JP3690684B2 - 固体電解質およびそれを含んだ全固体電池 - Google Patents

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Description

本発明は、全固体電池、特に全固体リチウム二次電池に用いられる固体電解質、ならびにその固体電解質を含む全固体電池に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、携帯電話などのポータブル機器の開発に伴い、その電源としての電池の需要が、非常に大きくなってきている。
上記のような用途に用いられる電池においては、従来から、イオンを移動させる媒体として、有機溶媒のような液体からなる電解質が使用されている。このため、電池からの電解質の漏液などの問題が生じる可能性がある。
このような問題を解決するために、液体の電解質の代わりに、固体電解質を用いる全固体電池の開発が進められている。中でも、全固体リチウム二次電池は、高エネルギー密度を得ることができる電池として各方面で盛んに研究が行われている。これは、Liが小さな原子量を有し、そのイオン化傾向が最も大きく、また電気化学的に最も卑な金属であるため、例えば、Li金属を負極活物質に用いると高い起電力が得られるからである。
上記全固体リチウム二次電池に用いられる固体電解質としては、例えば、ハロゲン化リチウム、窒化リチウム、リチウム酸素酸塩、およびこれらの誘導体などが知られている。特に、オルトリン酸リチウム(Li3PO4)に窒素(N)を導入して得られる窒化リン酸リチウム(LixPOyz(x=2.8、3z+2y=7.8))は、酸化物系の材料であるにも関わらず、(1〜2)×10-6S/cmの非常に高いリチウムイオン伝導性を有することが報告されている(特許文献1参照)。
米国特許第5,597,660号明細書
ところが、上記窒化リン酸リチウムが湿潤雰囲気に曝されると、窒化リン酸リチウムを構成するリン原子(P)は、湿潤雰囲気中の水分子と反応する。このとき、リン原子は、+5価の酸化状態からより低い酸化状態に還元される。これにより、窒化リン酸リチウムが分解してしまい、そのイオン伝導性が著しく低下する。
このようなイオン伝導性の低下が生じると、窒化リン酸リチウムからなる固体電解質を用いる全固体電池では、内部インピーダンスが増加する。このため、その充放電レート特性が著しく損なわれてしまう。
さらに、湿潤雰囲気下でのイオン伝導性の低下は、リン酸リチウムでも見られる。従って、このようなイオン伝導性の低下は、リン酸リチウムを骨格構造に持つ固体電解質材料において、本質的な問題である。
そこで、本発明は、湿潤雰囲気下でも、イオン伝導性の低下を抑制することができる固体電解質、ならびにそのような固体電解質を用いる全固体電池を提供することを目的とする。
本発明は、Li、O、Pおよび遷移金属元素からなる固体電解質に関する。
上記固体電解質において、遷移金属元素は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種である。
上記固体電解質、以下の式:
LixPTyz
(ここで、Tは遷移金属元素を表し、x=2〜7、y=0.01〜1、z=3.5〜8)によって表される組成物である。
上記式において、x=2〜3、y=0.01〜0.5、およびz=3.5〜4であることがさらに好ましい。
上記式において、x=2〜3、y=0.01〜1、およびz=3.505〜7であることがさらに好ましい。
上記式において、x=2.01〜7、y=0.01〜1、およびz=3.52〜8であることがさらに好ましい。
本発明は、また、正極、負極、および正極と負極との間に配置された、上記固体電解質を備える全固体電池に関する。
本発明により、湿潤雰囲気下でも、イオン伝導性の低下を抑制することができる固体電解質を提供することができる。
以下に、本発明の固体電解質およびその固体電解質を用いた全固体電池について説明する。
本発明の固体電解質は、リチウム(Li)、リン(P)、酸素(O)ならびに遷移金属元素Tからなる。例えば、この固体電解質は、リン酸リチウムと遷移金属元素Tとからなる。この場合、遷移金属元素Tは、原子レベルでリン酸リチウムに取り込まれていてもよいし、リン酸リチウムと遷移金属元素Tが粒子レベルで混合されていてもよい。また、本発明の固体電解質は、上記遷移金属元素Tの代わりに、遷移金属酸化物、またはリチウム含有遷移金属酸化物と、リン酸リチウムとから構成されてもよい。
