレートモノマーの重量%)だけが記録される時に用い、別のGC方法は、IOA%とAA%(試料中のアクリル酸モノマーの重量%)との両方が記録される時、用いた。
IOAの%
ヒューレット・パッカードモデル5890ガスクロマトグラフを、未反応のイソオクチルアクリレートの重量%(IOAの%)を測定するために以下の条件で用いた:
Figure 0003837458
検出されるモノマー(例えばイソオクチルアクリレート)とスパイク化合物(ISSC)と呼ばれる検出器応答が似ているが溶出時間が似ていない定量された物質とを含む内部標準液がガラス瓶で調製される。試験されるモノマーの標準溶液の濃度とISSCの濃度は共に、好適な溶媒中で1.00重量%である。
標準液を注入する。次いで、標準液のクロマトグラフ実験の時間対検出器応答のプロットの分析物ピーク域とISSCピーク域とを測定する。次に、2種の化合物の相対検出器応答係数を求める計算を行なう。
未知の残留モノマー試料の一部分を、試料の粘度を減らすために好適な溶媒で10重量%に希釈する。ISSCは、溶媒で希釈する前に試料の5重量%に等しい重量を混合物に加える。試料を注入する。
次いで、標準液のクロマトグラフ実験の時間対検出器応答のプロットの分析物ピーク域とISSCピーク域を測定する。次に、前に求めた測定域と相対検出器応答係数とを用いて前記の試料中のモノマーの残留量を求める計算を行なう。
IOAの%とAAの%
ヒューレット・パッカードモデル5890ガスクロマトグラフを、未反応のイソオクチルアクリレートの重量%(IOA%)と未反応のアクリル酸の重量%(AAの%)とを測定するために以下の条件で用いた:
Figure 0003837458
未知の残留モノマー試料の一部分を、試料の粘度を減らすためにアセトンで10重量%に希釈する。
残留モノマー(例えばイソオクチルアクリレート、アクリル酸)をアセトン中に周知の濃度において含有する外部標準液を、ガラス瓶中で調製した。標準液中のモノマーの濃度は、未知の残留モノマーを希釈した試料中のモノマーの予想濃度の近くに選択される。
標準液と希釈した試料との等量を同一条件下で注入する。次いで、標準液および希釈した試料のクロマトグラフ実験の時間対検出器応答のプロットの分析物ピーク域を測定する。次に、試料中のモノマーの残留量を求める計算を行なう。
固形分の測定
約0.5〜1.0グラムのポリマー試料を小さい缶のなかに置いた。ポリマーを入れた缶を、120〜130℃において少なくとも3時間、または蒸発による重量減少が測定できなくなるまで、対流炉内に置いた。蒸発したモノマーの重量減少の測定値によって、ポリマーに変換されたモノマーの量を計算することができる(下記の実施例に%で表した)。
インヘレント粘度
ここに記録したインヘレント粘度(IV)は、当業者によって用いられる従来の方法によって得られた。IVは、25℃に制御した水浴においてCannon-Fenske #50粘度計を用いて得られ、10ミリリットルのポリマー溶液(酢酸エチル中にデシリットル当たり0.2g溶かしたポリマー)の流動度を測定した。用いた試験方法および用いた装置は、『Textbook of Polymer Science』(F・W・ビルメイヤー(F. W. Billmeyer)著、ワイリー・インターサイエンス、第2版、1971年、84ページおよび85ページ)に詳細に記載されている。
実施例1
この実施例は、アクリレートホットメルト感圧粘着剤(イソオクチルアクリレート/アクリル酸モノマー比:90/10)を作製するために本発明のプロセスを使用することについて説明する。2つの本質的な断熱反応サイクルが、反応サイクルが完了した後、残留した未反応モノマーを真空除去することと組合せて用いられる。
次の成分を、75ガロン(284リットル)のステンレス鋼バッチ反応器に入れた:414.0ポンド(187.78kg)のイソオクチルアクリレート(IOA)、5.0グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、208.7グラムの四臭化炭素、1605.0グラムの固形分26重量%の4-アクリロキシベンゾフェノン(ABP)を酢酸エチルに溶かした混合物、および46.0ポンド(20.87kg)のアクリル酸(AA)。上記の混合物を75°F(23.89℃)に保持して、窒素を20分間、溶液に通気して酸素を混合物および反応器ヘッドスペース(反応混合物によって占められていない反応器の容積)から取り除いた。反応器は、窒素によって約50psig(448.16kPa)に加圧し、密閉した。反応器の撹拌器(3ブレードの後退ブレード撹拌器)を回転数が毎分約75で回転させて、混合物の温度を、温度制御水を反応器上のジャケットを通して循環させることにより、150°F(65.56℃)に上げた。重合が始まると、温度制御系は、ジャケットを通って循環する水の温度をバッチ温度よりも10°F(5.56℃)高くなっているように設定した。約3分反応させ、最終的な酸素除去として、反応器圧力を5psig(137.89kPa)に脱気し、次に窒素で約50psig(448.16kPa)に圧力を再びかけた。図2に示すように、約10分反応させた後、バッチ温度は約286°F(141.11℃)に達し、ジャケット温度制御系は、バッチ温度の上昇速度に合わせることができなかった。この時点でジャケットをドレン抜きし、反応温度は上昇し続けた。7分後に、反応温度は298°F(147.78℃)においてピークに達し、この時に反応器のジャケットを冷却した。
試料を反応混合物から取り除いた。ポリマーIVは0.51dl/グラムであり、混合物中の未反応IOAは、混合物の全重量に対して61重量%であった。
バッチ温度が125°F(51.67℃)に冷却されると、反応器の窒素圧を脱気した。次に、外部蒸気排出器を用いて、反応器ヘッドスペースの圧力を約7.5psi(51.71kPa)の絶対圧(ゲージ圧に対して)に下げ(反応器ヘッドスペースを真空にする)、反応器を密閉した。
