JP2006156284A - リチウムイオン導電体およびそれを用いた二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】 イオン導電率の高いリチウムイオン導電体、および良好な大電流放電特性を有する全固体リチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】 複合酸化物からなるリチウムイオン導電体であって、前記複合酸化物は、Li、P、O、ハロゲン元素Xおよび元素Lからなり、かつ、以下の組成式:
LiaPObXcLd
で表される。ハロゲン元素Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種であり、元素Lは、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種である。また、上記組成式において、0.05≦a≦6、0.5≦b≦10、および0.05≦c≦5、0.0005≦d≦1.5である。
【選択図】図3
【解決手段】 複合酸化物からなるリチウムイオン導電体であって、前記複合酸化物は、Li、P、O、ハロゲン元素Xおよび元素Lからなり、かつ、以下の組成式:
LiaPObXcLd
で表される。ハロゲン元素Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種であり、元素Lは、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種である。また、上記組成式において、0.05≦a≦6、0.5≦b≦10、および0.05≦c≦5、0.0005≦d≦1.5である。
【選択図】図3
Description
本発明は、リチウムイオン導電率に優れたリチウムイオン導電体および前記リチウムイオン導電体を固体電解質に用いた全固体リチウムイオン二次電池に関する。
近年、ICカードや電子タグ、小型センサ、医療用マイクロマシンなどの高機能小型機器・部品の開発が盛んに行われており、それに伴い動力源となる電池にも高信頼性、薄型化、小型化が要求されている。これらの要求を達成するために、薄膜電池、特に電解質として無機固体電解質を用いた全固体リチウムイオン二次電池の研究が盛んに行われている。
全固体リチウムイオン二次電池において、一番重要なのは固体電解質である。このため、薄膜作製や取り扱いの容易さ、あるいはリチウムに対する反応性、分解電圧などの立場から、酸化物系の固体電解質材料の開発が行われている。その中でも、Li3PO4をベースとした固体電解質材料の開発が盛んに行われている。例えば、Li3PO4とLi4SiO4の固溶体であるLi3.75P0.25Si0.75O4は、室温で4.8×10-7S/cmの導電率を有することが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、Oak Ridge National Laboratory(ORNL)のBatesらは、固体電解質にLiPONを用いた全固体電池を報告している(例えば、特許文献1参照)。ここで、LiPONとは、Li3PO4を窒素雰囲気中でスパッタリングすることで得られる、Li3PO4に窒素が導入されたリチウムイオン導電体である。上記特許文献1において、LiPONのイオン導電率は1×10-6S/cm程度であることが報告されている。
米国特許第5597660号明細書
R.D.Shannon,B.E.Taylor,A.D.English and T.Berzins,"Electrochimica Acta",1977年,第22巻,p.783−796
従来のリチウムイオン導電体は、上述のように、リチウムイオン導電率が10-6S/cm程度と不十分である。リチウムイオン導電体のリチウムイオン導電率が低いと、例えば、これを全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質に用いた場合、電池の内部抵抗が大きくなる。そのため、電圧降下が大きくなり、良好な大電流放電特性が得られない。
そこで、本発明は、イオン導電率の高いリチウムイオン導電体、および良好な大電流放電特性を有する全固体リチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、複合酸化物からなるリチウムイオン導電体に関する。この複合酸化物は、Li、P、O、ハロゲン元素Xならびに元素Lからなる。ハロゲン元素Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種であり、元素Lは、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種である。また、この複合酸化物は、以下の組成式:
LiaPObXcLd
で表され、ここで、0.05≦a≦6、0.5≦b≦10、および0.05≦c≦5、0.0005≦d≦1.5である。
