JP3451256B2 - 全固体型二次電池及びその作製方法 - Google Patents

全固体型二次電池及びその作製方法

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JP3451256B2
JP3451256B2 JP37699498A JP37699498A JP3451256B2 JP 3451256 B2 JP3451256 B2 JP 3451256B2 JP 37699498 A JP37699498 A JP 37699498A JP 37699498 A JP37699498 A JP 37699498A JP 3451256 B2 JP3451256 B2 JP 3451256B2
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positive electrode
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和明 阿度
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極および負極と
同様に電解質に固体電解質を使用した全固体型二次電池
とその製造方法に関する。更に詳述すると、本発明は、
固体電解質として無機固体電解質を使用する全固体型二
次電池の無機固体電解質及びその極部材への接合に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電力貯蔵用や移動体機器の電源用に使用
される二次電池は、一度の充電による長時間使用(高エ
ネルギー密度化)と、充放電の繰り返し可能回数の増加
(長寿命化)と、故障及び発火に対する高い信頼性とが
求められる。従来の二次電池は、多くの場合、電解質と
して液体を用いているため、液漏れを防ぐ外槽と正負電
極間の内部短絡を防ぐためのセパレータとを有してい
る。
【0003】しかし、電解液を利用する二次電池では、
電解液を偏り無く利用できるように正負電極間に一様に
保液する必要があるので、二次電池の形状が限られてし
まう。また、高エネルギー密度化のためには電池重量及
び体積に占める外槽の比率を低減させることが不可欠で
あるが、これは保液性との関係で余り容易なことではな
い。さらに、電解液の分解が充放電サイクルの回数減少
の一因であるという指摘も有ることから(熊井一馬、竹
井勝仁、小林陽、宮代一、石川力雄、電気化学および工
業物理化学、vol.66,No.3(1998),p
314−320参照)、二次電池の長寿命化のためには
電解液と各電極との反応を抑制する必要がある。
【0004】このように、二次電池に電解液を利用する
ものには様々な不都合が有るので、電解液を利用した二
次電池に代替するものとして、電解質に固体高分子や無
機材料等の固体を用いた全固体型二次電池が開発されて
いる。そして、現在、大型化を志向した全固体型二次電
池として、主に高分子固体電解質を利用するものが検討
されている。しかし、高分子固体電解質は60〜80℃
で機械的強度が低下するため、二次電池の使用により加
熱したときに、外圧によって高分子固体電解質が潰れて
正負電極が短絡するおそれがある。また、二次電池が加
熱して高分子固体電解質の融点以上に成ると容易に変形
等して信頼性が低下してしまうため、加熱を防いで信頼
性を維持するシステムが必要となる。
【0005】これに対し、電解質として無機材料を用い
る全固体型二次電池は、電解質が不燃である等の理由か
ら故障および発火に対して高い信頼性を期待できる。中
でもLTPと略称されるLiTi2(PO43 は、無機
固体電解質として有望であるが、例えば固相反応法のよ
うに単純に加熱しながら加圧する通常の焼結法では、焼
結体の密度が低く、全固体型二次電池の電解質として導
電性が不足する問題がある。そこで、従来この全固体型
二次電池としては、無機固体電解質を正極に対して真空
蒸着等で薄膜成形することにより接合して形成したもの
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た全固体型二次電池では、無機固体電解質を正極に対し
て真空蒸着等で薄膜成形しているので、二次電池の大面
積化が困難であると共に、ピンホールの発生等により歩
留まりが悪く製造コストが高くなってしまう。このた
め、いわゆるオンボードタイプの薄膜電池(例えば、
K.Kanehoriet al.,Solid St
ate Ionics,vol.9/10(198
3),p1445参照)以外の二次電池には適用が困難
であり、用途が限定されてしまう。
【0007】そこで、本発明は、無機固体電解質の高密
度化と長寿命化と故障および発火に対する信頼性の向上
を図ると共に、無機固体電解質を極活物質に対して薄膜
成形しなくても簡便に形成できる全固体型二次電池及び
その作製方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本願発明者が研究を重ねた結果、全固体型リチウム
二次電池の無機固体電解質として有望視されるLiTi
