JP4783537B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、正極材と負極材との間に有機固体電解質(電解液を含むものを除く)を介在させたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
電力貯蔵用や移動体機器の電源用に使用される二次電池は、一回の充電による長時間使用(高エネルギー密度化)と充放電繰り返し可能回数の増加(長寿命化)と、故障および発火に対する高い信頼性とが求められる。従来の二次電池では、単電池あたりの放電時、電圧の平坦部は最も高いもので4.1Vであり、更なる高エネルギー密度化には、単電池あたりの電圧上昇が有効である。
【0003】
放電電圧を更に上げる手法としては、以下のものが提案されている。すなわち、スピネル型と称される結晶形態をもつ正極活物質の化合物、例えば、LiMxMn(2−x)O4において、金属MにNi、Co、Fe等を用い、構成比x=0.5とした材料については、充放電時の電圧平坦部が4.7V以上を示す正極材料が合成されることが知られいている。これは、金属Mイオンの価数が合成時の状態により他の価数に変化することにより高い電圧が発現するからであると考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、4.7V以上の高電圧下では、有機物の酸化分解が不可避とされており、充放電を繰り返し行なうに従い、電解質に用いられる有機物の酸化分解により正極/電解質界面に副生成物が堆積し、結果として電池性能を低下させることが懸念されていた。また一方、正極自体が高電圧下では、本来反応すべき金属イオンの価数変化のほかに、酸素の脱離による不可逆な電荷補償が懸念されており、これらを抑制することが高電圧正極を有効に機能させるために必要とされていた。
【0005】
本発明は、有機固体電解質(電解液を含むものを除く)の酸化分解を抑制すると共に、正極活物質からの酸素の脱離を抑制できるリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、正極材と負極材との間に有機固体電解質(電解液を含むものを除く)を介在させたリチウム二次電池において、前記正極材と前記有機固体電解質との間にあらかじめ、リチウムイオンを含み、前記正極材より酸素供給をされても容易に酸化しない材料であるLi 3 PO 4 、LiPON、Li 2 BO 3 、Li 2 SO 4 、LiAlSiO 4 、LiPF 6 、LiBF 4 のいずれか、又はこれらの混合物である無機固体電解質の薄膜を形成し、電池としてのイオン導電性を確保しつつ、前記有機固体電解質の酸化分解を抑制すると共に、前記正極材からの酸素の離脱を抑制するものである。
【0007】
充電時には二次電池の正極材は酸化剤となり、有機固体電解質(電解液を含むものを除く。以下同じ。)を酸化分解させようとする。正極材と有機固体電解質との間に形成された無機固体電解質の膜は、有機固体電解質の酸化分解を抑制すると共に、正極材からの酸素の離脱を抑制する。このため、有機固体電解質の劣化反応を抑えることができ、放充電を繰り返しても放電時の高電圧を長時間にわたり維持できる。
【0009】
また、無機固体電解質を、リチウムイオンを含み、正極材より酸素供給をされても容易に酸化しない材料である、Li 3 PO 4 、LiPON、Li 2 BO 3 、Li 2 SO 4 、LiAlSiO 4 、LiPF 6 、LiBF 4 のいずれか、又はこれらの混合物とすることで、放充電を繰り返しても放電時の高電圧を維持できるリチウム二次電池を提供することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