上記のような構成とすることにより、リチウムイオン導電体のイオン導電率を、7×10-6(S/cm)以上にすることができる。
LiaPObXcLd
で表され、ここで、0.05≦a≦6、0.5≦b≦10、および0.05≦c≦5、0.0005≦d≦1.5である。
上記のような構成とすることにより、リチウムイオン導電体のイオン導電率を、7×10-6(S/cm)以上にすることができる。
上記組成式において、0.0005≦d≦0.5であることが好ましく、0.0005≦d≦0.15であることがさらに好ましい。Pに対する元素Lのモル比dが、このような範囲にあることにより、リチウムイオン導電体のイオン導電性をさらに向上させることが可能となる。
また、本発明は、上記のようなリチウムイオン導電体を固体電解質に用いる全固体リチウムイオン二次電池に関する。上記のようなリチウムイオン導電体を固体電解質として用いることにより、大電流放電特性が良好な全固体リチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明により、イオン導電率に優れたリチウムイオン導電体を提供することができる。また、本発明のリチウムイオン導電体からなる固体電解質を用いることにより、大電流放電特性が良好な全固体リチウムイオン二次電池を提供することができる。
本発明のリチウムイオン導電体は、Li、P、O、ハロゲン元素X、および元素Lからなる複合酸化物からなる。上記ハロゲン元素Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種である。また、上記元素Lは、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種である。
上記複合酸化物は、Li、PおよびOからなる酸化物、例えば、Li3PO4中の酸素の一部を、ハロゲン元素Xで置換したものと考えることができる。Li、PおよびOからなる酸化物は、その構造中に、ハロゲン元素Xを含有することにより、リチウムイオン導電性が向上する。これは、酸素のイオン半径(1.32Å)と、ハロゲン元素のイオン半径(例えば、F(1.19Å)、Cl(1.67Å)、Br(1.82Å)、I(2.06Å))とが異なることから、イオン導電チャネルの大きさが変化するからである。酸素イオンよりイオン半径の大きな元素で酸素を置換するとイオン導電チャネルが広がるので、ハロゲン元素としては、FよりもCl、BrもしくはIの方が好ましい。
上記複合酸化物は、さらに元素Lを含んでいる。この複合酸化物において、元素Lと、ハロゲン元素Xや酸素との間に結合が形成されることにより、Liと他の元素との結合が弱くなり、結果としてLiイオンの導通チャネルが広がる。このため、イオン導電率をさらに向上させることが可能となる。
上記のように、本発明のリチウムイオン導電体において、イオン導電チャネルを広げることによりイオン導電率を向上させている。イオン導電チャネルの広がりを制御するには、リチウムイオン導電体中でのリン(P)に対する元素Lの割合を調節することが重要となる。
上記複合酸化物を、以下の組成式:
LiaPObXcLd
で表した場合、Pに対する元素Lのモル比は、0.0005≦d≦1.5である。Pに対するLiのモル比a、Pに対するOのモル比b、およびPに対するハロゲン元素Xのモル比cは、それぞれ、0.05≦a≦6、0.5≦b≦10、および0.05≦c≦5である。モル比dが0.0005未満であると、イオン導電チャネルが広がらず、充分なイオン導電率が得られない。一方、モル比dが1.5よりも大きくなると、可動イオン濃度が低下するため、充分なイオン導電率が得られない。
また、上記Pに対する元素Lのモル比dは、0.0005≦d≦1.5を満たすことが好ましく、0.0005≦d≦0.5を満たすことがさらに好ましく、0.0005≦d≦0.15を満たすことが特に好ましい。
LiaPObXcLd
で表した場合、Pに対する元素Lのモル比は、0.0005≦d≦1.5である。Pに対するLiのモル比a、Pに対するOのモル比b、およびPに対するハロゲン元素Xのモル比cは、それぞれ、0.05≦a≦6、0.5≦b≦10、および0.05≦c≦5である。モル比dが0.0005未満であると、イオン導電チャネルが広がらず、充分なイオン導電率が得られない。一方、モル比dが1.5よりも大きくなると、可動イオン濃度が低下するため、充分なイオン導電率が得られない。
また、上記Pに対する元素Lのモル比dは、0.0005≦d≦1.5を満たすことが好ましく、0.0005≦d≦0.5を満たすことがさらに好ましく、0.0005≦d≦0.15を満たすことが特に好ましい。
また、本発明において、ハロゲン元素Xの量が過剰となると、イオン導電チャネルが広がりすぎ、イオンの導通(移動)が困難となる。一方、ハロゲン元素Xの量が少なくなると、充分なイオン導電率が得られない。従って、ハロゲン元素Xの量を表すcの範囲は、0.05≦c≦5であることが必要となる。また、cの範囲は、0.05≦c≦3であることがより好ましい。また、以下に説明するような上記複合酸化物を作製するときの材料(例えば、元素Lの酸化物)等に依存して、bの範囲は変化する。このbの範囲は、0.5≦b≦10であり、3≦b≦5であることがより好ましい。