次に、下記の混合物をディップチューブを通して反応混合物中に真空充填した(反応器中に吸引させた):
5ポンド(2.27キログラム)のIOAに溶かした10.0グラムのVazoTM52(2,2-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、6.0グラムのVazoTM88(2,2-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))、10.0グラムのジ-t-アミル ペルオキシド、30.0グラムの四臭化炭素。投入管に急速に流入させ、さらに5ポンド(2.27kg)のIOAをディップチューブを通して反応混合物に真空充填した。
反応器温度制御系は、バッチ温度を150°F(65.56℃)に上げるように設定した。バッチを150°F(65.56℃)に昇温している間、撹拌を毎分約75回転数に設定し、反応混合物を次の方法を用いて酸素を一掃した:反応器ヘッドスペースを真空にして約30秒間、最初の反応サイクルの捕獲窒素を反応混合物に激しく通気し、混合物から放出させた。次に、反応器の圧力を窒素によって約3psig(124.11kPa)に上げ、約1分間保持した。再び、真空にして約30秒間、捕獲窒素によって反応混合物から脱ガスした。次に、反応器ヘッドスペースを50psig(448.16のkPa)に加圧し、約1分間保持した。反応器の圧力を、約3psig(124.11kPa)に脱気し、約1分間保持した。最後に、反応器の圧力を窒素によって50psig(448.16kPa)に上げ、反応器を密閉した。
混合物が150°F(65.56℃)に達し、重合が始まると、温度制御系は、ジャケットを通って循環する水の温度をバッチ温度よりも10°F(5.56℃)高くなっているように設定した。バッチ温度は、図2に示すように、約1時間にわたって上昇した。バッチ温度が約328°F(164.44℃)においてピークに達すると、ジャケットをドレン抜きし、約110psig(861.84kPa)の圧力の蒸気をジャケットに適用し、約330°F(165.56℃)においてさらに40分間、反応混合物を保持した(直接蒸気を用いるときにジャケット温度を測定するように正しく温度プローブをジャケット配管内に配置していないので、直接蒸気を適用する点を超えるジャケット温度は、図2で示されていない)。
この時点で、400グラムの酢酸エチルに溶かしたチバ・ガイギー・コーポレーション製の208.7グラムのIrganoxTM1010の熱安定剤/酸化防止剤(テトラキス(メチレン(3,5−ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート))メタン)を、ディップチューブを通して反応混合物中に加圧充填した。次に、さらに200グラムの酢酸エチルを投入管に急速に流入させ、ディップチューブを通して反応混合物に加圧充填した。反応器ヘッドスペースの圧力を、約5psig(137.89kPa)に脱気したバッチは330°F(165.56℃)において約12時間、約75回転/分で撹拌して混合した。
次に、未反応の残留したモノマーおよび残留した酢酸エチルを、330〜340°F(165.56〜171.11℃)において低真空下で反応混合物から取り除いた。蒸気を、外部熱交換器内で濃縮した。この時点において、ポリマー生成物のブルックフィールド粘度(180℃において測定した)は、約60,000センチポアズであった。
生成物は、わずかな窒素圧をヘッドスペースにかけると反応器から容易にドレン抜きされた。得られたポリマー生成物は次の特性を有した:
Figure 0003837458
ポリマー生成物の粘着特性を試験するために、粘着力および剪断試験を、製膜した粘着性生成物(25マイクロメーターの乾燥皮膜厚さ)で行なった。粘着剤の被膜は、非常に滑らかで、ガラス状の仕上げ面を有し、可視的なポリマーゲル粒子を全く含まなかった。粘着剤は、紫外線に露光して後硬化した。3つの異なったレベルのUV放射線を、表2に示すように、粘着剤を硬化するために用いられた。後硬化をしない対照例もまた、表2の結果に含まれる。
Figure 0003837458
実施例 2
この実施例は、ホットメルトアクリレート感圧粘着剤(イソオクチルアクリレート/アクリル酸モノマー比:93/7)を作製するために本発明のプロセスを使用することについて説明する。2つの本質的な断熱反応サイクルを用い、残留した未反応のモノマーを真空除去しない。
下記の成分を、実施例1で用いたのと同じ75ガロン(284リットル)のステンレス鋼バッチ反応器に入れた:427.8ポンド(194.05kg)のイソオクチルアクリレート(IOA)、5.0グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、80.0グラムのイソオクチルチオグリコール酸、1605.0グラムの固形分26重量%の4-アクリロキシベンゾフェノン(ABP)を酢酸エチルに溶かした混合物、および32.2ポンド(14.61kg)のアクリル酸(AA)。反応混合物は酸素を一掃し、重合反応を実施例 1と同様の方法で開始した。同反応を150°F(65.56℃)において開始し、約15分間、反応させた後に、実施例 1と同様の方法でジャケット水温にバッチ温度を追跡させ、得られたバッチ温度のピークは297°F(147.22℃)であった。
試料を反応混合物から取り除いた。ポリマーIVは、0.62dl/グラムであり、混合物中の未反応IOAは、混合物の全重量に対して47重量%であった。
ポリマー固形分を約50重量%に調節するためのインプロセス補正として、25.9ポンドのイソオクチルアクリレートおよび1.9ポンドのアクリル酸を、バッチに添加した。