このように、本発明の固体電解質には、遷移金属元素Tが含まれている。遷移金属元素Tは、リン原子と比較して、還元性が高く、かつ容易に価数が変化し得る。このような遷移金属元素Tを含む固体電解質が湿潤雰囲気に曝された場合、リン原子よりも、遷移金属元素Tが優先的に還元される。これにより、リン原子の大部分は、還元されずにもとの酸化数が維持され、固体電解質の分解が抑制される。従って、固体電解質の分解に起因するイオン伝導性の低下も抑制されることになる。
また、上記固体電解質を、式LixPTyzで表した場合、x=2〜7、y=0.01〜1、およびz=3.5〜8である。
本発明においては、上記のように、リン原子の還元を、遷移金属元素Tを添加することにより抑制している。このため、前記固体電解質を構成するリン酸リチウム中のリン原子に対する遷移金属元素Tのモル比y((Tのモル数)/(Pのモル数))が重要になる。上記のように、そのモル比yは、0.01〜1である。
リン原子に対する遷移金属元素Tのモル比yが、0.01未満である場合には、リン原子の還元を十分に抑制することができない。
一方、リン原子に対する遷移金属元素のモル比が1を超える固体電解質と還元性の強いLi金属とを接触させた場合、前記固体電解質とLi金属との間に不可逆な反応が生じる可能性がある。固体電解質とLi金属との間に不可逆な反応が生じると、Li金属は金属色を示さなくなる。また、このような固体電解質においては、固体電解質を構成するリン酸リチウムの骨格構造が壊れ、固体電解質のイオン伝導性が低下することになる。
更に、固体電解質が遷移金属元素Tの単体とリン酸リチウムとからなる場合、前記モル比yが0.5を超えると電子伝導性が増加する。このような電子伝導性が増加した固体電解質を全固体電池の固体電解質として用いると、その全固体電池が充電状態にある場合に、当該固体電解質が自己放電する可能性がある。
また、上記固体電解質においては、種々の遷移金属元素Tの単体の他に、種々の遷移金属酸化物またはリチウム含有遷移金属酸化物を用いてもよい。用いる遷移金属元素Tの単体、遷移金属酸化物またはリチウム含有遷移金属酸化物の種類やリン酸リチウムとの混合比等によって、固体電解質の組成は変化する。このため、xは2〜7であ、zは3.5〜8である。

次に、本発明の固体電解質の作製方法について説明する。
本発明の固体電解質は、例えば、リン酸リチウムおよび遷移金属元素Tの単体を原料として作製することができる。また、上記のように、遷移金属元素Tの単体の代わりに、遷移金属酸化物、またはリチウム含有遷移金属酸化物を用いてもよい。
また、用いられる代表的なリン酸リチウムとしては、オルトリン酸リチウム(Li3PO4)が挙げられるが、他のリン酸リチウム(LiPO3)やLi2OとP25の混合物などを用いることもできる。
以下に、リン酸リチウムと、遷移金属元素Tの単体、遷移金属酸化物またはリチウム含有遷移金属酸化物とから固体電解質を作製する方法について説明する。
(A)遷移金属元素Tの単体およびリン酸リチウムからなる固体電解質
本発明の固体電解質は、種々の方法で作製することができる。例えば、固体電解質の薄膜を作製する場合、その作製方法としては、真空下で行われる薄膜作製法を用いることができる。
上記真空下で行われる薄膜作製方法としては、スパッタリング法、蒸着法などが挙げられる。
上記スパッタリング法としては、例えば、マグネトロン、高周波発生装置などの手段により、アルゴン(Ar)雰囲気下、酸素(O2)雰囲気下、あるいはアルゴンと酸素との混合雰囲気下において、ターゲットをスパッタするスパッタリング法(例えば、rfマグネトロンスパッタリング法)などが挙げられる。
蒸着法としては、例えば、抵抗に通電することにより生じる熱で蒸着源を加熱することにより蒸着を行う抵抗加熱蒸着法、イオンビームにより蒸着源にイオンビームを照射して蒸着を行うイオンビーム蒸着法、蒸着源に電子ビームを照射して蒸着源を加熱することにより蒸着を行う電子ビーム蒸着法、蒸着源にレーザーを照射して蒸着源を加熱することにより蒸着を行うレーザーアブレーション法などが挙げられる。
例えば、スパッタリング法を用いて、固体電解質を作製する場合、ターゲットとして、リン酸リチウムターゲットと遷移金属元素ターゲットの両方のターゲットが用いられる。また、リン酸リチウムに、遷移金属元素Tの単体を所定の混合比で混合してものを、ターゲットとして用いることもできる。