上記組成式において、Pに対するLiのモル比aの範囲は0.05≦a≦6である。リチウムイオン導電体中のLiの比率が多くなるにつれて、イオン導電キャリアが多くなるが、同時に空孔サイトが減少する。a<0.05になると、可動イオン濃度の低下により充分なイオン導電率が得られない。また、a>6となると、空孔サイトが少なくなり、Liイオンの移動度が低下してしまう。aの範囲は、2.5≦a≦3.5であることがより好ましい。
さらに、本発明のリチウムイオン導電体は、非晶質、結晶質のどちらであってもよい。
このようなリチウムイオン導電体は、7×10-6(S/cm)以上のリチウムイオン導電率を持たせることができるため、ガスセンサ、エレクトロクロミック素子、全固体電池などの用途に用いることができるが、特に、全固体リチウムイオン二次電池の固体電解質として好適である。
次に、本発明のリチウムイオン導電体の製造法について説明する。
本発明のリチウムイオン導電体の製造法は、特に限定されず、例えば、リチウムイオン導電体の薄膜を得る場合には、以下のような製造法が好適である。
本発明のリチウムイオン導電体の製造法は、特に限定されず、例えば、リチウムイオン導電体の薄膜を得る場合には、以下のような製造法が好適である。
上記薄膜を得るための第1の好適な方法は、高周波スパッタリング法を用いた薄膜の製造法である。この方法は、例えば、Li3PO4と元素Lの酸化物との混合物をターゲットとして用い、ハロゲンガス雰囲気中でスパッタリングを行う工程を包含する。このようなスパッタリング工程により、Li、P、O、ハロゲン元素Xおおよび元素Lを含む複合酸化物の薄膜が得られる。
また、ターゲットに、リチウムハロゲン化合物とLi3PO4と元素Lの酸化物との混合物を用いてAr雰囲気中でスパッタしても、Li、P、O、ハロゲン元素Xおよび元素Lを含む複合酸化物の薄膜が得られる。
第2の好適な方法は、蒸着法を用いた薄膜の製造法である。この方法は、例えば、Li3PO4と元素Lとの混合物をソースとして用い、ハロゲンガス雰囲気中で蒸着を行う工程を包含する。このような蒸着工程により、Li、P、O、ハロゲン元素Xおよび元素Lを含む薄膜が得られる。ソースの蒸発法としては、特に限定はなく、例えば、抵抗加熱法、電子ビーム法など、当該分野で公知の方法を採用することができる。
また、上記のような方法において、元素Lの酸化物の代わりに、元素Lの単体を用いてもよい。
また、上記のような方法において、元素Lの酸化物の代わりに、元素Lの単体を用いてもよい。
さらに、他のリチウムイオン導電体の薄膜の製造法として、レーザーアブレーション法、イオンプレーティング法、CVD法、ゾル−ゲル法、スクリーン印刷法、メカニカルミリング法等を用いることができる。
なお、複合酸化物からなる固体電解質の分野における当業者であれば、製造法に応じて好適な原料を選択し、好適な条件を設定して、所望の複合酸化物を得ることが可能である。
次に、本発明のリチウムイオン導電体を固体電解質として用いる全固体リチウムイオン二次電池について、図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明のリチウムイオン導電体を固体電解質として用いる、全固体リチウムイオン二次電池の一実施形態を示す縦断面図である。
図1は、本発明のリチウムイオン導電体を固体電解質として用いる、全固体リチウムイオン二次電池の一実施形態を示す縦断面図である。
本実施形態において、全固体リチウムイオン二次電池は、基板1、正極集電体2、正極3、固体電解質4、負極5、および負極集電体6からなる。基板1上には、正極集電体2、正極3が順に形成されており、正極3は、その全体が固体電解質4で完全に覆われている。固体電解質4の上には、負極5および負極集電体6が順に形成されている。このとき、負極5は、固体電解質4を介して、正極3と対向するように配置される。また、負極集電体6は、負極5を完全に覆うように配置されている。
固体電解質4には、本発明のリチウムイオン導電体からなるものが用いられる。固体電解質の厚さは、特に限定されないが、一般に0.1μm〜100μmである。
基板1としては、その上に薄膜形成が可能な基板であれば、特に限定されることなく用いることができるが、Pt、Au、Fe、Ni、Cu、Al、ステンレス鋼(SUS)、Al2O3、Si、SiO2、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミドなどから作製された基板を用いることが好ましい。