2(PO43 の粉末を加圧下で放電パルス焼結して焼結
体を作製することにより、図9及び図10に示すように
無機固体電解質として適した導電性を得られることが判
明した。これにより、全固体型二次電池の電解質として
適用可能な導電性を有する無機固体電解質例えばLiT
2(PO43 の焼結体を得ることができるようになっ
た。
【0009】そこで、請求項1記載の発明は、活物質か
ら成る正極と活物質から成る負極とこれら正極及び負極
の間に介在される無機固体電解質とを備える全固体型二
次電池において、正極と無機固体電解質は、極を形成
する活物質の粉末と無機固体電解質の粉末とを積層し
て、その積層粉末に加圧下で直流パルス電流を印加して
焼結したものであるようにしている。
【0010】したがって、正極および無機固体電解質の
作製の際に加圧下において粉体の焼結を行っているの
で、加圧による圧粉体の自己発熱となるジュール熱を焼
結に直接利用することができ、誘導加熱あるいは輻射加
熱を用いる他の焼結法に比べて熱効率を向上することが
できる。しかも、加圧により塑性変形力が生じているの
で、粉体同士の接合が容易化される。
【0011】また、加圧しながらパルス状電圧及び電流
を印加するので、粉体粒子間の空隙で放電現象を生じさ
せることができ、放電に伴う局所的な高温により焼結及
び接合を促進させることができる。しかも、放電プラズ
マや放電衝撃圧力等により、粒子表面に浄化活性化作用
が生ずる。さらに、電場における電解拡散効果も発生す
る。これらの理由により、粒子間のネック形成による稠
密体の作製が可能になるので、電気炉等を用いた他の焼
結方法よりも低温かつ短時間で所望の接合体を作製する
ことができるようになる。
【0012】このため、正極および無機固体電解質の作
製のために外部から固相反応法ほど加熱しなくても粉体
は十分に加熱されて焼結されるので、作製時間を短時間
に抑えることができる。また、正極および無機固体電解
質は焼結体から成るので、二次電池の大面積化が容易に
なると共に、ピンホールの発生等による歩留まりの悪さ
を解消でき、しかも形状の自由度が比較的大きくなって
様々な二次電池に適用可能になる。さらに、作製後の
極および無機固体電解質の高密度化を図ることができる
ので、導電性及び強度を向上することができる。
【0013】
【0014】さらに、正極と無機固体電解質とは焼結に
より接合されるので、両者の間での導電性及び接合強度
を向上させることができる。
【0015】一方、請求項記載の全固体型二次電池の
作製方法は、正極を形成する活物質の粉末と無機固体電
解質の粉末とを2層に積層して、その積層粉末に加圧下
で直流パルス電流を印加して極と無機固体電解質とを
焼結により一体形成し、無機固体電解質に極を形成す
る活物質から成る極部材を取り付けて全固体型二次電池
を形成するようにしている。
【0016】したがって、無機固体電解質及び正極の作
製のために外部から固相反応法ほど加熱しなくても粉体
は十分に加熱されて焼結されるので、全固体型二次電池
の作製時間を短時間に抑えることができる。
【0017】
【0018】
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1に全
固体型二次電池1の一般的な形態の一例を示す。この全
固体型二次電池1は、活物質から成る正極2と活物質か
ら成る負極3とこれら正極2及び負極3の間に介在され
る無機固体電解質4とを備えるものである。ここでの全
固体型二次電池1は、単体として使用しても良く、二次
電池セルとして多段接続して使用しても良い。
【0020】そして、正極2と無機固体電解質4とは、
各材料の粉末を積層して、その積層粉末に加圧下で直流
パルス電流を印加して焼結して得られた接合体5から成
るものとしている。このため、接合体5の作製の際に
は、粉体粒子間隙に放電現象が発生して、放電プラズマ
や放電衝撃圧力などによる粒子表面の浄化活性化作用、
及び電場に生じる電解拡散効果やジュール熱による熱拡
散効果、さらには加圧による塑性変形力等により焼結が
促進されるので、接合体5の作製のために外部からそれ
ほど加熱しなくても粉体は十分に加熱されて焼結されて
作製時間を短時間に抑えることができる。また、作製後
の接合体5の高密度化を図ることができるので、正極2
及び無機固体電解質4自体とこれらの間での導電性及び
強度と接合性を向上させることができる。また、負極3
は無機固体電解質4に取り付けられている。
【0021】無機固体電解質4としては、例えばLiT
2(PO43、LiZr2(PO43、LiGe2(P
43、LiLaTiO3、Li3N、Li3PO4、Li
BPO4等が挙げられるが、中でもリチウムイオン導電
体であるLiTi2(PO43の使用が好ましい。無機
固体電解質4の原料であるLiTi2(PO4 3 粉体
の調製方法についてはその原料及び条件等の点で特に限
定されるものではなく、例えば水熱合成法(Kazua
ki Ado,Yuria Saito,Takash
i Asai, Hiroyuki Kageyam
a,and Osamu Nakamura,Chem