蒸着法を用いて固体電解質の薄膜を作製する場合には、リン酸リチウム蒸着源と遷移金属元素蒸着源の両方が、蒸着源として用いられる。また、リン酸リチウムに、遷移金属元素Tの単体を所定の混合比で混合したものを蒸着源として用いることもできる。
リン酸リチウムに遷移金属元素Tの単体を混合したものを、ターゲットまたは蒸着源として用いる場合、その混合比は、所望の固体電解質の組成に応じて、適宜調節される。
蒸着法を用いて固体電解質を作製する場合には、リン酸リチウムの蒸着に抵抗加熱蒸着法を用い、遷移金属元素Tの蒸着に電子ビーム蒸着法を用いるというように、リン酸リチウムおよび遷移金属元素Tに、異なる蒸着法を適用することも可能である。
固体電解質を作製する場合に用いられる遷移金属元素Tとしては、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、ルテニウム(Ru)、銀(Ag)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、白金(Pt)、および金(Au)よりなる群から選択される少なくとも1種が用いられる。もちろん、本発明の効果を損なわなければ、上記以外の遷移金属元素を用いることもできる。
このような固体電解質において、Li原子、リン原子および酸素原子の価数は、それぞれ+1価、+5価および−2価となる。遷移金属元素Tは、リン酸リチウム中に金属の状態で取り込まれていると考えられるため、0価とみなすことができる。
また、このような固体電解質を式LiαPTβOγで表した場合、α=2〜3、β=0.01〜0.5、およびγ=3.5〜4であることが好ましい。
(B)遷移金属酸化物とリン酸リチウムからなる固体電解質
本発明の固体電解質は、遷移金属酸化物とリン酸リチウムとから作製することもできる。この場合も、上記(A)のようなスパッタリング法や蒸着法を用いることができる。
用いられる遷移金属酸化物としては、酸化チタン(TiO2)、酸化バナジウム(V25、VO2)、酸化クロム(Cr23)、酸化マンガン(MnO2、Mn23)、酸化鉄(Fe23、Fe34)、酸化コバルト(Co34、CoO)、酸化ニッケル(Ni34、NiO)、酸化銅(CuO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ニオブ(Nb25)、酸化モリブデン(MoO2、MoO3)、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化銀(Ag2O、Ag22)、酸化タンタル(Ta25)、酸化タングステン(WO3、WO2)、酸化白金(PtO、PtO2)、および酸化金(Au23)よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。もちろん、本発明の効果を損なわなけならば、これら以外の酸化物を用いることもできる。
このような固体電解質を式LiαPTβOγで表した場合、α=2〜3、β=0.01〜1、およびγ=3.505〜7であることが好ましい。
また、遷移金属酸化物とリン酸リチウムとからなる固体電解質は、式LiaPOb−Tcdで表すこともできる。この場合、a=2〜3、b=3.5〜4、c=0.01〜1、およびd=0.005〜3であることが好ましい。
(C)リチウム含有遷移金属酸化物とリン酸リチウムからなる固体電解質
また、リチウム含有遷移金属酸化物とリン酸リチウムとから、本発明の固体電解質を作製することもできる。このような固体電解質を、式LiαPTβOγで表した場合、α=2.01〜7、β=0.01〜1、およびγ=3.52〜8であることが好ましい。
また、リチウム含有遷移金属酸化物とリン酸リチウムとからなる固体電解質を、式LiaPOb−Licdeで表すこともできる。この場合、a=2〜3、b=3.5〜4、c=0.01〜4、d=0.01〜1、およびe=0.02〜4であることが好ましい。