基板1としては、その上に薄膜形成が可能な基板であれば、特に限定されることなく用いることができるが、Pt、Au、Fe、Ni、Cu、Al、ステンレス鋼(SUS)、Al2O3、Si、SiO2、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミドなどから作製された基板を用いることが好ましい。
正極集電体2および負極集電体6としては、特に限定されることなく、当該分野で公知のものを使用することができるが、Pt、Au、Cu、Ni、Ti、Coなどから作製されたものを使用することが好ましい。正極集電体および負極集電体の厚さとしては、特に限定されないが、一般に0.1〜100μmである。
正極2としては、リチウムイオンを吸蔵・放出できる材料であれば、特に限定されることなく使用することができる。好ましくは、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiNi0.4Mn1.6O4、LiCo0.3Ni0.7O2、V2O5、MnO2等の遷移金属酸化物、LiCoPO4、LiFePO4、LiCoPO4F、LiFePO4F等のオリピン系酸化物、Li4Ti5O12、Li4Fe0.5Ti5O12、Li4Zn0.5Ti5O12などのスピネル構造を有するリチウムチタン酸化物、TiS2、LiFeS2等の硫化物、およびこれらの混合物等から作製されたものが、正極として用いられる。正極の厚さは、特に限定されないが、一般に0.1〜100μmである。
負極5としては、リチウムイオンを吸蔵・放出できる材料であれば、特に限定されることなく使用することができる。好ましくは、Li、Al、Zn、Sn、In、Si等の合金、グラファイト等の炭素材料、Nb2O5、Ta2O5、WO3、Fe2O3、TiO2等の酸化物、Li4Ti5O12、Li4Fe0.5Ti5O12、Li4Zn0.5Ti5O12などのスピネル構造を有するリチウムチタン酸化物、TiS2等の硫化物、LiCo2.6O0.4N等の窒素化合物、およびこれらの混合物等から作製されたものが、負極として用いられる。負極の厚さは、特に限定されないが、一般に0.1〜100μmである。
本実施形態の全固体リチウムイオン二次電池において、正極集電体2が基板1と接しているが、負極集電体6が基板1と接する構造も同様に可能である。
また、様々な回路基板上に、正極集電体もしくは負極集電体を成膜することも可能である。
さらに、基板として導電性材料を用いることにより、基板と正極集電体または基板と負極集電体とを兼用させることも可能である。
本実施形態において、基板上に電池が1つしか形成されていないが、複数の電池を積層した全固体リチウムイオン二次電池を製造することも可能である。
次に、全固体リチウムイオン二次電池の製造法について説明する。
全固体リチウムイオン二次電池は、正極、負極等の各部材を基板上に順に成膜することにより製造する。成膜は、スパッタリング法、CVD法、ゾル−ゲル法、スクリーン印刷法などを用いて行うことができる。
全固体リチウムイオン二次電池は、正極、負極等の各部材を基板上に順に成膜することにより製造する。成膜は、スパッタリング法、CVD法、ゾル−ゲル法、スクリーン印刷法などを用いて行うことができる。
具体的に、上記全固体リチウムイオン二次電池の製造法は、
(a)正極集電体または負極集電体を、基板上に形成する工程、
(b)前記正極集電体または負極集電体の上に、正極または負極を形成する工程、
(c)前記正極または負極の上に、固体電解質としてリチウムイオン導電体からなる膜を形成する工程であって、前記正極または負極が、前記リチウムイオン導電体からなる膜によって、完全に覆われる工程、
(d)前記リチウムイオン導電体からなる膜の上に、対極となる正極または負極を形成する工程、ならびに
(e)前記対極となる正極または負極を完全に覆うように、正極集電体または負極集電体を形成する工程
を包含する。
(a)正極集電体または負極集電体を、基板上に形成する工程、
(b)前記正極集電体または負極集電体の上に、正極または負極を形成する工程、
(c)前記正極または負極の上に、固体電解質としてリチウムイオン導電体からなる膜を形成する工程であって、前記正極または負極が、前記リチウムイオン導電体からなる膜によって、完全に覆われる工程、
(d)前記リチウムイオン導電体からなる膜の上に、対極となる正極または負極を形成する工程、ならびに
(e)前記対極となる正極または負極を完全に覆うように、正極集電体または負極集電体を形成する工程
を包含する。
上記全固体リチウムイオン二次電池の製造法において、必要ならば、熱処理等を行って、正極、負極等の各部材を結晶化する工程を実施することができる。
次に、本発明のリチウムイオン導電体と全固体リチウムイオン二次電池について、実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
《セル1〜14および電池1〜14の作製》
(i)基板上へのリチウムイオン導電体の薄膜の形成