istry Express,vol.7(1992)
p245参照)や固相反応法等の合成手法により調製す
ることができるが、LiOH・H2 O,H2TiO3,H
3PO4を出発物質とした水熱合成法あるいは固相反応法
により得られたLiTi2(PO43 の粉体を用いるこ
とが好ましい。
【0022】また、正極の活物質としては、例えばLi
CoO2 、LiNiO2 、LiMn2 4 、Li4 Mn
5 12、LiFeO2 、LiTi2 4 、Li4 Ti5
12等が挙げられるが、中でもリチウムイオン電池正極
活物質であるLiCoO2 の使用が好ましい。正極活物
質の原料であるLiCoO2 の粉体の調製方法について
はその原料及び条件等の点で特に限定されるものではな
く、例えば水熱合成法や固相反応法等の合成手法により
調製することができるが、LiOH・H2 O,CoOO
Hを出発物質とした水熱合成法あるいは固相反応法で得
られたLiCoO2 の粉体を用いることが好ましい。更
に、負極の活物質としては、例えばLi、LiC6、L
i−Al合金、Li−In合金、Li−Sn合金等が挙
げられるが、中でもLiの使用が好ましい。
【0023】一方、正極活物質と無機固体電解質4との
放電プラズマ焼結は、図2に示すような既存の放電プラ
ズマ焼結装置6により行われる。放電プラズマ焼結装置
6としては、積層粉末の加熱冷却及び加圧が可能で、放
電を起こすだけの電流が印加できるものを使用する。こ
の放電プラズマ焼結装置6は、粉体7が装填される成形
用のダイ8と、上下一対の圧縮通電用パンチ9,10と
を有している。パンチ9,10は通電加圧パンチ電極1
1,12に支持されており、該通電加圧パンチ電極1
1,12を介してダイ8に装填された粉体7に加圧力P
を与えながらパルス電流を供給する。
【0024】ダイ8及びパンチ9,10はグラファイト
等の導電性材質で形成されており、焼結する接合体5の
形状に応じた形状に形成する。本実施形態では、パンチ
9,10を円柱形状にすると共にダイ8をパンチ9,1
0に嵌合する円筒形状にしている。このため、接合体5
としては円柱ペレット状の焼結体が得られる。また、本
実施形態ではダイ8及びパンチ9,10を導電性のある
グラファイトで形成しているが、これには限られず導電
性と耐熱及び加圧に耐え得る強度を持つものであれば他
の合金や導電性セラミックス等で形成しても良い。
【0025】通電加圧パンチ電極11,12は、加圧機
構13により駆動されてパンチ9,10を介して粉体7
を加圧する。また、通電加圧パンチ電極11,12は、
内部に設けられた給電経路(図示せず)によりパンチ
9,10と焼結用電源14とを接続している。この焼結
用電源14によりパルス電流が発生されて、ダイ8及び
パンチ9,10を介して粉体7に給電される。さらに、
通電加圧パンチ電極11,12は、冷却水路15を内蔵
している。
【0026】ダイ8及びパンチ9,10と通電加圧パン
チ電極11,12の先端部は、水冷真空チャンバ16に
収容されている。水冷真空チャンバ16の内部は、雰囲
気制御機構17により所定の真空度を維持するか、ある
いは接合体5の種類によってはアルゴンガス等の不活性
ガス雰囲気や大気雰囲気とする。
【0027】さらに、この放電プラズマ焼結装置6の制
御部18は、加圧機構13と、焼結用電源14と、パン
チ9,10の位置を測定する位置計測機構19と、雰囲
気制御機構17と、冷却水路15に流水して通電加圧パ
ンチ電極11,12の冷却を行う水冷却機構20と、粉
体7の温度を測定する温度計測機構21とを駆動制御す
る。制御部18は加圧機構13を駆動することにより、
パンチ9,10が所定の圧縮圧力で粉体7を圧縮するよ
う制御する。圧縮された粉体7の温度は、ダイ8に取り
付けられた熱電対又は放射温度計(図示せず)等の温度
計測機構21により検出される。この検出値は制御部1
8に入力されて、所定の制御プログラムに基づいて焼結
用電源14を駆動し粉体7にパルス電流を与える。この
ため、放電プラズマ焼結装置6により、放電プラズマ焼
結、放電焼結、パルス通電焼結、通電焼結等のON−O
FFパルス通電による焼結法を用いて、そのピーク電流
とパルス幅とを制御して材料温度を制御しつつ粉体7を
圧縮焼結及び接合することができる。
【0028】制御部18では、粉体7の温度検出値が予
め設定された昇温曲線と一致するよう電流及び電圧値を
調節する。また、必要に応じて冷却水路15に流水して
通電加圧パンチ電極11,12の冷却を行う。
【0029】上述した全固体型二次電池1を作製する手
順を以下に説明する。
【0030】予め、無機固体電解質4と正極活物質との
各粉体7を調製しておく。無機固体電解質4としてLi
Ti2(PO43 を水熱合成法により調製する場合は、
例えば出発物質としてLiOH・H2 O,H2 Ti
3 ,H3 PO4 を水溶媒中で混合及び撹拌して溶液を
生成する。このLiOH・H2 O,H2 TiO3 ,H3
PO4 の溶液の濃度は、いずれも0.05〜5.0M、
より好ましくは0.1〜1Mの範囲にする。この溶液を
例えば380℃で5時間水熱処理し、得られた白色沈殿