図1に、本発明を適用したリチウム二次電池の実施形態の一例を概念的に示す。リチウム二次電池は、正極材1と負極材4との間に有機固体電解質(電解液を含むものを除く。以下同じ。)5を介在させたものあって、正極材1と有機固体電解質5との間に無機固体電解質の膜12を形成したものである。本実施形態のリチウム二次電池は、有機固定電解質を使用したコンポジット全固体型リチウム二次電池である。
【0013】
正極材1は、例えば電極材料基板としての金属電極基板2と、金属電極基板2上に例えば静電噴霧析出(ESD)法によって反応生成物固体として析出させた正極活物質3より構成されている。金属電極基板2は、例えばアルミニウムである。ただし、アルミニウムに限るものではなく、金、白金、チタン等でも良い。
【0014】
正極活物質3としては、例えばLiNi0.5Mn1.5O4なる組成のものである。ただし、これに限定されるものではない。原料としては、例えば揮発性溶媒に溶解可能なリチウム化合物塩である。具体的には、例えば硝酸リチウム(LiNO3)等である。また、揮発性溶媒としては、例えばエタノールである。
【0015】
一方、正極活物質3の金属電極基板2への静電噴霧析出は、図3に示すような静電噴霧析出装置6を使用した静電噴霧析出(ESD)法により行われる。静電噴霧析出装置6は、例えば、原料の溶液10の定速供給が可能なシリンジポンプ等の定速供給機器7、噴霧された溶液10の霧滴を微細化できるだけの電圧を発生できる高電圧電源8、金属電極基板2を加熱できるホットプレート9を備えて構成されている。この静電噴霧析出装置6では、溶液10を噴霧する金属製ノズル11をホットプレート9の上方に設置し、ホットプレート9に載せられた金属電極基板2と金属製ノズル11との間に電圧を印加しながら、溶液10を定速供給機器7から定速供給することにより、溶液10を静電微細な霧滴にして金属電極基板2上に噴霧する。
【0016】
この後、ホットプレート9によって金属電極基板2を例えば400℃に加熱し、速やかに溶媒を揮発させて正極活物質3を金属電極基板2上に析出させる。
【0017】
本実施形態では、定速供給機器7は一つであるが、定速供給機器7を複数設けても良い。例えば、原料である複数の溶質を混合することで溶液10中に沈殿が生じる場合等には、定速供給機器7を複数設置し、各溶質を異なる定速供給機器7から同一の金属製ノズル11に供給して噴霧の直前に混合するようにしてもよい。
【0018】
また、本実施形態では、金属製ノズル11は一つであるが、金属製ノズル11を複数設けても良い。金属製ノズル11を等間隔で複数設置することで、一度に噴霧できる金属電極基板2の面積を大きくすることができる。
【0019】
無機固体電解質の膜12は、正極材1の表面に形成されている。無機固体電解質は、リチウムイオンを含み、正極材1より酸素供給をされても容易に酸化しない材料、例えばLi3PO4である。ただし、無機固体電解質はLi3PO4に限るものではなく、例えばLiPON、Li2BO3、Li2SO4、LiAlSiO4、LiPF6、LiBF4等、あるいはこれらの混合物でも良い。
【0020】
無機固体電解質として例えばLi3PO4を用いる場合には、リチウムイオンを含むアルカリ金属化合物塩を原料に用いる。例えば硝酸リチウム(LiNO3)とリン酸(H3PO4)をLiNO3:H3PO4=3:1となるようにエタノール中に溶解し、この溶液を正極活物質3上に噴霧又は滴下して析出させる。即ち、例えばESD法、または塗布乾燥法等によって無機固体電解質の膜12を形成することができる。LiNO3、H3PO4は溶液の状態で均質に混合されているので、析出時にその組成を均質なものにすることができる。
【0021】
無機固体電解質の膜12の平均換算膜厚は、例えば約10nmである。Li3PO4はイオン導電性が低いため、膜厚を薄くして電池としてのイオン導電性を確保している。無機固体電解質の膜12の厚さを薄くすることは、電池のコンパクト化、高エネルギー密度化という観点からは好ましいことである。
【0022】
負極材4は、例えばLiである。
【0023】
