JP2002042862A - リチウム電池 - Google Patents

リチウム電池

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JP2002042862A
JP2002042862A JP2000225467A JP2000225467A JP2002042862A JP 2002042862 A JP2002042862 A JP 2002042862A JP 2000225467 A JP2000225467 A JP 2000225467A JP 2000225467 A JP2000225467 A JP 2000225467A JP 2002042862 A JP2002042862 A JP 2002042862A
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巌大郎 狩野
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】正極と負極との間にリチウムイオン伝導性を有
する酸化物系無機固体電解質を配設してなるリチウム電
池において、高性能で、かつ耐熱性に優れたリチウム電
池を提供する。 【解決手段】リチウムイオンの可逆的な吸蔵放出が可能
な活物質からなる正極と負極との間にリチウムイオン伝
導性を有する酸化物系無機固体電解質を配設してなるリ
チウム電池において、前記活物質粒子および酸化物系無
機固体電解質粒子の間に、スルホランまたはその誘導体
のうち少なくとも1つを含浸させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウム電池に関
し、特に正極、負極、および酸化物系無機固体電解質か
らなるリチウム電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器は小型化、薄型化の傾向
が著しく、それら小型電子機器における電力供給源とし
ての電池においても小型化が必然的に望まれている。例
えば、コイン型リチウム電池、ポリマー電池などの薄型
電池においては、ICカードなどに対する需要が高まり
つつある。
【0003】ICカードは通常、その作製時においてラ
ミネート法あるいは射出・押出し成形法によって樹脂を
電池の表面に被覆することで、120〜130℃という
高温が電池および内部の回路基板にかかる。そのため
に、高温がかかっても電池が損なわれないようにする必
要がある。
【0004】しかしながら、従来の有機電解液を用いた
リチウム電池は高温下に放置されると様々な不具合が生
じる。
【0005】以下、この点を説明するに、かかる有機電
解液を用いたリチウム電池においては、正極と負極の間
にセパレータを介在させ、有機電解液を含浸させた構造
となっている。
【0006】セパレータとしては一般にポリエチレン製
またはポリプロピレン製もしくはそれらの組合せの微多
孔膜が用いられる。
【0007】また、有機電解液は有機溶媒に溶質を溶解
することで得られるが、有機溶媒にはエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等
の高沸点かつ高誘電率の溶媒の1種または2種以上を混
合した主体となる溶媒に、溶媒の粘度を低下させ導電性
を高めるために、ジエチルカーボネート、ジメチルカー
ボネート、メチルエチルカーボネート、1,2−ジメト
キシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロ
フラン、1,3−ジオキソラン等の低沸点かつ低粘度の
溶媒を1種以上の割合にて添加した多成分系の混合溶媒
が用いられる。
【0008】さらにまた、溶質にはリチウム塩が用いら
れており、代表的なリチウム塩として、LiClO4
LiBF4、LiPF6が一般的に用いられる。
【0009】上記構成のリチウム電池において、120
〜130℃の高温に曝されると、セパレータが熱軟化に
よる損傷を受け、加えて有機電解液においても、低沸点
の溶媒の蒸発、あるいは溶質であるリチウム塩の熱分解
が発生し、電池の膨れ、それに伴う電解液の漏れならび
に電池性能の劣化などの不具合が発生してした。
【0010】したがって、有機電解液を用いたリチウム
電池では使用可能な温度に上限があり、通常60〜85
℃を限界としている。
【0011】一方、正極、負極の間に高分子固体電解質
を介在させた構造の高分子固体電解質電池が提案されて
いる。
【0012】この高分子固体電解質としては、例えば、
ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシドに代表
されるドナー型の極性基を有する高分子にLiClO4
やLiBF4などのリチウム塩を溶解させたものが挙げ
られる。
【0013】この高分子固体電解質ではリチウムイオン
と相互作用を有する酸素原子の間をリチウムイオンが移
動することによってイオン伝導が可能となる。
【0014】上記のような高分子固体電解質電池によれ
ば、セパレータおよび有機溶媒を使用しないため、それ
らを原因とする電池の不具合は発生しないが、その反
面、有機電解液を用いたリチウム電池と同様に、リチウ
ム塩の熱分解により電池性能の劣化が進行するといった
課題がある。
【0015】また、高分子固体電解質においては、ポリ
エーテルの分子運動が室温では十分に活性化されておら
ず、そのため、60℃以上の温度で分子運動を活性化し
ないとリチウムイオンの移動が起きにくく、電解質とし
て十分な特性が得られないという課題がある。
【0016】そのため、例えばLiClO4を溶解させ
たポリエチレンオキシドからなる高分子固体電解質の室
温でのイオン伝導度は1×10-7S・cm-1と低く、有
機電解液のイオン伝導度が1×10-3〜10-2S・cm
-1であるのに比べて大幅に劣り、実用化に適していない
と言える。
【0017】これに対して、高分子固体電解質に有機電
解液を混合したゲル電解質では、有機電解液に匹敵する
イオン伝導度を有しており、開発が盛んに行われてい
る。しかしながら、高温放置によって、有機電解液に起
因する電池の不具合が発生するといった問題点がある。
【0018】一方、電解質に無機固体電解質を用いたリ
チウム電池では、正極、負極の間に無機固体電解質を介
在させた構造からなっており、セパレータおよび有機電
解液を用いていないために、高温に曝された場合におい
ても電池の不具合は起こらない。
【0019】このような固体電解質には、例えば特開平
11−7942号公報に開示されるように固体電解質と
して硫化物ガラスを用いたものがある。これはリチウム
イオンのみがイオン伝導に寄与するものであり、高いリ
チウムイオン伝導度を有するが、その反面、硫化物ガラ
スは水分や酸素に対する安定性が乏しく、製造コストが
上昇する。
【0020】酸化物系無機固体電解質の例としては、特
開平5−299101号公報で提案されているように、
Li1+(4-n)xxTi2-x(PO43(Mは1価または2
価の陽イオン、Mが1価のときn=1、Mが2価のとき
n=2、xは0.1〜0.5)や、特開平10−978
11号公報にて提案されているように、Li1+x+yAlx
Ti2-y3-y12(0≦x≦0.4、0<y≦0.6)
を挙げることができる。これら酸化物系無機固体電解質
は、室温でのリチウムイオン伝導度が1×10-4〜10
-3S・cm-1と有機電解液に匹敵する特性を有してお
り、また、環境に対する安定性が高く、リチウム電池の
電解質として期待されている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記酸
化物系無機固体電解質をもちいた電池では、リチウムイ
オン伝導は正極、負極、および酸化物系無機固体電解質
の粒子内部、および粒子同士の接触面でのみ起こるため
に、リチウムイオン伝導に対する抵抗が大きく、電池の
性能としては有機電解液を用いた電池と比較してエネル
ギー密度、放電電流密度に劣るなどの課題があり、いま
だ実用化には至っていない。
【0022】したがって本発明は叙上に鑑みて完成され
たものであり、その目的は高性能かつ耐熱性に優れたリ
チウム電池を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明の
リチウム電池は、リチウムイオンの可逆的な吸蔵放出が
可能な活物質からなる正極と負極の間に、リチウムイオ
ン伝導性を有する酸化物系無機固体電解質を配設し、そ
して、上記活物質および酸化物系無機固体電解質の粒子
間に、スルホランまたはその誘導体のうち少なくとも1
種を含むことを特徴とする。
【0024】また、請求項2に係る本発明のリチウム電
池は、前記酸化物系無機固体電解質がリチウム(L
i)、チタン(Ti)、リン(P)、および酸素(O)
元素を含むリチウムイオン伝導性酸化物結晶であること
を特徴とする。
【0025】さらにまた、請求項3に係る本発明のリチ
ウム電池は、前記正極および負極の活物質がLi1+x
2-x4(0≦x≦0.2)、LiMn2-yMey
4(Me=Ni、Cr、Cu、Zn、0≦y≦0.