反応混合物を実施例1と同様に冷却した。バッチ温度が約130°F(54.44℃)に達すると、下記の成分をバッチに添加した:10.0グラムのVazoTM52(2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、6.0グラムのVazoTM88(2,2′-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))、および12.0グラムのジ-t-アミル ペルオキシド、20.0グラムのイソオクチルチオグリコール酸、および10.0ポンド(4.54kg)のイソオクチルアクリレート。
混合物は、150°F(65.56℃)に加熱しながら、毎分約100回転において撹拌した。バッチは、処理のこの段階において実施例1で用いた方法と同様に、酸素を一掃した。反応器のヘッドスペースを、反応のために窒素で約50psig(448.16kPa)に加圧した。反応方法は、実施例 1と同じである:同反応を150°F(65.56℃)において開始し、約30分間、反応させた後に、実施例1と同様の方法でジャケット水温にバッチ温度を追跡させ、得られたバッチ温度のピークは約340°F(171.11℃)であった。バッチを約340°F(171.11℃)において混合しながら2時間保持した後に、208.7グラムのIrganoxTM1010の熱安定剤/酸化防止剤(テトラキス(メチレン(3,5−ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート))メタン)を、実施例1と同様にバッチに添加した。次に、200グラムの酢酸エチルを投入管に急速に流入させ、バッチに添加した。次に、混合物は340〜350°F(171.11〜176.67℃)において約4時間、約80回転/分で撹拌した。未反応の残留モノマーは、実施例 1の場合のように、バッチから取り除かれなかった。生成物は、反応器ヘッドスペースに10psig(172.37kPa)の窒素圧を加えて16メッシュスクリーンを通して反応器から容易にドレン抜きされた。
ドレン抜きされた得られた生成物は、以下の特性を有した:
Figure 0003837458
ポリマー生成物の粘着特性を試験するために、粘着力および剪断試験を、製膜した粘着性生成物(25マイクロメーターの乾燥皮膜厚さ)で行なった。粘着剤の被膜は、非常に滑らかで、ガラス状の仕上げ面を有し、可視的なポリマーゲル粒子を全く含まなかった。粘着剤は、紫外線に露光して後硬化した。3つの異なったレベルのUV放射線を、表3に示すように、粘着剤を硬化するために用いられた。後硬化をしない対照例もまた、表3の結果に含まれる。
Figure 0003837458
実施例3
この実施例は、アクリレートホットメルト感圧粘着剤(イソオクチルアクリレート/アクリル酸モノマー比:90/10)を作製するために本発明のプロセスを使用することについて説明する。5つの本質的な断熱反応サイクルが、反応サイクルが完了した後、残留した未反応モノマーを真空除去することと組合せて用いられる。
次の成分を、75ガロン(284リットル)のステンレス鋼バッチ反応器に入れた:360.0ポンド(163.29kg)のイソオクチルアクリレート(IOA)、4.5グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、181.4グラムの四臭化炭素、1047.0グラムの固形分26重量%の4-アクリロキシベンゾフェノン(ABP)を酢酸エチルに溶かした混合物、および40ポンド(18.14kg)のアクリル酸(AA)。
反応混合物は酸素を一掃し、重合反応を実施例 1と同様の方法で開始した。同反応を150°F(65.56℃)において開始し、約12分間、反応させた後に、実施例1と同様の方法でジャケット水温にバッチ温度を追跡させ、得られたバッチ温度のピークは287°F(141.67℃)であった。
試料を反応混合物から取り除いた。ポリマーIVは、0.52dl/グラムであり、混合物中の未反応IOAは、混合物の全重量に対して63重量%であった。
反応混合物を実施例1と同様に冷却した。バッチ温度が約120°F(48.89℃)に達すると、下記の成分をバッチに添加した:10.0グラムのVazoTM52(2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、3.0グラムのVazoTM88(2,2-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))、および14.0グラムのジ-クミル ペルオキシド、10.0グラムの四臭化炭素、および40.0ポンド(18.14kg)のイソオクチルアクリレート、4.4ポンド(2.00kg)のアクリル酸(AA)、および116.2グラムの固形分26重量%の4-アクリロキシベンゾフェノン(ABP)を酢酸エチルに溶かした混合物。
混合物は、150°F(65.56℃)に加熱しながら、毎分約100回転において撹拌した。バッチは、3回、約50psig(448.16kPa)に加圧して約2psig(117.21kPa)に脱気することによって、酸素を一掃した。反応器のヘッドスペースを、反応のために窒素で約50psig(448.16kPa)に加圧し、密閉した。反応方法は、実施例 1と同じである:同反応を150°F(65.56℃)において開始し、約35分間、反応させた後に、実施例 1と同様の方法でジャケット水温にバッチ温度を追跡させ、得られたバッチ温度のピークは約323°F(161.67℃)であった。
バッチを約320°F(160.00℃)においてバッチを混合しながら30分保持した後、試料を反応混合物から取り除いた。ポリマーIVは、0.59dl/グラムであり、混合物中の未反応のIOAは、混合物の全重量に対して19.5重量%であった。