充電時には二次電池の正極材1は酸化剤となり、有機固体電解質5を酸化分解させようとする。正極材1と有機固体電解質5との間に形成された無機固体電解質の膜12は、有機固体電解質5の酸化分解を抑制すると共に、正極材1からの酸素の離脱を抑制する。このため、本発明のコンポジット全固体型二次電池では有機固体電解質5の劣化反応を抑えることができ、図2に示すように、放電時の高電圧を長時間にわたり維持できる。
【0024】
二次電池は正極材(酸化剤)1と負極材(還元剤)4の間を電解質でつないだものであり、近年、二次電池の高電圧化に伴い電解質として有機物を使用する傾向にある。二次電池を高電圧化するということは酸化性が強くなるということであり、電解質の使用条件として酸化剤として機能する正極材による酸化分解に耐えることができるということが重要であるが、有機物は無機物に比べて酸化分解されやすい。本発明では、正極材1と有機固体電解質5との間に無機固体電解質の膜12を形成し、正極材1による有機固体電解質5の酸化分解を抑制し、二次電池の高電圧化を可能にしている。即ち、図2に示すように、二次電池の放電時に高い電圧領域に平坦部を主に示す正極材1を有効に機能させることができる。
【0025】
本発明では、正極材1と負極材4の間の電解質として高分子固体電解質(有機固体電解質)を用いた高エネルギー密度を有する高電圧全固体型二次電池が実現できる。高分子固体電解質は大面積化、大型化が容易な材料系であり、かつ高安全性を兼備するものであることから、二次電池を大型化、大容量化することができる。
【0026】
なお、容量の大きな二次電池では、正極活物質3を粒子状にし、粒子状の正極活物質3を金属電極基板2に塗布することで正極材1を形成するのが一般的である。この場合には、正極活物質3の粒子の表面に無機固体電解質の膜12を形成することが好ましい。例えば、硝酸リチウム(LiNO3)とリン酸(H3PO4)をエタノール中に溶解し、この溶液中に正極活物質3の粒子を漬けて攪拌する。その後、溶液中から正極活物質3の粒子を取り出して乾燥させる。これにより、正極活物質3の粒子の表面に無機固体電解質をコーティングすることができる。
【0027】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0028】
また、上述の説明では二次電池としてリチウム電池を例にしていたが、リチウム電池に限るものではないことは勿論である。つまり、無機固体電解質としては、無機質で、電解質として機能し、しかも正極からの酸素の移動を抑制できるものであれば良く、例えば、二次電池がリチウム二次電池の場合にはリチウムイオンを通すものであれば良く、またナトリウム二次電池の場合にはナトリウムイオンを通すものであれば良い。
【0029】
【実施例】
高エネルギー密度と高安全性を兼備し、かつ組電池個数を低減できる5V級の高電圧正極を適用したコンポジット全固体型電池の実現可能性を確認するために、全固体型リチウム二次電池を試作した。
【0030】
1.成果
(1)静電噴霧析出(ESD)法により5V級正極、LiNi0.5Mn1.5O4(正極活物質)を合成し、その上に、平均換算膜厚10nmの薄膜無機電解質(無機固体電解質の膜、例えばLi3PO4)をESD法、または塗布乾燥法にて析出させることに成功した。
【0031】
(2)高分子固体電解質(有機固体電解質、SPE)を薄膜無機電解質上で熱架橋し、対極(負極材)にリチウムを用い、[LiNi0.5Mn1.5O4|Li3PO4|SPE|Li]のコンポジット全固体型リチウム二次電池を試作した(図1)。試作したコンポジット全固体型二次電池は、4.5Vおよび4.0V付近に変曲点をもつ放電電圧挙動を示し、同じ正極組成で作製した液体電解質の電池と同じ、5V級正極に特徴的な挙動を示すことが確認された(図2)。液体電解質は5V級正極との組み合わせでは電解液の酸化分解が懸念されるが、本コンポジット電解質では耐酸化性に優れているため、電池性能を改善することができる。
【0032】
(3)比較として、Li3PO4を含まない高分子全固体型電池も試作したが、放電電圧平坦部は3.5V以下となり、5V級正極が実現しないことが確認された(図2)。