を蒸留水で洗浄してから濾過して乾燥させることにより
LiTi2(PO43 粉末を得ることができる。
【0031】また、正極活物質としてLiCoO2 を水
熱合成法により調製する場合は、例えば出発物質として
LiOH・H2 O及びCoOOHを水溶媒中で混合及び
撹拌して溶液を生成する。このLiOH・H2 Oの濃度
は100mlのH2 Oに対し1〜20g、より好ましく
は2〜5gの範囲であり、またCoOOHの溶液の濃度
は0.1〜20Mの範囲、より好ましくは5〜15Mの
範囲にする。この溶液を例えば220℃で10時間水熱
処理し、得られた沈殿を蒸留水で洗浄してから濾過して
乾燥させることによりLiCoO2 粉末を得ることがで
きる。
【0032】そして、放電プラズマ焼結装置6のダイ8
に正極活物質の粉体7と無機固体電解質4の粉体7とを
積層して装填し、パンチ9,10により加圧しながらパ
ルス電流を供給する。
【0033】このため、粉体7は加圧により圧粉体とな
り、この圧粉体にパルス電流が与えられることにより、
粉体7が圧縮焼結及び接合されて接合体5になる。ここ
で、粉体には5〜60MPa、好ましくは10〜50M
Paの圧力が加えられる。5MPa未満の加圧力では焼
結が不十分となり、60MPaを超える加圧力ではダイ
8等に過度の負荷が作用して好ましくなく、10〜50
MPa程度の圧力で充分な焼結体が得られるようであ
る。
【0034】また、焼結に必要な加熱温度は原料粉末の
種類により異なるが、通常300〜1200℃、好まし
くは400〜900℃程度とする。これに対し、300
℃未満では焼結を行うに必要な熱が得られ難く、120
0℃を超えると電流供給の観点から好ましくない。
【0035】さらに、電流の印加時間は、3〜5分程度
の短時間にすることが好ましい。これにより、粉体7の
表面のみを溶融させて効果的に焼結を行うことができ
る。
【0036】そこで、このような加熱温度を得るために
は、本実施形態では直流パルス電流として例えば400
〜900Aとすることが好ましい。パルス電流の周波数
は、300Hz〜30kHzの範囲であることが好まし
く、電源価格の点からは低周波電源を使用した低周波数
であることが好ましい。
【0037】一方、接合体5の形成後に、負極3を無機
固体電解質4に押し付けて外部から圧力を与えて挟み付
けておく。これにより、二次電池1が形成される。
【0038】ところで、本実施形態ではダイ8やパンチ
9,10としてグラファイトを用いているので得られる
接合体5の表面近傍は不純物としてグラファイトを含む
が、このような不純物は表面を研磨することにより取り
除くことができる。
【0039】上述したように本実施形態の二次電池1に
よれば、無機固体電解質4としてLiTi2(PO43
を使用して加圧下で放電プラズマ焼結により焼結体を作
製しているので、図9及び図10に示すように焼結体の
高密度化を図り導電性を向上することができる。しか
も、正極活物質としてLiCoO2 を使用して加圧下で
放電プラズマ焼結により焼結体を作製しているので、図
15に示すように焼結体の高密度化を図ることができ
る。これらの理由により、二次電池1の性能を向上する
ことができる。
【0040】なお、上述の実施形態は本発明の好適な実
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある
【0041】
【0042】
【0043】述した実施形態では無機固体電解質4と
してLiTi2(PO43 を使用し、正極活物質として
LiCoO2 を使用し、負極活物質としてリチウムを使
用する全固体型二次電池1としているが、これには限ら
れず無機固体電解質4と正極活物質と負極活物質として
他の材質を使用した全固体型二次電池1としても良い。
さらには、リチウム二次電池1に限られず、ナトリウム
や銀電池等の他の全固体型二次電池1にも適用すること
ができる。いずれの場合も、従来の高分子電解質等を用
いた全固体型二次電池1に比べ、高エネルギー密度と高
信頼性を兼ね備えた全固体型二次電池1を簡便に作製す
ることができる。
【0044】
【実施例】(比較例1)LiTi2(PO43 を得るた
めに化学量論比になるよう秤量した0.5MのLiO
H,H2TiO3,H3PO4の各水溶液を混合及び撹拌
し、それを銀製試験管に入れ、オートクレーブ中で38
0℃かつ5時間の水熱処理を行った。反応後に、得られ
た白色沈殿を蒸留水で洗浄し、濾過してから100℃で
一夜間乾燥させることにより、LiTi2(PO43
末を得ることができた。
【0045】得られた粉体に対して、走査型電子顕微鏡
(SEM)による観察と、X線解析(XRD)と、熱重
量分析/微分熱解析(TG/DTA)を行った。
【0046】SEMによる観察結果を図3に示す。同図
に示すように、LiTi2(PO43 粉末は平均直径約
2μmの粒状体であった。また、XRDの結果を図7に
示す。さらに、TG/DTAの結果を図8に示す。同図
に示すように、DTAで加熱時の800℃付近での吸熱
ピークや冷却時の785℃付近での発熱ピークは見られ
なかった。
【0047】(比較例2)1MのCo(OH)2 に4.