上記の試料を取った50分後に、400.0グラムの酢酸エチルに溶かした8.0グラムのジ-t-アミルペルオキシドの混合物をバッチ内に加圧充填し、引き続いて、200.0グラムの酢酸エチルを投入管に急速に流入させた。バッチは、2回、約20〜30psig(241.31〜310.26kPa)に脱気して窒素によって約50psig(448.16kPa)に加圧することによって脱酸素した。反応器を、約50psig(448.16kPa)に加圧し、連続重合のために密閉した。連続反応の間、バッチ温度は約323°F(161.67℃)から約336°F(168.89℃)に上昇した。1時間後、試料を反応混合物から取り除いた。ポリマーIVは、0.58であり、混合物中の未反応のIOAは、混合物の全重量に対して12.2重量%であった。
上記の試料を取った50分後に、400.0グラムの酢酸エチルに溶かした10.0グラムのジ-t-アミルペルオキシドの混合物をバッチ内に加圧充填し、引き続いて、200.0グラムの酢酸エチルを投入管に急速に流入させた。バッチは、2回、約20〜30psig(241.31〜310.26kPa)に脱気して窒素によって約50psig(448.16kPa)に加圧することによって脱酸素した。反応器を、約50psig(448.16kPa)に加圧し、連続重合のために密閉した。バッチ温度は、この反応サイクル中、約335°F(168.33℃)であった。
上記の10グラムの開始剤を投入した40分後に、400.0グラムの酢酸エチルに溶かした6.0グラムのジ-t-アミルペルオキシドの混合物をバッチ内に加圧充填し、引き続いて、200.0グラムの酢酸エチルを投入管に急速に流入させた。バッチは、2回、約20〜30psig(241.31〜310.26kPa)に脱気して窒素によって約50psig(448.16kPa)に加圧することによって脱酸素した。反応器を、約50psig(448.16kPa)に加圧し、連続重合のために密閉した。バッチ温度は、この反応サイクル中、約335°F(168.33℃)であった。
1時間後に、試料を反応混合物から取り除いた。混合物中の未反応IOAは、混合物の全重量に対して6.3重量%であった。
さらに2時間後に、400グラムの酢酸エチル溶かした201.6グラムのIrganoxTM1010(テトラキス(メチレン(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマート))メタン)を、実施例1と同様にバッチに添加した。次に、200グラムの酢酸エチルを投入管に急速に流入させ、バッチに添加した。バッチは約320°F(160.00℃)において、約50〜60回転/分で撹拌した。
9時間後に、試料を反応混合物から取り除いた。混合物中の未反応IOAは、混合物の全重量に対して4.4重量%であった。次に、未反応の残留したモノマーおよび残留した酢酸エチルを、310°F(154.44℃)において低い真空下で反応混合物から取り除いた。蒸気を、外部熱交換器内で濃縮した。
得られた生成物は、ヘッドスペースにわずかに窒素圧をかけて反応器から容易にドレン抜きされた。ドレン抜きしたた生成物は、次の特性を有した:
Figure 0003837458
ポリマー生成物の粘着特性を試験するために、粘着力および剪断試験を、製膜した粘着性生成物(25マイクロメーターの乾燥皮膜厚さ)で行なった。粘着剤の被膜は、非常に滑らかで、ガラス状の仕上げ面を有し、可視的なポリマーゲル粒子を全く含まなかった。粘着剤は、紫外線に露光して後硬化した。3つの異なったレベルのUV放射線を、表4に示すように、粘着剤を硬化するために用いられた。後硬化をしない対照例もまた、表4の結果に含まれる。
Figure 0003837458
実施例 4
この実施例は、アクリレートホットメルト感圧粘着剤(イソオクチルアクリレート/アクリル酸モノマー比:90/10)を作製するために本発明のプロセスを使用することについて説明する。1つの本質的な断熱反応サイクルを用い、ホットメルト感圧粘着剤を作製するために未反応モノマーを取り除くことができるポリマーシロップを作製する。
次の成分を、75ガロン(284リットル)のステンレス鋼バッチ反応器に入れた:414.0ポンド(187.79kg)のイソオクチルアクリレート(IOA)、5.0グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、135.0グラムのイソオクチルチオグリコール酸、1605.0グラムの固形分26重量%の4-アクリロキシベンゾフェノン(ABP)を酢酸エチルに溶かした混合物、および46.0ポンド(20.87kg)のアクリル酸(AA)。
反応混合物は酸素を一掃し、重合反応を実施例 1と同様の方法で開始した。同反応を150°F(65.56℃)において開始し、約12分間、反応させた後に、実施例 1と同様の方法でジャケット水温にバッチ温度を追跡させ、得られたバッチ温度のピークは293°F(145.00℃)であった。
得られたポリマー生成物を分析すると、以下のようになった:
Figure 0003837458
処理のこの時点において、モノマーは、当業者には周知の技術と設備とを用いてポリマーから取り除くことができる。ポリマー生成物の粘着特性を試験するために、固形分が42.9重量%のポリマーシロップを、上記の方法を用いて乾燥皮膜厚さが23.75マイクロメートルに、ナイフで製膜した。粘着剤の被膜は、非常に滑らかで、ガラス状の仕上げ面を有し、可視的なポリマーゲル粒子を全く含まなかった。粘着剤は、紫外線に露光して後硬化した。表5に示すように、2つの異なったレベルのUV放射線を用い、粘着特性の試験用の粘着剤を硬化した。後硬化をしない対照例もまた、表5の結果に含まれる。
Figure 0003837458
実施例 5