【0033】
2.実験
各材料調製、および電池化の流れを図1に示す。
【0034】
▲1▼ ESD法による正極材料の合成(図1(A))
スピネル構造の正極材料、LiMn2O4、およびMnサイトの25%をNiで置換したLiNi0.5Mn1.5O4は、静電噴霧析出(ESD)法にて合成した。原料としては、各種硝酸塩、すなわちLiNO3,Mn(NO3)2,およびNi(NO3)2を約50mmolkg−1の濃度でエタノールに溶解させたものを用いた。基板には0.5mm厚、18mmφのアルミ板の表面を#1500の耐水ペーパーで研磨したものを用いた。各エタノール溶液を所定組成に調製し、2mlh−1の析出速度で4ml滴下した。基板温度は400℃、ノズルと基板間の印加電圧は9kVとした。析出した活物質量は基板当たり0.5〜1mgである。
【0035】
▲2▼ 薄膜無機固体電解質の合成(図1(B))
ESD法により合成した正極薄膜(正極活物質の膜)上に、更に薄膜の無機固体電解質を生成させる手法としては、ESD法、および塗布乾燥法を用いた。原料としては、LiNO3、およびH3PO4、各約50mmolkg−1のエタノール溶液を所定比で混合し、プレカーサとした。ESD法では、プレカーサ溶液を約40倍に希釈し、正極材料の合成と同条件にて正極上に析出させた。一方、塗布乾燥法では、プレカーサを希釈せず、25μlずつ正極上に滴下し、滴下後速やかに100℃で乾燥する過程を繰り返し、計100μlを滴下したのち、400℃にて20分程度アニール処理した。
【0036】
▲3▼ 高分子固体電解質の架橋(図1(C))
高分子固体電解質としては、ダイソー(株)製高分岐型固体電解質、EM−THを用いた。電解質塩としては、四フッ化ほう酸リチウム(LiBF4)を用いた。架橋助剤としてはダイソー(株)製DS−A、架橋時に必要な過酸化物は、日本油脂(株)製BMT(m-Toluoyl and benzoyl peroxide)の40%トルエン溶液を用いた。架橋前のEM−THをアセトニトリル(モレキュラーシーブスにて脱水済)に溶解し、キムワイプをフィルターとして自然濾過して不溶分を除いて高粘度の透明溶液を作製した。この溶液をESDにより合成した正極、あるいは無機固体電解質上にマイクロピペットで約100μl直接ディップし、常圧にて10分ほど静置したのち、100℃、20Pa程度で3時間以上熱架橋し、厚さ約50μmの電解質膜とした。上記の作業は混合、乾燥、架橋全ての工程は(株)美和製作所製真空置換型グローブボックスの高純度アルゴン雰囲気下(H2O<0.1ppm,O2<0.4ppm) で行なった。
【0037】
▲4▼ 電池化および特性評価
架橋した高分子固体電解質上に0.3mm厚の金属リチウムを貼り付け(図1(D))、2032型(直径20mmφ、高さ3.2mm)のコイン電池として各種特性試験を行なった。電池の作製は前述のアルゴン置換グローブボックス中で行なった。
【0038】
電極界面のインピーダンス解析にはセイコーEG&G(株)製のポテンシオスタット(Model 283)及びFRA(Model 1025)を用い、ソフトウエアPowersineを用いて交流インピーダンス解析を行なった。印加電圧は10mV、測定周波数は1MHz〜10mHz、電池温度はペルチエヒーターにて制御し、10℃〜60℃の温度範囲で行なった。電池の充放電は北斗電工(株)製充放電装置(SM−6)を用い、60℃雰囲気下で行なった。表面状態の解析にはニコンインステック(株)製、環境制御型電子顕微鏡E−SEM2700L、およびフィリップス(株)製エネルギー分散型特性X線分析装置EDAX−4を用いた。薄膜正極、および無機固体電解質の構造については、(株)リガク製粉末X線回折装置(RINT−1500)およびマックサイエンス(株)製X線回折装置(MXP−18)を用いた。正極材料内遷移金属イオン配置等は、粉末X線リートベルト解析により推定した。
【0039】
3.結果と考察