6)、Li4Mn512およびLi4Ti512よりなる群
から選択される少なくとも1種類からなることを特徴と
する。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明のリチウム電池の実
施形態について説明する。図1は本発明に係るリチウム
電池の構成例を示す断面図である。
【0027】同図においては、1は正極集電体、2は正
極、3は固体電解質、4は負極、5は負極集電体、6は
電槽である。
【0028】正極2および負極4に用いる活物質として
は、次のような遷移金属酸化物が挙げられる。
【0029】例えば、リチウムマンガン複合酸化物、リ
チウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化
物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムバ
ナジウム複合酸化物、リチウムチタン複合酸化物などと
それらの誘導体が挙げられる。
【0030】上記遷移金属酸化物のうち、特にLi1+x
Mn2-x4(0≦x≦0.2)、LiMn2-yMey4
(Me=Ni、Cr、Cu、Zn、0≦y≦0.6)、
Li4Mn512およびLi4Ti512よりなる群は、充
放電中の活物質の体積変化が小さい、結晶系がスピネル
系の活物質であり、良好なサイクル特性を示す点で好適
である。
【0031】固体電解質3に用いられる酸化物系無機固
体電解質には、例えばLi1.3l0. 3Ti1.7(PO43
やLi3.6Ge0.60.44などの結晶質固体電解質、3
0LiI−41Li2O−29P25や40Li2O−3
5B23−25LiNbO3、10Li2O−25B23
−15SiO2−50ZnOなどの非晶質固体電解質、
あるいは結晶質固体電解質と非晶質固体電解質の混合体
もしくは焼成体を挙げることができる。しかし、非晶質
で酸化物系の固体電解質は、リチウムイオン伝導度が室
温で1×10-6S・cm-1程度であり、十分に特性を満
たす固体電解質は見出されていない。
【0032】これに対して、結晶質の固体電解質は室温
でのリチウムイオン伝導度が1×10-4〜10-3S・c
-1と有機電解液に匹敵する特性を有している。
【0033】結晶質で酸化物系の固体電解質の中でも、
特にリチウム(Li)、チタン(Ti)、リン(P)お
よび酸素(O)元素を含むリチウムイオン伝導性の結晶
質の固体電解質は化学的安定性、イオン伝導性共に優れ
ることから好ましい。
【0034】具体的にはLi1+xxTi2-x(PO43
(M=Al、Sc、Y、La)、Li1+xTi2-x(PO
43、Li0.5-3x0.5+xTiO3(R=La、Pr、N
d、Sm)、Li1+x+yAlxTi2-xSiy3-y12
Li1+(4-n)xTi2-x(PO 43(Mは1価または2
価の陽イオン)などが挙げられる。
【0035】正極2、負極3および固体電解質4の形成
方法としては、例えば正極活物質、酸化物系無機固体電
解質、負極活物質の粉末を三層に加圧成形または焼成す
る方法などが挙げられる。
【0036】正極および負極中には電子伝導剤として、
導電性酸化物や炭素材料、金属粉を混ぜてもよい。
【0037】導電性酸化物では、例えばSnO2、In2
3、TiO2-x、ZnO、Fe34、ReO3、Mo
2、RuO2、VO、WO2などが挙げられる。
【0038】炭素材料として、例えばファーネスブラッ
クやアセチレンブラック、サーマルブラックなどのカー
ボンブラックと鱗片状や繊維状の天然黒鉛や人造黒鉛な
どを挙げることができる。
【0039】また、金属粉として、例えばAuやAg、
Al、Cu、Ni、Feなどを挙げることができる。
【0040】また、正極活物質、負極活物質、酸化物系
無機固体電解質の粒子の焼結の際には、酸化物ガラスを
使用してもよい。このような酸化物ガラスとしては、例
えばリン酸塩ガラスやホウ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラ
ス、ホウケイ酸塩ガラスを中心とした多成分系酸化物ガ
ラスを挙げることができる。
【0041】正極2、負極3、および固体電解質4に含
浸させる有機溶媒としてはスルホラン、または3−メチ
ルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなどのスル
ホラン誘導体が挙げられる。
【0042】正極、負極、固体電解質の積層体からなる
電池では、活物質および酸化物系無機固体電解質の粒子