上記リチウム含有遷移金属酸化物としては、チタン酸リチウム(Li4TiO4、Li2TiO3)、バナジン酸リチウム(Li3VO4、LiVO3)、クロム酸リチウム(Li2CrO4)、マンガン酸リチウム(LiMnO4、Li2MnO2、LiMnO2)、リチウム鉄酸化物(LiFeO2)、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、リチウム銅酸化物(Li2CuO2)、ジルコン酸リチウム(Li4ZrO4、Li2ZrO3)、ニオブ酸リチウム(Li3NbO4、LiNbO3)、モリブデン酸リチウム(Li2MoO4)、タンタル酸リチウム(Li3TaO4、LiTaO3)、およびタングステン酸リチウム(Li2WO4)よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。もちろん、本発明の効果を損なわなければ、上記以外のリチウム含有遷移金属酸化物を用いることもできる。
次に、本発明の固体電解質を用いる全固体電池について、図面を参照しながら説明する。図1に、本発明の固体電解質を用いる全固体リチウム二次電池の縦断面図を示す。
図1の全固体リチウム二次電池は、基板11、ならびに基板11に順次積層されている、第1集電体12、第1電極13、固体電解質14、第2電極15、および第2集電体16からなる。図1では、第1電極13を正極とし、第2電極15を負極としている。第1電極13は、その全体が固体電解質14で完全に覆われている。第2電極15は、固体電解質14を介して、第1電極13と対向するように配置される。さらに、第2電極15は、その全体が第2集電体16で完全に覆われている。
なお、第1電極13が負極であり、第2電極15が正極であってもよい。
上記基板11としては、アルミナ、ガラス、ポリイミドフィルム等の電気絶縁性基板、シリコン等の半導体基板、あるいはアルミニウムや銅等の導電性基板などを用いることができる。ここで、基板はその表面粗さが小さいことが好ましいため、鏡面板など、表面が平らな基板を用いることが有用である。
第1集電体12としては、薄膜形成可能な電子伝導性材料からなるものを用いることができる。このような材料としては、白金、白金/パラジウム、金、銀、アルミニウム、銅、ITO(インジウム−錫酸化膜)などが挙げられる。また、上記材料以外でも、電子伝導性があり、かつ第1電極と反応しない材料を用いることができる。ただし、基板11として、アルミニウム、銅、ステンレス鋼などの導電性材料からなるものを用いる場合には、これが集電体として機能するので、第1集電体12は不要である。
正極である第1電極13としては、薄膜に形成可能な正極活物質材料からなるものを用いることができる。例えば、全固体リチウム二次電池の場合には、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウム(LiMn24)、または遷移金属酸化物である酸化バナジウム(V25)、酸化モリブデン(MoO3)、硫化チタン(TiS2)などからなるものを正極として用いることが好ましい。
負極である第2電極15としては、薄膜形成可能な負極活物質材料からなるものを用いることができる。例えば、全固体リチウム二次電池の場合には、グラファイト、ハードカーボンなどの炭素材料、シリコン(Si)、シリコン酸化物(SiOx(0<x<2))、スズ合金、リチウムコバルト窒化物(LiCoN)、Li金属またはリチウム合金(例えば、LiAl)などからなるものを負極として用いることが好ましい。
第2集電体16としては、薄膜形成可能な電子伝導性材料からなるものを用いることがでる。このような材料としては、白金、白金/パラジウム、金、銀、アルミニウム、銅、ITO、炭素材料などが挙げられる。また、上記の材料以外にも、電子伝導性であり、かつ固体電解質14および第2電極15と反応しない材料を用いることもできる。
図1の全固体電池には、上で説明したような固体電解質が用いられる。本発明の固体電解質は、湿潤雰囲気下でも高いイオン伝導度を維持することができる。このため、このような固体電解質を用いる全固体電池は、湿潤雰囲気下でも、その電池性能、例えば、充放電レート特性の低下を抑制することが可能となる。また、このような固体電解質が全固体電池に用いられる場合、その厚さは、0.1〜10μmであることが好ましい。
また、このような全固体電池を複数個積層して、積層電池とすることも可能である。
さらに、第2集電体16の上に、樹脂やアルミラミネートフィルムを積層して、電池の保護層とすることもできる。
本実施形態では、本発明のP、Li、Oおよび遷移金属元素Tからなる固体電解質を、全固体リチウム二次電池に用いた場合を示したが、全固体リチウム二次電池以外の電池にも、本発明の固体電解質を用いることができる。