ターゲットに、Li3PO4と、表1に示すような元素Lを含む金属酸化物とを混合したものを用いる高周波スパッタリングを、15mTorrのF2雰囲気下で行い、基板上にリチウムイオン導電体薄膜を形成した。ここで、スパッタリング時の高周波出力を200Wとし、ターゲットサイズをφ4インチとし、基板としては、Ptプレートを使用した。また、基板上に1cm角の形状のリチウムイオン導電体薄膜が形成されるように、基板上に、正方形の開口を有するステンレス鋼製マスク(厚さ20μm)を載置した。
(i)基板上へのリチウムイオン導電体の薄膜の形成
ターゲットに、Li3PO4と、表1に示すような元素Lを含む金属酸化物とを混合したものを用いる高周波スパッタリングを、15mTorrのF2雰囲気下で行い、基板上にリチウムイオン導電体薄膜を形成した。ここで、スパッタリング時の高周波出力を200Wとし、ターゲットサイズをφ4インチとし、基板としては、Ptプレートを使用した。また、基板上に1cm角の形状のリチウムイオン導電体薄膜が形成されるように、基板上に、正方形の開口を有するステンレス鋼製マスク(厚さ20μm)を載置した。
(ii)Pt電極の形成
Ptをターゲットとする高周波スパッタリングを、3mTorrのAr雰囲気下で行うことにより、上記リチウムイオン導電体薄膜の上に、電極としてPt薄膜を形成した。ここで、高周波出力を75Wとし、ターゲットサイズをφ4インチとした。
このようにして、得られたセルを、セル1〜14とした。
Ptをターゲットとする高周波スパッタリングを、3mTorrのAr雰囲気下で行うことにより、上記リチウムイオン導電体薄膜の上に、電極としてPt薄膜を形成した。ここで、高周波出力を75Wとし、ターゲットサイズをφ4インチとした。
このようにして、得られたセルを、セル1〜14とした。
なお、リチウムイオン導電体薄膜を作製した直後、その組成を、ICP分光分析法及び不活性ガス−インパルス加熱融解法にて測定した。このときのリチウムイオン導電体の組成は、表1に示す通りであった。
また、同時に、本発明のリチウムイオン導電体を固体電解質として使用する全固体リチウムイオン二次電池を作製した。詳細を以下に示す。
(i)正極集電体の作製
Ptをターゲットとする高周波スパッタリングを、3mTorrのAr雰囲気下で行うことにより、基板上に、正極集電体として厚さ0.2μmのPt薄膜を形成した。ここで、基板として、酸化膜(SiO2)でコーティングされたSi基板を用い、高周波出力を75Wとし、ターゲットサイズをφ3インチとした。
このとき、Pt薄膜の形成において、Pt薄膜が1.2cm角の形状で形成されるように、正方形の開口を有するステンレス鋼製マスク(厚さ20μm)を基板上に載置した。
(i)正極集電体の作製
Ptをターゲットとする高周波スパッタリングを、3mTorrのAr雰囲気下で行うことにより、基板上に、正極集電体として厚さ0.2μmのPt薄膜を形成した。ここで、基板として、酸化膜(SiO2)でコーティングされたSi基板を用い、高周波出力を75Wとし、ターゲットサイズをφ3インチとした。
このとき、Pt薄膜の形成において、Pt薄膜が1.2cm角の形状で形成されるように、正方形の開口を有するステンレス鋼製マスク(厚さ20μm)を基板上に載置した。
(ii)正極の作製
LiCoO2をターゲットとする高周波スパッタリングを、11mTorrのArと4mTorrのO2との混合雰囲気下で行うことにより、正極集電体上に正極としてLiCoO2薄膜を形成した。ここで、ターゲットサイズをφ4インチとし、高周波出力を200Wとした。また、スパッタリング中、基板温度を、800℃に保持した。
LiCoO2をターゲットとする高周波スパッタリングを、11mTorrのArと4mTorrのO2との混合雰囲気下で行うことにより、正極集電体上に正極としてLiCoO2薄膜を形成した。ここで、ターゲットサイズをφ4インチとし、高周波出力を200Wとした。また、スパッタリング中、基板温度を、800℃に保持した。
このとき、LiCoO2薄膜の形成においてLiCoO2薄膜が1.0cm角の形状で形成されるように、正方形の開口を有するステンレス鋼製マスク(厚さ20μm)をPt薄膜が形成された基板の上に載置した。
(iii)固体電解質の作製
固体電解質としては、セル1〜14に用いられるリチウムイオン導電体を、セル1〜14のリチウムイオン導電体を作製したとの同様の方法で、正極上に形成した。つまり、ターゲットにLi3PO4と表1に示されるような元素Lを含む金属酸化物とを混合したものを用いる高周波スパッタリングを、15mTorrのF2雰囲気下で行い、基板上に、固体電解質であるリチウムイオン導電体の薄膜を形成した。ここで、スパッタリング時の高周波出力を200Wとし、ターゲットサイズをφ4インチとした。
固体電解質としては、セル1〜14に用いられるリチウムイオン導電体を、セル1〜14のリチウムイオン導電体を作製したとの同様の方法で、正極上に形成した。つまり、ターゲットにLi3PO4と表1に示されるような元素Lを含む金属酸化物とを混合したものを用いる高周波スパッタリングを、15mTorrのF2雰囲気下で行い、基板上に、固体電解質であるリチウムイオン導電体の薄膜を形成した。ここで、スパッタリング時の高周波出力を200Wとし、ターゲットサイズをφ4インチとした。