間におけるリチウムイオン伝導に対する抵抗が大きく、
放電容量がほとんど得られないのが現状であったが、本
発明者は、スルホランまたはその誘導体を上記積層体に
含浸させることにより、電池のエネルギー密度、放電電
流密度が飛躍的に向上することを見出した。
【0043】この点については、いまだ推論の域を脱し
得ないが、本発明者はスルホランおよびスルホラン誘導
体は誘電率が高くイオン伝導性に優れた溶媒であり、こ
れが活物質および酸化物系無機固体電解質の粒子の接触
点近傍に存在することで、粒子間のリチウムイオン伝導
に対する抵抗が低減されるためと考える。
【0044】また、スルホランは沸点が287℃と高
く、150℃雰囲気下での蒸気圧が14.5mmHgと
低い溶媒である。3−メチルスルホラン、2,4−ジメ
チルスルホランなどのスルホラン誘導体も同様に高い沸
点および低い蒸気圧を有する。加えて、本発明では、熱
安定性に劣るリチウム塩を含んでいないため、ICカー
ド成形時などの高温に曝される環境においても、電池の
膨れ、漏液、性能の低下といった不具合の発生が抑制さ
れる。
【0045】また、上記溶媒の流動性を抑えるために、
有機高分子と共にゲル化したものを使用してもよい。こ
の場合の好適な有機高分子材料としては、例えば、ポリ
エチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドなどが挙げ
られる。これらの有機高分子は1種単独を使用しても良
く、必要に応じて2種以上を併用しても良い。
【0046】正極集電体1と負極集電体5に用いる金属
薄板はステンレス、アルミニウム、ニッケル、銅、コバ
ール、42アロイ、チタンあるいはアルミニウム合金な
どの金属材料であればよい。
【0047】また、電槽6としては、例えばアルミニウ
ム箔とポリエチレンとを積層したラミネートフィルムな
どが用いられる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて更に詳しく
説明する。なお、この実施例は本発明の実施の形態の例
示であって、これらに限定されるものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や改良を加えるこ
とは何ら差し支えない。
【0049】[実施例]下記のように、正極、負極および
酸化物系無機固体電解質からなる積層体にスルホランを
含浸させることにより、本発明のリチウム電池Aを作製
した。
【0050】正極および負極活物質であるLi1.1Mn
1.94と酸化物ガラスである50P25−30PbO−
20ZnOを重量比95:5で乾式混合して混合粉とし
た。この混合粉100に対して成形助剤のエチルセルロ
ースが重量比で10となるように加え、さらにテレピネ
オールおよびトルエンを加えて混合し、スラリーを調製
した。このスラリーをポリエチレンテレフタレート(P
ET)フィルム上に塗布して乾燥させた後に裁断したも
のを650℃にて加熱焼成することで正極および負極成
形体を得た。
【0051】また、酸化物系無機固体電解質であるLi
1+x+yAlxTi2-xSiy3-y12(0≦x≦0.4、
0≦y≦0.6)と酸化物ガラスである50P25−3
0PbO−20ZnOを重量比90:10で乾式混合し
て混合粉とした。この混合粉100に対して成形助剤の
エチルセルロースが重量比で10となるように加え、さ
らにテレピネオールおよびトルエンを加えて混合し、ス
ラリーを調製した。
【0052】このスラリーを正極および負極成形体上に
塗布して貼り合わせた後、600℃にて加熱焼成するこ
とで三層積層体を得た。積層体の厚みは正極および負極
が75μm、酸化物系無機固体電解質が50μmであっ
た。
【0053】上記三層積層体を15×20mmに裁断し
た後、正極および負極にニッケル板の集電体を張り付
け、真空加熱により脱水処理を施した後、スルホランを
含浸させ、発電素子を形成した。
【0054】上記発電素子をアルミニウム−ポリエチレ
ンラミネートフィルムを加熱融着することで電槽を形成
した。電槽の寸法は25×30mmとした。
【0055】[比較例1]前記リチウム電池Aと同じ正極
および負極の間にセパレータを挟持させた後、有機電解
液を含有させたリチウム電池Bを作製した。
【0056】セパレータには厚みが20μm程度のポリ
エチレン製微多孔膜、有機電解液には、プロピレンカー
ボネート(PC)とジメトキシエタン(DME)の混合
溶媒(PC:DME=1:1体積比)にLiClO4