次に、図1に示される全固体電池の作製方法について説明する。
図1に示される全固体電池は、例えば、基板11上に、第1集電体12、第1電極13、固体電解質14、第2電極15、および第2集電体16を、順番に積層することによって作製することができる。
次に、その作製方法を、具体的に説明する。
基板11上に、第1集電体12が、上記のような材料を用いて、スパッタリング法や蒸着法を用いて形成される。スパッタリング法としては、例えば、マグネトロン、高周波発生装置などの手段により、ターゲットを、アルゴン雰囲気下、酸素雰囲気下、あるいはアルゴンと酸素との混合雰囲気下でスパッタするスパッタリング法(例えば、rfマグネトロンスパッタリング法など)が挙げられる。蒸着法としては、抵抗加熱蒸着法、インビーム蒸着法、電子ビーム蒸着法、レーザーアブレーション法などが挙げられる。また、第1電極13、第2電極15および第2集電体16も、第1集電体12と同様に、スパッタリング法や蒸着法を用いて形成することができる。
次いで、第1集電体12上に、正極である第1電極13が、上記のような正極材料を用いて形成される。
次に、固体電解質14が、第1電極13を覆うようにして形成される。
固体電解質14は、上述したように、リン酸リチウムと、遷移金属元素Tの単体、遷移金属酸化物、またはリチウム含有遷移金属酸化物とを用いるスパッタリング法または蒸着法を用いて形成される。
次に、負極である第2電極15が、上記のような負極材料を用いて、固体電解質14の上に形成される。
最後に、第2集電体16が、上記のような集電体用材料を用いて、第2電極15を覆うように形成されることにより、全固体電池が作製される。
全固体電池を、所定の寸法および形状とするために、第1集電体12、第1電極13、固体電解質14、第2電極15、第2集電体16のそれぞれの寸法および形状を規定した所定のマスクを用いて、作製してもよい。
また、上記全固体電池は、上記スパッタリング法や蒸着法のような真空下での薄膜作製方法以外の方法を用いて作製することもできる。
以下に、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
固体電解質中に含まれる遷移金属元素Tの種類を変えて、試験セルを作製した。この試験セルは、図2に示されるように、シリコン基板21、白金集電体層22、固体電解質層23、および白金集電体層24から構成した。
まず、第1工程で、シリコン基板21の所定の位置に、白金をターゲットとするrfマグネトロンスパッタ法で、厚さ0.5μmの白金集電体層22を形成した。このとき、シリコン基板21としては、表面酸化され、鏡面研磨された、表面粗さが30nm以下のものを用いた。また、白金集電体層22の形成時には、窓(20mm×10mm)を有するメタルマスクを用いた。
第2工程で、白金集電体層22上に、rfマグネトロンスパッタリングを2時間行うことにより、厚さ1.0μmの固体電解質層23を形成した。このとき、窓の寸法が、15mm×15mmであるメタルマスクを用いた。
rfマグネトロンスパッタリングにおいては、ターゲットとして、オルトリン酸と、表1に示される遷移金属元素Tとを用いた。スパッタガスとしては、アルゴンを使用した。用いられる装置のチャンバー内圧を2.7Paとし、ガス導入量を10sccmとし、オルトリン酸リチウムターゲットに照射される高周波のパワーを200wとした。また、遷移金属元素Tターゲットに照射される高周波のパワーを制御して、リン原子に対する遷移金属元素Tのモル比が0.2となるようにした。これにより、固体電解質の組成を、すべてLi2.8PT0.23.9とした。
第3工程で、固体電解質層23の上に、固体電解質層23からはみ出さないように、白金をターゲットとするrfマグネトロンスパッタ法で、厚さ0.5μmの白金集電体層24を形成して、図2に示されるような試験セルを作製した。ここで、白金集電体層を形成するとき、10mm×10mmの寸法の窓を有するメタルマスクを用いた。
このようにして得られた試験セルを、それぞれセル1〜17とした。比較として、固体電解質が遷移金属元素Tを含まない試験セルを作製し、これを比較セル1とした。
次に、これらのセルを用いて、湿潤雰囲気下で2週間保存した後、試験セルのイオン伝導度の変化について調べた。
まず、作製直後に、試験セルの交流インピーダンスを測定した。
次いで、その試験セルを、相対湿度が50%で、温度が20℃の恒温槽中で2週間保存した。