5MのNaOHを滴下して、Co(OH)2 沈殿を得
た。これに空気を吹き込むことにより酸化させ、CoO
OHを得た。得られたCoOOHの2.7gと市販のL
iOH・H2 Oの50gを100ml蒸留水に入れ、テ
フロンビーカー中で十分に混合及び撹拌を行い、これに
ついてオートクレープ中で220℃かつ10時間の水熱
処理を行った。反応後に、得られた沈殿を蒸留水で洗浄
し、濾過してから100℃で数時間程度乾燥させること
により、LiCoO2 粉末を得ることができた。
【0048】得られた粉体に対して、走査型電子顕微鏡
(SEM)による観察とX線解析(XRD)を行った。
SEMによる観察結果を図11に示す。同図に示すよう
に、LiCoO2 粉末は全長が約0.2μmの楕円球状
の粒状体であった。また、XRDの結果を図15に示
す。
【0049】(比較例3)LiTi2(PO43 粉末に
190MPaの圧力を加えてから、大気中で1100℃
に3時間焼結した。これにより焼結体を得た。
【0050】この焼結体に対して、走査型電子顕微鏡
(SEM)による観察とX線解析(XRD)を行った。
【0051】SEMによる観察結果を図6に示す。同図
に示すように、この焼結体は、焼結前のLiTi2(P
43 粉末と同等の平均直径約2μmの粒状体から成
る多孔質体であった。また、この焼結体のXRDの結果
を図7に示す。同図に示すように、TiP2 7 の不純
物は見られなかった。この密度は1.6g/cm3 ,5
4%であった。
【0052】さらに、この焼結体の導電性の温度依存性
を図9に示す。この焼結体の導電率は、50℃で約10
-8S/cmであった。
【0053】また、この焼結体の導電性と密度との関係
を図10に示す。
【0054】(比較例4)炭酸リチウム(Li2CO3
と酸化チタン(TiO2 )とリン酸アンモニウム((N
42HPO4 )とから、固相反応法によってLiTi
2(PO43 を調製した。このLiTi2(PO43
コールドプレスして得られた結合体の密度は、2.3g
/cm-3であった。また、この結合体の導電性の温度依
存性を図22に示す。
【0055】(比較例5)LiTi2(PO43 粉末及
びLiCoO2 粉末を積層して焼結体を得た。この焼結
体は、両方の材質の境界部分で破損した。これは、両方
の粉体の接合が弱く、各材質の異なる熱膨張を吸収でき
なかったためと考えられる。
【0056】(実施例1)放電プラズマ焼結装置6とし
て、住友石炭鉱業(株)製放電プラズマ焼結機SPS−
515Sを用いた。ダイ8はグラファイト製で内径1.
5cmの円筒形のものを用いた。このダイ8にLiTi
2(PO43 粉末を入れて、圧力P=39MPaを与え
ながら800〜1300Aの直流パルス電流を印加して
(放電プラズマ焼結法、以下SPSという)、印加電流
を異ならせることによりダイ8の温度を600,80
0,950,1100,1200℃にまで150℃/m
inの割合で上昇させた。各温度に達したら3〜10分
維持して、電流印加及び圧縮を止め、試料を室温まで冷
却した。この冷却は、約1分で1200℃から600℃
に下がる程度の割合で行った。この状態で取り出した焼
結体は表面にグラファイトの黒鉛を不純物として含んだ
黒色であるが、800℃以下で焼結したものであれば黒
鉛を研磨により取り除き、950℃以上で焼結したもの
であれば大気中で2時間800℃の焼き鈍しにより黒鉛
を取り除いた。これにより、直径1.5cmのLiTi
2(PO43 の焼結体を得た。
【0057】そして、得られた焼結体に対して、走査型
電子顕微鏡(SEM)による観察と、X線解析(XR
D)と、エネルギ分散型特性X線解析(EDX)と、熱
重量分析/微分熱解析(TG/DTA)と、赤外分光
(IR)とによる解析を行った。
【0058】SEMによる観察結果を図4及び図5に示
す。これらの図に示すように、この焼結体では、元は2
μm程度の粒状体が互いに密接に接合して数μm〜10
μm程度の大きさになった。このため、実施例1で得ら
れた放電プラズマ焼結による焼結体は、比較例3で得ら
れた焼結体に比べて粒状体の接合性が高く高密度化でき
ることが判明した。
【0059】また、この焼結体のXRDの結果を図7に
示す。同図に示すように、若干のTiP2 7 や他の不
純物が見られた。しかも、焼結温度が高いほどTiP2
7は多かった。一方、上述したように比較例3で得ら
れた焼結体ではTiP2 7が見られなかったことか
ら、TiP2 7 は放電プラズマ焼結中におけるLiT
2(PO43 からのLiの離脱により形成されたもの
と考えられる。そして、焼結体のLiTi2(PO43
の格子パラメータは焼結前の粉体と一致した。また、1
200℃で10分間放電プラズマ焼結したものの密度
は、2.4g/cm3 ,81%であった。よって、実施
例1で得られた放電プラズマ焼結による焼結体は、比較
例3で得られた焼結体に比べて高密度化できることが判
明した。
【0060】さらに、1200℃で10分間放電プラズ
マ焼結した焼結体のTG/DTAの結果を図8に示す。