Reactive System Screening Tool(RSST)を用いて、この実施例および下記のいろいろな実施例の重合反応を行なった。RSSTはフォースクアンドアソーシェイツインク(バーリッジ、イリノイ州)製の小さいカロリーメータであり、一定のわずかな入熱により、試験セル内の試料温度を最小0.25℃/分で上げる他に、この中で約10.0ミリリットルの試料をほとんど断熱状態で反応させることができる。非反応性の試料を加熱するときに、RSST温度制御装置は、所望の加熱速度を維持するという仕事を十分に果たす。−すなわち、加熱器が自動的に、周囲への熱損失に見合うようにその仕事率を増やし、所望の発熱率がよく得られる。しかし、本発明の実施において、試料が加熱されてそれが発熱反応し始めると、加熱器は、試料温度が上昇するとき、特に、高温において始めが速く次第にゆっくりになる反応については必ずしも熱損失に見合うようにその仕事率を増加させない。加熱器の仕事率は、試験セル内の物質の温度に比例して増加する周囲への熱損失にわずかに遅れる。例えば、重合をRSSTにおいて行い、加熱器を最小発熱率の0.25℃/分に設定するとき、重合が開始剤の減少のため終了するとき、試験セルの温度は瞬間的に上昇をやめ、しばしば数度、やや冷却されるが、やがて加熱器の仕事率がRSST温度制御プログラムによって増加し、結局、0.25℃/分において反応していない試料を加熱し続ける。それ故に、反応条件をできるだけ断熱条件に近く維持するために、加熱器は135℃を超える反応温度において0.25℃/分〜0.5/分の範囲に設定し、断熱重合を容易にするために反応中にいっそう正確に熱損矢を補うために加熱器の入力パワーを増加させる。より高い発熱率は、反応をより速くするために用いられる。RSSTを用いるこの熱プログラム方法は、反応器ジャケット水温がよくバッチ温度を追跡するように設定されているRSST重合と75ガロンの重合との温度プロフィールを比較することによって検証された。ここで実施例のために用いたRSSTの特にこのバージョンは、測温のために二重底加熱器とステンレス鋼製の燃料被覆熱電対とを含む。
この実施例は、ホットメルトアクリレート感圧粘着剤(イソオクチルアクリレート/メチルアクリレート/アクリル酸モノマー比:75/20/5)を作製するために本発明のプロセスを使用することについて説明する。2つの本質的な断熱反応サイクルを用い、残留した未反応のモノマーを真空除去しない。
下記の混合物を、RSST試験セルに入れた:5.92グラムのイソオクチルアクリレート、0.40グラムのアクリル酸、1.62グラムのメチルアクリレート、0.010グラムのイソオクチルチオグリコール酸、0.092グラムの固形分26重量%の4-アクリロキシベンゾフェノン(ABP)を酢酸エチルに溶かした混合物、0.20グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))を100グラムのイソオクチルアクリレートに溶かした0.08グラム。
RSST試験セルに反応混合物を入れると、それをRSST格納容器内に密閉した。磁気撹拌バーで撹拌しながら、反応混合物は、格納容器を窒素によって約300psig(2171.84kPa)に加圧し、約1分間保持し、約5psig(137.89kPa)に脱気し、および約1分間保持することによって脱酸素した。加圧と脱気を、合計5回繰り返した。次にRSST格納容器を、窒素によって約100psig(792.89kPa)に加圧し、反応温度が上昇するときに未反応モノマーの沸騰を抑えた。
RSST加熱器は、自動的に試験セル温度を室温から55℃まで1℃/分において上昇させ、次いで0.25℃/分において加熱するようにプログラムされている。重合は、約60℃において始まり(温度上昇速度が次第に増加することによって示される)、約27分の間に、温度は160℃に上昇し、ピークに達した。この時点においてRSST加熱器を切り、試料を約30℃に冷却した。
1回目の反応サイクルの反応生成物に、1.40グラムのイソオクチルアクリレート、0.10グラムのアクリル酸、0.40グラムのメチルアクリレート、0.023グラムの固形分26重量%の4-アクリロキシベンゾフェノン(ABP)を酢酸エチルに溶かした混合物、および0.10グラムの下記の混合物:100.0グラムのイソオクチルアクリレート、0.38グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,-ジメチルペンタンニトリル))、0.28グラムのVazoTM88(2,2-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))、0.05グラムのジ-t-アミルペルオキシド、0.15グラムのt-アミルヒドロペルオキシドを混合した。試験セルは再びRSST格納容器内に置かれ、1回目の反応サイクルと同じ方法を用いて脱酸素され、反応のために約100psig(792.89kPa)に加圧された。
この反応サイクルのために、RSSTは自動的に試験セルの温度を、1℃/分において55℃まで、0.5℃/分において60℃まで、0.25℃/分において135℃まで、0.5℃/分において180℃まで、および最後に0.25℃/分において185℃まで増加するように設定された。反応混合物が昇温して、それが約65℃に達したとき、重合が始まった。約90分後に、反応温度は約165℃においてピークに達した。この時点において断熱反応条件が放棄され、上記の前もってプログラムされた温度プロフィールによって、試料は185℃まで昇温され続け、360分間この温度において保持された。得られたポリマーの特性を分析すると、以下の通りであった:
Figure 0003837458
ポリマー生成物の粘着特性を試験するために、粘着力および剪断試験を、製膜した粘着性生成物(25マイクロメーターの乾燥皮膜厚さ)で行なった。粘着剤の被膜は、非常に滑らかで、ガラス状の仕上げ面を有し、可視的なポリマーゲル粒子を全く含まなかった。粘着剤は、紫外線に露光して後硬化した。2つの異なったレベルのUV放射線を、表6に示すように、粘着剤を硬化するために用いられた。後硬化をしない対照例もまた、表6の結果に含まれる。
Figure 0003837458
実施例6