2週間保存した後、試験セルの交流インピーダンスを測定した。
ここで、上記交流インピーダンスの測定において、平衡電圧をゼロとし、印加される電圧の振幅を±10mVとし、そして用いられる周波数領域を105Hzから0.1Hzまでとした。交流インピーダンス測定の結果から、イオン伝導度を求めた。得られた結果を表1に示す。
ここで、表1において、2週間保存した後のセルのイオン伝導度は、試験セル作製直後のイオン伝導度に対する百分率値として示した。
Figure 0003690684
表1に示されるように、遷移金属元素Tとリン酸リチウムから作製された固体電解質においては、湿潤雰囲気下で2週間保存しても、イオン伝導度は、大きく変化しなかった。しかし、遷移金属元素Tを含まない従来の固体電解質においては、湿潤雰囲気下での保存により、そのイオン伝導性が大きく低下していた。
遷移金属元素Tとしてタングステン(W)を用い、リン原子に対するWのモル比を、表3に示されるように変化させたこと以外、実施例1と同様にして、試験セルを作製した。得られた試験セルを、それぞれ、セル18〜25とした。また、比較として、固体電解質がタングステンを含まない試験セルを作製し、これを比較セル2とした。なお、この比較セル2は、上記比較セル1と同じものである。
これらのセルについて、イオン伝導度の測定を、実施例1と同様にして行った。得られた結果を、表2に示す。
また、これらのセルにおけるイオン伝導度に対する電子伝導度の割合を調べた。
作製直後の試験セルに、平衡電圧から+1.0Vの電圧を印加して、1時間後に流れる電流値を測定した。この得られた結果から、電子伝導度を求めた。試験セル作製直後のイオン伝導度に対する電子伝導度の割合を、電子伝導度/イオン伝導度比率として、表2に示す。
Figure 0003690684
表2に示されるように、リンに対するタングステンのモル比が、0.01以上の場合は、湿潤雰囲気下で保存しても、そのイオン伝導度は、大きくは変化しなかった。しかし、リンに対するタングステンのモル比が、0.005の場合には、湿潤雰囲気下での保存により、イオン伝導度が大きく低下した。
また、リンに対するタングステンのモル比が0.50の場合、電子伝導度比率は、非常に低かった。一方、リンに対するタングステンのモル比が0.50より大きくなると、電子伝導度比率は、高くなった。
これらの結果より、リン原子に対する遷移金属元素のモル比は、0.01〜0.5であることが好ましい。
固体電解質を形成するときに、遷移金属元素Tの単体の代わりに、表3に示される遷移金属酸化物を用いたこと以外、実施例1と同様にして試験セルを作製した。得られた試験セルを、それぞれセル26〜39とした。また、セル26〜39における固体電解質の組成を表3に示す。
また、比較として、固体電解質が遷移金属酸化物を含まない試験セルを作製し、これを比較セル3とした。なお、この比較セル3は、上記比較セル1と同様なものである。
これらのセルについて、実施例1と同様にして、イオン伝導度を求めた。得られた結果を、表3に示す。
Figure 0003690684
表3に示されるように、セル26〜39については、湿潤雰囲気下で2週間保存しても、イオン伝導度は、大きくは変化しなかった。一方、遷移金属元素を含まない従来の固体電解質を用いた比較セル3では、湿潤雰囲気下での保存により、そのイオン伝導性が大きく低下した。
固体電解質を形成する場合に、遷移金属元素Tの単体の代わりに、表4に示されるようなリチウム含有遷移金属酸化物を用いたこと以外、実施例1と同様にして、試験セルを作製した。このようにして得られた試験セルを、それぞれ、セル40〜48とした。また、セル40〜48における固体電解質の組成を表4に示す。
また、比較として、固体電解質がリチウム遷移金属酸化物を含まない試験セルを作製し、これを比較セル4とした。なお、この比較セル4は、上記比較セル1と同様なものである。
これらのセルについて、実施例1と同様にして、イオン伝導度を測定した。得られた結果を、表4に示す。
Figure 0003690684
表4に示されるように、本発明の固体電解質においては、湿潤雰囲気下で2週間保存しても、イオン伝導度は、大きく変化しなかった。しかし、遷移金属元素を含まない従来のリン酸リチウムからなる固体電解質においては、湿潤雰囲気下での保存により、イオン伝導性が大きく低下した。