同図に示すDTAの結果では、加熱時に797〜803
℃で部分的に溶融する吸熱ピークが見られ、冷却時に7
80〜790℃で全てが固化する発熱ピークが見られ
た。また、同図に示すTGの結果では、1200℃まで
の重量損失は1%未満であった。ところで、LiTi2
(PO4 3 及びLiNO3 から成る合成電解質におい
て、Li4 2 7 がその合成電解質を高密度化するこ
とが知られている。そこで、この実施例の焼結体でも放
電プラズマ焼結時に同様の現象が生ずると考えられる。
すなわち、焼結体のLiTi2(PO43中に若干のT
iP2 7 や他の不純物が含まれることにより上述の8
00℃付近での部分的な溶融や固化が生じて、これによ
り焼結体の高密度化を図りイオン導電性を向上している
と考えられる。
【0061】また、各焼結体の導電性の温度依存性を図
9に示す。このうち、1200℃で10分間放電プラズ
マ焼結した焼結体の導電率は、50℃で約10-6S/c
mであった。よって、比較例3で得られた焼結体の導電
率より2桁も向上した。このため、放電プラズマ焼結に
よる焼結体が全固体型二次電池の無機固体電解質として
適用可能な導電性を有することが判明した。さらに、1
200℃で3分間放電プラズマ焼結した焼結体の直流導
電率は、室温で約10-9S/cm未満であり、これは交
流導電率(6.9×10-7S/cm)の約0.1%未満
である。よって、電子の伝導による貢献は無視できる程
度に小さいことが判明した。
【0062】さらに、この焼結体の導電性と密度との関
係を図10に示す。同図に示すように、密度が高くなる
と導電性が向上した。よって、焼結体を放電プラズマ焼
結により作成することにより、高密度化を図って高導電
性を得られることが判明した。
【0063】また、1200℃で3分間放電プラズマ焼
結した焼結体についてIR解析を行った結果、3400
cm-1帯は明確には表れず、OHがほとんど存在しない
ことが分かった。このため、この焼結体のOH-1とH+
との少なくとも一方のイオンの伝導による貢献は無視で
きることが判明した。
【0064】(実施例2)上述した実施例1と同様に、
放電プラズマ焼結装置6を使用して、原料としてLiT
2(PO43 粉末の代わりにLiCoO2 粉末により
焼結体を作成した。作成方法は、原料が異なる他は実施
例1と同様とした。
【0065】そして、得られた焼結体に対して、走査型
電子顕微鏡(SEM)による観察と、X線解析(XR
D)を行った。
【0066】SEMによる観察結果を図12〜図14に
示す。これらの図に示すように、この焼結体では、粒状
体が矩形棒状に成長した。特に、800℃を超える高温
範囲では、LiCoO2 のc軸方向に成長した。
【0067】また、この焼結体のXRDの結果を図15
に示す。同図に示すように、若干のCo3 4 やCoO
や他の不純物が見られた。これらの不純物はLiCoO
2 の分解により得られるものであり、その量は800℃
を超えると特に多くなった。そして、800℃を超えた
ときに(006)ピークと(009)ピークが成長する
ことが分かり、これは図14に示すLiCoO2 のc軸
方向への成長と一致した。さらに、焼結体のLiCoO
2 の格子パラメータは焼結前の粉体と一致した。また、
600℃で5分間放電プラズマ焼結した焼結体の密度
は、3.1g/cm3 ,61%であり、800℃で5分
間放電プラズマ焼結したものの密度は、3.3g/cm
3 ,65%であった。よって、全固体型二次電池の正極
としては、600℃または800℃で5分間放電プラズ
マ焼結した焼結体を使用することが好ましいと判断され
た。
【0068】(実施例3)上述した実施例1,2と同様
に、放電プラズマ焼結装置6を使用して、原料としてL
iTi2(PO43 粉末約0.4g及びLiCoO2
末約0.5gをこの順に入れて焼結温度を800℃にし
て焼結して接合体5を作成した。作成方法は、原料及び
焼結温度が異なる他は実施例1,2と同様とした。
【0069】そして、得られた接合体5に対して、走査
型電子顕微鏡(SEM)による観察と、X線解析(XR
D)と、エネルギ分散型特性X線解析(EDX)とを行
った。
【0070】SEMによる観察結果を図16に示す。同
図に示すように、この接合体5の側面の中央部には、無
機固体電解質(LiTi2(PO43 )4と正極活物質
(LiCoO2 )との2層の境界が明瞭に観察された。
両層2,4の中間に、反応により生成したと考えられる
第三相22が存在するものの、その第三相22は薄いの
で導電性への影響は小さいと判断される。
【0071】また、図16に示す接合体5の界面のA−
B線上のEDXによる元素分布測定結果を図17に示
す。同図に示すように、界面部分でTi,Co,Pの元
素分布が急激に変化していることが分かる。これは放電
プラズマ焼結法によりシャープな接合面が形成できたこ
とを示している。
【0072】さらに、このLiTi2(PO43 とLi
CoO2 の混合粉を放電プラズマ焼結した焼結体のXR