この実施例は、アクリレートホットメルト感圧粘着剤を作製するために本発明のプロセスを使用することについて説明する。重合させられるモノマーの1つとして、末端がメタクリレートのスチレンマクロモノマを使用することについて明らかにし、粘着剤を後硬化する必要性をなくして粘着剤の内部力を強化する(イソオクチルアクリレート/スチレンマクロモノマ/アクリル酸モノマー比:87/6/7)。
下記の混合物を、RSST試験セルに添加した:
8.88グラムの以下の混合物:79.06グラムのイソオクチルアクリレート、7.00グラムのアクリル酸、0.127グラムのイソオクチルチオグリコール酸、および0.05グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))を90.0グラムのイソオクチルアクリレートに溶かした2.50グラムの溶液。また末端がメタクリレートのスチレンマクロモノマをイソオクチルアクリレートに溶かした52.5重量%溶液の1.14グラムを試験セルに添加した。末端がメタクリレートのスチレンマクロモノマは、重量平均分子量が約10,000、多分散度が約1.0であり、米国特許第4,732,808号の実施例M-1に記載された方法で調製された。
RSST試験セルに反応混合物を入れると、それをRSST格納容器内に密閉した。磁気撹拌バーで撹拌しながら、反応混合物は、格納容器を窒素によって約300psig(2171.84kPa)に加圧し、約1分間保持し、約5psig(137.89kPa)に脱気し、および約1分間保持することによって脱酸素した。加圧と脱気を、合計5回繰り返した。次にRSST格納容器を、窒素によって約100psig(792.89kPa)に加圧し、反応温度が上昇するときに未反応モノマーの沸騰を抑えた。
RSST加熱器は、試験セル温度を室温から55℃に1℃/分において上昇させ、次いで55℃を超えた後、0.25℃/分において温度を上昇させるように設定されている。重合は、約64℃において始まり、約23分の間に、温度は133℃に上昇し、ピークに達した。次に、RSSTの加熱器を切り、試料を約30℃に冷却した。
1回目の反応サイクルの反応生成物に、0.10グラムの下記の混合物を混合した:100.0グラムのイソオクチルアクリレート、0.4792グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、0.2815グラムのVazoTM88(2,2-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))、0.1220グラムのジ-t-アミルペルオキシド。試験セルは再びRSST格納容器内に置かれ、1回目の反応サイクルと同じ方法を用いて脱酸素され、反応のために約50psig(448.16kPa)に加圧された。
RSSTは自動的に試験セルの温度を、1℃/分において55℃まで、0.5℃/分において60.0℃まで、および60.0℃を超えると0.25℃/分において増加するように設定された。反応混合物が昇温して、それが約65℃に達したとき、重合が始まった。約133分後に、反応温度は約160℃においてピークに達した。
ポリマー生成物は、IV値が0.53dl/グラムであった。ポリマー生成物の粘着特性を試験するために、粘着力および剪断試験を、製膜した粘着性生成物(21マイクロメーターの乾燥皮膜厚さ)で行なった。粘着剤の被膜は、非常に滑らかで、ガラス状の仕上げ面を有し、可視的なポリマーゲル粒子を全く含まなかった。粘着剤は、紫外線への露光によって後硬化しなかった。ポリマー生成物の粘着剤特性は、粘着性が60.7N/100ミリメートル、剪断値が1577分であった。ここに示した実施例において調製した他の粘着試料と比較して、この剪断値は、紫外放射によって硬化しなかった他の対照用試料よりずっと高い。
実施例 7
この実施例は、オクタデシルアクリレート/イソオクチルアクリレート/N、N-ジメチルアクリルアミドのモノマー比を50/14.3/35.7にして用い、ポリマーを作製するために本発明のプロセスを適用することについて説明する。
以下の成分を10ガロン(37.9リットル)のステンレス鋼バッチ反応器に入れた:17.7ポンド(8.03kg)のオクタデシルアクリレート、5.1ポンド(2.31kg)のイソオクチルアクリレート、12.7ポンド(5.76kg)のN、N-ジメチルアクリルアミド、0.47グラムのVazoTM52(2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、および79.4グラムの3−メルカプト-1,2−プロパンジオール。2ブレード、アンカー型の反応器用撹拌器を回転数が毎分約75回に設定して、約20分間、窒素を反応混合物に通気させることにより、反応混合物は酸素を一掃した。次に、反応器のヘッドスペースを、窒素で約50psig(448.16kPa)に加圧し、反応のために密閉した。バッチを、140°F(60℃)に加熱し、反応が始まると、反応器のジャケット内の水温がバッチ温度を追跡するように設定した。27分間反応させた後、バッチ温度は276°F(135.5℃)においてピークに達した。次いで、バッチを125°F(51.7℃)に冷却した。次に、窒素圧を脱気した後で、下記の成分を反応器に添加した:1.08グラムのVazoTM52の(2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、0.60グラムのVazoTM88(2,2′-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))、0.51グラムのジ-t-アミルペルオキシド、100.0グラムのオクタデシルアクリレート、28.6のグラムイソオクチルアクリレート、および71.4グラムのN、N-ジメチルアクリルアミド。次に、反応混合物から酸素を一掃するために、ヘッドスペースを弱い真空状態にし、約20秒間、捕獲窒素を反応混合物に通気させた。