固体電解質の形成時に、遷移金属元素Tの単体の代わりに、リチウム含有遷移金属酸化物であるタングステン酸リチウム(Li2WO4)を用いた。リン原子(P)に対するタングステンのモル比を、表5に示されるように変化させたこと以外、実施例1と同様にして、試験セルを作製した。このようにして得られた試験セルを、それぞれ、セル49〜54とした。なお、セル51は、実施例4のセル48と同じものである。
これらのセルについて、実施例1と同様にして、イオン伝導度を測定した。得られた結果を、表12に示す。
Figure 0003690684
表5に示されるように、湿潤雰囲気下で2週間保存しても、イオン伝導度は、大きく変化しなかった。
次に、表5に示される組成で表される固体電解質とLi金属との反応性を調べるため、図3に示されるような試験セルを作製した。この試験セルは、シリコン基板31、白金集電体層32、固体電解質層33、およびリチウム金属層34から構成した。
この試験セルは、図2に示される試験セルの白金集電体層24の代わりに、Li金属層34を、抵抗加熱蒸着法で形成したこと以外、実施例5と同様にして作製した。このようにして得られた試験セルを、それぞれ、セル55〜60とした。
得られたセルを、露点温度が−40℃のドライエアー環境下にある部屋に設置した20℃の恒温槽の中に2週間保存した。保存後のこれらのセルのLi金属層の状態を目視で観察した。表6に、その結果を示す。
Figure 0003690684
表6に示されるように、セル60では、固体電解質とLi金属とが反応し、Li金属層が黒色に変化していた。一方、セル55〜59では、これらのセルをドライエアー環境下で2週間保存したとしても、Li金属層が安定に存在していた。この結果により、リン原子に対するタングステンのモル比が0.01〜1である場合には、固体電解質とLi金属層とが、反応しないことがわかる。
以上により、リン原子に対する遷移金属元素Tのモル比が、0.01〜1であればよいことがわかる。
リン酸リチウムと遷移金属元素からなる固体電解質を含む全固体電池を作製した。
本実施例においては、図1に示されるような全固体電池を作製した。ここで、第1電極は正極とし、第2電極は負極とした。
まず、第1工程において、シリコン基板11上に、rfマグネトロンスパッタ法で、白金からなる第1集電体層12を形成した。ここで、シリコン基板11としては、表面酸化され、鏡面研磨された、表面粗さが30nm以下のものを用いた。白金集電体層12を形成するときには、窓(20mm×12mm)を有するメタルマスクを用いた。また、白金集電体層12の厚さを、0.5μmとした。
第2工程において、コバルト酸リチウム(LiCoO2)をターゲットとして用いるrfマグネトロンスパッタリングを2時間行った。これにより、白金集電体層12上に、正極としてコバルト酸リチウムからなる第1電極層13を形成した。このとき、窓の寸法が10mm×10mmであるメタルマスクを用いた。また、第1電極層13の厚さを、1μmとした。
ここで、rfマグネトロンスパッタリングにおいて、その装置のチャンバー内圧を2.7Paとした。スパッタガスとしてはアルゴンと酸素との混合ガスを使用し、ガス導入量を、それぞれ7.5sccmおよび2.5sccmとした。また、コバルト酸リチウムターゲットに照射される高周波のパワーを、200Wとした。
第3工程において、rfマグネトロンスパッタリングを2時間行うことにより、第1電極層13上に、厚さ1μmの固体電解質層14を作製した。このとき、窓の寸法が15mm×15mmであるメタルマスクを用いた。
ここで、rfマグネトロンスパッタリングのターゲットとして、オルトリン酸リチウムとタングステン(W)の2種類を用いた。また、スパッタガスとしてはアルゴン(Ar)を使用した。
rfマグネトロンスパッタリングにおいて、その装置のチャンバー内圧を2.7Paとし、ガス導入量を10sccmとし、オルトリン酸リチウムターゲットに照射される高周波のパワーを200Wとした。また、リン原子に対するタングステンのモル比が0.2となるように、タングステンターゲットに照射される高周波のパワーを制御した。
第4工程において、固体電解質層14上に、抵抗加熱蒸着法により、負極である第2電極層15を形成した。このとき、窓の寸法が、10mm×10mmであるメタルマスクを用いた。また、第2電極層15の厚さを、0.5μmとした。