1M/l溶解させたものを使用した。
【0057】[比較例2]前記リチウム電池Aと同じ三層
積層体を用い、実施例と同様な構成にするが、スルホラ
ンを含有しないリチウム電池Cを作製した。
【0058】これらのリチウム電池A、BおよびCにつ
いて充放電測定を行い、放電容量を求めた。
【0059】電池の放電容量は充電終止電圧を2.0
V、電流値を100μAとして定電流充電した後、1時
間放置して電流値100μAにて0Vまで定電流放電し
て求めた。その結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1から明らかな通り、正極、負極および
固体電解質からなる三層積層体中にスルホランを含浸さ
せたリチウム電池Aは、有機電解液を含浸させたリチウ
ム電池Bとほぼ同等の放電容量が得られており、スルホ
ランを含有していないリチウム電池Bに比べて充放電特
性が大きく向上した。
【0062】本発明者は、活物質および酸化物系無機固
体電解質の粒子の接触点近傍に、リチウムイオン伝導に
寄与し得るスルホランが存在することで、粒子間のリチ
ウムイオン伝導に対する抵抗が低減されたと考える。
【0063】次に、リチウム電池A、BおよびCをそれ
ぞれ150℃雰囲気中に1時間放置し、電池の外観の変
化を比較した。
【0064】リチウム電池AおよびBは、充電終止電圧
を2.0V、電流値を100μAとして定電流充電を行
ったものを使用した。また、リチウム電池Aにおいて
は、高温放置後の電池を室温にて1時間放冷した後、再
度、放電容量を測定した。電池の放電容量は、電流値1
00μAにて0Vまで定電流放電して求めた。その結果
を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】表2から明らかな通り、正極、負極および
酸化物系無機固体電解質からなる三層積層体中にスルホ
ランを含浸させたリチウム電池Aでは、有機電解液を含
浸させたリチウム電池Bと比べて高温放置後の電池の漏
液はなく、また、電池の膨れもほとんど見られなかっ
た。加えて、電池性能の低下もほとんど見られなかっ
た。
【0067】この点について、本発明者はスルホランは
沸点が高く、150℃雰囲気下での蒸気圧も低い溶媒で
あり、加えて熱安定性に劣るリチウム塩を含んでいない
ため、高温に曝される環境においても、電池の膨れ、漏
液、性能の低下といった不具合の発生が抑制されるもの
と考えられる。
【0068】
【発明の効果】以上の通り、本発明のリチウム電池によ
れば、リチウムイオンの可逆的な吸蔵放出が可能な活物
質からなる正極と負極との間にリチウムイオン伝導性を
有する酸化物系無機固体電解質を配設してなる構成にお
いて、前記活物質粒子および酸化物系無機固体電解質粒
子の間に、スルホランまたはその誘導体を含むことによ
って、高性能で、かつ耐熱性に優れたリチウム電池が得
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリチウム電池の構成例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1:正極集電体、2:正極、3:固体電解質、4:負
極、5:負極集電体、6:電槽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムイオンの可逆的な吸蔵放出が可能
    な活物質からなる正極と負極との間に、リチウムイオン
    伝導性を有する酸化物系無機固体電解質からなる固体電
    解質を配設してなるリチウム電池において、前記活物質
    および酸化物系無機固体電解質の間隙に、スルホランま
    たはその誘導体のうち、少なくとも1種を含有させたこ
    とを特徴とするリチウム電池。
  2. 【請求項2】前記酸化物系無機固体電解質が、リチウム
    (Li)、チタン(Ti)、リン(P)および酸素
    (O)元素を含むリチウムイオン伝導性酸化物結晶であ
    る請求項1記載のリチウム電池。
  3. 【請求項3】前記正極と負極の活物質がLi1+xMn2-x
    4(0≦x≦0.2)、LiMn2-yMey4(Me=
    Ni、Cr、Cu、Zn、0≦y≦0.6)、Li4
    512およびLi4Ti512よりなる群から選択され
    る少なくとも1種類からなること特徴とする請求項1記
    載のリチウム電池。
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