Dの結果を図18に示す。同図に示すように、CoTi
3とCo2 TiO4 とLiCoPO4 等の不純物が見
られた。このため、第三相22は、これらCoTiO3
とCo2 TiO4 とLiCoPO4 の少なくとも1つで
あると考えられる。
【0073】(実施例4)上述した実施例3と同様に、
放電プラズマ焼結装置6を用いて、原料としてLiTi
2(PO43 粉末約0.4g及びLiCoO2 粉末約
0.5gをこの順に入れて、圧力P=39MPaを与え
ながら600Aの直流パルス電流を印加して、ダイ8の
温度を600℃にまで100℃/minの割合で上昇さ
せた。600℃に達したら3分間維持して、電流印加及
び圧縮を止め、試料を室温まで冷却した。この状態で取
り出した焼結体の表面を研磨して、直径1.5cmの接
合体5を得た。
【0074】そして、得られた焼結体に対して、走査型
電子顕微鏡(SEM)による観察と、X線解析(XR
D)と、エネルギ分散型特性X線解析(EDX)とを行
った。
【0075】SEMによる観察結果を図19に示す。同
図に示すように、この接合体5の側面の中央部には、無
機固体電解質4と正極活物質との2層の境界が明瞭に観
察された。両層2,4の中間に、反応により生成したと
考えられる第三相22が存在するものの、その第三相2
2は薄いので導電性への影響は小さいと判断される。
【0076】また、図19に示す接合体5の界面のA−
B線上のEDXによる元素分布測定結果を図20に示
す。同図に示すように、界面部分でTi,Co,Pの元
素分布が急激に変化していることが分かる。これは放電
プラズマ焼結法によりシャープな接合面が形成できたこ
とを示している。
【0077】さらに、このLiTi2(PO43 とLi
CoO2 の混合粉を放電プラズマ焼結した焼結体のXR
Dの結果を図18に示す。同図に示すように、Co3
4 とCoO等の不純物が見られた。このため、第三相2
2は、Co3 4 とCoOの少なくとも一方であると考
えられる。
【0078】(実施例5)実施例4で作成した接合体5
を用いて、そのLiTi2(PO43 側に、グローブボ
ックス(露点−90℃)中で金属リチウム製の負極活物
質から成る負極3を貼り付けて全固体型二次電池1を作
製した。
【0079】この全固体型二次電池1に対して、充放電
電流密度1.3nA/cm2 、4.3V/3.0V電圧
規制の定電流で充放電試験を行った。その結果を図21
に示す。同図に示すように、一定の電流値で充電すると
電池電圧が上昇し(図中符号23)、充電後の開回路電
圧は充電前より高い値を示した。一方、放電すると逆に
電池電圧が下降し(図中符号24)、放電後の開回路電
圧は放電前より低い値を示した。また、現れるプラトー
(図中符号25)が示す電圧値は、用いた正極2及び負
極3の各材料から推測される値に合致し、数回のサイク
ル試験でも同様の曲線が得られたことから、全固体型二
次電池1として好適に機能することが確認できた。
【0080】(実施例6)炭酸リチウム(Li2CO3
と酸化チタン(TiO2 )とリン酸アンモニウム((N
42HPO4 )とから、固相反応法によってLiTi
2(PO43 を調製した。このLiTi2(PO43
放電プラズマ焼結して焼結体を作成した。この焼結体の
密度は、2.7g/cm-3でX線理論密度の92%であ
った。これは、比較例4でのコールドプレスして得られ
た結合体の密度2.3g/cm-3よりも大きかった。
【0081】また、図22に示すように、実施例6で得
られた放電プラズマ焼結による焼結体のイオン伝導率
は、比較例4で得られた焼結体よりも1桁以上向上し
た。
【0082】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、請求項
1記載の全固体型二次電池によれば、作製後の正極およ
無機固体電解質の高密度化を図ることができるので、
導電性及び強度を向上すると共に正極および無機固体電
解質の長寿命化を図ることができる。また、正極および
無機固体電解質の作製のために外部からそれほど加熱し
なくても粉体は十分に加熱されて焼結されるので、作製
時間を短時間に抑えることができる。
【0083】さらに、正極および無機固体電解質は焼結
体から成るので、二次電池の大面積化が容易になると共
に、ピンホールの発生等による歩留まりの悪さを解消で
き、しかも形状の自由度が比較的大きくなって様々な二
次電池に適用可能になる。
【0084】また、正極と無機固体電解質とは焼結によ
り接合されるので、両者の間での導電性及び接合強度を
向上させることができる。
【0085】さらに、請求項記載の全固体型二次電池
の作製方法によれば、無機固体電解質及び極部材の作製
のために外部からそれほど加熱しなくても粉体は十分に
加熱されて焼結されるので、全固体型二次電池の作製時
間を短時間に抑えることができる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全固体型二次電池の全体を示す斜視図
である。
【図2】全固体型二次電池を作製する放電プラズマ焼結