最後に、第5工程において、rfマグネトロンスパッタ法により、第2電極層15を完全に覆うように、厚さ1.0μmの第2集電体層16を形成して、試験電池を作製した。ここで、第2集電体層16の形成時、窓の寸法が20mm×12mmであるメタルマスクを用いた。また、形成された第2集電体層16と第1集電体層12とが接触しないようにした。このようにして得られた試験電池を、電池1とした。
比較として、固体電解質がリン酸リチウムのみからなる試験電池を作製し、この電池を比較電池1とした。
得られた電池1と比較電池1の耐湿性を評価した。
まず、これらの電池を、相対湿度が50%で、温度が20℃の恒温槽中で2週間保存した。次いで、これら電池1および比較電池1の交流インピーダンスを測定した。
この交流インピーダンスの測定において、平衡電圧をゼロとし、印加される電圧の振幅を±10mVとし、また、用いられる周波数領域を105Hzから0.1Hzまでとした。
交流インピーダンス測定から得られた結果から、これらの電池の内部インピーダンスを決定した。得られた内部インピーダンス値を表7に示す。表7において、2週間保存した後の電池の内部インピーダンスは、電池作製直後の内部インピーダンスに対する百分率値として示した。
Figure 0003690684
表7に示されるように、本発明の固体電解質を用いた試験電池においては、湿潤雰囲気下で2週間保存したとしても、その内部インピーダンスは大きく変化しなかった。しかし、遷移金属元素を含まない従来の固体電解質を用いた比較電池1においては、内部インピーダンスが大きくなった。これは、湿潤雰囲気下での保存により固体電解質が劣化したためと考えられる。
固体電解質を形成するときに、リチウム含有遷移金属酸化物であるタングステン酸リチウム(Li2WO4)を用い、固体電解質の組成を、Li3.2PW0.14.4、Li3.5PW0.255.0、またはLi3.66PW0.335.32としたこと以外、実施例7と同様にして、試験電池を作製した。このようにして得られた試験電池を、それぞれ、電池2〜4とした。
これらの電池2〜4について、湿潤雰囲気下で2週間保存した後の内部インピーダンスを、実施例7と同様にして測定した。得られた結果を表8に示す。
Figure 0003690684
表8に示されるように、電池2〜4においては、湿潤雰囲気下で2週間保存したとしても、その内部インピーダンスは、大きく変化しなかった。
以上より、本発明の固体電解質を用いた全固体電池は、湿潤雰囲気下にある場合にも、その電気化学的な特性、例えば、充放電レート特性の劣化を抑制できることがわかる。
本発明により、湿潤雰囲気下で使用される場合でも、そのイオン伝導が高く維持される固体電解質を提供することができる。このような固体電解質は、全固体電池の固体電解質として使用することができる。
本発明の固体電解質を備える全固体電池の縦断面図を概略的に示す。 実施例において作製した試験セルの縦断面図を概略的に示す。 固体電解質上に、集電体の代わりに、Li金属層が形成された試験セルの縦断面図を概略的に示す。
符号の説明
11 基板
12 第1集電体
13 第1電極
14 固体電解質
15 第2電極
16 第2集電体
21、31 シリコン基板
22、24、32 白金集電体層
23、33 固体電解質層
34 リチウム金属層

Claims (5)

  1. Li、O、Pおよび遷移金属元素からなる固体電解質であって、以下の式:
    LixPTyz
    (ここで、Tは、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Ag、Ta、W、PtおよびAuよりなる群から選択される少なくとも1種の遷移金属元素であり、x=2〜7、y=0.01〜1、z=3.5〜8)
    によって表される固体電解質。
  2. 前記式において、x=2〜3、y=0.01〜0.5、およびz=3.5〜4である請求項に記載の固体電解質。
  3. 前記式において、x=2〜3、y=0.01〜1、およびz=3.505〜7である請求項に記載の固体電解質。
  4. 前記式において、x=2.01〜7、y=0.01〜1、およびz=3.52〜8である請求項に記載の固体電解質。
  5. 正極、負極、および前記正極と前記負極との間に配置された請求項1〜のいずれかに記載の固体電解質を備える全固体電池。
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