(1)Li3PO4薄膜を用いたコンポジット電池の性能改善
まず、ESD法にてLi3PO4が生成可能かを検討するため、アルミ基板に対し、XRD解析で分析可能なほどに厚い(約1μm)生成物を析出させ、定性分析を行なった。表面のXRD解析結果を図4に、表面形態のE−SEM分析結果を図5に示す。基板由来の反射ピークを除くと、Li3PO4のみの反射ピークが観測され、目的物が良好に析出できていることを確認した。また、表面形態は比較的均一で、結晶性も高く、ピンホール等もないことから、リジッドな膜が形成されていることを確認した。
【0040】
Li3PO4のリチウムイオン導電性は室温で約10−8Scm−1と非常に低いことが知られている。無機固体電解質の膜を、例えばイオン導電性の高い(Li,La)TiO3で製作する場合には、その厚さを1mmとすることができるが、この無機固体電解質の膜をLi3PO4に代替した場合、無機電解質部分のイオン導電性を(Li,La)TiO3と同等にするには、イオン導電性の不足分(5桁の違い)を薄膜化でカバーする必要がある。そこで、Li3PO4の理論密度から換算して析出量を見積もり、換算膜厚約10nmの薄膜Li3PO4をESD法、あるいは塗布乾燥法で作製した。析出前後のXRD解析、およびEDX分析結果を図6、および図7に示す。ここでは、アルミ基板上に予めLiNi0.5Mn1.5O4をESD法により析出したものに更にLi3PO4を析出させている。スピネル正極のピークと比べてLi3PO4のピークは小さく、析出量が僅かであることを示している。
【0041】
Li3PO4導入による界面特性の違いを明らかにするため、各電極界面の交流インピーダンス解析を行なった。60℃におけるインピーダンス測定結果の一例を図8に、各温度における界面インピーダンス測定から得られた各界面特性のアレニウスプロットを図9に示す。60℃では、コンポジット全固体型電池のインピーダンスは高分子系に比べ約2倍になっており、Li3PO4の導入により電池の内部抵抗を倍にする影響が出ていることがわかる。単位面積当たりに換算したコンポジット全固体型電池の界面インピーダンスは、60℃において1600Ωcm−2となった。
【0042】
上記の方法で析出した薄膜Li3PO4が、全固体型電池特性にどのように寄与するかを明らかにするため、LiMn2O4を正極に用いた電池系で充放電サイクル特性を比較した。電解質に高分子固体電解質のみを用いた場合と、正極上にLi3PO4を導入したコンポジット電解質の場合のサイクル特性を図10に示す。図10(A)はコンポジット全固体型電池の構成を示す断面図、図10(B)は高分子全固体型電池の構成を示す断面図であり、図10(C)はコンポジット全固体型電池と高分子全固体型電池の容量サイクル特性を示し、図10(D)はコンポジット全固体型電池と高分子全固体型電池のクーロン効率サイクル特性を示している。ここで、環境温度は60℃であり、通常の液体電解質を用いて予めこの正極材料の特性を試験したところ、副反応のため10サイクル程度で初期放電容量の2割にまで容量低下した。高分子固体電解質のみの電池でも、液体系と比較するとややサイクル特性は改善しているが、コンポジット化により更にサイクル特性の改善が見られた。特にコンポジット全固体型電池のクーロン効率はほぼ100%と高い値を維持する結果が得られた。これは、正極/高分子界面に用いたLi3PO4は非常に薄膜であるにもかかわらず、電池特性の改善に寄与していることを示すものである。
【0043】
(2)ESD法による5V級正極の合成と組成評価
ESD法により合成したLiNi0.5Mn1.5O4について、リートベルト解析によりこの物質が目的物質であるのかどうか推定した。この解析には、ESD法により析出した膜を基板から掻きだし、粉末として十分に粉砕してから用いた。フィッティング結果を図11に示す。得られたX線回折図は、LiNi0.5Mn1.5O4の単位胞(Fd3m、格子定数a=8.169Åより予想される回折線の予想曲線と非常に良く一致しており、得られた格子定数もa=8.19905(14)Åであり、上述の値に近いことがわかり、ESD法により目的物質LiNi0.5Mn1.5O4が得られていることがわかった。