このとき、固体電解質が正極であるLiCoO2薄膜を完全に覆うように、正方形の開口(1.5cm×1.5cm)を有するステンレス鋼製マスク(厚さ20μm)を、正極集電体、正極が順次に成膜された基板の上に載置した。
(iv)負極の作製
金属リチウムをソースとして用い、その金属リチウムを抵抗加熱により加熱する真空蒸着により、上記固体電解質膜の上に、負極となるLi薄膜を形成した。
このとき、Li薄膜が1cm角の形状で形成されるように、正方形の開口(1cm×1cm)を有するステンレス鋼製マスク(厚さ20μm)を、正極集電体、正極、固体電解質が順次に成膜された基板の上に載置した。
こうして得られた全固体リチウムイオン二次電池を、電池1〜14とした。なお、電池1〜14において、形成された固体電解質薄膜の組成を求めたところ、セル1〜14と同様、表1に示す通りであった。
金属リチウムをソースとして用い、その金属リチウムを抵抗加熱により加熱する真空蒸着により、上記固体電解質膜の上に、負極となるLi薄膜を形成した。
このとき、Li薄膜が1cm角の形状で形成されるように、正方形の開口(1cm×1cm)を有するステンレス鋼製マスク(厚さ20μm)を、正極集電体、正極、固体電解質が順次に成膜された基板の上に載置した。
こうして得られた全固体リチウムイオン二次電池を、電池1〜14とした。なお、電池1〜14において、形成された固体電解質薄膜の組成を求めたところ、セル1〜14と同様、表1に示す通りであった。
《セル15〜28と電池15〜28の作製》
ターゲットに、Li3PO4と、LiFと、表1に示した元素Lを含む金属酸化物とを混合したものを用い、スパッタガスにArを用いたこと以外、上記セル1を作製したときと同様の方法により、イオン導電率測定用セル15〜28を作製した。
さらに、固体電解質として、セル15〜28に含まれるリチウムイオン導電体を作製したこと以外、上記電池1を作製するのと同じ方法をにより、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、電池15〜28とした。
なお、セル15〜28および電池15〜28において、形成されたリチウムイオン導電体の組成を求めたところ、表1の通りであった。
ターゲットに、Li3PO4と、LiFと、表1に示した元素Lを含む金属酸化物とを混合したものを用い、スパッタガスにArを用いたこと以外、上記セル1を作製したときと同様の方法により、イオン導電率測定用セル15〜28を作製した。
さらに、固体電解質として、セル15〜28に含まれるリチウムイオン導電体を作製したこと以外、上記電池1を作製するのと同じ方法をにより、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、電池15〜28とした。
なお、セル15〜28および電池15〜28において、形成されたリチウムイオン導電体の組成を求めたところ、表1の通りであった。
《比較セル1および比較電池1の作製》
リチウムイオン導電体成膜時のスパッタリングのターゲットとして、Li3PO4とLi3Nとを1:0.7(モル比)で混合したものを用いたこと以外、セル1を作製したときと同様の方法でイオン導電率測定用セルを作製し、これを比較セル1とした。
さらに、固体電解質として、比較セル1に含まれるリチウムイオン導電体を上記のように作製したこと以外、上記電池1を作製するのと同様の方法により、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、比較電池1とした。
リチウムイオン導電体成膜時のスパッタリングのターゲットとして、Li3PO4とLi3Nとを1:0.7(モル比)で混合したものを用いたこと以外、セル1を作製したときと同様の方法でイオン導電率測定用セルを作製し、これを比較セル1とした。
さらに、固体電解質として、比較セル1に含まれるリチウムイオン導電体を上記のように作製したこと以外、上記電池1を作製するのと同様の方法により、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、比較電池1とした。
《比較セル2および比較電池2の作製》
リチウムイオン導電体成膜時のスパッタリングのターゲットとして、Li3PO4とし、スパッタガスとしてArを用いたこと以外、上記セル1を作製したときと同様の方法で、イオン導電率測定用セルを作製した。得られたセルを、比較セル2とした。
さらに、固体電解質として、比較セル2に含まれるリチウムイオン導電体を上記のように作製したこと以外、上記電池1を作製するのと同様の方法により、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、比較電池2とした。