次いで、バッチを約2psig(117.21kPa)に加圧した。再びヘッドスペースを弱い真空状態にし、捕獲窒素を約20秒間、反応混合物に通気させた。最後に、反応器ヘッドスペースを約50psig(448.16kPa)に加圧した。次に、反応混合物を、150°F(65.56℃)に昇温し、反応が始まると、反応器のジャケット内の水温がバッチ温度を追跡するように設定した。55分間反応させた後、バッチ温度は294°F(145.5℃)においてピークに達した。反応混合物は、次いで4時間、約280°F〜290°F(137.8℃〜143.3℃)に保持した。ポリマー生成物は、反応器中の膠着が本質的になく、約270°F(132.2℃)において40メッシュスクリーンを通して容易にドレン抜きした。得られたポリマーの特性を分析すると、以下のようになった:
Figure 0003837458
実施例 8
この実施例は、オクタデシルアクリレート/エチルアクリレート/メチルメタクリレートのモノマー比を30/33.4/36.6にして用い、ポリマーを作製するために本発明のプロセスを適用することについて説明する。
10.0グラムの以下の混合物をRSST試験セルに入れた:30%のオクタデシルアクリレート、33.4%のエチルアクリレート、および36.6%のメチルメタクリレート(全て重量%に基づく)。また、試験セルに、0.05グラムの3−メルカプト-1,2-プロパンジオールと、0.3グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))および0.3グラムのVazoTM67の(2,2'-アゾビス(2-メチルブタンニトリル))を25.0グラムのメチルメタクリレートに溶かした0.10グラムの混合物とを入れた。
RSST試験セルに反応混合物を入れると、それをRSST格納容器内に密閉した。磁気撹拌バーで撹拌しながら、反応混合物は、格納容器を窒素によって約300psig(2171.84kPa)に加圧し、約1分間保持し、約5psig(137.89kPa)に脱気し、および約1分間保持することによって脱酸素した。加圧と脱気を、合計5回繰り返した。次にRSST格納容器を、窒素によって約50psig(448.16kPa)に加圧し、反応温度が上昇するときに未反応モノマーの沸騰を抑えた。
RSST加熱器は、試験セル温度を55℃にまで1℃/分において上昇させ、次いで55℃を超えると、0.35℃/分において温度を上昇させるように設定されている。重合は、約65℃において始まり、約49分の間に、温度は149℃に上昇し、ピークに達した。次に、RSSTの加熱器を切り、試料を約30℃に冷却した。
次に、0.10グラムの下記の混合物を1回目の反応サイクルの反応生成物中に混合した:0.3グラムのVazoTM52(2,2'-アゾビス(2,4ジメチルペンタンニトリル))、0.3グラムのVazoTM67(2,2'-アゾビス(2-メチルブタンニトリル))、および0.3グラムのVazoTM88(2,2'-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))を25.0グラムのメチルメタクリレートに溶かした混合物。試験セルは再びRSST格納容器内に置かれ、1回目の反応サイクルと同じ方法を用いて脱酸素され、反応のために約50psig(448.16kPa)に加圧された。
RSSTは試験セルの温度を、1℃/分において55℃まで、次いで0.35℃/分において140℃まで上昇するようにプログラムされた。反応混合物が昇温して、それが約74℃に達したとき、重合が始まった。約30分後に、反応温度は約140℃においてピークに達した。この時点において、試料をさらに180分間、140℃に保持した。得られたポリマー特性を分析すると、以下のようになった:
Figure 0003837458
実施例9、10、11
一連のメチルメタクリレート(MMA)重合を、Reactive System Screening Tool(RSST)において行なった。それぞれの場合において、試験セルに、表7に示した量のメチルメタクリレート、n-オクチルメルカプタン、VazoTM52(2,2′-アゾビス(2,4-ジメチルペンタンニトリル))、VazoTM88(2,2′-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル))、およびジ-t-アミル ペルオキシドを入れた。ICIアクリリックス(セントルイス(St. Louis)、ミズーリ州)から供給されるメチルメタクリレートを、10ppmのMEHQ阻害剤(4-メトキシフェノール)とともに用いる。
Figure 0003837458
RSST試験セルに反応混合物を入れると、それをRSST格納容器内に密閉した。磁気撹拌バーで撹拌しながら、反応混合物は、格納容器を窒素によって約300psig(2171.84kPa)に加圧し、約1分間保持し、約5psig(137.89kPa)に脱気し、および約1分間保持することによって脱酸素した。加圧と脱気を、合計5回繰り返した。次にRSST格納容器を、窒素によって加圧し、反応温度が上昇するときに未反応モノマーの沸騰を抑えた。
RSSTを実施例9および10のために約50psig(448.16kPa)に加圧し、実施例 11のために約100psig(792.89kPa)に加圧した。RSST加熱器は、試験セル温度を室温から55℃まで1℃/分において上昇させ、次いで55℃を超えると0.25℃/分において加熱するように設定されている。昇温中および重合中の反応混合物の温度を、図3に示す。それぞれの場合において、温度上昇の速度が約0.25℃に落ちると、RSSTの加熱器を止めた。それぞれの場合において、重合反応は約58〜60℃において始まった(温度上昇の速度が0.25℃/分を超えた)。