【0044】
(3)5V級コンポジット全固体型電池の試作
LiNi0.5Mn1.5O4上にLi3PO4を析出させ、高分子固体電解質を熱架橋して得られたコンポジット全固体型電池について、充放電試験を行なった。初期放電時の電圧挙動を図2に示す。参考として、無機固体電解質の膜を形成しない2つの例、即ち、電解質として有機溶媒を用いた同系、および高分子固体電解質のみを用いた系の放電曲線も示した。有機溶媒系(液体電解質型二次電池)で約110mAhg−1に対し、本発明のコンポジット系(コンポジット全固体型二次電池)では若干容量が小さくなるが約100mAhg−1の容量が得られた。また、本発明のコンポジット系では、放電平坦部も有機溶媒系よりやや低いものの、4.7Vと4.1Vに現れ、有機溶媒系とほぼ同じ放電挙動が得られた。これまで、全固体型電池で4.2V以上の高電位領域に平坦部をもつ系としては、電解質にLiPON(Li3PO4の酸素の一部を窒素に置換した系)を用いた電池が知られている。しかしながら、LiPON電解質は約1〜数μmの酸化物薄膜でなければ電池として機能しない。結果として、マイクロバッテリー以外の用途は実現不可能であり、電池の大型化には不適である。また、有機溶媒は5V級正極との組み合わせでは高電位領域で酸化分解するためサイクル特性が得られないとの懸念がある。これに対し、本発明のコンポジット全固体型電池は、正極近傍にのみ酸化物薄膜(無機固体電解質の膜)を用い、負極との界面には高分子電解質(有機固体電解質)を用いるため、高電圧化と大型化の両立が可能な電池系であることが特徴である。
【0045】
一方、高分子系では、放電平坦部が3.5V以下と低くなり、放電容量も十分に得られない結果となった。高分子系では高電圧領域では充電時に電解質が酸化分解されることが懸念される。この現象を明らかにするため、充電上限電位を4.3V〜4.7Vまで各サイクル毎に上げていき、その放電挙動を比較した。各充電上限電圧における放電曲線、およびクーロン効率、エネルギー効率を図12に示す。図12(A)に高分子全固体型二次電池の過充電時充放電電圧特性を、図12(B)に高分子全固体型二次電池の過充電時充放電効率特性を示す。なお、高分子全固体型二次電池の充電時電圧挙動を符号Iで、放電時電圧挙動を符号IIで示している。高分子全固体型二次電池では、充電上限電圧を4.3Vとした場合には、放電平坦部も4V以上の領域にみられるが、上限電圧を4.5Vとすると、前者より放電平坦部が下がる傾向が見られ、上限電圧を4.7Vとすると、放電電圧は更に下がることが確認された。このことから、高分子固体電解質を用いた系では4.5V以上の電圧では可逆性が得られないことが検証された。
【0046】
4.まとめ
無機固体電解質と高分子固体電解質の双方の利点を取り入れたコンポジット全固体型リチウム二次電池について、その大きな特徴である高電圧正極との組み合わせの可能性を検討し、以下の結果が得られた。
【0047】
(1)静電噴霧析出(ESD)法により5V級正極、LiNi0.5Mn1.5O4を合成し、その上に、平均換算膜厚10nmの薄膜無機電解質(Li3PO4)をESD法、または塗布乾燥法にて析出させ、良好な正極/電解質界面(60℃において約1600Ωcm−2)を形成可能とした。
【0048】