リチウムイオン導電体成膜時のスパッタリングのターゲットとして、Li3PO4とし、スパッタガスとしてArを用いたこと以外、上記セル1を作製したときと同様の方法で、イオン導電率測定用セルを作製した。得られたセルを、比較セル2とした。
さらに、固体電解質として、比較セル2に含まれるリチウムイオン導電体を上記のように作製したこと以外、上記電池1を作製するのと同様の方法により、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。得られた電池を、比較電池2とした。
《セルの導電率測定および電池の容量測定》
上記のようにして得られたセル1〜28および比較セル1〜2を用いて、室温でのリチウムイオン導電率を複素インピーダンス法により測定した。得られた結果を表1に示す。なお、表1には、導電率として、比較セル1の導電率で各導電率を除した値(以下、換算導電率という)を記載している。
上記のようにして得られたセル1〜28および比較セル1〜2を用いて、室温でのリチウムイオン導電率を複素インピーダンス法により測定した。得られた結果を表1に示す。なお、表1には、導電率として、比較セル1の導電率で各導電率を除した値(以下、換算導電率という)を記載している。
また、電池1〜28および比較電池1〜2の容量を、以下のようにして測定した。80℃において、0.1Cおよび20Cで放電を行い、それぞれの場合における容量を求め、20Cレート放電の場合の容量の、0.1Cレート放電の場合の容量に対する百分率値(以下、容量比という)を算出した。ここで、試験条件を上記のように設定したのは、条件を厳しくすることによって、固体電解質による電池特性の違いを顕著に生じさせるためである。
表1からわかるように、Li、P、O、ハロゲン元素および元素Lからなるリチウムイオン導電体薄膜(セル1〜28)は、LiPONからなるリチウムイオン導電体薄膜(比較セル1)、またはLi3PO4のみからなるリチウムイオン導電体薄膜(比較セル2)に比べて、10倍以上も高いイオン導電率を示した。
また、セル1〜28に含まれるリチウムイオン導電体を固体電解質として備える電池1〜28は、比較セル1に含まれるリチウムイオン導電体を固体電解質として備える比較電池1、または比較セル2に含まれるリチウムイオン導電体を固体電解質として備える比較電池2に比べて、高い容量比を示した。
固体電解質を形成するときに、スパッタリング時の高周波のパワーを変化させて、リチウムイオン導電体における、Pに対するWのモル比dを0.2の一定とし、Pに対するFのモル比cを表2に示されるように変更したこと以外、電池1を作製したときと同様の方法により、電池29〜38および比較電池3〜9を作製した。なお、形成された固体電解質を組成式LiaPObFcW0.2で表した場合の各電池におけるモル比a、b、およびcの値を、表2に示している。
得られた電池を用い、0.2Cでの充電および2Cでの放電を1サイクルとし、そのサイクルを100回繰り返した。1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比を百分率値として表した値を、容量維持率とした。各電池の容量維持率を、表2に示す。さらに、モル比cを横軸にとり、容量維持率(%)を縦軸にとったときのグラフを、図2に示す。
図2から明らかなように、モル比cが0.05≦c≦5の範囲にある場合、容量維持率が60%以上となり、良好な特性を示した。さらに、モル比cが0.1≦c≦3.5の範囲にある場合、容量維持率が80%以上となり、0.1≦c≦2.5の範囲にある場合、容量維持率が90%以上となり、非常に高い値を示した。
以上の結果から、モル比cは0.05≦c≦5であることが好ましい。
以上の結果から、モル比cは0.05≦c≦5であることが好ましい。
さらに、上記のように、元素LがWである場合の他に、元素LがTi、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgまたはAuである電池を作製し、その電池の容量維持率を上記と同様にして測定したところ、元素LがWである場合と同様の傾向を示した。
また、ハロゲン元素がCl、Br、またはIである場合においても、ハロゲン元素がFである場合と同様の結果が得られた。
また、ハロゲン元素がCl、Br、またはIである場合においても、ハロゲン元素がFである場合と同様の結果が得られた。
固体電解質を形成するときに、スパッタリング時の高周波のパワーを変化させて、リチウムイオン導電体における、Pに対するFのモル比cを0.4の一定とし、Pに対するWのモル比dを表3に示されるように変更したこと以外、電池8を作製したときと同様の方法により、電池39〜52および比較電池10〜12を作製した。なお、形成された固体電解質を組成式LiaPObF0.4Wdで表した場合の各電池におけるモル比a、b、およびdの値を、表3に示している。