装置を示すブロック図である。
【図3】比較例1で得たLiTi2(PO43 の焼結前
の粉体を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】放電プラズマ焼結(1100℃、10分)によ
り得たLiTi2(PO43 の焼結体を示す電子顕微鏡
写真である。
【図5】放電プラズマ焼結(1200℃、10分)によ
り得たLiTi2(PO43 の焼結体を示す電子顕微鏡
写真である。
【図6】比較例3で得たLiTi2(PO43 の焼結体
を示す電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例1で得られた各焼結体のXRDの結果を
示す図である。
【図8】比較例1と放電プラズマ焼結法により1200
℃,10分で焼結された焼結体のTG/DTAの結果を
示す図である。
【図9】放電プラズマ焼結法により得られた各焼結体と
比較例3で得られた焼結体との導電性の温度依存性を示
す図である。
【図10】放電プラズマ焼結法により得られた各焼結体
と比較例3で得られた焼結体との密度と導電性の関係を
示す図である。
【図11】比較例2で得たLiCoO2 の焼結前の粉体
を示す電子顕微鏡写真である。
【図12】放電プラズマ焼結法(600℃、5分)によ
り得たLiCoO2 の焼結体を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図13】放電プラズマ焼結法(800℃、5分)によ
り得たLiCoO2 の焼結体を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図14】放電プラズマ焼結法(1000℃、5分)に
より得たLiCoO2 の焼結体を示す電子顕微鏡写真で
ある。
【図15】放電プラズマ焼結法により得られた各焼結体
と比較例2で得られた焼結体とのXRDの結果を示す図
である。
【図16】LiTi2(PO43 とLiCoO2 との接
合体の界面部分を示す電子顕微鏡写真である。
【図17】図16のA−B線におけるEDXによるT
i、Co、P元素の分布測定結果を示す図である。
【図18】各LiTi2(PO43 とLiCoO2 の混
合粉を放電プラズマ焼結した焼結体のXRDの結果を示
す図である。
【図19】LiTi2(PO43 とLiCoO2 との接
合体の界面部分を示す電子顕微鏡写真である。
【図20】図19のA−B線におけるEDXによるT
i、Co、P元素の分布測定結果を示す図である。
【図21】実施例5で得られた全固体型二次電池の充放
電結果を示す図である。
【図22】実施例6で得られた焼結体と比較例4で得ら
れた焼結体との導電性の温度依存性を示す図である。
【符号の説明】
1 全固体型二次電池 2 正極 3 負極 4 無機固体電解質
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 友成 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 田渕 光春 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 阿度 和明 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 蔭山 博之 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業 技術院大阪工業技術研究所内 (56)参考文献 特開 平10−251070(JP,A) 特開 平5−299101(JP,A) 特開2000−109360(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/36 - 10/40 H01M 4/00 - 4/04 H01M 4/36 - 4/62

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活物質から成る正極と活物質から成る負
    極とこれら正極及び負極の間に介在される無機固体電解
    質とを備える全固体型二次電池において、前記正極と
    記無機固体電解質とは、前記極を形成する活物質の粉末
    と前記無機固体電解質の粉末とを積層して、その積層粉
    末に加圧下で直流パルス電流を印加して焼結したもので
    あることを特徴とする全固体型二次電池。
  2. 【請求項2】 正極を形成する活物質の粉末と無機固体
    電解質の粉末とを2層に積層して、その積層粉末に加圧
    下で直流パルス電流を印加して前記極と前記無機固体
    電解質とを焼結により一体形成し、前記無機固体電解質
    極を形成する活物質から成る極部材を取り付けて全
    固体型二次電池を形成することを特徴とする全固体型二
    次電池の作製方法。
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