(2)高分子固体電解質(SPE)を薄膜無機電解質上で熱架橋し、対極にリチウムを用い、[LiNi0.5Mn1.5O4|Li3PO4|SPE|Li]のコンポジット全固体型リチウム二次電池を試作した。試作した電池は、5V級正極に特徴的な挙動を示すことが確認された。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載のリチウム二次電池では、リチウムイオンを含み、正極材より酸素供給をされても容易に酸化しない材料であるLi 3 PO 4 、LiPON、Li 2 BO 3 、Li 2 SO 4 、LiAlSiO 4 、LiPF 6 、LiBF 4 のいずれか、又はこれらの混合物である無機固体電解質の薄膜を形成し、電池としてのイオン導電性を確保しつつ、前記有機固体電解質の酸化分解を抑制すると共に、前記正極材からの酸素の離脱を抑制するものとしたので、有機固体電解質(有機電解液を含むものを除く)の劣化反応を抑えることができ、放充電を繰り返しても放電時の高電圧を長時間にわたり維持できる。
【0051】
また、無機固体電解質を、リチウムイオンを含み、正極材より酸素供給をされても容易に酸化しない材料である、Li 3 PO 4 、LiPON、Li 2 BO 3 、Li 2 SO 4 、LiAlSiO 4 、LiPF 6 、LiBF 4 のいずれか、又はこれらの混合物としているので、リチウム二次電池を高電圧化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した二次電池の実施形態の一例をその製造過程の順に示し、(A)は正極材の金属電極基板に正極活物質の膜を合成する様子を示す概念図、(B)は無機固体電解質の膜を合成する様子を示す概念図、(C)は高分子電解質(有機電解質)を熱架橋する様子を示す概念図、(D)はコンポジット全固体型リチウム二次電池を組み上げる様子を示す概念図である。
【図2】本発明を適用したコンポジット全固体型リチウム二次電池の放電電圧挙動を示す図である。
【図3】ESD法を実施する装置の概略構成を示す概念図である。
【図4】ESD法によるLi3PO4の析出状態をX線回折分析(XRD)した結果を示す図である。
【図5】ESD法によるLi3PO4の析出状態を示す走査型電子顕微鏡(E−SEM)写真である。
【図6】Li3PO4薄膜の析出前後の様子をX線回折分析(XRD)した結果を比較して示す図である。
【図7】Li3PO4薄膜の析出前後の様子をEDX分析した結果を比較して示す図である。
【図8】高分子全固体型二次電池およびコンポジット全固体型二次電池の界面インピーダンス測定例(60℃)を示す図である。
【図9】高分子全固体型二次電池およびコンポジット全固体型二次電池の界面特性を示す図である。
【図10】コンポジット全固体型二次電池と高分子全固体型二次電池のサイクル特性を示し、図10(A)はコンポジット全固体型二次電池の構成を示す断面図、図10(B)は高分子全固体型二次電池の構成を示す断面図、図10(C)はコンポジット全固体型二次電池と高分子全固体型二次電池の容量サイクル特性を示す図、図10(D)はコンポジット全固体型二次電池と高分子全固体型二次電池のクーロン効率サイクル特性を示す図である。
【図11】ESD法により合成したLini0.5Mn1.5O4のリートベルト解析結果を示す図である。
【図12】高分子全固体型二次電池の高電圧充放電可逆性の比較結果を示し、図12(A)は高分子全固体型二次電池の過充電時充放電電圧特性を示す図、図12(B)は高分子全固体型二次電池の過充電時充放電効率特性を示す図である。
【符号の説明】
1 正極材
4 負極材
5 有機電解質
12 無機固体電解質の膜
Claims (1)
- 正極材と負極材との間に有機固体電解質(電解液を含むものを除く)を介在させたリチウム二次電池において、前記正極材と前記有機固体電解質との間にあらかじめ、リチウムイオンを含み、前記正極材より酸素供給をされても容易に酸化しない材料であるLi 3 PO 4 、LiPON、Li 2 BO 3 、Li 2 SO 4 、LiAlSiO 4 、LiPF 6 、LiBF 4 のいずれか、又はこれらの混合物である無機固体電解質の薄膜を形成し、電池としてのイオン導電性を確保しつつ、前記有機固体電解質の酸化分解を抑制すると共に、前記正極材からの酸素の離脱を抑制することを特徴とするリチウム二次電池。
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