得られた電池を用い、0.2Cでの充電および2Cでの放電を1サイクルとし、そのサイクルを100回繰り返した。1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比を百分率値として表した値を、容量維持率とした。各電池の容量維持率を、表3に示す。
図3から明らかなように、モル比dが0.0005≦d≦1.5の範囲にある場合、容量維持率が40%以上となり、良好な特性を示した。さらにdが0.0005≦d≦0.5の範囲にある場合には、容量維持率が70%以上となり、0.0005≦d≦0.15の範囲にある場合には、容量維持率が80%以上となり、高い値を示した。
以上の結果から、dは0.0005≦d≦1.5であることが好ましい。
以上の結果から、dは0.0005≦d≦1.5であることが好ましい。
さらに、上記のように、元素LがWである場合の他に、元素LがTi、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgまたはAuである電池を作製し、その電池の容量維持率を上記と同様にして測定したところ、元素LがWである場合と同様の傾向を示した。
また、ハロゲン元素がCl、Br、またはIである場合においても、ハロゲン元素がFである場合と同様の結果が得られた。
また、ハロゲン元素がCl、Br、またはIである場合においても、ハロゲン元素がFである場合と同様の結果が得られた。
固体電解質を形成するときに、スパッタリング時の高周波のパワーを変化させて、リチウムイオン導電体における、Pに対するFのモル比cを0.4の一定とし、Pに対するWのモル比dを0.1の一定にし、かつPに対するLiのモル比aを表4に示されるように変更したこと以外、電池8を作製したときと同様の方法により、電池53〜66および比較電池13〜15を作製した。なお、形成された固体電解質を組成式LiaPObF0.4W0.1で表した場合の各電池におけるモル比aおよびbの値を、表4に示している。
得られた電池を用い、0.2Cでの充電および2Cでの放電を1サイクルとし、そのサイクルを100回繰り返した。1サイクル目の放電容量に対する100サイクル目の放電容量の比を百分率値として表した値を、容量維持率とした。各電池の容量維持率を、表4に示す。
表4から明らかなように、モル比aが0.05≦a≦6の範囲にある場合、容量維持率が60%以上となり、良好な特性を示した。以上の結果から、aは0.05≦a≦6であることが好ましい。
さらに、上記のように、元素LがWである場合の他に、元素LがTi、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgまたはAuである電池を作製し、その電池の容量維持率を上記と同様にして測定したところ、元素LがWである場合と同様の傾向を示した。
また、ハロゲン元素がCl、Br、またはIである場合においても、ハロゲン元素がFである場合と同様の結果が得られた。
また、ハロゲン元素がCl、Br、またはIである場合においても、ハロゲン元素がFである場合と同様の結果が得られた。
これらの結果より、本発明のリチウムイオン導電体を固体電解質として含む全固体電池においては、大電流で放電する場合でも、良好な放電容量が得られることがわかった。
以上の結果から、本発明のリチウムイオン導電体を固体電解質として用いることにより、大電流放電特性の良好な全固体リチウム二次電池が得られることが理解される。
本発明により、リチウムイオン導電性の高いリチウムイオン導電体を得ることができる。さらに、本発明のリチウムイオン導電体を使用して、大電流放電特性の良好な全固体リチウム二次電池等を得ることができる。
1 基板
2 正極集電体
3 正極
4 固体電解質
5 負極
6 負極集電体
2 正極集電体
3 正極
4 固体電解質
5 負極
6 負極集電体
Claims (4)
- 複合酸化物からなるリチウムイオン導電体であって、
前記複合酸化物は、Li、P、O、ハロゲン元素Xおよび元素Lからなり、かつ、以下の組成式:
LiaPObXcLd
で表され、
前記ハロゲン元素Xは、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記元素Lは、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、AgおよびAuからなる群より選択される少なくとも1種であり、
前記組成式において、0.05≦a≦6、0.5≦b≦10、および0.05≦c≦5、0.0005≦d≦1.5であるリチウムイオン導電体。 - 前記組成式において、0.0005≦d≦0.5である請求項1記載のリチウムイオン導電体。
- 前記組成式において、0.0005≦d≦0.15である請求項1記載のリチウムイオン導電体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン導電体を固体電解質として用いた全固体リチウムイオン二次電池。
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