固形分測定から求めた変換量、各々の実験のGPCデータ、およびIVデータを表8に示す。示された変換値は、最終の反応混合物中のポリマーの重量%である。GPCは、ポリ(スチレン)標準液で較正されたので、表8に示した分子量は、絶対量であることを意味していない。
Figure 0003837458
表8に示すように、得られた多分散度値は非常に低い。実際に、それらはMMAのフリーラジカル重合で得られる最小値の2.0に近い(『On the Mathematical Modeling of Polymerization Reactors』、レイ、W.H著、J. Macromol. Sci. Macromol. Chem.、C8(1)、1、1972年)。ポリ(メチルメタクリレート)二次標準液が比較用に測定された。二次標準液は、サイエンティフィック・ポリマー・プロダクツ・インク製であった。試料ジャー上に示されたそのMwは、93,300であり、同ジャー上に示されたそのMnは46,400であった。実施例の多分散度の測定値はすべて、多分散度が2.01の二次標準液よりも小さかった。
MMAの等温重合は、分子量における増加を伴い、分子量分布を広げる重合速度の自動加速に示すことが知られている。この自動加速は、等温重合のためにモノマー中のポリマー含量が20重量%にしかならない(Principles of Polymer Chemistry、P・J・Flory、コーネル大学出版、1953)。変換の増加によって分子量分布の多分散度が約2.0になるので、これにより、温度プロフィールの上昇が自動加速現象を抑えて分子量分布を狭くできることが示される。
理論的には、有意のゲル作用が存在しないとき、温度制御したフリーラジカル重合は、重合が進むとき、分子量分布の拡大を最小限に抑えるために温度プロフィールを減少させなければならない(サックス(Sacks)ら、『Effect of Temperature Variations Molecular Weight Distributions: Batch, Chain Addition Polymerizations』、Chem. Eng. Sci.、28、241、1973年)。温度が低下するにつれて、特に反応によってポリマー含量が増加することと組合わさると粘度がますます扱いにくくなるので、温度プロフィールの減少はこの場合、望ましくない結果を生むであろう。
この発明は、特定の実施態様に関して記載されるが、さらに修正が可能であると理解されるべきである。この請求の範囲は、当業者がここに記載された内容の化学的同等物として理解するそれらの変種に及ぶものである。

Claims (2)

  1. (a)(i)フリーラジカル(共)重合性ビニルモノマーと、
    (ii)任意の連鎖移動剤と、
    (iii)任意の架橋剤と、
    (iv)少なくとも1種のフリーラジカル熱開始剤と、
    (v)任意に、フリーラジカル重合性モノマーの重合物を含むポリマーと、
    を含む非不均一性混合物であって、溶媒を含まないか又は該混合物の全重量に対して20重量%未満の溶媒を含む混合物をバッチ反応器内に提供するステップと、
    (b)該混合物がまだ脱酸素されていない場合に、該混合物を脱酸素するステップであって、ステップ(b)はステップ(c)と任意に少なくとも一部分が重なることができるステップと、
    (c)重合を開始するために十分な開始剤フリーラジカルを少なくとも1種のフリーラジカル熱開始剤から生じるのに十分な温度に、該混合物を加熱するステップと、
    (d)該混合物を、反応の進行中にバッチへまたはバッチから交換された全てのエネルギーの絶対値の合計が、重合が起こっている間に生じた対応する量の重合の反応により放出された総エネルギーの15%未満となるように本質的な断熱条件下で重合させて少なくとも一部分が重合した混合物を生じるステップと、
    (e)任意に、該混合物を加熱して、開始剤フリーラジカルを生じていない開始剤の一部または全てからフリーラジカルを生じさせ、引き続いて該混合物を本質的な断熱条件下で重合させて、さらに重合した混合物を生じるステップと、
    (f)任意にステップ(e)を1回以上繰り返すステップと、を含むビニルモノマーをフリーラジカル重合させる方法。
  2. 請求項1記載の方法のステップを含み、
    (g)任意に該混合物を冷却するステップと、
    (h)バッチ反応器内の混合物に、ステップ(a)の開始剤と同一または異なっていてもよいステップ(h)の少なくとも1種のフリーラジカル熱開始剤と、任意にフリーラジカル重合性のモノマーと、任意に架橋剤と、任意に連鎖移動剤と、任意に、フリーラジカル重合性モノマーの重合物を含むポリマーと、を添加するステップにおいて、該混合物の温度が、ステップ(h)において添加された開始剤から開始剤フリーラジカルを生ずる温度より低くてもよいステップと、
    (i)該混合物がまだ脱酸素されていない場合に該混合物を脱酸素するステップと、
    (j)任意に、該混合物の温度が、ステップ(h)の開始剤から開始剤フリーラジカルを生ずる温度より低い場合には該混合物を加熱して開始剤フリーラジカルを少なくとも1種の開始剤から生じさせ、該混合物をさらに重合させるステップと、
    (k)該混合物を本質的な断熱条件下でさらに重合させてさらに重合した混合物を生じさせるステップと、
    (l)任意に、該混合物を加熱して、開始剤フリーラジカルを生じていない開始剤の一部または全てからフリーラジカルを生じさせ、引き続いて該混合物を本質的な断熱条件下で重合させて、さらに重合した混合物を生じるステップと、
    (m)任意にステップ(l)を1回以上繰り返すステップと、
    (n)任意にステップ(g)から(m)までを1回以上繰り返すステップと、を含むビニルモノマーをフリーラジカル重合させる方法。
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